JP2000152909A - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

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JP2000152909A
JP2000152909A JP10331356A JP33135698A JP2000152909A JP 2000152909 A JP2000152909 A JP 2000152909A JP 10331356 A JP10331356 A JP 10331356A JP 33135698 A JP33135698 A JP 33135698A JP 2000152909 A JP2000152909 A JP 2000152909A
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endoscope
optical system
water
cover glass
sterilization
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Takashi Ogawa
敬司 小川
Yousuke Yoshimoto
羊介 吉本
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートクレーブ滅菌時に侵入した蒸気が原因
となる光学系の視野曇りによる視野不良を防止する。 【解決手段】 水密に構成された対物レンズユニット2
1を構成する先端カバーガラス22の後端面、対物レン
ズ16の全表面、光学フィルタ17の全表面に吸水ポリ
マーを含むコーティング組成物を塗布し熱処理して形成
した吸水性及び反射防止性皮膜81で被覆することによ
り、高圧高温水蒸気によるオートクレーブ滅菌時に侵入
した蒸気を吸水して光学系の視野曇りによる視野不良を
防止することができる。さらに、この吸水性及び反射防
止性皮膜81を薄く形成することにより、光の干渉によ
り反射光を打ち消すことができ、反射防止性を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートクレーブ滅
菌(高圧高温水蒸気滅菌)を支障なく可能とするよう改
良した内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、医療分野においては、体腔内等に
細長な挿入部を挿入することによって体腔内の深部等を
観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治
療処置等を行なうことのできる内視鏡が広く用いられる
ようになっている。これら医療用内視鏡にあっては、使
用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが感染症等を防
止するために必要不可欠である。
【0003】従来では、この消毒滅菌処理は、エチレン
オキサイドガス等のガスや、消毒液に頼っていたが、周
知のように滅菌ガス類は猛毒であり、滅菌作業の安全確
保の為に滅菌作業は煩雑である。また、このガス滅菌
は、滅菌後に機器に付着したガスを取り除く為のエアレ
ーションに時間がかかる為、滅菌後すぐに内視鏡を使用
できないという問題点がある。さらに、このようなガス
滅菌では、ランニングコストが高いという問題点があ
る。
【0004】一方、消毒液による滅菌の場合は、消毒液
の管理が煩雑であり、消毒液の廃棄処理に多大な費用が
必要となるといった問題がある。
【0005】そこで、最近では、内視鏡機器類の滅菌と
して、煩雑な作業を伴わず、滅菌後にすぐに使用でき、
しかもランニングコストの安いオートクレーブ滅菌(高
圧高温水蒸気滅菌)が主流になりつつある。
【0006】オートクレーブ滅菌の代表的な条件として
は、米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規
格ANSI/AAMI ST37−1992があり、こ
の条件はプレバキュームタイプでは滅菌工程132℃、
4分、またグラビティタイプでは滅菌工程で132℃、
10分となっている。
【0007】しかしながら、このオートクレーブの高圧
高温水蒸気は、内視鏡を構成している部材であるゴム、
プラスチック等の高分子材料、接着剤等を透過する性質
を持っている。したがって、従来の水密構造に構成され
ている内視鏡をオートクレーブ装置に投入して滅菌した
場合は、Oリング、接着剤等の一般的な方法により水密
に構成された内視鏡構造の内部にも水蒸気が浸入してく
ることになる。
【0008】また、オートクレーブ滅菌の際には、滅菌
