JP2000140637A - 光触媒活性を有する金属材料及びその製造方法 - Google Patents

光触媒活性を有する金属材料及びその製造方法

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JP2000140637A
JP2000140637A JP10321774A JP32177498A JP2000140637A JP 2000140637 A JP2000140637 A JP 2000140637A JP 10321774 A JP10321774 A JP 10321774A JP 32177498 A JP32177498 A JP 32177498A JP 2000140637 A JP2000140637 A JP 2000140637A
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film
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silica film
titanium oxide
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Koji Nagata
晃司 永田
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋼等の耐食性金属材料に安価で簡
単に、抗菌,脱臭,有機物分解といった光触媒活性機能
を付与することが望まれている。そこで、比較的簡単に
省エネルギー的に、光触媒活性に優れた耐食性金属材料
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ステンレス鋼板6をサンドブラスト処理
することにより、微細な凹凸のあるサンドブラスト処理
表面7を形成し、該サンドブラスト処理表面7にシリカ
膜8を焼付け塗装形成し、更に前記シリカ膜8の上部に
アナターゼ型の酸化チタンコーティング剤を焼付け塗装
し、更に高圧蒸気処理により酸化チタン被膜9を固定化
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性を有す
る金属材料及びその製造方法に関し、詳しくは表面に高
い光触媒活性を有する酸化チタン被膜を有する金属材料
とそれを簡便に安価に製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光触媒活性を有する金属材料及び
その製造方法が提案されているが、特にステンレス鋼板
への光触媒活性の付与が着目されており、特開平10−
121222号公報に開示されているように、チタンを
含むステンレス鋼基材の表面に酸化性雰囲気中で400
〜1200℃に加熱する熱処理を施して酸化チタンを含
む酸化物層を厚く成長させた後、水素を含む還元性雰囲
気中で400〜1000℃で熱処理してステンレス鋼表
面に酸化チタン中のアナターゼの含有比率が1体積%以
上になるようにしていた。
【0003】また、特開平10−121266号公報に
開示されているように、チタン含有金属材料からなる基
材を陽極酸化することにより表面に陽極酸化膜を形成
し、その後200〜600℃で加熱処理を施して陽極酸
化膜を固定化し、その表面にさらに酸化チタン粉体含有
薄膜をコーティングしていた。
【0004】従って、これら金属材料の表面に紫外線を
照射すると、酸化チタンによる光触媒活性作用により抗
菌性、脱臭及び有機物の分解作用を出現するというもの
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来提案
されている光触媒活性を有する金属材料は、基材として
チタン含有金属材料でなければならないという制約があ
るため、例えばチタンを含まない汎用の耐食性材料であ
るオーステナイト系のSUS304ステンレス鋼等に光
触媒活性を付与できないという課題があった。
【0006】また、数百度から1000℃にもおよぶ非
常に高温度の熱処理を必要とする為製造時に高い熱エネ
ルギーを必要とした。そのためコストが高くなるという
課題があった。
【0007】本発明は、このような光触媒活性を有する
金属材料を比較的簡単に省エネルギー的に製造すると共
に、チタンを含まないSUS304ステンレス鋼等のよ
うな汎用の耐食性材料に酸化チタン光触媒を強固に密着
させて、抗菌,脱臭,有機物分解作用に供することので
きる安価な耐食性材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の光触媒活性を有する金属材料は、サンドブラ
スト処理したステンレス等の耐食性金属材料の表面にア
ナターゼ型の酸化チタンを主成分とする被膜を形成した
