JP2000157069A - ビニール温床の換気装置 - Google Patents

ビニール温床の換気装置

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JP2000157069A
JP2000157069A JP10341218A JP34121898A JP2000157069A JP 2000157069 A JP2000157069 A JP 2000157069A JP 10341218 A JP10341218 A JP 10341218A JP 34121898 A JP34121898 A JP 34121898A JP 2000157069 A JP2000157069 A JP 2000157069A
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニール温床の換気を、安価且つ簡単な構成
で迅速且つ的確に行うとともに、信頼性の高い温度管理
を可能とする。 【解決手段】 ビニールシート2の作物育成空間Aに臨
むトンネル部2aの適所に、該作物育成空間Aとトンネ
ル部2aの外側空間とを連通する通気部15,17,2
3を設けるとともに、該通気部15,17,23の近傍
には空気の導入・排出により展開・萎縮変形して上記通
気部15,17,23を開閉する開閉手段Yを備える。
かかる構成とすることで、上記開閉手段Yへの空気の導
入・排出という簡単な操作を行うことのみによって、上
記作物育成空間Aの換気による昇温抑制及び降温作用
と、換気停止による保温及び昇温作用とが選択的に実現
され、この結果、作物育成空間Aの温度管理に伴う作業
が極めて簡単且つ容易となり、作業者の疲労軽減が期待
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ビニール温床の
換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、野菜等の路地栽培において
は、作物の生育調整等の観点から、圃場面の畝部をビニ
ールシートによりトンネル状に覆ってその内部を作物育
成空間とするビニール温床が広く普及している。かかる
ビニール温床においては、栽培作物の良好な生育を実現
するためには、その作物育成空間の温度を栽培作物に適
した生育温度に維持することが必要であり、かかる温度
調整の目的で、上記作物育成空間の換気を適宜行うよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の換気
方法は、例えば天候からビニール温床内の温度を予測し
て、あるいはビニール温床内の温度を直接検知し、必要
に応じて、トンネル状に張設されたビニールシートの両
裾部を作業者が手でたくし上げて開口を形成し、この開
口を介して換気を行わしめるのが通例であった。
【0004】ところが、このような手作業での換気は、
作業が面倒で且つ作業者の疲れも大きく、しかも換気に
よる作物育成空間の温度管理の信頼性が低い、等の問題
があった。
【0005】そこで本願発明では、ビニール温床の換気
を、安価且つ簡単な構成で迅速且つ的確に行い、しかも
ビニール温床内の温度管理を高い信頼性をもって実現し
得るようにしたビニール温床の換気装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0007】本願の第1の発明では、圃場面G上にトン
ネル状にビニールシート2を張設して該ビニールシート
2のトンネル部2aの内側にトンネル方向へ延びる作物
育成空間Aを形成したビニール温床において、上記ビニ
ールシート2の上記作物育成空間Aに臨むトンネル部2
aの適所に、該作物育成空間Aと上記トンネル部2aの
外側空間とを連通する通気部15,17,23を設ける
とともに、該通気部15,17,23の近傍には空気の
導入・排出により展開・萎縮変形して上記通気部15,
17,23を開閉する開閉手段Yを備えたことを特徴と
している。
【0008】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかるビニール温床の換気装置において、上記開閉手段
Yを、その展開時には筒状形態を呈し、その萎縮時には
シート状形態を呈する環状の断面形状をもつ袋体21を
その環状断面の適宜位置で局部的に上記ビニールシート
2のトンネル部2aに接続し、上記袋体21の展開状態
時においては該袋体21が上記トンネル部2aへの接続
部を除いて該トンネル部2aから浮上して上記通気部2
3を開放する一方、上記袋体21の萎縮状態時において
は該袋体21がシート状となって上記トンネル部2aに
接して上記通気部23を閉止するように構成したことを
特徴としている。
【0009】本願の第3の発明では、上記第1の発明に
かかるビニール温床の換気装置において、上記開閉手段
Yを、その展開時には筒状形態を呈し、その萎縮時には
シート状形態を呈する環状の断面形状をもつ所定長さの
一対の袋体11,12を上記トンネル部2aの上記通気
部15,17を挟んで対向する部位のそれぞれに配置し
且つその環状断面の適宜位置で局部的に該トンネル部2
aに接続するとともに、上記一対の袋体11,12を通
気部17を備えた連結シート材13により連結し、上記
一対の袋体11,12の展開状態時においては該袋体1
1,12が共に上記トンネル部2aへの接続部を除いて
該トンネル部2aから浮上し、一方の袋体11は上記通
気部15を開放し、他方の袋体12は上記連結シート材
13の上記通気部17を開放する一方、上記一対の袋体
11,12の萎縮状態時においてはこれらが共にシート
状となり、上記一方の袋体11は上記トンネル部2aに
接して上記通気部15を閉止し、他方の袋体12は上記
連結シート材13に接して上記通気部17を閉止するよ
うに構成したことを特徴としている。
【0010】本願の第4の発明では、上記第2又は第3
の発明にかかるビニール温床の換気装置において、上記
開閉手段Yに可逆運転可能とされた送風手段3を接続す
る一方、上記作物育成空間A内には感温作動部材4を配
置し、上記感温作動部材4の作動に対応して上記送風手
段3を運転制御することを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0012】 本願の第1の発明にかかるビニール温
床の換気装置によれば、上記ビニールシート2の上記作
物育成空間Aに臨むトンネル部2aの適所に、該作物育
成空間Aと上記トンネル部2aの外側空間とを連通する
通気部15,17,23を設けるとともに、該通気部1
5,17,23の近傍には空気の導入・排出により展開
・萎縮変形して上記通気部15,17,23を開閉する
開閉手段Yを備えているので、該開閉手段Yへの空気の
導入・排出という簡単な操作を行うことのみによって、
上記作物育成空間Aの換気による昇温抑制及び降温作用
と、換気停止による保温及び昇温作用とが選択的に実現
される。
【0013】即ち、上記開閉手段Yに空気を導入してこ
れを展開させると、該開閉手段Yによって上記通気部1
5,17,23が開放され、該通気部15,17,23
を通して上記作物育成空間Aの換気が行われ、これによ
り該作物育成空間Aの昇温が抑制されるとともに降温が
実現される。これに対して、上記開閉手段Yから空気を
排出してこれを萎縮させると、該開閉手段Yによって上
記通気部15,17,23が閉止され、該通気部15,
17,23を通しての換気が阻止されることで、上記作
物育成空間Aの温度上昇が図られるとともに保温が行わ
れる。これらの結果、上記作物育成空間Aの温度が栽培
作物に適した生育温度に維持され、該栽培作物の生育促
進が期待できるものである。
【0014】このように、この発明のビニール温床の換
気装置によれば、開閉手段Yへの空気の導入・排出とい
う簡単な操作を行うことのみによって、上記作物育成空
間Aの換気と換気停止とを容易且つ迅速に行うことがで
きるので、例えば従来のように作業者が手作業でビニー
ルシートの裾部分をたくし上げて開口を作って換気を行
わせるとともに、換気停止時にはたくし上げられた上記
ビニールシートを引き下ろす作業が必要である場合に比
して、上記作物育成空間Aの温度管理に伴う作業が極め
て簡単且つ容易であり、それだけ作業者の疲労も軽減で
きるものである。
【0015】また、上記開閉手段Yが、空気の導入・排
出により展開・萎縮変形される構成であることから、例
えば上記ビニールシート2を機械的に開閉する構成とす
る場合に比して、装置の簡略化及び低コスト化が図れ、
特に簡易な構造のビニール温床Zに適用される換気装置
としては好適なものである。
【0016】 本願の第2の発明にかかるビニール温
床の換気装置は、上記に記載の効果を創出する上記開
閉手段Yを、その展開時には筒状形態を呈し、その萎縮
時にはシート状形態を呈する環状の断面形状をもつ袋体
21をその環状断面の適宜位置で局部的に上記ビニール
シート2のトンネル部2aに接続し、上記袋体21の展
開状態時においては該袋体21が上記トンネル部2aへ
の接続部を除いて該トンネル部2aから浮上して上記通
気部23を開放する一方、上記袋体21の萎縮状態時に
おいては該袋体21がシート状となって上記トンネル部
2aに接して上記通気部23を閉止するように構成した
ものである。
【0017】従って、この発明にかかるビニール温床の
換気装置では、上記袋体21に空気を導入してこれを筒
状形態に展開させると、該袋体21が上記トンネル部2
aへの接続部を除いて該トンネル部2aから浮上して上
記通気部23を開放するため、該通気部23を通して上
記作物育成空間Aの換気が行われ、これによって該作物
育成空間Aの昇温が抑制されるとともに降温が実現され
る。これに対して、上記袋体21から空気を排出してこ
れを萎縮させると、該袋体21がシート状となり、これ
が上記トンネル部2aに接して上記通気部23を閉止す
るため、該通気部23を通しての換気が阻止され、上記
作物育成空間Aの温度上昇が図られるとともに保温が行
われる。これらの結果、上記作物育成空間Aの温度が栽
培作物に適した生育温度に維持され、該栽培作物の生育
促進が期待できるものである。
【0018】以上のように、この発明のビニール温床の
換気装置によれば、上記トンネル部2aに上記袋体21
を設け、この袋体21への空気の導入・排出を制御する
ことのみによって、上記作物育成空間Aの換気と換気停
止とを容易に実現できるものであり、簡単且つ安価な構
成により上記に記載の効果と同様の効果をえることが
できるものである。
【0019】 本願の第3の発明にかかるビニール温
床の換気装置によれば、上記に記載の効果を創出する
上記開閉手段Yを、その展開時には筒状形態を呈し、そ
の萎縮時にはシート状形態を呈する環状の断面形状をも
つ所定長さの一対の袋体11,12を上記トンネル部2
aの上記通気部15,17を挟んで対向する部位のそれ
ぞれに配置し且つその環状断面の適宜位置で局部的に該
トンネル部2aに接続するとともに、上記一対の袋体1
1,12を通気部17を備えた連結シート材13により
連結して構成しているので、上記一対の袋体11,12
に空気を導入してこれらを共に筒状形態に展開させる
と、該各袋体11,12が共に上記トンネル部2aへの
接続部を除いて該トンネル部2aから浮上し、一方の袋
体11は上記通気部15を開放し、他方の袋体12は上
記連結シート材13の上記通気部17を開放する。これ
により、上記トンネル部2a側の上記通気部15と上記
連結シート材13側の上記通気部17とを介して上記作
物育成空間Aが上記トンネル部2aの外側空間と連通
し、該各通気部15,17を介して上記作物育成空間A
の換気が行われる。
【0020】これに対して、上記一対の袋体11,12
から空気を排出してこれらを共にシート状に萎縮させる
と、これら一対の袋体11,12のうち、一方の袋体1
1は上記トンネル部2aに接して上記通気部15を閉止
し、また他方の袋体12は上記連結シート材13に接し
て上記通気部17を閉止し、これによって上記各通気部
15,17を介しての上記作物育成空間Aと上記トンネ
