JP2000150948A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JP2000150948A
JP2000150948A JP2000003008A JP2000003008A JP2000150948A JP 2000150948 A JP2000150948 A JP 2000150948A JP 2000003008 A JP2000003008 A JP 2000003008A JP 2000003008 A JP2000003008 A JP 2000003008A JP 2000150948 A JP2000150948 A JP 2000150948A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板同士を強固に接着する。曲げによる半導
体層のはがれを回避する。製造コストを低減する。 【解決手段】 導電性基板と、該基板上に設けられた光
電変換活性領域を構成する半導体層と、該半導体層上に
設けられた透明導電膜と、該透明導電膜上に設けられた
複数の集電電極とからなる太陽電池を、複数個、直列接
続した太陽電池モジュールにおいて、一方の太陽電池1
0aの集電電極と他方の太陽電池10bの導電性基板1
とを、導電性接着剤5および絶縁性接着剤6を介して接
着して、太陽電池の直列の接続をなし、また、絶縁性接
着剤の接する部位の半導体層、透明導電膜および集電電
極を除去してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】また、本発明は太陽電池モジュー
ルに係り、特に家屋の屋根等の建築物あるいは構造物に
取り付ける太陽電池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、本発明の太陽電池に係る従来技術
について説明する。太陽光を電気エネルギーに変換する
光電変換素子である太陽電池は、石油代替エネルギーと
して注目されている。従来、太陽電池として開発が行な
われ実用化されているものは、シリコンウエハーを価電
子制御し、該ウエハー上に前記価電子制御されたウエハ
ーの導電型と反対の導電型を持つ層を形成する事でpn
接合を設けた単結晶シリコン太陽電池、基板上に価電子
制御された層と、中性の層と、前記価電子制御された層
の導電型と反対の導電型を持つ層を積層した構成を持つ
pin型のアモルファスシリコン太陽電池、n型のCd
Sとp型CdTeを用いたII-VI族太陽電池、n型のG
aAsとp型GaAsを用いたIII -V族太陽電池など
が上げられる。このような太陽電池は、光の入射側に反
射防止層を積層することにより太陽電池表面での光の反
射を防ぎ太陽光を有効に利用することが通常行なわれて
いる。単結晶シリコン太陽電池に於ては、このような反
射防止層の材料としてSiO 2,TiO2,TaO5など
が用いられている。一方、アモルファスシリコンなどを
用いたpin型または、pn型の太陽電池に於ては、表
面層となるp層またはn層の比抵抗ρが102Ωcm位
であり、単結晶シリコン太陽電池の0.1〜1Ωcmに
比べて高抵抗であるためシート抵抗Rsが大きくなって
しまいp層またはn層表面上を電流が平行に流れる構成
は用いる事が出来ない。シート抵抗Rsの望ましい値
は、グリッドの設計にもよるが通常約100Ω/□であ
る。このため、光の入射側のp層またはn層の上にシー
ト抵抗Rsの低い透明導電膜を積層するのが一般的であ
る。このような透明導電膜は同時に反射防止膜として機
能するように設計される。このような機能を有する材料
としてはインジュウムとスズの酸化物であるITOやS
nO2,In23等が好適に用いられている。これらの
透明導電膜の作製方法は、基板の形状、大きさや、量産
規模、所望の電気的特性及び光学特性などにより好適な
方法が選択されるものであり、通常、スパッタリング
法、エレクトロンビーム法、蒸着法、イオンプレーティ
ング法などが工業的に用いられている。このような透明
導電膜を太陽電池に積層する場合には、アモルファスシ
リコン薄膜太陽電池のスペクトル感度は通常500nm
から600nmの波長に対して最大値を取るため、この
波長で反射率が最小となり反射防止層として有効に機能
するように透明導電膜の厚みが設計される。この厚みは
具体的には、透明導電膜材料の屈折率にもよるが約数1
00Åである。さらに、前述の集電電極としての所望の
シート抵抗Rsと反射防止層としての好適な厚みの関係
から透明導電膜に求められる比抵抗ρは10-2Ωcm以
下である。
【0003】次に本発明の太陽電池モジュールに係る第
1の従来技術について説明する。光エネルギーを直接、
電気エネルギーに変換する光起電力装置、即ち太陽電池
は、無尽蔵な太陽光を主たるエネルギー源としているた
めに、近時、エネルギー資源の枯渇が問題となる中で脚
光を浴びている。太陽電池による太陽光発電システム
は、無公害、無騒音なクリーンエネルギーであることか
ら、様々な分野への応用が期待されている。これは、例
えば、時計、電卓などの電気製品から、無人電波中継
器、家屋の屋根上での発電システム、電力用大規模発電
システムなど様々である。
【0004】特に、屋根上での発電システムとして、一
般に市販されている太陽電池パネルを屋根上に取り付け
ることが考えられたが、この場合は、特別の取り付け治
具を必要とし、また、専門的な工事を要し、更に、家屋
としての美観を損ねるという問題があった。そこで、屋
根瓦状の基板に太陽電池を形成した太陽電池瓦が、既
に、例えば、特開昭60−31259号公報などに提示
されている。しかして、従来の屋根瓦に代わって、この
太陽電池瓦を屋根に敷き詰めることにより、美観を損な
わず、しかも、特別の取り付け治具も不要となった。
【0005】図23には、このような太陽電池瓦の従来
例が示されている。ここで示されている太陽電池モジュ
ール701は、薄膜太陽電池セル703を屋根瓦状基板
702に形成支持するもので、家屋の屋根上に取り付け
る場合には、複数の太陽電池モジュール701を直列又
は並列に接続しながら屋根上に並べて行くのである。
【0006】次に、本発明の太陽電池モジュールに係る
第2の従来技術について説明する。世界規模で、環境問
題が重要視されるようになってきた昨今、クリーンなエ
ネルギー源としての太陽電池に対する期待が、極めて高
くなってきている。しかし、通常の太陽電池ユニットの
出力電圧は、例えば、アモルファスシリコンが一層のみ
から構成される太陽電池の場合、0.7Vと低いため、
モジュールとして実用する場合には、数個から数百個を
直列に接続して用いなければならない。このため、従来
から、多種多様な手段がとられている。
【0007】例えば、上述のような太陽電池モジュール
を構成するのに、図24に示されるように、太陽電池の
集電電極4に導線7を半田で接続し、更にその導線を導
電性基板1に溶接あるいは半田で接着して、各太陽電池
間の直列接続を行っている。
【0008】しかるに、この方法は、非常に手間がかか
り、また導線の抵抗を下げるために比較的太い導線を用
いなければならず、太陽電池モジュールの製造コストを
引き上げていた。そこで、導線を用いずに太陽電池を直
列接続し、モジュールにする方法として、特開昭62−
195185号公報に所載のものなどが提唱された。こ
こでは、図25,26に示すように、複数の太陽電池1
0a,10bを導電性接着層17を介して接着して、そ
れらの直列接続を行うため、導線が不要であり、また、
電池間の配線部分がその下部に隠れるため、電池のデッ
ドエリアが無くなり、また、電池間の間隙も小さくなる
ため、太陽電池モジュールの受光面が増し、変換効率が
高まると考えられている。
【0009】次に、本発明の太陽電池モジュールに係る
第3の従来技術について説明する。近年、深刻なエネル
ギー問題が叫ばれるなか、太陽エネルギーは、石油、石
炭等の化石エネルギーのように枯渇せず、また大気汚
染、炭酸ガス発生等環境を破壊しない、いわゆるクリー
ンエネルギーの一つとして注目を集めている。
【0010】なかでも太陽電池発電は、将来、火力、原
子力、ヂーゼル発電といった在来の方式に代わる代替エ
ネルギーとして期待されている。
【0011】この太陽電池の材質としては様々なものが
あるが、シリコンを用いたものが多数市販されており、
これらは大別して単結晶シリコン、多結晶シリコンを用
いた結晶系シリコン太陽電池と、非晶質(アモルファ
ス)シリコン太陽電池に分けられる。
【0012】結晶系シリコン太陽電池は、光(太陽)エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表わす変換
効率が、非晶質シリコン太陽電池に比して高いが、反
面、素子自体が応力に弱く割れ易いため、強固な封止構
造やフレームを必要とする。また、現状では、単位電力
量当りのコストが高いという特徴がある。
【0013】一方非晶質シリコン太陽電池は、現在のと
ころ変換効率が結晶系シリコン太陽電池より低いが、光
吸収性が高く、比較的厚さの薄い膜の堆積によって太陽
電池を形成可能であることや、アモルファスの性質を生
かし、基板としてガラスやステンレススチールや、さら
にポリイミド系シート等様々な材料が選択できること、
さらに大面積化が容易であること等の特徴がある。更に
製造コストも結晶系に比して比較的低くできる可能性が
あると言われており、将来、一般家庭のレベルから大規
模な発電所レベルまで広範囲に渡る普及が予想されてい
る。
【0014】現在市販されている太陽電池モジュール
は、電卓等の部品として用いられるものを除くと、大別
してその外形が10cm角程度の比較的小型のものと3
0cm以上の大型のものとに分けられる。
【0015】小型のものは屋外、屋内用のものがある
が、大型のものは主として屋外での使用が目的であり、
地上あるいは建築物の屋根上や、壁面に設置して使用さ
れることが多い。特に建築物の屋根上に設置される場
合、現在まで多くの場合、屋根上に一旦金属製の架台を
組み、その架台上に太陽電池モジュールを設置して使用
するのが通例であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以下、本発明の太陽電
池に係る従来技術の課題(第1の課題)について説明す
る。透明導電膜は、上述したように膜厚を薄くしなけれ
ばならないが、量産装置で大面積の基板上に均一な厚さ
で作製することは非常に困難であり、収率を損なう原因
となっている。また、通常、基板温度が高い方が良質の
透明導電膜が作製できるが、ステンレスなどの基板上に
pinの各層を作製した後に透明導電膜を作製する構成
の場合は、先に形成したp、i、n各層に温度による悪
影響を与えないようにするため、透明導電膜作製時の基
板温度をできるだけ低くすることが要求されるため良質
の透明導電膜が形成できないという問題がある。また、
透明導電膜に含有されるInはアモルファスシリコン中
に拡散していき太陽電池特性に悪影響を及ぼすと言われ
ている。
【0017】本発明の太陽電池は基板上に堆積するpi
n型またはpn型太陽電池に於ける上述した問題を解決
して、大面積に亘り均一でかつ、良好な特性を有する太
陽電池を提供することを目的とするものである。
【0018】次に本発明の太陽電池モジュールに係る第
1の従来技術の課題(第2の課題)について説明する。
【0019】既設の家屋の屋根上などに、従来例で示す
ような太陽電池瓦を設置しようとすると、以下のような
問題点があった。即ち、今まで敷かれていた古い瓦を全
部交換する必要があり、既設瓦が全て無駄となり、非常
に高価になってしまう。また、瓦の交換に際しても、太
陽電池瓦一個一個を電気的に接続する必要があるため、
工事にかなりの時間を要し、また、一箇所でも接続不良
があれば、正常に動作しなくなるなど工事面での難しさ
もあった。一方、太陽電池瓦を製造するに際しても、瓦
上に太陽電池を形成するため、特別の製造設備が必要
で、太陽電池瓦自体のコスト高をもたらしてしまう。更
に、建築材料の一部となるため、取扱う業者のことを考
慮すると、ある程度の機械的強度を上記太陽電池モジュ
ール自体に確保しておく必要性もあり、これも高価とな
