JP2000152172A - 電子カメラ再生装置 - Google Patents

電子カメラ再生装置

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JP2000152172A
JP2000152172A JP11371821A JP37182199A JP2000152172A JP 2000152172 A JP2000152172 A JP 2000152172A JP 11371821 A JP11371821 A JP 11371821A JP 37182199 A JP37182199 A JP 37182199A JP 2000152172 A JP2000152172 A JP 2000152172A
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Hidetoshi Yamada
秀俊 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色信号成分の帯域幅が輝度信号成分の帯域幅に
比較して狭くとも、画質を損なうことなく、迅速な再生
ができる電子カメラ再生装置を提供すること。 【解決手段】記録媒体71に記録された可変長符号化画像
信号データとこの画像信号データに関連する輝度信号成
分と色信号成分に対応する各々の量子化幅の情報を読出
す読取手段102 と、この読み出された可変長符号化画像
信号データを復号化する復号化手段104 と、この復号化
手段により復号化されたデータを前記読取手段により読
み出された輝度信号成分と色信号成分に対する各々の量
子化幅の情報に基づいて当該量子化幅で逆量子化する逆
量子化手段122 と、この逆量子化されたデータを画像信
号に変換して出力する出力手段124 とを具備し、出力手
段からの出力画像信号を画像の再生信号として得るよう
にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子カメラ再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】CCDに代表される個体撮像装置等によ
り撮像された画像信号をメモリカード、磁気ディスク、
あるいは磁気テープ等の記憶媒体にディジタルデータと
して記録する場合、そのデータ量は膨大なものとなるた
め、多くのフレーム画像を限られた記録容量の範囲で記
録しようとするには、得られた画像信号のデータに対
し、何らかの圧縮を行うことが必要となる。例えば、デ
ィジタル電子スチルカメラなどにおいては、撮影した画
像を銀塩フィルムの代わりに、メモリカードや磁気ディ
スク等のデータ記憶媒体にディジタルデータとして保存
するので、1枚のメモリカードあるいは磁気ディスク装
置に記録できる画像の枚数は、保証されなければならな
い。
【0003】同様に、ディジタルVTR(ビデオテープ
レコーダ)等の場合もフレーム当たりの画像のデータ量
に影響されることなく、所定量のフレームを記録できな
ければならない。すなわち、スチル像であっても、動画
像であっても、必要なコマ数分を確実に記録できる必要
がある。
【0004】このような条件に対処するための画像デー
タの圧縮方法として、直交変換符号化とエントロピー符
号化を組み合わせた符号化方法が広く知られている。
【0005】その代表的なものとして、静止画符号化国
際標準化において検討されている方式について次に概略
を説明する。
【0006】この方式はまず、画像データを所定の大き
さのブロックに分割し、分割されたブロック毎に直交変
換として2次元のDCT(離散コサイン変換)を行う。
次に各周波数成分に応じた線形量子化を行い、この量子
化された値に対しエントロピー(単位通報当りの情報
量)符号化としてハフマン符号化を行う。この時、直流
成分に関しては近傍ブロックの直流成分との差分値をハ
フマン符号化する。交流成分はジグザグスキャンと呼ば
れる低い周波数成分から高い周波数成分へのスキャンを
行い、無効(値が0)の成分の連続する個数とそれに続
く有効な成分の値とから2次元のハフマン符号化を行
う。
【0007】以上がこの方式の基本部分である。
【0008】この基本部分だけでは、エントロピー符号
化であるハフマン符号化を用いているために符号量が画
像毎に一定ではなくなってしまう。
【0009】そこで、符号量の制御の方法として次の方
式が提案されている。まず、前記基本部分の処理を行う
と同時に全画面の発生した総符号量を求める。この総符
号量と目的とする符号量とからDCT係数に対する目的
とする符号量に近づけるのに最適な量子化幅を予測す
る。次にこの量子化幅を用いて前記基本部分の量子化以
降の処理を繰り返す。そして、今回発生した総符号量
と、前回発生した総符号量と、目的とする符号量とから
再び目的の符号量に近づけるのに最適な量子化幅を予測
する。そして、この予測した量子化幅と前回の量子化幅
が一致し、かつ目的の符号量よりも今回発生した総符号
量の方が少ない場合には処理を終了し、符号を出力す
る。そうでない場合には新しい量子化幅を用いて処理を
繰り返す。
【0010】以上の動作を図10を参照して具体的に説
明すると、まず、(2)に示すように、1フレームの画
像データ(国際標準化案で提示されている1フレームの
画像は720×575画素)を所定の大きさのブロック
(例えば、8×8の画素よりなるブロックA,B,C
…)に分割し、(b)に示すように、この分割されたブ
ロック毎に直交変換として2次元のDCT(離散コサイ
ン変換)を行い、8×8のマトリックス上に順次格納す
る。画像データは二次元平面で眺めてみると、濃淡情報
の分布に基づく周波数情報である空間周波数を有してい
る。
【0011】従って、上記DCTを行うことにより、画
像データは直流成分DCと交流成分ACに変換され、8
×8のマトリックス上には原点位置(0,0位置)に直
流成分DCの値を示すデータが、そして、0,7位置に
は横軸方向の交流成分ACの最大周波数値を示すデータ
が、そして、7,0位置には縦軸方向の最大交流成分A
Cの周波数値を示すデータが、さらに7,7位置には斜
め方向の交流成分ACの最大周波数値を示すデータが、
それぞれ格納され、中間位置ではそれぞれの座標位置に
より関係付けられる方向における周波数データが、原点
側より順次高い周波数のものが出現する形で格納される
ことになる。
【0012】次にこのマトリックスにおける各座標位置
の格納データを、定められた量子化マトリックスと量子
化幅係数αを掛け合わせて得られる各周波数成分毎の量
子化幅により割ることにより、各周波数成分に応じた線
形量子化を行い(c)、この量子化された値に対しエン
トロピー符号化としてハフマン符号化を行う。この時、
直流成分DCに関しては近隣ブロックの直流成分との差
分値をグループ番号(付加ビット数)と付加ビットで表
現し、そのグループ番号をハフマン符号化し、得られた
符号語と付加ビットを合わせて符号化データとする(d
1,d2,e1,e2)。
【0013】交流成分ACに関しても有効である(値が
“0”でない)係数は、グループ番号と付加ビットで表
現する。
【0014】そのため、交流成分ACはジグザグスキャ
ンと呼ばれる低い周波数成分から高い周波数成分へのス
キャンを行い、無効(値が“0”)の成分の連続する個
数(零のラン数)と、それに続く有効な成分の値のグル
ープ番号とから2次元のハフマン符号化を行い、得られ
た符号語と付加ビットを合わせて符号化データとする。
【0015】ハフマン符号化はフレーム画像あたりの上
記直流成分DCおよび交流成分ACの各々のデータ分布
における発生頻度のピークのものを中心として、この中
心のものほど、データビットを少なくし、周辺になるほ
どビット数を多くするようにしてビット割り当てをした
形でデータを符号化して符号語を得ることで行う。
【0016】以上がこの方式の基本部分である。
【0017】この基本部分だけでは、エントロピー符号
化であるハフマン符号化を用いているために符号量が画
像毎に一定ではなくなってしまうから、符号量の制御の
方法として例えば、次のように処理する。
【0018】まず、暫定的な量子化幅係数αを用いて前
記基本部分の処理を行うと同時に、全画面の発生した総
符号量(総ビット数)を求める(g)。この総符号量
と、目的とする符号量と、用いた暫定的な量子化幅係数
αの3者とからDCT係数に対する目的とする符号量に
近づけるのに最適な量子化幅係数αをニュートン‐ラプ
ソン‐イタレーション(Newton Raphson Iteration)に
より予測する(h)。
【0019】次にこの量子化幅係数αを用い(i)、前
述の基本部分の量子化以降の処理を繰り返す。そして、
今回発生した総符号量と、前回発生した総符号量と、目
的とする符号量と、今回用いた量子化幅係数αと、前回
用いた量子化幅係数αとから、再び目的の符号量に近づ
けるのに最適な量子化幅係数αを予測する。そして、こ
の予測した量子化幅係数αと前回の量子化幅係数αが一
致し、かつ目的の符号量よりも今回発生した総符号量の
方が少ない場合には処理を終了し、今回発生した符号化
データを出力してメモリカードに記憶する(f)。そう
でない場合には量子化幅係数αを変更し、この新しい量
子化幅αを用いて処理を繰り返す。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、例え
ば、ディジタル電子スチルカメラなどにおいては、1枚
のメモリカードあるいは磁気ディスク装置あるいは1本
の磁気テープに記録できる画像の枚数が保証されていな
ければならず、そのため、画像データを圧縮して記録す
るが、高能率で画像データの圧縮が行える事が望まれ
る。これらはディジタル電子スチルカメラに限らず、他
のアプリケーションにおいても、少なからず要求される
項目である。
【0021】しかしながら、上述の国際標準案方式によ
る圧縮方法は、画像データをブロック化して離散コサイ
ン変換に代表されるような直交変換を行う符号化また
は、予測符号化(DPCM)等の画像情報圧縮により前
