JP2000144673A - 鋼管杭リング工法 - Google Patents

鋼管杭リング工法

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JP2000144673A
JP2000144673A JP10317878A JP31787898A JP2000144673A JP 2000144673 A JP2000144673 A JP 2000144673A JP 10317878 A JP10317878 A JP 10317878A JP 31787898 A JP31787898 A JP 31787898A JP 2000144673 A JP2000144673 A JP 2000144673A
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pile
ring
pipe pile
piles
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JP10317878A
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English (en)
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Morio Kitamura
北村  精男
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Giken Seisakusho Co Ltd
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Giken Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋立護岸等の構築のために、鋼管杭を連接さ
れたリング状に水底に多数打ち込む工法において、使用
船舶等の削減を図り、コストを低減する。 【解決手段】 港湾等の海上にすぐ移動できる場所で、
鋼管杭1を予めリング状に接合してリング状鋼管2を製
造する。そして、鋼管杭1の底部を閉塞部材3で閉塞し
て、リング状鋼管2を海上に浮かせて、タグボート等に
より現場まで搬送する。この際に、リング状鋼管2に予
め杭圧入機10を設置しておく。そして、現場におい
て、閉塞部材3を操作してリング状鋼管2を水底に沈め
る。次いで、杭圧入機10によりリング状鋼管2を構成
する鋼管杭1を、順次、杭圧入機10により水底に圧入
する。このようにすることで、従来使用されていた鋼管
杭1を搬送する台船、杭打ち台船等の船舶の数を削減
し、コストダウンを図る。また、予め、鋼管杭1をリン
グ状に接合しておくことで、施工精度の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の鋼管杭を水
底にリング状に打設することにより、埋立護岸等の土留
壁や、締め切りや、矢板式基礎等として機能する構造物
を構築する鋼管杭リング工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すように、鋼管杭1…
(鋼管矢板)をリング状に水底に打設するとともに、複
数の鋼管杭1…からなるリング状鋼管2…を複数連接し
た状態とすることにより埋立護岸等の構造物を構築する
鋼管杭リング工法が知られている。なお、図4において
は、例えば、複数連接されたリング状鋼管2…の上側が
埋め立てされた陸部分となり、下側が海となり、リング
状に水底に打設された鋼管杭1は水中において土留壁や
締め切りとして機能している。上記構造物を構築する鋼
管杭リング工法においては、例えば、鋼管杭1…を搬送
するための図5に示す台船3、鋼管杭1…を取り扱うた
めの図6に示すクレーン船4、鋼管杭1…を水底に打ち
込むための図7に示す杭打ち船5等を用いている。そし