る一因となっていた。
【0020】本発明者は、従来の屋外用太陽電池モジュ
ールにおける前述の諸問題を克服して、上述の本発明の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、可撓性基盤
上に非晶質半導体太陽電池を形成したユニットを、屋外
用太陽電池モジュールに応用することが、既設家屋の屋
根に施工する場合に工事を容易にし、また、太陽電池の
保護効果などの実用上、極めて有利であることを知見し
得た。
【0021】本発明は、上記事情に基いてなされたもの
であり、従来の屋外用太陽電池モジュールに於ける問題
点を解決し、家屋としての美観を損ねることなく、しか
も、簡便に屋根などに取り付け可能で、安価な屋外用太
陽電池モジュールを提供することを目的とするものであ
る。
【0022】次に本発明の太陽電池モジュールに係る第
2の従来技術における課題(第3の課題)について説明
する。
【0023】前述した方法では、導電性接着層17を電
池表面の集電電極取出部に直接、接続しているため、接
続部位の強度が弱く、太陽電池モジュールに曲げ応力が
加わると、半導体層を導電性基板から引き剥して、壊し
てしまったり、接着部位が離れてしまうおそれがある。
また、このような構成では、高価な導電性接着剤を多量
に使用しなければならないという欠点もある。
【0024】本発明は、上記欠点を克服するためになさ
れたもので、高効率で安価、かつ堅牢な太陽電池モジュ
ールを提供することを目的としている。
【0025】本発明の太陽電池モジュールに係る第3の
従来技術における課題(第4の課題)について説明す
る。
【0026】前述した屋根上に太陽電池を設置するため
の架台は、安全上十分な強度をもった構造が必要とさ
れ、さらに建築物に関する法律上の規定を満足すること
が要求されるため、架台本体の価格や設置工費が大きく
なるという問題がある。
【0027】また、現状では、架台として金属製の骨組
みを組み合わせた構造体を屋根上に設置して用いるもの
が多いが、これらは景観を考えたデザインのものは少な
く、地域の景観を乱す原因になるという問題がある。ま
た複数個の太陽電池モジュールを屋根上に設置する場
合、個々の出力ケーブルのモジュール外部での配線の接
続方法が、システムとして考えられていない場合が多
く、そのため出力ケーブルの接続が煩雑となり、これに
よっても景観を損ねるという問題がある。
【0028】これらの問題を解決する方法のひとつとし
て、屋根材に直接太陽電池を取り付ける方法が考えられ
ている。この方法は、架台が不要になる点で有効ではあ
るが、出力ケーブル及び出力接続部材を、雨水や湿気そ
の他の外的環境から保護するための保護カバーを必要と
するものが多い。しかしながら、屋根との視覚的な違和
感のないように考えてデザインされた保護カバーは少な
く、やはり景観を損ねてしまうという問題がある。
【0029】さらに、この保護カバーが太陽電池モジュ
ールの受光面よりも突出していると、保護カバーの作り
出す陰によって、新たな問題が発生することがある。
【0030】図27は従来の屋根上に設置された太陽電
池の一例を示す平面図である。図において、501は並
列接続された太陽電池素子の最大単位(以下、並列太陽
電池素子と言う)であり、本従来例では13枚の並列太
陽電池素子501を直列に接続して太陽電池パネル21
とし、この太陽電池パネル1を8枚、更に直列に接続し
て、1つの太陽電池モジュールとしている。
【0031】図において、23はこれらの太陽電池パネ
ル21の接続部を保護する継目カバー部材(保護カバ
ー)であり、30はこの継目カバー部材23により入射
光が遮られて生じた陰である。図に示されるように本例
では、並列太陽電池素子501は、その長手方向を継目
カバー部材23の長手方向と平行な方向に配列して、電
気的に直列に接続されて構成されている。ところが、こ
の配列方法では、図に示されるように並列太陽電池素子
501の内、5枚の全体が陰に入ってしまい、その部分
の並列太陽電池素子501からの出力は、ほとんど期待
出来ない。その結果、入射光量の低下による出力電流の
減少のみならず、出力電圧が減少する。このため例え
ば、太陽電池の出力を、直接、蓄電池に充電しようとす
るような場合、出力電圧が蓄電池の充電電圧を越えない
為、太陽電池モジュール全体の出力は0でないにもかか
わらず、充電されないという問題が生じる。
【0032】図28は、このような太陽電池モジュール
によって蓄電池に充電する場合の概略構成を示す図であ
るが、仮に1枚の太陽電池パネル21の出力が25W、
16Vであるとすると、8枚で16×8=128Vとな
り、これは120V用の蓄電池を充電するには十分な電
圧となる。ところが、前述の図27に示したように、1
3枚の並列太陽電池素子501の内の5枚が出力0Vと
なると、1枚の太陽電池パネル1の出力は、16×(1
3−5)/13=約9.85Vに低下してしまう。これ
が8枚の太陽電池パネル21に対して発生したとする
と、本来128Vの電圧が期待されるところに、約9.
85×8=78.8Vしか出力されず、120V用の蓄
電池の充電は不可能となってしまう。
【0033】
【課題を解決するための手段】上述した第1の課題を解
決し、本発明の目的を達成するために、本発明の太陽電
池は、基板上に堆積するpin型またはpn型太陽電池
に於て、光入射側に位置するp型またはn型の半導体層
が非単結晶であって、該半導体層のシート抵抗が10Ω
/□以上500Ω/□以下であることを特徴とする。ま
た前記半導体層が粒径300オングストローム以上の非
単結晶からなることが好ましい。
【0034】なお、非単結晶とは、単結晶を除く、微結
晶,多結晶,非晶質を意味する。
【0035】また上述した第2の課題を解決し、本発明
の目的を達成するために、本発明第1の太陽電池モジュ
ールは、可撓性基板の上に設けられた非晶質半導体太陽
電池ユニットと、上記太陽電池ユニット各々から独立に
電力を外部に取り出すためのリード部と、所要間隔を置
いて設けられた、可撓性基板上の太陽電池ユニット全て
の光入射表面全面を連続的に覆うとともに上記太陽電池
ユニット全ての面積より大きく形成された前面ラミネー
トシートと、太陽電池ユニット全ての光入射表面とは反
対側における表面全面を連続的に覆うとともに上記太陽
電池ユニット全ての面積より大きく形成された後面ラミ
ネートシートと、上記後面ラミネートシートの太陽電池
側とは反対の表面に全面的あるいは部分的に設けられた
未硬化のホットメルト接着剤とを具備してなり、前記接
着剤表面を建築物あるいは構造物の表面に密着させて熱
硬化処理を施すことにより、取り付けられるように構成
したことを特徴とする。
【0036】なお、本発明により提供される上記太陽電
池モジュールにおいて、太陽電池ユニットは、単位セル
でも、複数のセルを直列または並列にしたものでもよ
い。また、上記太陽電池ユニットは、可撓性基板上に形
成することが可能な非晶質太陽電池であれば、どのよう
な構成のものでも良いのであり、例えば、非晶質シリコ
ン太陽電池、非晶質シリコンゲルマニウム太陽電池、非
晶質シリコン炭素太陽電池、および、これらの積層型太
陽電池などが挙げられる。
【0037】本発明により提供される上記可撓性基板に
は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属
基板、あるいはポリアミド、ポリイミド、PETなどの
高分子基板が挙げられる。
【0038】本発明により提供される上記前面ラミネー
トシートは、太陽電池表面を機械的・電気的・化学的に
保護し、防水し、また、可視光に対して透明である材料
ならどのようなものでもよく、例えば、PVFフィル
ム、FEPフィルム、PFAフィルム、VDFフィル
ム、ETFEフィルムなどの弗素樹脂、ガラス繊維など
の充填材料、EVA、ポリアミド、ポリエステル、熱可
塑性ゴムなどのホットメルト接着剤シートを用いた複合
材料が挙げられる。
【0039】本発明により提供される上記後面ラミネー
トシートは、太陽電池表面を機械的・電気的・化学的に
保護し、防水する材料ならどのようなものでもよく、例
えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィル
ム、弗素樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ア
セテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド
フィルム、塩酸ゴムフィルム、イオノマーフィルム、ポ
リイミドフィルム、ポリウレタンフィルム等のプラスチ
ックフィルム、ガラス繊維、カーボン繊維、有機合成繊
維などの充填材料、EVA、ポリアミド、ポリエステ
ル、熱可塑性ゴムなどのホットメルト接着剤シートを用
いた複合材料が挙げられる。
【0040】本発明により提供される上記ホットメルト
接着剤は、例えば、シ−ト状をなしており、また、その
組成は過熱処理により液化し更に硬化する接着剤であれ
ば、何でも良く、これには、例えば、EVA系ホットメ
ルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエ
ステル系ホットメルト接着剤、熱可塑性ゴム系ホットメ
ルト接着剤などが挙げられる。
【0041】また上述した第3の課題を解決し、本発明
の目的を達成するために、本発明第2の太陽電池モジュ
ールは、導電性基板と、該基板上に設けられた光電変換
活性領域を構成する半導体層と、上記半導体層上に設け
られた透明導電膜と、上記透明導電膜上に設けられた複
数の集電電極とからなる太陽電池を、複数個、直列接続
した太陽電池モジュールにおいて、一方の太陽電池の集
電電極と他方の太陽電池の導電性基板とを、導電性接着
剤および絶縁性接着剤を介して接着して、上記太陽電池
の直列の接続をなし、また、絶縁性接着剤の接する部位
の半導体層、透明導電膜および集電電極を除去してある
ことを特徴とする。
【0042】なお、本発明で用いられる導電性基板に
は、ステンレス,アルミニウム,銅,チタン,カーボン
シートなどが用いられる。また、金属電極層の材質とし
ては、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Niなどが
適用され、形成方法としては抵抗加熱蒸着,電子ビーム
蒸着,スパッタリング法などが採用される。
【0043】光電変換部材としての半導体層には、pi
n接合非晶質シリコン,pn接合多結晶シリコン,Cu
InSe2/Cdsなどの化合物半導体が挙げられる。
上記半導体層は、それが非晶質シリコンの場合、シラン
ガスなどを用いたプラズマCVD法により、また、多結
晶シリコンの場合、溶融シリコンのシート化により、更
には、CuInSe2/Cdsの場合、電子ビーム蒸
着,スパッタリング,電析(電解液の電気分解による析
出)などの方法で、積層、形成される。
【0044】透明電極に用いる材料としては、In
23,SnO2,In23−SnO2,ZnO,Ti
2,Cd2SnO4,高濃度不純物をドープした結晶性
半導体層などがあり、その形成方法としては、抵抗加熱
蒸着,電子ビーム蒸着,スパッタリング法,スプレー
法,CVD法,不純物拡散法などがある。
【0045】また、本発明の太陽電池モジュールを構成
するには、接着代を十分に確保するため、上記材料によ
って構成された太陽電池の一部の半導体層、透明導電
膜、集電電極の一部を除去しなければならない。このた
めには、グラインダ、サンドブラストなどの物理的な方
法、あるいはエッチングなどの化学的な方法が採用でき
る。その除去する面積は、大きいほど接着強度が高くな
るが、同時に太陽電池モジュールとしての性能を落とし
てしまうため、モジュールの用途、大きさなどを勘案し
て決める必要がある。
【0046】上記太陽電池モジュ−ルは、更に、半導体
層、透明導電膜および集電電極の除去された面に、ディ
スペンサー、刷毛などを用いて、絶縁性接着剤を塗布
し、また、半導体層、透明導電膜および集電電極が残さ
れている面に導電性接着剤を塗布し、他の太陽電池の導
電性基板に直接、接着させることによって構成される。