ル部2aの外側空間との連通が遮断され、該作物育成空
間Aの換気が停止される。この換気と換気停止とによっ
て、上記作物育成空間Aの温度が栽培作物に適した生育
温度に維持され、該栽培作物の生育促進が期待できるも
のである。
【0021】以上のように、この発明のビニール温床の
換気装置によれば、上記トンネル部2aに上記一対の袋
体11,12を設け、この各袋体11,12への空気の
導入・排出を制御することのみによって、上記作物育成
空間Aの換気と換気停止とを容易に実現できるものであ
り、上記に記載の効果と同様の効果が奏せられるもの
である。
【0022】さらに、この発明の換気装置においては、
上記トンネル部2aに設けた上記第1通気部15はこれ
を上記一方の袋体11の展開・萎縮変形によって開閉
し、また上記連結シート材13に設けた上記第2通気部
17はこれを上記他方の第2袋体12の展開・萎縮変形
によって開閉することで、上記作物育成空間Aの換気及
び換気停止を二段構えの構成で実現するようにしている
ので、特に上記一対の袋体11,12が共にシート状に
萎縮される換気停止時においては、例え外側に位置して
いる上記連結シート材13及び該連結シート材13の第
2通気部17を開閉する上記他方の袋体12が風等の外
的作用によって浮上状態となって上記他方の袋体12に
よる上記通気部17の閉止状態が損なわれたとしても、
上記一方の袋体11による上記通気部15の閉止状態は
保持される。この結果、上記作物育成空間Aの換気停止
状態が維持され、従って、強風時においても高い作動上
の信頼性が確保され、特に風の強い地域あるいは風の多
い地方で使用されるビニール温床Zの換気装置として適
用する場合には、その効果がより一層顕著となるもので
ある。
【0023】 本願の第4の発明にかかるビニール温
床の換気装置によれば、上記開閉手段Yに可逆運転可能
とされた送風手段3を接続する一方、上記作物育成空間
A内には感温作動部材4を配置し、上記感温作動部材4
の作動に対応して上記送風手段3を運転制御するように
しているので、上記感温作動部材4によって上記送風手
段3の自動制御、即ち、上記作物育成空間Aの換気・換
気停止の自動制御が可能となり、該作物育成空間Aの換
気・換気停止に係る作業者の作業量、操作量が格段に少
ならしめられ、作業者の作業上の負担軽減という点にお
いて多大の実用的効果が得られるものである。また、上
記感温作動部材4の作動に基づいて上記作物育成空間A
の換気・換気停止が自動的に行われることで、例えば作
業者が天候等の状況から換気の必要の有無を判断して換
気・換気停止作業を行う場合に比して、換気・換気停止
が上記作物育成空間Aの温度条件に応じてより的確に且
つ高い信頼性をもって行われ、それだけビニール温床Z
における栽培作物の生育環境の適正化が促進されるもの
である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかるビニール
温床の換気装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説
明する。
【0025】第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる換気装置
1を備えたビニール温床Zを示している。このビニー
ル温床Zは、所定幅のビニールシート2で構成される。
即ち、ビニール温床Zは、圃場面Gに所定幅で且つ所定
長さに設けた畝Gaに沿ってこれを覆う如くトンネル状
に形成されるものであって、弧状形態をもつ多数の支持
骨材1,1,・・を上記畝Gaをその幅方向に跨ぐよう
にして且つ該畝Gaの長さ方向に所定間隔で順次立設配
置するとともに、これら各支持骨材1,1,・・に対し
てその上側から所定幅のビニールシート2を被せ、該ビ
ニールシート2のうち、上記各支持骨材1,1,・・に
対応する部分はこれを該支持骨材1の形状に対応した弧
状断面形状をもつトンネル部2aとし、また該トンネル
部2aの左右両側縁に連続する裾部分はこれを覆土部2
bとして圃場土に埋没させることで、上記トンネル部2
aの内側空間を作物育成空間Aとしたビニール温床Zが
構築されるものである。そして、上記作物育成空間Aに
臨む上記畝Gaにおいて作物Wが栽培される。
【0026】かかるビニール温床Zにおいては、上記作
物育成空間Aの温度を上記作物Wの生育に適した温度に
管理する必要があり、かかる温度管理は上記作物育成空
間Aの換気及び換気停止を適宜行うことで実現されるこ
とは既述の通りである。しかし、この場合、上記ビニー
ルシート2の裾部分を作業者が手作業にて開閉していた
のでは、作業が煩雑で作業者の疲れも大きく、且つ温度
管理の信頼性も低いものとならざるを得ないことも既述
の通りである。
【0027】そこで、この実施形態のものにおいては、
本願の請求項1、請求項2及び請求項4に記載の発明を
適用して、上記ビニール温床Zに、次述の開閉手段Yと
送風手段3及び感温作動部材4を備えて構成される換気
装置X1を付設している。以下、この換気装置X1の具体
的構成及びその作動等について説明する。
【0028】開閉手段Y上記開閉手段Yは、上記換気装
置X1の主要部を構成するものであって、上記ビニール
温床Zのトンネル部2aの側面上に設けた通気部23と
該通気部23の近傍に設けた袋体21とで構成される。
【0029】上記通気部23は、上記作物育成空間Aの
換気が行われる場合において空気通路となるものであっ
て、上記トンネル部2aの側面部分に散点状に形成され
た多数の通気孔22,22,・・の集合で構成される。
そして、この通気部23は、上記トンネル部2aの湾曲
方向に所定幅をもち且つ上記トンネル部2aの長手方向
の略全長に亙って形成されている。
【0030】尚、この通気部23は、この実施形態のよ
うに上記トンネル部2aの長手方向の全長に亙って形成
するのに代えて、例えば、上記作物育成空間Aの温度変
化に影響を及ぼす周辺環境等の諸条件に応じて、上記通
気部23を上記トンネル部2aの長手方向に所定長さづ
つ所定間隔をもって間欠的に形成することもできるもの
である。
【0031】また、この通気部23の開口率、即ち、該
通気部23の占有面積に対する上記各通気孔22,2
2,・・の総開口面積の比率は、直接的に換気能力に影
響を及ぼす要因の一つであり、従って、この開口率は必
要な換気能力に応じて適宜設定することになる。開口率
の具体的に変更手段としては、例えば、上記通気孔2
2,22,・・の口径、配置数あるいは配置パターン等
の変更が考えられる。
【0032】さらに、上記トンネル部2aにおける上記
通気部23の形成位置は、原則として、該トンネル部2
aの側面の何れの位置にも設定でき、且つ換気効率とい
う点のみに着目すれば上記作物育成空間Aの最高部に対
応する位置(即ち、上記トンネル部2aの頂部)が最適
であるが、この実施形態においては、後述の袋体21が
萎縮してシート状形態となった時にこれが上記トンネル
部2aの表面上を重力によってその上部側から下部側に
向かって垂れ下がるようにする必要上、上記トンネル部
2aの頂部より所定量だけ側端寄りにオフセットした位
置に設定している。
【0033】上記袋体21は、例えば上記ビニールシー
ト2と同一素材により袋状に形成されたものであって、
その長さは、例えば、上記トンネル部2aの長さに対応
する長さに設定される。また、この袋体21の環状部分
の長さ寸法は、図1に鎖線図示するように、該袋体21
が萎縮変形して二つ折りのシート状形態とされた状態に
おいて、少なくとも上記通気部23の幅方向の全域を覆
蓋し得る必要があり、かかる観点から適宜設定される。
【0034】また、この袋体21は、上記トンネル部2
aの上記通気部23の直上部位置にその環状方向の一部
を局部的に接合(例えば、融着接合あるいは接着接合)
させた状態で、該通気部23に沿って上記トンネル部2
aの全長に亙って取り付けられる。この接合部を図1に
符号18で示している。尚、この袋体21の上記トンネ
ル部2aへの取付位置(より具体的には、上記通気部2
3の幅方向端縁からの距離)は、該袋体21の萎縮状態
における幅寸法と上記通気部23の幅寸法とを考慮して
設定されることは上述の通りである。
【0035】さらに、この実施形態においては、上記袋
体21の一方の端部(即ち、上記ビニール温床Zの一方
の端部に対応する端部)は、図1に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記袋体2
1の他方の端部(即ち、上記ビニール温床Zの他方の端
部に対応する端部)は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。
【0036】また、上記袋体21の上記接合部18と略
対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、該袋
体21の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠的に取り
付けられている。
【0037】以上が上記開閉手段Yの構成である。
【0038】尚、この実施形態においては、上記開閉手
段Yを上記ビニール温床Zのトンネル部2aの左右両側
にそれぞれ配置しているが、この開閉手段Yの配置数
は、例えば要求される換気能力等の条件に応じて適宜選
択されるものである。
【0039】送風手段3及び感温作動部材4上記送風手
段3は、上記各開閉手段Y,Yの袋体21,21にそれ
ぞれ空気を送給し、また該各袋体21,21から空気を
排出させるためのものであって、この実施形態において
はこれを可逆運転可能なブロアで構成している。そし
て、この送風手段3は、上記エアホス5を介して上記左
右一対の上記開閉手段Y,Yの各袋体21,21の一端
に接続されている。また、この送風手段3は、これが正
転運転されることで上記各袋体21,21に大風量で送
風し、これら各袋体21,21を筒状形態に展開(図1
に実線図示する状態)させる一方、これが逆転運転され
ることで上記各袋体21,21内に導入されている空気
を排出させて該各袋体21,21をシート状形態に萎縮
(図1に鎖線図示する状態)させる如く機能する。
【0040】また、この実施形態においては、上記送風
手段3の自動運転を行うために、上記ビニール温床Zの
作物育成空間Aの適宜位置に感温作動部材4を配置して
いる。この感温作動部材4は、この実施形態においては
少なくとも、上記作物育成空間A内の温度検知を行う温
度検知機能と、信号出力の基準となる高低二つの温度値
を任意に設定可能な温度設定機能と、上記検知温度が高
設定温度まで上昇したときには上記送風手段3に正転運
転を行わしめる信号を出力する一方、該検知温度が低設
定温度まで低下したときには上記送風手段3に逆転運転
を行わしめる信号を出力する制御信号出力機能とを兼ね
備えた構成としている。従って、他の実施形態において
は、上記各機能別にそれ専用の機器を設けることも可能
である。
【0041】作動説明 続いて、上記ビニール温床Zに備えられた上記換気装置
1の作動等について説明する。
【0042】上記ビニール温床Zの上記作物育成空間A
内の温度は、常時、上記作物Wの生育に適した温度に維
持されていることが必要であり、かかる温度管理は上記
作物育成空間Aの換気及び換気停止によって実現される
ものである。また、かかる換気及び換気停止は、上記感
温作動部材4からの信号に基づく上記送風手段3の作動
により実現されるものである。
【0043】先ず、上記作物育成空間A内の温度が上記
高設定温度以下にある場合には、その温度を維持するこ
と、あるいは保温により昇温を図ることが必要な場合で
あり、従って、この場合には、上記送風手段3の運転停
止状態を維持する。この送風手段3の運転停止状態が維
持されることで、上記各開閉手段Y,Yの各袋体21,
21には空気は導入されず、従って該各袋体21,21
は図1に鎖線図示するように萎縮状態にあり、上記トン
ネル部2aとの接合部18から二つ折りのシート状形態
をもって、且つ該トンネル部2aの表面に沿って垂れ下
がった状態とされる。尚、この場合、上記袋体21は、
これに設けられた上記ワイヤ7の重量によって、確実に
