JP2000144617A - 機能低下を抑制する排水性舗装体 - Google Patents
機能低下を抑制する排水性舗装体Info
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Abstract
舗装体を提供する。 【解決手段】 骨材状弾性体を10.5〜25重量%配
合して排水性舗装体とする。
Description
し、特にその特徴である道路表面の排水性能を、長期間
持続させることのできる排水性舗装体に関する。さらに
詳しくは、舗装体内の空隙を詰まらせ機能低下の原因と
なる土砂塵埃等の閉塞物質を、車両の通行に伴って発生
する舗装体内の応力を利用して壊砕除去する機能を持つ
排水性舗装体に関する。
きる程度に空隙を持たせることによって道路表面の雨水
を、舗装体内を通して路肩に排水し、道路表面の水膜形
成を防いでハイドロプレーニング現象の緩和、水はね、
水しぶきの緩和、雨天夜間のヘッドライトによる路面反
射を緩和し、車の安全走行を確保する技術である。この
舗装は、同時に、タイヤと路面の接触による発生音を抑
制し、また舗装体空隙内への吸音により交通騒音を低減
する効果もある。排水性舗装は上述の通りの機能をも
ち、施工面積も平成5年度で累計200万m2 、平成8
年度末では累計800万m2 と増加していることが示す
ように、日本の道路事情に適合した優れた舗装技術であ
る。
水性舗装においてはその機能が長く保たれないという欠
点がある。その原因には、目つぶれと目詰まりによるも
のがある。目つぶれは排水性舗装表面の空隙孔が、周囲
のバインダーの粘弾性的可逆的な変形によって狭められ
るために生じる。この現象はひとえに、バインダーの粘
弾性特性によるものであり、目つぶれに対しては高粘弾
性を示すバインダーが好ましい。また、供用中に履歴す
る最高温度も低い程よい。実用的にもバインダーの選定
・空隙率の選定により徐々に解決されつつある。
される土砂や、周囲から飛来する塵埃などが空隙部分に
詰まる現象である。道路のおかれた環境によって閉塞さ
れる物質、形状、閉塞の状態が異なる。道路上に搬入さ
れる閉塞物質の量も環境によって大きく左右される。
排水性混合物の機能回復を図る方法があり、高圧水を用
いた洗浄と真空吸引と併用して機能回復を図る排水性舗
装機能回復車が開発されている。
とながら、メンテナンス費用がかかるということ、専用
の車両を用意しなければならずコストがより上乗せされ
ること、また、道路を一部遮断して作業を行う必要があ
るため交通渋滞を起こすこととなり利用者の利便が低下
すること等の問題があるし、そもそも、機能回復効果は
十分に満足するものとはいえないものである。
回復効果に優れた排水性舗装体を提供することにあり、
特に高圧水を用いるといった外的な機能回復手段ではな
く、混合物そのものを改善するという内的に対応する手
段を提供することにある。
を重量比10.5〜25%配合してなる排水性舗装体で
ある。
ために用いる混合物は通常用いられている排水性混合物
の骨材の一部を骨材弾性体と置換えたものであり、骨材
状弾性体の他、通常の骨材、砂、フィラーおよびアスフ
ァルトが使用される。骨材状弾性体は、合成ゴム、天然
ゴム、ウレタン系樹脂が好ましく、経済的な面からは、
廃タイヤから再生したゴム片を用いることが実用的であ
る。骨材弾性体のサイズは、大き過ぎると施工性が劣る
ことになるが、13mm以下であれば特に制限されるも
のではない。ただし、適切な舗装空隙の確保及び舗装体
中への骨材状弾性体の均一分散の点で、特に好ましい粒
径は1〜6mmである。
10.5以上25%までである。排水性舗装の機能維持
上からは骨材状弾性体が多いほどよいが、供用に適する
排水性舗装体の強度や経済性などを考慮すると重量比2
5%の添加量が上限となる。
ーは、一般には石油アスファルトであるが、アスファル
ト乳剤でも、樹脂バインダーでもよく、車両荷重によっ
て骨材状弾性体にひずみの発生を阻害するものでなけれ
ば、本質的にはいかなる種類のものでもよい。