工程前の真空工程時に、湾曲部における外皮チューブの
破裂を防止するため、内視鏡内外を連通させた状態でオ
ートクレーブ滅菌装置に投入するのが一般的である。こ
の場合、積極的に内視鏡内部にオートクレーブ滅菌の水
蒸気が侵入することになる。例えば実願昭60−188
081号に示すような、対物レンズを接着剤によって固
定している内視鏡をオートクレーブ滅菌にかけた場合
は、前記接着剤を介して対物レンズユニット内部にまで
水蒸気が浸入する。したがって、このような内視鏡をオ
ートクレーブ滅菌後、室内に取り出して接眼部から覗い
てみると、レンズに曇りが発生し、白く霧がかかったよ
うに見える。この霧は徐々に晴れて正常な観察像を得る
ことができる。
【0009】しかしながら、前記のようにレンズに曇り
がかかっている間は、内視鏡を使用することができない
ので、内視鏡による検査がはかどらず、著しく不便であ
る。また、オートクレーブ滅菌を繰り返し行なったり、
長時間連続で行なうような場合は、前記したような霧で
はなく、大きな水滴が光学系内に出現して内視鏡の観察
像を甚だしく損なうこととなる。
【0010】前記した現象は、固体撮像素子としてCC
Dを使用している電子内視鏡についても同じであり、例
えば特開昭59−129050号公報に示すような、C
CDの画像入射端の端面に配置された対物レンズユニッ
トが一般の接着剤によって接合されていると、この対物
レンズユニット内部に水蒸気が浸入し、モニタ上の画像
が対物レンズの曇り等により正常な画像を示さなくなる
という問題がある。
【0011】また、特開平8−56895号公報には、
観察に支障をきたす曇りや水滴が内視鏡内部の光学系表
面に発生しないようにした技術が提案されている。この
従来技術は、曇り或いは水滴の発生を嫌う外部に露出し
ない光学系の光学素子の表面に界面活性剤などの親水性
物質を塗布し、或いは紫外線を照射することにより、光
学素子表面のぬれ性を改善した構成である。しかしなが
ら、この従来例では、光学素子表面に塗布した界面活性
剤などの親水性物質は耐候性が低く、流れ易い。そのた
め、内視鏡内部の光学系の光学素子表面に塗布した親水
性物質は、オートクレーブ滅菌の都度水蒸気が侵入して
付着すると、徐々に流れ去って塗布効果が無くなってし
まう。また、前記紫外線により光学素子表面に活性酵素
を生成させて親水性に改善する処理は、透過性及び屈折
率の問題から高い光学性能が要求される内視鏡のレンズ
などには使用することはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記したように光学式
内視鏡或いは電子内視鏡は、水密構造に構成されている
が、これらを高圧高温水蒸気滅菌であるオートクレーブ
滅菌にかけると、内視鏡を構成している部材であるゴ
ム、合成樹脂或いは接着剤は、前記水蒸気を透過するた
め、これらを介して密閉されている接眼レンズ、或いは
対物レンズ等の光学系にまで水蒸気が侵入し、この光学
系を曇らせたり、水滴を付着させたり、光学系を形成し
ている硝材自体を劣化させ、視野不良を引き起こす等の
問題がある。一方、前記特開平8−56895号公報に
記載のように、内視鏡内部の光学系の光学素子表面に親
水性物質を塗布しても、オートクレーブ滅菌の都度水蒸
気が侵入して光学素子表面に付着することになるため、
塗布した親水性物質が徐々に流れ去りその塗布効果が無
くなってしまい、ついには前記光学素子表面に曇り或い
は水滴の付着が発生するという不都合がある。
【0013】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
ものであり、高圧高温水蒸気によるオートクレーブ滅菌
を行なって、水蒸気が水密構造の内視鏡内部の光学系に
侵入しても、これら光学系の視野曇りによる視野不良が
発生しないようにした内視鏡装置を提供することを目的
としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡装置は前
記目的を達成するため、内部に配設して外部に対して水
密構造とした光学系を有する内視鏡装置において、吸水
ポリマーを含むコーティング組成物を前記光学系の光学
素子表面の少なくとも一部又は全部に塗布して熱処理
し、前記光学素子表面に吸水性及び反射防止性被膜を形
成したことを特徴としている。この構成により、高圧高
温水蒸気によるオートクレーブ滅菌時に蒸気が前記内視
鏡内部の光学系に侵入しても、光学系の光学素子表面を
曇らせたり、水滴が付着することを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0016】第1の実施の形態 図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係り、図1
