JP2000154280A - ポリクロロプレンラテックス組成物 - Google Patents

ポリクロロプレンラテックス組成物

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JP2000154280A
JP2000154280A JP10328345A JP32834598A JP2000154280A JP 2000154280 A JP2000154280 A JP 2000154280A JP 10328345 A JP10328345 A JP 10328345A JP 32834598 A JP32834598 A JP 32834598A JP 2000154280 A JP2000154280 A JP 2000154280A
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polychloroprene latex
polychloroprene
latex composition
complex metal
metal hydride
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JP10328345A
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Kiyoshi Sunada
潔 砂田
Mikio Yamaguchi
幹夫 山口
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相が良好なポリクロロプレンラテックス組
成物及び接着剤を提供する。 【解決手段】 (A)ポリクロロプレン乳化重合液に、
(B)錯金属水素化物を添加することを特徴とするポリ
クロロプレンラテックス組成物。なお添加量は、A成分
の固形分100重量部に対し、B成分0.001〜1重
量部が好ましい。また、該ラテックス組成物を用いて得
られる接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量の錯金属水素
化物を含有したポリクロロプレンラテックス組成物であ
り、ポリクロロプレンラテックス特有の淡黄色を白色に
改善するものである。また、該ラテックス組成物を用い
て得られる色相の改良された接着層を与える接着剤組成
物である。
【0002】
【従来の技術】水系接着剤製品、白色浸漬製品等に使用
されるポリクロロプレンラテックス組成物は、色相が安
定して白色である必要があるが、ポリクロロプレンラテ
ックスはやや淡黄色であり、この色相を改良するため
に、従来は、乳化剤、分散剤など乳化重合に用いる試薬
をより白色に近い淡色で、着色及び変色しにくい試薬に
変更する方法によって改良が検討されてきた。しかし、
この方法ではポリマー構造設計(例えば分子量)や乳化
構造設計(例えば乳化安定性)の自由度が小さくなる可
能性がある。
【0003】従って、乳化重合に使用する試薬を変更す
ることなく色相を改良する方法が課題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ポリクロロプレンラテックス組成物が有する課題を、全
く新しい方法によって解決し、色相の良好な接着剤を与
えるポリクロロプレンラテックス組成物及び、該ラテッ
クス組成物を用いて得られる接着層の色相の良好な接着
剤を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリクロロプレ
ン乳化重合液に、錯金属水素化物を添加することで、色
相が良好な接着層を与えるポリクロロプレンラテックス
組成物及び接着剤が得られることを見出し、本発明を完
成させるに至った。従来は、錯金属水素化物を、ポリク
ロロプレンラテックス組成物に対して使用することは全
くなかった。
【0006】以下、本発明の内容を詳細に説明する。本
発明におけるポリクロロプレンラテックス組成物に含ま
れるクロロプレン重合体は、2−クロロ−1,3−ブタ
ジエン(以下クロロプレンと記す)の単独重合体または
クロロプレンと共重合可能な単量体の1種以上とを共重
合して得られる共重合体である。
【0007】本発明におけるクロロプレンと共重合可能
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエス
テル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても
構わない。
【0008】本発明における乳化重合に使用される乳化
剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、各
種アニオン型、ノニオン型、カチオン型が使用できる。
アニオン型ラテックスに用いる乳化剤としては、カルボ
ン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸
のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスル
ホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリン
スルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物な
どが挙げられる。ノニオン型の具体例としては、水溶性
高分子、エーテル型、エステル型、ソルビタンエステル
型、ソルビタンエステルエーテル型、アルキルフェノー
ル型などがあり、例えば、ポリビニルアルコール及び、
その重合体、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、
ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノ
オレエート等を挙げることができる。カチオン型の具体
例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アミン塩、芳
香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩な
どがあり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロ
リド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラ
ウリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられ
る。
【0009】本発明における乳化重合に使用される乳化
剤及び/または分散剤の添加量は、初期仕込みクロロプ
レン単量体100重量部に対して1重量部以上20重量
部未満が好適である。1重量部未満では乳化力が不足
し、20重量部以上では得られたポリクロロプレンラテ
ックス組成物を水系接着剤用途で使用した場合に接着強
度を低下させてしまう。
【0010】本発明のポリクロロプレンラテックス組成
物は、下記に例示するような方法によって乳化重合して
得た上記のクロロプレン重合体を含む乳化重合液に、錯
金属水素化物を加えることによって得ることができる。
本発明におけるクロロプレン重合体の重合方法は、特に
限定されるものではなく、重合温度、重合触媒、連鎖移
動剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件
等を適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエ
ン可溶部の分子量、ゲル含有量等を調整することが可能
である。
【0011】本発明におけるクロロプレン重合体の重合
温度は特に限定されるものではない。また本発明におけ
る重合触媒は、特に限定されるものではなく、過硫酸カ
リウム等の加硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイ
ド等の有機過酸化物等が使用できる。
【0012】連鎖移動剤の種類は特に限定されるもので
はなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるもの
が使用できるが、ザンテート系あるいはメルカプタン系
のものが好適である。なお、連鎖移動剤の添加は、仕込
み時だけではなく、重合途中に添加することもできる。
【0013】重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定する
ものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4
−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミ
ン等が使用できる。
【0014】最終重合率は、特に限定するものではな
く、任意に調節することができ、未反応のモノマーは脱
モノマー操作によって除去されるが、その方法は特に限
定するものではない。更に、濃縮あるいは、水等の添加
で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御する
ことができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがあ
るが、特に限定するものではない。
【0015】本発明に使用される錯金属水素化物は、例
えばLi、Na等の1A族に属するアルカリ金属元素
と、例えばB、Al等の3B族に属する元素と水素とか
らなる錯金属水素化物である。錯金属水素化物の具体的
な例としては、ナトリウムボロハイドライド(化学式:
NaBH4)、リチウムアルミニウムハイドライド(化
学式:LiAlH4)、リチウムボロハイドライド(化
学式:LiBH4)などが挙げられる。特に、引火など
の危険性が少なく、取り扱いが安全であるナトリウムボ
ロハイドライドが好ましい。
【0016】本発明における錯金属水素化物の添加、配
合方法は、特に限定するものではない。添加、配合方法
としては、粉末のまま添加する方法、水に溶解させ水溶
液として添加する方法、水酸化ナトリウム水溶液などア
ルカリ性水溶液に溶解させてから添加する方法、テトラ
ヒドロフランなどの有機溶剤に溶解させてから添加する
方法などがある。粉末のまま添加する場合には、乳化重
合液の粘度が高いときには溶解に時間がかかったり凝固
物や凝集物が生じることがある。また水酸化ナトリウム
水溶液などのアルカリ性水溶液に溶解させてから添加す
る場合には、添加量によって系のpHが変化し乳化安定
性が低下する場合がある。有機溶剤を使用する場合に
は、凝固物や凝集物が生じたりする場合がある。従っ
て、水に溶解させ水溶液としてから添加する方法が好ま
しい。
【0017】本発明における錯金属水素化物の使用量
は、要求性能にもよるが、ポリクロロプレン乳化重合液
の固形分100重量部に対して、0.001〜1重量部
であり、より好ましくは0.01〜0.5重量部であ
る。1重量部を超えて添加した場合は、経済的に不利で
あり、0.001重量部未満の添加量では、十分な色相
改良効果が得られない。
【0018】本発明におけるポリクロロプレンラテック
ス組成物は、錯金属水素化物を含有することが必須であ
るが、通常ポリクロロプレンラテックス組成物に配合さ
れる配合剤、例えば、粘着付与樹脂、充填剤、顔料、可
塑剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防黴剤、抗菌剤、硬化剤、
pH調製剤、増粘剤などを用途に応じて任意に添加でき
る。
【0019】本発明におけるポリクロロプレンラテック
ス組成物に例えば、ロジン系樹脂、α−ピネン樹脂、β
−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5系石油樹
脂、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、DCPD系
石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、ク
マロン樹脂等の粘着付与樹脂を配合することにより、接
着剤組成物とすることができる。この接着剤組成物に
は、さらに用途に応じて、金属酸化物、可塑剤、加硫
剤、加硫促進剤、硬化剤、粘着剤等を配合することがで
きる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を基に説明するが本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものではない。ここで、
色相等は以下の方法で評価した。
【0021】[色相評価試験]ポリスチレン製秤量皿
(サイズ:11cm×11cm)に、ラテックス試料を
