JP2000154955A - 人工降雪装置 - Google Patents

人工降雪装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】降雪室内にむらなく均等に人工雪を降らすこと
ができて自然界と同様な降雪状態を再現することがで
き、しかも人工雪の結晶構造を損なうことのない人工降
雪装置を提供する。 【解決手段】降雪室１の上方に人工造雪機３を備え、同
造雪機からの人工雪を降雪室内に降下させる人工降雪装
置において、前記降雪室内における人工造雪機の人工雪
降下口まわりに気流発生装置たる送風機１６を備え、同
送風機からの送風量や送風方向等の送風条件を変化させ
ることによって降雪室内の空気を攪拌する気流を形成
し、同気流により前記人工造雪機からの人工雪を降雪室
内に均等に降らせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は人工降雪装置に関
し、より詳しくは降雪室内に均等に人工雪を降らすこと
のできる人工降雪装置に関する。
【０００２】
【従来の技術とその問題点】人工降雪装置は自然の降雪
状態を降雪室内において人工的に再現し、主に降雪状態
の観察や環境試験を行うためのものとしてある。従来の
人工降雪装置には例えば図３に示すように、降雪室３１
上方の造雪室３２内に人工造雪機３３、３３を備え、同
造雪機３３にて生成した人工雪を人工雪の降下口たる開
口部３４、３４から降雪室３１内に降らせるものがあ
る。
【０００３】前記造雪機３３には各種のものがあるが、
例えば雪種たる霧を二流体ノズル等により散布し、この
霧を低温空気で氷結せしめて人工雪を生成するようにし
たものがある。
【０００４】従来の人工降雪装置では造雪機３３からの
人工雪がそのまま降雪室３１の床に自然落下し、降雪室
内の開口部直下は降雪量が大であるが、その他の場所で
は降雪量が小で降雪量にむらが生じ、雪の降り方がいか
にも不自然であり、しかも前記開口部３４の直下には降
雪３５の山３５ａができて平坦な積雪にならない。
【０００５】上述した従来の人工降雪装置では、例えば
各種展示施設等で降雪状態の鑑賞用に使用する場合に、
自然界における雪の降り方を再現できないという問題が
ある。
【０００６】また、積雪面上で各種の環境試験を行うに
は積雪面を平坦にしなければならない場合があるが、こ
の場合、従来の人工降雪装置では掻き板などで積雪面を
掻き均して平坦にしている。
【０００７】雪は結晶構造により性質が異なるのである
が、上述のように積雪面を掻き均すと人工雪の結晶構造
を破壊して雪の性質を変化させてしまうことがあり、環
境試験に支障を来すことがある。
【０００８】
【目的】本発明の目的とするところは、降雪室内にむら
なく均等に人工雪を降らすことができて自然界と同様な
降雪状態を再現することができ、しかも人工雪の結晶構
造を損なうことのない人工降雪装置を提供することにあ
る。
【０００９】
【本発明の構成】上記目的を達成するために、本発明に
係る人工降雪装置は、降雪室の上方に人工造雪機を備
え、同造雪機からの人工雪を降雪室内に降下させる人工
降雪装置において、前記降雪室内に気流発生装置を備
え、同気流発生装置により降雪室内の空気を攪拌する気
流を形成して前記人工造雪機からの人工雪を降雪室内に
均等に降らせるようにしたものとしてある。
【００１０】また、本発明に係る人工降雪装置は、降雪
室の上方に人工造雪機を備え、同造雪機からの人工雪を
降雪室内に降下させる人工降雪装置において、前記降雪
室内における人工造雪機の人工雪降下口まわりに気流発
生装置たる送風機を備え、同送風機からの送風量や送風
方向等の送風条件を変化させることによって降雪室内の
空気を攪拌する気流を形成し、同気流により前記人工造
雪機からの人工雪を降雪室内に均等に降らせるようにし
たものとしてある。
【００１１】
【実施例】以下本発明に係る人工降雪装置の実施例を添
付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。降雪室
１の上方には造雪室２が設けられ、同造雪室内には人工
造雪機３、３が配設されていて、同造雪機３、３により
生成された人工雪は造雪室２と降雪室１を連通する人工
雪の降下口たる開口部４、４から降雪室１に降下するよ
うになっている。
【００１２】造雪機３には各種の構造のものがあるが、
出願人会社の開発に係り、既に実用化されている造雪機
の構造の一例を図２に示す。造雪機３のケーシング５内
には雪発生室６と空気冷却用風路７が形成され、同空気
冷却用風路７内に配設された空気冷却器１１と送風機１
２により雪発生室内からの空気を冷却して同雪発生室に
低温空気を供給するようになっている。
