JP2000153127A - 芳香付き乾燥剤 - Google Patents

芳香付き乾燥剤

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JP2000153127A
JP2000153127A JP10326995A JP32699598A JP2000153127A JP 2000153127 A JP2000153127 A JP 2000153127A JP 10326995 A JP10326995 A JP 10326995A JP 32699598 A JP32699598 A JP 32699598A JP 2000153127 A JP2000153127 A JP 2000153127A
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magnesium oxide
desiccant
fragrance
porous
aroma
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JP10326995A
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English (en)
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Takashi Gonda
貴司 権田
Yasuhiro Kusano
保博 草野
Hiroshi Tanetani
弘 種谷
Shinji Kamata
信治 鎌田
Yoshiaki Noda
義章 野田
Yozo Kojima
洋三 小島
Hiroshi Tsuchikawa
博司 土川
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SEKKODO OSAKA KK
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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SEKKODO OSAKA KK
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥剤としての優れた吸湿性能を有するとと
もに、芳香性を維持でき、長時間持続的に香りを放出で
きる優れた芳香付き乾燥剤を提供する。 【解決手段】 酸化マグネシウムと塩化マグネシウムと
の混合物に、香料を吸着させた多孔質酸化マグネシウム
を添加配合してなる芳香付き乾燥剤であって、前記酸化
マグネシウム(A)と前記多孔質酸化マグネシウム
(B)の合計重量と、前記塩化マグネシウム(C)との
重量比が、[(A)+(B)]:(C)=90:10〜
20:80の範囲で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の包装容器中
に存在する水蒸気による湿気を除去すると同時に、開封
時に香りを持続的に放出する機能を兼ね備えた芳香付き
乾燥剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、菓子、コーヒー等の食品類、医薬
品類、衣類等を各種の包装容器内で保存する場合、容器
内に同時に封入される水蒸気による湿気から保護する目
的で、種々の乾燥剤が使用されている。このような目的
で使用される乾燥剤としては、例えば、シリカゲル、ゼ
オライト、モレキュラーシーブ、アルミナ等が知られて
いる。しかし、これらの乾燥剤は、高価であるばかりで
なく、吸湿性能が比較的低く、十分な吸収効果が得られ
ないのが現状である。
【0003】このため、近年、例えば、酸化マグネシウ
ムと塩化マグネシウムとの混合物(特開昭62−616
34号公報)、あるいは酸化マグネシウムと塩化マグネ
シウムと水酸化マグネシウム等とからなる乾燥剤(特許
第2671021号公報)、あるいは酸化マグネシウム
と塩化マグネシウムを含有する乾燥剤(特許26762
02号公報)等のように、酸化マグネシウムと、潮解性
を有する塩化マグネシウムとを主成分とする乾燥剤が開
示されている。これらの乾燥剤は、塩化マグネシウムを
用いることによって、高い吸収性能が得られるととも
に、潮解性を有する塩化マグネシウムの欠点である潮解
液の流出を、酸化マグネシウムを添加することによっ