二つ折りのシート状形態とされる。
【0044】このシート状形態での垂れ下がり状態で
は、該袋体21によって上記トンネル部2a側の上記通
気部23に属する各通気孔22,22,・・がそれぞれ
閉止されている。従って、上記各通気孔22,22,・
・を通しての空気の出入りは阻止される(即ち、換気停
止状態)。従って、上記作物育成空間Aは、略密閉状態
に維持され、その内部温度の昇温及び保温作用が行われ
る。
【0045】一方、上記通気部23が閉止されることで
上記作物育成空間Aの内部温度が次第に上昇し、これが
上記高設定温度に達すると、作物Wの生育が阻害される
ため、降温を図る必要がある。この場合には、かかる温
度上昇が上記感温作動部材4により検知され該感温作動
部材4から上記送風手段3に制御信号が出力されること
で、該送風手段3は正転運転を開始し、上記各開閉手段
Y,Yの各袋体21,21に空気が導入される。この空
気の導入に伴って、上記各袋体21,21は、その萎縮
状態から展開変形し、図1に実線図示するように、筒状
形態とされる。このように、上記各袋体21,21が筒
状形態に展開すると、該各袋体21,21は、共に上記
接合部18で局部的に上記トンネル部2aと接合された
状態でその全体が該トンネル部2aの表面から浮上し、
今ままで萎縮状態にあるシート状の袋体21によって閉
止されていた上記通気部23の通気孔22,22,・・
が開放され、該各通気孔22,22,・・を通しての空
気の出入り、即ち、換気作用が行われる。この換気作用
の進行により、上記作物育成空間A内の温度は次第に低
下し、上記作物Wの育成に好適な温度に近づくことにな
る。
【0046】尚、このように上記各袋体21,21を展
開させての上記作物育成空間Aの換気作用は、作物育成
空間A内の温度が上記低設定温度に達するまで継続され
るが、この場合、この実施形態のものにおいては、制御
の簡略化を図る等の観点から、換気実行中は上記送風手
段3を継続的に運転させるようにしている。この際、上
記送風手段3が低圧大風量のブロアで構成されているこ
とから、上記袋体21の展開状態が過大となって破裂す
るとか、上記送風手段3に過大な負荷がかかってこれを
損傷するという懸念はほとんど無いが、この場合、上述
のように上記袋体21の他の一端側に空気抜き孔を設け
ておくことでかかる懸念の一掃が図られ、その作動上の
信頼性がより一層向上することになる。
【0047】一方、換気の継続により作物育成空間A内
の温度が次第に低下し、上記低設定温度に達すると、こ
れを上記感温作動部材4が検知し、該感温作動部材4か
らの制御信号を受けて上記送風手段3は逆転運転され
る。この送風手段3の逆転運転に伴って、上記各袋体2
1,21内に導入されていた空気が順次吸引排出され、
該各袋体21,21は再び萎縮して二つ折りのシート状
形態とされ、上記通気部23の各通気孔22,22,・
・を閉止し、これにより換気作用が完全に停止され、作
物育成空間A内の温度の昇温作用に移行することにな
る。この場合、上記袋体21に設けた上記ワイヤ7の重
量によって該袋体21が確実に二つ折りのシート状とさ
れる。
【0048】尚、この実施形態においては、上記送風手
段3の逆転運転を所定時間だけ実行し、該所定時間の経
過後はその運転を停止させるようにしている。
【0049】このように、この実施形態の換気装置X1
を備えたビニール温床Zにおいては、上記送風手段3を
正転・逆転させて上記開閉手段Yの上記袋体21への空
気の導入・排出という簡単な操作を行うことのみによっ
て、上記作物育成空間Aの換気による昇温抑制及び降温
作用と、換気停止による保温及び昇温作用とが選択的に
実現されるものであることから、例えば、従来のように
作業者が手作業でビニールシートの裾部分をたくし上げ
て開口を作って換気を行わせるとともに、換気停止時に
はたくし上げられた上記ビニールシートを引き下ろす作
業が必要である場合に比して、上記作物育成空間Aの温
度管理に伴う作業が極めて簡単且つ容易であり、それだ
け作業者の疲労も軽減でき、実用上極めて有用なもので
ある。
【0050】また、上記開閉手段Yが、空気の導入・排
出により展開・萎縮変形される構成であることから、例
えば上記ビニールシート2を機械的に開閉する構成とす
る場合に比して、装置の簡略化及び低コスト化が図れ、
特に簡易な構造のビニール温床Zに適用される換気装置
としては好適なものである。
【0051】さらに、上記開閉手段Yに可逆運転可能と
された送風手段3を接続する一方、上記作物育成空間A
内には感温作動部材4を配置し、上記感温作動部材4の
作動に対応して上記送風手段3を運転制御するようにし
ているので、上記感温作動部材4によって上記送風手段
3の自動制御、即ち、上記作物育成空間Aの換気・換気
停止の自動制御が可能となり、該作物育成空間Aの換気
・換気停止に係る作業者の作業量、操作量が格段に少な
らしめられ、作業者の作業上の負担軽減という点におい
て多大の実用的効果が得られるものである。また、上記
感温作動部材4の作動に基づいて上記作物育成空間Aの
換気・換気停止が自動的に行われることで、例えば作業
者が天候等の状況から換気の必要の有無を判断して換気
・換気停止作業を行う場合に比して、換気・換気停止が
上記作物育成空間Aの温度条件に応じてより的確に且つ
高い信頼性をもって行われ、それだけビニール温床Zに
おける栽培作物の生育環境の適正化が促進されるもので
ある。
【0052】第2の実施形態 図2には、本願発明の第2の実施形態にかかる換気装置
1を備えたビニール温床Zを示している。このビニー
ル温床Zは、上記第1の実施形態にかかるビニール温床
Zにおける上記換気装置X1の作動上の信頼性をより一
層高めることを狙ったものであって、ビニール温床Zの
構成そのものは上記第1の実施形態のビニール温床Zと
同様であり、該第1の実施形態のものと異なる点は換気
装置の構造である。従って、以下においては、上記ビニ
ール温床Zの構成は上記第1の実施形態における該当説
明を援用することでここでの説明を省略し、ここではこ
の第2の実施形態に特有の構成をもつ換気装置X2につ
いて説明する。
【0053】この実施形態における換気装置X2は、本
願の請求項1、請求項3及び請求項4に記載の発明が適
用されたものであって、上記ビニール温床Zに、次述の
開閉手段Yと送風手段3及び感温作動部材4を備えて構
成される。
【0054】開閉手段Y 上記開閉手段Yは、上記換気装置X2の主要部を構成す
るものであって、上記ビニール温床Zのトンネル部2a
の側面上に設けた第1通気部15と、該通気部15の直
上方位置に該第1通気部15に沿って設けた第1袋体1
1と、該トンネル部2aにおける上記第1通気部15の
直下方位置に該第1通気部15に沿って設けた第2袋体
12と、上記第1袋体11と第2袋体12間に跨がって
設けられると共に第2通気部17を備えた連結シート材
13とで構成される。
【0055】上記第1通気部15は、上記作物育成空間
Aの換気が行われる場合の空気通路となるものであっ
て、上記トンネル部2aの側面部分に散点状に形成され
た多数の第1通気孔14,14,・・の集合で構成され
る。そして、この通気部15は、上記トンネル部2aの
湾曲方向に所定幅をもち且つ上記トンネル部2aの長手
方向の略全長に亙って形成されている。
【0056】尚、この通気部15は、この実施形態のよ
うに上記トンネル部2aの長手方向の全長に亙って形成
するのに代えて、上記トンネル部2aの長手方向に所定
長さづつ所定間隔をもって間欠的に形成することもでき
ること、また、この通気部15の開口率は必要な換気能
力に応じて適宜設定できること、等は上記第1の実施形
態の場合と同様である。
【0057】さらに、上記トンネル部2aにおける上記
通気部15の形成位置は、原則として、該トンネル部2
aの側面の何れの位置にも設定できるが、この実施形態
においては後述の第1袋体11が萎縮してシート状形態
となった時にこれが上記トンネル部2aの表面上を重力
によってその上部側から下部側に向かって垂れ下がるよ
うにする必要上、上記トンネル部2aの頂部より所定量
だけ側端寄りにオフセットした位置に設定している点
も、上記第1の実施形態の場合と同様である。
【0058】上記第1袋体11は、例えば上記ビニール
シート2と同一素材により袋状に形成されたものであっ
て、その長さは、例えば、上記トンネル部2aの長さに
対応する長さに設定される。また、この第1袋体11の
環状部分の長さ寸法は、図2に鎖線図示するように、該
第1袋体11が萎縮変形して二つ折りのシート状形態と
された状態において、少なくとも上記通気部15の幅方
向の全域を覆蓋し得る必要があり、かかる観点から適宜
設定される。
【0059】また、この第1袋体11は、上記トンネル
部2aの上記通気部15の直上部位置にその環状方向の
一部を局部的に接合させた状態で、該通気部15に沿っ
て上記トンネル部2aの全長に亙って取り付けられる。
この接合部を図2に符号18で示している。尚、この第
1袋体11の上記トンネル部2aへの取付位置は、該第
1袋体11の萎縮状態における幅寸法と上記通気部15
の幅寸法とを考慮して設定されることは上述の通りであ
る。
【0060】さらに、この実施形態においては、上記第
1袋体11の一方の端部は、図2に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記第1袋
体11の他方の端部は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。
【0061】また、上記第1袋体11の上記接合部18
と略対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、
該第1袋体11の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠
的に取り付けられている。
【0062】上記第2袋体12は、上記第1袋体11と
同様の構成をもつものであって、例えば上記ビニールシ
ート2と同一素材により袋状に形成されている。そし
て、この第2袋体12のの長さは、例えば、上記トンネ
ル部2aの長さに対応する長さに設定され、また、その
環状部分の長さ寸法は、図2に鎖線図示するように、該
第2袋体12が萎縮変形して二つ折りのシート状形態と
された状態において、少なくとも後述する連結シート材
13に設けられた第2通気部17の幅方向の全域を覆蓋
し得る必要があり、かかる観点から適宜設定される。
【0063】また、この第2袋体12は、上記トンネル
部2aの上記通気部15の直下部位置に、該第1通気部
15を挟んで上記第1袋体11と平行となるように、そ
の環状方向の一部を局部的に接合させた状態で上記トン
ネル部2aの全長に亙って取り付けられる。この接合部
を図2に符号18で示している。尚、この第2袋体12
の上記トンネル部2aへの取付位置は、該第2袋体12
の萎縮状態における幅寸法と上記連結シート材13の第
2通気部17の幅寸法とを考慮して設定されることは上
述の通りである。
【0064】さらに、この実施形態においては、上記第
2袋体12の一方の端部は、図2に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記第2袋
体12の他方の端部は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。また、上記第2袋体12の上記接合部18と
略対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、該
第2袋体12の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠的
に取り付けられている。
【0065】上記連結シート材13は、例えば上記ビニ
ールシート2と同一の素材により形成された帯状シート
であって、その両側縁13a,13bのうち、一方の側
縁13aは上記第1袋体11の上記接合部18に略対向
する位置に接合され、また他方の側縁13bは上記第2
袋体12の上記接合部18に略対向する位置に接合され