処理の圧縮を行い、その結果を得て量子化した後、その
量子化出力をハフマン符号化に代表される可変長符号化
によって符号化する方法であることから、このような可
変長符号化を組み合わせた画像データ圧縮方式は高能率
圧縮が可能であるものの、可変長符号化を用いているが
故に、実際に符号化を終了するまで、その符号量がわか
らず、符号量を制御することが難しいと云う問題があっ
た。
【0022】一方、限られた容量の記録媒体に記録でき
る画像の枚数を増やすため、データの圧縮率を変えるよ
うにする提案がある。例えば、特開昭63−28607
8号公報に見られるように、データをそのまま記録する
モードと、圧縮して記録するモードとを切換えて使用す
ることが、また、特開平1−292987号公報には圧
縮の度合いを切換えることで、複数の画質モードを選択
できるようにすることが提案されている。これは一般
に、圧縮率を高くすると画質は低下することになるた
め、記録枚数を優先するモード(低画質モード)と、画
質を重視する高画質モードをユーザの希望や用途に応
じ、選択切換えできるようにするためである。
【0023】これらの先行技術では複数の画質モードに
応じた圧縮率の圧縮回路を各別に設け、これらを画質モ
ードに応じて切換えて使用するようにしているため、ハ
ードウェア構成が複雑となり、カメラの大型化、コスト
アップをもたらす。また、これらの先行例は無圧縮モー
ドと、圧縮モードとの切換え、あるいは数種類の固定圧
縮率の中のいずれかを選択するものであり、圧縮率を任
意の値に設定することや、一定容量の記録媒体に記録で
きる画像枚数をユーザの希望に応じて自由に設定できる
ようにすることは出来ない。
【0024】また、高画質モードと低画質モードを選択
できたとしても、このモードの違いにより、当然、画像
当り(コマ当り)の目的符号量も変り、これに合わせて
圧縮符号化する必要が生じるが、画像はその内容によ
り、空間周波数の分布状態がまちまちであり、従って、
選択した圧縮率が固定では、空間周波数の分布状態に応
じて圧縮後のデータ容量がまちまちになってしまう。こ
れでは一定容量の記録媒体に対し、何枚記録できるかは
常に不確定であり、実際に記録して見ないとわからない
ことから、使い勝手の上で極めて不都合である。
【0025】また、人間が知覚する色信号の帯域幅は輝
度信号のそれに比較して狭くても良いので、画像の輝度
信号成分と色信号成分を分離して量子化幅を制御し、色
信号の情報量を輝度信号に比較して少なくすることによ
り、再生画像の画質を劣化させることなく、情報量を削
減することが可能となる。
【0026】しかしながら、上記従来の技術において
は、輝度信号と色信号を区別せずに量子化幅αを制御し
ていたため、情報量が多くなるという問題があった。
【0027】また、情報量が多くなると情報の記録に時
間がかかり、特に速写性の要求される電子カメラにおい
ては、問題となっていた。また、1コマ当たりの画像の
情報量が多くなると、記録媒体に記録可能な撮影可能枚
数が少なくなるという問題もあった。また、電子カメラ
等の圧縮された画像信号を復号化して再生表示する機能
を有する装置では、再生画像の画質が劣化したり、再生
に時間がかかるという問題があった。
【0028】そこで、本発明の目的とするところは、所
望の画質モードを選択でき、しかも、その選択した画質
モードに応じた一定枚数分の画像を撮影記録できるよう
にしたり、あるいは所望の枚数分の画像を設定してその
枚数分、撮影記録できるようにすると共に、圧縮率別の
ハードウェアを用意することなく、共通のハードウェア
で各種圧縮率に対応できるようにし、且つ、設定圧縮率
の範囲内で最良の画質が維持できるようにした電子カメ
ラ再生装置を提供することにある。
【0029】また、本発明の目的は、記録媒体に記録さ
れた可変長符号化画像信号データを復号化し、この復号
化されたデータを上記記録媒体から読み出された輝度信
号成分と色信号成分に対する各々の量子化幅の情報に基
づいて逆量子化することにより、色信号成分の帯域幅が
輝度信号成分の帯域幅に比較して狭くとも、画質を損な
うことなく、迅速な再生ができるようにした電子カメラ
再生装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、記録媒体
に記録された可変長符号化画像信号データとこの画像信
号データに関連する輝度信号成分と色信号成分に対応す
る各々の量子化幅の情報を読出す読取手段と、この読み
出された可変長符号化画像信号データを復号化する復号
化手段と、この復号化手段により復号化されたデータを
前記読取手段により読み出された輝度信号成分と色信号
成分に対する各々の量子化幅の情報に基づいて当該量子
化幅で逆量子化する逆量子化手段と、この逆量子化され
たデータを画像信号に変換して出力する出力手段とを具
備し、この出力手段からの出力画像信号を画像の再生信
号として得るようにしたことを特徴とする。
【0031】すなわち、本発明は、所望の圧縮率で撮影
画像を記録することのできる電子カメラ装置により撮影
され、記録媒体に記録された可変長符号化画像信号デー
タを再生するための再生機に関するものであり、記録媒
体には可変長符号化画像信号データとこの画像信号デー
タに関連する輝度信号成分と色信号成分に対応する各々
の量子化幅の情報が記録されているので、読取手段は記
録媒体が装着されることによりこれらのデータを読出す
ことができる。読取手段により読み出しを行うと、読み
出された可変長符号化画像信号データは復号化手段によ
り復号化され、逆量子化手段に与えられる。一方、読取
手段により読み出された量子化幅の情報は逆量子化手段
に与えられるので、逆量子化手段は復号化手段により復
号化されたデータを前記読取手段により読み出された量
子化幅の情報に基づいて当該量子化幅で逆量子化する。
そして、出力手段はこの逆量子化されたデータを画像信
号に変換して出力する。この出力手段からの出力画像信
号を画像の再生信号として得、モニタ装置に表示して画
像として再生したり、プリンタ等でプリントして出力さ
せることにより鑑賞することができるようになる。
【0032】このように、符号化された映像信号の再生
時には撮影時に使用した前記最適量子化幅を用いて復号
することにより、所望の圧縮率での符号化を圧縮率別に
ハードウェアを設けることなく、共通の一つのハードウ
ェアで実現でき、同様に所望の圧縮率で符号化された画
像データの復号化を圧縮率別にハードウェアを設けるこ
となく、共通の一つのハードウェアで実現できる。
【0033】特に本発明では、記録媒体に記録された可
変長符号化画像信号データを復号化し、この復号化され
たデータを上記記録媒体から読み出された輝度信号成分
と色信号成分に対する各々の量子化幅の情報に基づいて
逆量子化するようにしている。このことにより、色信号
成分の帯域幅が輝度信号成分のそれに比較して狭くても
画質を損なうことなく、迅速な再生が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0035】初めに本発明を分かり易くするために、本
発明の基本的な考え方を説明しておく。
【0036】すなわち、本発明は最初に1パス目の処理
として目的符号量に対応して計算した暫定的な量子化幅
係数により補正した量子化幅で量子化および符号化して
統計処理を行い、最適な量子化幅係数を予測すると共
に、ブロック毎の割り当て符号量を決定する。そして、
2パス目の処理として最終的な符号化処理を実施する。
2パス目は各ブロック毎に前記予測量子化幅係数により
量子化すると共に、これを符号化し、この符号化により
得られる符号量がブロック毎の割り当て符号量に収まる
ように、そのブロックについて符号量を監視しながら、
符号化を進め、EOB符号を含め、符号量が割当符号量
に達するとそのブロックの符号化は終了させて次のブロ
ックの符号化に移って行く。また、目的符号量に近い値
に早く収束させるために、低画質モード、高画質モード
と云った撮影モードにより変わる目的の符号量に応じ、
その符号量に近い符号量が得られる標準の量子化幅係数
αを上記第1パス目に与える機能を前記統計処理の系統
に予め持たせると云うものである。
【0037】統計処理は最適な量子化幅を予測すると共
に、ブロック毎の割当符号量を決定するものであり、最
適符号量の予測は符号化を行った時の符号量を粗く(し
かし、かなりの精度で)近付けるための処理である。こ
の最適化された量子幅を符号化処理で使用することで、
ほぼ目的の符号量に近付けることができるようになる。
そして、この時点で符号量が目的の符号量内に収まれ
ば、この処理だけで十分であるあ、1画像のデータ量の
上限が規定されている場合、1バイトはおろか、1ビッ
トでも目的の符号量をオーバーすることはできない。そ
こで、オーバーしたときの処理法が必要になる。
【0038】それがブロック毎の割当符号量の決定であ
る。これは符号化を行ったときの符号量が目的の符号量
をオーバーした時の微調整に使用するデータを決定する
ためのものである。実際に符号化処理を統計処理におい
て予測した最適な量子化幅で実行した結果を見て、オー
バーしなかったときは終了、オーバーしたときは後処理
と云うようにしても良いが、その場合、統計処理、符号
化処理、後処理の3ステップとなり、時間がかかるばか
りでなく、符号化処理と後処理の間で、長さの異なる符
号を繋ぎ合わせることなく区別がつくように、保存する
必要が生じ、問題であるから、符号化処理の最中に微調
整を行うことが望まれる。しかし、無闇にデータを落と
すことは画質の劣化に繋がるので、避けねばならない。
【0039】そこで、本発明では各ブロックの高い周波
数成分から省略して行くことにより、視覚的な影響を最
小にする。ところが、符号量がオーバーするか否かは符
号化を終了してみないと分からないので、本発明ではそ
れを各ブロック毎に判定させるようにする。
【0040】これは最適な量子化幅あるいは統計処理に
より予測された量子化幅を用いて符号化を行ったときに