て、防止することができるので、乾燥剤として広く利用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、特に、下駄箱、
押入、箪笥等の高湿度環境下の除湿と消臭、あるいはコ
ーヒー、菓子等の食品類を包装容器内で保存する際の水
蒸気からの保護とともに、これらの用途に、香りを強調
させる目的で、吸収効果と芳香効果を兼ね備えた乾燥剤
が求められている。しかしながら、上記の従来技術に開
示された乾燥剤においては、水蒸気等の吸湿性能は十分
に満足するものの、この乾燥剤に適度な芳香を持たせる
目的で、各種の香料を乾燥剤中に添加した場合、香料成
分が直ちに放出して、芳香を持続させることができず、
上記目的が達成できないという不都合があった。このよ
うな不都合を改善するために、種々の検討がなされた
が、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムからなる乾燥
剤において、香料を吸着させて芳香を持続させ、長期間
に亘って適度の芳香を持続的に放出させるということは
不可能であった。
【0005】そこで、本発明は、乾燥剤としての優れた
吸湿性能を有するとともに、芳香性を維持でき、長期間
持続的に香りを放出できる優れた芳香付き乾燥剤を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化マグ
ネシウムと塩化マグネシウムの混合物からなる乾燥剤の
吸湿性能を維持しつつ、芳香性を持続させることができ
る乾燥剤を開発するために鋭意研究を重ねた結果、酸化
マグネシウムと塩化マグネシウムの混合物に、香料を吸
着させた多孔質酸化マグネシウムを添加配合し、各成分
の重量比を特定範囲内に規定することにより、上記課題
を解決できる極めて望ましい芳香付き乾燥剤を見いだ
し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、酸化マグネシウムと
塩化マグネシウムとの混合物に、香料を吸着させた多孔
質酸化マグネシウムを添加配合してなる芳香付き乾燥剤
であって、前記酸化マグネシウム(A)と前記多孔質酸
化マグネシウム(B)の合計重量と、前記塩化マグネシ
ウム(C)との重量比が、[(A)+(B)]:(C)
=90:10〜20:80の範囲である芳香付き乾燥剤
である。また、本発明は、前記多孔質酸化マグネシウム
の比表面積が100〜180m /gの範囲内である
ことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の芳香付き乾燥剤に
ついて、詳細に説明する。本発明の芳香付き乾燥剤は、
酸化マグネシウムと塩化マグネシウムとの混合物、及び
これに香料を吸着させた多孔質酸化マグネシウムとから
主に構成される。本発明に用いられる酸化マグネシウム
としては、乾燥剤成分となり得るものであって、軽焼マ
グネシアやか焼マグネシア等の反応性に富む活性度の大
きなものが挙げられる。この軽焼マグネシアやか焼マグ
ネシアは、炭酸マグネシウムあるいは水酸化マグネシウ
ムを600〜1,000℃、好ましくは800〜900
℃の範囲でか焼したものである。か焼温度が600℃未
満の場合は炭酸マグネシウムあるいは水酸化マグネシウ
ムが残存し、酸化マグネシウムの生成が不十分であり、
逆にか焼温度が1,000℃を超えると、反応性が乏し
くなり、乾燥剤としたときに、固化反応が遅延したり、
固化しないことがある。
【0009】酸化マグネシウムの平均粒径は、通常1μ
m〜5mmの範囲、好ましくは、10μm〜3mmの範
囲である。この平均粒径が、1μm未満の場合は、水が
浸入すると急激に発熱するという不利があり、逆に平均
粒径が、5mmを超える場合は塩化マグネシウムとの均
一分散性が劣るという不利があるので好ましくない。酸
化マグネシウムの比表面積は、通常30〜70m
gの範囲、好ましくは、40〜60m /gの範囲で
ある。この比表面積が30m /g未満の場合は、吸
着水を酸化マグネシウム表面に保持することができず、
逆に70m/gを超える場合は、水が浸入すると急激
に発熱するので好ましくない。
【0010】本発明に用いられる塩化マグネシウムは、
優れた吸湿特性を有しているが、潮解性化合物であるた
め液状化してしまう。そこで塩化マグネシウムの潮解液
を酸化マグネシウムとのマグネシアセメントの形成によ
って固化させることにより流動のない安定な保水状態を
保つことができる。この塩化マグネシウムとしては、い