ており、図2に実線図示するように、上記第1袋体11
と第2袋体12がともに展開して筒状形態とされた状態
においては該連結シート材13が上記トンネル部2aの
上記第1通気部15の形成部分に対して所定の間隔をも
って対向するようになっている。
【0066】さらに、上記連結シート材13の上記第2
袋体12寄り部位には、多数の第2通気孔16,16,
・・の集合で構成される第2通気部17が設けられてい
る。尚、この第2通気部17の上記連結シート材13に
おける形成位置は、図2に鎖線図示するように、上記第
2袋体12が萎縮して上記接合部18から二つ折りのシ
ート状形態で垂れ下がった状態において、該連結シート
材13が該第2袋体12の上側に重なり、該第2袋体1
2によって上記第2通気部17の各第2通気孔16,1
6,・・が閉止されるように設定される。
【0067】以上が上記開閉手段Yの構成である。
【0068】尚、この実施形態においては、上記開閉手
段Yを上記ビニール温床Zのトンネル部2aの左右両側
にそれぞれ配置しているが、この開閉手段Yの配置数
は、例えば要求される換気能力等の条件に応じて適宜選
択されるものである。
【0069】送風手段3及び感温作動部材4 上記送風手段3は、上記各開閉手段Y,Yの各袋体1
1,12にそれぞれ空気を送給し、また該各袋体11,
12から空気を排出させるためのものであって、この実
施形態においてはこれを可逆運転可能なブロアで構成し
ている。そして、この送風手段3は、上記エアホス5を
介して上記左右一対の上記開閉手段Y,Yの各袋体1
1,12の一端に接続されている。また、この送風手段
3は、これが正転運転されることで上記各袋体11,1
2に大風量で送風し、これら各袋体11,12を筒状形
態に展開(図2に実線図示する状態)させる一方、これ
が逆転運転されることで上記各袋体11,12内に導入
されている空気を排出させて該各袋体11,12をシー
ト状形態に萎縮(図2に鎖線図示する状態)させる如く
機能する。
【0070】また、この実施形態においては、上記送風
手段3の自動運転を行うために、上記ビニール温床Zの
作物育成空間Aの適宜位置に感温作動部材4を配置して
いるが、この感温作動部材4の構成及び機能は上記第1
の実施形態における感温作動部材4と同様であるのでこ
こでの説明を省略する。
【0071】作動説明 続いて、上記ビニール温床Zに備えられた上記換気装置
2の作動等について説明する。
【0072】上記ビニール温床Zの上記作物育成空間A
内の温度は、常時、上記作物Wの生育に適した温度に維
持されていることが必要であり、かかる温度管理は上記
作物育成空間Aの換気及び換気停止によって実現される
ものである。また、かかる換気及び換気停止は、上記感
温作動部材4からの信号に基づく上記送風手段3の作動
により実現されるものである。
【0073】先ず、上記作物育成空間A内の温度が上記
高設定温度以下にある場合には、その温度を維持するこ
と、あるいは保温により昇温を図ることが必要な場合で
あり、従って、この場合には、上記送風手段3の運転停
止状態を維持する。この送風手段3の運転停止状態が維
持されることで、上記各開閉手段Y,Yの各袋体11,
12には空気は導入されず、従って該各袋体11,12
は、図2に鎖線図示するように、共に萎縮状態にあり、
上記トンネル部2aとの接合部18から二つ折りのシー
ト状形態をもって、且つ該トンネル部2aの表面に沿っ
て垂れ下がった状態とされる。尚、この場合、上記各袋
体11,12は、これに設けられた上記ワイヤ7の重量
によって、確実に二つ折りのシート状形態とされる。
【0074】このシート状形態での垂れ下がり状態で
は、上記第1通気部15の上側にある上記第1袋体11
によって上記トンネル部2a側の上記通気部15に属す
る各通気孔14,14,・・がそれぞれ閉止される一
方、上記第1通気部15の下側にある上記第2袋体12
によって上記連結シート材13側の上記通気部17に属
する各通気孔16,16,・・がそれぞれ閉止される。
従って、上記第1通気部15の各第1通気孔14,1
4,・・、及び上記連結シート材13側の上記第2通気
部17の各第2通気孔16,16,・・を通しての空気
の出入りは阻止される(即ち、換気停止状態)。この結
果、上記作物育成空間Aは、略密閉状態に維持され、そ
の内部温度の昇温及び保温作用が行われる。
【0075】一方、上記各通気部15,17が共に閉止
されることで上記作物育成空間Aの内部温度が次第に上
昇し、これが上記高設定温度に達すると、作物Wの生育
が阻害されるため、降温を図る必要がある。この場合に
は、かかる温度上昇が上記感温作動部材4により検知さ
れ該感温作動部材4から上記送風手段3に制御信号が出
力されることで、該送風手段3は正転運転を開始し、上
記各開閉手段Y,Yの各袋体11,12に空気が導入さ
れる。この空気の導入に伴って、上記各袋体11,12
は、その萎縮状態から展開変形し、図2に実線図示する
ように、筒状形態とされる。
【0076】このように、上記各袋体11,12が筒状
形態に展開すると、該各袋体11,12は、共に上記接
合部18で局部的に上記トンネル部2aと接合された状
態でその全体が該トンネル部2aの表面から浮上し、今
ままで萎縮状態にあるシート状の第1袋体11によって
閉止されていた上記第1通気部15の各第1通気孔1
4,14,・・が開放されるとともに、今まで萎縮状態
にあったシート状形態の上記第2袋体12によって閉止
されていた上記連結シート材13における上記第2通気
部17の各第2通気孔16,16,・・が開放され、該
各第1通気孔14,14,・・及び各第2通気孔16,
16,・・を通しての空気の出入り、即ち、換気作用が
行われる。この換気作用の進行により、上記作物育成空
間A内の温度は次第に低下し、上記作物Wの育成に好適
な温度に近づくことになる。
【0077】尚、このように上記各袋体11,12を展
開させての上記作物育成空間Aの換気作用は、作物育成
空間A内の温度が上記低設定温度に達するまで継続され
るが、この場合、この実施形態のものにおいては、制御
の簡略化を図る等の観点から、換気実行中は上記送風手
段3を継続的に運転させるようにしている。この際、上
記送風手段3が低圧大風量のブロアで構成されているこ
とから、上記各袋体11,12の展開状態が過大となっ
て破裂するとか、上記送風手段3に過大な負荷がかかっ
てこれを損傷するという懸念はほとんど無いが、この場
合、上述のように上記各袋体11,12の他の一端側に
空気抜き孔を設けておくことでかかる懸念の一掃が図ら
れ、その作動上の信頼性がより一層向上することにな
る。
【0078】一方、換気の継続により作物育成空間A内
の温度が次第に低下し、上記低設定温度に達すると、こ
れを上記感温作動部材4が検知し、該感温作動部材4か
らの制御信号を受けて上記送風手段3は逆転運転され
る。この送風手段3の逆転運転に伴って、上記各袋体1
1,12内に導入されていた空気が順次吸引排出され、
該各袋体11,12は再び萎縮して二つ折りのシート状
形態とされ、上記各通気部15,17の各第1通気孔1
4,14,・・及び第2通気孔16,16,・・を閉止
し、これにより換気作用が完全に停止され、作物育成空
間A内の温度の昇温作用に移行することになる。この場
合、上記各袋体11,12に設けた上記ワイヤ7の重量
によって該各袋体11,12が確実に二つ折りのシート
状とされるものである。
【0079】尚、この実施形態においては、上記送風手
段3の逆転運転を所定時間だけ実行し、該所定時間の経
過後はその運転を停止させるようにしている。
【0080】このように、この実施形態の換気装置X2
を備えたビニール温床Zにおいては、上記送風手段3を
正転・逆転させて上記各開閉手段Y,Yの上記各袋体1
1,12への空気の導入・排出という簡単な操作を行う
ことのみによって、上記作物育成空間Aの換気による昇
温抑制及び降温作用と、換気停止による保温及び昇温作
用とが選択的に実現されるものであることから、例え
ば、従来のように作業者が手作業でビニールシートの裾
部分をたくし上げて開口を作って換気を行わせるととも
に、換気停止時にはたくし上げられた上記ビニールシー
トを引き下ろす作業が必要である場合に比して、上記作
物育成空間Aの温度管理に伴う作業が極めて簡単且つ容
易であり、それだけ作業者の疲労も軽減でき、実用上極
めて有用なものである。
【0081】また、上記開閉手段Yが、空気の導入・排
出により展開・萎縮変形される構成であることから、例
えば上記ビニールシート2を機械的に開閉する構成とす
る場合に比して、装置の簡略化及び低コスト化が図れ、
特に簡易な構造のビニール温床Zに適用される換気装置
としては好適なものである。
【0082】さらに、上記開閉手段Yに可逆運転可能と
された送風手段3を接続する一方、上記作物育成空間A
内には感温作動部材4を配置し、上記感温作動部材4の
作動に対応して上記送風手段3を運転制御するようにし
ているので、上記感温作動部材4によって上記送風手段
3の自動制御、即ち、上記作物育成空間Aの換気・換気
停止の自動制御が可能となり、該作物育成空間Aの換気
・換気停止に係る作業者の作業量、操作量が格段に少な
らしめられ、作業者の作業上の負担軽減という点におい
て多大の実用的効果が得られるものである。また、上記
感温作動部材4の作動に基づいて上記作物育成空間Aの
換気・換気停止が自動的に行われることで、例えば作業
者が天候等の状況から換気の必要の有無を判断して換気
・換気停止作業を行う場合に比して、換気・換気停止が
上記作物育成空間Aの温度条件に応じてより的確に且つ
高い信頼性をもって行われ、それだけビニール温床Zに
おける栽培作物の生育環境の適正化が促進されるもので
ある。
【0083】また、この発明の換気装置においては、上
記トンネル部2aに設けた上記第1通気部15はこれを
上記第1袋体11の展開・萎縮変形によって開閉し、ま
た上記連結シート材13に設けた上記第2通気部17は
これを上記第2袋体12の展開・萎縮変形によって開閉
することで、上記作物育成空間Aの換気及び換気停止を
二段構えの構成で実現するようにしているので、特に上
記一対の袋体11,12が共にシート状に萎縮される換
気停止時においては、例え折り重なり方向の外側に位置
している上記連結シート材13及び該連結シート材13
の第2通気部17を開閉する上記第2袋体12が風等の
外的作用によって浮上状態となって該第2袋体12によ
る上記通気部17の閉止状態が損なわれたとしても、上
記第1袋体11による上記通気部15の閉止状態は保持
される。この結果、上記作物育成空間Aの換気停止状態
が維持され、従って、強風時においても高い作動上の信
頼性が確保され、特に風の強い地域あるいは風の多い地
方で使用されるビニール温床Zの換気装置として適用す
る場合には、その効果がより一層顕著となるものであ
る。
【0084】その他 (1) 上記各実施形態においては、上記送風手段3と
してブロアを使用しているが、本願発明はかかる構成に
限定されるものではなく、例えば、該送風手段3をコン
プレッサー等の他の手段によって構成することができる
ことは勿論である。
【0085】(2) 上記各実施形態においては、一つ
のビニール温床Zについてのみ説明しているが、本願発
明は複数のビニール温床Z,Z,・・を備えたものにも
適用できることは勿論である。また、この場合、上記各
実施形態のように一つのビニール温床Zにそれぞれ一つ
の送風手段3を備える個別送風方式とする外に、複数の
ビニール温床Z,Z,・・に単一の送風手段3を備え、
該各ビニール温床Z,Z,・・の各開閉手段Y,Y,・
・のそれぞれに単一の送風手段3から送風する集中送風
方式とすることもできるものである。
【0086】(3) 上記各実施形態においては、上記
袋体11,12,21を上記ビニールシート2と同一の
素材により構成した例を示しているが、本願発明はかか
る構成に限定されるものではなく、該各袋体11,1
2,21は空気の導入・排出によって展開・萎縮し得る
性状をもつものであれば良く、かかる性状をもつもので
あれば素材の種類を問わず適用できるものである。