発生する各ブロックの符号量において、各ブロックの発
生符号量の相対的な比率が、あまり変化しないことが実
験により確認されているので、これを利用する。すなわ
ち、統計処理で暫定的な量子化幅(これは目的の符号量
によって、ごく粗く予測することが可能)を用いて、符
号化を行うときに、「これを越えない限り画像全体の符
号量が目的の符号量を越えない」と云うガイドラインを
設定し、このガイドラインを各ブロック毎の割当符号量
として監視の基準にする。
【0041】このようにして量子化幅と各ブロック毎の
割当符号量が決まったならば、これに基づき符号化処理
を実施し、最終的な符号化を行う。
【0042】本発明においては、符号化処理では各ブロ
ックにおいて、そのブロックの割当符号量を越えないよ
うに各ブロックにおいて符号化を打ち切る。
【0043】各ブロックの符号化において、低い周波数
成分から高い周波数成分に順次、符号化しながら、ガイ
ドライン(割当符号量)を越えないようにチェックす
る。オーバーしなかったブロックは問題なく符号化を終
了、つまりEOBを出力する。途中でオーバーしてしま
ったブロックはそれ以上の高周波成分は符号化せず、符
号化を打ち切り、そのブロックの符号化を終了、つま
り、EOBを出力する。このとき、EOBもハフマン符
号の一つであるから、EOBも含めて割当符号量内に収
まるようにする必要がある。
【0044】このようにして、例えば、半数のブロック
は打ち切る必要無く符号化を終了し、残りの半数はごく
高い周波数の一部が省略されて、符号化を終了したとす
れば、欠落する情報は極めてわずかであり、しかも、欠
落するのは視覚的に影響の少ない高い周波数成分の情報
にとどめることができる。そして、この方式により統計
処理、符号化処理の2ステップで必ず符号化を終了する
ことができ、総符号量を規定値内に収めることができる
ようになり、しかも、指定される総符号量の範囲内で画
質の劣化も抑制できる。
【0045】以上の原理を用いた装置の実施例を説明す
る。
【0046】図1に本発明による画像データの符号化装
置を内蔵したディジタル電子カメラの一実施例を、ま
た、図2には本発明による画像データの符号化装置の構
成をそれぞれブロック図で示す。なお、本発明とは直接
関係のないディジタル電子カメラの機構は図示および説
明を省略する。
【0047】図1に示すように、電子カメラ本体1は画
像を撮像する撮像系40と、この撮影系40の出力に対
し、所定の信号処理を行う信号処理回路60と、前処
理、線形量子化、エントロピー符号化機能を持ち、前記
信号処理回路60の出力を圧縮符号化して出力する符号
化回路80と、この符号化回路80により符号化された
画像データおよび量子化幅(またはこれに対応した情
報)を記録媒体71に記録する記録系70と、所望のデ
ータ圧縮率を設定入力するスイッチ30、システム全体
の制御を司る制御回路90とから構成される。
【0048】電子カメラ本体1の操作部には画像の圧縮
率を設定するスイッチ30が設けられており、スイッチ
30は制御回路90に接続されている。
【0049】前記撮像系40は光学増を結像するための
レンズ40aと、CCD等の撮像素子40bとを備え
る。前記信号処理回路60は増幅およびノイズ除去等を
行うアンプ60aと、アナログ信号をディジタル信号に
変換A/D変換器60bと、RAM等からなるバッファ
メモリ60cと、色信号形成等をプロセス回路60dと
を備える。符号化回路80は例えば、DCT(離散コサ
イン変換)等の直交変換を行う直交変換部4、線形量子
化を行う量子化部6、エントロピー符号化としてハフマ
ン符号化を行うハフマン符号化部8を備え、更に量子化
幅予測部12、符号量算出部14、符号量割当部20、
符号打切り部16および符号化回路80内の制御処理を
行う制御回路18とを有している。
【0050】前記記録系70はインタフェース回路70
aおよび記録媒体として用いられるICメモリを内蔵し
たメモリカード71とからなる。メモリカード71は電
子カメラ本体1に対し、着脱可能となっている。制御回
路90はマイクロプロセッサ(MPU)により実現され
ている。
【0051】図6に電子カメラ本体1の外観を斜視図で
示す。図は双眼鏡形のものを示しており、48は操作部
におけるLCD(液晶)表示器、30は操作部における
スイッチ30であり、その他、テレ・ワイド切り替えス
イッチ、シャッタ操作ボタン50等が設けられている。
また、49はファインダである。LCD表示器48には
制御回路90の制御のもとに撮影モードやコマ数、日
付、時間等、種々の値や状態が表示される。本電子カメ
ラでは、電子カメラ本体1の操作部に設けられたスイッ
チ30を操作することにより、画像の圧縮率を所望の値
に設定することができる。すなわち、制御回路90には
予め標準的な複数種の圧縮率情報が設定されており、こ
れがスイッチ30の操作により設定される撮影可能枚数
の値をもとに、装着されているメモリカード(記録媒
体)の容量から、適用する圧縮率を求め、この求めた圧
縮率の値およびメモリカードに記録できる画像の枚数の
値に換算されて操作部のLCD表示器48に表示させる
ようになっている。そして、ユーザがスイッチ30を押
すと、制御回路90はスイッチ30が押される毎に、こ
れらの値を変更する。
【0052】ユーザは表示される変更値を見ながら、所
望の値のところでスイッチ30を押すのを止めることに
より、制御回路90はその時点での撮影可能画像枚数指
示値に対応する指示圧縮率を設定するようになってい
る。これは圧縮率に応じて定まる画像当り標準的な総符
号量を制御回路90が求めてこれを目的符号量設定情報
として符号化回路80に与えることで行う。また、トリ
ガスイッチであるシャッタ操作ボタン50が押されるこ
とにより、シャッタ機能が作動して撮像素子40bには
被写体像が結像され、撮像素子40bにはこの像に対応
して電荷像が蓄積されるので、これを読出し制御するこ
とで撮像素子40bから映像信号を得ることができる。
これらの制御も制御回路90が司る。
【0053】図1における撮像系40は、撮影レンズ4
0aやCCD等の撮像デバイスよりなる撮像素子40b
を有し、前記撮影レンズ40aにより撮像素子40b上
に結像された光学像を画像信号に変換して信号処理回路
60に出力するものである。信号処理回路60は増幅器
60a、A/D変換器60b、バッファメモリ60c、
プロセス回路60dが含まれ、このプロセス回路60d
により前記撮像素子40bにより得られた画像信号をカ
ラー信号のY、R−Y(以下、このR−YをCr(クロ
マレッド)と略称する)、B−Y(以下、このB−Yを
Cb(クロマブルー)と略称する)の各色成分に分離さ
せると共にガンマ補正やホワイトバランス処理等を行う
ようにしてある。
【0054】A/D変換器60bによりディジタル変換
された撮像系40の出力映像信号は、例えば、1フレー
ム分の容量を有するバッファメモリ60cに画像データ
を格納され、読み出されてプロセス回路60dに与えら
れることにより、輝度信号系であるY成分とクロマ
(C:色差信号)系であるCr、Cb成分に分離され
る。バッファメモリ60cに格納された画像データは、
例えば最初に輝度系の信号について統計処理を行うべ
く、プロセス回路によりプロセス処理して画像信号のY
成分データを得、これを符号化回路80に与えて、Y成
分データについての符号化処理を行い、該処理が終った
ならば、次にクロマ系Cr、Cb成分のデータについて
プロセス処理した後、符号化処理を行う。
【0055】信号処理回路60にはブロック化機能があ
り、バッファメモリ60cより読み出され、プロセス処
理されて得たY成分用およびCr、Cb成分用の画像デ
ータ(1フレーム分、若しくは1フィールド分)を、所
定の大きさのブロックに分割するブロック化処理を行う
ことができる。ここでは例としてブロックサイズは8×
8とするが、このブロックサイズは8×8に限るもので
はなく、またYとC(クロマ系)でブロックサイズが異
なっても良い。
【0056】本実施例では、輝度系Yのデータを読出し
てブロック化し、後段の処理系に与えて、このY成分デ
ータについての統計処理を行わせ、該統計処理が終了し
たならば、次にクロマ系Cr、Cb成分のデータについ
ての統計処理に入るべく該クロマ系Cr、Cb成分のデ
ータの読出しとブロック化に入る。クロマ系のブロック
化は、最初にCr成分の画像データについてすべてのブ
ロック化を行い、その後に、Cb成分の画像データをブ
ロック化して行くものとする。
【0057】符号化回路80は図2に示す構成となって
いる。図2において、4は直交変換回路であり、ブロッ
ク化されて入力された各画像データを受けて、この画像
データに対し、各ブロック毎に2次元の直交変換を行う
ものである。直交変換としてはコサイン変換、サイン変
換、フーリエ変換、アダマール変換などが使用できる。
直交変換を行うことにより、変換係数としての画像デー
タが得られる。
【0058】6は量子化回路であり、前記直交変換回路
4の出力する画像データ(変換係数)を受けると、第1
回目の量子化では予め設定された各周波数成分毎の量子
化幅に、撮影モードに応じて予め設定された量子化幅係
数αを掛けて補正した量子化幅で、変換係数の量子化を
行い、第2回目では前回の処理により決定された最適量
子化幅係数αを用いて量子化を行う構成としてある。
【0059】8はエントロピー符号化回路であり、エン
トロピー符号化回路8は量子化回路6の出力する前記量
子化出力をエントロピー符号化(可変長符号化)するも
のである。エントロピー符号化としてはハフマン符号
化、算術符号化などを利用する。エントロピー符号化は
可変長符号化であるために、ブロック毎の符号量画像全
体の符号量などが画像毎に変化する。どのようなエント
ロピー符号化を用いるかは本発明とは直接関係が無い
が、ここではハフマン符号化を使用した一例を示すこと
とする。
【0060】エントロピー符号化回路8では、入力した
量子化された変換係数を図9に示す順序でスキャンする
ジグザグ・スキャンと呼ばれる手法により、低い周波数
