JP2000143702A - 糖鎖高分子組成物 - Google Patents

糖鎖高分子組成物

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JP2000143702A
JP2000143702A JP10317300A JP31730098A JP2000143702A JP 2000143702 A JP2000143702 A JP 2000143702A JP 10317300 A JP10317300 A JP 10317300A JP 31730098 A JP31730098 A JP 31730098A JP 2000143702 A JP2000143702 A JP 2000143702A
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sugar chain
ester
chain polymer
polymer composition
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良彦 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成型性に優れたリサイクル型糖鎖高分子組成
物を提供する。 【解決手段】 グルコピラノース環のみを含む糖類化合
物が、エステル結合、ウレタン結合、ペプチド結合のい
ずれかにより脂肪酸と結合して主鎖を構成している糖鎖
高分子化合物を主成分とする糖鎖高分子組成物であり、
かつ該糖鎖高分子化合物の主鎖を構成している脂肪酸と
同一の脂肪酸またはその誘導体を可塑剤として含有する
糖鎖高分子組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主鎖内に糖鎖を含
む高分子化合物を主成分とする糖鎖高分子組成物に関
し、特に所定の方法により解重合して得られる物質が該
高分子化合物の原料として容易に再利用可能であるリサ
イクル型糖鎖高分子組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境汚染が顕在化し、あらゆる工業
生産過程、工業製品に由来する廃棄物が環境へ与える影
響を配慮することが必要になっている。近年、合成プラ
スチック廃棄物の量は増大し、その処理が大きな社会問
題となっている。廃棄プラスチックの焼却においては、
有害ガスを発生する場合や、大きな燃焼熱により焼却炉
の損傷を招くこともある。また、土壌中などに廃棄、放
置された場合には自然環境に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0003】このような問題に対し、最近、生分解性プ
ラスチックが開発され実用化が始まっている。生分解性
プラスチックは、微生物等により生化学的に分解され、
自然環境に廃棄された場合においてもそれによる悪影響
を軽減するものである。しかし、最適化された環境以外
では、その分解処理能力には限界があり、生化学的な手
段を処分方法とする場合には、処理を待つ使用済み材料
の量を増大させかねない。また、廃棄物の量そのものを
減少させることはできない。
【0004】一方、一般の合成プラスチックを回収後、
廃棄することなく再利用することは極めて有益な手段で
ある。一つの方法は、再成型や骨材として再利用するマ
テリアルリサイクルであるが、材料としての劣化を招く
など付加価値の低下を伴うことが多い。もう一つの方法
は、化学的な分解により原料回収や他の化学薬品生産を
行うケミカルリサイクルであり、ポリスチレンやポリエ
チレンテレフタラートにおいて行われている例がある。
しかし、一般的に分解、精製に多段階の工程を要するた
めコスト上昇をもたらす懸念があり、また、精製の困難
な混合生成物を生じる場合には燃料化とぃった付加価値
の低い利用を余儀なくされることになる。
【0005】上記のようなケミカルリサイクルの問題に
対し、本発明者らは、選択的な解重合および原料回収に
基づくリサイクル性高分子組成物の主成分として、糖類
化合物と他の有機成分を加水分解性の共有結合で結合し
た高分子化合物を適用することを検討している。
【0006】これは、通常の使用環境下では従来の合成
プラスチックと同様に扱うことができるが、所定の処理
により、前記の結合を加水分解した場合には、構成要素
である糖類化合物と他の有機成分に選択的に解重合され
る。これら生成物は、互いに容易に分離することがで
き、また容易に再重縮合させて該高分子化合物を得るこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
糖類化合物と他の有機成分を加水分解性の共有結合で結