【0087】(4) 上記各実施形態においては、上記
通気孔14,16,22を円形孔としたものを例にとっ
て説明しているが、該通気孔14,16,22の形状は
何ら限定されるものではなく、例えば、角孔とかスリッ
ト孔等も適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるビニール温床の換気装置の第
1の実施形態を示す部分斜視図である。
【図2】本願発明にかかるビニール温床の換気装置の第
2の実施形態を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1は支持骨材、2はビニールシート、2aはトンネル
部、2bは覆土部、3は送風手段、4は感温作動部材、
5はエアホス、6はプラグ、7はワイヤ、10は中間空
間、11は第1袋体、12は第2袋体、13は連結シー
ト材、14は第1通気孔、15は第1通気部、16は第
2通気孔、17は第2通気部、18及び19は接合部、
21は袋体、22は通気孔、23は通気部、Aは作物育
成空間、Gは圃場面、Gaは畝、Wは作物、Yは開閉手
段、X1及びX2は換気装置である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月28日(1999.10.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ビニール温床の換気装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ビニール温床の
換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、野菜等の路地栽培において
は、作物の生育調整等の観点から、圃場面の畝部をビニ
ールシートによりトンネル状に覆ってその内部を作物育
成空間とするビニール温床が広く普及している。かかる
ビニール温床においては、栽培作物の良好な生育を実現
するためには、その作物育成空間の温度を栽培作物に適
した生育温度に維持することが必要であり、かかる温度
調整の目的で、上記作物育成空間の換気を適宜行うよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の換気
方法は、例えば天候からビニール温床内の温度を予測し
て、あるいはビニール温床内の温度を直接検知し、必要
に応じて、トンネル状に張設されたビニールシートの両
裾部を作業者が手でたくし上げて開口を形成し、この開
口を介して換気を行わしめるのが通例であった。
【0004】ところが、このような手作業での換気は、
作業が面倒で且つ作業者の疲れも大きく、しかも換気に
よる作物育成空間の温度管理の信頼性が低い、等の問題
があった。
【0005】そこで本願発明では、ビニール温床の換気
を、安価且つ簡単な構成で迅速且つ的確に行い、しかも
ビニール温床内の温度管理を高い信頼性をもって実現し
得るようにしたビニール温床の換気装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0007】本願の第1の発明では、圃場面G上にトン
ネル状にビニールシート2を張設して該ビニールシート
2のトンネル部2aの内側にトンネル方向へ延びる作物
育成空間Aを形成したビニール温床において、上記ビニ
ールシート2の上記作物育成空間Aに臨むトンネル部2
aの適所に、該作物育成空間Aと上記トンネル部2aの
外側空間とを連通する通気部23を設ける一方、該通気
部23の近傍には空気が導入されることで展開し、空気
が排出されることで萎縮する開閉手段Yを備えるととも
に、上記開閉手段Yを、その展開時には筒状形態を呈
し、その萎縮時にはシート状形態を呈する環状の断面形
状をもつ袋体21をその環状断面の適宜位置で局部的に
上記ビニールシート2のトンネル部2aに接続して構成
し、上記袋体21の展開状態時においては該袋体21が
上記トンネル部2aへの接続部を除いて該トンネル部2
aから浮上して上記通気部23を開放する一方、上記袋
体21の萎縮状態時においては該袋体21がシート状と
なって上記トンネル部2aに接して上記通気部23を閉
止するように構成したことを特徴としている。
【0008】本願の第2の発明では、圃場面G上にトン
ネル状にビニールシート2を張設して該ビニールシート
2のトンネル部2aの内側にトンネル方向へ延びる作物
育成空間Aを形成したビニール温床において、上記ビニ
ールシート2の上記作物育成空間Aに臨むトンネル部2
aの適所に、該作物育成空間Aと上記トンネル部2aの
外側空間とを連通する通気部15,17を設ける一方、
該通気部23の近傍には空気が導入されることで展開
し、空気が排出されることで萎縮する開閉手段Yを備え
るとともに、上記開閉手段Yを、その展開時には筒状形
態を呈し、その萎縮時にはシート状形態を呈する環状の
断面形状をもつ所定長さの一対の袋体11,12を上記
トンネル部2aの上記通気部15,17を挟んで対向す
る部位のそれぞれに配置し且つその環状断面の適宜位置
で局部的に該トンネル部2aに接続するとともに、上記
一対の袋体11,12を通気部17を備えた連結シート
材13により連結して構成し、上記一対の袋体11,1
2の展開状態時においては該袋体11,12が共に上記
トンネル部2aへの接続部を除いて該トンネル部2aか
ら浮上し、一方の袋体11は上記通気部15を開放し、
他方の袋体12は上記連結シート材13の上記通気部1
7を開放する一方、上記一対の袋体11,12の萎縮状
態時においてはこれらが共にシート状となり、上記一方
の袋体11は上記トンネル部2aに接して上記通気部1
5を閉止し、他方の袋体12は上記連結シート材13に
接して上記通気部17を閉止するように構成したことを
特徴としている。
【0009】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0010】 本願の第1の発明にかかるビニール温
床の換気装置によれば、上記袋体21に空気を導入して
これを筒状形態に展開させると、該袋体21が上記トン
ネル部2aへの接続部を除いて該トンネル部2aから浮
上して上記通気部23を開放するため、該通気部23を
通して上記作物育成空間Aの換気が行われ、これによっ
て該作物育成空間Aの昇温が抑制されるとともに降温が
実現される。これに対して、上記袋体21から空気を排
出してこれを萎縮させると、該袋体21がシート状とな
り、これが上記トンネル部2aに接して上記通気部23
を閉止するため、該通気部23を通しての換気が阻止さ
れ、上記作物育成空間Aの温度上昇が図られるとともに
保温が行われる。これらの結果、上記作物育成空間Aの
温度が栽培作物に適した生育温度に維持され、該栽培作
物の生育促進が期待できるものである。
【0011】このように、この発明のビニール温床の換
気装置によれば、上記袋体21への空気の導入と該袋体
21からの空気の排出という簡単な操作を行うことのみ
によって、上記作物育成空間Aの換気と換気停止とを容
易且つ迅速に行うことができるようになっていることか
ら、例えば従来のように作業者が手作業でビニールシー
トの裾部分をたくし上げて開口を作って換気を行わせる
とともに、換気停止時にはたくし上げられた上記ビニー
ルシートを引き下ろす作業が必要である場合に比して、
上記作物育成空間Aの温度管理に伴う作業が極めて簡単
且つ容易であり、それだけ作業者の疲労も軽減できるも
のである。
【0012】さらに、空気の導入によって展開し、空気
の排出によって萎縮される袋体21によって上記通気部
23を開閉するように構成しているので、例えば上記ビ
ニールシート2を機械的に開閉する構成とする場合に比
して、装置の簡略化及び低コスト化が図れ、特に簡易な
構造のビニール温床に適用される換気装置としては好適
である。
【0013】 本願の第2の発明にかかるビニール温
床の換気装置によれば、上記一対の袋体11,12に空
気を導入してこれらを共に筒状形態に展開させると、該
各袋体11,12が共に上記トンネル部2aへの接続部
を除いて該トンネル部2aから浮上し、一方の袋体11
は上記通気部15を開放し、他方の袋体12は上記連結
シート材13の上記通気部17を開放する。これによ
り、上記トンネル部2a側の上記通気部15と上記連結
シート材13側の上記通気部17とを介して上記作物育
成空間Aが上記トンネル部2aの外側空間と連通し、該
各通気部15,17を介して上記作物育成空間Aの換気
が行われる。
【0014】これに対して、上記一対の袋体11,12
から空気を排出してこれらを共にシート状に萎縮させる
と、これら一対の袋体11,12のうち、一方の袋体1
1は上記トンネル部2aに接して上記通気部15を閉止
し、また他方の袋体12は上記連結シート材13に接し
て上記通気部17を閉止し、これによって上記各通気部
15,17を介しての上記作物育成空間Aと上記トンネ
ル部2aの外側空間との連通が遮断され、該作物育成空
間Aの換気が停止される。この換気と換気停止とによっ
て、上記作物育成空間Aの温度が栽培作物に適した生育
温度に維持され、該栽培作物の生育促進が期待できるも
のである。
【0015】このように、この発明のビニール温床の換
気装置によれば、上記一対の袋体11,12への空気の
導入と、該一対の袋体11,12からの空気の排出とい
う簡単な操作を行うことのみによって、上記作物育成空
間Aの換気と換気停止とを容易且つ迅速に行うことがで
きるので、例えば従来のように作業者が手作業でビニー
ルシートの裾部分をたくし上げて開口を作って換気を行
わせるとともに、換気停止時にはたくし上げられた上記
ビニールシートを引き下ろす作業が必要である場合に比
して、上記作物育成空間Aの温度管理に伴う作業が極め
て簡単且つ容易であり、それだけ作業者の疲労も軽減で
きるものである。
【0016】また、空気の導入によって展開し、空気の
排出によって萎縮する構成の上記一対の袋体11,12
によって上記各通気部15,17を開閉する構成である
ことから、例えば上記ビニールシート2を機械的に開閉
する構成とする場合に比して、装置の簡略化及び低コス
ト化が図れ、特に簡易な構造のビニール温床に適用され
る換気装置としては好適なものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかるビニール
温床の換気装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説
明する。
【0018】第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる換気装置
1を備えたビニール温床Zを示している。このビニー
ル温床Zは、所定幅のビニールシート2で構成される。
即ち、ビニール温床Zは、圃場面Gに所定幅で且つ所定
長さに設けた畝Gaに沿ってこれを覆う如くトンネル状
に形成されるものであって、弧状形態をもつ多数の支持
骨材1,1,・・を上記畝Gaをその幅方向に跨ぐよう
にして且つ該畝Gaの長さ方向に所定間隔で順次立設配
置するとともに、これら各支持骨材1,1,・・に対し
てその上側から所定幅のビニールシート2を被せ、該ビ
ニールシート2のうち、上記各支持骨材1,1,・・に
対応する部分はこれを該支持骨材1の形状に対応した弧
状断面形状をもつトンネル部2aとし、また該トンネル
部2aの左右両側縁に連続する裾部分はこれを覆土部2
bとして圃場土に埋没させることで、上記トンネル部2
aの内側空間を作物育成空間Aとしたビニール温床Zが
構築されるものである。そして、上記作物育成空間Aに
臨む上記畝Gaにおいて作物Wが栽培される。
【0019】かかるビニール温床Zにおいては、上記作
物育成空間Aの温度を上記作物Wの生育に適した温度に
管理する必要があり、かかる温度管理は上記作物育成空
間Aの換気及び換気停止を適宜行うことで実現されるこ
とは既述の通りである。しかし、この場合、上記ビニー
ルシート2の裾部分を作業者が手作業にて開閉していた
のでは、作業が煩雑で作業者の疲れも大きく、且つ温度
管理の信頼性も低いものとならざるを得ないことも既述
の通りである。
