JP2000137488A - ピエゾピックアップを備えた電気ギター - Google Patents

ピエゾピックアップを備えた電気ギター

Info

Publication number
JP2000137488A
JP2000137488A JP10271765A JP27176598A JP2000137488A JP 2000137488 A JP2000137488 A JP 2000137488A JP 10271765 A JP10271765 A JP 10271765A JP 27176598 A JP27176598 A JP 27176598A JP 2000137488 A JP2000137488 A JP 2000137488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
saddle
string
piezo pickup
bridge
base plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10271765A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Hoshino
義裕 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoshino Gakki Co Ltd
Original Assignee
Hoshino Gakki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoshino Gakki Co Ltd filed Critical Hoshino Gakki Co Ltd
Priority to JP10271765A priority Critical patent/JP2000137488A/ja
Priority to US09/373,641 priority patent/US6198036B1/en
Priority to KR1019990035391A priority patent/KR20000022757A/ko
Publication of JP2000137488A publication Critical patent/JP2000137488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Stringed Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインチューニングを行う際のサドル本体
の回動によって弦長が変化しない、ピエゾピックアップ
を備えた電気ギターを提供する。 【解決手段】 ボディB面に対して揺動自在に取り付け
られたベースプレート11上のサドル保持部材32に軸
部42を介して前後方向に回動調節可能に保持されたサ
ドル本体41を有し、前記サドル保持部材32上部に、
少なくとも前記ベースプレート11の揺動可能範囲にお
いて前記サドル本体41に保持された弦Sと常時接する
ことができるピエゾピックアップ50を設けた電気ギタ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電気ギターに関
し、特にはピエゾピックアップを備えた電気ギターに関
する。
【0002】
【従来の技術】トレモロ演奏時における音程(調弦状
態)の狂いを防ぐ等の目的で、ギターネックのナット部
分とボディ面のブリッジサドル部分においてボルトで弦
を保持(固定)する、図13および図14に示すような
ロッキングトレモロ・ブリッジ10A(特公平2−36
957等)を備えた電気ギターが多く利用されるように
なった。
【0003】前記ロッキングトレモロ・ブリッジ10A
は、ボディ面に対して揺動自在に取り付けられるベース
プレート11と、該ベースプレート11に保持されてギ
ター弦を調律可能に保持するブリッジサドル31Aで構
成される。このロッキングトレモロ・ブリッジを備える
電気ギターにおいては、後述するように、ハーモニック
調弦と称される弦の長さを調整する調弦と、ファインチ
ューニングと称される弦の緊張度(ピッチ)を調整する
微調調弦の両方を効果的に行うことができ、通常のロッ
キングタイプでないトレモロ・ブリッジと比較して、ト
レモロ演奏時における音程の狂いを少なくすることがで
きるとともに、演奏時の音程変化も大きくできる利点が
ある。
【0004】図示のベースプレート11に関して、符号
