JP2000165201A - 高チュ―ニング性cmos遅延素子 - Google Patents
高チュ―ニング性cmos遅延素子Info
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Abstract
ューニング可能範囲を拡張する方法、及びこのような方
法により拡張されたチューニング可能範囲を有する遅延
素子を提供すること。 【解決手段】 遅延素子は、差動増幅器(M15,M
8,M2,M6,M5)から成り、負荷トランジスター
(M2,M5)は、ソースフォロワー構成にて接続され
た夫々のゲート・バイアス・トランジスター(M21,
M22)に接続され、かつ、負荷トランジスター(M
2,M5)の各々が表わす正インピーダンスに並列の負
インピーダンスを実現するフィードバック・トランジス
ター(M3,M4)にも接続される。遅延の変調は、負
荷トランジスター(M2,M5)、フィードバック・ト
ランジスター(M3,M4)及びゲート・バイアス・ト
ランジスター(M21,M22)のバイアス電流を変調
することにより達成される。
Description
集積回路に係り、特に、該回路の一部を形成して特にリ
ング発振器や遅延ロック回路を実現するのに使用される
遅延素子のチューニング範囲を拡張するための方法、及
びそのようにして得られた高チューニング性遅延素子に
関する。
ないための増幅素子と、入力電圧をその出力にて再生す
る負荷とにより形成される。遅延は、増幅器が入力電圧
を負荷上に再生するのに要する時間に依存する。最も普
通の用途では、複数の遅延素子が、カスケード状に接続
され、制御された遅延線又はリング発振器を形成する。
この種の装置を設計する際、極めて重要なのは、遅延や
増幅を実現する基本ブロックの構造の選択である。最も
普通の選択は、差動増幅器に基づいた構造を用いること
である。というのは、それを用いることにより、容量性
結合を原因としてコモンモードにて信号に加わるノイズ
の効果が低減されるからである。さらに、選択される素
子は、導入される遅延の可変性を確保し、チューナブル
遅延線又はリング発振器を実現しなければならない。チ
ューニング性の問題に直面する際には、動作条件(電源
電圧や温度)に対する構成要素の極端な感応性に加え
て、異なるサンプル(specimen)の特性の広がり(すなわ
ち、個々のサンプルを実現するためのプロセス条件の変
動を原因とする特性の広がり)の問題を明確に克服しな
ければならない。従って、装置は、動作条件及びプロセ
ス条件が変化しても要件全てを満たすように、高い柔軟
性を示さなければならない。特に、個々の遅延素子のチ
ューニング可能範囲は、動作条件及びプロセス条件が如
何なるものであろうとも、少なくとも特定の遅延の達成
(よって、チューナブル発振器の場合には特定の発振周
波数の達成)を保証しなければならない。これまでのと
ころ、差動構造を特徴とする種々の遅延素子が、上記目
的を達成するために示されてきた。
ックループの設計及びクロック回復回路−チュートリア
ル(Design of Monolithic Phase-Locked Loops and Clo
ck Recovery Circuits - A Tutorial)」(著書「モノリ
シック位相ロックループの設計及びクロック回復回路−
理論と設計(Monolithic phase-locked loops and clock
recovery circuits - Theory and Design) 」(B.Raza
viにより編集、インスティチュート・オブ・エレクトリ
カル・アンド・エレクトロニクス・エンジニア社により
発行、ニューヨーク、米国、1996年)の第1頁以降
に記載)には、本質的に差動増幅器から成るCMOS回
路が開示されており、負荷トランジスターのゲートは、
夫々のソースフォロワーステージによりバイアスが加え
られてトランジスターのゲート−ソース電圧降下を補償
し、CMOS技術において普通に用いられる低電圧値で
の動作を可能にする。ソースフォロワーステージのトラ
ンジスターは、一定の電流によりバイアスが加えられ
る。遅延の変調は、一対のN型トランジスターを通って
流れる静止電流(rest current)を変調することにより得
られる。これらの一対のN型トランジスターは、正のロ
ーカル・フィードバックを導入し、関連の小信号に対し
て、P型負荷トランジスターの正インピーダンスに並列
の負インピーダンスをそれぞれ形成する。発振振幅の安
定性を保証するために、負荷トランジスターの静止電流
は、一定に保たれる。このことは、差動ステージやフィ
ードバックステージに供給する電流ミラーを、それぞれ
の電流の総和が一定になるように駆動することで達成し