【0020】そこで、この実施形態のものにおいては、
本願の請求項1に記載の発明を適用して、上記ビニール
温床Zに、次述の開閉手段Yと送風手段3及び感温作動
部材4を備えて構成される換気装置X1を付設してい
る。以下、この換気装置X1の具体的構成及びその作動
等について説明する。
【0021】開閉手段Y 上記開閉手段Yは、上記換気装置X1の主要部を構成す
るものであって、上記ビニール温床Zのトンネル部2a
の側面上に設けた通気部23と該通気部23の近傍に設
けた袋体21とで構成される。
【0022】上記通気部23は、上記作物育成空間Aの
換気が行われる場合において空気通路となるものであっ
て、上記トンネル部2aの側面部分に散点状に形成され
た多数の通気孔22,22,・・の集合で構成される。
そして、この通気部23は、上記トンネル部2aの湾曲
方向に所定幅をもち且つ上記トンネル部2aの長手方向
の略全長に亙って形成されている。
【0023】尚、この通気部23は、この実施形態のよ
うに上記トンネル部2aの長手方向の全長に亙って形成
するのに代えて、例えば、上記作物育成空間Aの温度変
化に影響を及ぼす周辺環境等の諸条件に応じて、上記通
気部23を上記トンネル部2aの長手方向に所定長さづ
つ所定間隔をもって間欠的に形成することもできるもの
である。
【0024】また、この通気部23の開口率、即ち、該
通気部23の占有面積に対する上記各通気孔22,2
2,・・の総開口面積の比率は、直接的に換気能力に影
響を及ぼす要因の一つであり、従って、この開口率は必
要な換気能力に応じて適宜設定することになる。開口率
の具体的に変更手段としては、例えば、上記通気孔2
2,22,・・の口径、配置数あるいは配置パターン等
の変更が考えられる。
【0025】さらに、上記トンネル部2aにおける上記
通気部23の形成位置は、原則として、該トンネル部2
aの側面の何れの位置にも設定でき、且つ換気効率とい
う点のみに着目すれば上記作物育成空間Aの最高部に対
応する位置(即ち、上記トンネル部2aの頂部)が最適
であるが、この実施形態においては、後述の袋体21が
萎縮してシート状形態となった時にこれが上記トンネル
部2aの表面上を重力によってその上部側から下部側に
向かって垂れ下がるようにする必要上、上記トンネル部
2aの頂部より所定量だけ側端寄りにオフセットした位
置に設定している。
【0026】上記袋体21は、例えば上記ビニールシー
ト2と同一素材により袋状に形成されたものであって、
その長さは、例えば、上記トンネル部2aの長さに対応
する長さに設定される。また、この袋体21の環状部分
の長さ寸法は、図1に鎖線図示するように、該袋体21
が萎縮変形して二つ折りのシート状形態とされた状態に
おいて、少なくとも上記通気部23の幅方向の全域を覆
蓋し得る必要があり、かかる観点から適宜設定される。
【0027】また、この袋体21は、上記トンネル部2
aの上記通気部23の直上部位置にその環状方向の一部
を局部的に接合(例えば、融着接合あるいは接着接合)
させた状態で、該通気部23に沿って上記トンネル部2
aの全長に亙って取り付けられる。この接合部を図1に
符号18で示している。尚、この袋体21の上記トンネ
ル部2aへの取付位置(より具体的には、上記通気部2
3の幅方向端縁からの距離)は、該袋体21の萎縮状態
における幅寸法と上記通気部23の幅寸法とを考慮して
設定されることは上述の通りである。
【0028】さらに、この実施形態においては、上記袋
体21の一方の端部(即ち、上記ビニール温床Zの一方
の端部に対応する端部)は、図1に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記袋体2
1の他方の端部(即ち、上記ビニール温床Zの他方の端
部に対応する端部)は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。
【0029】また、上記袋体21の上記接合部18と略
対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、該袋
体21の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠的に取り
付けられている。
【0030】以上が上記開閉手段Yの構成である。
【0031】尚、この実施形態においては、上記開閉手
段Yを上記ビニール温床Zのトンネル部2aの左右両側
にそれぞれ配置しているが、この開閉手段Yの配置数
は、例えば要求される換気能力等の条件に応じて適宜選
択されるものである。
【0032】送風手段3及び感温作動部材4 上記送風手段3は、上記各開閉手段Y,Yの袋体21,
21にそれぞれ空気を送給し、また該各袋体21,21
から空気を排出させるためのものであって、この実施形
態においてはこれを可逆運転可能なブロアで構成してい
る。そして、この送風手段3は、上記エアホス5を介し
て上記左右一対の上記開閉手段Y,Yの各袋体21,2
1の一端に接続されている。また、この送風手段3は、
これが正転運転されることで上記各袋体21,21に大
風量で送風し、これら各袋体21,21を筒状形態に展
開(図1に実線図示する状態)させる一方、これが逆転
運転されることで上記各袋体21,21内に導入されて
いる空気を排出させて該各袋体21,21をシート状形
態に萎縮(図1に鎖線図示する状態)させる如く機能す
る。
【0033】また、この実施形態においては、上記送風
手段3の自動運転を行うために、上記ビニール温床Zの
作物育成空間Aの適宜位置に感温作動部材4を配置して
いる。この感温作動部材4は、この実施形態においては
少なくとも、上記作物育成空間A内の温度検知を行う温
度検知機能と、信号出力の基準となる高低二つの温度値
を任意に設定可能な温度設定機能と、上記検知温度が高
設定温度まで上昇したときには上記送風手段3に正転運
転を行わしめる信号を出力する一方、該検知温度が低設
定温度まで低下したときには上記送風手段3に逆転運転
を行わしめる信号を出力する制御信号出力機能とを兼ね
備えた構成としている。従って、他の実施形態において
は、上記各機能別にそれ専用の機器を設けることも可能
である。
【0034】作動説明 続いて、上記ビニール温床Zに備えられた上記換気装置
1の作動等について説明する。
【0035】上記ビニール温床Zの上記作物育成空間A
内の温度は、常時、上記作物Wの生育に適した温度に維
持されていることが必要であり、かかる温度管理は上記
作物育成空間Aの換気及び換気停止によって実現される
ものである。また、かかる換気及び換気停止は、上記感
温作動部材4からの信号に基づく上記送風手段3の作動
により実現されるものである。
【0036】先ず、上記作物育成空間A内の温度が上記
高設定温度以下にある場合には、その温度を維持するこ
と、あるいは保温により昇温を図ることが必要な場合で
あり、従って、この場合には、上記送風手段3の運転停
止状態を維持する。この送風手段3の運転停止状態が維
持されることで、上記各開閉手段Y,Yの各袋体21,
21には空気は導入されず、従って該各袋体21,21
は図1に鎖線図示するように萎縮状態にあり、上記トン
ネル部2aとの接合部18から二つ折りのシート状形態
をもって、且つ該トンネル部2aの表面に沿って垂れ下
がった状態とされる。尚、この場合、上記袋体21は、
これに設けられた上記ワイヤ7の重量によって、確実に
二つ折りのシート状形態とされる。
【0037】このシート状形態での垂れ下がり状態で
は、該袋体21によって上記トンネル部2a側の上記通
気部23に属する各通気孔22,22,・・がそれぞれ
閉止されている。従って、上記各通気孔22,22,・
・を通しての空気の出入りは阻止される(即ち、換気停
止状態)。従って、上記作物育成空間Aは、略密閉状態
に維持され、その内部温度の昇温及び保温作用が行われ
る。
【0038】一方、上記通気部23が閉止されることで
上記作物育成空間Aの内部温度が次第に上昇し、これが
上記高設定温度に達すると、作物Wの生育が阻害される
ため、降温を図る必要がある。この場合には、かかる温
度上昇が上記感温作動部材4により検知され該感温作動
部材4から上記送風手段3に制御信号が出力されること
で、該送風手段3は正転運転を開始し、上記各開閉手段
Y,Yの各袋体21,21に空気が導入される。この空
気の導入に伴って、上記各袋体21,21は、その萎縮
状態から展開変形し、図1に実線図示するように、筒状
形態とされる。このように、上記各袋体21,21が筒
状形態に展開すると、該各袋体21,21は、共に上記
接合部18で局部的に上記トンネル部2aと接合された
状態でその全体が該トンネル部2aの表面から浮上し、
今ままで萎縮状態にあるシート状の袋体21によって閉
止されていた上記通気部23の通気孔22,22,・・
が開放され、該各通気孔22,22,・・を通しての空
気の出入り、即ち、換気作用が行われる。この換気作用
の進行により、上記作物育成空間A内の温度は次第に低
下し、上記作物Wの育成に好適な温度に近づくことにな
る。
【0039】尚、このように上記各袋体21,21を展
開させての上記作物育成空間Aの換気作用は、作物育成
空間A内の温度が上記低設定温度に達するまで継続され
るが、この場合、この実施形態のものにおいては、制御
の簡略化を図る等の観点から、換気実行中は上記送風手
段3を継続的に運転させるようにしている。この際、上
記送風手段3が低圧大風量のブロアで構成されているこ
とから、上記袋体21の展開状態が過大となって破裂す
るとか、上記送風手段3に過大な負荷がかかってこれを
損傷するという懸念はほとんど無いが、この場合、上述
のように上記袋体21の他の一端側に空気抜き孔を設け
ておくことでかかる懸念の一掃が図られ、その作動上の
信頼性がより一層向上することになる。
【0040】一方、換気の継続により作物育成空間A内
の温度が次第に低下し、上記低設定温度に達すると、こ
れを上記感温作動部材4が検知し、該感温作動部材4か
らの制御信号を受けて上記送風手段3は逆転運転され
る。この送風手段3の逆転運転に伴って、上記各袋体2
1,21内に導入されていた空気が順次吸引排出され、
該各袋体21,21は再び萎縮して二つ折りのシート状
形態とされ、上記通気部23の各通気孔22,22,・
・を閉止し、これにより換気作用が完全に停止され、作
物育成空間A内の温度の昇温作用に移行することにな
る。この場合、上記袋体21に設けた上記ワイヤ7の重
量によって該袋体21が確実に二つ折りのシート状とさ
れる。
【0041】尚、この実施形態においては、上記送風手
段3の逆転運転を所定時間だけ実行し、該所定時間の経
過後はその運転を停止させるようにしている。
【0042】このように、この実施形態の換気装置X1
を備えたビニール温床Zにおいては、上記送風手段3を
正転又は逆転させて上記開閉手段Yの上記袋体21への
空気の導入と排出という簡単な操作を行うことのみによ
って、上記作物育成空間Aの換気による昇温抑制及び降
温作用と、換気停止による保温及び昇温作用とが選択的
に実現されるものであることから、例えば、従来のよう
に作業者が手作業でビニールシートの裾部分をたくし上
げて開口を作って換気を行わせるとともに、換気停止時
にはたくし上げられた上記ビニールシートを引き下ろす
作業が必要である場合に比して、上記作物育成空間Aの
温度管理に伴う作業が極めて簡単且つ容易であり、それ
だけ作業者の疲労も軽減でき、実用上極めて有用なもの
である。
【0043】また、上記開閉手段Yが、上記袋体21へ
の空気の導入によって展開し、該袋体21からの空気の
排出によって萎縮する構成であることから、例えば上記
ビニールシート2を機械的に開閉する構成とする場合に
比して、装置の簡略化及び低コスト化が図れ、特に簡易
な構造のビニール温床Zに適用される換気装置としては
好適なものである。
【0044】さらに、上記開閉手段Yに可逆運転可能と
された送風手段3を接続する一方、上記作物育成空間A
内には感温作動部材4を配置し、上記感温作動部材4の
作動に対応して上記送風手段3を運転制御するようにし
ているので、上記感温作動部材4によって上記送風手段
