JP2000161077A - ガスタービンエンジンのロータ及びその組立方法 - Google Patents

ガスタービンエンジンのロータ及びその組立方法

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JP2000161077A
JP2000161077A JP10330603A JP33060398A JP2000161077A JP 2000161077 A JP2000161077 A JP 2000161077A JP 10330603 A JP10330603 A JP 10330603A JP 33060398 A JP33060398 A JP 33060398A JP 2000161077 A JP2000161077 A JP 2000161077A
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bolt
rotor
distant piece
flange
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Kazuyuki Yamaguchi
和幸 山口
Kazuhiko Kawaike
和彦 川池
Hiroshi Ishii
石井  博
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンロータのスタッキングにおい
て、ディスタントピースの外径やその両端フランジ間の
間隔に関係なく、ボルトジャッキによるスタッキングを
行う。 【解決手段】 ディスタントピース23の圧縮機ロータ
ディスク19と接する側のフランジ11に形成されたス
タッキングボルト穴10(もしくはタービンロータディ
スクと接するフランジに形成されたスタッキングボルト
穴)と、中心円直径及び位相(周方向の位置)が一致す
る穴を、ディスタントピース23のフランジ11と反対
側のフランジ14に形成し、フランジ14の前記フラン
ジ11と軸方向反対側の端面にボルトジャッキ16を設
置する。スタッキングボルト穴10に挿通されたスタッ
キングボルト17にフランジ14の前記穴に挿通された
補助ボルト24を締結し、この補助ボルト24をボルト
ジャッキ16で引っ張ってスタッキングボルト17に張
力を付加し、スタッキングナット1を締める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンのロータ及びその組立方法に係り、特に、複数枚の
ローターディスクを重ね合わせて(スタッキングして)
ロータを構成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンは、圧縮機で圧縮
した空気を燃焼器に送り込み、燃料を燃焼させて高温高
圧の燃焼ガスを発生させる。発生した燃焼ガスをタービ
ンの翼に吹き付けてロータを回転させて動力を得る。ロ
ータは軸受により支持され、軸受を支持する軸受台は円
周方向に配置された複数本のストラットによりケーシン
グに固定されている。
【0003】従来のガスタービンエンジンのロータは、
前側スタブシャフトと、圧縮機動翼を備えた圧縮機ロー
タディスク及びディスタントピースが圧縮機スタッキン
グボルトでスタッキングされ、更にディスタントピース
と、タービン動翼を備えたタービンロータディスク及び
後側スタブシャフトがタービンスタッキングボルトでス
タッキングされており、全体で1本のロータを形成して
いる。
【0004】ガスタービンエンジンには高効率化、高出
力化が求められており、この結果、ロータの伝達トルク
が大きくなっている。スタックドロータの伝達トルクは
ロータディスク間の摩擦力によって伝達することが基本
であるため、ロータの伝達可能トルクを大きくするため
には、ロータディスク間の垂直接触力を大きく、すなわ
ちスタッキングボルトの張力を十分に大きくする必要が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】もし、スタッキングボ
ルトに必要な張力が得られない場合には、ロータに作用
するトルクを伝達できず、ロータディスク間に滑りが生
じて、スタッキングボルトに過大な応力が作用し、スタ
ッキングボルトが破損する可能性がある。
【0006】また、振動による破損を防止するために、
ロータの曲げ危険速度はガスタービンエンジンの定格回
転数より十分高くする必要があるが、スタッキングボル
トの張力が低下すると、ロータの剛性が低下することに
よりロータの曲げ危険速度が低下するため、ロータの不
釣合い振動が増大したり、場合によってはロータが共振
して、ガスタービン運転時の振動信頼性が低下する。