この際、導電性接着剤と絶縁性接着剤とは、多少、混じ
り合っても差し支えないが、可能な限り混ざらないよう
にすることが電気的性能、機械的強度の点で望ましい。
また、絶縁性接着剤が除去部位の周辺に少々はみ出すこ
とは、一向に差障りがなく、寧ろ、同一太陽電池の上部
集電電極と下部導電性基板との間での導電性接着剤によ
る短絡を妨げるため、有効である。なお、導電性接着剤
の塗布にあたっては、これを太陽電池のエッジ部まで塗
布してしまうと、上記短絡が生じやすい点に特別な注意
を払わなければならない。そこで、例えば、異方性導電
性接着剤と呼ばれる、特定方向にしか導電性の無い接着
剤を使用すれば、これを防ぐことができる。
【0047】導電性接着剤としては、金、銀、銅、炭
素、ニッケルなどの導電性基質とフェノール系、アクリ
ル系、エポキシ系などの有機バインダで構成されている
液状のもの、並びに固形のテープ形態のものが使用でき
る。
【0048】絶縁性の接着剤は、金属を強力に接着で
き、薄く塗布できるものならどんなものでも良く、出来
れば、エポキシ系、アクリル系、フェノール系のものが
望ましい。
【0049】また上述した第4の課題を解決し、本発明
の目的を達成するために、本発明第3の太陽電池モジュ
ールは、太陽電池パネルを搭載した複数の矩形板状部材
と、隣接する前記矩形板状部材の結合部及び前記太陽電
池の接続部の保護を行なう継目カバー部材と、前記継目
カバー部材を押さえる複数の継目カバー押え部材とを有
し、前記太陽電池パネルを構成する、電気的に並列接続
された太陽電池素子の最大単位の長手方向を、前記継目
カバー部材の長手方向と実質的に垂直な方向になるよう
に配列し、該最大単位を電気的に直列接続したことを特
徴とする。
【0050】また、前記太陽電池パネルが、少なくとも
その表面保護材と裏面保護材と太陽電池素子とを接着剤
を用いて真空ラミネート加工して構成されたことを特徴
とする。また、前記太陽電池パネルを、接合部材及び/
又は接着剤によって、直接前記矩形板状部材に固定した
ことを特徴とする。
【0051】本発明のp型半導体膜は、100オングス
トローム〜2000オングストロームの範囲の結晶粒径
を持つ非単結晶であって、結晶性のシリコン、結晶性の
シリコンゲルマニウム、または結晶性のシリコン炭素を
有し、500Ω/□以下のシート抵抗値を持つことを特
徴とする。
【0052】本発明のn型半導体膜は、100オングス
トローム〜2000オングストロームの範囲の結晶粒径
を持つ非単結晶であって、結晶性のシリコン、結晶性の
シリコンゲルマニウム、または結晶性のシリコン炭素を
有し、500Ω/□以下のシート抵抗値を持つことを特
徴とする。
【0053】本発明の光電変換素子は、p型半導体膜、
i型半導体膜及びn型半導体膜を有する光電変換素子に
おいて、前記p型半導体膜は、100オングストローム
〜2000オングストロームの範囲の結晶粒径を持つ非
単結晶であって、結晶性のシリコン、結晶性のシリコン
ゲルマニウム、または結晶性のシリコン炭素を有し、5
00Ω/□以下のシート抵抗値を持つことを特徴とす
る。
【0054】本発明の光電変換素子は、p型半導体膜、
i型半導体膜及びn型半導体膜を有する光電変換素子に
おいて、前記n型半導体膜は、100オングストローム
〜2000オングストロームの範囲の結晶粒径を持つ非
単結晶であって、結晶性のシリコン、結晶性のシリコン
ゲルマニウム、または結晶性のシリコン炭素を有し、5
00Ω/□以下のシート抵抗値を持つことを特徴とす
る。
【0055】
【作用】以下、本発明の太陽電池の作用について説明す
る。
【0056】本発明の太陽電池においては、前記微結晶
または多結晶の半導体層は、シート抵抗Rsが低く特性
の良いものであるため、透明導電膜の機能を果たすこと
が可能であり、大面積に亘って均一に作製することが難
しくまた拡散の問題が生じる恐れのあるITO等の材料
を使用する必要がなくなる。従って、上述の薄膜太陽電
池の層構成により、従来考案され実用に供されている太
陽電池の構成要素である透明導電膜を微結晶または、多
結晶の半導体層によって置き換える構成とすることが可
能である。即ち、ガラス基板を用いる場合には、まず、
価電子制御された微結晶または多結晶の半導体層を堆積
し、次に、イントリンジック層、前記価電子制御された
層と反対の伝導型に価電子制御された層を堆積する層構
成とする。この場合、表面層での抵抗成分を少なくする
ため金属の集電電極を形成しても良い。また、必要に応
じ、反射防止層を形成しても良い。金属性基板を用いる
場合には、第1のドーピング層を堆積し、その後、イン
トリンジック層、第1のドーピング層と反対の価電子制
御された第2のドーピング層としてシート抵抗Rsの低
い微結晶または、多結晶の半導体層を積層する。更に表
面層の抵抗を下げるための集電電極としてアルミニュウ
ム、クロム、銀などの金属電極を堆積する層構成とす
る。また、必要に応じて反射防止層を形成しても良い。
プラスチックフィルムやセラミックスなどの絶縁性基板
を用いる場合には、まず、基板上にアルミニュウムなど
の金属薄膜を堆積し下部電極を形成する。その後上述し
た方法で作製することが可能である。
【0057】また、これらのpin構造またはpn構造
を2層または3層に積層した構成に於ても本発明が適応
できることは言うまでもない。
【0058】また、前記の微結晶または、多結晶の半導
体層の厚みを入射光の反射が最小となるように設計し反
射防止層を兼ねるようにしてもよい。
【0059】前記の微結晶または、多結晶の半導体層を
形成する方法は、層構成や用いる基板の種類に応じて至
適な方法を選択するものでありガラスやセラミックスの
ように高温に耐えられる基板を用いる場合であれば、熱
CVD法を用いることができる。ステンレスや、プラス
チックフィルムの基板の場合には、低温で微結晶シリコ
ンを成長させる方法が用いられるが、そのような成膜方
法としてはRFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマ
CVD法、ECR法等の他、特開昭60−41047号
公報に開示されたHR−CVD法を用いることができ
る。上述した方法で堆積した膜が結晶粒径が小さいため
充分な導電性が無いときは適当な方法で結晶粒径を成長
させることもできる。そのような方法としてはレーザー
アニール法などがある。
【0060】ところで、前記HR−CVD法には、成膜
空間内にシリコンとハロゲンを含む化合物を分解するこ
とにより生成される活性種と該活性種と化学的相互作用
をする成膜用の化学物質より生成される活性種とを各々
別に導入し、これらを化学反応させることによって、基
板上にシリコンの堆積膜を形成する方法であり、成膜空
間内部あるいは外部に配設された励起エネルギー発生手
段を介して、堆積されつつある前記堆積膜を熱処理しな
がら結晶質のシリコンを形成することが可能である。ま
た、特開昭63−57778号公報に開示されたように
HR−CVD法を用いることにより良質のp型およびn
型の微結晶シリコンおよび多結晶シリコン膜が作製可能
であり、これらを用いて高変換効率の太陽電池が得られ
ている。
【0061】HR−CVD法に於いて活性化空間(A)
に導入されるシリコンとハロゲンを含む化合物として
は、例えば、鎖状または環状シラン化合物の水素原子の
一部乃至全部をハロゲン原子で置換した化合物が用いら
れ、具体的には、例えば、Si u2u+2(uは1以上の
整数、YはF,Cl,BrまたはIである)で示される
鎖状ハロゲン珪素、Sivxy(vは3以上の整数、
Yは前述の意味を有する。)で示される環状ハロゲン珪
素、Siuxy(uおよびYは前述の意味を有する。
x+y=2uまたは2u+2である。)で示される鎖状
または環状化合物などが上げられる。
【0062】具体的には例えばSiH4 ,SiF4
(SiF25 ,(SiF26 ,(SiF24 ,Si2
6 ,Si38 ,SiHF3 ,SiH22 ,Si22
4 ,Si233 ,SiCl4 ,(SiCl25
SiBr4 ,(SiBr25 ,SiCl6 ,SiHC
3 ,SiHBr2 ,SiH2Cl2 ,SiCl33
どのガス状態のまたは容易にガス化し得るものが上げら
れる。これらの珪素化合物は1種用いても2種以上用い
てもよい。
【0063】価電子制御剤となる成分を構成要素として
含む化合物としては、常温常圧でガス状態であるか、あ
るいは少なくとも堆積膜形成条件下で気体であり、適宜
の気化装置で容易に気化し得る化合物を選択するのが好
ましい。
【0064】シリコンの堆積膜を得る場合、原料ガスと
して周期律表第III 、V族の元素を含む化合物を有効な
ものとして上げることができる。具体的にはIII 族を含
む化合物としては、BX3 ,B26 ,B410 ,B5
9 ,B511 ,B610 ,B(CH33 ,B(C
253 ,B612 ,AlX3 ,Al(CH32Cl,
Al(CH33 ,Al(OCH32Cl,Al(C
3)Cl2 ,Al(C2 53 ,Al(OC
253 ,Al(CH33Cl3 ,Al(i−C49
5 ,Al(C373 ,Al(OC493 ,Ga
3 ,Ga(OCH33 ,Ga(OC253 ,Ga
(OC373 ,Ga(CH33 ,Ga26 ,GaH
(C 252 ,Ga(OC25),(C252 ,In
(CH33 ,In(C373 ,In(C493
V族元素を含む化合物としては、NH3HN3 ,N2 5
3 ,N24 ,NH43 ,PX3 ,P(OC
33 ,P(OC253 ,P(C373 ,P(O
493 ,P(CH33 ,P(C253 ,P(C3
73 ,P(C493 ,P(OCH33 ,P(OC
253 ,P(OC37 3 ,P(OC493 ,P
(SCN)3 ,P24 ,PH3 ,AsH3 ,AsX3
As(OCH33 ,As(OC253 ,As(OC3
73 ,As(OC 493 ,As(CH33 ,As
(CH33 ,As(C253 ,As(C653
SbX3 ,Sb(OCH33 ,Sb(OC253
Sb(OC373 ,Sb(OC493 ,Sb(CH
33 ,Sb(C373 ,Sb(C4 93 等が挙げ
られる。
【0065】上記に於て、Xはハロゲン(F,Cl,B
r,I)を示す。
【0066】もちろん、これらの原料物質は1種であっ
ても良いが、2種またはそれ以上を併用してもよい。
【0067】前記した原料物質が常温、常圧下で気体状
態である場合にはマスフローコントローラーなどによっ
て成膜空間または活性化空間への導入量を制御し、液体
状態である場合は、Ar,Heなどの希ガスまたは水素
ガスをキャリアーガスとして、必要に応じ温度制御が可
能なバブラーを用いてガス化し、また固体状態である場
合には、Ar,Heなどの希ガスまたは水素ガスをキャ
リアーガスとして加熱昇華炉を用いてガス化して、主に
キャリアーガス流量と温度制御により導入量を制御す
る。HR−CVD法に於いて励起状態の水素原子を生成
させるためには、水素ガスまたは水素ガスと希ガスとの
混合ガスが用いられる。水素ガスのみではマイクロ波プ
ラズマが安定しなかったり、プラズマが生起しない場合
には希ガスを適宜混合させることが効果的である。HR
−CVD法に於て用いられる希ガスとしては、He,N
e,Ar,Kr,Xe,Rnが好適なものとして挙げら
れる。
【0068】本発明に於て好適に使用される基板は、金
属、ガラス、セラミックス、プラスチックフィルムなど
である。金属基板の場合は、例えば、ステンレス、アル
ミニウムなどの工業的に安定して供給され、安価で加工
し易い材質が好ましい。また、形状については、作製上
も、製品としての取扱の上でも使いやすい角型にしても
良いし、工業的規模で連続生産する場合は、前記金属基
板は、シート状に形成された長尺基板であって、ロール
状に巻き取ることができ、充分に柔軟であることが望ま
しく、このため基板の厚みとしては、1mmから100
μm程度が好適である。また、絶縁性基板としては、耐
熱性、加工性の点からガラスやセラミックスが好適に用
いられる。ガラス基板の場合、透明性が良く、成膜中
や、使用中に半導体層と反応しない材質が好ましく、こ
のような材料としてコーニング社の7059ガラスが用