光触媒活性を有したものである。
【0009】これにより、抗菌,脱臭,有機物分解等の
光触媒反応において高い活性を有する安価な耐食性金属
材料を提供することができる。
【0010】また、酸化チタンを主成分とする被膜の下
層にシリカ膜を有しているので酸化チタン被膜がさらに
強固に固定され、長期間光触媒活性を維持できる。
【0011】また、シリカ膜がポリシラザンの焼付け処
理により形成されたものであるから、有機成分を全く含
有しない緻密な完全無機のシリカ膜が形成されているの
で、食品用途等へ安心して使用することができる。
【0012】また、ステンレス等の耐食性金属材料の表
面をサンドブラスト処理した後にシリカ膜を焼付け塗装
形成し、その上部にアナターゼ型の酸化チタンコーティ
ング剤を焼付け塗装した後、更に高圧蒸気処理により酸
化チタン皮膜を固定化した光触媒活性を有する金属材料
を製造する方法としたものである。
【0013】これにより、基材としてチタン含有金属材
料でない一般の耐食性金属材料の表面に密着性に優れた
酸化チタン被膜を形成し、光触媒活性を付与することが
できる。また、従来法より比較的短時間で低コストで光
触媒活性の高い耐食性金属材料を製造することができ
る。
【0014】また、シリカ膜がポリシラザンの焼付け処
理により形成されるようにした方法であるから、さらに
強固な密着性を有する酸化チタン被膜が形成できると共
に不純物のない完全に無機のシリカ膜が得られるので安
全性が高い。
【0015】また、ポリシラザンを高圧蒸気処理してシ
リカ膜を形成する方法としたものであるから、短時間で
緻密なシリカ膜が形成できて、その上層に形成される酸
化チタンの密着性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、サンドブラスト処理したステンレス等の耐食性金属
材料の表面にアナターゼ型の酸化チタンを主成分とする
被膜を形成した光触媒活性を有する金属材料であるか
ら、密着性が高く比表面積の大きい光触媒被膜が形成さ
れるので、抗菌,脱臭,有機物分解等の光触媒反応にお
いて高い活性を有する安価な耐食性金属材料を提供する
ことができる。
【0017】請求項2に記載の発明は、酸化チタンを主
成分とする被膜の下層にシリカ膜を有するものであるか
ら、酸化チタン被膜がさらに強固に固定され、長期間光
触媒活性を維持することができる。
【0018】また請求項3記載の発明は、シリカ膜がポ
リシラザンの焼付け処理により形成されたものであるか
ら、有機成分を全く含有しない緻密な完全無機のシリカ
膜が形成されるので、食品用途等へ安心して使用するこ
とができる。
【0019】また請求項4に記載の発明は、ステンレス
等の耐食性金属材料の表面をサンドブラスト処理した後
にシリカ膜を焼付け塗装形成し、その上部にアナターゼ
型の酸化チタンコーティング剤を焼付け塗装した後、更
に高圧蒸気処理により酸化チタン皮膜を固定化した光触
媒活性を有する金属材料の製造方法であるから、基材と
してチタン含有金属材料でない一般の耐食性金属材料の
表面に密着性に優れた酸化チタン被膜を形成し、光触媒
活性を付与することができる。
【0020】また、従来法より比較的短時間で、省エネ
ルギー的に低コストで光触媒活性の高い耐食性金属材料
を製造することができる。
【0021】また請求項5に記載の発明は、シリカ膜が
ポリシラザンの焼付け処理により形成される製造方法な
ので、非常に強固な密着性を有する酸化チタン被膜が形
成できると共に、不純物のない完全に無機のシリカ膜が
得られるので食品用途等へ安心して使用できる光触媒活
性を有する金属材料を提供できる。
【0022】また請求項6に記載の発明は、ポリシラザ
ンを高圧蒸気処理してシリカ膜を形成する方法であるか
ら、短時間で不純物のない緻密なシリカ膜が形成できる
と共に、その上層に形成される酸化チタンの密着性を向
上させることができる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の光触媒活性を有する金
属材料1の構成を示す部分断面図で、2はSUS304
等の汎用のステンレス鋼板である。3は前記ステンレス
鋼板の表面に施されたサンドブラスト処理表面で、4は
該サンドブラスト処理表面3に固定された酸化チタンを
主成分とする光触媒被膜である。
【0024】前記光触媒活性を有する金属材料1の製造
方法は、まずステンレス鋼板2の表面に50メッシュ程
度の酸化アルミニウムのビーズを高速噴射することによ
り、微細な凹凸を有するサンドブラスト処理表面3を形
成する。
【0025】次に前記サンドブラスト処理表面3にアナ
ターゼ型の酸化チタンを含有する酸化チタンコーティン
グ剤を、ディップ法やスピンコート法,スプレー法等の
塗布方法により塗布した後、通常高温乾燥焼付け処理を