入れて23℃の暗所で3週間乾燥させて、厚さ2mmの
シートを作成した。このシートのイエローネスインデッ
クスを、Σ80カラーメジャーリングシステム(日本電
色工業社製、商品名)で測定した。
【0022】[固形分濃度]アルミ皿だけを秤量してAと
した。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量し
Bとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃
雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形
分濃度(%)は下式により求めた。 固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
【0023】[可溶部の重量平均分子量]下記の条件でG
PC測定を行った。分子量の算出は、ポリスチレン換算
で求めた。試料は分離したゾル(0.6重量%トルエン
溶液の可溶部分)を、0.1重量%THF溶液に調整し
た。 カラムサイズ:7.5mmΦ×50mm(GUAR
D)、7.5mmΦ×300mm(Mixed−B) カラム温度:35℃、溶媒:THF、 流出速度:1ml/分 検出器:SHIMAZU RID−6A
【0024】[ゲル含有量測定]ラテックス試料を凍結乾
燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トルエンで
溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に
200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分
を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量し
てBとした。ゲル含有量(%)は下式に従って算出し
た。 ゲル含有量=(B/A)×100
【0025】実施例1〜4および比較例1で用いたポリ
クロロプレンラテックスは、クロロプレンモノマーを、
ロジン酸カリウム塩を乳化剤として、過剰な水酸化カリ
ウムの存在下で水中に乳化し、表1に示したように重合
温度10℃で、窒素雰囲気下で触媒として過硫酸カリウ
ム2%水溶液を添加しながら重合し、n−ドデシルメル
カプタンを連載移動剤として使用して重量平均分子量5
0万、ゲル含有量30%、固形分57重量%になるよう
に調製した。
【0026】得られたラテックスに対して錯金属水素化
物を表1の配合比(重量部)となるように配合し、実施
例1〜4、比較例1のポリクロロプレンラテックス組成
物を得た。配合量の単位は、固形分重量である。
【0027】錯金属水素化物としては、ナトリウムボロ
ハイドライド(野村事務所社製)を3%水溶液にして用
いた。
【0028】実施例1〜4、比較例1の得られたラテッ
クス組成物の評価結果を表1に示した。表1より明らか
な如く、本発明のポリクロロプレンラテックス組成物
(実施例1〜4)は、その乾燥物の色相が従来のラテッ
クス組成物(比較例1)を用いた場合よりも白色であ
り、色相が優れていることが認められる。実施例1〜4
および比較例1の得られたラテックス組成物100重量
部に対し、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂
エマルジョン(商品名:タマノールE−100/荒川化
学工業社製)を30重量部、酸化亜鉛エマルジョン(商
品名:AZ−SW/大崎工業社製)を0.5重量部配合
し、接着剤組成物として、帆布に塗布、乾燥した場合の
接着剤層は、錯金属水素化物を添加した接着剤組成物の
方が、錯金属水素化物を添加しない接着剤組成物を用い
た場合よりも色相が良好であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、ポリクロロプレン乳化重
合液に、錯金属水素化物を添加することで、色相が良好
なポリクロロプレンラテックス組成物が得られる。ま
た、本発明により錯金属水素化物を添加したポリクロロ
プレンラテックス組成物を使用することにより色相が良
好な接着層を与える接着剤組成物が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1A族に属するアルカリ金属元素と3B
    族に属する元素と水素とからなる錯金属水素化物を含有
    することを特徴とするポリクロロプレンラテックス組成
    物。
  2. 【請求項2】 錯金属水素化物がナトリウムボロハイド
    ライド(化学式:NaBH4)であることを特徴とする
    請求項1記載のポリクロロプレンラテックス組成物。
  3. 【請求項3】 錯金属水素化物を、ラテックスの固形分
    100重量部に対して、0.001〜1重量部含有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポリクロロプ
    レンラテックス組成物。
  4. 【請求項4】 ポリクロロプレンの乳化重合液に、1A
    族に属するアルカリ金属元素と3B族に属する元素と水
    素とからなる錯金属水素化物を添加することを特徴とす
    るポリクロロプレンラテックス組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリ
    クロロプレンラテックス組成物を用いてなることを特徴
    とする接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の接着剤組成物を用いてな
    る接着体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525991A (ja) * 2000-09-19 2004-08-26 バイエル アクチェンゲゼルシャフト ポリクロロプレン分散液に基づく接着剤組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525991A (ja) * 2000-09-19 2004-08-26 バイエル アクチェンゲゼルシャフト ポリクロロプレン分散液に基づく接着剤組成物

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