12は該ベースプレート11のボディ面への取付部とな
るナイフエッジ部、13はボディ面に埋設され前記ナイ
フエッジ部12と係合するスタッドボルト、14はスタ
ッド固定ボルト、15はスタッドボルトのためのアンカ
ー、16はブリッジサドル31Aの回動調節棒用の開口
溝、17はトレモロアーム、18はアーム受け、19は
ブリッジサドル31Aをベースプレート11に取り付け
るための取付部材、21はブリッジサドル31Aの回動
調節棒を付勢するための板バネ、22はトレモロブロッ
ク、23はトレモロブロック22を付勢するためのトレ
モロスプリング、24はトレモロスプリング23をボデ
ィに取り付けるためのブラケット、25は同じくビスで
ある。なお、前記トレモロアーム17をギターボディ方
向に移動させると、図16のようにベースプレート11
はトレモロスプリング23の力に逆らって前記スタッド
ボルト13を支点として揺動する。これによって、ギタ
ーの弦ピッチ調弦状態を変更でき、ギターの音域を変更
するトレモロ効果を得ることができる。
【0005】また、図示のブリッジサドル31Aは、図
15および図16からよりよく理解されるように、サド
ル保持部材32Aと、該サドル保持部材32Aに軸部4
2を介して前後方向に回動調節可能に保持されたサドル
本体41を有する。図示のサドル保持部材32Aに関す
る符号33Aはサドル保持部材32Aをベースプレート
11に前後動可能に取り付けるための切り欠き、34A
は同じく固定ボルト、35Aは同じく座金、36Aはサ
ドル本体前部収容用開口部である。なお、前記固定ボル
ト34Aを緩めて、サドル保持部材32Aおよびサドル
本体41等の関連部品を前後動させれば、弦Sの長さ調
節、つまりハーモニック調弦を行うことができる。
【0006】一方、図示のサドル本体41に関する符号
43はサドル本体前部に設けられた曲面状の弦受け部、
44は弦固定用凹部、45は弦固定ブロック、46は前
記弦固定ブロック45を押さえるための弦固定ボルト、
47は回動用調節棒、48は前記回動用調節棒47と接
しその上下動によりサドル本体41を回動させるための
ファインチューニングボルトである。前記ファインチュ
ーニングボルト48を回して下に移動させると、前記回
動用調節棒47は下方に押され、図15の(B)図の状
態から(A)図の状態となるように、サドル本体41は
軸部42を中心に後方向(図示では時計回り方向)に回
動する。一方、前記ファインチューニングボルト48を
上方に動くように回すと、前記回動用調節棒47は上方
に移動し、図15の(A)図の状態から(B)図の状態
となるように、サドル本体41は軸部42を中心に前方
向(図示では時計の反対回り方向)に回動する。このよ
うにすれば、特定弦のファインチューニングを行うこと
ができる。すなわち、弦緊張度(ピッチ)を増大させる
場合にはサドル本体41を後方向に回動させ、減少させ
る場合にはサドル本体41を前方向に回動させる。
【0007】上記構造においては、サドル本体41の弦
受け部43が曲面状となっているので、ファインチュー
ニングを行うためにサドル本体41を回動させる際、弦
Sは、ブリッジサドル31Aと常時同じ位置、具体的に
はサドル本体41の軸部42上方部位Zで接触し、サド
ル本体41の回動とともに当該接触部位Zが弦方向Xに
移動しないため、弦長(弦Sのブリッジサドル接触部位
とナット接触部位間の距離)はファインチューニング中
変化することはなく、しかも弦Sは締め付けられたまま
であるから、弦Sのハーモニック調弦状態を維持するこ
とができる。
【0008】ところで、近年、共鳴胴を持つフォークギ
ター等において電気的な増幅を必要とする場合や、高い
周波数の音を集音してより自然な音色(いわゆるアコー
スティックサウンドと呼ばれる音色)とする等の目的
で、ピエゾピックアップをブリッジに内蔵させ、該ピエ
ゾピックアップにより集音を行う方式を採用することが
ある。この方式は、圧電セラミクスをピックアップとし
て利用したもので、磁性体としての弦の振動で電流を発
生させる従来のピックアップ方式に対し、弦と物理的に
接触させ、その弦振動を圧力として圧電セラミクスの圧
縮,伸長を発生させることで電荷、すなわち電圧を発生
させ、信号として使用する方式である。そのため、当該
ピエゾピックアップを用いる場合には、磁性体(通常は
スチール弦)でないナイロン弦等の音も拾うことができ
る。なお、通常、このピエゾピックアップを備えたギタ
ーにはコントロール部分にイコライザーを内蔵して余分
な高域を減少させる等、演奏者の好みの音色が得られる