【0007】一方、ロータディスク間の垂直接触力を大
きくするために、スタッキングボルトの張力を過大にす
ると、スタッキングボルトに作用する引張り応力が大き
くなり、スタッキングボルトが破断する危険性がある。
【0008】また、ロータ円周上に複数本配置されるス
タッキングボルトに張力のばらつきが生じると、ロータ
が屈曲してアンバランスが生じた状態で回転することに
なり、過大な振動が発生して軸受の損傷、ロータの損
傷、静止体とロータの接触など、様々な問題が発生する
可能性がある。
【0009】上記の問題を発生させないために、ガスタ
ービンエンジンのロータをスタッキングする際には、ス
タッキングボルトの張力を高精度に管理することが重要
である。
【0010】ガスタービンのロータをスタッキングする
方法には、スタッキングボルト端部のスタッキングナッ
トをレンチで回して締結する方法と、スタッキングボル
ト端部をボルトジャッキに固定し、ボルトジャッキでス
タッキングボルト端部を引張ってスタッキングボルトに
所定の張力を加え、スタッキングナットを緩めた状態で
スタッキングナットを回して締め付けてスタッキングを
行う方法がある。レンチを用いる方法は、工具が小さい
ことから、組立作業性や軸形状の自由度の点では優位で
あるが、ボルトの張力管理の点ではボルトの張力を直接
測定できないため十分とは言えない。ロータの伝達トル
クが大きく、スタッキングボルトの張力を高精度に管理
する必要がある近年のガスタービンエンジンに対して
は、ボルトの張力を直接測定できる、ボルトジャッキを
用いるスタッキング方法を採用する必要がある。
【0011】最近のガスタービンエンジンは、高出力化
による作動流体の流量増加のために流路内径が減少し、
ロータ外径が小さくなる傾向にある。一方、ロータの伝
達可能トルクを大きくするためにはスタッキングボルト
の中心円直径を大きくする必要があるが、ロータ外径が
小さいとスタッキングボルトの中心円直径を大きくでき
ないため、両者はトレードオフの関係にある。
【0012】図2は従来のガスタービンエンジンのロー
タの一例の要部断面図を示す。図2に示す例では、前側
スタブシャフト22と、圧縮機動翼26を備えた圧縮機
ロータディスク19及びディスタントピース7が圧縮機
スタッキングボルト17でスタッキングされている。更
にディスタントピース7と、タービン動翼6を備えたタ
ービンロータディスク5及び後側スタブシャフト20が
タービンスタッキングボルト3でスタッキングされてお
り、全体で1本のロータを形成している。
【0013】図3にボルトジャッキ16を用いてスタッ
キングを行う従来の方法の一例を示す。この例では前側
スタブシャフト22にボルトジャッキ16を設置し、圧
縮機スタッキングボルト17の前側端部をボルトジャッ
キ16に固定して、ボルトジャッキ16でボルトを引張
り、所定の張力を圧縮機スタッキングボルト17に加え
た状態でスタッキングナット1を回して圧縮機のスタッ
キングを行う。圧縮機スタッキングボルト17の張力を
ボルトジャッキ16で直接管理しながらスタッキングを
行うので、圧縮機スタッキングボルト17の張力を高精
度に管理することができる。
【0014】全段のロータディスクを一度にスタッキン
グする場合、スタッキングボルトの中心円直径はロータ
外径の小さい部分に制約されるため、ロータが伝達すべ
き駆動トルクを確保できない恐れが生じる場合がある。
この問題を解決するために、最近のガスタービンエンジ
ンのロータは、ロータ外径が小さい部分をスタッキング
ではなく一体構造にしたり、スタッキングボルトを2段
にして中心円直径を変えたダブルスタッキング構造にす
る傾向がある。これらの場合、ディスタントピース反対
側のスタッキングボルト端面には1段落分のスペースし
かなく、ボルトジャッキを設置することは非常に困難で
あり、ボルトジャッキを用いてスタッキングを行うには
スタッキングボルトのディスタントピース側にボルトジ
ャッキを固定する必要がある。
【0015】図4は、ロータの伝達可能トルクを確保す
るために前側のロータを2段目まで一体構造にした、従
来のガスタービンエンジンのロータの他の例を断面図で
示す。図3に示すように全段の圧縮機ロータディスク1
9をまとめてスタッキングする場合は、ボルトジャッキ
16を圧縮機スタッキングボルト17の前側に設置して
圧縮機のスタッキングを行えるが、図4のように圧縮機
の前側段を前側スタブシャフト22と一体構造にした
り、ダブルスタッキング構造にした場合には、圧縮機ス
タッキングボルト17の前側にボルトジャッキを入れる
スペースがないため、圧縮機スタッキングボルト17の
ディスタントピース7側にボルトジャッキを設置して圧
縮機スタッキングボルト17を引張る必要がある。