成分から高い周波数成分への走査を行う。図9の走査順
序の1番目の直流成分[DC]のデータは、直前にエン
トロピー符号化を行ったブロックの直流成分との差分値
をハフマン符号化して出力する。交流成分[AC]につ
いては図9の走査順序の2番目から64番目まで順番に
変換係数を見て行き、変換係数が0でない(すなわち、
(ゼロラン)とその有効係数の値とで2次元のハフマン
符号化して出力すると云った動作をする。また、ある係
数以降64番目の係数まで連続して無効係数が続く場合
はブロックの終りを示すEOB(エンド・オブ・ブロッ
ク)の符号を出力する。また、打ち切り信号が入力され
ると符号化を終了し、EOBを付加して出力する。そし
て、そのブロックについて発生した符号量を符号量算出
回路14に出力する。
【0061】符号量算出回路14は入力されたY、C
r、Cb各成分の各ブロック毎の符号量とその符号量の
積算を行い、Y、Cr、Cb各成分の各ブロック毎の符
号量データの収集と画像全体の符号量を計算し、この画
像全体の符号量のデータについて量子化幅予測回路12
に出力すると共に、各ブロック毎の符号量と画像全体の
符号量のデータについては符号量割当て回路20に出力
する構成としてある。
【0062】量子化幅予測回路12は第1パス目の開始
にあたり制御回路18から目的とする符号量の情報を受
け、この符号量情報から後述する式(1)の関係を用い
て量子化幅係数αの初期値を設定し、量子化回路6に出
力し、第2パス目の開始に先駆けて、符号量算出回路1
4から入力された画像全体の符号量と、1画像当りの許
容される最大のデータ量である目標符号量とから、例え
ば、ニュートン‐ラプソン法(Newton-Raphson iteratio
n)を用いて、目標符号量に近づけるのに最適な量子化幅
係数αを、今回実際に使用した量子化幅係数を勘案して
予測するものである。
【0063】また、符号量割当回路20は符号量算出回
路14から入力された各ブロック毎の画像データの符号
量、画像全体の符号量と、目標符号量とから各ブロック
の割当符号量を算出して符号化打切回路16に出力する
ものである。
【0064】ここでの算出の方法は、例えば、各ブロッ
ク毎の符号量の比で、目標符号量を比例配分する。例え
ば、あるブロックの符号量と目標符号量との乗算を行
い、それを画像全体の符号量で割ることにより、そのブ
ロックの割当符号量を決定する。この結果、各ブロック
の割り当て符号量は、そのブロックでの実際の符号量に
応じて符号量が少ない場合はそれ相応に、間に合う程度
に抑えられ、符号量の多いブロックにはそれ相応に多く
割り当てられる。
【0065】符号量割当回路20は符号量情報テーブル
とブロック割当符号量データテーブルとを持ち、符号量
情報テーブルにおける該当ブロック位置の符号量情報を
符号量算出回路14から入力された符号量情報に書き替
える一方、符号量算出回路14から入力された各ブロッ
ク毎の符号量および画像全体の符号量と、目標符号量と
から各ブロックの割当符号量を算出し、この算出した各
ブロックの割当符号量のデータをブロック割当符号量デ
ータテーブルに格納する。
【0066】このブロック割当符号量データテーブルの
各ブロック別割当符号量は、該当のブロックがエントロ
ピー符号化処理される際に符号化打切回路16に与えら
れる。
【0067】符号化打切回路16は、符号量割当回路2
0からの各ブロックの符号量を割当符号量から減算し、
割当符号量の残りが送出すべき符号量とEOBの符号と
の合計符号量より小さくなった場合には打切り信号を出
力してエントロピー符号化回路8に与え、そのブロック
の符号化を終了させると云った機能を有する。
【0068】従って、符号化打切回路16ではこの割当
符号量を参照し、入力された送出すべき符号量およびE
OBの符号を送出しても割当符号量を越えない場合は、
打切りは行われず、そのブロックは符号化を終了し、該
ブロックの割当符号量から送出すべき符号量を減ずると
云った動作を行う。
【0069】10は符号出力回路であり、この符号出力
回路10はエントロピー符号化回路8より入力される可
変長の符号をつなぎ合わせるもので、この繋ぎ合わせた
符号をメモリカード等の記録媒体にて構成される記録系
22に書き込むように機能する。
【0070】本システムでは撮影モードに応じて定めた
所期時用標準の量子化幅係数αを使用して最初に統計処
理を行い(第1パス)、最適化するに必要なブロック毎
の情報量や画像全体の情報量等を調べ、次にこの統計処
理により得た情報をもとに最適化された符号化を行うた
めの処理に入る(第2パス)。
【0071】そのため、最初に画像のブロック化、この
ブロック化された画像の要素に対する標準の量子化幅係
数αを使用しての量子化、量子化により得られた変換係
数のエントロピー符号化、そして、このエントロピー符
号化により得られる各ブロックの各要素の符号量情報と
画像全体の符号量情報より最適な符号量にするに必要な
符号化幅係数αの予測、各ブロックの各要素における割
当符号量の決定、これらに基づく処理対象画像への最適
符号化の処理モードへの移行、この処理モードの実施に
おける画像のブロック化処理、このブロック化された画
像の要素に対する前記予測量子化幅αを使用しても量子
化処理、この量子化により得られた変換係数のエントロ
ピー符号化、処理対象画像の全符号の保存のための出力
処理と云った手順を実施させるが、その全体の制御管理
は図における制御回路18により行うようにしてあるも
のとする。尚、制御回路18のような機能はマイクロプ
ロセッサ(CPU)を使用することで容易に実現でき
る。
【0072】以上が符号化回路80の構成である。
【0073】図1における記録系70はインタフェース
回路70aとこれに着脱自在に接続される記録媒体71
があり、符号化回路80により符号化されて出力された
画像データおよび量子化幅(またはこれに対応した情
報)はインタフェース回路70aを介して記録媒体71
に記録される構成となっている。
【0074】次に上記構成の本装置の作用を説明する
が、全体の概要を掴むために初めに動作遷移図である図
8を参照して基本動作を説明する。カメラの使用者がカ
メラを使用するにあたり、スイッチ30を操作して所望
とする撮影可能枚数を設定する。これにより設定撮影可
能枚数に応じ、制御回路90が最適符号量を求めて、こ
れを目的符号量設定情報として符号化回路80に与える
ことで実現している。
【0075】このようにして撮影可能枚数が設定され
る。
【0076】次に撮影を行うと、撮影レンズ40aの後
方に置かれた撮像素子40b上に、複写体像が光学像と
して結像される。そして、この撮像素子40bはこの結
像された光学像を画像信号に変換して出力する。撮像素
子40bにより得られた画像信号は信号処理回路60入
力されここで信号処理回路60内の増幅回路60aによ
る増幅、A/D変換器60bによるA/D変換後、バッ
ファメモリ60cに一時保持される。そして、この後、
バッファメモリ60cから読み出され、信号処理回路6
0内のプロセス回路60dにより帯域補正、色信号形成
等の処理が行われる。
【0077】ここで、後の符号化処理がY(輝度)、C
r、Cb(いずれも色差)信号の順序で行われるため、
色信号形成もこれに合わせて行われる。すなわち、画像
信号は8×8のマトリックスでブロック化されて読み出
され、プロセス回路ではこのブロック化された画像信号
データからY成分、Cr成分(R−Y成分)、Cb成分
(B−Y成分)の順序でこれら各色成分の信号を分離さ
せると共にガンマ補正やホワイトバランス処理等を行
う。
【0078】プロセス回路60dにより分離された8×
8のマトリックスのブロック化画像信号における各色成
分の画像信号データは、符号化回路80に入力される。
これにより、1フレーム分(若しくは1フィールド分)
の画像データは、上記所定の大きさのブロックに分割さ
れて順次、符号化回路80に入力される。尚、プロセス
回路60dにより処理された各色成分の画像信号は、
Y、Cr、Cbの各成分別にバッファメモリに記憶させ
後の処理において、読出して使用するようにしても良
い。
【0079】本実施例では、信号処理回路60からは1
画像分の画像信号データにおけるY成分(輝度成分)に
ついて出力が行われ、これについての後段での処理(統
計処理)が済んだ後に、次にCr成分の画像データにつ
いて総てのブロック化を行い、これについて後段での統
計処理を行い、その後に、Cb成分の画像をブロック化
し、これについて後段での統計処理を行ってゆくと云っ
た処理を行う。
【0080】符号化回路80では信号処理回路60より
受けたこの入力データを直交変換回路4に与える。
【0081】すると、直交変換回路4はブロック化され
た入力画像データ(以下、ブロック画像データと呼ぶ)
に対し、各ブロック毎に例えば、離散コサイン変換(D
CT)による2次元の直交変換を行う。このDCTによ
る直交変換と云うのは、ある波形を周波数成分に分割
し、これを入力サンプル数と同じ数だけのコサイン波で
表現すると云った処理である。
【0082】そして、直交変換されたブロック画像デー
タ(変換係数)は図示しないバッファメモリにおける8
×8のマトリックス上の対応する周波数成分位置に格納
され(マトリックスの原点位置が直流成分、それ以外は
交流成分で原点位置より離れるに従い周波数が高くなる
ような関係を持たせたマトリックスに格納する)、これ
が量子化回路6に入力される。
【0083】すると量子化回路6はこのブロック画像デ
ータ(変換係数)に対して1パス目(第1回目)の量子
化を行う。この第1回目の量子化では、予め設定された
各周波数成分毎(周波数成分はブロックの各マトリック
ス位置に対応して決まる)の量子化マトリックスに対
し、撮影に当り使用者が設定した画質設定値に対応して
制御回路18より与えられる標準(暫定)の量子化幅係
数αを掛けた量子化幅で、変換係数の量子化を行う(図
8(h1,i))。この時の量子化マトリックスは輝度
系とクロマ系とでそれぞれで同じであっても良いが、そ