ための調整機構が設けられることが多い。
【0009】ここで、前記共鳴胴を持つフォークギター
にピエゾピックアップを内蔵する場合には、ブリッジ構
造が単純であること、基本的にブリッジの位置や高さが
固定されていることから、プラスチック製ブリッジサド
ルと木製ベースプレートの間に棒状のピエゾピックアッ
プを簡単に挿入固定できるが、これに対し金属製のブリ
ッジやトレモロ(上記ロッキングトレモロタイプでない
もの)を有するエレキギターやベースギターの場合、ブ
リッジサドルが各弦ごとに分割され、状況に応じてそれ
ぞれの高さや位置の変化にも対応することが必要となる
ため、一般的には複数の小さなピエゾピックアップを各
弦用ブリッジサドルの弦との接触部位に固定しなければ
ならない。また、このピエゾピックアップを良好に作用
させるためには、該ピエゾピックアップの圧縮,伸長を
妨げることなく全体を固定する必要がある。
【0010】そして、本発明者は、上記ピエゾピックア
ップを、上述したロッキングトレモロ・ブリッジの各弦
用ブリッジサドルに内蔵させることを発案した。しかし
ながら、ロッキングトレモロ・ブリッジの特徴を生かす
ためには、ファインチューニングを行う際のサドル本体
回動時に弦長が変化しないといった設計条件を満たさな
ければならない。これはサドル本体の回動軸部と弦接触
部位、つまりピエゾピックアップとの距離が大きく離れ
てはならないことを意味し、この条件を満たしてピエゾ
ピックアップを設けることは極めて困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこのような
状況に鑑み提案されたもので、ファインチューニングを
行う際のサドル本体の回動によって弦長が変化しない、
ピエゾピックアップを備えた電気ギターを提供しようと
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ボデ
ィ面に対して揺動自在に取り付けられたベースプレート
上のサドル保持部材に軸部を介して前後方向に回動調節
可能に保持されたサドル本体を有するものにおいて、前
記サドル保持部材上部に、少なくとも前記ベースプレー
トの揺動可能範囲において前記サドル本体に保持された
弦と常時接することができるピエゾピックアップが設け
られていることを特徴とするピエゾピックアップを備え
た電気ギターに係る。
【0013】また、請求項2の発明は、ボディ面に対し
て揺動自在に取り付けられたベースプレート上のサドル
保持部材に軸部を介して前後方向に回動調節可能に保持
されたサドル本体を有するものにおいて、前記サドル本
体上部に、少なくとも前記ベースプレートの揺動可能範
囲において前記サドル本体に保持された弦と常時接する
ことができるピエゾピックアップが設けられていること
を特徴とするピエゾピックアップを備えた電気ギターに
係る。
【0014】さらに、請求項3の発明は、請求項2にお
いて、前記ピエゾピックアップが前記サドル本体の軸部
の直上に配置されていることを特徴とするピエゾピック
アップを備えた電気ギターに係る。
【0015】またさらに、請求項4の発明は、請求項1
ないし3のいずれかにおいて、前記ピエゾピックアップ
の上部に弦との接触曲面を有することを特徴とするピエ
ゾピックアップを備えた電気ギターに係る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例に係る電
気ギター全体を示す正面図、図2は同実施例におけるロ
ッキングトレモロ・ブリッジ部分を示す部分断面図、図
3は同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッジの
部分斜視図、図4は同実施例におけるロッキングトレモ
ロ・ブリッジの断面図、図5は同実施例におけるロッキ
ングトレモロ・ブリッジのトレモロ演奏時の断面図、図
6は他の実施例に係る電気ギターのロッキングトレモロ
・ブリッジの断面図、図7は同実施例におけるロッキン
グトレモロ・ブリッジのトレモロ演奏時の断面図、図8
は同実施例におけるブリッジサドルを示す部分斜視図、
図9は図8のP−P断面図、図10は同実施例における
ピエゾピックアップとサドル本体の軸部の関係を拡大し
て示す概略部分断面図、図11はこの発明に用いるピエ
ゾピックアップの一例を示す概略断面図、図12は図1
1のQ−Q断面図である。
【0017】図1に示す電気ギターGは、この発明の一
実施例に係るもので、ネックNとボディBを有してい
る。前記ネックNの前端にはナットNaが設けられ、該