【0016】図5は圧縮機スタッキングボルト17のデ
ィスタントピース7側にボルトジャッキ16を設置して
圧縮機スタッキングボルト17を引張る従来の圧縮機ス
タッキング方法の要部断面図を示す。ディスタントピー
ス7の圧縮機ロータディスク側のフランジ11にボルト
ジャッキ16を設置し、圧縮機スタッキングボルト17
をボルトジャッキ16に結合固定して圧縮機スタッキン
グボルト17に所定の張力を作用させ、圧縮機スタッキ
ングボルト17を伸ばした状態で、スタッキングナット
回し2を用いてスタッキングナット1を回すことにより
スタッキングを行う。
【0017】この例では、ディスタントピースの圧縮機
ロータディスク側のフランジ11とタービンロータディ
スク側のフランジ9との距離が小さい場合や、ディスタ
ントピース7の外径Dと圧縮機スタッキングボルト穴1
0の中心円直径との差が小さい場合には、ボルトジャッ
キ16を設置できなかった。
【0018】さらに、ロータの振動信頼性、メンテナン
ス性の面から圧縮機ロータとタービンロータをそれぞれ
個別にバランシングできるように、ディスタントピース
を軸方向に分割する場合は、スタッキングボルトで締め
付けるフランジと、分割したディスタントピースを相互
に結合するボルトで締め付けるフランジとの間にボルト
ジャッキを設置する必要があり、ボルトジャッキを取付
けるスペースの確保が一層困難になる問題があった。
【0019】図6はロータの振動信頼性とメンテナンス
性の観点から、圧縮機ロータとタービンロータをそれぞ
れ個別にバランシングできるように、ディスタントピー
ス7を軸方向に分割した従来のガスタービンエンジンの
ロータの例である。従来のスタッキング方法では、圧縮
機スタッキング時には、ディスタントピース7のディス
タントピース結合ボルト穴があるフランジ14と圧縮機
スタッキングボルト穴があるフランジ11の間にボルト
ジャッキを設置する必要があった。同様に、タービンス
タッキング時には、ディスタントピース7のディスタン
トピース結合ボルト穴があるフランジ14とタービンス
タッキングボルト穴があるフランジ9の間にボルトジャ
ッキを設置する必要があった。いずれの場合も、フラン
ジ間の距離が小さい場合や、ディスタントピース7の外
径とスタッキングボルト穴の中心円直径との差が小さい
場合には、ボルトジャッキを設置できなかった。
【0020】従来のスタッキング方法で、スタッキング
ボルトのディスタントピース側をボルトジャッキに固定
してスタッキングする場合は、ディスタントピースの外
周側でかつ、ディスタントピースの両端のフランジの間
の位置にボルトジャッキを設置していた。従って、ボル
トジャッキが入るように、ディスタントピースの外径を
小さく、ディスタントピースの両端フランジ間の距離を
大きくする必要があった。
【0021】しかし、ガスタービンを安全に運転するた
めには、ロータの曲げ危険速度を定格回転数に対して十
分に高くする必要があり、危険速度はロータ長さの2乗
に反比例、ロータ外径に比例するため、ディスタントピ
ースは長さを短く、外径を大きくする必要がある。この
ため、従来のスタッキング方法では、ディスタントピー
スにボルトジャッキを設置することができない場合があ
った。
【0022】本発明の課題は、ディスタントピースの外
径やその両端フランジ間距離に拘束されることなく、ボ
ルトジャッキを利用したスタッキングを可能とするにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、両端にフラン
ジを備えたディスタントピースと、該ディスタントピー
スの少なくとも一方のフランジを貫通して該ディスタン
トピースとロータディスクをスタッキングするスタッキ
ングボルトを含んで構成されるガスタービンエンジンの
ロータにおいて、前記ディスタントピースの、前記ロー
タディスクがスタッキングされる側のフランジのスタッ
キングボルト穴と、中心円直径(P.C.D)及び位相
が一致するスタッキング用貫通穴が、該ディスタントピ
ースの他方のフランジに形成されていることを特徴とす
る。
【0024】前記ディスタントピースが軸方向に分割さ
れ、スタッキングボルト穴が形成されたフランジが設け
られた側とは反対側の端部が、ディスタントピース結合
ボルト穴を貫通させたディスタントピース結合ボルトで
相互に結合されるように構成されている場合は、前記ス
タッキング用貫通穴はディスタントピース結合ボルト穴
と共通とすればよい。すなわち、ディスタントピース結
合ボルト穴の中心円直径(P.C.D)及び位相を、ス
タッキングボルト穴の中心円直径(P.C.D)及び位
相と一致させればよい。
【0025】また、前記ディスタントピースが両端のフ