得る。この文献には、回路が発振器として使用される際
には約1オクターブ(最大周波数は最小周波数の約2
倍)のチューニング可能範囲を有することが記載されて
いる。この境界は、フィードバック・トランジスターの
トランスコンダクタンスが負荷トランジスターのトラン
スコンダクタンスを越えることができないことから設定
され、(負荷トランジスターの正インピーダンスと夫々
のフィードバック・トランジスターの負インピーダンス
間の並列接続から生じる)負荷の全インピーダンスが負
となり回路を不安定にすることを防止する。このサイズ
の範囲自体は、特に、高い柔軟性が要求される(例えば
百MHzから1GHzより大きい範囲の発振周波数が達
成される)ような集積回路内で使用される発振器での用
途にとっては十分なものでない。さらに、実際には、製
造プロセス条件及び動作条件の変動を原因とする構成要
素の特性の広がりにより、範囲自身の大きさに匹敵する
大きさのチューニング可能範囲の上限及び下限の変動を
生じることを経験しており、このことは更に実際に保証
される範囲を狭める。
求の範囲に記載のように、差動増幅器に基づいたCMO
S遅延素子のチューニング可能範囲を拡張する方法、及
びこのような方法により拡張されたチューニング可能範
囲を有する遅延素子が提供される。本発明は、さらに本
発明の遅延素子を用いたリング発振器用又は遅延ロック
回路用の遅延線を提供する。
る。図1は、遅延素子の回路図である。図2は、本発明
による回路のバイアス電流のグラフである。図3は、公
知技術により使用される回路のバイアス電流のグラフを
比較のために示す。
の図は、上記引用したB.Razaviによる文献に記載された
ものと実質的に同じであるが(特に第35図参照)、負
荷トランジスターとフィードバック・トランジスターの
バイアスを得る方法が異なっており、このことが本発明
の特異な特徴であり、結果としてより広いチューニング
可能範囲が得られる。上述のように、遅延素子は、(N
型)トランジスターM8、M6、M15と(P型)トラ
ンジスターM2、M5により形成された従来の差動増幅
器を含み、これら2つのP型トランジスターが負荷を形
成する。遅延すべき信号が、2つのトランジスターM
6、M8のゲート(それぞれVi−とVi+)に加えら
れ、出力電圧は、トランジスターM5、M6のドレイン
及びトランジスターM2、M8のドレインに共通した地
点(それぞれVo−とVo+)に存在する。トランジス
ターM15は、増幅器のバイアス・トランジスターであ
り、可変制御電圧が、そのゲートに加えられ、可変ドレ
イン電流Ipを発生する。可変ドレイン電流Ipは、一
対のフィードバック・トランジスターM3、M4により
供給される可変電流Inに加えられるなら、差動ステー
ジのバイアス電流(特に負荷トランジスターのバイアス
電流)を表す。
4(これらもN型)は、それぞれM2とM5のドレイン
に接続されたゲートを有し、かつ、負荷トランジスター
M2、M5に並列に設定された負インピーダンスを形成
する。これら2つのトランジスターM3、M4は、トラ
ンジスターM16によりバイアスが加えられる。トラン
ジスターM16のゲートには、可変制御電圧Vnが加え
られ、フィードバック・トランジスターM3、M4のバ
イアス電流を形成する可変ドレイン電流を生じさせる。
さらに、負荷トランジスターM2、M5は、それぞれト
ランジスターM23、M24によりバイアスが加えられ
たトランジスターM21、M22に接続され、2つのソ
ースフォロワーステージを実現している。トランジスタ
ーM23、M24は、負荷トランジスターM2、M5の
ゲートに正確にバイアスを加える役割を有し、よって、
これらのトランジスターM2、M5のドレインで生じる
電圧変化と同じ電圧変化をそれらのゲートにてより低い
静止電圧(rest voltage)にて再生し、それにより、シス
テムの正確な動作に影響を与えることなく、出力電圧の
上限を電源電圧にほぼ等しい値まで増大させる。参照符
号Icは、トランジスターM23、M24のドレイン電
流(ソースフォロワーステージのトランジスターM2
1、M22のバイアス電流)を示し、これは、M23、
M24のゲートに加えられる制御電圧Vcを用いて得ら
れる。
ーニング可能範囲を拡張するために、Ip、Inを変化
させることに加えて、トランジスターM21、M22の
バイアス電流Ic(M23又はM24のドレイン電流)
もまた、遅延が減少するにつれて増大するように変化さ
せる。さらに、電流Ip、Inの変調は、(公知技術の
ように)共通の制御電圧からはもはや影響されず、独立
の方法によってでしか影響されない。その結果、フィー
ドバック・トランジスターと負荷トランジスターにおけ
