JP2000143632A - 新規なキノロン誘導体 - Google Patents

新規なキノロン誘導体

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JP2000143632A
JP2000143632A JP10324291A JP32429198A JP2000143632A JP 2000143632 A JP2000143632 A JP 2000143632A JP 10324291 A JP10324291 A JP 10324291A JP 32429198 A JP32429198 A JP 32429198A JP 2000143632 A JP2000143632 A JP 2000143632A
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nonenyl
acid
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JP10324291A
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Masatoshi Taniguchi
昌要 谷口
Junichi Kazami
純一 風見
Koichi Tanaka
幸一 田中
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗ヘリコバクター・ピロリ剤の提供。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるキノロン誘
導体又はその塩。 【化】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R:アシル、低級アルキル、低級アルケニル、低級ア
ルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリー
ル基であり、これらの基は1乃至7個の置換基を有して
いてもよい、 R:n−ノニル又は2−ノネニル)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,医薬,殊に抗ヘリ
コバクター・ピロリ作用を有する新規なキノロン誘導体
又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
pylori)は,1983年に発見された病原性細菌であ
り,消化性潰瘍(例えば胃潰瘍又は十二指腸潰瘍等),
炎症(例えば胃炎等)、胃ガン等の消化管上部の疾患,
MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ
種もしくは慢性心疾患の背景病原因子と言われている。
現在,ヘリコバクター・ピロリ感染症の治療に関する研
究は活発になされており,該治療法としては,除菌を目
的としたもの,再発防止を目的としたもの等下記の如く
多数報告されている。例えば,ビスマス,抗生物質,プ
ロトンポンプ阻害剤(PPI)又は抗潰瘍剤等の単剤投
若しくは前記薬物等を組み合わせた多剤併用法(2剤併
用,3剤併用)が挙げられる(内科,特集,78巻1
号,1996,南江堂)。しかしながら,上記治療法
は,例えば投与回数の頻度の多さ,常用量以上の大量投
与を要する場合があること,薬物投与による下痢・便秘
等の発症,耐性菌の発生等まだまだ解決しなければなら
ない点が多い。従って、単独で強力な抗ヘリコバクター
・ピロリ作用を有する化合物の創製が熱望されている。
【0003】抗ヘリコバクター・ピロリ剤としてはWO
97/12868及びEP811613にキノロン誘導
体が開示されているが、キノリン環の窒素原子の置換基
は前者がH,−CH又は−CHSCHであり、後
者が水素,C〜Cアルキル又はフェニル基である。
一方、特開平7−189号にはYL−02729S物質
としてキノリン環の窒素原子に水酸基が置換したキノロ
ン誘導体が開示されているが,その用途はメチシリン耐
性黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用である。当該特許出
願にはヘリコバクター・ピロリ菌に対する抗菌活性につ
いては何ら示唆も報告もない。
【化2】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた抗ヘ
リコバクター・ピロリ剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者らは,抗ヘリコ
バクター・ピロリ活性を有する化合物について鋭意検討
を進めた結果,キノリン環の窒素原子が−O−アシル化
又は−O−アルキル化等されている点で従来の化合物と
は構造を異にする新規なキノロン誘導体が,優れた抗ヘ
リコバクター・ピロリ活性を有することを見いだした。
即ち,本発明は下記一般式(I)で示される新規なキノ
ロン誘導体又はその塩に関する。又は、本発明は当該キ
ノロン誘導体又はその塩を含有することを特徴とする医
薬、特に抗ヘリコバクター・ピロリ剤に関する。
【化3】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R:アシル、低級アルキル、低級アルケニル、低級ア
ルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリー
ル基であり、これらの基は1乃至7個の置換基を有して
いてもよい、 R:n−ノニル又は2−ノネニル)
【0005】
【発明の実施の形態】以下に,本発明化合物(I)につ
き詳細に説明する。本明細書において「アシル基」とは
カルボン酸から−OHを除去した残基であればよく特に
限定されない。例えば、低級アルキル−CO−、アリー
ル−CO−、アリール−低級アルキル−CO−、ヘテロ