合した高分子化合物は、解重合および原料回収に関して
は有利であるが、該高分子化合物を用いて成型品を作製
することに関しては配慮されていない。
【0008】本発明は、更にケミカルリサイクルおよび
高分子化合物を用いた成型における問題とを解決するた
めになされたもであり、分解生成物を直接的な原料とし
て容易に再利用できる高分子化合物を用いて、特に成型
性に優れたリサイクル型糖鎖高分子組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、グルコ
ピラノース環のみを含む糖類化合物が、エステル結合、
ウレタン結合、ペプチド結合のいずれかにより脂肪酸と
結合して主鎖を構成している糖鎖高分子化合物を主成分
とする糖鎖高分子組成物であり、かつ該糖鎖高分子化合
物の主鎖を構成している脂肪酸と同一の脂肪酸またはそ
の誘導体を可塑剤として含有することを特徴とする糖鎖
高分子組成物である。
【0010】前記脂肪酸誘導体が脂肪酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロ
ピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステ
ル、tert−ブチルエステルのいずれかであるのが好
ましい。
【0011】前記脂肪酸誘導体が脂肪酸の塩、または脂
肪酸を配位子とする金属錯体であるのが好ましい。前記
脂肪酸誘導体が主成分の糖鎖高分子化合物を構成してい
る糖類化合物と同一の糖類化合物1分子あたり少なくと
も1分子の脂肪酸が結合した糖誘導体であるのが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、糖鎖高分子化合物の成
型性の目的を達するための方法としては、可塑剤を混合
することが一般的であるが、リサイクルという観点から
は、従来の可塑剤の様な分離の容易でない添加物の混合
は好ましくないことから、分離、回収に困難を生じるこ
とがない可塑剤を含むリサイクル型糖鎖高分子組成物を
提供することを特徴とする。
【0013】そのために、本発明の糖鎖高分子組成物
は、グルコピラノース環のみを含む糖類化合物が、エス
テル結合、ウレタン結合、ペプチド結合のいずれかによ
り脂肪酸と結合して主鎖を構成している糖鎖高分子化合
物を主成分とする糖鎖高分子組成物であり、かつ該糖鎖
高分子化合物の主鎖を構成している脂肪酸と同一の脂肪
酸またはその誘導体を可塑剤として含有するものであ
る。
【0014】図1は、本発明における糖鎖高分子化合物
の構造を示す概略図である。同図において、本発明で使
用する糖鎖高分子化合物は、グルコピラノース環のみを
含む糖類化合物が脂肪酸と結合して共に主鎖を構成して
おり、主鎖内に糖類化合物部分1と脂肪酸部分2が交互
に並び、エステル結合、ウレタン結合、ペプチド結合の
いずれかにより重縮合した共重合体である。その結合形
態は、例えば図1(a)の直鎖型、(b)の分岐型、
(c),(d)の架橋型等が挙げられるが、その他の形
態でもよい。この高分子化合物は、使用後に、所定の化
学的処理あるいは酵素処理により、前記の結合を加水分
解した場合には、構成要素である糖類化合物と脂肪酸に
選択的に解重合される。これら生成混合物は、互いに容
易に分離することができ、また容易に再重縮合して該高
分子化合物を得ることができる。
【0015】本発明の糖鎖高分子組成物の主成分である
糖鎖高分子化合物の構成について以下に示す。
【0016】糖鎖高分子化合物は、グルコピラノース環
のみを含む糖類化合物と脂肪酸が結合して構成される。
糖類化合物としては、グルコピラノース環のみを含むオ
リゴ糖、すなわち、グルコピラノース環単位の2〜10
量体が用いられる。具体的には、セロビオース、マルト
ース、イソマルトース、ラクトース、キトビオース、セ
ロトリオース、マルトトリオース、キトトリオース、セ
ロテトラオース、マルトテトラオース、キトテトラオー
ス、セロペンタオース、マルトペンタオース、キトペン
タオース、セロヘキサオース、キトヘキサオースなどが
挙げられ、またこれらの水酸基を置換した糖誘導体も用
いることができる。
【0017】脂肪酸としては、両末端にカルボキシル基
を有する脂肪族ジカルボン酸、またはその誘導体が用い
られる。より具体的には、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン
酸、それらの塩、それらの酸クロリド、それらのメチル
エステル、エチルエステルなどエステルが挙げられる。
脂肪酸の炭素数は、前記のジカルボン酸のそれに限定さ
れることはなく、特に、本発明の主眼とする可塑剤とし
ての効果は、炭素数10〜20で良好である。
【0018】本発明においては、糖類化合物は脂肪酸