ナットNa部分で各弦Sの一端が弦柱Nbにより保持固
定されている。なお、符号Ncは前記弦柱Nbと連結さ
れ、調弦を行うための糸巻きである。また、前記ボディ
B面上には、図2からよりよく理解されるように、調弦
装置として、ロッキングトレモロ・ブリッジ10が取り
付けられ、該ロッキングトレモロ・ブリッジ10部分で
各弦Sの一端(前記ナットNa側とは反対側の端)が保
持固定されている。
【0018】前記ロッキングトレモロ・ブリッジ10
は、図2ないし図5に示すように、ボディB面に対して
揺動自在に取り付けられたベースプレート11と、該ベ
ースプレート11上のサドル保持部材32に軸部42を
介して前後方向に回動調節可能に保持されたサドル本体
41を有するブリッジサドル31とを備える。
【0019】このロッキングトレモロ・ブリッジ10
は、先の従来技術の項でも説明したように、ハーモニッ
ク調弦とファインチューニングの両方を効果的に行うこ
とができ、通常のロッキングタイプでないトレモロ・ブ
リッジと比較して、トレモロ演奏時における音程の狂い
を少なくすることができるものである。なお、この実施
例におけるロッキングトレモロ・ブリッジ10の構成に
ついては、ブリッジサドル31のサドル保持部材32を
除き、先の従来技術の項で図13ないし図16について
説明したロッキングトレモロ・ブリッジ10Aと概ね同
じ構成であるので、同一部材については、同一符号を付
して説明を省略する。以下、ロッキングトレモロ・ブリ
ッジ10のサドル保持部材32の構成を含む特徴的部分
について詳細に述べる。
【0020】すなわち、この実施例においては、請求項
1の発明のように、前記サドル保持部材32上部に、少
なくともトレモロ演奏時におけるベースプレート11の
揺動可能範囲(弦Sの張力が弱まってブリッジサドル3
1上から浮上しない範囲)において、前記サドル本体4
1に保持された弦Sと常時接することができるピエゾピ
ックアップ50が設けられている。
【0021】前記ピエゾピックアップ50は、圧電セラ
ミクスを利用した公知のもので、電気的な増幅を必要と
する場合や、高い周波数の音を集音してより自然な音
色、いわゆるアコースティックサウンドと呼ばれる音色
とする場合等に用いられるものである。なお、この実施
例においては、図11からよりよく理解されるように、
圧電セラミクス51と、エポキシ樹脂等からなる樹脂層
52と、金属製ケース53とを備えたピエゾピックアッ
プ50が用いられている。図示の符号54は前記圧電セ
ラミクス51と接続された導線である。さらに、この実
施例においては、図12からよりよく理解されるよう
に、請求項4の発明を適用して、ピエゾピックアップ5
0の上部に弦Sとの接触曲面55が形成されている。
【0022】上記ピエゾピックアップ50は、弦Sと物
理的に接触させ、その弦振動を圧力として圧縮,伸長を
発生することで電荷、すなわち電圧を発生させ、該電圧
を信号として使用するので、ナイロン等、磁性体(鉄
製)でない材質の弦を用いる場合にも用いることができ
る。なお、前記ピエゾピックアップ50の導線54は、
回路板等(図示せず),ジャックJ,ケーブルC(図1
参照)を介してアンプ等の電子装置と接続される。
【0023】上記ピエゾピックアップ50の取り付け
は、この実施例では、サドル保持部材32の中央部(取
付用切り欠き33とサドル本体前部収容用開口部36の
間の部分)32cの上部にピックアップ受け部37が設
けられ、その受け部37にピエゾピックアップ50を嵌
め込むことによって、サドル保持部材32のサドル本体
軸部42から近い位置に当該ピエゾピックアップ50が
取り付けられている。そして、当該ピエゾピックアップ
50の上面高さ(前記接触曲面55の高さ)を、サドル
本体41の回動調節可能範囲におけるサドル本体41前
部の最高高さ、つまり軸部42上のサドル本体41上面
高さよりも高くすることによって、ピエゾピックアップ
50が、少なくとも前記サドル本体41の回動調節可能
範囲および前記ベースプレート11の揺動可能範囲にお
いてサドル本体41に保持された弦Sと常時接するよう
にしている。また、前記ピックアップ受け部37の下方
にはピエゾピックアップ50の配線用の連通孔38が形
成されている。なお、上記サドル保持部材32に関する
図3中の符号34は前記取付用切り欠き33部分でサド
ル保持部材32をベースプレート11に固定するための
固定ボルトを示し、該固定ボルト34を緩め、サドル保
持部材32およびサドル本体41等の関連部品を前後動
させることにより、弦Sの長さ調節、つまりハーモニッ