アリール−CO−、ヘテロアリール−低級アルキル−C
O−基が挙げられる。ここで低級アルキル、アリール及
びヘテロアリールは1乃至4個の置換基を有していてよ
い。本明細書の一般式の定義において,特に断らない限
り「低級」なる用語は炭素数が1乃至6個の直鎖又は分
岐状の炭素鎖を意味する。従って、「低級アルキル基」
は炭素数が1乃至6個のアルキル基であり,具体的に例
えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル(ア
ミル),ヘキシル基又はイソプロピル基等のこれらの構
造異性体である。「低級アルケニル基」とは炭素数が2
乃至6個の直鎖又は分岐状のアルケニル基であり、具体
的には、ビニル,1−プロペニル,1−ブテニル,1−
ペンテニル,1−ヘキセニル基又はアリル基等のこれら
の構造異性体が挙げられる。「低級アルキニル基」とは
炭素数が2乃至6個のアルキニル基であり、具体的に例
えば、エチニル,1−プロピニル,1−ブチニル,1−
ペンチニル,1−ヘキシニル又は2−プロピニル基等こ
れらの構造異性体が挙げられる。
【0006】「シクロアルキル基」とは炭素原子3乃至
8個の飽和炭化水素環基であり、具体的に例えばシクロ
プロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキ
シル,シクロヘプチル,シクロオクチル基等が挙げられ
る。「アリール基」とは芳香族炭化水素環基を意味し、
炭素数6乃至14のアリールが好ましく、具体的にはフ
ェニル,ナフチル,インデニル,アントリル及びフェナ
ントリル等が挙げられる。「ヘテロアリール」として
は、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1乃至4
個含む芳香族環基であり、5乃至6員ヘテロアリール
(例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、トリアゾ
リル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピ
リミジニル、ピリダジニル及びピラジル等)、これらが
縮合した二環式ヘテロアリール(例えば、ナフチリジニ
ル、ピリドピリミジニル等)、更にはベンゼン環と縮合
したヘテロアリール(例えば、キノリル、キナゾリニ
ル、キノリジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ベ
ンズイミダゾリル、イミダゾピリジル、ベンゾフラニ
ル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾ
ロピリジル、イソチアゾロピリジル及びベンゾチエニル
等)が挙げられる。更にこれらの環にオキソが置換した
オキソベンゾフラニル等も含まれる。
【0007】本発明において、アシル、低級アルキル、
低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ア
リール及びヘテロアリールの置換基とは、これらの基の
置換基として通常用いられている置換基であればよく特
に限定されない。これらの置換基としては、例えば、 ハロゲン;シアノ;ニトロ;オキソ;カルボキシル; −O−R;−O−CO−R;−CO−R;−C
O−N(R)−R;−CO−O−R;−SO
N(R)−R;−N(R)−R;−N(R
−CO−R;−N(R)−SO−R; 低級アルキル;低級アルケニル;低級アルキニル;シ
クロアルキル;アリール;ヘテロアリール; (,に挙げた置換基は更にハロゲン,シアノ,ニト
ロ,オキソ,カルボキシル,−O−R,−O−CO−
,−CO−R,−CO−N(R)−R,−C
O−O−R,−SO−N(R)−R,−N(R
)−R,−N(R)−CO−R,−N(R
−SO−R,低級アルキル,低級アルケニル,低級
アルキニル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリー
ルからなる群より選択される置換基で置換されていても
よい)が好適な置換基として挙げられる。(ここで
、Rは各々、水素原子、低級アルキル、シクロア
ルキル、アリール又はヘテロアリールを示し、−N(R
)−Rは1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリ
ノ,ピペラジニル等の環状アミンを形成してもよい。)
「ハロゲン原子」は、F、Cl、Br、Iを意味する。
【0008】本発明化合物はRが2−ノネニルである
場合には二重結合を有するのでcis体,trans体
が存在する。本発明にはこれらの異性体の分離したも
の、あるいは混合物が包含されるが、特にはtrans
体が好ましい。本発明化合物は基の種類によっては,光
学異性体(光学活性体,ジアステレオマー等)が存在す
る。また、本発明化合物はアミド結合を有する化合物も
あり、アミド結合に基づく互変異性体も存在する。本発
明には,これらの異性体の分離されたもの,あるいは混
合物を包含する。本発明化合物(I)は、置換基の種類
によっては酸又は塩基との塩を形成する場合もある。か
かる塩としては、製薬学的に許容される塩であり、具体
的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マイレン
酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン
酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、
メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジ
ン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等
が挙げられる。さらに、本発明は、本発明化合物(I)