と、エステル結合、ウレタン結合、ペプチド結合のいず
れかにより結合して主鎖を構成するが、脂肪酸の原料と
しては、エステル結合、およびペプチド結合(糖側がア
ミン)を行わせる場合、ジカルボン酸、ジカルボン酸
塩、ジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸エステルなど
を用いる。ウレタン結合を行う場合、ジイソシアナート
を用いる。これら糖類化合物と脂肪酸との反応は、加熱
により、あるいは適当な縮合剤の存在下で糖類化合物と
縮重合を行う。該高分子化合物の重量平均分子量は、数
千〜数十万が望ましい。
【0019】次に、本発明において用いられる可塑剤に
ついて説明する。糖鎖高分子組成物の成型性をより向上
させるために、主成分の糖鎖高分子化合物に可塑剤を添
加する場合、そのリサイクル性を高く維持することは、
主成分の糖鎖高分子化合物と同様な組成を有する可塑剤
を用いることにより可能である。すなわち、主成分の糖
鎖高分子化合物を解重合するための加水分解を同時に受
けた結果、該高分子化合物と等しい、あるいは等しくは
ないが容易に除去可能な生成物を与えるような組成の可
塑剤である。
【0020】このような可塑剤として、前記糖鎖高分子
化合物の主鎖を構成している脂肪酸と同一の脂肪酸また
はその誘導体、例えば脂肪酸エステル、脂肪酸の塩、脂
肪酸を配位子とする金属錯体、上記の糖類化合物と脂肪
酸が結合した糖誘導体等が用いられる。このような可塑
剤について、以下に詳しく述べる。
【0021】(脂肪酸の場合)主成分の糖鎖高分子化合
物に含まれる脂肪酸が、それ自身特性を満たす場合に
は、これを可塑剤とすることができる。この場合、加水
分解後の生成物は、主成分の高分子化合物のみの場合と
等しい糖類化合物と脂肪酸のみであるため、該糖鎖高分
子組成物のリサイクル性は高く維持される。
【0022】(脂肪酸エステルの場合)前記と同様に、
主成分の糖鎖高分子化合物に含まれる脂肪酸のエステル
を可塑剤とすることができる。例えば、メチルエステ
ル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロ
ピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステ
ル、tert−ブチルエステル等が用いられ、これらの
加水分解後の脂肪酸以外の生成物であるアルコールは、
いずれも低沸点であり、減圧により容易に分離除去でき
る。
【0023】(脂肪酸塩または錯体の場合)前記と同様
に、主成分の糖鎖高分子化合物に含まれる脂肪酸の塩ま
たは金属錯体を可塑剤とすることができる。ナトリウム
塩、カリウム塩などの塩の場合は、該脂肪酸と全く同等
の扱いである。該脂肪酸を配位子とする重金属などの錯
体の場合は、加水分解後の溶液を塩基性にすることによ
り、金属部分を水酸化物沈殿として除去することができ
る。
【0024】(糖誘導体の場合)図2は、本発明の可塑
剤として用いられる糖誘導体の一例を示す概略図であ
る。同図2に示すように、糖類化合物11の一分子に対
し脂肪酸12を一分子もしくは複数分子置換した糖誘導
体は、その各成分が糖鎖高分子組成物の主成分の糖鎖高
分子化合物に含まれる成分と同一であれば、これを可塑
剤とすることができる。この場合の加水分解後生成物も
主成分高分子化合物のみの場合と等しい。
【0025】本発明の糖鎖高分子組成物に含まれる可塑
剤の含有量は、総重量に対して1〜30重量%、より好
ましくは5〜20重量%の範囲が望ましい。1重量%未
満では効果が得られないので好ましくなく、30重量%
を超えると強度および寸法安定性の低下をもたらすので
好ましくない。
【0026】また、本発明の糖鎖高分子組成物は、用途
に応じて、さらに顔料やフィラーを添加して用いてもよ
い。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0028】合成例1〜5 主成分の糖鎖高分子化合物の合成 セロビオース50gをジメチルホルムアミド400ml
に懸濁させ、ピリジン200mlを加え、窒素雰囲気下
で80℃に加熱した。ここへ、アジピン酸クロリド35
gをジメチルホルムアミド200mlに希釈したものを
加え、l時間撹拌し反応させた。反応終了後、溶媒を一
部留去し、水中に注いで撹拌し、沈殿を生成させ、アセ
トン、ジエチルエーテルで洗浄した。糖鎖高分子化合物
の無色粉末35gを得た。重量平均分子量は約5万であ
った。
【0029】合成例2〜5 主成分の糖鎖高分子化合物の合成 合成例1のアジピン酸クロリドの代わりに、スベリン酸
クロリド(合成例2)、セバシン酸クロリド(合成例
3)、ドデカン二酸クロリド(合成例4)、エイコサン
二酸クロリド(合成例5)を用いて合成例1と同様に反