て、鋼管杭1…を台船3により現場に水上輸送し、クレ
ーン船4により台船3上の鋼管杭1…を吊上げて、杭打
ち船5にセットし、この杭打ち船5により、鋼管杭1…
を水底に打ち込むことにより上記構造物を構築してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鋼管杭リン
グ工法においては、上述のように、水上での杭打ち作業
のために、巨大な杭打ち船、クレーン船を要するととも
に、鋼管杭材料の運搬の為に、巨大な台船を必要として
おり、これらの船舶の運用にコストがかかっていた。す
なわち、巨大な台船を用いた鋼管杭材料の運搬にコスト
がかかるとともに、巨大な杭打ち船やクレーン船を用い
た鋼管杭の打ち込み作業にコストがかかっていた。ま
た、鋼管杭は、杭打ち船により水上から水底に打ち込ま
れるものなので各鋼管杭の打ち込み位置や各鋼管杭同士
の相対的な位置関係等の施工精度は、必ずしも高いもの
とは言えなかった。本発明は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、使用される船舶や重機の簡素化と、それに
伴うコストの低減と、施工精度の向上とを図ることがで
きる鋼管杭リング工法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
鋼管杭リング工法は、複数の鋼管杭をリング状に水底に
打ち込むことにより構造物を構築する鋼管杭リング工法
であって、予め複数の鋼管杭をリング状に接合するリン
グ組立工程と、次いで、上記鋼管杭を打ち込むべき水底
上にリング状に接合された状態で搬送する搬送工程と、
リング状に接合された上記鋼管杭を上記水底に沈め、リ
ング状に接合された鋼管杭に支持された状態で、上記鋼
管杭を地盤に打ち込む杭打ち手段により、リング状に接
合された各鋼管杭を水底に打ち込む打設工程とを具備し
てなることを特徴とする。上記構成によれば、予め鋼管
杭がリング状に接合された状態、すなわち、地上で鋼管
杭同士が接合されるので、鋼管杭同士の相対位置の精度
を向上することができる。また、リング状に接合された
状態の鋼管杭を沈める際に、正確な位置に沈めれば、各
鋼管杭の位置が正確に決まるので、施工全体の精度の向
上を図ることができる。また、杭打ち手段は、リング状
に接合された鋼管杭に支持された状態で、上記鋼管杭を
水底に打ち込むので、杭打ち手段を支持するための台船
を必要とせず、施工に必要とされる巨大な台船(杭打ち
船)を減らすことができ、これによりコストの低減を図
ることができる。
【0005】本発明の請求項2記載の鋼管杭リング工法
は、請求項1記載の鋼管杭リング工法の搬送工程におい
て、リング状に接合された鋼管杭内に空気を保持させ、
リング状に接合された鋼管杭を水に浮かせた状態で搬送
することを特徴とする。上記構成によれば、水上に浮い
た状態のリング状に接合された鋼管杭を、例えば、タグ
ボート等で目的地まで搬送することができるので、鋼管
杭を搬送する台船を必要とせず、施工に必要とされる巨
大な台船を減らすことができ、これによりコストの低減
を図ることができる。本発明の請求項3記載の鋼管杭リ
ング工法は、請求項2記載の鋼管杭リング工法の搬送工
程において、上記杭打ち手段が、リング状に接合された
鋼管杭に設置された状態で、上記鋼管杭が搬送されるこ
とを特徴とする。上記構成によれば、杭打ち手段が水上
に浮いた鋼管杭に載せられた状態で、現場まで搬送され
るので、杭打ち手段を搬送するための船舶を必要とせ
ず、施工に必要とされる船舶の数を減らし、コストの低
減を図ることができる。
【0006】本発明の請求項4記載の鋼管杭リング工法
は、請求項1、2または3記載の鋼管杭リング工法の打
設工程において、リング状に接合された上記鋼管杭を略
垂直に立てた状態で水底に降ろした後に、リング状に接
合された上記鋼管杭の重量から反力取って、リング状に