及びその塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物
質をも包含する。さらに常法の手段で得られる式(I)
の物質のプロドラッグ体も本発明に包含される。
【0009】(製造法)本発明化合物(I)及びその塩
は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を
利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することが
できる。本発明化合物の内でR基が2−ノネニル基で
ある化合物は特開平7−189号に開示されたYL−0
2729S物質を原料としてアシル化反応又はアルキル
化反応により製造することができる。
【化4】 (式中、Rは前述の意味を示す。)
【0010】1)アシル化反応 本発明化合物(I)の内でR基がアシル基である化合
物はアシル化反応で製造される。このアシル化反応で使
用される好適なアシル化剤としては、酸ハライドまたは
酸無水物が一般的である。反応は通常、アセトン、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、アセトニトリル、クロロホルム、
ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル、N,
-ジメチルホルムアミド、トルエン、ピリジン等の慣用
の溶媒またはそれらの混合物の中で行われるが、反応に
悪影響を及ぼさない任意の他の有機溶媒中でも行われ
る。反応温度は特に限定されず、通常冷却化、室温また
は加熱下で反応が行われる。本反応は通常、アルカリ金
属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等)、トリ(低級)アルキルア
ミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン
等)、ピリジンまたはその誘導体(例えば、ピコリン、
ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン等)、N-(低級)
アルキルモルホリン(例えば、N-メチルモルホリン
等)、N,N-ジ(低級)アルキルベンジルアミン等のよう
な無機または有機の塩基の存在下で行われる。
【0011】2)アルキル化反応 本発明化合物の内、R基が低級アルキル、低級アルケ
ニル、低級アルキニル、シクロアルキル、アリール又は
ヘテロアリールである化合物はアルキル化反応で製造さ
れる。このアルキル化反応で使用される好適なアルキル
化剤としては、アルキルハライド、アルケニルハライ
ド、アルキニルハライドまたはアルキルアルコールのメ
タンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸などのスルホン酸エステルが一般的で
ある。反応は通常、前述の慣用の溶媒またはそれらの混
合物の中で行われるが、反応に悪影響を及ぼさない任意
の他の有機溶媒中でも行われる。反応温度は特に限定さ
れず、通常冷却化、室温または加熱下で反応が行われ
る。本反応は通常、前述の無機または有機の塩基の存在
下で行われる。あるいはアルキルアルコール、アリール
若しくはヘテロアリールアルコール、トリフェニルホス
フィン、ジエチルアゾジカルボキシラートを用いた光延
反応により製造される。反応は通常、前述の慣用の溶媒
またはそれらの混合物の中で行われるが、反応に悪影響
を及ぼさない任意の他の有機溶媒中でも行われる。反応
温度は特に限定されず、通常冷却化、室温または加熱下
で反応が行われる。
【0012】本発明化合物の内でR基がn−ノニル基
である化合物は、R基が2−ノネニル基である化合物
を常法で還元することにより製造できる。また、YL−
02729S物質の2−ノネニル基をn−ノニル基に還
元した後に、上述のアシル化反応又はアルキル化反応に
より製造することもできる。
【0013】
【発明の効果】本発明は,ヘリコバクター・ピロリに対
して抗菌作用を示し,ヒトにおけるヘリコバクター・ピ
ロリ及び動物における関連するヘリコバクター属に属す
る細菌感染の治療に有効である。また,本発明抗ヘリコ
バクター・ピロリ剤は,消化性潰瘍(例えば胃及び十二
指腸潰瘍),炎症(急性または慢性の胃炎もしくは十二
指腸炎),胃癌等の消化管上部の疾患,MALT(muco
sa−associated lymphoid tissue)リンパ種もしくは
慢性心疾患等の予防(再発防止も含む)、治療に有効で
ある。本発明化合物の作用は以下の薬理試験によって確
認された。
【0014】in vitro抗菌活性試験 1)抗菌物質含有寒天平板の作製 評価する物質を100%ジメチルスルホキシド(DMS
O)に溶解し,2倍系列希釈した。本希釈液を滅菌丸シ
ャーレに入れ,そこに滅菌後50℃に保温しておいた1
0mlのブルセラ寒天培地(0.1%β−サイクロデキ
ストリン)を加え,混和後,固めた。DMSOの最終濃
度は1%以下となる。 2)接種材料の調製と結果判定 ブルセラ寒天培地(5%仔牛血清含有)を用いてマルチ
ガスインキュベーター(N:80%,CO:15
%,O:5%)で37℃にて3日間培養したヘリコバ
クター・ピロリ菌,例えばヘリコバクター・ピロリAT
CC43504を,濁度により約10個/1mlにな
るようにブルセラブロスを用いて調製した。本菌液を,
同様にブルセラブロスを用いて100倍希釈した液を,
薬剤を含有する寒天培地に,ミクロプランターを用いて
約5μlを寒天表面に接種した。接種した寒天平板を,
上記マルチガスインキュベーターに37℃で3日間(7
2時間)培養する。培養を終了した寒天平板を観察し,
増殖の観察されない最小薬剤濃度をMICとした。
【0015】本発明化合物(I)又はその塩と製薬学的