【００１３】前記雪発生室６内には雪種たる霧を噴出す
る二流体ノズル８を備えていて、前記二流体ノズル８に
は圧縮空気を供給する送気管９と水を供給する送水管１
０が接続されており、また、雪発生室内には人工雪を捕
捉して雪の結晶を成長させる雪捕捉体１３が図示省略の
枠体によって張設されていて、同雪捕捉体は下部が開口
する筒状で各種繊条を網状や粗目布状に編組した通風性
を有する素材よりなるものとしてある。
【００１４】雪捕捉体１３の周胴部および頂部にはそれ
ぞれ雪捕捉体の内面に成長する人工雪を掻き落とすブラ
シ状のスクレーパ１４、１５を設けてあって、周胴部の
スクレーパ１４は上下に摺動し、頂部のスクレーパ１５
は回転することで人工雪を掻き落とすようになってい
る。
【００１５】上述のように構成した人工造雪機３では、
二流体ノズル８からの霧が雪発生室６内を浮遊、氷結
し、雪捕捉体１３の内面で成長して自然界に生じるのと
同様な結晶構造が形成され、成長した人工雪は前記スク
レーパ１４、１５により結晶構造が損なわれることなく
掻き落とされる。
【００１６】しかして本発明の人工降雪装置においては
降雪室１内における人工雪降下口たる開口部４、４まわ
りに気流発生装置たる送風機１６、１６を配設してあっ
て、同送風機は図示省略の制御回路により送風量や送風
方向等の送風条件がコントロールされ、開口部４、４の
下方に攪拌気流を形成するものとしてある。
【００１７】例えば図１、２に示すように開口部４、４
の左右に各１台の送風機１６、１６を配設した場合に
は、左右の送風機を所要時間ごとに交互に駆動、停止せ
しめて左右方向に風向きの変わる攪拌気流を形成する。
【００１８】また、各送風機の送風量や送風方向を１／
ｆゆらぎやランダム関数に基づいて変化せしめるように
する場合もあり、この場合には２台の送風機の送風量や
送風方向が同じにならないよう非同期とする。
【００１９】なお、上述した実施例においては人工雪が
落下する開口部４の左右に各１台ずつ計２台の送風機を
配設してあるが、降雪面積や降雪装置の使用目的等の各
種条件により３台以上の送風機を配設する場合もある
し、１台しか設けない場合もあり、また、送風方向を変
化させず、一定方向の例えば旋回気流を形成する場合も
ある。
【００２０】さらに、気流発生装置は送風機でなくても
よく、例えばエアノズルから圧縮空気を噴出せしめ、同
圧縮空気の噴出量や噴出方向を適宜制御することによっ
て攪拌気流を形成する場合もある。
【００２１】
【発明の作用、効果】本発明に係る人工降雪装置によれ
ば、人工造雪機で生成された人工雪が降雪室内を降下す
る際に、気流発生装置により降雪室内に形成された気流
で攪拌され、１か所に集中することなく分散されてむら
なく降雪室内を降下し、平坦に降り積もる。したがっ
て、自然界と同様な降雪状態を再現することができる。
【００２２】また、人工雪は気流により攪拌されて平坦
に降り積もるので、従来のように積雪面を掻き板等で掻
き均す必要がなく、人工雪の結晶構造を損なうことなく
平坦な積雪面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る人工降雪装置の実施例を示す縦断
面図。
【図２】同上の一部拡大図。
【図３】従来の人工降雪装置の一例を示す縦断面図。
【符号の説明】
１ 降雪室 ２ 造雪室 ３ 造雪機 ４ 開口部 ５ 造雪機のケーシング ６ 雪発生室 ７ 空気冷却用風路 ８ 二流体ノズル ９ 送気管 １０ 送水管 １１ 空気冷却器 １２ 送風機 １３ 雪捕捉体 １４、１５ スクレー
パ １６ 送風機 １７ 人工雪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】降雪室の上方に人工造雪機を備え、同造雪
    機からの人工雪を降雪室内に降下させる人工降雪装置に
    おいて、前記降雪室内に気流発生装置を備え、同気流発
    生装置により降雪室内の空気を攪拌する気流を形成して
    前記人工造雪機からの人工雪を降雪室内に均等に降らせ
    るようにしたことを特徴とする人工降雪装置。
  2. 【請求項２】降雪室の上方に人工造雪機を備え、同造雪
    機からの人工雪を降雪室内に降下させる人工降雪装置に
    おいて、前記降雪室内における人工造雪機の人工雪降下
    口まわりに気流発生装置たる送風機を備え、同送風機か
    らの送風量や送風方向等の送風条件を変化させることに
    よって降雪室内の空気を攪拌する気流を形成し、同気流
    により前記人工造雪機からの人工雪を降雪室内に均等に
    降らせるようにしたことを特徴とする人工降雪装置。
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