れぞれに適した量子化マトリックスを設定する方が良い
結果が得られる。
【0084】量子化されたブロック画像データ(変換係
数)はエントロピー符号化回路8に入力され、ここで、
エントロピー符号化される。エントロピー符号化回路8
では量子化されて入力された変換係数を図8に示す順序
でジグザグスキャンし、低い周波数成分から高い周波数
成分への走査を行う。すなわち、変換係数は8×8のマ
トリックスに周波数成分に対応して格納されており、原
点に近いほど、周波数が低いので、ジグザグスキャンす
ることで低い周波数成分から高い周波数成分へと走査で
きる。
【0085】図9の走査順序の1番目のデータは直流成
分DCであるから、この直流成分DCのデータは直前に
エントロピー符号化を行ったブロック(一つ前のブロッ
ク)の直流成分DCとの差分値diff−DCをハフマ
ン符号化する(図8(d1),(e1))。
【0086】交流成分ACについては図9の走査順序の
2番目から64番目まで順番に変換係数を見て行き、変
換係数が0でない(すなわち、有効な)係数が出て来た
らその直前に存在した連続した0(無効)の係数の数
(ゼロラン)とその有効係数の値とで2次元のハフマン
符号化を行う((d2),(e2))。
【0087】また、エントロピー符号化回路8は、ある
係数以降64番目の係数まで連続して無効係数が続く場
合はブロックの終りを示すEOB(エンド・オブ・ブロ
ック)の符号を与える。
【0088】そして、そのブロックについて発生した符
号量を符号量算出回路14に出力する(g1)。そし
て、1画像分の全ブロックについてこのような処理を実
行して行く。
【0089】Y成分についてのこのような処理が終了し
たなら、次にCr、Cb各成分についても同様の処理を
行う。
【0090】一方、符号量算出回路14は入力された
Y、Cr、Cb各成分の1画像全体の符号量の計算をす
べく、Y、Cr、Cb各成文の各ブロック毎の符号量の
算出とその符号量の積算を行う(g2)と共に、各ブロ
ック毎の符号量のデータは符号量割当回路20に出力す
る。符号量割当回路20はこの各ブロック毎の符号量の
データを符号量情報テーブルにおける該当ブロック位置
の符号量情報として書き込む。
【0091】そして、1画像分の全ブロックについて
Y、Cr、Cb各成分すべてのハフマン符号化処理を終
了した段階で、制御回路18の制御により符号量算出回
路14は、この画像全体の符号量のデータを量子化幅予
測回路12に出力すると共に、画像全体の符号量のデー
タを、符号量割当回路20に出力する。
【0092】量子化幅予測回路12はこの入力された画
像全体の符号量データと目標符号量データとから、例え
ば、Newton-Raphson iteration法を用いて、目標符号量
の値に近づけるのに最適な量子化幅係数αを、実際に使
用した量子化幅係数に基づいて予測する(図8(h
2))。
【0093】また、符号量割当回路20は入力された各
ブロック毎の符号量および画像全体の符号量と、目標符
号量とから各ブロックの割当符号量を、例えば各ブロッ
ク毎の符号量の比で、目標符号量を比例配分する等して
算出する(図8(h3))。具体的には、あるブロック
の割当符号量を決定するには、当該ブロックの符号量と
目標符号量とを乗算し、それを画像全体の符号量で割る
ことで得た結果を以て割当符号量とする。そして、この
算出した各ブロックの割当符号量のデータをブロック割
当符号量データテーブルに格納する。このブロック割当
符号量データテーブルの各ブロック別割当符号量のデー
タは、該当のブロックがエントロピー符号化処理される
際に符号化打切回路16に与えられることになる。
【0094】以上で1パス目、すなわち、各ブロックの
割当符号量の決定及び量子化幅の最適化のための第1の
符号化(統計処理)を終了する。
【0095】次に2パス目の処理に入る。この2パス目
の処理は第2の符号化(符号化処理)であり、目標符号
量に収まるように最適化した最終の符号化出力を得る処
理である。
【0096】この処理はまず、Y成分について行い、Y
成分が終了した後にCr,Cb成分について行うように
する。すなわち、初めに画像データをブロック化して読
出し、これについて抽出されて信号処理回路60から出
力されるY成分(輝度系)の画像信号データを符号化回
路80に入力する(a)。入力されたブロック化画像デ
ータは符号化回路80における直交変換回路4に入力さ
れ、再び直交変換が行われる(b)。この直交変換によ
り得られた変換係数は量子化回路6に入力され、再び量
子化が行われる(c)。ただし、このとき使用する量子
化幅係数αは前回のパスにおいて量子化幅予測回路12
が算出した予測の最適量子化幅係数αである。
【0097】次に、量子化したブロック画像データの変
換係数は、エントロピー符号化回路8に入力される。エ
ントロピー符号化は統計処理の時と同様、このブロック
画像データの変換計数のうち、まず直流成分DCの差分
値diff−DCをハフマン符号化し((d1),(e
1))、次に交流成分ACをジグザグスキャンで順次デ
ータ抽出して2次元のハフマン符号化を行う((d
2),(e2))。
【0098】但し、一つの要素(マトリックス内の一つ
の位置)に対するハフマン符号が発生する度に符号量割
当回路20から、そのブロック割当符号量データテーブ
ルに格納されている当該要素位置における送出すべき割
当符号量を符号化打切回路16に出力し、一方、符号化
打切回路16ではこの各ブロックの割当符号量をもと
に、送出すべき符号量およびEOBの符号を送出しても
割当符号量を越えない場合は、打切り信号を発生せず、
該ブロックの割当符号量から送出すべき符号量を減ずる
処理を行う。そして、送出すべき該ブロックの符号量と
EOBの符号との合計の符号量が割当符号量の残りの符
号量を上まわったときに、符号化打切回路16はエント
ロピー符号化回路8に打切り信号を出力し、そのブロッ
クのハフマン符号化を終了させる。そして、エントロピ
ー符号化回路8は量子化回路6より得られる次のブロッ
クのハフマン符号化に移る。
【0099】従って、エントロピー符号化回路8は符号
化打切回路16から打切り信号が入力されるまで、変換
されたハフマン符号を、符号出力回路10に出力し、打
切り信号発生前にマトリックスのすべての要素に対する
ハフマン符号化が終わった場合には、エントロピー符号
化回路8はEOBの符号を符号出力回路10に出力す
る。また、エントロピー符号化回路8はマトリックスの
全ての要素に対するハフマン符号化が終わらない前に打
切り信号が入力された場合には、その符号の代りにEO
Bの符号を符号出力回路10に出力することになる。
【0100】符号出力回路10ではこの符号化されたデ
ータを一時記憶する。
【0101】そして、エントロピー符号化回路8は量子
化回路6より得られる次のブロックのハフマン符号化に
移る。
【0102】このような動作を繰り返し、1画面の画像
の全ブロックの処理が終わることにより、全ての符号化
処理を終了する。Y成分に対するこのような処理が終る
と、次に同様の手法でクロマ系成分(Cr、Cb)の処
理に入る。クロマ系成分の処理でも量子化回路6は前回
のパスにおいて量子化幅予測回路12が算出した予測の
最適量子化幅係数αを使用する。
【0103】クロマ系成分について、1画面分の画像の
全ブロックの上記2パス目の処理が終わることにより、
全ての符号化処理を終了する。
【0104】この終了にあたり、符号出力回路10では
最適化された1画像分のハフマン符号化データを記録系
22に出力し、記録系22におけるメモリカードと云っ
た記憶媒体71に書き込む(f)。これは、符号出力回
路10の出力により行われるが、符号出力回路10はエ
ントロピー符号化回路8からの可変長のハフマン符号を
つなぎ合わせ、記憶媒体71であるメモリカードに与え
ることで書き込む。
【0105】この符号出力回路10の出力による記憶媒
体71への書き込みは、第2パスが終わった段階でまと
めて行うようにしても良いが、第1パスが終わって第2
パス実行に入った段階で可変長のハフマン符号をつなぎ
合わせた結果が、1バイト若しくは数バイト単位、まと
まり次第、順次、記憶媒体へ書き込むようにしても良
い。
【0106】尚、これに先立ち、符号出力回路10では
符号化に使用した最適量子化幅係数αを当該符号化した
画像の記憶データにおけるヘッダ部分に書き込み、再生
時の手掛かりとして残す。
【0107】以上、本装置においては、撮影可能枚数の
選択により画質を指定すると、この指定画質に応じて定
まる記録画像一枚当りの総符号量(目的符号量)に対応
して暫定的な量子化幅を算出し、この算出した暫定的な
量子化幅を用いて統計処理を行い(第1パス目)、その
データをもとに最適な量子化幅を予測して次にこの予測
した量子化幅を使用し、量子化してこれを符号化し、最
終的な符号化画像データを得るようにする(第2パス)
ことにより、符号化処理における符号量を目標の符号量
に近づけると共に、更に各ブロックの割当符号量を決定
することにより符号化処理における符号量が目的の符号
量を越えないようにしたものであり、この点が本発明の
重要なポイントとなっている。
【0108】よって、本実施例で使用したブロックサイ
ズ、直交変換の種類、エントロピー符号化の種類などに
限定されるものではない。また画像データバッファメモ
リは直交変換回路4と量子化回路6との間にあっても良
く、むしろこのようにすると符号化処理におけるブロッ
ク化と直交変換のプロセスを省略できる。しかし、精度
を保つためには、この場合、画像メモリのサイズが大き
くなる。また、プロセス処理もA/D変換の前に行うよ
うにし、その後にディジタル化するようにしても構わな
い。また、本装置においては、ブロック毎のエントロピ
ー符号化を低周波成分側より行い、画質への影響の比較
的小さい高周波成分は割り当て符号量に余裕のある範囲
で符号化して利用するようにしているので、画質の劣化
を最小限に抑えて、しかも、高圧縮で符号化できるよう
になる。
【0109】以上、詳述した図1および図2の構成の本
