JP2000140843A - 分離膜エレメントの再使用方法 - Google Patents
分離膜エレメントの再使用方法Info
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Abstract
を図ることが可能な分離膜エレメントの再使用方法を提
供することである。 【解決手段】 事業所10においては、同種類の分離膜
エレメントを用いて用水処理工程1、プロセス処理工程
2および排水処理工程3が行われる。これらの処理工程
1〜3において、最も高い分離精度が要求されるのはプ
ロセス処理工程2であり、続いて用水処理工程1、排水
処理工程3の順に要求される分離精度が低くなる。図中
の矢印5で示すように、分離膜エレメントを、まずプロ
セス処理工程2において使用する。使用に伴い分離精度
が低下した分離膜エレメントを次に用水処理工程1にお
いて再使用する。さらに分離膜精度が低下した分離膜エ
レメントを、排水処理工程3において再使用し、その
後、廃棄する。
Description
に用いられる分離膜エレメントの再使用方法に関する。
等の製造プロセス、生活排水や産業排水等の排水処理プ
ロセス等において、原水から固形物質や溶解性物質を分
離するのに分離膜モジュールが多く使用されている。
密濾過膜モジュールや限外濾過膜モジュールが使用され
始めた。また、海水淡水化には逆浸透膜モジュールが使
用されている。例えば、40000m3 の海水を一日で
淡水化する海水淡水化装置の場合、直径約200mm、
長さ約1000mm、重さ約20kgの逆浸透膜エレメ
ントが約3000本用いられる。このように処理容量が
大型化し、分離膜モジュールの使用量も激増しつつあ
る。
ズアップされ、河川、湖沼等への放流水の水質基準が一
段と厳しくなっている。これを解決するため、高度処理
法として膜分離技術の利用が欠かせないものとなってい
る。また、循環型社会の実現に向けて、排水の再利用に
も膜分離技術が大きく貢献している。このように分離膜
モジュールの用途がますます拡大する傾向にあり、分離
膜モジュールのニーズはさらに増すと考えられる。
にしたものを分離膜モジュールといい、圧力容器(ベッ
セル)内に分離膜エレメントが装填された形になってい
る。分離膜エレメントは、他の濾過フィルタ同様に、使
用に伴い除去物質により汚染され、分離精度、分離速度
等の分離性能が低下する。このため、適宜、逆流洗浄等
の物理的または薬品等による化学的洗浄を行って、分離
膜エレメントの性能を回復させている。しかしながら、
強力な薬品等を用いた洗浄等により、分離膜の分離精度
が徐々に低下し、長くても数年で寿命となる。このた
め、分離膜モジュール内の分離膜エレメントの交換が必
要となる。現在までは、使用済みの分離膜エレメントの
発生量が比較的少なかったため、焼却や埋め立てにより
処分を行っていた。
ュールの使用は、今後、さらに増加すると予想され、そ
れに伴う使用済みの分離膜エレメントの大量発生が見込
まれる。地球環境の保全が注目される昨今、使用済みの
分離膜エレメントのリサイクルの確立が強く要望される
ようになった。
分離膜、集水管、外装材およびパッキンから構成され
る。分離膜、集水管および外装材はプラスチック材料か
らなり、パッキンはシリコンゴム等からなる。これらの
部品がエポキシ樹脂等を主成分とする接着剤により接着
され、組立てられている。分離膜エレメントのプラスチ
ック材料は数種類のプラスチックを複合化している場合
が多いので、プラスチック材料を原料としてリサイクル
するいわゆるケミカルリサイクルは難しく、また、複数
の部品が接着剤によって組立てられているため、使用済
みの分離膜エレメントを分解し、部品を素材としてリサ
イクルするいわゆるマテリアルリサイクルが困難であ
る。そこで、使用済みの分離膜エレメントを熱処理し、
エネルギーの形態でリサイクルするいわゆるサーマルリ
サイクルが最適であると考えられる。しかしながら、サ
ーマルリサイクルの方法やシステムがまだ十分に整備さ
れていないため、使用済みの分離膜エレメントのサーマ
ルリサイクルが本格化するには時間がかかるものと考え
られる。
のリサイクルに関しては、分離膜エレメントの再使用を
促進して、使用済みの分離膜エレメントの発生量を低減
することが望まれる。
ントの発生量の低減を図ることが可能な分離膜エレメン
トの再使用方法を提供することである。
に係る分離膜エレメントの再使用方法は、分離膜エレメ
ントを用いて所定の処理を行う複数の処理工程のうち、
高い分離精度が要求される処理工程において使用した分
離膜エレメントを、この処理工程よりも要求される分離
精度の低い処理工程において順次再使用するものであ
る。
法においては、分離膜エレメントを用いて所定の処理を
行う複数の処理工程のうち、高い分離精度が要求される
処理工程において、まず分離精度の高い分離膜エレメン
トを使用する。使用に伴い、この分離膜エレメントの分
離精度が低下すると、前述の処理工程よりも要求される
分離精度の低い処理工程において、この分離膜エレメン
トを使用する。
処理工程において独立に評価するのではなく、複数の処
理工程における分離精度を踏まえて総合的に評価し、要
求される分離精度が高い処理工程から要求される分離精
度が低い処理工程において、分離膜エレメントを順次使
用することにより、分離膜エレメントを効率良く再使用
することが可能となる。それにより、分離膜エレメント
の廃棄量を低減することが可能となる。
処理工程および排水処理工程を含むとともに、プロセス
処理工程で使用した分離膜エレメントを用水処理工程ま
たは排水処理工程において順次再使用してもよい。
水処理工程のうち、最も高い分離精度が要求されるのは
プロセス処理工程である。その次に高い分離精度が要求
されるのは用水処理工程であり、比較的分離精度が低く