ランジにスタッキングボルト穴を有し、軸方向に分割さ
れていない場合は、ディスタントピース両端のフランジ
の中心円直径(P.C.D)及び位相を一致させればよ
い。
【0026】スタッキングを行う場合、スタッキングす
るロータディスクと前記ディスタントピースのスタッキ
ング側のフランジのボルト穴に前記スタッキングボルト
を貫通させ、前記ディスタントピースのスタッキング側
と反対側のフランジの端面にボルトジャッキを設置し、
該反対側のフランジに設けられた穴を通して配置された
補助ボルトを介して前記スタッキングボルトと前記ボル
トジャッキを結合し、前記ボルトジャッキによりスタッ
キングボルトに所定の張力を作用させる。この状態でス
タッキングナットを締め付ければよい。
【0027】補助ボルトを用いる代わりにスタッキング
ボルトの長さを長くして、ボルトジャッキが設置された
フランジの穴を貫通させ、ボルトジャッキによりスタッ
キングボルトに直接、張力を作用させ、スタッキング終
了後、スタッキングボルトの不要な部分を切除するよう
にしてもよい。
【0028】このように構成することで、従来のスタッ
キング方法では、ロータの形状による制約で、ボルトジ
ャッキが使用できない場合でも、ボルトジャッキを用い
てスタッキングボルトの張力を高精度に管理しながらス
タッキングすることが可能である。また、ディスタント
ピースの端面にボルトジャッキを設置するため、スタッ
キング作業のスペースが十分に取れ、組立作業性が良好
である。
【0029】ディスタントピースの、スタッキングボル
ト穴のフランジとディスタントピース結合ボルト穴のフ
ランジの間の距離が十分に長く取れずに、もしくは、デ
ィスタントピースの外径とスタッキングボルトの中心円
直径の差を十分に大きくできずに、フランジ間にボルト
ジャッキを設置できない場合にも、ボルトジャッキを用
いてスタッキングボルトの張力を高精度に管理しながら
スタッキングすることが可能である。
【0030】ディスタントピースの両端部にあるスタッ
キングボルト穴のフランジ間の距離を十分に長く取れ
ず、もしくは、ディスタントピースの外径とスタッキン
グボルトの中心円直径の差を十分に大きく取れずに、フ
ランジ間にボルトジャッキを設置できない場合にも、ボ
ルトジャッキを用いてスタッキングボルトの張力を高精
度に管理しながらスタッキングすることが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図7に本発明の特徴を示した
ガスタービンエンジンのロータの実施例を示す。また、
図1、図9及び図11は本発明のガスタービンエンジン
の圧縮機スタッキング方法の実施例を、図8、図10及
び図12は本発明のガスタービンエンジンのタービンス
タッキング方法の実施例を示す。
【0032】図7において、ディスタントピース7は前
側ディスタントピース23と後側ディスタントピース2
1に2分割されており、圧縮機ロータ18とタービンロ
ータ4で個別にバランシングができるようになってい
る。圧縮機の前側段は2段目まで前側スタブシャフト2
2と一体構造になっており、前側スタブシャフト22と
圧縮機動翼26を備えた圧縮機ロータディスク19と前
側ディスタントピース23が圧縮機スタッキングボルト
17でスタッキングされている。前側ディスタントピー
ス23と後側ディスタントピース21はディスタントピ
ース結合ボルト12で結合されており、後側ディスタン
トピース21とタービン動翼6を備えたタービンロータ
ディスク5及び後側スタブシャフト20がタービンスタ
ッキングボルト3でスタッキングされている。本実施例
では、ディスタントピースの圧縮機スタッキングボルト
穴10とディスタントピース結合ボルト穴13及びディ
スタントピースのタービンスタッキングボルト穴8の中
心円直径と位相(円周方向位置)を一致させてある。
【0033】図1を用いて本実施の形態の圧縮機スタッ
キングの手順を説明する。
【0034】1.前側スタブシャフト22を垂直に立て
て置く。
【0035】2.前側スタブシャフト22(と一体に構
成された第2段目の圧縮機ロータディスク)の圧縮機ス
タッキングボルト穴に圧縮機スタッキングボルト17を
通し、 圧縮機前側のスタッキングナット1を締める。
【0036】3.各段の圧縮機ロータディスク19を前
側スタブシャフト22の上に圧縮機スタッキングボルト
17を通して重ねる。
【0037】4.前側ディスタントピース23を圧縮機
ロータディスク19の上に圧縮機スタッキングボルト1
7を通して重ね、圧縮機スタッキングボルト17にスタ
ッキングナット1を仮締めする。
【0038】5.前側ディスタントピース23のディス
タントピース分割面15にボルトジャッキ16を取付