かなる結晶水を有するものでも、使用することができる
が、乾燥剤成分として使用する場合は吸湿量に優れてい
る無水塩が好ましく採用される。
【0011】上記酸化マグネシウム(A)と塩化マグネ
シウム(C)との混合物の配合割合は、特に制限はない
が、通常、重量比が(A):(C)=85:15〜2
5:75の範囲であり、好ましくは(A):(C)=8
0:20〜30:70の範囲である。この酸化マグネシ
ウムの重量比が85を超える場合は、乾燥剤としての吸
湿能力が著しく低下してしまうことがあり、逆に酸化マ
グネシウムの重量比が25未満の場合は、固化させるこ
とが困難なため、塩化マグネシウムの潮解液が生成して
しまうことがある。
【0012】本発明は、上記混合物に、香料を吸着させ
た多孔質酸化マグネシウムが添加配合されてなるもので
ある。このような多孔質酸化マグネシウムとしては、例
えば、キョーワマグ(協和化学工業社製)が挙げられ
る。特に多孔質酸化マグネシウムとしては、比表面積が
100〜180m /gのものが好ましく、特には1
10〜180m /gの範囲内のものがより好ましく
採用される。この比表面積が100m /g未満の場
合は、香料を充分に吸着させることができないため、長
期間に亙って芳香を放出することが困難であり、逆に比
表面積が180m /gを超える場合には、吸着が強
いため、吸着した芳香を放出しなくなるので好ましくな
い。また、この多孔質酸化マグネシウムの平均粒径は、
1〜5000μmの範囲内が好ましい。平均粒径が1μ
m未満の場合は、芳香の吸着が悪くなり、逆に5000
μmを超える場合、酸化マグネシウムと塩化マグネシウ
ムの混合物への分散性が劣るので好ましくない。
【0013】本発明は、上記酸化マグネシウム(A)と
前記多孔質酸化マグネシウム(B)の合計重量と、上記
塩化マグネシウム(C)との重量比を特定範囲内に規定
したことに技術的な特徴がある。すなわち、本発明の芳
香付き乾燥剤は、[(A)+(B)]:(C)=90:
10〜20:80の重量割合、好ましくは、80:20
〜30:70の範囲の重量割合で構成される。この重量
比が、[(A)+(B)]で90を超える場合は、乾燥
剤としての吸湿能力が著しく低下してしまい、逆に
[(A)+(B)]の重量比が20未満の場合は、固化
できないため、塩化マグネシウムの潮解液が生成してし
まい、乾燥剤としては使用できない。
【0014】本発明に用いられる多孔質酸化マグネシウ
ムに吸着される香料としては、天然香料及び合成香料が
挙げられる。天然香料としては、ムスク、アンバーグリ
ス、シベット、カストリウム等の動物性香料、植物香料
としては、バラ、ジャスミン、ラベンダー、チュベロー
ズ、イランイラン、水仙、連玉、オレンジフラワー、ス
ミレ、ミモザ等の花、月桂樹、シトロネラ、ユーカリ、
アビエス、ゼラニウム、薄荷、パチュリ、レモングラス
等の植物の葉、オレンジ、レモン、ライム、ベルガモッ
ト、カルダモン、コリアンダー、ペパー、バニラ、フェ
ンネル等の果実・果皮から得られる精油、セダー、サン
ダルウッド、シナモン、カンファー等の幹・枝から得ら
れる精油、オリス、ベチバー、ジンジャー等の根茎から
得られる精油、オークモス等の苔から得られる精油、乳
香、没薬、オポパナックス、ガルバナム、沈香等の樹液
樹脂から得られる精油が挙げられる。
【0015】合成香料としては、α−ピネン、β−ピネ
ン、カンフェン、リモネン、ジペンテン、テルビノーレ
ン等の環状テルペン系炭化水素、ミルセン、アロオシメ
ン、オシメン、p−サイメン、β−カリオフィレン等の
鎖状テルペン系炭化水素、シス−3−ヘキセノール、1
−オクテン−3−オール、9−デセノール、メチルサン
デフロール等の脂肪族アルコール、リナロール、ゲラニ
オール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ヒド
ロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバ
ンジュロール、ミセノール、α−テルピネオール、l−
メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノボー
ル、イソカンフィルシクロヘキサノール、ファルネソー
ル、ネロリドール、セドロール、ベチベロール、パチュ
リアルコール等の脂肪族アルコール、ベンジルアルコー
ル、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアル
コール、アニスアルコール、アシルシンナミックアルコ
ール等の芳香族アルコール、アニソール、エストラゴー
ル、アネトール、ヒノキチオール、グアヤコール、ジメ
チルハイドロキノン、p−クレジルメチルエーテル、チ
モール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノ
ール、メチルオイゲリール、サフロール等のフェノール
及びその誘導体、アセトアルデヒド、イソバレルアルデ
ヒド、2−メチルブタナール、n−ヘキサナール、n−
オクタナール、n−ノナナール、デカナール、ドデカナ
ール、2−メチルウンデカナール、シス−3−ヘキサナ
ール、メロナール、2,6−ジメチル−5−ヘプテナー
ル、2,6−ノナジエナール等の脂肪族アルデヒド、シ
トラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラー
ル、ペリラアルデヒド等のテルペン系アルデヒド、ベン
ズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプ
ロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、α−アミ
ルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミン
アルデヒド、シクラメンアルデヒド、バニリン等の芳香
族アルデヒド、フルフラール、セトナール等のその他の
アルデヒド、シトラールジエチルアセタール、ヒドロキ
シシトロネラールジメチルアセタール、アセトアルデヒ
ド2−フェニル−2,4−ペンタンジオールアセター
ル、アセトアルデヒドヒドロエチルヘキセニルアセター
ル等のアセタール類、2−ヘプタン、2−オクタン、メ
チルノニルケトン、メチルヘプテノン、ジアセチル等の
脂肪族ケトン、1−カルボン、メントン、d−プレゴ
ン、ピペリトン、カンファー、ヌートカトン等のテルペ
ン系ケトン、シス−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、
ダマセノン、ヨノン等の環状ケトン、アセトフェノン、
ラズベリーケトン、ソトロン、マルトール等のその他の
ケトン、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、
シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、エチ
レンブラシレート等の大環状ムスク、ムスクケトン、ム
スクテベテン等のニトロムスク、ファントリド、セレス
トリド、トナリド、ガラクソリド等のその他のムスク、
ローズオキサイド、ネロールオキサイド、アンブロキサ
ン、テアスピラン、ユーカリプトール、リナロールオキ
サイド、ローズフラン、フェニルエチルイソアミルエー
テル、メチルベンジルエーテル等のオキサイド・エーテ
ル類、ギ酸エチル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ベンジル、ギ酸
フェニルエチル、ギ酸シス−3−ヘキシニル等のギ酸エ
ステル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢
酸シトロネリル、酢酸ゲラリル、酢酸リナリル、酢酸メ
ンチル、酢酸ボルニル、酢酸テルペニル、酢酸ベンジ
ル、酢酸シンナミル、酢酸セドリル等の酢酸エステル、
プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオ
ン酸リナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ネ
リル等のプロピオン酸エステル、酪酸エチル、酪酸イソ
アミル、酪酸ヘプチル、酪酸リナリル、イソ酪酸リナリ
ル、酪酸シトロネリル、イソ酪酸シトロネリル等の酪酸
エステル、吉草酸ベンジル、イソ吉草酸イソアミル、イ
ソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シ
ンナミル等のイソ吉草酸エステル、ヘキサン酸エチル、
ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸アリ
ル、オクタン酸エチル、オクタン酸p−クレジル等のそ
の他の脂肪族酸エステル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベンジル、フェニ