応を行ない糖鎖高分子化合物を得た。
【0030】合成例6 主成分の糖鎖高分子化合物の合成 マルトース50gをジメチルホルムアミド400mlに
懸濁させ、ピリジン200mlを加え、窒素雰囲気下で
80℃に加熱した。ここへ、アジピン酸クロリド35g
をジメチルホルムアミド200mlに希釈したものを加
え、l時間撹拌し反応させた。反応終了後、溶媒を一部
留去し、水中に注いで撹拌し、沈殿を生成させ、アセト
ン、ジエチルエーテルで洗浄した。糖鎖高分子化合物の
無色粉末48gを得た。重量平均分子量は約3万であっ
た。
【0031】合成例7〜10 主成分の糖鎖高分子化合物の合成 合成例6のアジピン酸クロリドの代わりに、スベリン酸
クロリド(合成例7)、セバシン酸クロリド(合成例
8)、ドデカン二酸クロリド(合成例9)、エイコサン
二酸クロリド(合成例10)を用いて合成例6と同様に
反応を行ない糖鎖高分子化合物を得た。
【0032】合成例11 糖誘導体による可塑剤の合成 セロビオース50gをジメチルホルムアミド1リットル
に懸濁させ、ピリジン20mlを加え、窒素雰囲気下、
10℃で撹拌した。ここへ、アジピン酸クロリド90g
を加え、24h撹拌した。終了後、溶媒を留去し、水2
リットル中に注いで撹拌し、沈殿を生成させた。ジエチ
ルエーテルで洗浄し、無色粉末43gを得た。赤外吸収
スペクトルにより、強いエステル結合(C=O伸縮振
動、1738cm-1)を確認した。また、NMRにより
糖部分と脂肪酸部分の組成比を確認した(1:3)。
【0033】合成例12〜15 糖誘導体による可塑剤の合成 合成例11のアジピン酸クロリドの代わりに、スベリン
酸クロリド(合成例12)、セバシン酸クロリド(合成
例13)、ドデカン二酸クロリド(合成例14)、エイ
コサン二酸クロリド(合成例15)を用いて合成例11
と同様に反応を行ない可塑剤を得た。
【0034】合成例16 糖誘導体による可塑剤の合成 マルトース50gをジメチルホルムアミド1リットルに
懸濁させ、ピリジン20mlを加え、窒素雰囲気下、1
0℃で撹拌した。ここへ、アジピン酸クロリド100m
lを加え、24h撹拌した。終了後、溶媒を留去し、水
2リットル中に注いで撹拌し、沈殿を生成させた。ジエ
チルエーテルで洗浄し、無色粉末52gを得た。赤外吸
収スペクトルにより、強いエステル結合(C=O伸縮振
動、1744cm-1)を確認した。また、NMRにより
糖部分と脂肪酸部分の組成比を確認した(1:3)。
【0035】合成例17〜20 糖誘導体による可塑剤の合成 合成例16のアジピン酸クロリドの代わりに、スベリン
酸クロリド(合成例17)、セバシン酸クロリド(合成
例18)、ドデカン二酸クロリド(合成例19、エイコ
サン二酸クロリド(合成例20)を用いて合成例11と
同様に反応を行ない可塑剤を得た。
【0036】実施例1〜5 糖鎖高分子組成物の調製と評価 合成例1〜5で得られた糖鎖高分子化合物(セロビオー
ス=ジカルボン酸系)の粉体に、可塑剤として、合成例
11〜15のそれぞれ対応する脂肪酸誘導体を10〜2
0重量%混合し、乳鉢ですりつぶした。この混合物1g
を、直径2cmのアルミ製円筒形金型により150℃、
真空ポンプ排気下、30kgf/cm2で圧縮成型し
た。
【0037】成型性として、金型形状との一致(真円
性、角の欠け、加圧面の収縮)、および均一性(気泡の
有無、色ムラ)を評価し、可塑剤を混合しない場合に比
較していずれも向上した場合を◎、前者のみ向上した場
合を○として、表に示した。
【0038】
【表1】
【0039】(注) アジピン酸クロリド(脂肪酸の炭素数:6) スベリン酸クロリド(脂肪酸の炭素数:8) セバシン酸クロリド(脂肪酸の炭素数:10) ドデカン二酸クロリド(脂肪酸の炭素数:12) エイコサン二酸クロリド(脂肪酸の炭素数:20)
【0040】実施例6〜10 糖鎖高分子組成物の調製と評価 合成例6〜10で得られた糖鎖高分子化合物(マルトー
ス=ジカルボン酸系)の粉体に、可塑剤として、合成例
16〜20のそれぞれ対応する脂肪酸誘導体を10〜2
0重量%混合し、乳鉢ですりつぶした。この混合物1g
を、直径2cmのアルミ製円筒形金型により150℃、
真空ポンプ排気下、30kgf/cm2で圧縮成型し
た。
【0041】成型性として、金型形状との一致(真円
性、角の欠け、加圧面の収縮)、均一性を評価した。結
果を下記の表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】実施例11〜20 合成例1〜10で得られた糖鎖高分子化合物の粉体に、
可塑剤として脂肪酸を10〜20重量%混合し、実施例
1と同様に糖鎖高分子組成物を調製し、その評価を行な