発明は、要するに、第1パスの暫定的な量子化幅として
目的符号量から設定した最適な量子化幅に近い量子化幅
を用いて第1パスの量子化を行い、その結果、得られた
符号量データを用いてさらに最適な量子化幅を予測し、
これを最終処理である第2パスにおける符号化に使用す
ると云うものである。これは、目的符号量に近い符号量
が得られる量子化幅係数αを用いて統計処理すると、早
く、しかも、より精度良く、最適量子化幅係数αを見付
けることができることを利用したものであり、暫定的な
量子化幅係数として、目的符号量に基づいて設定した最
適な量子化幅に近い量子化幅係数を用いて第1パスの量
子化を行い、これにより得た総符号量から目的符号量に
収めることができる量子化幅係数を知って、これを第2
パス目で使用して最終的な符号化を行うようにしたもの
である。
【0110】そして、これにより、撮影することにより
撮像系で得た画面データを短い時間で、精度良く目的符
号量の枠一杯に符号化し、これによって、許される符号
量に目一杯近付けることができることで、失うデータを
最小限にとどめ、画質も維持できるようにすると云うも
のであり、予測精度が高く、符号化による画質劣化の少
ない、すなわち、高画質の量子化を行うことができる。
また、目的符号量が変わっても、同じハードウェアで対
処でき、従って、目的符号量別(圧縮率別)のハードウ
ェアを用意する必要がないから、装置のコストダウンと
小形化が図れる。
【0111】ここで、暫定的な量子化幅係数を如何にし
て最適な値にするかが、重要な課題となるので、この点
について少し説明する。
【0112】画像データを前処理し、この出力を量子化
し、この量子化出力を可変長符号化する場合、この量子
化の量子化幅を変化させることにより、発生する符号量
が変化することは周知の事実である。これは、ハフマン
符号化に代表される可変長符号化は、符号化するデータ
の発生確率の偏りを利用してそのデータを表現するのに
必要な符号量を減少させると云うものであることから、
前記「量子化幅を変化させる」と云うことは、量子化値
の発生確率を変化させることでもあるので、量子化幅を
変化させることにより発生符号量も変化することがわか
る。
【0113】ところで、同じ量子化幅で同一の符号化を
行っても、そのときの画像データによって発生符号量は
異なる。しかし、1つの画像データに対して量子化幅を
変化させて同一の符号化を行った場合は量子化幅と、発
生符号量との間には一定の関係が得られる。また、多く
の画像データで量子化幅と発生符号量の関係を求める
と、最も発生頻度の高い関係が統計的に得られることが
明らかになった。
【0114】具体的には多くの場合、次の関係が得られ
た。すなわち、ある量子化幅に対する相対的な比をSF
とし、発生符号量1画素あたりのビット数(ビットレー
ト)で表わしてこれをBRとすると、 log BR=a ×log SF+b …(1) なる関係になる。aは同一の符号化であれば、画像によ
らず略一定であり、bは画像に依存する。このbの値は
画像により、一定の分布を持ち、この発生頻度分布から
代表的なbが得られる。
【0115】以上、一例をあげて説明をしたが、いずれ
にせよ、本発明の特徴は量子化幅と符号量との関係を利
用して目的の符号量に応じて量子化幅を設定すると云う
ところにある。
【0116】上述した図2の構成の符号化回路80は、
圧縮符号化において、一連の処理を目的符号量に基づき
算出した暫定的な量子化幅で第1パスの処理を行い、そ
の結果、を元に最適量子化幅を求めてこの最適量子化幅
により第2パスを実施し、最終的な圧縮符号化データを
得ると云った二回の処理で完成させるもので、第1パス
により最適αを見付けるようにするものである。図3に
おいては符号化回路80の処理の流れをわかりやすくす
るために、第1パスでの信号の流れを点線の矢印P1
で、また、第2パスでの信号の流れを実線の矢印P2で
それぞれ図示してある。この信号の流れに沿ってざっと
動作を追ってみると次のようになる。
【0117】画像データの符号化が行われるに当り、目
的とする総符号量が符号化回路80の制御回路18内に
設定される。これはスイッチ30の操作により、使用者
が所望の撮影可能枚数を設定することにより、この設定
した撮影可能枚数に応じて制御回路90が最適符号量を
選択し、これを目的符号量の情報として符号化回路80
に与えることで実現している。尚、初期状態ではあらか
じめ定めた標準的な撮影可能枚数に設定される。
【0118】撮影が行われると、これにより撮像系40
内の撮像素子から画像信号が出力される。この出力され
た画像信号は信号処理回路60内においてディジタル信
号に変換され、バッファメモリに記憶された後、8×8
画素ブロック単位で読み出され、Y成分、次にCr成
分、次にCb成分に分離される。この分離は最初にY成
分について行われ、8×8画素のブロック単位で出力さ
れるY成分の画像データは直交変換回路4に入力され
て、ブロック毎に直交変換(本例ではDCT:離散コサ
イン変換(Discrete Cosine Transform):尚、予測符号
化(DPCM)を使用しても良い)が行われる。直交変
換回路4で得られたDCT変換変換係数は量子化回路6
に入力され、一方、制御回路18から目的とする符号量
が量子化幅予測回路12に出力され、量子化幅予測回路
12では目的の符号量から式(1)の関係を用いて量子
化幅係数αの初期値を設定し、量子化回路6に出力す
る。量子化回路6では、入力された量子化幅係数αを用
いて、変換係数を線形量子化する。量子化された変換係
数はエントロピー符号化回路8に入力され、可変長符号
化(本例ではハフマン符号化)が行われる。
【0119】ここで入力された量子化係数は、ジグザグ
スキャンと呼ばれる低周波数成分から高周波数成分への
走査が行われ、一番目の直流成分のデータは直前に可変
長符号化を行ったブロックの直流成分との差分値がハフ
マン符号化されて出力される。
【0120】交流成分については走査順序の2番目から
64番目まで順番に変換係数を見てゆき、変換係数が0
でない(すなわち、有効な)係数が出てきたら、その直
前に存在した連続した0(零;無効)の係数の数(ゼロ
ラン)とその有効係数との値で、2次元のハフマン符号
化が行われる。また、ある係数以降、64番目の係数ま
で、連続して無効出力が続く場合には、ブロックの終り
を示すEOF(エンド・オブ・ファイル)の符号を出力
する。可変長符号化回路8は、以上のような符号化が各
ブロックで終了する毎に、そのブロックで発生した符号
量を符号量算出回路14に出力する。
【0121】Y成分についてのこのような処理が終了す
ると、次にCr成分、そしてCb成分についても同様の
処理を行う。
【0122】一画像について、符号化が終了すると、符
号量算出回路14は入力されたブロック毎の符号量を累
積して画像全体の符号量を総符号量値として算出する。
この総符号量値は量子化幅予測回路12に出力され、ま
た、各ブロック毎の符号量及び画像全体の符号量割当回
路20に出力される。
【0123】以上の第1パスの符号化処理が終了する
と、続いて同じ画像データに対して第2パスの符号化処
理が行われる。第2パスでは信号処理回路60内のメモ
リから読み出された画像データは、最初にY成分、次に
Cr成分、次にCb成分に分離され、それぞれの成分の
画像データは8×8画素のブロック化等の処理が行われ
た後、直交変換回路4に入力され、ブロック毎に直交変
換(DCT変換)され、これにより、直交変換回路4で
得られたDCT変換係数は量子化回路6に入力される。
【0124】一方、量子化幅予測回路12では第1パス
での符号化により求められた総画像符号量と、制御回路
18から与えられた目的符号量とから、より適した量子
化幅係数αを予測し、量子化回路6に出力する。量子化
回路6においては与えられたこの予測による新たな量子
化幅係数αによる補正済み量子化幅を用いて、DCT変
換係数を線形量子化する。量子化された係数は可変長符
号化回路8に入力され、第1パスの符号化時と同様の方
式でハフマン符号化される。
【0125】ここで符号化時に発生した符号量は第1パ
スの符号化時に求められ、符号量割当回路20に記憶さ
れている各ブロックの割当符号量との比較が行われ、こ
れを越えた場合には符号打切回路16の働きにより、そ
のブロック内でそれ以降の符号化が打ち切られる。以上
の方法により目的符号量に制御された符号化データは順
次、符号出力回路10を経由して記録系70に出力さ
れ、記録される。
【0126】次に記録系70にて記録された記録媒体7
1の圧縮符号化記録画像データの再生について説明す
る。
【0127】図4に再生機の構成を示す。図において、
100は再生機本体であり、この再生機本体100は読
取部102、復号化回路104および処理回路106お
よび制御回路108を備える。読取部102は記憶媒体
71を着脱でき、記憶媒体71の内容をインタフェース
回路110を介して読出すようになっている。
【0128】復号化回路104は図5のような機能ブロ
ックを有する。すなわち、112はハフマン符号化デー
タを復号化するハフマン復号部、114はこのハフマン
復号されて得られたデータを、記憶媒体71から読み出
されて設定入力された量子化幅の情報に基づいて逆量子
化する逆量子化部、116はこの逆量子化されて得られ
たデータを逆DCT変換して映像信号データとして出力
するIDCT(逆DCT変換)部、そして、118はこ
れらの制御を司る制御部である。
【0129】処理回路106はバッファメモリ120、
エンコーダ122およびD/A変換器124を備える。
バッファメモリ120は復号化回路104から出力され
た映像信号データを一時保持するメモリであり、エンコ
ーダ122はこのバッファメモリ120から読み出され
る映像信号データをNTSC方式の映像信号に変換する
ものであり、D/A変換器124はこのNTSC方式の
映像信号をアナログ変換してテレビ用の映像信号として
出力するためのものである。
【0130】前記制御回路108は再生機本体100全
体の制御を司るものであり、再生機本体100の読取部