接合された上記鋼管杭のうちの一部の鋼管杭を水底に打
ち込み、次いで、リング状に接合された上記鋼管杭の重
量と、水底に打ち込まれた鋼管杭の引抜抵抗から反力を
取って残りの鋼管杭を水底に打ち込むことを特徴とす
る。上記構成によれば、はじめ、リング状に接合された
鋼管杭の重量から反力を取って、鋼管杭の一部を水底に
打ち込んだ後に、残りの鋼管杭を鋼管杭の重量と水底に
打ち込まれた鋼管杭の引抜抵抗との両方から反力を取っ
て鋼管杭を水底に打ち込んでいるので、残りの鋼管杭を
水底に打ち込む際には、大きな反力を取ることが可能と
なり、鋼管杭の水底への打ち込みを容易なものとするこ
とができる。特に、鋼管杭を圧力で水底に圧入すること
により、鋼管杭を打ち込む場合には、残りの鋼管杭を打
ち込む際に、上述のような大きな反力に対応する大きな
圧入力で鋼管杭を迅速に圧入することができる。また、
既に水底に打ち込まれた鋼管杭から反力を取って、新た
に鋼管杭を圧入する杭圧入機においては、最初の鋼管杭
を圧入する際には、基本的に既設の鋼管杭が無い状態な
ので、既設の鋼管杭以外のものから反力を取る必要があ
り、上述のように水底に鋼管杭を圧入する場合には、例
えば、バラストタンクや、脚を有する台船等を用いて、
該台船から反力を取っていた。しかし、上記構成によれ
ば、リング状に接合された鋼管杭の重量から反力を取っ
て最初の鋼管杭を圧入でき、その後は水底に圧入された
鋼管杭から反力を取って他の鋼管杭を圧入できるので、
最初の鋼管杭を圧入する際に反力を取るための台船を必
要とせず、使用する船舶の簡素化とコストダウンとを図
ることができる。なお、鋼管杭一本の重量では、鋼管杭
を水底に圧入するのに、充分な反力を取ることができな
くとも、予め鋼管杭をリング状に接合することで、リン
グ状に接合された鋼管杭の全重量から反力を取れるよう
になり、鋼管杭を水底に圧入するのに充分な反力を鋼管
杭の重量から取ることが可能となる。
【0007】本発明の請求項5記載の鋼管杭リング工法
は、請求項1、2,3または4記載の鋼管杭リング工法
において、上記杭打ち手段が、リング状に接合された鋼
管杭上を自走自在で、リング状に接合された鋼管杭のう
ちの一部の鋼管杭に支持されるとともに、上記一部の鋼
管杭を介して鋼管杭の重量等から反力取って、上記リン
グ状に接合された鋼管杭のうちの他の鋼管杭を水底に圧
入することを特徴とする。上記構成によれば、杭打ち手
段、すなわち、杭圧入機が鋼管杭上を自走可能で、鋼管
杭に支持された状態で、杭圧入機を支持する鋼管杭を介
して鋼管杭の重量等から反力を取って、鋼管杭を地盤に
圧入可能なので、基本的に外部からの支援なしに、鋼管
杭を水底に圧入することが可能となる。従って、外部か
らの支援用の船舶等を削減することができるので、コス
トダウンを図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例の鋼管杭リング工法を図面を参照して説明する。図
1、2は、海上(水上)に浮いた状態のリング状に接合
された鋼管杭1…を示し、図3は、リング状に接合され
た鋼管杭1…を圧入している状態を示している。そし
て、この一例の鋼管杭リング工法においては、まず、鋼
管杭1…を、例えば、鋼管杭メーカの港湾内で、リング
状に接合し、リング状鋼管2(図1,2に図示)とす
る。なお、鋼管杭1をリング状に接合したリング状鋼管
2は、大きな構造物となり陸送が困難な状態となるの
で、容易に海上に移動できる状態で製造されることが好
ましい。また、鋼管杭1同士の接合に際しては、例え
ば、鋼管杭1を周知の継手1aを有する鋼管矢板とし、
互いに隣接する鋼管杭1の継手1a同士を係合させると
ともに、例えば、継手1a等のセクション部同士を溶接
するものとしても良いし、継手1a同士を係合させると
ともに、図示しないリング状の支保工を用いて、リング
状鋼管2の内周側や外周側から各鋼管杭1…同士を固定
するものとしても良い。