3の自動制御、即ち、上記作物育成空間Aの換気と換気
停止とを自動的に制御することが可能となり、該作物育
成空間Aの換気及び換気停止に係る作業者の作業量、操
作量が格段に少ならしめられ、作業者の作業上の負担軽
減という点において多大の実用的効果が得られるもので
ある。また、上記感温作動部材4の作動に基づいて上記
作物育成空間Aの換気と換気停止とが自動的に行われる
ことで、例えば作業者が天候等の状況から換気の必要の
有無を判断して換気及び換気停止作業を行う場合に比し
て、換気及び換気停止操作が上記作物育成空間Aの温度
条件に応じてより的確に且つ高い信頼性をもって行わ
れ、それだけビニール温床Zにおける栽培作物の生育環
境の適正化が促進されるものである。
【0045】第2の実施形態 図2には、本願発明の第2の実施形態にかかる換気装置
1を備えたビニール温床Zを示している。このビニー
ル温床Zは、上記第1の実施形態にかかるビニール温床
Zにおける上記換気装置X1の作動上の信頼性をより一
層高めることを狙ったものであって、ビニール温床Zの
構成そのものは上記第1の実施形態のビニール温床Zと
同様であり、該第1の実施形態のものと異なる点は換気
装置の構造である。従って、以下においては、上記ビニ
ール温床Zの構成は上記第1の実施形態における該当説
明を援用することでここでの説明を省略し、ここではこ
の第2の実施形態に特有の構成をもつ換気装置X2につ
いて説明する。
【0046】この実施形態における換気装置X2は、本
願の請求項2に記載の発明が適用されたものであって、
上記ビニール温床Zに、次述の開閉手段Yと送風手段3
及び感温作動部材4を備えて構成される。
【0047】開閉手段Y 上記開閉手段Yは、上記換気装置X2の主要部を構成す
るものであって、上記ビニール温床Zのトンネル部2a
の側面上に設けた第1通気部15と、該通気部15の直
上方位置に該第1通気部15に沿って設けた第1袋体1
1と、該トンネル部2aにおける上記第1通気部15の
直下方位置に該第1通気部15に沿って設けた第2袋体
12と、上記第1袋体11と第2袋体12間に跨がって
設けられると共に第2通気部17を備えた連結シート材
13とで構成される。
【0048】上記第1通気部15は、上記作物育成空間
Aの換気が行われる場合の空気通路となるものであっ
て、上記トンネル部2aの側面部分に散点状に形成され
た多数の第1通気孔14,14,・・の集合で構成され
る。そして、この通気部15は、上記トンネル部2aの
湾曲方向に所定幅をもち且つ上記トンネル部2aの長手
方向の略全長に亙って形成されている。
【0049】尚、この通気部15は、この実施形態のよ
うに上記トンネル部2aの長手方向の全長に亙って形成
するのに代えて、上記トンネル部2aの長手方向に所定
長さづつ所定間隔をもって間欠的に形成することもでき
ること、また、この通気部15の開口率は必要な換気能
力に応じて適宜設定できること、等は上記第1の実施形
態の場合と同様である。
【0050】さらに、上記トンネル部2aにおける上記
通気部15の形成位置は、原則として、該トンネル部2
aの側面の何れの位置にも設定できるが、この実施形態
においては後述の第1袋体11が萎縮してシート状形態
となった時にこれが上記トンネル部2aの表面上を重力
によってその上部側から下部側に向かって垂れ下がるよ
うにする必要上、上記トンネル部2aの頂部より所定量
だけ側端寄りにオフセットした位置に設定している点
も、上記第1の実施形態の場合と同様である。
【0051】上記第1袋体11は、例えば上記ビニール
シート2と同一素材により袋状に形成されたものであっ
て、その長さは、例えば、上記トンネル部2aの長さに
対応する長さに設定される。また、この第1袋体11の
環状部分の長さ寸法は、図2に鎖線図示するように、該
第1袋体11が萎縮変形して二つ折りのシート状形態と
された状態において、少なくとも上記通気部15の幅方
向の全域を覆蓋し得る必要があり、かかる観点から適宜
設定される。
【0052】また、この第1袋体11は、上記トンネル
部2aの上記通気部15の直上部位置にその環状方向の
一部を局部的に接合させた状態で、該通気部15に沿っ
て上記トンネル部2aの全長に亙って取り付けられる。
この接合部を図2に符号18で示している。尚、この第
1袋体11の上記トンネル部2aへの取付位置は、該第
1袋体11の萎縮状態における幅寸法と上記通気部15
の幅寸法とを考慮して設定されることは上述の通りであ
る。
【0053】さらに、この実施形態においては、上記第
1袋体11の一方の端部は、図2に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記第1袋
体11の他方の端部は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。
【0054】また、上記第1袋体11の上記接合部18
と略対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、
該第1袋体11の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠
的に取り付けられている。
【0055】上記第2袋体12は、上記第1袋体11と
同様の構成をもつものであって、例えば上記ビニールシ
ート2と同一素材により袋状に形成されている。そし
て、この第2袋体12のの長さは、例えば、上記トンネ
ル部2aの長さに対応する長さに設定され、また、その
環状部分の長さ寸法は、図2に鎖線図示するように、該
第2袋体12が萎縮変形して二つ折りのシート状形態と
された状態において、少なくとも後述する連結シート材
13に設けられた第2通気部17の幅方向の全域を覆蓋
し得る必要があり、かかる観点から適宜設定される。
【0056】また、この第2袋体12は、上記トンネル
部2aの上記通気部15の直下部位置に、該第1通気部
15を挟んで上記第1袋体11と平行となるように、そ
の環状方向の一部を局部的に接合させた状態で上記トン
ネル部2aの全長に亙って取り付けられる。この接合部
を図2に符号18で示している。尚、この第2袋体12
の上記トンネル部2aへの取付位置は、該第2袋体12
の萎縮状態における幅寸法と上記連結シート材13の第
2通気部17の幅寸法とを考慮して設定されることは上
述の通りである。
【0057】さらに、この実施形態においては、上記第
2袋体12の一方の端部は、図2に示すように、これを
閉塞し、且つここにプラグ6を取り付け、該プラグ6を
介してエアホス5に接続させている。一方、上記第2袋
体12の他方の端部は、図示しないが、これを単に閉塞
したり、あるいは必要に応じてここに所定の空気抜き穴
を設ける。また、上記第2袋体12の上記接合部18と
略対向する位置には、適度の重さをもつワイヤ7が、該
第2袋体12の全長に亙って、又は所定長さづつ間欠的
に取り付けられている。
【0058】上記連結シート材13は、例えば上記ビニ
ールシート2と同一の素材により形成された帯状シート
であって、その両側縁13a,13bのうち、一方の側
縁13aは上記第1袋体11の上記接合部18に略対向
する位置に接合され、また他方の側縁13bは上記第2
袋体12の上記接合部18に略対向する位置に接合され
ており、図2に実線図示するように、上記第1袋体11
と第2袋体12がともに展開して筒状形態とされた状態
においては該連結シート材13が上記トンネル部2aの
上記第1通気部15の形成部分に対して所定の間隔をも
って対向するようになっている。
【0059】さらに、上記連結シート材13の上記第2
袋体12寄り部位には、多数の第2通気孔16,16,
・・の集合で構成される第2通気部17が設けられてい
る。尚、この第2通気部17の上記連結シート材13に
おける形成位置は、図2に鎖線図示するように、上記第
2袋体12が萎縮して上記接合部18から二つ折りのシ
ート状形態で垂れ下がった状態において、該連結シート
材13が該第2袋体12の上側に重なり、該第2袋体1
2によって上記第2通気部17の各第2通気孔16,1
6,・・が閉止されるように設定される。
【0060】以上が上記開閉手段Yの構成である。
【0061】尚、この実施形態においては、上記開閉手
段Yを上記ビニール温床Zのトンネル部2aの左右両側
にそれぞれ配置しているが、この開閉手段Yの配置数
は、例えば要求される換気能力等の条件に応じて適宜選
択されるものである。
【0062】送風手段3及び感温作動部材4 上記送風手段3は、上記各開閉手段Y,Yの各袋体1
1,12にそれぞれ空気を送給し、また該各袋体11,
12から空気を排出させるためのものであって、この実
施形態においてはこれを可逆運転可能なブロアで構成し
ている。そして、この送風手段3は、上記エアホス5を
介して上記左右一対の上記開閉手段Y,Yの各袋体1
1,12の一端に接続されている。また、この送風手段
3は、これが正転運転されることで上記各袋体11,1
2に大風量で送風し、これら各袋体11,12を筒状形
態に展開(図2に実線図示する状態)させる一方、これ
が逆転運転されることで上記各袋体11,12内に導入
されている空気を排出させて該各袋体11,12をシー
ト状形態に萎縮(図2に鎖線図示する状態)させる如く
機能する。
【0063】また、この実施形態においては、上記送風
手段3の自動運転を行うために、上記ビニール温床Zの
作物育成空間Aの適宜位置に感温作動部材4を配置して
いるが、この感温作動部材4の構成及び機能は上記第1
の実施形態における感温作動部材4と同様であるのでこ
こでの説明を省略する。
【0064】作動説明 続いて、上記ビニール温床Zに備えられた上記換気装置
2の作動等について説明する。
【0065】上記ビニール温床Zの上記作物育成空間A
内の温度は、常時、上記作物Wの生育に適した温度に維
持されていることが必要であり、かかる温度管理は上記
作物育成空間Aの換気及び換気停止によって実現される
ものである。また、かかる換気及び換気停止は、上記感
温作動部材4からの信号に基づく上記送風手段3の作動
により実現されるものである。
【0066】先ず、上記作物育成空間A内の温度が上記
高設定温度以下にある場合には、その温度を維持するこ
と、あるいは保温により昇温を図ることが必要な場合で
あり、従って、この場合には、上記送風手段3の運転停
止状態を維持する。この送風手段3の運転停止状態が維
持されることで、上記各開閉手段Y,Yの各袋体11,
12には空気は導入されず、従って該各袋体11,12
は、図2に鎖線図示するように、共に萎縮状態にあり、
上記トンネル部2aとの接合部18から二つ折りのシー
ト状形態をもって、且つ該トンネル部2aの表面に沿っ
て垂れ下がった状態とされる。尚、この場合、上記各袋
体11,12は、これに設けられた上記ワイヤ7の重量
によって、確実に二つ折りのシート状形態とされる。
【0067】このシート状形態での垂れ下がり状態で
は、上記第1通気部15の上側にある上記第1袋体11
によって上記トンネル部2a側の上記通気部15に属す
る各通気孔14,14,・・がそれぞれ閉止される一
方、上記第1通気部15の下側にある上記第2袋体12
によって上記連結シート材13側の上記通気部17に属
する各通気孔16,16,・・がそれぞれ閉止される。
従って、上記第1通気部15の各第1通気孔14,1
4,・・、及び上記連結シート材13側の上記第2通気
部17の各第2通気孔16,16,・・を通しての空気
の出入りは阻止される(即ち、換気停止状態)。この結
果、上記作物育成空間Aは、略密閉状態に維持され、そ
の内部温度の昇温及び保温作用が行われる。
【0068】一方、上記各通気部15,17が共に閉止
されることで上記作物育成空間Aの内部温度が次第に上
昇し、これが上記高設定温度に達すると、作物Wの生育
が阻害されるため、降温を図る必要がある。この場合に
は、かかる温度上昇が上記感温作動部材4により検知さ
れ該感温作動部材4から上記送風手段3に制御信号が出
力されることで、該送風手段3は正転運転を開始し、上
記各開閉手段Y,Yの各袋体11,12に空気が導入さ