に許容される担体を含んでなる医薬は、一般式(I)で
示された化合物又はその塩の1種又は2種以上と、通常
製剤化に用いられる、薬剤用担体、賦形剤、その他添加
剤を用いて、通常使用されている方法によって調製する
ことができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、静注、筋注等
の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形
態であってもよい。本発明による経口投与のための固体
組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。
このような固体組成物においては、ひとつ又はそれ以上
の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤、例
えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニ
ルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混
合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以
外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような
潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊
剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はア
スパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよ
い。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸
溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0016】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘
味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非
水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液
剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩
液が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例
えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコ
ール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。この
ような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散
剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤(例
えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤
を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィル
ターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化
される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用
前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用するこ
ともできる。通常経口投与の場合、1日の投与量は、体
重当たり約0.001から1000mg/kg、好まし
くは0.1〜100mg/kgが適当であり、これを1
回であるいは2乃至4回に分けて投与する。静脈投与さ
れる場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.001
から100mg/kgが適当で、1日1回乃至数回に分
けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して
個々の場合に応じて適宜決定される。
【0017】本発明によれば前記化合物(I)を単独ば
かりでなく,他の抗菌剤等と組み合わせて(好ましくは
1〜3種)使用することができ、本発明化合物と同時
に、あるいは時間をおいて併用することができる。この
ような他の抗菌剤とは,例えば,ニトロイミダゾール抗
生物質(例えばチニダゾール及びメトロニダゾール),
テトラサイクリン系薬剤(例えばテトラサイクリン,ミ
ノサイクリン,又はドキシサイクリン等),ペニシリン
系薬剤(例えばアモキシリン,アンピシリン,タランピ
シリン,バカンピシリン,レナンピシリン,メズロシリ
ン,スルタミシリン等),セファロスポリン系薬剤(例
えば,セファクロル,セファドロキシル,セファレキシ
ン,セフポドキシムプロキセチル,セフィキシム,セフ
ジニル,セフチブテン,セフオチアムヘクセチル,セフ
タメットピボキシル,又はセフロキシムアクセチル
等),ペネム系薬剤(例えば,フロペネム,又はリチペ
ネムアコキシル等),マクロライド系薬剤(例えば,エ
リスロマイシン,オレアンドマイシン,ジョサマイシ
ン,ミデカマイシン,ロキタマイシン,クラリスロマイ
シン,ロキシスロマイシン,又はアジスロマイシン
等),リンコマイシン系薬剤(例えば,リンコマイシ
ン,又はクリンダマイシン等),アミノグリコシド系薬
剤(例えば,パロモマイシン等),キノロン系薬剤(例
えば,オフロキサシン,レボフロキサシン,ノルフロキ