いられる。セラミックス基板の場合には、アルミナ、ジ
ルコニアなどのいわゆるニューセラミックスが好適に用
いられる。プラスチックの基板としてはポリエステル、
ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リアミド等が好適に用いられる。これらの基板材料の表
面処理は、照射された光を有効に光電変換するためと、
半導体としての接合を良くすることに重要な工程であ
り、所望に応じて平滑な面にしたり、粗面にしたりし
て、必要に応じて機械的な研磨や電解研磨等の処理をし
て用いる。光起電力発生層は、n型の導電性を持つ非晶
質半導体層とイントリンジックな非晶質半導体層及びp
型の導電性を持つ非晶質半導体層を積層したpin型の
構成が望ましく、またこの層を2層あるいは3層積層し
たスタック構造でも良い。各層は非晶質シリコン、非晶
質シリコンゲルマニュウム、非晶質炭化珪素などのテト
ラヘドラル系の非晶質半導体が用いられる。非晶質半導
体層は、所望の電気的物理特性や用途の諸点に鑑みて相
応の成膜方法が採用されている。例えば、プラズマCV
D法、反応性スパッタリング法、イオンプレーテイング
法、光CVD法、熱CVD法、MOCVD法、MBE
法、などが試みられており、これらのうちいくつかの方
法が半導体デバイスを形成する上で至適なものとして採
用され、企業化されている。とりわけSiH 4 ガスをプ
ラズマで分解して作製するプラズマCVD法が利用され
ている。この場合ドーピング層は、SiH4 ガスとドー
ピング剤のPH3 ガスまたは、B2 6 ガスとをプラズ
マで分解して作製する。前記ドーピング層は、光電流の
発生に寄与しないデッドレイヤーであるため、光の吸収
が少ないことが要求され、かつ、光に依って発生する起
電力を大きくするためにp層に於てはフェルミレベルが
価電子帯に近い程良く、n層に於いては伝導帯に近い程
良く、このため、効率良くドーピングが可能な微結晶に
よって形成されることが一般に行なわれている。また、
前記ドーピング層を微結晶化することによりセルの直列
抵抗が下がる効果も生じる。
【0069】本発明の太陽電池の構成に於いて、微結晶
シリコンのシート抵抗Rsは従来の透明電極に匹敵する
物であるが、このような微結晶シリコンの所望の物性は
次の実験によって確認した。 (実験)図8にHR−CVD法によって微結晶膜及び多
結晶膜を作製するに好適な装置を示す。図に於て201
は成膜室であり、基板ホルダー202上に基板203が
置かれている。204は基板加熱用のヒーターであり、
導線205を介して給電され、発熱する。206はガス
を排気するための排気管、207は真空ポンプである。
208乃至212は原料ガスを励起するためのマイクロ
波エネルギーの供給系であり、208はマイクロ波電
源、209はマイクロ波の電力をモニターするための方
向性結合器とパワーモニター、210はスリースタブチ
ューナー、211は矩型導波管、212はマイクロ波の
漏れを防止するための円筒である。213及び214は
原料ガスが分解される同軸型の反応管である。220乃
至270は、ガス供給系である。それぞれ、220,2
30,240,250はガス供給用ボンベ、221,2
31,241,251はレギュレータ、222,23
2,242,252,224,234,244,254
はバルブ、223,233,243,253はマスフロ
ーコントローラー、260及び、270はガス供給管を
示す。
【0070】図8の装置を用いて以下のようにしてp型
シリコン膜を形成した。まず、5cm×5cmの大きさ
のコーニング社製7059基板203を基板ホルダー2
02上に置き、真空ポンプ207を用いて成膜室201
内を約10-6Torrに排気した。ついで、基板加熱用
ヒーター204により基板203を350℃に加熱保持
した基板温度が安定した後、ガス供給用ボンベ240よ
りSiF4 ガス10sccm及びガス供給用ボンベ25
0よりBF3 ガス(10%水素希釈)10sccmをガ
ス導入管260を介して反応管213に導入した。他
方、ガス供給用ボンベ220よりH2 ガス100scc
m及びガス供給用ボンベ230よりArガス10scc
mをガス導入管270を介して反応管214に導入し
た。
【0071】成膜室201の内圧を0.4Torrに保
ちマイクロ波電源208より100Wのパワーを投入し
た。反応管213及び214でプラズマが生成し、基板
203上にシリコンの薄膜が堆積した。
【0072】成膜開始と同時に、成膜室201の上部に
設置した不図示のルビーレーザー(波長694nm、ビ
ーム径10mm)より、エネルギー密度0.5J/cm
2 、パルス幅40nsでレーザー光を基板表面に照射
し、また、基板ホルダーをXY方向に1cm/secの
速度で走査し約15分間成膜を行なった。成膜終了後得
られた試料をS−1として取り出し、基板を替えて上述
と同様の方法を用いてルビーレーザーのエネルギー密度
を1J/cm2 、1.5J/cm2 、2J/cm 2
2.51J/cm2 、に変えて成膜を行ないそれぞれの
試料をS−2、S−3、S−4、S−5とした。得られ
た各堆積膜試料について、電子線回折法(以下RHEE
Dと表記する)により堆積膜の結晶性の評価を行なった
ところすべて良好な結晶性があった。各試料についてX
線回折を行いシェラー法で結晶粒径を求めたところ約1
00オングストロームから約2000オングストローム
であった。レーザーのエネルギー密度と結晶粒径の関係
を図5に示す。各試料を4探針法により測定し、シート
抵抗Rs(Ω/□)を算出した。結晶粒径とシート抵抗
Rsとの関係を図6に示した。図6から粒径が300オ
ングストローム以上の時、シート抵抗Rsが約100Ω
/□以下になり透明電極として使用できる抵抗値となる
ことがわかる。
【0073】次に、上述のp型シリコン層を用いて図1
に示す層構成の太陽電池を以下のようにして作製し、そ
の後、電気特性を測定した。
【0074】まず、表面を鏡面研磨した30cm角の大
きさのステンレス製(SUS304)基板101に不図
示の蒸着器を用いて下部電極102を堆積した。その
後、不図示のグロー放電プラズマ反応室に入れSiH4
ガスとPH3 ガスを導入してn層103を400Å堆積
した。ガス供給をやめた後、反応室を真空排気し、Si
4 ガスとH2 ガスを導入してi層104を4000Å
堆積した。ガス供給をやめた後、反応室を真空に排気
し、基板101を図8の堆積装置に真空搬送した後、上
述したHR−CVD法によりp層105を700Å堆積
した。この時のルビーレーザーのエネルギー密度は0.
5J/cm2 とした。成膜後試料を取り出し、不図示
のドライエッチング装置でエッチングを行い1cm×1
cmの大きさのサブセルを縦横各10個ずつ作製し合計
100個に分離し、4探針法を用いてp層のシート抵抗
を測定した。次に、試料を不図示の別の蒸着装置に移
し、エレクトロンビーム蒸着法によりアルミの集電電極
107を形成した。さらに不図示のスパッタ装置により
SiO2 反射防止層108を約700Å堆積した。得ら
れた試料をNo.1とした。
【0075】次にルビーレーザーのエネルギー密度を1
J/cm2 、1.5J/cm2 、2J/cm2 、2.5
J/cm2 、に変えて成膜を行ないそれぞれの試料をN
o.1−2、No.1−3、No.1−4、No.1−
5とした。次に、比較試料として上記と同様の手順で図
9に示す従来の太陽電池を作製した。まず、基板301
上に下部電極302、n層303、i層304、p層3
05の順で堆積し、不図示のスパッタ装置を用いてIT
O層306を約700Å堆積した。その後上述した方法
と同様に試料を作成し、100個のサブセルに分離し、
R−1とした。
【0076】以上の試料にキセノンランプによる疑似太
陽光源(以下シミュレータと呼ぶ)を用いてAM−1の
太陽光スペクトルを100mW/cm2 の強度で照射
し、太陽電池特性を測定した。シート抵抗と変換効率の
関係を図7に示した。変換効率は比較試料R−1の平均
値で規格化した平均の値を示した。図7から、シート抵
抗が10Ω/□以上500Ω/□以下の時太陽電池特性
は従来のものに比較して良好であることがわかった。
【0077】次に本発明第1の太陽電池モジュールの作
用について説明する。本発明第1の太陽電池モジュール
は、該モジュール自体が機械的強度を必要とせず、可撓
性を有するままでよいため、安価に製造することができ
る。また、太陽電池モジュールが非常に大きくなって
も、単位モジュールの大きさに折り畳めるので、商品と
しての梱包、設置現場までの運搬、作業者が屋根などへ
持ち上げる作業が非常に容易になるなどの効果が得られ
る。更に、熱を加えなければ接着力を持たないので、屋
根上に取り付ける際など、位置合わせが容易に出来る。
また、衣類にアイロンを掛けるように、単に熱を加える
ことによって、建造物表面に上記太陽電池モジュ−ルを
取り付けられるので、取り付け工事が非常に容易にな
り、更に、隣合う単位モジュール間は、連続的にラミネ
ートシートにより覆われているので、水分の侵入を防止
する上で、構造的に有利であり、完全に防水でき、太陽
電池の特性劣化を抑えられる。
【0078】次に本発明第2の太陽電池モジュールの作
用について説明する。
【0079】本発明第2の太陽電池モジュールは、太陽
電池相互の接着および直列接続を、導電性接着剤と絶縁
性の接着剤とを併用して行い、かつ絶縁性接着剤の接す
る部位の集電電極と半導体層とを除去してある。このた
め、基板相互を強力且つ安価な絶縁性の接着剤で接着す
ることができ、曲げによる半導体層の剥れを起こすこと
なく、また、電池相互が分離してしまうこともない。し
かも、高価な導電性接着剤を節約でき、かつ、電気的に
太陽電池相互を直列接続する工程も簡略化が可能で、太
陽電池モジュールの製造原価を下げることが可能であ
る。また、導線で太陽電池相互を接続するスペースも不
要であり、太陽電池の集光面を密に並べられるため、モ
ジュール効率を向上することが期待できる。
【0080】次に本発明第3の太陽電池モジュールの作
用について説明する。
【0081】本発明第3の太陽電池モジュールは、その
太陽電池を構成する電気的に並列接続された太陽電池素
子の最大単位(並列太陽電池素子)の長手方向を、継目
カバー部材の長手方向とは、実質的に垂直になる方向に
配列して形成されているため、継目カバー部材による陰
が生じても、並列太陽電池素子単位の1枚全体を覆い隠
すことは少なくなる。
【0082】また、接続部が継目カバー部材の内部に格
納されるため、デザイン上も美しくまとまる。また太陽
電池パネルを真空ラミネート加工により一体的に形成す
ることにより、ハトメ等の接合部材や接着剤を用いて矩
形板状部材への固定が容易にできる。
【0083】
【実施例】以下、実施例により、本発明の太陽電池を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限
定されるものではない。 (実施例1)図2に示すガラス基板を用いた層構成の太
陽電池を以下のようにして作製した。まず、30cm角
の大きさのコーニング社製7059ガラス基板101
を、図8の堆積装置の基板ホルダー202上に置き、成
膜室201を真空ポンプ207を用いて約10-6Tor
rに排気した。ついで、ルビーレーザーのエネルギー密
度を1.5J/cm2 としてp層106を2000Å作
製した。成膜後、成膜室201内を真空に排気し、実験
例と同様に不図示のグロー放電プラズマ反応室に真空搬
送し、p層105、i層104、n層103の順に堆積
した。試料を取り出し、別の蒸着装置に移し下部電極1
02を形成し、エッチングにより格子状の位置に縦10
個、横10個の1cm×1cmのサブセル100個に分
離し、得られた試料をNo.2とした。
【0084】次に、比較試料としてp層106の代わり
に不図示のスパッタ装置を用いてITOを約2000Å
堆積した後上記と同様の手順でp層105、i層10
4、n層103の順に堆積し、下部電極102を形成
し、縦10個、横10個の1cm×1cmのサブセルに
分離し、R−1とした。
【0085】この試料にガラス基板101側からシミュ
レータを用いてAM−1、100mW/cm2 の光を照
