JP2000137081A - 加速器のビーム診断プローブ - Google Patents

加速器のビーム診断プローブ

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JP2000137081A
JP2000137081A JP31022298A JP31022298A JP2000137081A JP 2000137081 A JP2000137081 A JP 2000137081A JP 31022298 A JP31022298 A JP 31022298A JP 31022298 A JP31022298 A JP 31022298A JP 2000137081 A JP2000137081 A JP 2000137081A
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Japan
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differential detection
differential
integral
accelerator
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JP31022298A
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Masami Sano
正美 佐野
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトなプローブで、全電流値の半径方
向の分布、半径方向の周回ビームの位置、垂直方向のビ
ームの拡がりの状態を一度に測定可能とする。 【解決手段】 インテグラル検出片12の後方に、先端
が突出するよう、ビーム進行方向と垂直な方向に並設さ
れた、ビームを阻止しない3枚以上の薄板26u、26
m、26lからなるデファレンシャル検出片26を設
け、該デファレンシャル検出片の上下を覆うように配設
したキャプチャ電極30u、30lによって、前記デフ
ァレンシャル検出片のビーム衝突面から放出された2次
電子を捕獲する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速器ビームのビ
ーム量やビーム形状を測定するためのビーム診断プロー
ブに係り、特に、サイクロトロンのような、半径方向に
加速ビームが何回も周回する円形粒子加速器に用いるの
に好適な、ビーム診断プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】サイクロトロンのような粒子加速器にお
いては、該加速器で発生されるビーム量やビーム形状の
分布状態を把握するために、図1乃至図3に示すような
構成のビーム診断プローブが用いられている。
【0003】このプローブ10は、イオンの周回ビーム
8を阻止した際に流れるビーム電流値を検出することに
より、ビーム量を測定するための、ビームを阻止可能な
厚みを有する、直方体状のインテグラル検出片12と、
該インテグラル検出片12の後方に、先端がδ(通常
0.5〜1mm)だけ突出するよう、ビーム進行方向
(x方向)と垂直な方向(y方向)に並設された、同じ
くビームを阻止可能な厚みを有する、直方体状の例えば
3指のデファレンシャル検出片16とを備えている。図
において、14、18は、それぞれ前記インテグラル検
出片12、デファレンシャル検出片16に先端が埋め込
まれた、ビームによる発熱を除去するための冷却水を導
入するための、導電性を有する冷却水管、20は、該冷
却水管14、18の後端が一体的に固定された、サポー
ト用ステムである。
【0004】前記インテグラル検出片12、デファレン
シャル検出片16のいずれも、サイクロトロンの能力に
匹敵するビームエネルギに対応する材料と厚み(飛程)
を有し、周回ビーム8を阻止することによって流れるビ
ーム電流値Iを、図4に示す如く検出する構成となって
いる。因みに、例えば陽子90MeVのビームを阻止す
るためには、銅を用いた場合で30mm、モリブデンを
用いた場合で12mmの厚みが必要である。
【0005】周回ビーム8が、このようなプローブ10
の先端に当ると、図5及び図6に示す如く、周回ビーム
8は、デファレンシャル検出片16で阻止される分I
d、インテグラル検出片12で阻止される分I2、及
び、両検出片のどちらにも当たらず、再度周回して半径
Rが大きくなり、図の右側にずれてインテグラル検出片
12に当る分(I1 →I1 ′)に分けられる。即ち、そ
の半径地点の全電流値Itは、前記電流値I2 とI1 ′
とId の和で表わされる。又、Id は、当該半径地点で
のδ幅で検出されるビーム量である。
【0006】前記インテグラル検出片12及びデファレ
ンシャル検出片16を一体的に配置したサポート用ステ
ム20を、サイクロトロンの半径R方向(z方向)に掃
引しながら、全電流値Itとデファレンシャル電流値I
dを検出すると、図7に示す如く変化し、半径方向のビ
ーム電流分布と各周回ビームの半径位置の情報が得られ
る。
【0007】又、デファレンシャル検出片16の垂直方
向の3素子16u、16m、16lの検出値Idu、I
dm、Idlを独立表示すると、図8に示す如く、半径
方向のビームの垂直位置が、どのように変化しているか
を把握することができる。
【0008】このようなビーム情報を診断することが、
サイクロトロンの運転調整を支援する重要な要素となっ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来型プローブは、次のような問題点を有していた。