は電子内視鏡の構成例を示す構成図、図2は図1の挿入
部先端部の断面を示す断面図である。
【0017】図1に示すように、本実施の形態に用いる
電子内視鏡1は、細長な挿入部2と、この挿入部2の手
元側に連設され術者が把持して種々の操作を行う操作部
3と、この操作部3から延設したユニバーサルコード4
とを有している。このユニバーサルコード4の他端に
は、コネクタ部5が設けられており、図示しない光源装
置、カメラコントロールユニット(以下、CCUとい
う)に接続されるようになっている。なお、光源装置に
は、ライトガイドコネクタ6が接続され、CCUにはカ
メラコネクタ7が接続されるようになっている。
【0018】挿入部2は、前記操作部に連設された可撓
性を有する可撓管10と、この可撓管10の先端に連設
された湾曲部9と、この湾曲部9の先端に連設された先
端部8とから構成されている。また、操作部3には、湾
曲操作レバー11と、鉗子等の処置具を挿入する処置具
挿入口12などが設けられている。
【0019】前記挿入部2の先端部8は、図2に示すよ
うに金属製の先端部本体13と、先端カバー14と、こ
の先端部本体13と先端カバー14とに設けられた装着
孔に挿入されて固定された撮像ユニット15と、ライト
ガイド27とを備えている。前記先端カバー14は、絶
縁の役目も果たしており、材質は絶縁性、耐熱性及び耐
水性を有するプラスチックである、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルエーテ
ルケトン等であることが好ましい。
【0020】前記撮像ユニット15は、被写体を結像す
る光学系としての対物レンズ16と、赤外カットフィル
タ等の光学フィルタ17と、結像した被写体像を撮像す
るCCD18と、CCD18からの電気信号を処理する
コンデンサやIC等の電子部品などを搭載した基板19
と、前記基板19に接続されたCCDケーブル20とか
ら構成されている。そして、前記対物レンズ16を含む
対物レンズユニット21は、前記CCD18の画像入力
部端部に配置されている。
【0021】対物レンズユニット21は、先端カバーガ
ラス22と、金属製の先端カバーガラス枠23と、セラ
ミックス製の絶縁枠24と、後端カバーガラス25と、
金属製の後端カバーガラス枠26とによって全体が囲繞
されて内視鏡外部に対し水密構造に構成されている。
【0022】尚、後端カバーガラス枠26には、光学フ
ィルタ17が内挿されて固定されている。また、絶縁枠
24は、先端カバーガラス枠23と後端カバーガラス枠
26との間を絶縁している。尚、また、図2に示すよう
に、後端カバーガラス枠26とCCDケーブル20との
間に熱収縮チューブ30が被覆され、熱収縮チューブ3
0内に接着剤31が充填されている。
【0023】前記ライトガイド27の先端には、光学系
としての配光レンズ28aを介して先端カバーガラス2
8bが配設され、この先端カバーガラス28bの後端か
ら配光レンズ28a及びライトガイド27と、内視鏡外
部とを水密に構成している。
【0024】前記対物レンズユニット21を構成する先
端カバーガラス22の後端面、対物レンズ16の全表
面、光学フィルタ17の全表面には、吸水性及び反射防
止性の被膜81が被覆されている。尚、この吸水性及び
反射防止性の皮膜81は、必要に応じて前記照明光学系
を構成する先端カバーガラス28bの後端面、配光レン
ズ28aの前面及びライトガイド27の先端面に設けて
もよい。尚また、前記吸水性及び反射防止性の被膜81
は、前記各先端カバーガラス22及び28bの先端面に
形成してもよい。
【0025】前記吸水性及び反射防止性の被膜81は、
無機アルコキシド、無機アルコキシドの加水分解物及び
該加水分解物の低分子量重縮合物の少なくとも一方、ポ
リアクリル酸類、前記加水分解物の重縮合反応を促進さ
せる触媒を含む反応溶液を、前記レンズなどの対象表面
に塗布して熱処理し形成される。この溶液の塗布は必要
に応じて複数回行い、その後に熱処理を行ってもよい。
尚、前記吸水性及び反射防止性被膜81は、OH基を有
する親水性の有機ポリマーをゾル−ゲル法により無機ポ
リマーで固定して形成し、さらに前記無機アルコキシド
の加水分解生成物の少なくとも重縮合反応をポリアクリ
ル酸類の存在下で生ぜしめて得られる組成物で形成され
ている。
【0026】前記被膜81の厚みは、0.01μm〜
1.0μmが好ましく、約0.1μmがさらに好まし
い。このように薄い皮膜81がレンズなどの光学素子の