【0009】また、後述するようにリング状鋼管2にお
いては、各鋼管杭1…を別々に水底に圧入するので、圧
入に際しては、各鋼管杭1…同士がその軸方向に沿って
互いに摺動自在に係合した状態となっていることが好ま
しく、鋼管杭1…同士の接合に溶接等を用いた場合に
は、溶接された部分が後で取り外せるようになっている
ことが好ましい。また、リング状鋼管2においては、各
鋼管杭1…が互いにほぼ平行に接合され、基本的に各鋼
管杭1…の上下長さがほぼ等しくされ、かつ、各鋼管杭
1…の下端と上端の高さ位置がそれぞれ略同じにされて
いるが、この一例においては、後述する杭圧入機10が
掴むための鋼管杭1(1A)…だけ、他の鋼管杭1…よ
り長くされるとともに、上端の高さ位置が、他の鋼管杭
1…より高くされている。また、リング状鋼管2は、平
面視した場合に、ほぼ円状であるが、必ずしも円状でな
くとも良く、強度的に問題が生じなければ、楕円状や、
多角形状や、その他形状でも良い。
【0010】また、リング状鋼管2において、各鋼管杭
1…の底部は、閉塞部材7…により閉塞された状態とさ
れ、鋼管杭1…内に水が侵入しない状態とされている。
なお、図1においては、鋼管杭1…内の閉塞部材7…を
透視した状態に図示した。そして、各閉塞部材7…は、
ここでは、その位置を上下に移動できる状態としてい
る。すなわち、閉塞部材7…は、鋼管杭1…内に摺動自
在に係合した状態となっており、例えば、ワイヤ等で引
っぱることにより、鋼管杭1…の底部からそれより上に
移動できるようになっている。そして、閉塞部材7…に
より、鋼管杭1…内への水の侵入を防止して、リング状
鋼管2を水に浮かすことが可能となっている。そして、
リング状鋼管2は、各鋼管杭1…の底部を閉塞部材7…
で閉塞して鋼管杭1内に空気を保持することにより、図
1に示すように各鋼管杭1…がほぼ垂直に立った状態で
水上に浮くようになっている。
【0011】なお、上記閉塞部材7…として、例えば、
特開平9−264018に記載された閉塞部を応用する
ことができる。上記閉塞部は、鋼管杭1…の内径より僅
かに小さな径を有する二枚の円板と、これら二枚の円板
より小径でかつ、二枚の円板を接続する接続筒と、二枚
の円板の間で、上記接続筒の周囲を囲むようにリング状
にされた止水体とを有するものである。二枚の円板は、
互いに平行、かつ、その中心軸が一致するようにされる
とともに、互いに間隔をあけて配置され、上記接続筒の
上下端部にそれぞれ接合されている。また、接続筒の中
心軸と二枚の円板の中心軸とがほぼ一致するようにされ
ている。そして、上記円板は、その径が鋼管杭1…の内
径より僅かに小さいことにより、鋼管杭1…内を上下に
移動自在な状態となっている。上記止水体は、基本的に
環状の弾性を有するチューブであり、内部に気体や液体
等の流体を充填することにより、膨らますことができる
とともに、流体を排出することにより萎ますことができ
るようになっている。そして、閉塞部において、止水体
を膨らますことにより、閉塞部を鋼管杭1内の任意の位
置に固定して、その位置で止水できるようになってい
る。また、鋼管杭1内に固定された閉塞部の止水体の流
体を僅かに抜くことにより、閉塞部を鋼管杭1内で上下
に移動できるようになっている。そして、止水体を再び
膨らますことで、閉塞部を鋼管杭1内で移動した後に再
び任意の位置で固定できるようになっている。なお、閉
塞部材7…は、必ずしも鋼管杭1…内で上下に移動でき
なくとも良く、例えば、鋼管杭1…に対して閉塞部材7
…を移動できないように固定した状態で、ポンプ等によ
り鋼管杭1…内部に対して注排水が可能となっていても
良い。また、上下に移動しない閉塞部材7に上下に貫通
する導管を設けるとともに、導管に開閉弁を設け、開閉
弁をあけることにより、鋼管杭1…内に水を流入可能と
なっていても良い。なお、上述のようにポンプにより柱
排水する場合や、導管を開閉して水を導入する場合に、