てもよいのが排水処理工程である。したがって、プロセ
ス処理工程で使用した分離膜エレメントを用水処理工程
または排水処理工程において順次再使用することが可能
となる。
る処理工程であってもよい。この場合、事業所内で行わ
れる複数の処理工程の間で、分離膜エレメントを効率よ
く再使用することが可能となる。それにより、事業所で
の分離膜エレメントの廃棄量を低減することができると
ともに、処理の実施にかかるコストを抑えることができ
る。
む企業内で行われる処理工程であってもよい。
の再使用方法を、複数の事業所で行われる複数の処理工
程において広く適用することができる。それにより、分
離膜エレメントの再使用が促進され、企業での分離膜エ
レメントの廃棄量をさらに低減することが可能となる。
む業界内で行われる処理工程であってもよい。
の再使用方法を、複数の企業で行われる複数の処理工程
において広く適用することができる。それにより、分離
膜エレメントの再使用がさらに促進され、業界での分離
膜エレメントの廃棄量をさらに低減することが可能とな
る。
ントの再使用方法の第1の実施例を示す図である。図1
においては、製造業の1つの事業所の場合について説明
する。
理工程1、プロセス処理工程2および排水処理工程3の
各工程を含む。これらの処理工程1〜3では、同種類の
分離膜エレメントを装填した分離膜モジュールを使用す
る。
ールを用いて工業用水や井戸水を精製し、生産に供する
用水を製造する。
ジュールを用いて、分離された透過側または濃縮側の物
質を製品として製造するか、または製品製造の要となる
物質を製造する。透過側の物質から製造される製品とし
て、例えば清涼飲料水、しょう油等があげられる。ま
た、濃縮側の物質から製造される製品として、例えば酵
素タンパク等があげられる。一方、製品製造の要となる
物質として例えば無菌水、超純水等があげられる。
ールを用いて、各工程から排出される排水を放流水基準
を満足する水質まで浄化するか、または再利用できる水
質まで浄化する。
れを示しており、用水処理工程1、プロセス処理工程2
および排水処理工程3の順に行われる。
ロセス処理工程2は製品に直接関わるため、一般的に最
も高い分離性能、特に分離精度が要求される。その次に
高い分離精度が要求されるのは用水処理工程1である。
最後に、比較的分離精度が低くてもよいのが排水処理工
程3である。
ス処理工程2に使用することができなくなった分離膜エ
レメントであっても、用水処理工程1または排水処理工
程3において要求される分離精度を有していれば、用水
処理工程1または排水処理工程3に使用可能である。ま
た、用水処理工程1において要求される分離精度を満た
していない分離膜エレメントであっても、排水処理工程
3において要求される分離精度を有していれば、排水処
理工程3に使用可能である。したがって、用水処理工程
1、プロセス処理工程2および排水処理工程3の各工程
において分離膜エレメントを以下のように使い回すこと
が可能である。
分離膜エレメントの流れを示している。まず、プロセス
処理工程2において新しい分離膜エレメントを使用す
る。分離精度の経時的な低下により、プロセス処理工程
2における使用が困難となった分離膜エレメントを、次
に用水処理工程1において使用する。用水処理工程1に
おける使用により、更に分離精度が低下した分離膜エレ
メントを、最後に排水処理工程3において使用し、その
後、廃棄する。このように、プロセス処理工程2におい
て使用不可能となり寿命を迎えた分離膜エレメントを、
用水処理工程1および排水処理工程3の順で再使用する
ことにより、分離膜エレメントの寿命が延び、使用済み
の分離膜エレメントを有効利用することが可能となる。
それにより、分離膜エレメントの廃棄量を抑制すること
ができるとともに、製品の製造コストを抑えることがで
きる。
分離膜エレメントの再使用方法は、各処理工程において
同種類の分離膜エレメントが使用される場合に、分離精
度の低下のため高い分離精度が要求される処理工程にお
いて使用不可能となった分離膜エレメントを、廃棄する
ことなく、それよりも低い分離精度で分離可能な処理工
程において再使用するものである。このように、分離膜
エレメントの寿命を各処理工程において独立に評価する
のではなく、各処理工程の分離精度を踏まえて総合的に
評価することにより、分離膜エレメントを効率的に再使
用することができる。その結果、分離膜エレメントの寿
命が延長され、使用済みの分離膜エレメントの発生量が
低減されるので、地球環境の保全が図られる。
膜エレメントの再使用方法を、1つの事業所10の3つ
の処理工程1〜3に適用した例を示したが、これ以外に
も、2つの処理工程または4つ以上の処理工程において
適用することも可能である。この場合、図1の場合と同
様に、高い分離精度が要求される処理工程から順に、分
離膜エレメントを再使用する。
使用方法は、1つの事業所における複数の処理工程に限
らず、さらに広範囲において適用することが可能であ
る。例えば複数の事業所を含む企業内で行われる処理工
程において適用してもよく、あるいは、複数の企業を含
む業界内で行われる処理工程において適用してもよい。
使用方法の第2の実施例を示す図である。
2および第3の事業所21〜23を含む。各事業所21
〜23は、同種類の分離膜エレメントを用いて処理を行
う。各事業所21〜23において行われる処理のうち、
最も高い分離精度が要求されるのは第2の事業所22の
処理である。その次に高い分離精度が要求されるのは第
1の事業所21の処理であり、比較的分離精度が低くて
もよいのが第3の事業所23の処理である。このことか
ら、図中の破線の矢印25で示すように、第2の事業所
22において使用した分離膜エレメントを、次に第1の
事業所21において使用し、さらに第3の事業所23に
おいて使用した後、廃棄する。これにより、分離膜エレ