ル酢酸メチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸
イソオイゲニル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸リナリル、
サリチル酸メチル、サリチル酸イソアミル、アニス酸エ
チル等の芳香族酸のエステル、チグリン酸シス−3−ヘ
キセニル、チグリン酸フェニルエチル、アンゲリカ酸メ
チル、メタクリル酸フェニルエチル、ピルビン酸エチ
ル、シクロゲラン酸メチル、シクロヘキシルプロピオン
酸アリル、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸
メチル、ヘプチンカルボン酸メチル、メチルアトラレー
ト等のその他のエステル類、安息香酸、フェニル酢酸、
ケイ皮酸、ヒドロケイ皮酸、酪酸、2−ヘキセン酸等の
酸類、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、ウイス
キーラクトン、γ−ウンデカラクトン、クマリン、ブチ
リデンフタリド、δ−ヘキサラクトン等のラクトン類、
インドール、スカトール、アセチルピロール、ドデカン
ニトリル、トリメチルアミン、3−アセチルピリジン、
6−メチルキノリン、2−メチルピラジン、ピペリン、
カプサイシン、アリルメルカプタン、フルフリルメルカ
プタン、ジメチルスルフィド、ミントスルフィド、トリ
チオアセトン、イソチオシアン酸ベンジル、チアルジン
等の窒素、硫黄、ハロゲンを含有する化合物等が挙げら
れる。
【0016】本発明に用いられる香料の添加量は、上記
多孔質酸化マグネシウムに対して、通常、2重量%〜5
0重量%の範囲であり、好ましくは10重量%〜40重
量%であり、更に好ましくは、15重量%〜35重量%
の範囲である。この添加量が、2重量%未満の場合、多
孔質酸化マグネシウムの吸着力が強すぎるため乾燥剤よ
り芳香を発生させることができず、逆に50重量%を超
える場合は、多孔質酸化マグネシウムに完全に吸着させ
ることができない虞れがあるため好ましくない。
【0017】香料を吸着させた多孔質酸化マグネシウム
の添加量は、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムとの
混合物成分100重量部に対して、0.5〜5重量部の
範囲が好ましく、1〜5重量部の範囲がより好ましい。
この添加量が0.5重量部未満の場合は、乾燥剤より芳
香を放出させることができなくなる虞れがあり、逆に5
重量部を超えると、多孔質酸化マグネシウムの活性が非
常に高いため、水が侵入した場合、急激な発熱を引き起
こす虞れがあるので問題を生じやすい。
【0018】本発明の芳香付き乾燥剤は、乾燥剤として
の本来の吸湿性能と香料の持続的な放出性能を損なわな
い程度に、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロー
ス等の有機保水剤を添加してもよく、また、ケイソウ
土、ゼオライト、活性アルミナ、硫酸マグネシウム、モ
レキュラーシーブ、バーンライト、ベントナイト等の無
機保水剤を添加してもよい。
【0019】本発明の芳香付き乾燥剤の製造は、まず、
香料を多孔質酸化マグネシウムに吸着させて香料入り多
孔質酸化マグネシウムを作製する。次に、乾燥剤成分で
ある塩化マグネシウム及び酸化マグネシウムと、上記香
料入り多孔質酸化マグネシウムとを混合し、加圧して固
化した後、粉砕機を用いて粉砕し、ふるいで分級するこ
とにより得られる。この芳香付き乾燥剤の粒径は、通常
5μm〜10mmの範囲であり、好ましくは、10μm
〜5mmの範囲である。この粒径が5μm末端の場合
は、吸湿速度が著しく速いため固化が急速に進行するこ
とがあり、逆に10mmを超える場合は、吸湿速度が劣
るため乾燥剤としての機能が低下してしまうことがあ
る。
【0020】本発明の芳香付き乾燥剤を実際に使用する
場合は、通常、不織布、紙、布等の透湿性を有する材質
を用いて、これに乾燥剤を充填し包装すればよいが、特
に水が侵入すると発熱する虞れが生じるため、水滴は透
過しないが、水蒸気は透過する微多孔質フィルムで包装
するのが好ましい。また、微多孔質フィルムの機械的強
度を高める目的で、微多孔質フィルムにネット、紙等を
積層した、積層フィルムを使用してもよい。さらに、少
なくとも一部分が透湿性である容器内に収納して使用す
ることもできる。
【0021】本発明の芳香付き乾燥剤は、吸湿すると固