閉塞部材7を鋼管杭1…の上部(鋼管杭の下部の水底へ
の打ち込みの邪魔にならず、かつ、後述する杭圧入機1
0のクランプの邪魔にならない位置)に設け、鋼管杭1
…内に空気を溜められる状態としても良い。
【0012】次に、鋼管杭1…をリング状に接合するこ
とにより形成されたリング状鋼管2を水上に浮かせるこ
とになるが、この際に、リング状鋼管2に杭圧入機10
を設置する。上記杭圧入機10は、鋼管杭1(鋼管矢
板)を地盤に圧入するための周知のものである。上記杭
圧入機10は、図1等に示すように、鋼管杭1内部に挿
入された状態で左右に開くことにより、既に地盤に打ち
込まれたの既設の鋼管杭1を掴む複数のクランプ(図示
略)を備えたサドル11と、サドル11に対して前後に
移動自在なスライド部12と、スライド部12に対して
左右に回転可能な旋回部13と、旋回部13に上下動自
在に取り付けられるとともに、鋼管杭1を掴む事が可能
なチャックを備えた昇降体14と有するものである。
【0013】上記杭圧入機10は、周知のようにクラン
プで既設の鋼管杭1を掴んだ状態で、既設の鋼管杭1か
ら反力を取り、チャックに掴んだ鋼管杭1を昇降体14
で下降させることにより新たに鋼管杭1を圧入できるよ
うになったものである。また、杭圧入機10は、周知の
ように、既設の鋼管杭1…上を自走して移動可能である
とともに、鋼管杭1…を真っ直ぐ一列に並んだ状態に圧
入したり、鋼管杭1…の列を湾曲した状態に曲げるよう
に圧入したり、鋼管杭1…の列を直角に曲げるように圧
入することができるものである。
【0014】この一例では、図2に示すように、一つの
リング状鋼管2に三台の杭圧入機10を設置するように
なっている。そして、リング状鋼管2に杭圧入機10を
設置する際には、昇降体14のチャックの部分で、上述
の長い鋼管杭1Aを掴んだ状態とするとともに、サドル
11に設けられたクランプが長い鋼管杭1Aの後ろ側に
並んだ三つの鋼管杭1…を掴んだ状態とするようになっ
ている。なお、三台の杭圧入機10は、互いにほぼ等間
隔に配置されるようになっており、他の鋼管杭1より長
い三本の鋼管杭1Aも互いにほぼ等間隔に配置され、長
い鋼管杭1A同士の間の他の鋼管杭1の数がそれぞれ等
しくされている。なお、リング状鋼管2に設置される杭
圧入機10は、一台や二台でも良く、また三台以上でも
良い。
【0015】次に、杭圧入機10を載せたリング状鋼管
2を水上に浮かせた状態でタグボートにより鋼管杭1を
圧入すべき水底上の現場まで移動する。従って、基本的
に鋼管杭1…や、杭圧入機10…を搬送するための台船
を必要としない。なお、リング状鋼管2の移動に際して
は、タグボート以外の船舶でリング状鋼管2を曳航する
ものとしても良い。次に、リング状鋼管2が現場に到着
した後に、各鋼管杭1…の閉塞部材7…を例えば、図3
に示すように鋼管杭1…の中央部まで上げるように移動
させる。これにより、鋼管杭1…の下部に水を流入させ
て、鋼管杭1…の浮力を低下させて、リング状鋼管2を
沈める。なお、この際には、リング状鋼管2を正確な位
置に沈める必要があり、各種測量装置やGPS等を用い
てリング状鋼管2を位置決めして沈める。
【0016】次に、三台の杭圧入機10…により鋼管杭
1を圧入するが、最初は、予め、各杭圧入機10…のチ
ャックに掴まれた3本の長い鋼管杭1A…を圧入してい
く。この際には、三台の杭圧入機10…のクランプが他
の鋼管杭1…を掴んだ状態となっているので、クランプ
に掴まれた鋼管杭1…を介して、リング状に接合された
鋼管杭1…の重量と、杭圧入機10…の重量とから反力
を取って鋼管杭1A…を圧入することができる。また、
圧入時には、さらに上記閉塞部材7…を上昇させて、鋼
管杭1内に空気を溜めたことによる浮力がほとんど作用
せず、鋼管杭1…の重量のほぼ全てを圧入の反力に利用
できる状態とする。従って、最初の鋼管杭1A…の圧入