102に対し、符号化時の量子化幅の情報を読み出すべ
く制御して、その結果、記録媒体71から読み出された
符号化時の量子化幅の情報を復号化回路104の逆量子
化部114に設定させ、続いて制御回路108は記録媒
体71から圧縮符号化された映像信号データを読出すべ
く、読取部102を制御すると云った制御を行う。ま
た、図示しないが再生機本体100には、コマ送りスイ
ッチ等があり、このスイッチにより指定されたコマ位置
の映像を再生したりすることができる。このような制御
も制御回路108が行う。
【0131】次に上記構成の再生機の動作を説明する。
圧縮符号化された映像信号データが記録された記録媒体
(メモリカード)71が再生機本体100の読取部10
2に装着されると、まず、制御回路108は読取部10
2に対し、符号化時の量子化幅の情報を読み出すべく制
御する。その結果、読取部102において記録媒体71
から符号化時の量子化幅の情報が読み出され、この情報
は復号化回路104の逆量子化部114に設定される。
続いて制御回路108は記録媒体71から映像信号を読
出すべく、読取部102を制御するので、読取部102
は記録媒体71から映像信号を順次読み出し、復号化回
路104に入力する。これを受けた復号化回路104で
は、ハフマン復号部112においてハフマン符号を復号
し、量子化係数を得る。こうして得られた量子化係数は
逆量子化回路114に与えて逆量子化とする。ここでの
逆量子化は先に設定されている前記量子化幅の情報を用
いて行われる。
【0132】逆量子化により得られた変換係数は、ID
CT部116においてブロック毎に逆DCT変換され、
元の映像信号に復元される。このようにしてY、Cr、
Cbの順で映像信号が復元されて復号化回路14から出
力され、処理回路106内のバッファメモリ120に書
き込まれる。1画面の映像信号データの書き込みが終了
すると、バッファメモリ120から通常のテレビ信号の
走査順で映像信号データが読み出され、エンコーダ12
2においてNTSC方式の映像信号に変換される。更に
D/A変換器124によりアナログ信号に変換され、出
力される。この映像信号をテレビモニタに入力すること
により、画像がテレビ映像として再生され、映像として
鑑賞でき、また、ビデオプリンタ等のプリント装置に与
えてプリントすることにより、ハードコピーが得られる
ので、写真等と同様な形で鑑賞することができるように
なる。
【0133】以上説明したように、カメラは所望の撮影
可能枚数を設定でき、撮影可能枚数を設定することでカ
メラではこれに対応する圧縮率を自動設定すると共に、
この設定圧縮率に応じて定まる暫定的な量子化幅を用い
て、1画面分の撮影画像データを量子化し、エントロピ
ー符号化し、その結果得られるその1画面分の撮影画像
データの符号量より最適量子化幅を予測し、この予測し
た最適量子化幅により前記1画面分の撮影画像データを
量子化し、エントロピー符号化するようにし、符号化さ
れた映像信号の再生時には撮影時に使用した前記最適量
子化幅を用いて復号することにより、所望の圧縮率での
符号化を圧縮率別にハードウェアを設けることなく、共
通の一つのハードウェアで実現でき、同様に所望の圧縮
率で符号化された画像データの復号化を圧縮率別にハー
ドウェハを設けることなく、共通の一つのハードウェア
で実現できる。
【0134】実施例では符号化の過程が第1パス、第2
パスの2回の処理で終了する2パス方式としたが、これ
に限るものではなく、圧縮率から設定した量子化幅を用
いて1回のパスで符号化する方式でも実用上、十分に圧
縮率制御できる。また、記録媒体にメモりカードを用い
た例を示したが、その他、フロッピディスク、光ディス
ク、磁気テープ等を利用することもできる。また、カメ
ラと再生機が別体となっているものを示したが、カメラ
が再生機の機能を合せ持つ一体型のものでも良い。量子
化幅の値そのものを記録媒体に記録するようにしたが、
量子化幅値を変換あるいは符号化して記録するようにし
ても良い。前処理符号化はKL変換、DPCM変換等で
も良い。エントロピー符号化は算術符号化、ランレング
ス符号化等でも良い。
【0135】本発明は撮影可能枚数等の設定により、画
像の最終的な目的符号量が自動可変されるようにし、最
終的な目的符号量が設定されると、その符号量を得るに
必要な量子化幅係数αを該目的符号量から算出して、符
号化に使用する点にあり、これによって最初から目的符
号量に近い符号量が得られることに着目して、1回のバ
スで略最適値にすることもできる。この例を示す。
【0136】本例は第1パスの符号化処理を1回のみ行
うもので、第1パスのみで最適値にするものである。図
7に構成を示す。本例では前述の実施例と同一の構成要
素については、同一符号で示し、説明は省略する。
【0137】本システムでは任意の画質設定値を制御回
路18aに与えると、これに応じて定まる標準の量子化
幅係数αを使用して符号化を行うもので、画像データは
直交変換(DCPMでも可)による前処理がなされ、一
方、制御回路18aから与えられる目的符号量から量子
化幅予測回路12は標準の量子化幅係数αを算出してこ
れを量子化回路6に与え、量子化回路6はこの設定され
た量子化幅係数αで補正した量子化幅で線形量子化を行
う。この量子化された変換係数はエントロピー符号化回
路8でエントロピー符号化され、符号出力回路10に出
力される。そして、この符号化された出力は符号出力回
路10より記録系に送られて記録媒体に記録される。
【0138】上記の例のように、一回のみのパスで符号
化する場合でも、量子化幅を目的符号量に基づいて設定
するようにしたことにより、最適な量子化幅に近くな
り、得られる符号量をおおよそ目的符号量と一致させる
ことができる。そして、この場合、処理は一回で終わる
ので、極めて高速で符号化を行えるようになる。
【0139】以上の各実施例では目的符号量から量子化
幅を設定していたが、複数の目的符号量をモードで切換
えて使用するようなアプリケーションにおいては、それ
ぞれのモードに対応する量子化幅を予め用意しておき、
これをモードで切り換えて使用するようにしても勿論差
支えない。
【0140】本発明によれば、目的の符号量を変化させ
ても、発生符号量を目的の符号量に近付けるのに最適な
量子化幅が得られる。この量子化幅を用いて量子化する
ことにより、1回の符号化処理のみで符号化を終了する
場合(1パス方式)でも、得られる符号量を目的の符号
量に近付けることができ、2回の符号化処理で符号量を
制御する2パス方式では、第一回目の符号化処理(統計
処理)における暫定的な量子化幅を用いて得た符号量に
基づいて量子化幅を補正するので、最適量子化幅の予測
精度を向上させる効果があり、高画質の符号化が行える
とともに、総符号量が十分目標値に近付き、また、目的
の符号量以内になるまで、符号化処理と最適な量子化幅
の予測を繰り返すnパス方式とすることもでき、この方
式では第1パスでの符号化処理(統計処理)において、
符号量を目標値に収めるに最適な量子化幅を見付けるま
での(量子化幅が最適値に収束するまでの)繰り返し回
数が少なくなり、符号化に要する処理時間が短くなると
云う効果が得られる。
【0141】尚、本発明は上記し、且つ、図面に示す実
施例に限定することなくその要旨を変更しない範囲内で
適宜変形して実施し得るものであり、本発明はスチル画
像に限らず動画像等、種々の画像に対しての圧縮符号化
に適用できるものである。
【0142】また、上記実施例では圧縮率対応情報より
総符号量の情報を与え、この総符号量に対応した量子化
幅を与えることのできる量子化幅係数の予測を行い、こ
の予測された量子化幅係数に基づく量子化幅で量子化を
行うようにしているが、予め圧縮率対応情報に対する量
子化幅の関係を計算で求めてテーブル化しておき、これ
をメモリ等に記憶して、圧縮率対応情報から直接、量子
化幅の情報(すなわち、量子化幅係数或いは量子化幅の
値)を出力させるようにすることもできる。このように
すれば、所望の圧縮率に対応する情報を入力すると、こ
の入力された圧縮率対応情報に対応して一義的に定まる
量子化幅の情報を読出して出力でき、即座に最適量子化
幅を設定できて直ちに量子化回路にこの量子化幅で画像
信号データを量子化させることができるようになる。
【0143】この構成によれば、メモリ等に各種の圧縮
率に対応した最適量子化幅の情報を予め記憶させて、こ
れを入力圧縮率対応情報に対応して読出すだけで最適量
子化幅の情報を与えることができるので、目的の符号量
に収まるよう符号化するに当り、その処理を極めて短時
間で行える他、ハードウェアも簡単で済むようになる。
【0144】本発明の更に別の実施例を次に説明する。
本例は、画質設定を手動で行うことなく、自動的に設定
できるようにしたものである。
【0145】すなわち、本例では暫定的な量子化幅を用
いて符号化を行い、この時に発生した符号量を用いて最
適な画質モードを設定する。一般的に同一の量子化幅を
用いて符号化したときに、符号量が多く発生する画像は
高周波成分を多く有しており、これを高圧縮、すなわ
ち、少ない符号量に圧縮することは、高周波成分の切り
捨てが多く発生することを意味し、画質を損なうことに
なる。
【0146】一方、符号量発生の少い画像は、高圧縮を
行っても比較的画質は損なわれない。この性質を利用
し、画像毎に適した圧縮率を自動的に設定するようにし
たものがこの実施例である。
【0147】本実施例の符号化回路の構成を図11に示
す。上述の実施例と同一の構成要素については同一符号
を付し、説明は省略する。この実施例は撮影を行うと、
この画像(ディジタル化された画像)について、ブロッ
ク化を行い、次に各ブロックについて順にDCTを行
い、周波数成分別の係数にし、この周波数成分別のDC
T係数データを低周波数成分から順に暫定的な周波数成
分別量子化幅係数αを用いての量子化を行い、これをハ
フマン符号化し、次にこれにより発生した総符号量と各
ブロック別符号量から最適な目的符号量を決め、この目
的符号量を各ブロック毎の発生符号量で配分して各ブロ