行うことにより光触媒被膜4を得ることができる。
【0026】この焼付け処理温度は、用いる酸化チタン
コーティング剤により異なるが、例えば石原産業製のS
T−K01というアルコール及び水を溶媒とした無機系
薄膜用コーティング剤を使用する場合であれば、通常1
50℃で30分間程度乾燥焼付け処理を行うものであ
る。
【0027】以上のようにして得られた光触媒活性を有
する金属材料1は、通常の酸化チタン被膜処理に比べ比
表面積が大きく、また1回の塗装で比較的厚みのある光
触媒活性被膜4とすることができるので、通常方法より
も光触媒活性の高いステンレス鋼板2を得ることができ
る。
【0028】また、前記サンドブラスト処理表面3の凹
凸によるアンカー効果により通常より密着性に優れたも
のとすることができ、耐久性に優れる。
【0029】(実施の形態2)次に第2の実施例につい
て、図2から図4を参照しながら説明する。
【0030】図2は第2の実施例における光触媒活性を
有する金属材料5の構成を示す部分断面図で、6はSU
S304等の汎用のステンレス鋼板である。7は前記ス
テンレス鋼板の表面に施されたサンドブラスト処理表面
で、8は該サンドブラスト処理表面7に形成されたシリ
カ膜で、9は前記シリカ膜8の上層に、60℃から15
0℃で所定時間乾燥焼付け塗装した後に、更に高圧蒸気
処理することによりきわめて強固に密着固定されたアナ
ターゼ型の酸化チタンを主成分とする光触媒活性被膜で
ある。
【0031】前記光触媒活性を有する金属材料5の製造
方法は、第1の実施例と同様であるが、異なる点は光触
媒活性被膜9の下層に下地処理としてシリカ膜8を形成
したことと、前記光触媒活性被膜9がアナターゼ型の酸
化チタンコーティング剤を焼付け塗装した後、更に高圧
蒸気処理されたことである。
【0032】前記高圧蒸気処理は、高圧蒸気滅菌処理装
置を使用して、およそ温度121℃、圧力0.1MPa
で20分から30分間処理を行うものである。
【0033】従って、前記シリカ膜8は前記サンドブラ
スト処理表面7にアンカー効果により強固に密着される
と共に、高圧蒸気処理により前記光触媒活性被膜9が更
に強固に密着固定されることとなり、第1の実施例より
更に耐久性に優れた光触媒活性を有する耐食性金属材料
5を提供することができる。
【0034】次に、このようにして得られた前記光触媒
活性を有する金属材料5の光触媒活性について図3及び
図4を用いて説明する。
【0035】図3は、前記光触媒活性を有する金属材料
5の光触媒活性作用の一つである有機物の分解作用を調
べた実験結果の一例である。
【0036】実験方法は、有機色素であるメチレンブル
ーの100ppm水溶液に2時間浸漬して表面を着色汚
染した後、色素が分解される様子を示したものである。
横軸が光照射時間、縦軸が色の変化度合いを表す色差Δ
Eを示している。
【0037】光源は6Wの254nmの波長の紫外線ラ
ンプで、照射距離50mm、照射強度約1.2mW/c
2 の条件にて測定した結果である。色差はミノルタ製
色彩色差計CR−100にて測定した。
【0038】図3の折れ線グラフで、サンプルAは第2
の実施例における金属材料5の色差変化を表している。
B,Cは比較対照サンプルで、Bはサンドブラスト処理
をしないで平滑なステンレス鋼板の表面に前記実施例同
様の焼付け処理条件で酸化チタン被膜を形成したサンプ
ルの色差変化、またCは全く未処理のステンレス鋼板の
色差変化を表している。
【0039】このグラフからサンプルAは、色素の吸着
分解に優れていることが分かる。また、照射開始から1
5分後の色差変化の傾きが大きいことは色素の分解が速
いことを示している。すなわち、サンプルBのようにサ
ンドブラスト処理なしで酸化チタン被膜を形成したもの
よりも、サンプルAのようにサンドブラスト処理してか
ら酸化チタン被膜を形成した方が遙かに吸着分解作用に
優れていることを示している。
【0040】従って、前記光触媒活性を有する金属材料
5は有機物の分解において高い光触媒活性を有する。
【0041】更に、図4を用いて前記光触媒活性を有す
る金属材料5の殺菌効果について説明する。
【0042】図4は、SUS304ステンレス鋼板製の
トレーに、前記金属材料5の製造方法を適用して得られ
たサンプルAと、全く未処理のステンレス製トレーのサ
ンプルBにおいて、レタスの搾り汁から得た一般細菌を
含む試験液を深さ10mmに調整して入れ、この試験液
の上方から波長254nmの紫外線を照射して殺菌した
時の殺菌効果を示したグラフである。尚照射条件は、光
源6W、照射距離200mmで、照射強度およそ300
μW/cm2 とした。
【0043】このグラフからサンプルAは未処理のサン
プルBより同じ照射時間で比較すると、絶えず殺菌効果