に際しては、リング状鋼管2と杭圧入機10…との重量
から反力を取って圧入を行えるので、他の台船等から反
力を取る必要がなく、最初の鋼管杭1A…の圧入を容易
なものとすることができるとともに、圧入に必要な船舶
の数を減らしてコストダウンを図ることができる。
【0017】また、圧入に際しては、リング状鋼管2が
垂直な状態となるように、各杭圧入機10…による鋼管
杭1…の圧入を制御する。なお、上記制御においては、
鋼管杭1Aの一度圧入した部分を少し引き抜くように杭
圧入機10…を制御しても良い。言い換えれば、三台
(複数)の杭圧入機10…により、リング状鋼管2にお
いて互いに間隔をあけた状態で配置された三本(複数)
の鋼管杭1…を同時に圧入していくことにより、各杭圧
入機10…を制御して、リング状鋼管2が垂直に配置さ
れるようにすることができる。次に、三本の長い鋼管杭
1A…を圧入した後に、各杭圧入機10…を鋼管杭1本
分だけ前進させて、次ぎの鋼管杭1…を圧入することに
なる。なお、三本の長い鋼管杭1A…を圧入した状態
で、長い鋼管杭1A…の上端の高さが他の鋼管杭1…と
ほぼ同じとなるようにされている。すなわち、三本の長
い鋼管杭1Aの長さは、鋼管杭1Aを圧入した時点でそ
の上端が他の鋼管杭1…の上端の位置と同じとなるよう
に予め設定されている。そして、既に圧入された長い鋼
管杭1A…の上端の高さと他の鋼管杭1…の上端の高さ
とをほぼ一致させることにより、杭圧入機10…を鋼管
杭1…上で自走させる際に、高さの異なる鋼管杭1…に
よって、杭圧入機10…の自走が妨げられることがな
い。
【0018】また、次ぎの鋼管杭1…を圧入する際に
は、その前に、必要長さの鋼管(図示略)を継ぎ足して
溶接する。そして、溶接に際しては、溶接された鋼管が
昇降体14のチャックに内に挿入された状態となるよう
にする。このようにすることで、圧入される前(溶接
前)の鋼管杭の高さと、圧入された後の鋼管杭の高さと
が同じになるので、各鋼管を圧入している際や、圧入後
に各鋼管杭の高さが異なることにより、杭圧入機1の鋼
管杭1…状の自走が妨げられることがない。また、次ぎ
に圧入される鋼管杭1…だけが溶接されて他の鋼管杭1
…より高くなり、杭圧入機10…により容易に圧入でき
る状態となる。また、鋼管杭1…を継ぎ足すものとする
場合には、継ぎ足し用の鋼管を搬送する必要があるとと
もに、溶接作業が必要となるが、鋼管杭1…の主な部分
がリング状鋼管2として搬送されてしまっているので、
リング状鋼管2の全ての鋼管を台船等で搬送した場合に
比較して、搬送に必要な船舶の数を減らすことができ
る。従って、鋼管を溶接するものとしてもコストダウン
を図ることができる。なお、鋼管の溶接は、従来でも行
われる可能性があった。
【0019】そして、各杭圧入機10…において、二本
目の鋼管杭1…の圧入が終了した後に三本目の鋼管杭1
…を二本目と同様の方法で圧入し、さらに、全ての鋼管
杭1…を圧入するまで、杭圧入機10…を前進させて鋼
管杭1…を順次圧入していく。なお、二本目の以降の鋼
管杭1…の圧入に際しては、杭圧入機10…のクランプ
が少なくとも一本以上の既に水底に圧入された鋼管杭1
…(鋼管杭1Aを含む場合もある)を掴んでおり、水底
に圧入された鋼管杭1…からも反力を取ることができる
ので、二本目以降の鋼管杭1…を圧入する際には、鋼管
杭1…の引抜抵抗からも反力を取ってより大きな圧入力
で迅速に鋼管杭1…を圧入することができる。そして、
リング状鋼管2の全ての鋼管杭1…を圧入した時点で、
一つのリング状鋼管2の鋼管杭1…の圧入を終了する。
なお、従来例で図4に示したように、複数のリング状鋼
管2を連接するように水底に圧入する際には、引き続
き、次ぎのリング状鋼管2を現場に上述のように搬送
し、次ぎのリング状鋼管2の鋼管杭1…の圧入を行うこ
とになる。なお、二つ目以降のリング状鋼管2において
は、既に一つ目以降のリング状鋼管2の搬送時に一緒に