射し、それぞれの太陽電池特性を測定した。平均値とば
らつきの結果を表1に示した。交換効率は比較試料R−
1の値で規格化してある。比較試料に比べて、得られた
試料の太陽電池特性は良好であり、ばらつきが少なく大
面積に均一に堆積できることがわかる。
【0086】
【表1】
【0087】(実施例2)実施例1に於いて、BF3
スの替わりに不図示のガス供給ボンベに充填されている
PH3 ガス(20%H2 ガス希釈)を用いて図3の太陽
電池を以下のようにして作製した。
【0088】PH3 ガス(20%H2 ガス希釈)を流量
4sccmで導入し、ルビーレーザーのエネルギー密度
を1.5J/cm2 とした以外は同じ成膜条件でn型の
微結晶シリコン層106を堆積し、成膜後、成膜室20
1内を真空に排気した後実施例1と同様に不図示のグロ
ー放電プラズマ反応室に真空搬送しSiH4 ガスとPH
3 ガスを導入してn層103、i層104、p層105
の順に堆積した。試料を取り出し別の蒸着装置に移しア
ルミの集電電極107を形成した後エッチングにより格
子状の位置に縦10個、横10個の1cm×1cmのサ
ブセルに分離し、得られた試料をNo.2とした。
【0089】次に、比較試料として微結晶シリコン層1
06の代わりに不図示のスパッタ装置を用いてITOを
約2000Å堆積した後上記と同様の手順でn層10
3、i層104、p層105の順に堆積し、集電電極1
07を形成し、縦10個、横10個の1cm×1cmの
サブセルに分離し、R−2とした。この試料にガラス基
板101側からシミュレータを用いてAM−1、100
mW/cm2 の光を照射し、それぞれの太陽電池特性を
測定した。変換効率の平均値とばらつきの結果を表2に
示した。変換効率は比較試料R−2の値で規格化してあ
る。比較試料に比べて、得られた試料の太陽電池特性は
良好であり、ばらつきが少なく大面積に均一に堆積でき
ることがわかる。
【0090】
【表2】
【0091】(実施例3)次に図2に示す層構成の太陽
電池を以下のようにして作製した。この場合成膜装置は
図8の装置を用いるがマイクロ波放電はせずに熱CVD
法で薄膜を堆積させた。
【0092】まず、30cm角の大きさのコーニング社
製7059ガラス基板101を、図8の成膜装置の基板
ホルダー202上に置き成膜室201を真空ポンプ20
7を用いて約10-6Torrに排気した。ついで、基板
加熱用ヒーター204により基板203を600℃に加
熱保持した。基板温度が安定した後、ガス供給用ボンベ
220よりH2 ガス100sccm及び不図示のガス供
給用ボンベに充填されているSiH4 ガスをガス導入管
270および260を介して成膜室201に導入した。
成膜空間201の内圧を8Torrに保ちシリコンの薄
膜を堆積した。
【0093】約30分間成膜を行なった後、成膜室20
1内を真空に排気し不図示のイオン打ち込み装置に搬送
し、1cm2 当り3×1020個のB+イオンを25ke
Vで注入しp型シリコン層106を形成した。その後熱
アニールを行ない、試料を不図示のグロー放電プラズマ
反応室に搬送し、実施例1に示した方法と同様にしてi
層104、n層103を堆積した。試料を取り出し不図
示の蒸着装置に移しエレクトロンビーム法でアルミ集電
電極107を形成したのちエッチングにより1cm×1
cmの大きさの100個のサブセルに分離し、得られた
試料をNo.3とした。この試料にガラス基板側からシ
ミュレータを用いてAM−1、100mW/cm2 の光
を照射して太陽電池特性を測定した。得られた特性を実
施例1で作製した比較試料R−1の特性で規格化して結
果を表3に示した。表3から試料の太陽電池特性は良好
であり大面積に亘り均一な特性が得られることがわか
る。
【0094】
【表3】
【0095】以上説明した実施例1〜3においては、p
in接合型の太陽電池を取り上げたが、本発明はpn接
合型の太陽電池に於ても実施可能である。例えば図3の
場合、基板101にステンレスを用い、n層は液相法を
用いた薄膜の多結晶シリコン、p層は実施例1と同様に
作製することができる。
【0096】また、本発明は、図4のように反射防止膜
108を取り除いた構造の太陽電池に於いても実施可能
である。
【0097】次に本発明第1の太陽電池モジュールの実
施例について図面を参照して詳しく説明する。
【0098】図10,図11及び図12は、本発明の屋
外用、特に、屋根用の太陽電池モジュールを示してい
る。同図において、符号406は、本発明の屋根用太陽
電池モジュール全体を示しており、その可撓性基板上に
は非晶質太陽電池ユニット401が設けられ、各太陽電
池ユニット401毎に外部に電力を取り出すためのリー
ド部402が設けられている。
【0099】このような非晶質太陽電池ユニット401
の光入射表面を機械的・電気的・化学的に保護し、防水
し、更には入射光を透過させるための前面ラミネートシ
ート403は、複数の上記太陽電池ユニット401を所
要の間隔をあけて配置した状態で、これらを覆うような
大きさに形成されている。また、上記非晶質太陽電池ユ
ニット401の光入射面とは反対側における表面を機械
的・電気的・化学的に保護し、防水するための後面ラミ
ネートシート404は、これらユニット401の裏側を
覆うように、上記前面ラミネートシート403に重ねら
れ、上記リード部の取出し口を除いて、上記太陽電池ユ
ニット全体を、外部から遮断している。そして、上記後
面ラミネートシート404の太陽電池側とは反対の表面
に全面的あるいは部分的に未硬化のホットメルト接着剤
シート405が設けられていて、このようにして構成さ
れた太陽電池モジュールを、家屋の屋根上などの建築物
外表面に接着する働きをするようになっている。
【0100】なお、図10に示したような構成の太陽電
池モジュールは、図12に示すように非晶質太陽電池ユ
ニット毎に折り畳むことが出来る。
【0101】以下に、本発明の屋外用太陽電池モジュー
ルの実施態様について具体的に説明する。しかし、本発
明の技術的範囲は、これにより、何等、限定されるもの
ではない。 (実施態様1)上述のような構成の太陽電池モジュール
を、家屋の屋根上に取り付けるとすると、非晶質太陽電
池ユニット401には、30cm×120cmのタンデ
ム型アモルファスシリコン太陽電池を用いるのが、寸法
的に有利である。ここでは、太陽電池モジュール406
は、10枚の非晶質太陽電池ユニット401より構成さ
れている。また、前面ラミネートシート403は、PV
Fフィルム/ガラス繊維の積層構造とし、EVAフィル
ムを接着剤として用いる。後面ラミネートシート404
は、ガラス繊維/塩化ビニルフィルムの積層構造とし、
EVAフィルムを接着剤として用いる。また、ホットメ
ルト接着剤405としては、ポリアミド系接着剤シート
を用いる。
【0102】上記太陽電池モジュール406を屋根に取
付けるには、これを屋根の上にセットし、位置合わせを
した後、屋根の表面に接した接着剤シート405を加
熱、硬化するために、加熱送風器によって熱風を吹き掛
ける。従って、従来に比べて、施工が非常に簡単にな
る。施工後、晴天時に太陽電池モジュールの出力電力を
測定したところ約230Wであった。そして、更に1ヵ
月間、上記太陽電池モジュールを屋外に放置したが、ラ
ミネートシートの剥れや特性劣化などは全く見られなか
った。 (実施態様2)実施態様1と同様に、本発明の太陽電池
モジュール406を、屋外広告用看板に取り付ける場合
には、非晶質太陽電池ユニット401に30cm×60
cmのトリプル型アモルファスシリコン/アモルファス
シリコン/アモルファスシリコンゲルマニウム太陽電池
を用いるのが良い。上記太陽電池モジュール406は、
5枚のユニット401より構成されている。また、前面
ラミネートシート403は、テフセルフィルム/ガラス
繊維の積層構造とし、EVAフィルムを接着剤として用
いる。後面ラミネートシート404は、炭素繊維/塩化
ビニルフィルムの積層構造とし、EVAフィルムを接着
剤として用いる。更に、ホットメルト接着剤405とし
ては、ポリアミド系接着剤シートを用いる。
【0103】太陽電池モジュール406を屋外広告用看
板に取り付ける場合には、これを看板の裏面にセット
し、位置合わせをした後、加熱送風器によって熱風を吹
き掛ける。これによって、接着剤が加熱・硬化すること
で、非常に簡単に、太陽電池モジュール406を看板に
取り付けることが出来た。
【0104】看板に取り付けた後に、晴天時に太陽電池
モジュールの出力電力を測定したところ約70Wであっ
た。そして、更に1ヵ月間、太陽電池モジュールを屋外
に放置したが、ラミネートシートの剥れや特性劣化など
は全く見られなかった。 (実施態様3)実施態様1と同様に、本発明の太陽電池
モジュール406を、自動車の屋根に取り付ける場合、
上記非晶質太陽電池ユニット401には30cm×60
cmのシングル型アモルファスシリコン太陽電池を用い
る。上記太陽電池モジュール406は、3枚のユニット
401より構成されている。また、前面ラミネートシー
ト403は、テドラーフィルム/ガラス繊維の積層構造
とし、EVAフィルムを接着剤として用いる。後面ラミ
ネートシート404は、炭素繊維/塩化ビニルフィルム
の積層構造とし、EVAフィルムを接着剤として用い
る。また、ホットメルト接着剤405としては、ポリエ
ステル系接着剤シートを用いる。
【0105】太陽電池モジュール406を自動車の屋根
に取り付ける場合には、これをセットし、位置合わせを
した後、加熱アイロンによってラミネートシートを介し
て、接着剤に伝熱し、これを硬化する。従って、この場
合も、施工が非常に簡単に行える。
【0106】自動車に取り付けた後に、晴天時に太陽電
池モジュールの出力電力を測定したところ約40Wであ
った。そして、更に1ヵ月間太陽電池モジュールを屋外
に放置したが、ラミネートシートの剥れや特性劣化など
は全く見られなかった。
【0107】次に本発明第2の太陽電池モジュールの実
施例についてを図面を参照して詳しく説明する。
【0108】本発明を図13ないし図16に示す実施例
に基づき具体的に説明する。
【0109】(実施態様1)本発明に係る太陽電池モジ
ュールは、例えば、厚さ0.2mmのステンレス基板1
の上にアモルファスシリコンからなる光電変換活性半導
体層2を形成し、更に、酸化インジウムによって、透明
導電膜3を形成し、その上に集電電極4を付けたもの
で、太陽電池10a(10cm×10cm)は、他のセ
ル10bに、交互に塗布された導電性接着剤5と絶縁性
接着剤6によって、接着され、相互に直列接続されてい
る。この場合の接着幅Wは、5mmとし、導電性接着剤
としては、藤倉化成(株)製の銀ペースト、絶縁性接着
剤としては、スリーボンド(株)製のエポキシ系の接着
剤を用いる。キュアは室温で行い、5分間放置する。上
記接着幅Wは、大きいほど強度が高まるが、基板相互の
重なりが大きくなって、基板面の利用率が低くなるた
め、この点を考慮して決めなければならない。絶縁性接
着剤の接する部位の集電電極とアモルファスシリコン半
導体層とは、予め、グラインダによって、接着前に除去
してあり、また、上記絶縁性接着剤は、2つの太陽電池
の基板相互を強力に接着している。また、導電性接着剤
は、太陽電池10aの集電電極(+極)と太陽電池10
bの導電性基板(−極)を電気的に接続している。上記
導電性接着剤と絶縁製接着剤とが混じり合わないよう
に、接着剤相互の間には、例えば、0.5mm程度の隙
間を明けるとよい。また、導電性接着剤によって、太陽
電池の上部電極と下部電極の短格が生じないように、エ
ッジ部を上記絶縁性接着剤で0.5mm程度、保護して
いる。なお、このエッジ部における上記絶縁性接着剤の
下面については、集電電極などを除去しない。これは、
少しぐらいならば、絶縁性接着剤の下面に集電電極など
があっても差し支えないからで、寧ろ、上記絶縁製接着
剤の大部分で導電性基板相互を接着しておくことの方が
肝要なのである。この様子を図16に示した。
【0110】このようにして構成した基板を、直径15
cmのパイプに100回押し付けて曲げ、その前後で発
電効率を測定したところ、この時の効率は5.0%で、
曲げ操作の前に比べて、変化は全く見られず、接合部位