ック毎の割当符号量を決め、さらに前記発生した総符号
量と目的符号量から各周波数毎の最適量子化幅を決め、
前記撮影により得られた画像のブロック化を行い、次に
各ブロックについて順にDCTを行い、周波数成分別の
係数にし、この周波数成分別のDCT係数データを低周
波数成分から順に前記決定した周波数成分別最適量子化
幅係数αを用いての量子化を行い、これをハフマン符号
化し、次にこれにより発生した符号を、そのブロックで
の前記割当符号量を越えない範囲で記録し、割当符号量
を越える分は符号化を打ち切る。
【0148】制御回路90にはこのような処理を行うた
めの制御機能を持たせる。そして、最初に制御回路90
に統計処理時の総符号量の値(第1パスの処理での発生
総符号量の値)から、当該処理中の画像に最も適した目
的符号量を決定させ、この制御回路90が決定した目的
符号量を制御回路18に設定すると共に、制御回路18
では量子化幅予測回路12に対して、この決定した目的
符号量と前記統計処理時の総符号量とから各周波数成分
毎の最適量化幅係数αを予測させるべく制御させ、この
予測して各周波数成分毎の最適量子化幅係数αにて補正
して得られた各周波数成分毎の最適量子化幅を量子化幅
予測回路12より、量子化回路6に与え、量子化回路6
にこの各周波数成分毎の最適量子化幅で各ブロック毎の
画像データ(DCT変換値)の量子化を行わせるように
する。
【0149】そして、この量子化出力をエントロピー符
号化回路8に与えて、該発生した符号を、そのブロック
での割当符号量内に収まるように符号化を進め、割当符
号量を越える場合はそのブロックでの符号化を打ち切
り、割当符号量の範囲内に符号量を収めるようにするも
のである。
【0150】このような構成において、撮影が行われる
と、撮像系40内の撮像素子から画像信号が出力され
る。撮像系40から出力された画像信号は、信号処理回
路60において、ディジタル信号に変換され、8×8画
素ブロック単位で読み出される。このブロック単位で読
み出されたディジタル信号の画像データは符号化回路8
0に入力される。符号化回路80に入力された画像デー
タは、符号化回路80における直交変換回路4により、
まず、各ブロック毎にDCTが行われ、各周波数成分別
の値であるDCT係数を得る。そして、この得られたD
CT係数に対し、符号化回路80における量子化回路6
により、各周波数成分毎に各周波数成分毎の予め設定さ
れた暫定量子化幅を用いて、線形量子化が行われる。
【0151】量子化された変換係数は、符号化回路80
内のエントロピー符号化回路8によりハフマン符号化さ
れる。
【0152】一方、符号化回路80内の符号量算出回路
14はエントロピー符号化回路8の出力をもとに、符号
化された画像データの符号量を計算し、符号量割当回路
20に出力する。符号化回路80内の符号量割当回路2
0は各ブロック毎に、発生した符号量を記憶する。
【0153】このような処理が制御回路90の制御のも
とに、各ブロック毎に順次、行われる。そして、1枚の
画面分のブロックの処理が終了した時点で、当該1画面
について発生した総符号量を符号量算出回路14から符
号化回路80内の量子化幅予測回路12および制御回路
90に出力させる。
【0154】制御回路90では総符号量の値から処理中
の画像に最も適した目的符号量を決定し、制御回路18
に設定する。
【0155】この後、制御回路90の制御のもとに、信
号処理回路60では第2パス目の処理である符号化処理
に入る。これは、再度、バッファメモリ60cから画像
データを読み出し、ブロック化処理して符号化回路80
に入力することからはじめる。符号化回路80ではこの
入力された画像データを直交変換回路4に与え、この直
交変換回路4により、DCTを行い、その結果、得られ
たDCT係数を量子化回路6に与える。
【0156】一方、符号化回路80の量子化幅予測回路
12では第1パスでの符号化により、求められた総画像
符号量と、目的符号量とから、より適した各周波数成分
毎の量子化幅係数αを予測し、この予測値を量子化回路
6に出力する。また、符号量割当回路20は前記記憶し
ている各ブロック毎の符号量と制御回路90からの目的
総符号量とから比例配分等により、各ブロック毎の割当
符号量を決め、これを記憶する。
【0157】量子化回路6においては、与えられたこの
新たな各周波数成分毎の量子化幅係数αに、量子化マト
リックスにより与えられる各周波数成分毎の重みをかけ
た補正済み量子化幅を用いて、前記直交変換回路4より
出力されるDCT変換係数を低い周波数領域から順に線
形量子化する。
【0158】この線形量子化された係数はエントロピー
符号化回路8により、ハフマン符号化される。ここで第
2パスでの処理である符号化処理時に発生した符号量
は、先の暫定的な符号化時(第1パスでの処理である統
計処理での符号化時)に求められ、符号量割当回路20
に記憶されている各ブロックの割当符号量との比較が行
われ、これを越えた場合には、符号打切回路16がエン
トロピー符号化回路8に符号化打切りを指令する。これ
により、当該符号化中のブロックに対するエントロピー
符号化回路8での符号化処理は打切られ、そのブロック
内で、それ以降の符号化が打ち切られる。この符号化打
切りの指令は制御回路90にも送られ、制御回路90は
次のブロックに対する上述のような符号化処理制御に移
る。
【0159】以上の手法により目的の符号量に制御され
た符号化データは順次、符号出力回路10を経由して記
録系70に出力され、記録される。
【0160】以上のように最初の符号化(第1パスでの
処理)、すなわち、暫定的な量子化幅係数を用いた符号
化である統計処理時の符号化では各ブロック毎の直交変
換値を周波数成分毎に定めた暫定的な量子化幅係数を用
いて可変長符号化し、撮影した1画面分の画像について
の、暫定的量子化幅係数による発生総符号量を求め、こ
の符号量から画質を損なわない最適な圧縮率になる符号
量を目的符号量として決定し、設定すると共に、この目
的符号量と統計処理時の発生符号量とから各周波数成分
毎の最適な量子化幅係数を決定し、符号化処理(第2パ
スでの処理)時には各ブロック毎の直交変換値を前記周
波数成分毎に決定した量子化幅係数で符号化し、各ブロ
ック別の割当符号量を越えない範囲で符号化を進め、割
当符号量を越える場合にはそのブロックでの符号化を打
ち切り、次のブロックの符号化に移るようにしたので、
自動的に各画像に適した圧縮率を選択することができ
る。
【0161】すなわち、圧縮率選択の基準として符号化
回路により出力される符号量を用いているため、圧縮率
選択のために特別の回路を必要としない。また、同一の
ハードウェアで種々の目的符号量に制御することができ
る。
【0162】なお、この方式では先の実施例のようにY
(輝度)成分)、C(クロマ)成分(C成分は更にC
r、Cbに細分化することも可能)の色成分別に異なる
量子化マトリックスで量子化するようにしても良い。ま
た、目的符号量は記録媒体における最小記録可能枚数の
規格もあることから、予め選択可能な何種類かの目的符
号量を決めておき、発生符号量から最適と考えられる値
を選択する方式が最適である。
【0163】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
記録媒体に記録された可変長符号化画像信号データを復
号化し、この復号化されたデータを上記記録媒体から読
み出された輝度信号成分と色信号成分に対する各々の量
子化幅の情報に基づいて逆量子化することにより、色信
号成分の帯域幅が輝度信号成分のそれに比較して狭くて
も画質を損なうことなく、迅速な再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】本発明装置の要部構成例を示すブロック図。
【図3】図2の回路の動作の流れを説明するためのブロ
ック図。
【図4】再生機の構成を示すブロック図。
【図5】再生機の構成を示すブロック図。
【図6】本発明による電子カメラ本体の外観を示す斜視
図。
【図7】1パス方式の場合の符号化回路の構成例を示す
ブロック図。
【図8】本発明の原理的な作用を説明するための動作遷
移図。
【図9】8×8画素に分けられたブロックのジグザグ・
スキャンを説明するための図。
【図10】従来技術を説明するための動作遷移図。
【図11】本発明の別の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…電子カメラ本体、6…量子化回路、8…エントロピ
ー符号化回路、10…符号出力回路、12…量子化幅予
測回路、14…符号量算出回路、16…符号打切回路、
18,18a…制御回路、20…符号量割当回路、24
…DCPM回路、30…スイッチ、40…撮像系、48
…LCD表示器、60…信号処理回路、80…符号化回
路、70…記録系、71
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に記録された可変長符号化画像信
    号データとこの画像信号データに関連する輝度信号成分
    と色信号成分に対応する各々の量子化幅の情報を読出す
    読取手段と、 この読み出された可変長符号化画像信号データを復号化
    する復号化手段と、 この復号化手段により復号化されたデータを前記読取手
    段により読み出された輝度信号成分と色信号成分に対す
    る各々の量子化幅の情報に基づいて当該量子化幅で逆量
    子化する逆量子化手段と、 この逆量子化されたデータを画像信号に変換して出力す
    る出力手段とを具備し、この出力手段からの出力画像信
    号を画像の再生信号として得るようにしたことを特徴と
    する電子カメラ再生装置。
JP37182199A 1990-04-25 1999-12-27 電子カメラ装置 Expired - Lifetime JP3192133B2 (ja)

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