れる。この空気の導入に伴って、上記各袋体11,12
は、その萎縮状態から展開変形し、図2に実線図示する
ように、筒状形態とされる。
【0069】このように、上記各袋体11,12が筒状
形態に展開すると、該各袋体11,12は、共に上記接
合部18で局部的に上記トンネル部2aと接合された状
態でその全体が該トンネル部2aの表面から浮上し、今
ままで萎縮状態にあるシート状の第1袋体11によって
閉止されていた上記第1通気部15の各第1通気孔1
4,14,・・が開放されるとともに、今まで萎縮状態
にあったシート状形態の上記第2袋体12によって閉止
されていた上記連結シート材13における上記第2通気
部17の各第2通気孔16,16,・・が開放され、該
各第1通気孔14,14,・・及び各第2通気孔16,
16,・・を通しての空気の出入り、即ち、換気作用が
行われる。この換気作用の進行により、上記作物育成空
間A内の温度は次第に低下し、上記作物Wの育成に好適
な温度に近づくことになる。
【0070】尚、このように上記各袋体11,12を展
開させての上記作物育成空間Aの換気作用は、作物育成
空間A内の温度が上記低設定温度に達するまで継続され
るが、この場合、この実施形態のものにおいては、制御
の簡略化を図る等の観点から、換気実行中は上記送風手
段3を継続的に運転させるようにしている。この際、上
記送風手段3が低圧大風量のブロアで構成されているこ
とから、上記各袋体11,12の展開状態が過大となっ
て破裂するとか、上記送風手段3に過大な負荷がかかっ
てこれを損傷するという懸念はほとんど無いが、この場
合、上述のように上記各袋体11,12の他の一端側に
空気抜き孔を設けておくことでかかる懸念の一掃が図ら
れ、その作動上の信頼性がより一層向上することにな
る。
【0071】一方、換気の継続により作物育成空間A内
の温度が次第に低下し、上記低設定温度に達すると、こ
れを上記感温作動部材4が検知し、該感温作動部材4か
らの制御信号を受けて上記送風手段3は逆転運転され
る。この送風手段3の逆転運転に伴って、上記各袋体1
1,12内に導入されていた空気が順次吸引排出され、
該各袋体11,12は再び萎縮して二つ折りのシート状
形態とされ、上記各通気部15,17の各第1通気孔1
4,14,・・及び第2通気孔16,16,・・を閉止
し、これにより換気作用が完全に停止され、作物育成空
間A内の温度の昇温作用に移行することになる。この場
合、上記各袋体11,12に設けた上記ワイヤ7の重量
によって該各袋体11,12が確実に二つ折りのシート
状とされるものである。
【0072】尚、この実施形態においては、上記送風手
段3の逆転運転を所定時間だけ実行し、該所定時間の経
過後はその運転を停止させるようにしている。
【0073】このように、この実施形態の換気装置X2
を備えたビニール温床Zにおいては、上記送風手段3を
正転又は逆転させて上記各開閉手段Y,Yの上記各袋体
11,12への空気の導入と該各袋体11,12からの
空気の排出という簡単な操作を行うことのみによって、
上記作物育成空間Aの換気による昇温抑制及び降温作用
と、換気停止による保温及び昇温作用とが選択的に実現
されるものであることから、例えば、従来のように作業
者が手作業でビニールシートの裾部分をたくし上げて開
口を作って換気を行わせるとともに、換気停止時にはた
くし上げられた上記ビニールシートを引き下ろす作業が
必要である場合に比して、上記作物育成空間Aの温度管
理に伴う作業が極めて簡単且つ容易であり、それだけ作
業者の疲労も軽減でき、実用上極めて有用なものであ
る。
【0074】また、上記開閉手段Yが、空気の導入と排
出により展開又は萎縮変形される構成であることから、
例えば上記ビニールシート2を機械的に開閉する構成と
する場合に比して、装置の簡略化及び低コスト化が図
れ、特に簡易な構造のビニール温床Zに適用される換気
装置としては好適なものである。
【0075】さらに、上記開閉手段Yに可逆運転可能と
された送風手段3を接続する一方、上記作物育成空間A
内には感温作動部材4を配置し、上記感温作動部材4の
作動に対応して上記送風手段3を運転制御するようにし
ているので、上記感温作動部材4によって上記送風手段
3の自動制御、即ち、上記作物育成空間Aの換気と換気
停止の自動制御が可能となり、該作物育成空間Aの換気
と換気停止に係る作業者の作業量、操作量が格段に少な
らしめられ、作業者の作業上の負担軽減という点におい
て多大の実用的効果が得られるものである。また、上記
感温作動部材4の作動に基づいて上記作物育成空間Aの
換気と換気停止が自動的に行われることで、例えば作業
者が天候等の状況から換気の必要の有無を判断して換気
と換気停止作業を行う場合に比して、換気と換気停止操
作が上記作物育成空間Aの温度条件に応じてより的確に
且つ高い信頼性をもって行われ、それだけビニール温床
Zにおける栽培作物の生育環境の適正化が促進されるも
のである。
【0076】また、この発明の換気装置においては、上
記トンネル部2aに設けた上記第1通気部15はこれを
上記第1袋体11の展開と萎縮変形によって開閉し、ま
た上記連結シート材13に設けた上記第2通気部17は
これを上記第2袋体12の展開と萎縮変形によって開閉
することで、上記作物育成空間Aの換気及び換気停止を
二段構えの構成で実現するようにしているので、特に上
記一対の袋体11,12が共にシート状に萎縮される換
気停止時においては、例え折り重なり方向の外側に位置
している上記連結シート材13及び該連結シート材13
の第2通気部17を開閉する上記第2袋体12が風等の
外的作用によって浮上状態となって該第2袋体12によ
る上記通気部17の閉止状態が損なわれたとしても、上
記第1袋体11による上記通気部15の閉止状態は保持
される。この結果、上記作物育成空間Aの換気停止状態
が維持され、従って、強風時においても高い作動上の信
頼性が確保され、特に風の強い地域あるいは風の多い地
方で使用されるビニール温床Zの換気装置として適用す
る場合には、その効果がより一層顕著となるものであ
る。
【0077】その他 (1) 上記各実施形態においては、上記送風手段3と
してブロアを使用しているが、本願発明はかかる構成に
限定されるものではなく、例えば、該送風手段3をコン
プレッサー等の他の手段によって構成することができる
ことは勿論である。
【0078】(2) 上記各実施形態においては、一つ
のビニール温床Zについてのみ説明しているが、本願発
明は複数のビニール温床Z,Z,・・を備えたものにも
適用できることは勿論である。また、この場合、上記各
実施形態のように一つのビニール温床Zにそれぞれ一つ
の送風手段3を備える個別送風方式とする外に、複数の
ビニール温床Z,Z,・・に単一の送風手段3を備え、
該各ビニール温床Z,Z,・・の各開閉手段Y,Y,・
・のそれぞれに単一の送風手段3から送風する集中送風
方式とすることもできるものである。
【0079】(3) 上記各実施形態においては、上記
袋体11,12,21を上記ビニールシート2と同一の
素材により構成した例を示しているが、本願発明はかか
る構成に限定されるものではなく、該各袋体11,1
2,21は空気の導入・排出によって展開・萎縮し得る
性状をもつものであれば良く、かかる性状をもつもので
あれば素材の種類を問わず適用できるものである。
【0080】(4) 上記各実施形態においては、上記
通気孔14,16,22を円形孔としたものを例にとっ
て説明しているが、該通気孔14,16,22の形状は
何ら限定されるものではなく、例えば、角孔とかスリッ
ト孔等も適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるビニール温床の換気装置の第
1の実施形態を示す部分斜視図である。
【図2】本願発明にかかるビニール温床の換気装置の第
2の実施形態を示す部分斜視図である。
【符号の説明】 1は支持骨材、2はビニールシート、2aはトンネル
部、2bは覆土部、3は送風手段、4は感温作動部材、
5はエアホス、6はプラグ、7はワイヤ、10は中間空
間、11は第1袋体、12は第2袋体、13は連結シー
ト材、14は第1通気孔、15は第1通気部、16は第
2通気孔、17は第2通気部、18及び19は接合部、
21は袋体、22は通気孔、23は通気部、Aは作物育
成空間、Gは圃場面、Gaは畝、Wは作物、Yは開閉手
段、X1及びX2は換気装置である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圃場面(G)上にトンネル状にビニール
    シート(2)を張設して該ビニールシート(2)のトン
    ネル部(2a)の内側にトンネル方向へ延びる作物育成
    空間(A)を形成したビニール温床において、 上記ビニールシート(2)の上記作物育成空間(A)に
    臨むトンネル部(2a)の適所に、該作物育成空間
    (A)と上記トンネル部(2a)の外側空間とを連通す
    る通気部(15,17,23)が設けられるとともに、 該通気部(15,17,23)の近傍には空気の導入・
    排出により展開・萎縮変形して上記通気部(15,1
    7,23)を開閉する開閉手段(Y)が備えられている
    ことを特徴とするビニール温床の換気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記開閉手段(Y)が、 その展開時には筒状形態を呈し、その萎縮時にはシート
    状形態を呈する環状の断面形状をもつ袋体(21)をそ
    の環状断面の適宜位置で局部的に上記ビニールシート
    (2)のトンネル部(2a)に接続し、上記袋体(2
    1)の展開状態時においては該袋体(21)が上記トン
    ネル部(2a)への接続部を除いて該トンネル部(2
    a)から浮上して上記通気部(23)を開放する一方、
    上記袋体(21)の萎縮状態時においては該袋体(2
    1)がシート状となって上記トンネル部(2a)に接し
    て上記通気部(23)を閉止するように構成されている
    ことを特徴とするビニール温床の換気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記開閉手段(Y)が、 その展開時には筒状形態を呈し、その萎縮時にはシート
    状形態を呈する環状の断面形状をもつ所定長さの一対の
    袋体(11),(12)を上記トンネル部(2a)の上
    記通気部(15,17)を挟んで対向する部位のそれぞ
    れに配置し且つその環状断面の適宜位置で局部的に該ト
    ンネル部(2a)に接続するとともに、上記一対の袋体
    (11),(12)を通気部(17)を備えた連結シー
    ト材(13)により連結し、上記一対の袋体(11),
    (12)の展開状態時においては該袋体(11),(1
    2)が共に上記トンネル部(2a)への接続部を除いて
    該トンネル部(2a)から浮上し、一方の袋体(11)
    は上記通気部(15)を開放し、他方の袋体(12)は
    上記連結シート材(13)の上記通気部(17)を開放
    する一方、上記一対の袋体(11),(12)の萎縮状
    態時においてはこれらが共にシート状となり、上記一方
    の袋体(11)は上記トンネル部(2a)に接して上記
    通気部(15)を閉止し、他方の袋体(12)は上記連
    結シート材(13)に接して上記通気部(17)を閉止
    するように構成されていることを特徴とするビニール温
    床の換気装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、 上記開閉手段(Y)には可逆運転可能とされた送風手段
    (3)が接続される一方、上記作物育成空間(A)内に
    は感温作動部材(4)が配置され、上記感温作動部材
    (4)の作動に対応して上記送風手段(3)が運転制御
    されることを特徴とするビニール温床の換気装置。
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