る電流の総和は、直線的に増加し、もはや一定ではない
(すなわち、N型トランジスターとP型トランジスター
間での対称的な配分はもはや存在しない)。従って、ト
ランジスターM21、M22は、公知技術のように単純
なソースフォロワー素子としてはもはや使用されず、後
に説明する方法により遅延のチューニングに関与する。
させるように、負荷トランジスターM2、M5のインピ
ーダンスを変えることである。この目的のため、前記イ
ンピーダンスを低減することにより、制御電流Icを増
大させる。さらに、負荷トランジスターのインピーダン
スが減少するにつれ回路利得が減少することを防ぐた
め、利得の安定条件を回復するように電流Ipを増大す
る。Ipの増大は、さらに、インピーダンスの低減を促
し、よって遅延の低減に資する。本発明によるバイアス
様式で得られる電流値は、図2のような振る舞いを示
す。この図において、縦座標は、Ip、In、Icの値
(単位:μA)を示す。横座表は、制御信号(この場合
では、3つの電圧Vp、Vn、Vcを導出し得る信号)
の値を任意単位にて与える。該制御信号は、回路で使用
される遅延素子がチューニング範囲全体を越えることを
可能にする。最小の横座標は、最大遅延に対応する(よ
って、発振器において使用される際には、最低の発振周
波数に対応する)。
n、Ipと制御電流Icの総和は一定)と比較して、図
2が示していることは、本発明が、IpとIcの共同増
加により、よって負荷トランジスターのインピーダンス
Z1の減少により、少なくとも遅延の変動範囲をかなり
下方に拡張すること(よって、周波数のチューニング範
囲を上方に拡張すること)を保証していることである。
上記既に述べたように、トランジスターM21とM2
(又はM22とM5)間のソースフォロワー接続が与え
られると、トランジスターM21、M22の電流Icの
増加により、トランジスターM2、M5のゲート−ソー
ス電圧Vgsが増大する。その結果、同トランジスター
のトランスコンダクタンスは増加し、それらのインピー
ダンスZ1は減少し、よって、遅延は減少する。負荷ト
ランジスターM2、M5とフィードバック・トランジス
ターM21、M22の間でのIpとInの一様な配分に
より課せられる拘束はもはや存在しないので、Ipの増
加は、Inの減少より急速に起こり得る。負インピーダ
ンスZ2が絶対値にて十分に大きいという条件にて、上
記状況は起こり、このことは、Icが増加するにつれフ
ィードバックステージの電流Inが減少するという理由
から、生じる。Z1の減少は、安定条件(Z1<|Z2
|)を保つのを助ける。
ング発振器への応用に関しては、発振の振幅が、負荷ト
ランジスターを流れる全電流と負荷トランジスターのイ
ンピーダンスの積により与えられるので、Icの増加及
びその結果としてのZ1の減少が、周波数の増加に伴っ
て発振振幅の安定性を保証することが明らかとなってい
る。電流Ic、In、Ipの適切な変動範囲は以下の通
りとできる。 Ic: 最小値として3〜10μA、最大値として50
〜100μA Ip: 最小値として5〜15μA、最大値として22
0〜350μA In: 最小値として0μA、最大値として90〜15
0μA
遅延素子を用いたリング発振器に対して行われた試験に
より、保証し得るチューニング可能範囲は、最小周波数
の6〜7倍に等しい大きさを有し、よって、公知技術に
より得ることができるものより十分に大きいことが分か
った。実施例では、約0.22GHz(高速N型トラン
ジスターと一般P型トランジスター)と約0.4GHz
(一般N型トランジスターと高速P型トランジスター、
又は低速N型トランジスターと一般P型トランジスタ
ー)間で最小周波数が達成され、約2GHz(低速のN
型及びP型トランジスター)と約3GHz(一般N型ト
ランジスターと高速P型トランジスター)間で最大周波
数が達成された。比較のため、公知技術による遅延素子
を用いた同一の発振器では、0.5GHzと1GHz間
で最小周波数が示され、1.1GHzと1.6GHz間
で最大周波数が示された。これらの試験により、本発明
は、図2に示されるように採用された発振器における周
波数のチューニング範囲を上方に拡張できるだけでな
く、反対方向にも拡張できることが示された。実際の問
題として、チューニング可能範囲における下部では、公
知技術により取り付けられた(すなわち純粋のソースフ
ォロワー素子としての)トランジスターM21、M22
は、得ることができる最大遅延と最小遅延間のトレード
・オフとして静的にバイアスが加えられるのであるが、
本発明による上記説明した方法によるバイアス変動は、
チューニング可能範囲への寄与を可能にし、よって、チ
ューニング範囲が上方及び下方に拡張される。