ク調弦を行えるようになっている。
【0024】このようにしてなる電気ギターGにおける
特定弦のファインチューニングは、以下のようにして行
われる。まず、弦緊張度を増大させる場合には前記ファ
インチューニングボルト48を回して下に移動させるこ
とによって、前記回動用調節棒47を下方に押し、図4
の(B)図の状態から(A)図の状態となるように、サ
ドル本体41を後方向に回動させる。一方、弦緊張度を
減少させる場合には、前記ファインチューニングボルト
48を上方に動くように回すことによって、前記回動用
調節棒47を上方に移動させ、図4の(A)図の状態か
ら(B)図の状態となるように、サドル本体41を前方
向に回動させる。
【0025】前記ファインチューニングを行う際、上記
構造においては、サドル本体41の回動に伴ってハーモ
ニック調弦された弦長が変化するのを防ぐことができ
る。つまり、ファインチューニングの際にサドル本体4
1を回動させても、前記サドル本体41の軸部42から
近い位置のサドル保持部材32上に設けられたピエゾピ
ックアップ50は、上述したように、少なくともトレモ
ロ演奏時におけるベースプレート11の揺動可能範囲に
おいて、前記サドル本体41に保持された弦Sと常時接
する、より詳しく言えば常時ほぼ同位置で接するので、
ハーモニック調弦された弦長が変化するのを防ぐことが
でき、弦Sのハーモニック調弦状態を狂いなく維持する
ことができる。
【0026】なお、この実施例の電気ギターGにおいて
は、先の従来技術の項で述べた構造と同様に、トレモロ
アーム17をギターボディB方向に移動させ、図5のよ
うにベースプレート11をトレモロスプリングの力に逆
らってスタッドボルト13を支点として揺動させること
によって、ギターの音域を変更するトレモロ効果を得る
ことができる。
【0027】ここで、この実施例のように、ピエゾピッ
クアップ50の上面高さを、サドル本体41の軸部42
上のサドル本体41上面高さよりも高くすれば、トレモ
ロ演奏時におけるベースプレート11の揺動可能範囲、
すなわち弦Sの張力が弱まってブリッジサドル31上か
ら浮上してしまう時のベースプレート11の前傾角度を
大きくすることができ、トレモロ演奏時の音程変化を大
きくできる利点もある。
【0028】次に、この発明の他の実施例について説明
する。図6および図7に示すロッキングトレモロ・ブリ
ッジ60は、この発明の他の実施例に係る電気ギターの
ロッキングトレモロ・ブリッジであり、ボディ面に対し
て揺動自在に取り付けられるベースプレート11と、該
ベースプレート11に保持されてギター弦を調律可能に
保持するブリッジサドル61で構成される。また、前記
ブリッジサドル61は、図8および図9からよりよく理
解されるように、サドル保持部材62と、該サドル保持
部材62に軸部72を介して前後方向に回動調節可能に
保持されたサドル本体71を有する。なお、この実施例
におけるロッキングトレモロ・ブリッジ60のベースプ
レート11の構成については、先の従来技術の項で図1
3ないし図16について説明したロッキングトレモロ・
ブリッジ10Aのベースプレートと概ね同じ構成である
ので、同一部材については、同一符号を付して説明を省
略する。以下、ロッキングトレモロ・ブリッジ60のブ
リッジサドル61の構成を含む特徴的部分について詳細
に述べる。
【0029】このロッキングトレモロ・ブリッジ60に
おいては、請求項2の発明のように、前記サドル本体7
1上部に、少なくともトレモロ演奏時におけるベースプ
レート11の揺動可能範囲(弦Sの張力が弱まってブリ
ッジサドル61上から浮上しない範囲)において、前記
サドル本体71に保持された弦Sと常時接することがで
きるピエゾピックアップ80が設けられている。なお、
前記ピエゾピックアップ80には、先の実施例のピエゾ
ピックアップ50と同様に圧電セラミクスを利用した公
知のものが用いられる。
【0030】また、この実施例においては、請求項3の
発明を適用して、前記ピエゾピックアップ80が前記サ
ドル本体71の軸部72の直上に配置されている。ここ
で、軸部72の直上とは、ベースプレート11がボディ
面に対して揺動していない状態で、かつサドル本体71
下面71aがベースプレート11上面11aに対して略
平行となっている状態(図6の(A)図で示す状態)に
おいて、サドル本体71の軸部72中心を通るベースプ
レート11上面11aの垂線上を意味する。このよう
に、ピエゾピックアップ80を前記サドル本体71の軸
部72の直上に配置すれば、ピエゾピックアップ80と