け、ディスタントピース21と結合される側のフランジ
14のディスタントピース結合ボルト穴13に補助ボル
ト24を挿入する。
【0039】6.圧縮機スタッキングボルト17と補助
ボルト24を締結ナット25で締結する。
【0040】7.圧縮機スタッキングボルト17をボル
トジャッキ16で所定の張力が作用するまで引き延ば
し、スタッキングナット回し2を回して圧縮機後側のス
タッキングナット1を締める。
【0041】8.ボルトジャッキ16の張力を緩めて、
締結ナット25を外し、補助ボルト24、ボルトジャッ
キ16を取り除く。
【0042】9.圧縮機スタッキングボルト17の不要
部分(補助ボルト24との締結のために延長されていた
部分)を切り取る。
【0043】次に図8を用いて本実施の形態のタービン
スタッキングの手順を説明する。 10.後側スタブシャフト20を垂直に立てて置く。
【0044】11.後側スタブシャフト20のタービン
スタッキングボルト穴にタービンスタッキングボルト3
を通し、タービン後側のスタッキングナット1を締め
る。
【0045】12.各段のタービンロータディスク5を
後側スタブシャフト20の上にタービンスタッキングボ
ルト3を通して重ねる。
【0046】13.後側ディスタントピース21をター
ビンロータディスク5の上にタービンスタッキングボル
ト3を通して重ね、タービンスタッキングボルト3にス
タッキングナット1を仮締めする。
【0047】14.後側ディスタントピース21のディ
スタントピース分割面15にボルトジャッキ16を取付
け、ディスタントピース結合ボルト穴13に補助ボルト
24を挿入する。
【0048】15.タービンスタッキングボルト3と補
助ボルト24を締結ナット25で締結する。
【0049】16.タービンスタッキングボルト3をボ
ルトジャッキ16で所定の張力が作用するまで引き延ば
し、スタッキングナット回し2を回して前側タービンス
タッキングナット1を締める。
【0050】17.ボルトジャッキ16の張力を緩め
て、締結ナット25を外し、補助ボルト24、ボルトジ
ャッキ16を取り除く。
【0051】18.タービンスタッキングボルト3の不
要部分(補助ボルト24との締結のために延長されてい
た部分)を切り取る。
【0052】ディスタントピース結合ボルト穴13を利
用し、このディスタントピース結合ボルト穴13に補助
ボルト24を挿入して補助ボルト24を介してスタッキ
ングボルトとボルトジャッキ16を結合するところに本
実施例の特徴がある。ボルトジャッキ16をディスタン
トピースのスタッキングボルト穴のフランジとディスタ
ントピース結合ボルト穴のフランジ14の間に設置する
のではなく、ディスタントピース分割面15にボルトジ
ャッキ16を設置するため、ボルトジャッキ16の大き
さに制限が無く、ボルトジャッキ16を用いて張力を高
精度に管理しながらスタッキングを行うことができる。
また、本実施例のロータは、ボルトジャッキ16の形状
に無関係に、フランジ間の長さを短く、かつディスタン
トピース外径Dを大きくできる。このため、従来の技術
よりもロータの曲げ危険速度を高くすることができるの
で、ロータの振動信頼性が高い。また、ボルトジャッキ
16をディスタントピースの端面に設置するため、スタ
ッキング作業のスペースが十分に得られ、組立作業性が
良好である。また、ディスタントピースを分割している
ため、ロータを圧縮機ロータ18とタービンロータ4に
分割してそれぞれ個別にバランシングすることができる
ため、ロータの振動信頼性が高く、メンテナンス性もよ
い。
【0053】ディスタントピース7を軸方向に分割しな
い場合の本発明の実施の形態を図9、図10に示す。ボ
ルトジャッキ16を、ディスタントピース7のスタッキ
ングする側と反対の端面に設置し、ディスタントピース
7の両端面のスタッキングボルト穴を貫通させて、ディ
スタントピース7を分割する場合と同様に補助ボルト2
4を用いてスタッキングボルト17(あるいは3)とボ
ルトジャッキ16を結合しており、ボルトジャッキ16
の大きさに制限が無く、ボルトジャッキ16を用いて張
力を高精度に管理しながらスタッキングを行うことがで
きる。また、本実施例のロータは、ボルトジャッキ16
の形状に関係なくディスタントピースの両端のフランジ
間の長さを短くでき、ディスタントピース7の外径Dを
大きくできる。このため、従来の技術よりもロータの曲
げ危険速度を高くすることができ、ロータの振動信頼性
が高い。また、ボルトジャッキ16をディスタントピー
ス7の端面に設置するため、スタッキング作業のスペー
スが十分に得られ、組立作業性が良好である。
【0054】以上で説明した本発明の実施の形態のガス
タービンエンジンのロータの実施例では、ディスタント
