JP2000136188A - 抗血栓物質 - Google Patents

抗血栓物質

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JP2000136188A
JP2000136188A JP11306770A JP30677099A JP2000136188A JP 2000136188 A JP2000136188 A JP 2000136188A JP 11306770 A JP11306770 A JP 11306770A JP 30677099 A JP30677099 A JP 30677099A JP 2000136188 A JP2000136188 A JP 2000136188A
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Jefferson Ray Mccowan
ジェファーソン・レイ・マッコワン
Daniel Jon Sall
ダニエル・ジョン・サル
John E Toth
ジョン・エルドン・トス
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有用な抗凝固剤であるトロンビンインヒビタ
ーを提供する。 【解決手段】 下記一般式I: で示される新規化合物または製薬的に許容されるその
塩、ならびにその製造方法および中間体、上記の新規化
合物を含む医薬製剤および上記の化合物のトロンビンイ
ンヒビターとしての使用。化合物の具体的一例を示す
と、2−[4−[3−(カルボキシ)プロポキシ]フェ
ニル]−3−(メチル)[3−メトキシ−[4−(1−
ピロリジニルメチル)フェニル]アミノベンゾ[b]チ
オフェンまたは製薬的に許容されるその塩である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳動物の有用な
抗凝固剤であるトロンビンインヒビターに関するもので
ある。特に本発明は、高い抗凝固活性および抗血栓活性
を有する3−アミノベンゾ[b]チオフェン誘導体に関
するものである。したがって本発明は、トロンビンの新
規なインヒビター、活性成分として当該化合物を含有す
る医薬組成物、ならびに、肺塞栓症、動脈血栓症、特に
心筋虚血、心筋梗塞および脳血栓症、全身的凝固亢進状
態および局所的凝固亢進状態、例えば血管形成術および
冠動脈バイパス手術後の、および炎症プロセスに関連し
て全身性化した組織損傷、の処置および予防のための抗
凝固剤としての当該化合物の用途に関するものである。
さらにこの抗血栓物質は、インビトロ適用で抗凝固剤と
して有用である。
【0002】血液凝固のプロセスである血栓症は、トロ
ンビンの形成を導く複雑な蛋白分解カスケードによって
引き起こされる。トロンビンは、血漿可溶性のフィブリ
ノーゲンのAα鎖およびBβ鎖から活性化ペプチドを蛋
白分解的に除去して、不溶性フィブリンの形成を開始さ
せる。
【0003】
【従来の技術】抗凝固は現在ヘパリンおよびクマリンの
投与により達成されている。凝固および血栓症の非経口
的薬理学的制御は、ヘパリンの使用によってトロンビン
を阻害することに基づいている。ヘパリンは、内因性抗
トロンビンIII(トロンビンの主たる生理学的インヒビタ
ー)の阻害作用を加速することにより、トロンビンに間
接的に作用する。抗トロンビンIIIのレベルは血漿中で
相違し、また血餅に結合したトロンビンはこの間接的機
構に対し抵抗性らしいため、ヘパリンは無効な処置とな
り得る。凝固検定は有効性および安全性に結びついてい
ると信じられているため、ヘパリンレベルは、凝固検定
によって監視せねばならない(特に、活性化部分トロン
ボプラスチン時間(APTT)検定)。クマリンは、プロトロ
ンビンおよびこの型の他の蛋白の合成における翻訳後γ
−カルボキシ化をブロックすることにより、トロンビン
の生成を妨害する。その作用機構の故に、クマリンの効
果は、投与の6−24時間後、徐々にしか発現し得な
い。その上それらは選択的抗凝固剤ではない。クマリン
もまた凝固検定(特にプロトロンビン時間(PT)検定)によ
る監視を必要とする。国際特許出願公開番号WO 97
/25033に抗血栓ジアミンが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ヘパリンおよびクマリ
ンは有効な抗凝固剤であるが、このクラスの化合物に対
する期待に基づく市販の薬品はまだ現れておらず、トロ
ンビンに選択的に働き、そして抗トロンビンIIIとは無
関係に、投与後短時間で、好ましくは経口投与後短時間
で阻害作用を発現し、そして止血の維持に必要な血餅の
溶解を妨げない抗凝固剤に対する必要性が、尚存在す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記定義によ