【0010】全ビーム電流値Itを検出するために
は、デファレンシャル検出片16でもビームを完全に阻
止する必要があり、インテグラル検出片12と同等のビ
ーム阻止厚みを必要とするため、プローブ検出部の寸法
が全体に大きくなる。
【0011】半径方向ビーム位置の分解能を決定づけ
る突出量δの値が、特に高エネルギビームでは、検出片
に垂直方向に入射しない条件で素子厚みを確保する必要
があるため、ある程度以下に小さくできない。
【0012】前記突出量δの値は、デファレンシャル
検出片16を半径方向に駆動調整することにより、効果
的な値に設定できるが、従来はデファレンシャル検出片
16での周回ビームを完全に阻止する必要があるため、
二重の冷却水管18でインテグラル検出片12の冷却水
管14と共にサポート用ステム20に一体的に固定支持
する複雑な構造をとっており、δの値を変えるのは困難
であった。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、簡単且つコンパクトな構成で、全電
流値の半径方向の分布、半径方向周回ビームの位置、垂
直方向のビームの拡がりの状態等のビームプロファイル
を一度に測定できるようにすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速器ビーム
のビーム量やビーム形状を測定するためのビーム診断プ
ローブにおいて、ビームを阻止した際に流れるビーム電
流値を検出することにより、ビーム量を測定するため
の、ビームを阻止可能な厚みを有するインテグラル検出
片と、該インテグラル検出片の後方に、先端が突出する
よう、ビーム進行方向と垂直な方向に並設された、ビー
ムを阻止しない3枚以上の薄板からなるデファレンシャ
ル検出片と、該デファレンシャル検出片の上下を覆うよ
うに配設された、デファレンシャル検出片のビーム衝突
面から放出された2次電子を捕獲するためのキャプチャ
電極とを備えることにより、前記課題を解決したもので
ある。
【0015】又、前記デファレンシャル検出片を構成す
る複数の薄板を、ビーム進行方向に位置をずらした状態
で、ビーム断面を略完全に覆うように配置するようにし
たものである。
【0016】又、前記デファレンシャル検出片先端のイ
ンテグラル検出片に対する突出量を調整するための駆動
手段を備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0018】本実施形態は、図9乃至図11に示す如
く、従来と同様のインテグラル検出片12及びその冷却
管14を備えたビーム診断プローブにおいて、該インテ
グラル検出片12の後方に、先端がδだけ突出するよ
う、ビーム進行方向(x方向)に位置をずらした状態
で、ビーム進行方向と垂直な方向(y方向)に並設され
た、ビームを阻止しない3枚の薄板26u、26m、2
6lからなるデファレンシャル検出片26と、該デファ
レンシャル検出片26の上下を覆うように配設された、
図10に示す如く、該デファレンシャル検出片のビーム
衝突面から放出された2次電子を捕獲するためのキャプ
チャ電極30u、30lと、前記デファレンシャル検出
片26先端のインテグラル検出片12に対する突出量δ
を調整するためのデファレンシャル検出片駆動装置40
とを備えたものである。
【0019】前記デファレンシャル検出片26は、厚み
1mm程度の高融点金属(MoやTa等)の薄板26
u、26m、26lを、ビーム進行方向と垂直なy方向
に3枚、ビーム進行方向(x方向)位置を段違いにずら
しながら配置されている。
【0020】前記デファレンシャル検出片26及びキャ
プチャ電極30u、30lは、デファレンシャル検出片
サポート軸32に一体的に保持されている。該サポート
軸32は、デファレンシャル検出片駆動軸34の先端に
固定されている。該駆動軸34は、サポート用ステム2
0に配設されたベローズ36を挿通して、中空円筒状の
サポート用ステム20内に設けられたボールねじ軸42
とステップモータ44の組合せ等によるデファレンシャ
ル検出片駆動装置40により、半径方向(z方向)に精
密な分解能(例えば0.1mm以下の位置決め精度)で
駆動調整される。
【0021】図において、50は配線である。
【0022】以下、本実施形態におけるビーム検出原理
を説明する。
【0023】デファレンシャル検出片の各薄板26u、
26m、26lは、ビーム8を阻止するだけの厚みを有
しておらず、ビーム8は透過するが、図10に示した如
く、ビームの当たった面から2次電子が前面に放出され
る。放出された2次電子は、放出時のエネルギに相当す
るラーマ半径でもって、磁場に巻き付きながら、例えば
+500Vに印加されたキャプチャ電極30u、30l
に捕獲される。即ち、デファレンシャル検出片26は、
表面より電子を剥ぎ取られるため、電気的にはプラスに
帯電することになり、図4に示したようなビーム検出回
路において、あたかも正イオンが阻止されたかのような
電流が流れることになる。デファレンシャル検出片の各
薄板26u、26m、26lでは、ビームの絶対量を測
定することはできないが、絶対量に比例した電流量が計
測されるので、y方向の電流分布は知ることができる。
【0024】通常、核子当たり100MeV位までのエ
ネルギのイオンが打撃した際に飛び出す2次電子のエネ
ルギは、1kV以下であるので、キャプチャ電極30
u、30lは、最高1kVまで印加されていればよい。
【0025】本実施形態においては、デファレンシャル
検出片を構成する複数の薄板26u、26m、26l
を、ビーム進行方向であるx方向に位置をずらした状態
で、ビーム断面を略完全に覆うように配置したので、従