った。結果を下記の表3、4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】実施例21〜30 合成例1〜10で得られた糖鎖高分子化合物の粉体に、
可塑剤として脂肪酸塩を10〜20重量%混合し、実施
例1と同様に糖鎖高分子組成物を調製し、その評価を行
なった。結果を下記の表5、6に示す。
【0047】脂肪酸塩には、脂肪酸を水酸化ナトリウム
と作用させることにより得た脂肪酸ナトリウム塩を用い
た。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】実施例31〜40 合成例1〜10で得られた糖鎖高分子化合物の粉体に、
可塑剤として脂肪酸エステルを10〜20重量%混合
し、実施例1と同様に糖鎖高分子組成物を調製し、その
評価を行なった。結果を下記の表7、8に示す。
【0051】脂肪酸エステルには、酸クロリドを無水エ
タノールと作用させることにより得た脂肪酸エチルエス
テルを用いた。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、成
型性に優れた糖鎖高分子組成物が得られ、かつ廃棄物の
削減および資源の有効利用に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における糖鎖高分子化合物の構造を示す
概略図である。
【図2】本発明の可塑剤として用いられる糖誘導体の一
例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 糖類化合物部分 2 脂肪酸部分 11 糖類化合物 12 脂肪酸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコピラノース環のみを含む糖類化合
    物が、エステル結合、ウレタン結合、ペプチド結合のい
    ずれかにより脂肪酸と結合して主鎖を構成している糖鎖
    高分子化合物を主成分とする糖鎖高分子組成物であり、
    かつ該糖鎖高分子化合物の主鎖を構成している脂肪酸と
    同一の脂肪酸またはその誘導体を可塑剤として含有する
    ことを特徴とする糖鎖高分子組成物。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸誘導体が脂肪酸のメチルエス
    テル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプ
    ロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエス
    テル、tert−ブチルエステルのいずれかである請求
    項1に記載の糖鎖高分子組成物。
  3. 【請求項3】 前記脂肪酸誘導体が脂肪酸の塩である請
    求項1に記載の糖鎖高分子組成物。
  4. 【請求項4】 前記脂肪酸誘導体が脂肪酸を配位子とす
    る金属錯体である請求項1に記載の糖鎖高分子組成物。
  5. 【請求項5】 前記脂肪酸誘導体が主成分の糖鎖高分子
    化合物を構成している糖類化合物と同一の糖類化合物1
    分子あたり少なくとも1分子の脂肪酸が結合した糖誘導
    体である請求項1に記載の糖鎖高分子組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7064113B2 (en) 2001-03-16 2006-06-20 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition, method of molding the same, and method of recycling resin composition

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7064113B2 (en) 2001-03-16 2006-06-20 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition, method of molding the same, and method of recycling resin composition
US7608593B2 (en) 2001-03-16 2009-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition with biodegradable non-liquid-crystalline and liquid-crystalline polymers

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