る本発明に係る化合物が、経口投与後に高いバイオアベ
イラビリティーを有し得る強力なトロンビンインヒビタ
ーである、という発見に向けられる。
【0006】本発明では、式I:
【化2】 [式中、EはCReまたはN(ここに、Reは水素、メチ
ル、メトキシまたはハロである)であり;R1は水素ま
たはメチルであり;R2はR2aまたはR2b(ここに、R
2aは−X2−(CH2n−Rf(式中、X2は直接の結
合、メチレンまたはOであり;nは1、2または3であ
り;ならびにRfは5−テトラゾリル、カルボキシ、
[(1−4C)アルコキシ]カルボニルまたはヒドロキ
シメチルである)であり;R2bは−X2−(CH2m
NRab(式中、X2は直接の結合、メチレンまたはO
であり;mは1、2または3であり;ただしmが1であ
る場合は、X2は直接の結合であり;RaおよびRbは独
立して水素または(1−3C)アルキルであり、あるい
は基:NRabはピロリジノ、ピペリジノまたはモルホ
リノである)である)であり;R3は−X3−(CH2s
−NRst(式中、X3は直接の結合、メチレンまたは
Oであり;sは1または2であり;ただしsが1である
場合、X3は直接の結合であり;ならびにRsおよびRt
は独立して水素または(1−3C)アルキルであり、あ
るいは基:NRstはピロリジノ、ピペリジノまたはモ
ルホリノである)であり;ならびに、R6は水素、ヒド
ロキシまたはメトキシである]で示される化合物(また
は製薬的に許容されるその塩)を提供する。
【0007】本明細書中では、特記しない限り、以下の
定義を使用する:ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモま
たはヨードである。アルキル、アルコキシ等は直鎖およ
び分枝鎖基の両者を示すが、「プロピル」といったよう
な個々の基に対する言及は直鎖(「ノルマル」)基のみ
を包含し、「イソプロピル」のような分枝鎖異性体は個
別に表示する。
【0008】
【発明の実施の形態】式Iで示される或る化合物(また
は塩もしくはプロドラッグ等)は、cis-またはtrans-異
性体、および光学活性な、ラセミ体の、またはジアステ
レオマーの型を包含する異性体型で存在することがあ
り、且つそのような型で分離することができるというこ
とは理解できるであろう。本発明は、ジアステレオマー
の混合物として、および個々のジアステレオマーの形で
の式Iの化合物を包含するという事、そして、本発明
は、エナンチオマーの混合物としての、および個々のエ
ナンチオマーの形での式Iの化合物を包含し、いずれの
混合物または形もトロンビンに対する阻害的性質を有
し、特定の形を製造または分離する方法、および下記の
試験を包含する標準的試験によりトロンビンに対する阻
害的性質を測定する方法が当分野で良く知られていると
いう事は、理解されるべきである。
【0009】さらに、式Iの化合物(または塩もしくは
プロドラッグ等)は多形性を示すことがあり、または水
もしくは有機溶媒との溶媒和物を形成し得る。本発明は
また、任意のこのような多形型、任意の溶媒和物もしく
はそれらの任意の混合物をも包含する。
【0010】基、置換基、および範囲について以下にあ
げる具体例は単なる例示であって、それらは、基および
置換基の他の定義された意義またはその定義された範囲
内の他の意義を排除するものではない。
【0011】(1−3C)アルキル基の具体例は、例えば
メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり;
(1−4C)アルコキシ基については、例えばメトキシ、
エトキシ、イソプロポキシまたはt−ブトキシである。
【0012】それぞれ独立に、Eの具体例はCRe(式
中、Reは水素またはメトキシである)であり;R1につ
いては水素またはメチルであり;R2についてはR2a
たはR 2b(ここに、R2aは−X2−(CH2n−Rf(式
中、X2はOであり;nは2であり;ならびにRfはカル
ボキシまたはメトキシカルボニルである)であり;R2 b
は−X2−(CH2m−NRab(式中、X2はOであ
り;mは2であり;ならびに基:NRabはピロリジノ
である)であり;R3については−X3−(CH2s−N
st(式中、X3は直接の結合またはOであり;sは
1または2(ただしsが1である場合は、X3は直接の
結合である)であり;ならびに基:NRs tはピロリジ
ノである)であり;ならびにR6については水素または
ヒドロキシである。R2のより具体的な例はR2aであ
る。R2のさらなる具体例はR2bである。
【0013】式Iの具体的な化合物は、EがCRe(こ
こに、Reはメトキシである)であり、R3がピロリジノ