サドル本体71の軸部72間の距離を小さくすることが
できるので、ファインチューニング時におけるサドル本
体71の回動に伴うピエゾピックアップ80の弦方向の
移動距離を小さくすることができる。なお、上記のよう
にサドル本体71の軸部72の直上にピエゾピックアッ
プ80を設けることに伴って、前記軸部72の高さ位置
は、先に図1ないし図5について説明した実施例の軸部
42の高さ位置に比べて、ピエゾピックアップ80の高
さ分だけ低くなる。
【0031】上記ピエゾピックアップ80の取り付けを
具体的に説明すると、サドル本体71の軸部72の直上
にピックアップ受け部73が設けられ、その受け部73
にピエゾピックアップ80を嵌め込むことによって、当
該ピエゾピックアップ80がサドル本体71に取り付け
られている。また、前記ピックアップ受け部73の下方
にはピエゾピックアップ80の配線用の連通孔74が前
記軸部72を避けるように傾斜して形成されている。
【0032】また、この実施例においては、前記ピエゾ
ピックアップ80が、少なくともベースプレート11の
揺動可能範囲において、前記サドル本体71に保持され
た弦Sと常時接することができるようにするため、図8
からよりよく理解されるように、前記サドル本体71上
面71bのピックアップ受け部73の前後に弦方向に沿
う溝部71cが形成され、ピエゾピックアップ80の上
面高さ(後述する接触曲面85の高さ)を、前記サドル
本体71上面71bの溝部71c底面高さよりも高くし
ている。
【0033】なお、図6ないし図9中のサドル保持部材
62に関する符号63はサドル保持部材62をベースプ
レート11に前後動可能に取り付けるための切り欠き、
64はサドル保持部材62後部の両側に設けられたヒン
ジ部であり、該ヒンジ部64でサドル本体71前部の下
部が軸着されている。一方、図中のサドル本体71に関
する符号75は弦固定用凹部、76は弦固定ブロック、
77は前記弦固定ブロック76を押さえるための弦固定
ボルト、78は回動用調節棒、79は前記回動用調節棒
78と接しその上下動によりサドル本体71を回動させ
るためのファインチューニングボルトである。
【0034】さらに、図10に示すように、この実施例
におけるピエゾピックアップ80は上部に弦Sとの接触
曲面85を有し、かつ該接触曲面85の断面形状は前記
サドル本体71の軸部72中心72oを中心とする円弧
状、すなわち、サドル本体71の軸部72中心72oと
ピエゾピックアップ80の接触曲面85中心85o間の
距離Lを半径とする円弧状となっている。このようにす
れば、サドル本体71の回動に伴ってピエゾピックアッ
プ80自体が移動(回動)しても、前記ピエゾピックア
ップ80と弦Sとの接触位置は、常時、ほぼサドル本体
71の軸部72中心を通るベースプレート11上面の垂
線上となる。なお、前記円弧状の接触曲面85とする範
囲は、ファインチューニング時に必要なサドル本体71
の回動可能範囲(図中における軸部72中心72oから
延びる2本の破線で挟まれた範囲で、一般的には±5度
程度)とすれば十分である。
【0035】この実施例における特定弦のファインチュ
ーニングは、図1ないし図5について説明した先の実施
例と同様に行われる。すなわち、弦緊張度を増大させる
場合には前記ファインチューニングボルト79を回して
下に移動させることによって、前記回動用調節棒78を
下方に押し、図6の(B)図の状態から(A)図の状態
となるように、サドル本体71を後方向に回動させる。
一方、弦緊張度を減少させる場合には、前記ファインチ
ューニングボルト79を上方に動くように回すことによ
って、前記回動用調節棒78を上方に移動させ、図6の
(A)図の状態から(B)図の状態となるように、サド
ル本体71を前方向に回動させる。なお、この実施例に
おいても、図7のようにベースプレート11をトレモロ
スプリングの力に逆らってスタッドボルト13を支点と
して揺動させることによって、ギターの音域を変更する
トレモロ効果を得ることができる。
【0036】上記構造においては、前記ファインチュー
ニングの際にサドル本体71を回動させても、前記ピエ
ゾピックアップ80は、上述したように、前記サドル本
体71に保持された弦Sと常時ほぼ同位置、具体的には
サドル本体71の軸部72中心を通るベースプレート1
1上面の垂線上またはその近傍で接する。したがって、
サドル本体71の回動によってハーモニック調弦された
弦長が変化するのを防ぐことができ、弦Sのハーモニッ