ファルト排水性混合物は、通常のアスファルトプラント
にて製造することができる。ただし、混合物として施工
に必要な温度を確保するためには、重量比10.5〜2
5%配合される骨材状弾性体を、ドライヤーで直接加熱
するのは望ましくなく、間接に加熱すべきである。その
方法としては、骨材の加熱温度を通常よりも高くなるよ
うにし、この骨材と常温の骨材状弾性体とをミキサー内
で混合して熱交換する方法が好ましい。
ンダーの感温性を高める方法を併用する方法である。ア
スファルトバインダーの感温性を高めることで、施工時
に必要な混合物温度を通常より低くすることが可能とな
る。これにともなって製造温度を低減することができ、
結局、骨材の加熱温度を実用的な範囲内に設定すること
が可能となる。
方法としては、アスファルトバインダーにワックスを混
入する方法等が知られているが、より効果的なのは鉱物
質系の発泡材をアスファルトバインダーに添加する方法
である。鉱物質系の発泡材は加熱によって水蒸気や炭酸
ガスを発生する粉状無機物をいい、結晶水をもつ石膏等
が例示される。
水分を安定的に含むものである。製造時に鉱物質系の発
泡材がアスファルトバインダー中に混入されると、鉱物
質系の発泡材は混合物の熱によりゆっくりと蒸気を発生
し、その蒸気はアスファルトバインダー内に気泡となっ
て分散する。細かな気泡の効果によってアスファルトバ
インダーは粘度が低下し、通常のアスファルト混合物よ
りも低い温度であっても施工が可能となる。
は、混合物温度が常温まで低下した状態では、この蒸気
がふたたび鉱物質系の発泡材と結合する作用をもつ点に
ある。このため、アスファルト混合物性状にとって好ま
しくない水分が発泡機能発現後には実質上アスファルト
バインダー内に実質上存在しなくなる。なお、鉱物質系
の発泡材による気泡を補強するために界面活性剤を使用
することも好ましい。
内に無秩序にかつ連続的に存在する空隙の深部に、土砂
や塵埃が雨水の流れとともに進入し捕捉されて閉塞する
ことにより生ずる。閉塞部分の土砂は水分の流出および
乾燥の繰り返しにより空隙内壁面に堅固に固着するが、
この閉塞の特徴は局所的にブリッジ化していることであ
る。すなわち、比較的大きな土粒子が補足され準次微細
な粒子が積層することで閉塞が形成されるが、閉塞の下
流側は空隙を形成しているのである。
をスラリー状にして強制的に連続空隙に充填した供試体
に清水を通水し、一定水頭差での透水量の変化・土砂の
流出の状況を表したものである。この図は、時間の経過
にともなって透水係数が低下している一方で、土砂も流
出していることを示しているが、このことは、閉塞は排
水性舗装体の中で部分的に生じ、その下流側には土砂を
排出する能力をもつ空隙が存在していることを示してい
る。排水性舗装体の目詰まり状態を模式的に示したのが
図2である。
には土砂のブリッジを破壊してやればよいことになる
が、舗装体内の網目状空隙のあちこちで形成される閉塞
部分を個別に破壊していくことは、高圧水を利用した機
能回復方法のような外的なやり方では実際上不可能であ
り、本発明によりはじめて長期的且つ反復的な機能回復
が可能となった。
形成される閉塞を、交通荷重と舗装体の性質とによって
破壊しようとするものである。すなわち、骨材状弾性体
が混入された排水性舗装は弾性的な挙動を示す。とくに
車両が通過すると舗装体内部にはひずみが発生する。こ
の変形により閉塞を形成する土砂は剥離、破壊され閉塞
部分より下流側へ移動する。降雨によってこの土砂は舗
装体外へ流出される。本発明はこのようにして骨材状弾
性体を添加することにより排水性舗装体の機能の長期維
持を可能とするものである。
要なひずみ) 園芸用黒土(600μmふるい下、中央粒度150μ
m)の懸濁液中から、サンドペーパ掛けした5×5×2
cmのSBR(ゴム硬度(JIS−A)87)表面状
に、土砂を乾燥重量換算で0.045g/cm2 、0.
09g/cm2 それぞれ均等に沈降させた。この土砂量
は、実験に用いた土砂粒子を直径150μm、密度2.