杭圧入機10を搬送しているので、さらに杭圧入機10
を搬送する必要がなく、既に圧入されたリング状鋼管2
と次ぎに圧入されるリング状鋼管2とが接触もしくは近
接していれば、鋼管杭1…上を自走する要領で、既に圧
入されたリング状鋼管2から次ぎに圧入されるリング状
鋼管2に杭圧入機10を自走させて移動させることがで
きる。
【0020】なお、複数のリング状鋼管2において、並
行して鋼管杭1…の圧入をする場合には、それぞれのリ
ング状鋼管2を搬送する際に、杭圧入機10を上述のよ
うに一緒に搬送する必要がある。そして、鋼管杭1…を
圧入した後に、埋立や掘削等のリング状鋼管2を土留壁
や締め切り等として利用した作業を行うことになる。な
お、杭圧入機10を撤去する際には、杭圧入機10を撤
去したり搬送したりする作業船等の船舶が必要となる
が、杭圧入機10の搬送に船舶を必要とするのは、復路
だけなので、船舶の数を削減することができる。また、
作業の終わった杭圧入機10を陸側から撤去するものと
すれば、杭圧入機10を撤去するために船舶を用いる必
要がない。
【0021】上記例によれば、基本的に必要とされる船
舶は、継ぎ足し用の鋼管を搬入するために用いられる船
舶だけであり、杭打ち船を必要とせず、鋼管杭1の大部
分がリング状鋼管2としてタグボートにより搬送されて
しまうので、鋼管搬送用の台船を大幅に削減することが
でき、クレーン船等も継ぎ足し用鋼管用の小型なものを
用いることができる。従って、必要な船舶を大幅に削減
してコストダウンを図ることができる。また、圧入によ
り鋼管杭を水底に打ち込むので、振動や騒音がほとんど
発生せず、現場と住宅地とが近接していても、騒音や振
動等の住宅地への影響を考慮せずに作業を行うことがで
きる。
【0022】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の鋼管杭リング工
法によれば、予め鋼管杭がリング状に接合された状態な
ので、地上で鋼管杭同士を接合することができ、鋼管杭
同士の相対位置の精度を向上することができる。また、
リング状鋼管を沈める際に、正確な位置に沈めれば、各
鋼管杭の位置が正確に決まるので、施工全体の精度の向
上を図ることができる。また、杭打ち手段は、リング状
鋼管に支持された状態で鋼管杭を水底に打ち込むので、
杭打ち手段を支持するための台船を必要とせず、施工に
必要とされる巨大な台船を減らし、コストの低減を図る
ことができる。
【0023】本発明の請求項2記載の鋼管杭リング工法
によれば、リング状鋼管を水上に浮かせた状態で目的地
まで搬送することができるので、鋼管杭を搬送する台船
を必要とせず、施工に必要とされる巨大な台船を減らし
てコストの低減を図ることができる。本発明の請求項3
記載の鋼管杭リング工法によれば、水上に浮いたリング
状鋼管とともに杭打ち手段を搬送することができ、杭打
ち手段を現場に搬送するための船舶を必要とせず、施工
に必要とされる船舶の数を減らしてコストの低減を図る
ことができる。
【0024】本発明の請求項4記載の鋼管杭リング工法
によれば、最初の杭を打ち込む際には、リング状に接合
された鋼管杭のほぼ全重量から反力を取って、鋼管杭の
一部を水底に打ち込むことができ、残りの鋼管杭を打ち
込む際には、リング状に接合された鋼管杭の重量と水底
に打ち込まれた鋼管杭の引抜抵抗との両方から大きな反
力を取って鋼管杭を水底に迅速に打ち込むことができ
る。本発明の請求項5記載の鋼管杭リング工法によれ
ば、杭打ち手段、すなわち、杭圧入機が鋼管杭上を自走
可能で、鋼管杭に支持された状態で、杭圧入機を支持す
る鋼管杭を介して鋼管杭の重量等から反力を取って、鋼
管杭を地盤に圧入可能なので、基本的に外部からの支援
なしに、鋼管杭を水底に圧入することが可能となる。従
って、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の鋼管杭リング工法