メチルである化合物である。式Iの特定の化合物を以下
の実施例に記載する。実施例6に記載の化合物(または
製薬的に許容されるその塩)は好ましい種である。
【0014】本発明に係る抗血栓物質の製薬的に許容さ
れる塩は、製薬的に許容される陰イオンを提供する酸と
ともに作られる酸付加塩であるものを包含する。したが
って、製薬的に許容される陰イオンを提供する酸ととも
に作られた、上記提供の式Iの新規化合物の酸付加塩は
本発明の特定の側面を提供する。このような酸の例は下
に述べるものである。さらに、酸性基を有する式Iの化
合物は製薬的に許容される陰イオンを提供する塩基とと
もに作られる塩を形成する。
【0015】本発明のさらなる態様として、上記のいず
れかに示された式Iの化合物(またはその製薬的に許容
される塩)を、製薬的に許容される担体、希釈剤または
賦形剤と共に含む、医薬製剤を提供する。
【0016】式Iの化合物は、式Iで示される化合物と
構造的に関連する化合物の製造のために化学分野で知ら
れる方法を包含する方法によって、または、本明細書に
記載する新規な方法によって製造することができる。式
Iの化合物(またはその製薬的に許容される塩)のため
の方法、式Iの化合物のための新規な方法、および上に
定義された式Iの化合物の製造のための新規中間体は、
本発明のさらなる特徴を提供するものであり、以下の方
法により例示する(この中で、一般的な基の意味は、別
途記載の無い限り、上に定義の通りである)。官能基は
常套的保護基を用いて保護し、次いで式Iの化合物を得
るためにこの保護基を除去する、という式Iの化合物の
製造が好ましい、またはその必要がある、という事が、
理解できるであろう。
【0017】一般に、式Iの化合物は、反応式Iに概説
し実施例に記載した経路[ここでQ1、Q2、Q3および
6は各々R1、R2、R3およびR6基について定義した
意義、係る基の保護された型、または係る基へとさらに
合成できる基を表し;ならびにM(+)は式(A)で示
される脱プロトン化アニリンに対する適当な対イオンを
表す]の一つに従って製造することができる。Q1
2、Q3またはQ6基からR1、R2、R3またはR6への
最終変換は、使用する化学と矛盾しない、都合の良い時
点で実施する。都合がよいことに、強塩基を用いて対応
するアニリンを脱プロトン化することによって式(A)
の種を製造でき、M(+)はアルカリ金属、例えばリチ
ウム、ナトリウムまたはカリウムから誘導された陽イオ
ンである。たくさんの他の経路、特に式(B)と類似で
あるが硫黄が酸化されていない3−ブロモベンゾ[b]
チオフェンからブロミドを置換することを含む経路を用
いてもよいことが理解されよう。
【化3】
【0018】したがって、以下のものから選択される、
上の説明のいずれかに記載したような式Iの化合物(ま
たはその製薬的に許容される塩)を製造する方法を提供
する: (a)R2が−X2−(CH2n−Rfまたは−X2−(C
2m−NRab(式中、X2はOである)である式I
の化合物について、標準的アルキル化手法を利用し、
式:L−(CH2n−RfまたはL−(CH2m−NRa
b(またはその保護誘導体)(式中、Lは慣用の脱離
基を表す)を用いて式II:
【化4】 で示される対応するフェノールをアルキル化し; (b)Rfがカルボキシである式Iの化合物について、
fが[(1−4C)アルコキシ]カルボニルである式
Iの対応する化合物のエステルを分解し;ならびに、 (c)式III:
【化5】 で示される対応する化合物のスルホキシドを脱酸素化
し、上記手法のいずれかについて、保護基を用いて官能
基を保護していた場合、次いでこの保護基を除去し;な
らびに、上記手法のいずれかについて、式Iで示される
化合物の製薬的に許容される塩が必要とされる場合、次
いで該式Iの化合物の塩基形態を、製薬的に許容される
対イオンを提供する酸と反応させることによって、ある
いは酸性基を有する式Iの化合物については、該式Iの
化合物の酸形態を、製薬的に許容される陽イオンを提供
する塩基と反応させることによって、あるいは他の任意
の慣用方法によってこれを得る。また、特記しない限
り、R1、R2、R3およびR6は上記意義を有する。
【0019】本明細書中で用いる脱離基は、求核置換反
応において置換された基、例えばハロ基(例えばクロ
ロ、ブロモまたはヨード)、スルホン酸エステル基(例
えばメチルスルホニルオキシ、p−トルイルスルホニル
オキシまたはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)ま
たは(Mitsunobu 反応において)アルコールをトリフェ
ニルホスフィン、ジエチルアゾジカルボキシレートおよ
びトリエチルアミンで処理することによって生じる反応