ク調弦状態の狂いを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に
よれば、ファインチューニングを行う際におけるサドル
本体の回動によって弦長が変化するのを防ぎ、弦のハー
モニック調弦状態に狂いが生じるのを防ぐことができ
る、ピエゾピックアップを備えた電気ギターが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る電気ギター全体を示
す正面図である。
【図2】同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッ
ジ部分を示す部分断面図である。
【図3】同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッ
ジの部分斜視図である。
【図4】同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッ
ジの断面図である。
【図5】同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッ
ジのトレモロ演奏時の断面図である。
【図6】他の実施例に係る電気ギターのロッキングトレ
モロ・ブリッジの断面図である。
【図7】同実施例におけるロッキングトレモロ・ブリッ
ジのトレモロ演奏時の断面図である。
【図8】同実施例におけるブリッジサドルを示す部分斜
視図である。
【図9】図8のP−P断面図である。
【図10】同実施例におけるピエゾピックアップとサド
ル本体の軸部の関係を拡大して示す概略部分断面図であ
る。
【図11】この発明に用いるピエゾピックアップの一例
を示す概略断面図である。
【図12】図11のQ−Q断面図である。
【図13】従来におけるロッキングトレモロ・ブリッジ
の部分斜視図である。
【図14】同ロッキングトレモロ・ブリッジの分解斜視
図である。
【図15】同ロッキングトレモロ・ブリッジの断面図で
ある。
【図16】同ロッキングトレモロ・ブリッジのトレモロ
演奏時の断面図である。
【符号の説明】
11 ベースプレート 10,60 ロッキングトレモロ・ブリッジ 31,61 ブリッジサドル 32,62 サドル保持部材 41,71 サドル本体 42,72 サドル本体の軸部 50,80 ピエゾピックアップ 55,85 ピエゾピックアップの接触曲面 G 電気ギター B ボディ S 弦

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディ面に対して揺動自在に取り付けら
    れたベースプレート上のサドル保持部材に軸部を介して
    前後方向に回動調節可能に保持されたサドル本体を有す
    るものにおいて、 前記サドル保持部材上部に、少なくとも前記ベースプレ
    ートの揺動可能範囲において前記サドル本体に保持され
    た弦と常時接することができるピエゾピックアップが設
    けられていることを特徴とするピエゾピックアップを備
    えた電気ギター。
  2. 【請求項2】 ボディ面に対して揺動自在に取り付けら
    れたベースプレート上のサドル保持部材に軸部を介して
    前後方向に回動調節可能に保持されたサドル本体を有す
    るものにおいて、 前記サドル本体上部に、少なくとも前記ベースプレート
    の揺動可能範囲において前記サドル本体に保持された弦
    と常時接することができるピエゾピックアップが設けら
    れていることを特徴とするピエゾピックアップを備えた
    電気ギター。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ピエゾピックア
    ップが前記サドル本体の軸部の直上に配置されているこ
    とを特徴とするピエゾピックアップを備えた電気ギタ
    ー。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記ピエゾピックアップの上部に弦との接触曲面を有す
    ることを特徴とするピエゾピックアップを備えた電気ギ
    ター。
JP10271765A 1998-08-25 1998-09-25 ピエゾピックアップを備えた電気ギター Pending JP2000137488A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10271765A JP2000137488A (ja) 1998-08-25 1998-09-25 ピエゾピックアップを備えた電気ギター