サシン,エノキサシン,シプロフロキサシン,ロメフロ
キサシン,トスフロキサシン,フレロキサシン,スパフ
ロキサシン,テマフロキサシン,ナジフォキサシン,グ
レパフロキサシン,又はパズフォキサシン等)並びにニ
トロフラントインを挙げることができる。また,PPI
(オメプラゾール又はランソプラゾール等)や抗潰瘍剤
(例えば,ラニチジン,シメチジン又はファモチジン等
のHアンタゴニストや胃粘膜防御因子強化剤)と本発
明化合物(I)との組み合わせも,本発明の範囲内に含
まれる。
【0018】
【実施例】以下実施例に基づき,本発明をさらに詳しく
説明する。もちろんこれらの例に限定されるものではな
い。 実施例1 1-ヒドロキシ-3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-
1,4-ジヒドロキノリン(100mg,0.33mmol)のピリジン(5m
l)溶液に無水酢酸(47.3μl,0.50mmol)を加え、室温にて
2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液を加え酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得
られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶出液とす
るシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、イ
ソプロピルエーテル/ヘキサンより再結晶を行い、3-メ
チル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-1-キ
ノリル=アセタート(29.6mg)を得た。
【0019】実施例1と同様にして実施例2乃至実施例
4の化合物を得た。 実施例2 3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-
1-キノリル=ベンゾアート 実施例3 3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-
1-キノリル=フェニルアセタート 実施例4 3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-
1-キノリル=2-ピリジンカルボキシラート
【0020】実施例5 1-ヒドロキシ-3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-
1,4-ジヒドロキノリン(120mg,0.401mmol)のN,N-ジメチ
ルホルムアミド(5ml)溶液に炭酸カリウム(83mg,0.60mmo
l)およびヨウ化メチル(30ml,0.48mmol)を加え、室温に
て8時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶
液を加え酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得
られた油状物を酢酸エチル/ヘキサン溶出液とするシリ
カゲルクロマトグラフィーにて精製し、1-メトキシ-3-
メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキ
ノリン(103mg)を得た。
【0021】実施例5と同様にして実施例6の化合物を
得た。 実施例6 1-ベンジルオキシ-3-メチル-2-((E)-2-ノネニル)-4-オ
キソ-1,4-ジヒドロキノリン
【0022】実施例化合物の構造と物理的性状を表1に
示す。尚、表中の記号は以下の意味を示す。 Ex:実施例番号、DATA:物理学的性状 NMR:核磁気共鳴スペクトル(特記しない限りCDCl3,T
MS内部標準δ;ppm) MS:質量分析(高速原子衝撃法) Me:メチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、2Pyr:2−
ピリジル
【0023】
【表1】
【0024】また、表2に示す化学構造式を掲記する化
合物は、前記実施例若しくは製造法に記載の方法とほぼ
同様にして、又は当業者に自明の若干の変法を適用し
て、容易に製造することができる。
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 401/12 211 C07D 401/12 211 (72)発明者 田中 幸一 東京都板橋区小豆沢1−1−8 山之内製 薬株式会社内 Fターム(参考) 4C031 QA01 4C063 AA01 BB08 CC14 DD10 EE01 4C086 AA01 AA03 BC28 MA04 NA14 ZA68 ZB11 ZB26 ZB35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるキノロン誘
    導体又はその製薬学的に許容される塩。 【化1】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R:アシル、低級アルキル、低級アルケニル、低級ア
    ルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリー
    ル基であり、これらの基は1乃至7個の置換基を有して
    いてもよい、 R:n−ノニル又は2−ノネニル)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のキノロン誘導体又はその
    塩を含有することを特徴とする医薬。
  3. 【請求項3】 抗ヘリコバクター・ピロリ剤である請求
    項2記載の医薬。
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