ピース7のフランジはディスタントピース7の筒体の外
周面の外側にスタッキングボルトが貫通するボルト穴が
配置された例であるが、図11、12に示すようにフラ
ンジをディスタントピース7の筒体の内径側に設けても
よい。この場合、スタッキングナットの締め付けや補助
ボルトの取付け取外し、スタッキングボルトの不要部分
の切取りは、ディスタントピース7のフランジの内側中
央部の穴から行うこととなる。
【0055】また、以上で説明した実施の形態のガスタ
ービンエンジンのロータのスタッキングでは、ボルトジ
ャッキを複数用いる場合の例を示しているが、ボルトジ
ャッキを1個だけ用いてスタッキングを行ってもよい。
しかし、ボルトジャッキを複数用いる方がボルトの引張
り力を均一化できる。
【0056】上記各実施例では、スタッキングボルトと
ボルトジャッキを、スタッキング貫通穴を貫通して配置
された補助ボルトを介して結合し、該補助ボルトをボル
トジャッキで引っ張ることでスタッキングボルトに所要
の張力を付加しているが、補助ボルトを用いる代わり
に、スタッキングボルトを長くしてスタッキング貫通穴
を貫通してボルトジャッキで掴める(あるいはボルトジ
ャッキで張力を付加できる)ようにし、所要の張力を付
加してスタッキングが終了したあと、不要な長さの部分
を切除するようにしても、同様の効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボルトジャッキによりスタッキングボルトに張力を作用
させるガスタービンエンジンのロータの組立方法が実施
可能となり、従来のスタッキング方法では、ロータの形
状による制約で、ボルトジャッキが使用できない場合で
も、ボルトジャッキを用いてスタッキングボルトの張力
を高精度に管理しながらスタッキングすることが可能で
ある。また、ディスタントピースの端面にボルトジャッ
キを設置するため、スタッキング作業のスペースが十分
に取れ、組立作業性が良好である。
【0058】本発明によればまた、ディスタントピース
が軸方向に分割され、スタッキングボルト穴のフランジ
とディスタントピース結合ボルト穴のフランジの間の距
離が十分に長く取れずに、もしくは、ディスタントピー
スの外径とスタッキングボルトの中心円直径の差を十分
に大きくできずに、フランジ間にボルトジャッキを設置
できない場合にも、ボルトジャッキを用いてスタッキン
グボルトの張力を高精度に管理しながらスタッキングす
ることが可能である。
【0059】本発明によればさらに、ディスタントピー
スの両端部にあるスタッキングボルト穴のフランジ間の
距離を十分に長く取れず、もしくは、ディスタントピー
スの外径とスタッキングボルトの中心円直径の差を十分
に大きく取れずに、フランジ間にボルトジャッキを設置
できない場合にも、ボルトジャッキを用いてスタッキン
グボルトの張力を高精度に管理しながらスタッキングす
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンエンジンの圧縮機スタッ
キング方法の実施例を示す要部断面図である。
【図2】従来技術のガスタービンエンジンのロータの一
例の要部断面図である。
【図3】従来技術のガスタービンエンジンのロータの圧
縮機スタッキング方法の一例である。
【図4】従来技術のガスタービンエンジンのロータの一
例の断面図である。
【図5】従来技術のガスタービンエンジンのロータの圧
縮機スタッキング方法の一例である。
【図6】従来技術のガスタービンエンジンのロータの一
例の断面図である。
【図7】本発明のガスタービンエンジンのロータの実施
例の断面図である。
【図8】本発明のガスタービンエンジンのタービンスタ
ッキング方法の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明のガスタービンエンジンの圧縮機スタッ
キング方法の実施例を示す要部断面図である。
【図10】本発明のガスタービンエンジンのタービンス
タッキング方法の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明のガスタービンエンジンの圧縮機スタ
ッキング方法の実施例を示す要部断面図である。
【図12】本発明のガスタービンエンジンのタービンス
タッキング方法の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタッキングナット 2 スタッキングナット回し 3 タービンスタッキングボルト 4 タービンロータ 5 タービンロータディスク 6 タービン動翼 7 ディスタントピース 8 ディスタントピースのタービンスタッキングボルト
穴 9 ディスタントピースのタービンスタッキングボルト