表面に形成されていると、光の干渉によって反射光を打
ち消すことができ、反射防止性を得ることができる。
【0027】このような構成の電子内視鏡1を高圧高温
のオートクレーブ滅菌にかけると、Oリング、接着剤、
樹脂部品等を介して内視鏡内部に蒸気が浸入する。しか
しながら、CCD18の画像入力部端部に配置された対
物レンズユニット21は、前記したように各光学素子の
表面に吸水性及び反射防止性の被膜81が形成されてい
るので、侵入した蒸気はこの被膜81に吸収され、水分
を表面に結露させることがないので、曇りが発生したり
或いは水滴が付着することがない。また、前記レンズな
どの光学素子の表面に形成した被膜81に吸水された水
分は、周囲の湿度が低くなると自然に蒸発するので、吸
水と発散を繰り返すことにより、防曇性を繰り返し得る
ことができる。
【0028】尚、前記吸水性及び反射防止性被膜81を
外部に露出している、前記先端カバーガラス22,28
bに形成した場合であっても、この被膜81は水に対し
て不溶性であり、しかも耐摩耗性が高いので、これら先
端カバーの防曇性を得ることができる。
【0029】第2の実施の形態 図3及び図4は本発明の第2の実施の形態に係り、図3
は、画像伝達手段としてイメージガイドファイバを使用
した内視鏡挿入部の先端部の拡大断面図、図4は内視鏡
の接眼部の構成を示す断面図である。この実施の形態
は、内視鏡として電子内視鏡ではなく、光学式内視鏡に
適用したものである。
【0030】図3において、この実施の形態は、イメー
ジガイドファイバ36の先端、つまり画像入力部端部
に、水密に密閉された対物レンズユニット37が透明な
接着剤29によって密着固定されている。この対物レン
ズユニット37は、金属製の対物枠38と、この対物枠
38の先端部に先端カバーガラス39と、同じく対物枠
38の後端部に固定されている後端カバーガラス40
と、これら対物枠38、カバーガラス39、40によっ
て水密に密閉された空間の内部に配置されている対物レ
ンズ41及び間隔環42とによって構成されている。
【0031】尚、後端カバーガラス40は、対物枠38
の端部にではなく、対物枠38の端部に嵌合部38aを
残した状態で固定されている。この対物枠38の端部に
形成した嵌合部38aには、前記イメージガイドファイ
バ36の口金43が挿入されて固定されている。
【0032】前記イメージガイドファイバ36の画像出
力部端部には、図4に示すように、マスク蒸着カバーガ
ラス44が固定されて視野マスクを形成している。
【0033】また、イメージガイドファイバ36の画像
出力部端部には、マスク蒸着カバーガラス44から少し
離れて水密に密閉された接眼レンズユニット47が設け
られている。この接眼レンズユニット47は、金属製の
接眼枠48と、この接眼枠48の先端部に水密に固定さ
れている接眼先端カバーガラス49と、同じく接眼枠4
8の後端部に水密に固定されている接眼後端カバーガラ
ス50と、これら接眼枠48、カバーガラス49,50
によって水密に密閉された空間の内部に配置されている
接眼レンズ51、間隔環52及び、止め部材53とによ
って構成されている。
【0034】前記接眼レンズユニット47と、アイピー
ス54とを含む接眼ユニット55は、前記イメージガイ
ドファイバ36を含む内視鏡本体56に対して着脱自在
に構成されている。
【0035】さらに、この実施の形態では、図3に示す
ようにライトガイドファイバ57の出射端に水密に密閉
された照明レンズユニット58を透明な接着剤29によ
って密着固定している。前記照明レンズユニット58
は、金属製の照明枠59と、この照明枠59の先端部に
水密に固定されている、接合部である外周に先端照明カ
バーガラス60と、同じく照明枠59の後端部に水密に
固定されている後端照明カバーガラス61と、これら照
明枠59、カバーガラス60、61によって水密に密閉
された空間の内部に配置されている照明レンズ62とに
よって構成されている。
【0036】前記ライトガイドファイバ57と照明レン
ズユニット58は、挿入部の先端構成部63に設けられ
た装着孔に、それぞれライトガイドファイバ57は後方
から、照明レンズユニット58は前方から挿入されて固
定されるようになっている。
【0037】前記第1の実施の形態においてレンズなど
の光学素子表面に形成した吸水性及び反射防止性の被膜
81は、この第2の実施の形態においても同様に形成さ
れている。すなわち、対物レンズユニット37を構成す
る先端カバーガラス39の後端面、対物レンズ41の全
表面、後端カバーガラス40の前面及びイメージガイド
ファイバ36の先端面に形成されている。また、同様に
前記吸水性及び反射防止性の皮膜81は、内視鏡の接眼