形物を形成するため、下駄箱、押入、箪笥、あるいは物
置等の高湿度環境下の除湿及び菓子類、コーヒー等の食
品類、医薬品等を包装容器内で保存する際に、容器内に
存在する水蒸気を除去すると同時に、芳香を持続的に放
出させて消臭作用を有し、香りを持たない食品への香り
の付与、あるいは香りの弱い食品への香りの強調、また
食品製造工程中で発生した悪臭を抑え食品の嗜好性の向
上、さらには医薬品の悪臭を抑制し、医薬品を飲みやす
くする等、種々の利用価値がある。
【0022】
【実施例】[実施例1]まず、香料としてバニラより抽
出した精油を用いて、これを平均粒径1mmの多孔質酸
化マグネシウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対して
35重量%吸着させた。次に、表1に示すような重量割
合で配合された平均粒径1mmの酸化マグネシウムと塩
化マグネシウムとの混合物に、上記香料入り多孔質酸化
マグネシウムを表1に示す割合で添加配合した。この組
成物を100kg/cm の圧力で加圧し、厚さ5m
mのプレート状成形物を作製した。次いで、これを粉砕
機で粉砕し、透湿性合成紙の袋に充填して製品となる芳
香付き乾燥剤を作製した。この芳香付き乾燥剤につい
て、吸湿性、固化の状態、芳香の官能試験を下記の評価
方法により行い、その結果を表1に示した。
【0023】[評価方法]1.吸湿性 条件A.気温25℃、相対湿度70%に調整された恒温
恒湿器を用い、上記芳香付き乾燥剤10gを、10日間
放置して吸湿させて、吸湿前の重量と吸湿後の重量によ
り、吸湿率を測定した。 条件B.気温25℃、相対湿度90%に調整された恒温
恒湿器を用い、上記と同様の方法により吸湿率を測定し
た。 2.固化の状態 10日間放置後の上記芳香付き乾燥剤の固化の状態を調
べ、次のように評価した。 ○・・・完全に固化しており、潮解液の漏出は認められ
なかった。 ×・・・透湿性合成紙より潮解液が漏れ出し、乾燥剤と
して使用できなかった。 3.芳香の官能試験 10日間放置後、上記芳香付き乾燥剤について、10人
により、夫々の香料の香りを官能試験により確認し、香
りを確認した人数で評価した。
【0024】[実施例2]香料としてオレンジより抽出
した精油を用いて、これを平均粒径55μmの多孔質酸
化マグネシウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対して
15重量%吸着させた。次に、表1に示すような重量割
合で配合された平均粒径153μmの酸化マグネシウム
と塩化マグネシウムの混合物に、上記香料入り多孔質酸
化マグネシウムを表1に示す割合で添加配合した。この
組成物を実施例1と同様の方法により芳香付き乾燥剤を
作製した。この芳香付き乾燥剤について、吸湿性、固化
の状態、芳香の官能試験を上記の評価方法と同様により
行い、その結果を表1に示した。
【0025】[実施例3]香料としてラベンダーより抽
出した精油を用いて、これを平均粒径51μmの多孔質
酸化マグネシウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対し
て30重量%吸着させた。次に、表1に示すような重量
割合で配合された平均粒径153μmの酸化マグネシウ
ムと塩化マグネシウムの混合物に、上記香料入り多孔質
酸化マグネシウムを表1に示す割合で添加配合した。こ
の組成物を実施例1と同様の方法により芳香付き乾燥剤
を作製した。この芳香付き乾燥剤について、吸湿性、固
化の状態、芳香の官能試験を上記の評価方法と同様によ
り行い、その結果を表1に示した。
【0026】[実施例4]香料としてプロピオン酸ブチ
ルを用いて、これを平均粒径5μmの多孔質酸化マグネ
シウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対して45重量
%吸着させた。次に、表1に示すような重量割合で配合
された平均粒径5μmの酸化マグネシウムと塩化マグネ
シウムの混合物に、上記香料入り多孔質酸化マグネシウ
ムを表1に示す割合で添加配合した。この組成物を実施
例1と同様の方法により芳香付き乾燥剤を作製した。こ
の芳香付き乾燥剤について、吸湿性、固化の状態、芳香
の官能試験を上記の評価方法と同様により行い、その結
果を表1に示した。
【0027】[比較例1]香料としてバニラより抽出し
た精油を用いて、これを平均粒径1mmの多孔質酸化マ
グネシウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対して40
重量%吸着させた。次に、表2に示すような重量割合で
配合された平均粒径1mmの酸化マグネシウムと塩化マ
グネシウムの混合物に、上記香料入り多孔質酸化マグネ
シウムを表2に示す割合で添加配合した。この組成物を
実施例1と同様の方法により芳香付き乾燥剤を作製し
た。この芳香付き乾燥剤について、吸湿性、固化の状
態、芳香の官能試験を上記の評価方法と同様により行
い、その結果を表2に示した。
【0028】[比較例2]香料としてバニラより抽出し
た精油を用いて、これを平均粒径51μmの多孔質酸化
マグネシウムに、該多孔質酸化マグネシウムに対して1
0重量%吸着させた。次に、表2に示すような重量割合
で配合された平均粒径13μmの酸化マグネシウムと塩
化マグネシウムの混合物に、上記香料入り多孔質酸化マ
グネシウムを表2に示す割合で添加配合した。この組成
物を実施例1と同様の方法により芳香付き乾燥剤を作製
した。しかし、透湿合成紙より潮解液が漏れ出したた
め、官能試験及び吸湿率の測定を行うことができず、表
2に示す結果となった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】(評価の結果)表1及び表2の結果から明
らかなように、実施例1〜4の本発明では、吸湿性、固
化の状態、芳香の官能試験、全てにわたって良好な結果
が得られたのに対し、比較例1〜2では、吸湿性、固化
の状態、芳香の官能試験のいずれかに欠点があり、芳香
付き乾燥剤としては不適当であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の芳香付き乾燥剤は、吸湿能力に
優れ、吸湿後、固形物を形成するので、潮解液を流出す
ることがない。また、乾燥剤に芳香を付与し、長時間持
続的に香りを放出することができる。このため、下駄
箱、押入、箪笥等の高湿度環境下の除湿及び消臭、ある
いは、コーヒー、菓子等の食品類を包装容器内で保存す
る際の水蒸気からの保護とそれら食品類の香りの強調を
同時に行うことができるので、これらの技術分野におけ
る利用価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 保博 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信 越ポリマー株式会社東京工場内 (72)発明者 種谷 弘 大阪府大阪市淀川区西宮原1−8−29 テ ラサキ第二ビル 信越ポリマー株式会社大 阪支店内 (72)発明者 鎌田 信治 大阪府大阪市淀川区西宮原1−8−29 テ ラサキ第二ビル 信越ポリマー株式会社大 阪支店内 (72)発明者 野田 義章 大阪府大阪市淀川区西宮原1−8−29 テ ラサキ第二ビル 信越ポリマー株式会社大 阪支店内 (72)発明者 小島 洋三 大阪府高槻市上土室4−1−1 株式会社 オゾ化学技研内 (72)発明者 土川 博司 大阪府高槻市上土室4−1−1 株式会社 オゾ化学技研内 Fターム(参考) 4D052 AA00 AA09 CA03 CA06 CA09 GA04 GB00 GB11 GB12 GB13 GB14 GB17 HA06 HA13 HA49 4G066 AA16B AA36B AB05D AB29D BA12 BA20 BA22 BA26 BA36 CA43 DA03 FA12 FA20 FA37 FA40 4H059 AA02 AA07 BC10 BC23 CA21 DA09 EA31 EA35 EA40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化マグネシウムと塩化マグネシウムと
    の混合物に、香料を吸着させた多孔質酸化マグネシウム
    を添加配合してなる芳香付き乾燥剤であって、前記酸化
    マグネシウム(A)と前記多孔質酸化マグネシウム
    (B)の合計重量と、前記塩化マグネシウム(C)との
    重量比が、[(A)+(B)]:(C)=90:10〜
    20:80の範囲であることを特徴とする芳香付き乾燥
    剤。
  2. 【請求項2】 多孔質酸化マグネシウムの比表面積が1
    00〜180m/gの範囲である請求項1記載の芳香
    付き乾燥剤。
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