が高い結果である。すなわち酸化チタンの光触媒活性に
より紫外線だけの殺菌効果より優れることが分かる。
【0044】従って、前記金属材料5は光触媒活性に優
れ、紫外線のみの殺菌効果より優れた殺菌効果を出現す
ることができる。
【0045】また、前記光触媒活性を有する金属材料5
の製造方法は、従来例よりも比較的簡単で省エネルギー
的に製造することができて経済的であると共に、チタン
を含まない汎用のステンレス鋼板に高い光触媒活性を提
供することができる。但し、サンドブラスト処理により
表面が灰色系の色になるので、鏡面仕上げの必要な用途
には不向きである。
【0046】また、比表面積が非常に高いので、光の照
射に関係なく結露が発生しにくいという利点があるの
で、業務用冷蔵庫の内壁等への用途展開が可能である。
【0047】(実施の形態3)次に第3の実施例につい
て、図5を用いて説明する。実施の形態2と同じ構成部
品については同一番号を付し、その詳細な説明は省略す
る。10は本実施例の光触媒活性を有する金属材料、1
1がシリカ膜である。
【0048】第2の実施例と異なる点は、シリカ膜11
がポリシラザンを用いて形成されたことである。ポリシ
ラザンとは珪素−窒素結合を持つポリマーの総称であ
り、ポリシラザンを用いたシリカコーティングは、通常
半導体用層間平坦化絶縁膜としてシリコンウェハー等の
表面処理に使用されているものである。
【0049】図5中のシリカ膜10は、ポリシラザンの
中で側鎖がすべて水素であるペルヒドロポリシラザンを
焼成して得られるものである。このペルヒドロポリシラ
ザンは通常キシレン等の有機溶剤に溶解された溶液とし
て入手できるもので、東燃株式会社等より販売されてい
る。
【0050】次に前記金属材料10の製造方法を簡単に
説明する。まず、第1の実施例と同様の条件で、SUS
304ステンレス鋼板6にサンドブラスト処理を行って
表面に微細な凹凸を形成する。
【0051】次いでペルヒドロポリシラザンの溶液をデ
ィップ法等によりサンドブラスト処理表面7に塗布した
後、焼成して不純物のない石英ガラスとほぼ同等の硬い
シリカ膜11を得る。
【0052】このときの焼成条件は、半導体等での用途
では通常大気中450℃の高温で1時間焼成するか、ま
たは120℃で1時間処理した後更に常圧下95℃程度
で水蒸気処理するものであったが、我々は高圧蒸気滅菌
処理装置を使用して、温度121℃、圧力0.1MPa
で20分から30分間1回の焼付け処理を行うことによ
り、前記通常焼付け処理条件と同等の硬いシリカ膜11
を形成できることを見いだした。
【0053】
【化1】
【0054】これは、高圧蒸気処理することにより、反
応式(化1)に示すペルヒドロポリシラザンの加水分解
が促進されて短時間でシリカ膜へ転化することによるも
のである。
【0055】そして、前記シリカ膜11の上層に第2の
実施例と同様に酸化チタンの光触媒活性被膜9を乾燥焼
付け処理して形成する。
【0056】このようにして得られた前記金属材料10
は、第2の実施例と同様の有機物分解作用や殺菌効果が
出現する。
【0057】また、省エネルギー的に1回の処理工程で
硬いシリカ膜11を得ることができるので効率的で経済
的である。
【0058】また、このようにペルヒドロポリシラザン
の加水分解により形成されたシリカ膜11は、不純物の
ない完全無機の石英ガラス並みの硬い薄膜であるから酸
化チタンとの密着性に優れ、硬くて剥がれにくい光触媒
活性被膜9を形成することができる。また、形成された
被膜が完全無機であるから食品用途等へ安心して使用す
ることができる。
【0059】尚、前記高圧蒸気処理は、前記シリカ膜1
1の形成とその上層の酸化チタンの光触媒活性被膜9の
固定の両方に使用してもよい。
【0060】また、前記ステンレス鋼板6はアルミニウ
ムや亜鉛メッキ鋼板等の汎用の耐食性金属板としてもよ
く、同様にして表面に高い光触媒活性機能を付与するこ
とができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、サンドブ
ラスト処理したステンレス等の耐食性金属材料の表面に
アナターゼ型の酸化チタンを主成分とする被膜を形成し
た光触媒活性を有する金属材料であるから、密着性が高
く比表面積の大きい光触媒被膜が形成されるので、抗
菌,脱臭,有機物分解等の光触媒反応において高い活性
を有する安価な耐食性金属材料を提供することができ
る。
【0062】また、酸化チタンを主成分とする被膜の下
層にシリカ膜を有するものであるから、酸化チタン被膜
がさらに強固に固定され、長期間光触媒活性を維持する
ことができる。
【0063】また、シリカ膜がポリシラザンの焼付け処
理により形成されたものであるから、有機成分を全く含
有しない緻密な完全無機の硬いシリカ膜が形成されるの