の分離も見られなかった。
【0111】(比較例)比較例として、導電性接着剤の
みを使用して、電池を接続したモジュールおよび絶縁性
接着部位の半導体層および集電電極を除去しないで接着
したモジュールを作製して、上述同様の曲げテストを試
みた。
【0112】前者のモジュールは数回から十数回の曲げ
によって壊れ、また、後者のモジュールでは、数十回の
曲げによって殆どの半導体層が剥がれ、壊れてしまっ
た。壊れたものは、むろん起電力を失っており、太陽電
池モジュールとして機能しなくなっていた。
【0113】(実施態様2)次に、絶縁性接着剤として
アクリル系接着剤、導電性接着剤としてより安価な炭素
系のペーストを用いた場合を挙げる。キュアとして、室
温で1分間放置する。その結果、上述同様の曲げテスト
を行ったところ、銀ペーストを用いた場合に比べ、効率
に変化がなかった。これによれば、高価な銀ペーストを
用いずともモジュールを作れることが明らかで、このた
め、製造原価を更に引き下げることができると思われ
る。
【0114】(実施態様3)さらに、最初の実施例と同
じ材料で、銀ペーストの使用量を半分にして、モジュー
ルを構成した。このような導電性接着剤を節約した構成
でも、太陽電池の効率は、最初の実施例と変わらない
5.0%であった。一般に、太陽電池モジュールを大型
にした場合、強度を保つ為に、接着幅を大きくとる必要
があるが、その場合には、この実施態様のようにすれ
ば、導電性接着剤の節約効果が大であると期待される。
【0115】次に本発明第3の太陽電池モジュールの実
施例についてを図面を参照して詳しく説明する。 (実施例1)以下、本発明の実施例について説明する。
但し、本発明は、以下に述べた太陽電池の製法、構造、
外形、工程、手順、及び屋根材の材質、構造、外形、工
程、手順に限られるものではない。
【0116】図17は本実施例の太陽電池モジュールの
部分的な斜視図であり、図において、501は電気的に
並列接続された太陽電池素子の最大単位(並列太陽電池
素子)である。また21はこれらの並列太陽電池素子5
01を直列に接続して構成した太陽電池パネルであり、
また22は太陽電池パネル21を載置するための矩形板
状部材であり、23は各太陽電池パネル21の接続部を
保護するための継目カバー部材である。また24は継目
カバー押え部材、25は接合部材としてのハトメ、26
は出力ケーブル、27はコネクター等の出力接続部材で
ある。
【0117】また図18は、本実施例の太陽電池モジュ
ールの全体を示す平面図であり、図18に示すように本
実施例の太陽電池モジュールは、電気的に並列接続され
た最大単位である並列太陽電池素子501を、その長手
方向を継目カバー部材23の長手方向とは実質的に垂直
な向きに13枚配列し、この13枚を電気的に直列に接
続して1枚の太陽電池パネル21を構成し、更に8枚の
太陽電池パネル21を電気的に直列に接続して構成され
ている。
【0118】本実施例では、図18に示されるように、
継目カバー部材23による陰30が生じても、並列太陽
電池素子501の1枚分の面積全体が覆われることはな
い。そのため、それぞれの並列太陽電池素子501の出
力電流は減少しても、出力電圧が減少することはなく、
全体として期待どおりの出力電圧を得ることができる。
【0119】本実施例に用いる太陽電池としては、非晶
質太陽電池素子を用い、ステンレススチール基板上に非
晶質シリコン薄膜をRFグロー放電法を用いて、基板側
からn,i,p,n,i,pの順に堆積し、透明電極を
蒸着した後、小部分に分離し、櫛形電極を付け、各小部
分を電気的に並列接続し、縦約100mm、横約300
mmの並列太陽電池素子501とした。次にこれを、縦
方向に13枚、約1mmの間隔で隣接するように配列さ
せ、銅製テープを用いて電気的に直列接続したものを一
組として太陽電池パネル21とし、これを8組作製し
た。
【0120】また、本実施例では、最終的に8枚の太陽
電池パネル21を電気的に直列接続することを考慮し、
太陽電池を屋根材に接合した時点で、太陽電池パネル2
1の下側左端の素子の形成されていない部分に陰極、下
側右端の同様の部分に陽極の出力端子を設置できるよう
に、前記の銅製テープを用いて太陽電池パネル21の裏
面に配線を施した。またその際、ステンレススチール製
基板と銅製テープの絶縁の為、ポリエステルテープを用
いた。
【0121】また上記の太陽電池パネル21の表面及び
裏面保護材として、予め表面をプラズマ処理された厚さ
100μm、縦1500mm、横320mmのシート状
のテドラーフィルムを、また接着剤としてシート状のE
VA(エチレン・ビニル・アセテート)を用いて、約1
00℃で真空ラミネート加工し、一枚の太陽電池パネル
21とした。
【0122】そして太陽電池パネル21の余白部分(素
子の形成されていない部分)の左右端部に出力端子を設
けて、出力ケーブル26として断面積1.25mm2
長さ1mの銅製のケーブルをプラス、マイナスの各出力
端子に半田付けし、シリコンゴムを用いて半田付け部分
を絶縁防水した。出力ケーブル26のもう一方の端には
出力接続部材27としてプラス側には雄型、マイナス側
には雌型の100V,15Aの2Pの防水コネクタを取
り付けた。こうして作製した太陽電池パネル21の一枚
分の最大出力は約25Wであった。
【0123】次に屋根材として以下のものを用意した。
まず矩形板状部材22は一方の表面をガルバリウム処理
された鋼板製で、厚さ0.35mm、長さ3000m
m、幅約350mmのものである。これを図20のよう
に、向かい合う2辺の端から約15mm折り曲げ、短手
方向の断面が「コ」の字になるようにしたものを8個用
いた。
【0124】継目カバー部材23は、矩形板状部材22
と同じ材質で厚さ0.35mm、長さ3000mm、幅
90mmの板状鋼板を図19(b)のように、短手方向
の断面幅が約30mmの「コ」の字となるように折り曲
げ、さらに長手方向の辺を端から約5mm内側へ折り曲
げたものを9個用いた。但しこれらの部材の長手方向の
端部は、図19(a)に示すように蓋状に形成されてい
る。
【0125】継目カバー押え部材24は、矩形板状部材
22及び継目カバー部材23と同じ材質で厚さ0.35
mm、長さ100mm、幅85mmの板状鋼板を、図2
1のように短手方向の断面が「コ」の字になるように両
端から各々30mm折り曲げ、さらに外側へ15mm折
り曲げ、さらに内側へ約5mm折り曲げたものを36個
用いた。
【0126】以下に太陽電池パネル21と矩形板状部材
22の接合手順を示す。
【0127】用意した矩形板状部材22の表面には、各
々予め作製しておいた太陽電池パネル21を1枚ずつ、
但し前述の並列接続された縦約10cm、横約30cm
の並列太陽電池素子501の長手方向(横方向)が、矩
形板状部材22の長手方向に実質的に垂直になるように
配置し、矩形板状部材22の折り曲げられた部分のうち
太陽電池21の出力ケーブル26にあたる部分には、図
20に示すように、各々出力ケーブル26が通るだけの
切り欠き601を設け、出力ケーブル26を外側に出し
た。
【0128】次に裏面保護材のテドラーの表面に、市販
のシリコン系接着剤を塗布して太陽電池パネル21を矩
形板状部材22の表面に接着した後、さらにラミネート
された太陽電池パネル21の太陽電池素子以外の部分の
四隅に、直径約10mmのハトメ25を用いて、矩形板
状部材22と太陽電池パネル21を接合した。
【0129】これらの屋根材及び太陽電池を、屋根を模
した縦3m、横15mの傾斜した木製の板上に、矩形板
状部材22の長手方向が屋根の上下方向に一致し、折り
曲げた部分が上方を向き、隣接する矩形板状部材22と
各々25mmの間隔をもつように配置して固定した。そ
の後それらの間隔部分の長手方向に約1000mmに一
個の割合で継目カバー押え部材24を配置し、固定し
た。
【0130】太陽電池の出力接続部材27として雄型及
び雌型防水コネクタは、隣接する矩形板状部材22の間
隔部分に配置し、直列接続のために雄型と隣の雌型、雌
型と隣の雄型をはめ込んだ。
【0131】最後にこれらの継目カバー押え部材24に
は、前述の継目カバー部材23が上方からはめ込まれ、
屋根材の継目が形成され、本発明の太陽電池モジュール
が完成した。図22は、この継目部分の構成を示す断面
図である。
【0132】なお、本実施例の部材の上述した長さ、厚
さ等の数値は、特にこれらに限られるものではない。 (実験例1)実施例1で作製した本発明の太陽電池素子
の配列を有する太陽電池モジュールを用いて、本発明の
並列太陽電池素子501の配列の有効性を確認する実験
を行なった。本実験例に用いた太陽電池素子は、実施例
1と同様にステンレススチール基板上に非晶質シリコン
薄膜をRFグロー放電法を用いて基板側からn,i,
p,n,i,pの順に堆積し、透明電極を蒸着した後、
小部分に分離し、櫛形電極を付け、それぞれの小部分を
電気的に並列接続して、縦約100mm、横300mm
の並列太陽電池素子501としたものを用いた。
【0133】本実験例においては、前記の並列太陽電池
素子の単位501を、図18に示すように、その長手方
向が継目カバー部材23の長手方向に、実質的に垂直に
なるようにして配列し、合計13枚を電気的に直列接続
し、これを一組として8組用意した。
【0134】以下、上記の太陽電池素子の真空ラミネー
トの材料、手順と、出力端子、出力ケーブル及び防水コ
ネクタの材質、取り付けは実施例1と同様とした。各々
の太陽電池パネル21の出力は約25Wだった。
【0135】本実験は、太陽の高度が一年を通じて最も
低く、従って物体の作る影がもっとも長い12月に行な
った。まず実施例1の屋根を模した木製板及び太陽電池
モジュールを水平面に対して30度傾斜し、かつ太陽電
池が真南を向いた状態で、周囲に障害物のない平地に設
置した。そして実施例1で直列接続した太陽電池の出力
を、図28に示すような逆流防止手段を備えた120V
用蓄電池システムに接続して、充電される電圧及び電流
を常時測定記録した。同時に、今回用いた個々の太陽電
池パネル21を構成する縦約10cm、横約30cmの
並列太陽電池素子501が、継目カバー部材23の作る
影によって、どの程度覆われるかを目視で観察した。
【0136】その結果、前述のいずれの並列太陽電池素
子501も継目カバー部材23の作る影によって1枚分
の面積が完全に覆われることは観測されず、また、太陽
電池の出力が急激に著しく減少することも観測されず、
当初の目的が達せられた。 (比較例1)実験例1に対する比較例として、並列太陽
電池素子501の配列が本発明の配列とは異なる太陽電
池モジュールを試作し、実験例1と同様の実験を行なっ
た。この実験では、個々の太陽電池パネル21の電気的
に並列接続された太陽電池素子の最大単位501の長手
方向を、継目カバー部材23の長手方向に平行な方向に
一致させて配置した。
【0137】本比較例に用いた並列太陽電池素子501
は、実験例1で用いたものと同じものを用い、図27に
示すように、その長手方向が継目カバー部材23の長手
方向に平行になるように5枚並べ、その側方に同様に4
枚、さらにその側方に同様に4枚、各々の間隔が約1m
mとなるように、合計13枚配列し、これら13枚を電
気的に直列接続して太陽電池パネル21とし、これを一
組として8組用意した。
【0138】以下、上記の太陽電池素子の真空ラミネー
トの材料、手順と、出力端子、出力ケーブル及び防水コ
ネクタの材質、取り付けは実験例1と同様とした。各々
の太陽電池パネル21の出力は約25Wだった。また屋
根材も実験例1と同様のものを同数用いた。
【0139】これらの屋根材及び太陽電池を、実験例1
と同様の屋根を模した木製板上に、実験例1と同様の方
法で固定し、太陽電池パネル8枚を直列接続し、最後に
継目カバー23をはめ込んで太陽電池モジュールを完成
させた。
【0140】次に、この太陽電池モジュールを用いて、
実験例1と同様に、12月に、屋根を模した木製板及び
太陽電池モジュールを、水平面に対して30度傾斜し、
かつ太陽電池が真南を向いた状態で、周囲に障害物のな
い平地に設置した。
【0141】そして本比較例で作製した太陽電池モジュ