を説明するための水に浮いた状態のリング状鋼管の側面
図である。
【図2】上記例の鋼管杭リング工法を説明するためのリ
ング状鋼管の平面図である。
【図3】上記例の鋼管杭リング工法を説明するための沈
めた状態のリング状鋼管の側面図である。
【図4】従来の鋼管杭リング工法を用いた埋立護岸を示
す平面図である。
【図5】従来の鋼管杭リング工法に用いられる船舶を示
す概略斜視図である。
【図6】従来の鋼管杭リング工法に用いられる船舶を示
す概略斜視図である。
【図7】従来の鋼管杭リング工法に用いられる船舶を示
す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭 2 リング状鋼管(リング状に接合された鋼管) 10 杭圧入機(杭打ち手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鋼管杭をリング状に水底に打ち込
    むことにより構造物を構築する鋼管杭リング工法であっ
    て、予め複数の鋼管杭をリング状に接合するリング組立
    工程と、次いで、上記鋼管杭を打ち込むべき水底上にリ
    ング状に接合された状態で搬送する搬送工程と、リング
    状に接合された上記鋼管杭を上記水底に沈め、リング状
    に接合された鋼管杭に支持された状態で、上記鋼管杭を
    地盤に打ち込む杭打ち手段により、リング状に接合され
    た各鋼管杭を水底に打ち込む打設工程とを具備してなる
    ことを特徴とする鋼管杭リング工法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼管杭リング工法の搬送
    工程において、リング状に接合された鋼管杭内に空気を
    保持させ、リング状に接合された鋼管杭を水に浮かせた
    状態で搬送することを特徴とする鋼管杭リング工法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の鋼管杭リング工法の搬送
    工程において、上記杭打ち手段が、リング状に接合され
    た鋼管杭に設置された状態で、上記鋼管杭が搬送される
    ことを特徴とする鋼管杭リング工法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の鋼管杭リン
    グ工法の打設工程において、リング状に接合された上記
    鋼管杭を略垂直に立てた状態で水底に降ろした後に、リ
    ング状に接合された上記鋼管杭の重量から反力取ってリ
    ング状に接合された上記鋼管杭のうちの一部の鋼管杭を
    水底に打ち込み、次いで、リング状に接合された上記鋼
    管杭の重量と、水底に打ち込まれた鋼管杭の引抜抵抗か
    ら反力を取って残りの鋼管杭を水底に打ち込むことを特
    徴とする鋼管杭リング工法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2,3または4記載の鋼管杭
    リング工法において、上記杭打ち手段が、リング状に接
    合された鋼管杭上を自走自在で、リング状に接合された
    鋼管杭のうちの一部の鋼管杭に支持されるとともに、上
    記一部の鋼管杭を介して鋼管杭の重量等から反力取っ
    て、上記リング状に接合された鋼管杭のうちの他の鋼管
    杭を水底に圧入することを特徴とする鋼管杭リング工
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006183418A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Giken Seisakusho Co Ltd 砂防ダム及びその施工方法
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