で、酸化チタンの密着性が向上してより長期間光触媒活
性が維持できると共に、食品用途等へ安心して使用する
ことができる。
【0064】また、ステンレス等の耐食性金属材料の表
面をサンドブラスト処理した後にシリカ膜を焼付け塗装
形成し、前記シリカ膜の表面にアナターゼ型の酸化チタ
ンコーティング剤を焼付け塗装した後、更に高圧蒸気処
理により酸化チタン皮膜を固定化した光触媒活性を有す
る金属材料の製造方法であるから、基材としてチタン含
有金属材料でない一般の耐食性金属材料の表面に密着性
に優れた酸化チタン被膜を形成して、長寿命で高い光触
媒活性機能を付与することができる。更に、従来法より
比較的短時間且つ低温度で、省エネルギー的に低コスト
で光触媒活性の高い耐食性金属材料を製造することがで
きる。
【0065】また、シリカ膜がポリシラザンの焼付け処
理により形成されるようにした製造方法であるから、さ
らに強固な密着性を有する酸化チタン被膜が形成できる
と共に不純物のない完全に無機のシリカ膜が得られるの
で安全性が高く、食品用途等で、抗菌,脱臭,有機物分
解等の光触媒活性機能を利用できる耐食性材料を提供す
ることができる。
【0066】また、ポリシラザンを高圧蒸気処理してシ
リカ膜を形成する製造方法であるから、短時間で不純物
のない緻密な硬いシリカ膜が形成できると共に、その上
層に形成される酸化チタンの密着性を更に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光触媒活性を有
する金属材料の部分断面図
【図2】実施の形態2における光触媒活性を有する金属
材料の部分断面図
【図3】実施の形態2における有機物吸着分解効果の一
例を示す折れ線グラフ
【図4】実施の形態2における殺菌効果の一例を示す折
れ線グラフ
【図5】実施の形態3における光触媒活性を有する金属
材料の部分断面図
【符号の説明】
1,5,10 金属材料 2,6 ステンレス鋼板 3,7 サンドブラスト処理表面 4 光触媒被膜 8,11 シリカ膜 9 光触媒活性被膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/36 H Fターム(参考) 4D048 AA21 AA22 AB03 BA06X BA07X CC04 CC06 4G069 AA04 AA08 AA11 BA02A BA02B BA04A BA04B BA18 BA22A BA22B BA22C BA48A BD05A BD05B BE32A BE32B BE32C BE40A BE40B BE40C CA05 CA10 CA17 DA06 EA12 EB05 FA06 FB23 FB33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンドブラスト処理したステンレス等の
    耐食性金属材料の表面にアナターゼ型の酸化チタンを主
    成分とする被膜を形成した光触媒活性を有する金属材
    料。
  2. 【請求項2】 酸化チタンを主成分とする被膜の下層に
    シリカ膜を有する請求項1記載の光触媒活性を有する金
    属材料。
  3. 【請求項3】 シリカ膜がポリシラザンの焼付け処理に
    より形成されたものである請求項2記載の光触媒活性を
    有する金属材料。
  4. 【請求項4】 ステンレス等の耐食性金属材料の表面を
    サンドブラスト処理した後にシリカ膜を焼付け塗装形成
    し、前記シリカ膜の表面にアナターゼ型の酸化チタンコ
    ーティング剤を焼付け塗装した後、更に高圧蒸気処理に
    より酸化チタン被膜を固定化する光触媒活性を有する金
    属材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリカ膜がポリシラザンの焼付け処理に
    より形成される請求項4記載の光触媒活性を有する金属
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリシラザンを高圧蒸気処理してシリカ
    膜を形成する請求項5記載の光触媒活性を有する金属材
    料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002070545A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Ibiden Co Ltd セラミックハニカム構造物の収容構造
WO2011114467A1 (ja) * 2010-03-17 2011-09-22 株式会社オー・ティー・エー 光触媒フィルタの製造方法および光触媒フィルタ
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