ールの出力を、実験例1と同じ、図28に示す逆流防止
手段を備えた120V用蓄電池システムに接続し、充電
される電圧及び電流を常時測定記録した。また同時に、
個々の並列太陽電池素子の単位501の受光面にできる
継目カバー23による影のかかり方を目視で観察した。
【0142】その結果、太陽南中時前後の約2時間を除
いて、継目カバー23の影は、各々の矩形板状部材22
上の太陽電池パネル21の1枚につき、少なくとも1枚
以上の前記の並列太陽電池素子の単位501を完全に覆
っており、それに対応して、蓄電池に充電される電力が
低下し、さらに充電が行われない場合も観測された。
【0143】これは前記の並列太陽電池素子の単位50
1が、1枚あるいは複数枚完全に継目カバー部材23の
作った影に覆われたことにより、出力電流のみならず出
力電圧が著しく低下し、蓄電池システムの充電電圧を満
足することが困難となったことを示すものである。
【0144】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の太
陽電池によれば、基板上に堆積する薄膜のpin型また
はpn型太陽電池に於て、光入射側の価電子制御された
半導体層を非単結晶とし、該半導体層のシート抵抗Rs
を10Ω/□以上500Ω/□以下とすることで、大面
積に亘って均一でかつ良好な特性の薄膜太陽電池が作製
できる。なお、前記半導体層は粒径300オングストロ
ーム以上の非単結晶とすることが望ましい。
【0145】また、本発明第1の太陽電池モジュールに
よれば、該モジュール自体が機械的強度を必要とせず、
可撓性を有するままでよいため、安価に製造することが
できる。また、太陽電池モジュールが非常に大きくなっ
ても、単位モジュールの大きさに折り畳めるので、商品
としての梱包、設置現場までの運搬、作業者が屋根など
へ持ち上げる作業が非常に容易になるなどの効果が得ら
れる。更に、熱を加えなければ接着力を持たないので、
屋根上に取り付ける際など、位置合わせが容易に出来
る。また、衣類にアイロンを掛けるように、単に熱を加
えることによって、建造物表面に上記太陽電池モジュー
ルを取り付けられるので、取り付け工事が非常に容易に
なり、更に、隣合う単位モジュール間は、連続的にラミ
ネートシートにより覆われているので、水分の侵入を防
止する上で、構造的に有利であり、完全に防水でき、太
陽電池の特性劣化を抑えられる。
【0146】また、本発明第2の太陽電池モジュールに
よれば、太陽電池相互を直列接続するのに、両者の接着
を、導電性接着剤と絶縁性の接着剤との併用で行い、か
つ絶縁性接着剤の接する部位の集電電極と半導体層とを
除去しているから、基板相互を強力且つ安価な絶縁性の
接着剤で接着することができ、曲げによる半導体層の剥
がれを回避し、また、太陽電池相互が分離してしまうこ
とがない。しかも、高価な導電性接着剤を節約でき、ま
た、太陽電池の直列接続の工程も簡略化が可能なので、
太陽電池モジュールの製造原価を下げることが可能であ
る。また、従来のように導線で太陽電池相互を電気的に
接続するためのスペースも不要であり、太陽電池の受光
面を密に並べられるため、モジュール効率も向上するこ
とが期待できる。特に、強度面および製造原価の縮小の
効果が大きいため、その工業的価値は究めて大である。
【0147】また、本発明第3の太陽電池モジュールに
よれば、太陽電池モジュールを設置する架台が不要とな
るため、架台費用が不要となるのみでなく、屋根上への
設置作業が簡略化し、作業者の安全性も向上する。
【0148】さらに架台が不要になることと合わせて、
出力ケーブル及び出力接続部材が屋根材の継目カバー部
材の内側に収納されることによって、デザイン的に美し
くまとまり、地域の景観に及ぼす悪影響も除去すること
ができる。
【0149】また出力ケーブル及び出力接続部材が屋根
材の継目カバー部材の内側に収納されることは、雨水や
積雪等の外的環境からの出力ケーブル及び出力接続部材
の長期的な保護が可能であり、漏電や感電、断線の防止
に役立つ。
【0150】また各々の太陽電池において、電気的に並
列接続された太陽電池素子の最大単位(並列太陽電池素
子)の長手方向を、屋根材の継目カバー部材の長手方向
に実質的に垂直な方向に配置することによって、屋根材
の継目カバー部材が作り出す影が、個々の並列太陽電池
素子の少なくとも一枚の受光面を完全に覆い、結果とし
て太陽電池モジュールの出力が著しく減少することを防
ぐことができる。
【0151】さらに前記の太陽電池において、少なくと
も表面保護材と裏面保護材と非晶質シリコン太陽電池素
子とを接着剤を用いて真空ラミネート加工したことによ
り、例えば裏面保護材の表面に接着剤を塗布したり、太
陽電池素子以外の余白部分にハトメ等を用いることがで
き、前記矩形板状部材に接合することが容易になるとい
う効果が得られる。
【0152】加えて、この真空ラミネート加工により、
外的環境に対する耐久性を十分満足し、かつ強固なフレ
ームを必要としない為、太陽電池の生産工程を減少さ
せ、結果として生産性の向上、生産コストの低下が可能
となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【図2】本発明の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【図3】本発明の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【図4】本発明の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【図5】レーザービームのエネルギー密度と微結晶の粒
径との関係を示す図である。
【図6】微結晶の粒径とシート抵抗との関係を示す図で
ある。
【図7】シート抵抗と変換効率の関係を示す図である。
【図8】本発明の太陽電池を作成するに好適な成膜装置
を模式的に示す図である。
【図9】従来の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【図10】本発明の太陽電池モジュールの一実施例を示
す概略平面図である。
【図11】図10の太陽電池モジュールの概略断面図で
ある。
【図12】図10の太陽電池モジュールを折り畳んだ場
合の概略断面図である。
【図13】本発明に係るモジュールの一実施例の平面図
である。
【図14】図13のA−A’線に沿った縦断面図であ
る。
【図15】図13のB−B’線に沿った横断面図であ
る。
【図16】接着面の拡大図である。
【図17】本発明の実施例の屋根材と太陽電池の設置状
態を示した概略斜視図である。
【図18】本発明の実施例の太陽電池モジュールの概略
平面図である。
【図19】実施例で用いた屋根材のうち、継目カバー部
材の外形及び長手方向に垂直な面の断面を示した概略斜
視図である。
【図20】実施例で用いた屋根材のうち、矩形板状部材
の外形を示した概略斜視図である。
【図21】実施例で用いた屋根材のうち、継目カバー押
え部材の外形を示した概略斜視図である。
【図22】実施例で用いた各屋根材、及び各太陽電池の
接続箇所の構造を示す概略断面図である。
【図23】従来の屋根用太陽電池モジュールを示す概略
斜視図である。
【図24】従来の太陽電池モジュールを示す平面図であ
る。
【図25】太陽電池の基板相互を接着する形の従来例の
側面図である。
【図26】太陽電池の基板相互を接着する形の従来例の
平面図である。
【図27】従来例の配列による太陽電池モジュールを示
す概略平面図である。
【図28】太陽電池モジュールを用いた蓄電池充電シス
テムの一例を説明するための図である。
【符号の説明】
101,301 基板、 102,302 下部電極、
103,303 n型半導体層、 104,304 i
型半導体層、105,305 p型半導体層、 306
透明導電膜、107,307 集電電極、 108
反射防止膜、 201 成膜室、202 基板ホルダ
ー、 203 基板、 204 基板加熱用ヒーター、
205 導線、 206 排気管、 207 真空ポン
プ、208 マイクロ波電源、 209 パワーモニタ
ー、210 チューナー、 211 矩形導波管、 2
12 円筒、213,214 反応管、220,23
0,240,250 ガス供給ボンベ、221,23
1,241,251 レギュレータ、222,232,
242,252 バルブ、223,233,243,2
53 マスフローコントローラー、224,234,2
44,254 バルブ、260,270 ガス供給管、
401 非晶質太陽電池ユニット、 402 リード
部、403 前面ラミネートシート、 404 後面ラ
ミネートシート、405 ホットメルト接着剤シート、
406 屋外用太陽電池モジュール、1 導電性基
板、 2 半導体層、 3 透明導電膜、 4 集電電
極、5 導電性接着剤、 6 絶縁性接着剤、 7 接
続用導線、8 上部電極取出部、 9 下部電極取出
部、 10a,10b 太陽電池、17 導電性接着
層、21 太陽電池パネル、22 矩形板状部材、23
継目カバー部材、 24 継目カバー押え部材、25
接合部材(ハトメ)、 26 出力ケーブル、27
出力接続部材(コネクタ)、 28 屋根または構造
部、30 継目カバー部材による陰、501 電気的に
並列接続された最大単位の太陽電池素子(並列太陽電池
素子) 601 出力ケーブルを通す切り欠き。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月10日(2000.2.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 太陽電池モジュール
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】また、本発明は太陽電池モジュー
ルに係り、特に家屋の屋根等の建築物あるいは構造物に
取り付ける太陽電池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】世界規模で、環境問題が重要視されるよ
うになってきた昨今、クリーンなエネルギー源としての
太陽電池に対する期待が、極めて高くなってきている。
しかし、通常の太陽電池ユニットの出力電圧は、例え
ば、アモルファスシリコンが一層のみから構成される太
陽電池の場合、0.7Vと低いため、モジュールとして
実用する場合には、数個から数百個を直列に接続して用
いなければならない。このため、従来から、多種多様な
手段がとられている。
【0003】例えば、上述のような太陽電池モジュール
を構成するのに、図5に示されるように、太陽電池の集
電電極4に導線7を半田で接続し、更にその導線を導電
性基板1に溶接あるいは半田で接着して、各太陽電池間
の直列接続を行っている。
【0004】しかるに、この方法は、非常に手間がかか
り、また導線の抵抗を下げるために比較的太い導線を用
いなければならず、太陽電池モジュールの製造コストを
引き上げていた。そこで、導線を用いずに太陽電池を直
列接続し、モジュールにする方法として、特開昭62−
195185号公報に所載のものなどが提唱された。こ
こでは、図6,図7に示すように、複数の太陽電池10
a,10bを導電性接着層17を介して接着して、それ
らの直列接続を行うため、導線が不要であり、また、電
池間の配線部分がその下部に隠れるため、電池のデッド
エリアが無くなり、また、電池間の間隙も小さくなるた
め、太陽電池モジュールの受光面が増し、変換効率が高
まると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述した
方法では、導電性接着層17を電池表面の集電電極取出
部に直接、接続しているため、接続部位の強度が弱く、
太陽電池モジュールに曲げ応力が加わると、半導体層を
導電性基板から引き剥して、壊してしまったり、接着部
位が離れてしまうおそれがある。また、このような構成
では、高価な導電性接着剤を多量に使用しなければなら
ないという欠点もある。
【0006】本発明は、上記欠点を克服するためになさ
れたもので、高効率で安価、かつ堅牢な太陽電池モジュ