例により単に与えられていること、及び本発明の範囲を
逸脱することなく変更と修正が可能であることは、明ら
かである。特に、たとえ遅延の減少について明細書にお
いて詳細に議論してきたとしても、遅延の増加も行うこ
とができる。この場合には、バイアス電流の反対方向の
変化が要求される。
る。
のグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 負荷トランジスター(M2,M5)を含
む差動増幅器(M15,M8,M2,M6,M5)に基
づいたCMOS遅延素子のチューニング可能範囲を拡張
する方法であって、 該負荷トランジスター(M2,M5)は、第1のドーピ
ング型であり、それぞれゲート・バイアス・トランジス
ター(M21,M22)及びフィードバック・トランジ
スター(M3,M4)に接続され、前記ゲート・バイア
ス・トランジスター(M21,M22)は、それぞれソ
ースフォロワー構成にて接続され且つ第2のドーピング
型であり、前記フィードバック・トランジスター(M
3,M4)も、第2のドーピング型であり且つ負荷トラ
ンジスター(M2,M5)の各々により形成される正イ
ンピーダンスに並列に負インピーダンスを形成し、前記
負荷トランジスター(M2,M5)と前記フィードバッ
ク・トランジスター(M3,M4)は、導入される遅延
が変化する際反対方向に変化し得るそれぞれのバイアス
電流(Ip,In)によりバイアスが加えられる、上記
方法において、 ソースフォロワー構成にて接続された上記トランジスタ
ーは、バイアス電流(Ic)によりバイアスが加えら
れ、該バイアス電流(Ic)も、負荷トランジスター
(M2,M5)のインピーダンスが変化するように変化
させ、また、 負荷トランジスター(M2,M5)のバイアス電流(I
p)を、フィードバック・トランジスター(M3,M
4)のバイアス電流(In)の最大値より大きい最大値
に到達するように変え、 それにより、負荷トランジスター(M2,M5)及びフ
ィードバック・トランジスター(M3,M4)の上記バ
イアス電流(Ip,In)の総和を、導入される遅延の
減少又は増加に伴って実質的に直線的に増加させること
を特徴とする上記方法。 - 【請求項2】 差動増幅器(M15,M8,M2,M
6,M5)を含むCMOS遅延素子であって、 第1のドーピング型である一対の負荷トランジスター
(M2,M5)が、それぞれゲート・バイアス・トラン
ジスター(M21,M22)及びフィードバック・トラ
ンジスター(M3,M4)に接続され、前記ゲート・バ
イアス・トランジスター(M21,M22)は、それぞ
れソースフォロワー構成にて接続され且つ第2のドーピ
ング型であり、前記フィードバック・トランジスター
(M3,M4)も、第2のドーピング型であり且つ負荷
トランジスター(M2,M5)の各々により表される正
インピーダンスに並列に負インピーダンスを形成し、ま
た、前記負荷トランジスター(M2,M5)と前記フィ
ードバック・トランジスター(M3,M4)は、それぞ
れ制御電圧(Vp,Vn)の夫々の発生器に接続され、
これらのトランジスターを通って流れる夫々のバイアス
電流(Ip,In)を変化させて該遅延素子により導入
される遅延を変化させる、上記CMOS遅延素子におい
て、 負荷トランジスター(M2,M5)のゲートにバイアス
を加える前記バイアス・トランジスター(M21,M2
2)も、制御電圧(Vc)の発生器に接続され、該制御
電圧(Vc)は、前記バイアス・トランジスター(M2
1,M22)を流れるバイアス電流(Ic)が直線的に
変化し得るようにして負荷トランジスター(M2,M
5)のインピーダンスを低減又は増加し、また、 前記負荷トランジスター(M2,M5)及び前記フィー
ドバック・トランジスター(M3,M4)に対する制御
電圧(Vp,Vn)の上記発生器は、負荷トランジスタ
ー(M2,M5)のバイアス電流(Ip)がフィードバ
ック・トランジスター(M3,M4)のバイアス電流
(In)の最大値より大きい最大値まで上昇するよう
に、バイアス電流(Ip,In)をこれらのトランジス
ターに流させ、 それにより、負荷トランジスター(M2,M5)及びフ
ィードバック・トランジスター(M3,M4)の前記バ
イアス電流(Ip,In)の総和を、導入される遅延の
減少又は増加に伴って実質的に直線的に増加させること
を特徴とする上記CMOS遅延素子。 - 【請求項3】 カスケード状のCMOS遅延素子を含ん
だ、リング発振器用又は遅延ロック回路用の遅延線であ
って、各遅延素子が、請求項2に記載の高チューニング
可能範囲を有する遅延素子であることを特徴とする上記
遅延線。
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