穴があるフランジ 10 ディスタントピースの圧縮機スタッキングボルト
穴 11 ディスタントピースの圧縮機スタッキングボルト
穴があるフランジ 12 ディスタントピース結合ボルト 13 ディスタントピース結合ボルト穴 14 ディスタントピース結合ボルト穴があるフランジ 15 ディスタントピース分割面 16 ボルトジャッキ 17 圧縮機スタッキングボルト 18 圧縮機ロータ 19 圧縮機ロータディスク 20 後側スタブシャフト 21 後側ディスタントピース 22 前側スタブシャフト 23 前側ディスタントピース 24 補助ボルト 25 締結ナット 26 圧縮機動翼

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端にフランジを備えたディスタントピ
    ースと、該ディスタントピースの少なくとも一方のフラ
    ンジを貫通して該ディスタントピースとロータディスク
    をスタッキングするスタッキングボルトを含んで構成さ
    れるガスタービンエンジンのロータにおいて、前記ディ
    スタントピースの、前記ロータディスクがスタッキング
    される側のフランジのスタッキングボルト穴と、中心円
    直径(P.C.D)及び位相が一致するスタッキング用
    貫通穴が、該ディスタントピースの他方のフランジに形
    成されていることを特徴とするガスタービンエンジンの
    ロータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスタービンエンジンの
    ロータにおいて、 前記ディスタントピースは軸方向に分割され、スタッキ
    ングボルト穴が形成されたフランジが設けられた側とは
    反対側の端部が、ディスタントピース結合ボルト穴を貫
    通させたディスタントピース結合ボルトで相互に結合さ
    れるように構成されており、前記スタッキング用貫通穴
    はディスタントピース結合ボルト穴と共通であることを
    特徴とするガスタービンエンジンのロータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガスタービンエンジンの
    ロータにおいて、前記ディスタントピースは両端のフラ
    ンジにスタッキングボルト穴を有し、前記スタッキング
    用貫通穴は当該フランジのスタッキングボルト穴である
    ことを特徴とするガスタービンエンジンのロータ。
  4. 【請求項4】 両端にフランジを備えたディスタントピ
    ースと、該ディスタントピースの少なくとも一方のフラ
    ンジに貫通させて該ディスタントピースとロータディス
    クをスタッキングするスタッキングボルトを含んで構成
    されるガスタービンエンジンのロータを組み立てる方法
    において、ロータをスタッキングする際に、スタッキン
    グするロータディスクと前記ディスタントピースのスタ
    ッキング側のフランジのボルト穴に前記スタッキングボ
    ルトを貫通させ、前記ディスタントピースのスタッキン
    グ側と反対側のフランジの端面にボルトジャッキを設置
    し、該反対側のフランジに設けられた穴を通して配置さ
    れた補助ボルトを介して前記スタッキングボルトと前記
    ボルトジャッキを結合し、前記ボルトジャッキによりス
    タッキングボルトに張力を作用させることを特徴とする
    ガスタービンエンジンのロータの組立方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のガスタービンエンジンの
    ロータの組立方法において、前記補助ボルトを用いる代
    わりにスタッキングボルトの長さを長くして、ボルトジ
    ャッキが設置されたフランジの穴を貫通させ、ボルトジ
    ャッキによりスタッキングボルトに直接、張力を作用さ
    せ、スタッキング終了後、スタッキングボルトの不要な
    部分を切除することを特徴とするガスタービンエンジン
    のロータの組立方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157230A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 General Electric Co <Ge> 回転部材をバランスさせるためのシステム
CN112498944A (zh) * 2020-11-30 2021-03-16 南京汽轮电机(集团)有限责任公司 燃气轮机转子轮盘堆叠装置

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