メントを効率的に再使用することが可能となる。
使用方法の第3の実施例を示す図である。
2および第3の企業31〜33を含む。各企業31〜3
3は、同種類の分離膜エレメントを用いて処理を行う。
各企業31〜33において行われる処理のうち、最も高
い分離精度が要求されるのは第2の企業32の処理であ
る。その次に高い分離精度が要求されるのは第1の企業
31の処理であり、比較的分離精度が低くてもよいのが
第3の企業33の処理である。このことから、図中の破
線の矢印35で示すように、第2の企業32において使
用した分離膜エレメントを、次に第1の企業31におい
て使用し、さらに第3の企業33において使用した後、
廃棄する。これにより、分離膜エレメントを効率的に再
使用することが可能となる。
る分離膜エレメントの再使用方法を広範囲において適用
することにより、分離膜エレメントの再使用が促進さ
れ、使用済みの分離膜エレメントの発生量をさらに低減
することが可能となる。
方法の第1の実施例を示す図である。
方法の第2の実施例を示す図である。
方法の第3の実施例を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 分離膜エレメントを用いて所定の処理を
行う複数の処理工程のうち、高い分離精度が要求される
処理工程において使用した前記分離膜エレメントを、前
記処理工程よりも要求される分離精度の低い処理工程に
おいて順次再使用することを特徴とする分離膜エレメン
トの再使用方法。 - 【請求項2】 前記複数の処理工程が用水処理工程、プ
ロセス処理工程および排水処理工程を含むとともに、前
記プロセス処理工程で使用した前記分離膜エレメントを
前記用水処理工程または前記排水処理工程において順次
再使用することを特徴とする請求項1記載の分離膜エレ
メントの再使用方法。 - 【請求項3】 前記複数の処理工程は事業所内で行われ
る処理工程であることを特徴とする請求項1または2記
載の分離膜エレメントの再使用方法。 - 【請求項4】 前記複数の処理工程は複数の事業所を含
む企業内で行われる処理工程であることを特徴とする請
求項1または2記載の分離膜エレメントの再使用方法。 - 【請求項5】 前記複数の処理工程は複数の企業を含む
業界内で行われる処理工程であることを特徴とする請求
項1または2記載の分離膜エレメントの再使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10317346A JP2000140843A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 分離膜エレメントの再使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10317346A JP2000140843A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 分離膜エレメントの再使用方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008245372A Division JP2008302362A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | 逆浸透膜エレメントの再使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000140843A true JP2000140843A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18087208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10317346A Pending JP2000140843A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 分離膜エレメントの再使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000140843A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011212615A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kurita Water Ind Ltd | 分離膜エレメント選定装置、分離膜エレメント選定方法 |
JP7079887B1 (ja) | 2021-11-04 | 2022-06-02 | 株式会社クボタ | 浄水装置セットの使用方法および第1の浄水装置の運転方法 |
-
1998
- 1998-11-09 JP JP10317346A patent/JP2000140843A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011212615A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kurita Water Ind Ltd | 分離膜エレメント選定装置、分離膜エレメント選定方法 |
JP7079887B1 (ja) | 2021-11-04 | 2022-06-02 | 株式会社クボタ | 浄水装置セットの使用方法および第1の浄水装置の運転方法 |
JP2023068688A (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-18 | 株式会社クボタ | 浄水装置セットの使用方法および第1の浄水装置の運転方法 |
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