来のようにデファレンシャル検出片の各素子16u、1
6m、16l間にy方向に隙間がある場合に比べて、周
回ビーム8を洩れなく検出して、その上下方向分布を精
度良く検出することができる。なお、従来例と同様に、
デファレンシャル検出片の薄板同士の間に隙間を開け
て、x方向に同一位置に並設することも可能である。
【0026】又、デファレンシャル検出片駆動装置40
で、デファレンシャル検出片26の先端を、インテグラ
ル検出片12先端よりも後方に押し込む(δ<0)こと
により、インテグラル検出片12のみによる測定も行う
ことができる。従って、従来のように、インテグラル検
出片12の検出電流に3つのデファレンシャル検出片の
検出電流を加えることによって全電流値Itを求める場
合に比べて、加算回路が不要となり、信号処理回路系が
簡素化される。
【0027】又、突出量δを精密に駆動調整できるの
で、突出量の調整が容易となる。なお、必ずしも突出量
δを調整可能とする必要はなく、デファレンシャル検出
片駆動装置40を省略して、従来のようにインテグラル
検出片12と一体的に設けることも可能である。
【0028】本実施形態においては、デファレンシャル
検出片を構成する薄板の数が3枚とされていたが、薄板
の枚数はこれに限定されない。
【0029】又、前記実施形態においては、本発明が、
サイクロトロンのビーム信号プローブに適用されていた
が、本発明の適用対象はこれに限定されず、サイクロト
ロンのように、半径方向に加速ビームが何回も周回する
円形加速器、あるいは、一般の加速器にも、同様に適用
できる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、デファレンシャル検出
片を薄板としたので、ビーム進行方向の厚みを従来より
も薄くでき、プローブ自身をコンパクトにできる。又、
デファレンシャル検出片が小さくなるので、インテグラ
ル検出片に、通常、冷却性能を考慮して使われる銅材よ
り、飛程は大きいが低放射化材であるグラファイトやア
ルミが使用可能となり、よく問題となるプローブ自身の
放射化を軽減して、高精度の測定が可能となる。
【0031】更に、薄板のデファレンシャル検出片に対
するビーム衝突面から放射される2次電子量を検出する
ようにしているため、ビームプロファイルを、電流検出
値として正確に反映することができる。又、突出量δを
小さくして、半径位置確認の分解能を小さくすることが
できる。従って、正確な半径方向のビームプロファイル
が測定でき、サイクロトロン引出し軌道のターンセパレ
ーションの調整(通常ハーモニックコイルを用いる)に
非常に有用な情報となる。
【0032】更に、デファレンシャル検出片に二重管等
の複雑な冷却構造を必要としないので、実施形態に例示
したように、1本の駆動軸に固定して、精密な駆動調整
を行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のビーム診断プローブの構成を示す斜視図
【図2】同じくプローブ先端部分を上から見た平面図
【図3】同じくビーム進行方向から見た正面図
【図4】従来例におけるビーム検出の原理を示す回路図
【図5】従来例における各素子へのビームの当たり方を
示す、プローブ先端部分の平面図
【図6】同じくビーム進行方向から見た正面図
【図7】全電流値とデファレンシャル検出電流の半径方
向分布の例を示す線図
【図8】デファレンシャル検出片の各素子で検出される
ビーム電流の半径方向分布の例を示す線図
【図9】本発明に係るビーム診断プローブの実施形態の
構成を示す斜視図
【図10】本実施形態をプローブ先端方向から見た側面
【図11】同じくプローブ上方から見た平面図
【符号の説明】
8…周回ビーム 10…プローブ 12…インテグラル検出片 14…冷却水管 20…サポート用ステム 26…デファレンシャル検出片 26u、26m、26l…薄板 30u、30l…キャプチャ電極 32…デファレンシャル検出片サポート軸 34…デファレンシャル検出片駆動軸 40…デファレンシャル検出片駆動装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加速器ビームのビーム量やビーム形状を測
    定するためのビーム診断プローブにおいて、 ビームを阻止した際に流れるビーム電流値を検出するこ
    とにより、ビーム量を測定するための、ビームを阻止可
    能な厚みを有するインテグラル検出片と、 該インテグラル検出片の後方に、先端が突出するよう、
    ビーム進行方向と垂直な方向に並設された、ビームを阻
    止しない3枚以上の薄板からなるデファレンシャル検出
    片と、 該デファレンシャル検出片の上下を覆うように配設され
    た、デファレンシャル検出片のビーム衝突面から放出さ
    れた2次電子を捕獲するためのキャプチャ電極と、 を備えたことを特徴する加速器のビーム診断プローブ。
  2. 【請求項2】前記デファレンシャル検出片を構成する複
    数の薄板が、ビーム進行方向に位置をずらした状態で、
    ビーム断面を略完全に覆うように配置されていることを
    特徴する請求項1記載の加速器のビーム診断プローブ。
  3. 【請求項3】前記デファレンシャル検出片先端のインテ
    グラル検出片に対する突出量を調整するための駆動手段
    を備えたことを特徴する請求項1又は2に記載の加速器
    のビーム診断プローブ。
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Cited By (5)

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