7g/cm3 の球と仮定し密に配列した場合にゴム表面
にそれぞれ、2層、4層で沈着する量に相当する。
万能試験機によりゴム片の辺方向を垂直にして12.5
mm/分の速度で圧縮し、ゴム片から土砂が落下しはじ
めるときのひずみ量および前面から落下するときのひず
み量を測定した。
が始まり、10%程度のひずみで土砂が完全に脱落す
る。閉塞した土砂を破壊するために必要なひずみは4〜
6%と判断される。
骨材配合について、材料中の体積百分率で0〜50%
を、粒径1〜6mmの上記ゴム片に置換えたマーシャル
供試体を作製した。骨材の配合、およびアスファルト量
は表1に示す通りとした。
m2 に相当する荷重を3回/秒の周期で300回付与
し、高さ方向のひずみ量の1回ごとの最大振幅の平均を
求めた。荷重の付与には万能試験機を用いた。付与した
応力および周期は、一般乗用車が150台、時速60k
m/hで連続して通過する場合の値に相当する。また、
このとき発生したひずみ量をダイヤルゲージを用いて測
定した。結果を表1に示す。
さが、ゴム片を添加していない供試体の測定値を基準と
した場合、ゴム添加量5〜50%に対して、0.05〜
2.51mmという値を示した。このひずみ量は、供試
体の高さ方向に体積比分のゴム片が均等に存在し、かつ
ゴム片だけがひずむと考えたとき、ゴム片が2〜10%
だけひずみが生じていることに相当する。実施例1に対
応するひずみを発生させるために必要なゴム片配合量は
体積比20%以上、すなわち、重量比10.5%以上が
必要である。
係数の測定 実施例2と同様の方法で調整したゴム片添加量0%と、
10.5重量%の供試体について、実施例1で用いた園
芸用黒土を60℃で24時間乾燥後、80gを採取し4
00mlの水に懸濁させ、供試体状に流し込んだ。供試
体表面に余剰の目詰まり土が残る状態で震盪し、60℃
で24時間乾燥した後、表面の目詰まり土をていねいに
刷毛で除去し、定水位透水係数を測定した。定水位透水
係数は、値の安定する通水後30分の値で求めた。
例2で用いた万能試験機を用いて6.4kg/cm2 に
相当する荷重をマーシャル供試体の高さ方向に3回/秒
の周期で300回ないし3000回付与した。この供試
体について応力付与後の透水係数を測定した。図4の通
り、ゴム添加供試体はゴム無添加の供試体と比べて、応
力付与後に透水係数が著しく改善する。
%の骨材状弾性体で構成することにより、排水性舗装の
目詰まりを防止し、排水性舗装が有する優れた機能を長
く維持することを可能とする。この機能維持は、弾力性
を持たせた排水性舗装体に通行車両の荷重が作用するこ
とで得られるものであり、従来の機能回復方法よりはる
かに効果的なものであって、目詰まり対策費用を大幅に
低減するとともに維持作業が低減されることから道路渋
滞を抑制し道路利用者の利便を確保する。
ては、低騒音性は通常の排水性舗装体よりも充実したも
のであり、道路周辺環境を最適に保全する効果をもつ。
なお、所定の手段でゴム粒子を混入したアスファルト舗
装材は特開平9−165248に開示されている。この
舗装材は減音性と排水性の他、地域においては凍結抑制
作用を有するとされているが、本発明の舗装体も同様に
凍結抑制作用があり、その効果は著しく高い。
流出の関係を示すグラフ。
グラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 骨材状弾性体を重量比10.5〜25%
配合してなる優れた機能低下抑制効果をもつ排水性舗装
体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04610299A JP3828674B2 (ja) | 1998-09-11 | 1999-02-24 | 機能低下を抑制する排水性舗装体 |
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---|---|---|---|
JP10-257900 | 1998-09-11 | ||
JP25790098 | 1998-09-11 | ||
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006214087A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Nippo Corporation:Kk | 騒音低減性アスファルト混合物層の施工方法 |
JP2008297808A (ja) * | 2007-05-31 | 2008-12-11 | Nippo Corporation:Kk | 人工芝舗装構造体およびその施工方法 |
-
1999
- 1999-02-24 JP JP04610299A patent/JP3828674B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006214087A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Nippo Corporation:Kk | 騒音低減性アスファルト混合物層の施工方法 |
JP4502834B2 (ja) * | 2005-02-01 | 2010-07-14 | 株式会社Nippo | 騒音低減性を高めたアスファルト舗装体の施工方法 |
JP2008297808A (ja) * | 2007-05-31 | 2008-12-11 | Nippo Corporation:Kk | 人工芝舗装構造体およびその施工方法 |
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---|---|
JP3828674B2 (ja) | 2006-10-04 |
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