レンズユニット47の光学素子の表面にも形成されてい
る。すなわち、イメージガイドファイバ36の後端面、
カバーガラス44,接眼先端カバーガラス49,接眼レ
ンズ51の全表面、及びカバーガラス50の先端面に形
成されている。
【0038】尚、前記吸水性及び反射防止性の皮膜81
は、必要に応じて外部に露出している各カバーガラス外
表面、及び照明光学系の光学素子に形成してもよい。
【0039】この構成の内視鏡を高圧高温水蒸気のオー
トクレーブ滅菌にかけると、Oリング、接着剤、樹脂部
品等を介して内視鏡内部に蒸気が浸入する。しかしなが
ら、対物レンズ41等の光学素子の表面には、吸水性及
び反射防止性の皮膜81が形成されているので、浸入し
た蒸気はこの皮膜81に吸水されてこれら光学素子表面
が曇ったり、水滴が付着することはない。
【0040】また、イメージガイドファイバ36と後端
カバーガラス40も、同様に吸水性及び反射防止性の皮
膜81によって、浸入した蒸気を吸水し表面が曇った
り、水滴が付着することがない。更に、前記マスク蒸着
カバーガラス44、接眼レンズ51等の光学素子が曇っ
たり、水滴が付着することがない。
【0041】この実施の形態は、以下の効果が期待でき
る。オートクレーブ滅菌を行っても、イメージガイドフ
ァイバの画像入力部端部及び画像出力部端部に配置され
ている、対物レンズユニット及び接眼レンズユニット内
の光学素子の曇りによる視野不良が起こらない。
【0042】また、オートクレーブ滅菌を行っても、イ
メージガイドファイバの画像入力部端部及び画像出力部
端部の光学素子に水滴が結露して視野不良の起こるおそ
れがない。
【0043】更に、オートクレーブ滅菌を行っても、ラ
イトガイドファイバの出射端部及び入射端部に配置され
ている水密に密閉された空間内の光学素子の曇りによる
照明光減少、配光不良等の問題が起こらない。
【0044】[付記] (付記項1) 内部に配設して外部に対して水密構造と
した光学系を有する内視鏡装置において、吸水ポリマー
を含むコーティング組成物を前記光学系の光学素子表面
の少なくとも一部又は全部に塗布して熱処理し、前記光
学素子表面に吸水性及び反射防止性被膜を形成したこと
を特徴とする内視鏡装置。
【0045】(付記項2) 前記吸水性及び反射防止性
被膜は、OH基を有する親水性の有機ポリマーをゾル−
ゲル法により無機ポリマーで固定したことを特徴とする
付記項1に記載の内視鏡装置。
【0046】(付記項3) 前記吸水性及び反射防止性
被膜は、無機アルコキシドの加水分解生成物の少なくと
も重縮合反応をポリアクリル酸類の存在下で生ぜしめて
得られる組成物で形成されたことを特徴とする付記項1
に記載の内視鏡装置。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
圧高温水蒸気によるオートクレーブ滅菌を行なって、水
蒸気が水密構造の内視鏡内部の光学系に侵入しても、こ
れら光学系の視野曇りによる視野不良が発生しないとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子内視鏡を
示す構成図。
【図2】図1の挿入部先端部を示す断面図。
【図3】第2の実施の形態に係るファイバ内視鏡の先端
部の構成を示す断面図。
【図4】第2の実施の形態に係る内視鏡の接眼部の構成
を示す断面図。
【符号の説明】
1 …電子内視鏡装置 15 …撮像ユニット 16 …対物レンズ 21 …対物レンズユニット 22 …先端カバーガラス 25 …後端カバーガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H040 BA14 BA24 CA11 CA12 CA22 CA23 CA27 CA29 CA30 DA12 DA13 DA17 DA31 GA02 4C058 AA15 BB05 EE11 4C061 AA00 BB00 CC00 DD03 FF35 FF40 FF47 GG09 JJ06 JJ13 5C054 AA01 AA05 CA04 CC05 HA12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に配設して外部に対して水密構造とし
    た光学系を有する内視鏡装置において、 吸水ポリマーを含むコーティング組成物を前記光学系の
    光学素子表面の少なくとも一部又は全部に塗布して熱処
    理し、前記光学素子表面に吸水性及び反射防止性被膜を
    形成したことを特徴とする内視鏡装置。
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