US09/373,641 US6198036B1 (en) 1998-09-25 1999-08-24 Electric guitar tremolo bridge piezo pickup
KR1019990035391A KR20000022757A (ko) 1998-09-25 1999-08-25 트레몰로 브리지 및 압전 픽업을 구비한 전기 기타

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-238836 1998-08-25
JP23883698 1998-08-25
JP10271765A JP2000137488A (ja) 1998-08-25 1998-09-25 ピエゾピックアップを備えた電気ギター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000137488A true JP2000137488A (ja) 2000-05-16

Family

ID=26533922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10271765A Pending JP2000137488A (ja) 1998-08-25 1998-09-25 ピエゾピックアップを備えた電気ギター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000137488A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6194645B1 (en) Stringed instrument having a hidden tremolo
CA1287755C (en) Tremolo apparatus having broken string compensation feature
JPH0617191Y2 (ja) 弦楽器
US6137039A (en) Stringed instrument having slidable saddles
US7563968B2 (en) Bridge system for improved acoustic coupling in stringed instruments
JP3798707B2 (ja) 電気ギターのトレモロ装置及び電気ギター
US4541320A (en) Stringed instrument saddle lock
US6198036B1 (en) Electric guitar tremolo bridge piezo pickup
JP3774666B2 (ja) 弦楽器用トレモロ装置
KR20030001243A (ko) 현악기의 트레몰로 장치
JP3676717B2 (ja) 電気ギターのトレモロ装置及び電気ギター
US5088374A (en) Tremolo device for a guitar
JP2003186465A (ja) 弦楽器の弦張設機構
US6184450B1 (en) Universal, multi-position, tuning mechanism and bridge for stringed musical instruments
WO2019156826A1 (en) Vibrato device for guitar
US9741321B1 (en) Arrangements, features, techniques and methods for securing strings of stringed instruments
JP2000137488A (ja) ピエゾピックアップを備えた電気ギター
US4658693A (en) Rear operated control device for guitar
JPH0263234B2 (ja)
US6080921A (en) Blade sharping device for a lever harp
US20070214932A1 (en) Individual string adjusting tailpiece
JPS6344866Y2 (ja)
JP2001272972A (ja) 弦楽器用ブリッジの構造
JP2002522808A (ja) ビブラート装置
JPH0782317B2 (ja) 弦楽器用トレモロ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040113