ールを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、本発明の太陽電池モジュールは、導電性基板
と、該基板上に設けられた光電変換活性領域を構成する
半導体層と、上記半導体層上に設けられた透明導電膜
と、上記透明導電膜上に設けられた複数の集電電極とか
らなる太陽電池を、複数個、直列接続した太陽電池モジ
ュールにおいて、一方の太陽電池の集電電極と他方の太
陽電池の導電性基板とを、導電性接着剤および絶縁性接
着剤を介して接着して、上記太陽電池の直列の接続をな
し、また、絶縁性接着剤の接する部位の半導体層、透明
導電膜および集電電極を除去してあることを特徴とす
る。
【0008】なお、本発明で用いられる導電性基板に
は、ステンレス,アルミニウム,銅,チタン,カーボン
シートなどが用いられる。また、金属電極層の材質とし
ては、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Niなどが
適用され、形成方法としては抵抗加熱蒸着,電子ビーム
蒸着,スパッタリング法などが採用される。
【0009】光電変換部材としての半導体層には、pi
n接合非晶質シリコン,pn接合多結晶シリコン,Cu
InSe2/Cdsなどの化合物半導体が挙げられる。
上記半導体層は、それが非晶質シリコンの場合、シラン
ガスなどを用いたプラズマCVD法により、また、多結
晶シリコンの場合、溶融シリコンのシート化により、更
には、CuInSe2/Cdsの場合、電子ビーム蒸
着,スパッタリング,電析(電解液の電気分解による析
出)などの方法で、積層、形成される。
【0010】透明電極に用いる材料としては、In
23,SnO2,In23−SnO2,ZnO,Ti
2,Cd2SnO4,高濃度不純物をドープした結晶性
半導体層などがあり、その形成方法としては、抵抗加熱
蒸着,電子ビーム蒸着,スパッタリング法,スプレー
法,CVD法,不純物拡散法などがある。
【0011】また、本発明の太陽電池モジュールを構成
するには、接着代を十分に確保するため、上記材料によ
って構成された太陽電池の一部の半導体層、透明導電
膜、集電電極の一部を除去しなければならない。このた
めには、グラインダ、サンドブラストなどの物理的な方
法、あるいはエッチングなどの化学的な方法が採用でき
る。その除去する面積は、大きいほど接着強度が高くな
るが、同時に太陽電池モジュールとしての性能を落とし
てしまうため、モジュールの用途、大きさなどを勘案し
て決める必要がある。
【0012】上記太陽電池モジュールは、更に、半導体
層、透明導電膜および集電電極の除去された面に、ディ
スペンサー、刷毛などを用いて、絶縁性接着剤を塗布
し、また、半導体層、透明導電膜および集電電極が残さ
れている面に導電性接着剤を塗布し、他の太陽電池の導
電性基板に直接、接着させることによって構成される。
この際、導電性接着剤と絶縁性接着剤とは、多少、混じ
り合っても差し支えないが、可能な限り混ざらないよう
にすることが電気的性能、機械的強度の点で望ましい。
また、絶縁性接着剤が除去部位の周辺に少々はみ出すこ
とは、一向に差障りがなく、寧ろ、同一太陽電池の上部
集電電極と下部導電性基板との間での導電性接着剤によ
る短絡を妨げるため、有効である。なお、導電性接着剤
の塗布にあたっては、これを太陽電池のエッジ部まで塗
布してしまうと、上記短絡が生じやすい点に特別な注意
を払わなければならない。そこで、例えば、異方性導電
性接着剤と呼ばれる、特定方向にしか導電性の無い接着
剤を使用すれば、これを防ぐことができる。
【0013】導電性接着剤としては、金、銀、銅、炭
素、ニッケルなどの導電性基質とフェノール系、アクリ
ル系、エポキシ系などの有機バインダで構成されている
液状のもの、並びに固形のテープ形態のものが使用でき
る。
【0014】絶縁性の接着剤は、金属を強力に接着で
き、薄く塗布できるものならどんなものでも良く、出来
れば、エポキシ系、アクリル系、フェノール系のものが
望ましい。
【0015】
【作用】本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池相互
の接着および直列接続を、導電性接着剤と絶縁性の接着
剤とを併用して行い、かつ絶縁性接着剤の接する部位の
集電電極と半導体層とを除去してある。このため、基板
相互を強力且つ安価な絶縁性の接着剤で接着することが
でき、曲げによる半導体層の剥れを起こすことなく、ま
た、電池相互が分離してしまうこともない。しかも、高
価な導電性接着剤を節約でき、かつ、電気的に太陽電池
相互を直列接続する工程も簡略化が可能で、太陽電池モ
ジュールの製造原価を下げることが可能である。また、
導線で太陽電池相互を接続するスペースも不要であり、
太陽電池の集光面を密に並べられるため、モジュール効
率を向上することが期待できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明図1ないし図4に示す実施例
に基づき具体的に説明する。
【0017】(実施例1)本発明に係る太陽電池モジュ
ールは、例えば、厚さ0.2mmのステンレス基板1の
上にアモルファスシリコンからなる光電変換活性半導体
層2を形成し、更に、酸化インジウムによって、透明導
電膜3を形成し、その上に集電電極4を付けたもので、
太陽電池10a(10cm×10cm)は、他のセル1
0bに、交互に塗布された導電性接着剤5と絶縁性接着
剤6によって、接着され、相互に直列接続されている。
この場合の接着幅Wは、5mmとし、導電性接着剤とし
ては、藤倉化成(株)製の銀ペースト、絶縁性接着剤と
しては、スリーボンド(株)製のエポキシ系の接着剤を
用いる。キュアは室温で行い、5分間放置する。上記接
着幅Wは、大きいほど強度が高まるが、基板相互の重な
りが大きくなって、基板面の利用率が低くなるため、こ
の点を考慮して決めなければならない。絶縁性接着剤の
接する部位の集電電極とアモルファスシリコン半導体層
とは、予め、グラインダによって、接着前に除去してあ
り、また、上記絶縁性接着剤は、2つの太陽電池の基板
相互を強力に接着している。また、導電性接着剤は、太
陽電池10aの集電電極(+極)と太陽電池10bの導
電性基板(−極)を電気的に接続している。上記導電性
接着剤と絶縁製接着剤とが混じり合わないように、接着
剤相互の間には、例えば、0.5mm程度の隙間を明け
るとよい。また、導電性接着剤によって、太陽電池の上
部電極と下部電極の短格が生じないように、エッジ部を
上記絶縁性接着剤で0.5mm程度、保護している。な
お、このエッジ部における上記絶縁性接着剤の下面につ
いては、集電電極などを除去しない。これは、少しぐら
いならば、絶縁性接着剤の下面に集電電極などがあって
も差し支えないからで、寧ろ、上記絶縁製接着剤の大部
分で導電性基板相互を接着しておくことの方が肝要なの
である。この様子を図4に示した。
【0018】このようにして構成した基板を、直径15
cmのパイプに100回押し付けて曲げ、その前後で発
電効率を測定したところ、この時の効率は5.0%で、
曲げ操作の前に比べて、変化は全く見られず、接合部位
の分離も見られなかった。
【0019】(比較例)比較例として、導電性接着剤の
みを使用して、電池を接続したモジュールおよび絶縁性
接着部位の半導体層および集電電極を除去しないで接着
したモジュールを作製して、上述同様の曲げテストを試
みた。
【0020】前者のモジュールは数回から十数回の曲げ
によって壊れ、また、後者のモジュールでは、数十回の
曲げによって殆どの半導体層が剥がれ、壊れてしまっ
た。壊れたものは、むろん起電力を失っており、太陽電
池モジュールとして機能しなくなっていた。
【0021】(実施例2)次に、絶縁性接着剤としてア
クリル系接着剤、導電性接着剤としてより安価な炭素系
のペーストを用いた場合を挙げる。キュアとして、室温
で1分間放置する。その結果、上述同様の曲げテストを
行ったところ、銀ペーストを用いた場合に比べ、効率に
変化がなかった。これによれば、高価な銀ペーストを用
いずともモジュールを作れることが明らかで、このた
め、製造原価を更に引き下げることができると思われ
る。
【0022】(実施例3)さらに、最初の実施例と同じ
材料で、銀ペーストの使用量を半分にして、モジュール
を構成した。このような導電性接着剤を節約した構成で
も、太陽電池の効率は、最初の実施例と変わらない5.
0%であった。一般に、太陽電池モジュールを大型にし
た場合、強度を保つ為に、接着幅を大きくとる必要があ
るが、その場合には、この実施例のようにすれば、導電
性接着剤の節約効果が大であると期待される。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の
陽電池モジュールによれば、太陽電池相互を直列接続す
るのに、両者の接着を、導電性接着剤と絶縁性の接着剤
との併用で行い、かつ絶縁性接着剤の接する部位の集電
電極と半導体層とを除去しているから、基板相互を強力
且つ安価な絶縁性の接着剤で接着することができ、曲げ
による半導体層の剥がれを回避し、また、太陽電池相互
が分離してしまうことがない。しかも、高価な導電性接
着剤を節約でき、また、太陽電池の直列接続の工程も簡
略化が可能なので、太陽電池モジュールの製造原価を下
げることが可能である。また、従来のように導線で太陽
電池相互を電気的に接続するためのスペースも不要であ
り、太陽電池の受光面を密に並べられるため、モジュー
ル効率も向上することが期待できる。特に、強度面およ
び製造原価の縮小の効果が大きいため、その工業的価値
は究めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るモジュールの一実施例の平面図で
ある。
【図2】図1 のA−A’線に沿った縦断面図である。
【図3】図1 のB−B’線に沿った横断面図である。
【図4】 接着面の拡大図である。
【図5】 従来の太陽電池モジュールを示す平面図であ
る。
【図6】 太陽電池の基板相互を接着する形の従来例の側
面図である。
【図7】 太陽電池の基板相互を接着する形の従来例の平
面図である。
【符号の説明】1 導電性基板 2 半導体 3 透明導電 4 集電電 5 導電性接着 6 絶縁性接着 7 接続用導 8 上部電極取出 9 下部電極取出 10a,10b 太陽電 17 導電性接着層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
フロントページの続き (72)発明者 山本 浩史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 竹原 信善 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板と、該基板上に設けられた光
    電変換活性領域を構成する半導体層と、上記半導体層上
    に設けられた透明導電膜と、上記透明導電膜上に設けら
    れた複数の集電電極とからなる太陽電池を、複数個、直
    列接続した太陽電池モジュールにおいて、一方の太陽電
    池の集電電極と他方の太陽電池の導電性基板とを、導電
    性接着剤および絶縁性接着剤を介して接着して、上記太
    陽電池の直列の接続をなし、また、絶縁性接着剤の接す
    る部位の半導体層、透明導電膜および集電電極を除去し
    てあることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記半導体層がアモルファスシリコンか
    らなる請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記導電性基板がステンレスであり、前
    記絶縁性接着剤としてエポキシ系、またはアクリル系を
    使用した請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記導電性基板がステンレスであり、前
    記絶縁性接着剤としてエポキシ系、またはアクリル系を
    使用した請求項2に記載の太陽電池モジュール。
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