性種である。スルホキシドの脱酸素化は、任意の慣用の
方法によって行うことができるが、用いられる試薬は分
子内の他の官能基を還元しないことを条件とする。式I
Iの新規フェノールまたは式IIIのスルホキシドのよ
うな新規中間体化合物または出発物質化合物は本発明の
さらなる側面を提供する。
【0020】上に述べたように、官能基が保護された式
Iの化合物に対応する化合物は、式Iの化合物のための
中間体として役立ち得る。したがって、式Iの新規化合
物のためのこのような保護された中間体は、本発明のさ
らなる態様を提供する。即ち、本発明の一つの具体的態
様として、R6がヒドロキシである上記定義による式I
の新規化合物に対応する化合物として、対応する置換基
がヒドロキシの代わりに−ORp[式中、Rpはメチル以
外のフェノール保護基である]である化合物が提供され
る。フェノール保護基は当分野で良く知られており、例
えばT.W.グリーンおよびP.G.M.ウッツ「Protecting Gro
ups in Organic Synthesis」(1991)に記載されている。
pの具体例として、例えばイソプロピルがある。さら
に、Rpは、例えばH.V.メイヤーズ等、Molecular Diver
sity(1995)、1、13-20に開示されるような官能基化された
樹脂を表し得る。
【0021】上記のように、本発明は、上記式Iで定義
されるトロンビン阻害化合物の製薬的に許容される塩を
含む。酸性基を有する式Iの化合物は、製薬的に許容さ
れる塩基と塩を形成する。このような製薬的に許容され
る塩は、製薬的に許容される陽イオンを提供する塩基と
ともに形成され、これにはアルカリ金属塩(特にナトリ
ウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特にカル
シウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびア
ンモニウム塩ならびに生理的に許容される有機塩基、例
えばトリエチルアミン、モルホリン、ピペリジンおよび
トリエタノールアミンから作られる塩が含まれる。カリ
ウム塩およびナトリウム塩形態は特に好ましい。
【0022】生理的に許容される対イオンを与える数多
くの無機酸および有機酸のいずれとも反応するために十
分に塩基性である1またはそれ以上の官能基を持つ式I
の特定の化合物は、製薬的に許容される酸付加塩を形成
する。製薬的に許容される酸付加塩の形成のため一般に
使用する酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸、燐酸等のような無機酸、および−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、蓚酸、−ブロモベンゼンス
ルホン酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等
のような有機酸である。したがって、このような製薬的
に許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸
塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、燐酸一水素塩、燐
酸二水素塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、臭化
物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、
カプリル酸塩、アクリル酸塩、蟻酸塩、イソ酪酸塩、カ
プロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、蓚酸
塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸
塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸
塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息
香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒド
ロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、
スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸
塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン
酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸
塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン
酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2
−スルホン酸塩、マンデル酸塩等である。好ましい製薬
的に許容される酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸および硫
酸のような鉱酸を用いて製造されるものを包含する。
【0023】市販品を入手できない場合、式Iの化合物
の製造のための必要な出発物質は、芳香族およびヘテロ
芳香族置換および変換を包含する有機化学の標準技術、
既知の構造的に似かよった化合物の合成と類似の技術、
および上記の方法または実施例に記載の方法と類似の技
術、から選択される方法によって製造することができ
る。出発物質の製造には様々な連続的方法が利用できる
ということが当業者には明らかであろう。新規な出発物
質は、本発明のもう一つの態様を提供する。保護および
脱保護の選択的方法は、化合物、例えば、上記論考の、
ならびに実施例に記載の式Iの化合物に対応する化合物
であって、R6がORpであるものを製造するための技術
分野に周知である。
【0024】一般に、本発明化合物は、酸付加塩の形で
最も良好に分離される。上記のような酸を用いて製造し
た式Iの化合物の塩は、抗血栓物質の投与のための、お
よびそれらの物質の製剤の製造のための製薬的に許容さ
れる塩として有用である。その他の酸付加塩は、当該化
合物の分離および精製の際に製造し使用することができ
る。
【0025】上記のように、式Iの化合物の光学活性異
性体およびジアステレオマーもまたこの発明の一部と考
えられる。係る光学活性異性体は、それら各々の光学活
性前駆体から上記の方法によって、またはラセミ混合物
を分割することによって製造することができる。この分
割は、キラル試薬を用いる誘導体化とそれに続くクロマ
トグラフィーまたは反復結晶化により、実施できる。標
準法によりキラルな補助部分を除去すると、本発明に係
る化合物またはそれらの前駆体の実質上光学的に純粋な
異性体が得られる。分割に関するさらなる詳細は、ジャ
ックス等、Enantiomers,Racemates,and Resolutions、
ジョン・ウィレイ・アンド・サンズ、1981に記載が
ある。
【0026】本発明化合物は、身体の天然の血餅溶解能
を認め得るほどに妨害することなく(該化合物はフィブ
リン溶解に対しては阻害効果が低い)、血液凝固に関与
する他のプロテイナーゼおよび非酵素蛋白に比較してト
ロンビンを選択的に阻害すると信じられる。さらにこの
ような選択性は、血栓溶解およびフィブリン溶解を実質
上妨害せずに血栓溶解物質との使用を可能にすると信じ
られる。
【0027】本発明は、本明細書中のいずれかの説明中
で提供する式Iの化合物(または製薬的に許容されるそ
の塩)の有効量を用いることを特徴とするトロンビンの
阻害方法を提供する。本発明は、その態様の一つにおい
て、処置を必要とする哺乳動物に、式Iの化合物の有効
な(トロンビン阻害)用量を投与することを含む、哺乳
動物においてトロンビンを阻害する方法を提供する。
【0028】別の態様において本発明は、処置を必要と
する哺乳動物に、式Iの化合物の有効な(血栓塞栓疾患
治療および/または予防量の)用量を投与することを含
む、血栓塞栓疾患を処置する方法を提供する。別の態様
において本発明は、処置を必要とする哺乳動物に、式I
の化合物の有効な(凝固阻害)用量を投与することを含
む、哺乳動物の凝固を阻害する方法を提供する。本方法
により企図されるトロンビン阻害、凝固阻害および血栓
塞栓疾患処置は、適宜、医学的治療および/または予防
処置の両者を包含する。
【0029】さらなる態様において本発明は、人間また
は動物においてトロンビンの阻害が必要な状態の処置に
関するものである。本発明化合物は、人間を包含する動
物において、血栓症ならびに血液および組織の凝固性亢
進の処置または予防に役立つと予想される。該化合物が
有用性を有する可能性のある疾患は、血栓症ならびに血
液および組織の凝固性亢進の処置または予防である。該
化合物が処置および/または予防に有用性を有する可能
性のある疾患は、静脈血栓症および肺塞栓症、動脈血栓
症、例えば心筋虚血、心筋梗塞、不安定アンギーナ、血
栓症に基づく卒中および末梢動脈血栓症を包含する。さ
らに、該化合物は、冠動脈疾患、脳動脈疾患および末梢
動脈疾患のようなアテローム性動脈硬化異常(疾患)の
処置または予防に有用性が期待される。さらに、該化合
物は、心筋梗塞の際、血栓溶解剤との併用で有用である
と期待される。さらに、該化合物は、血栓溶解、経皮経
管腔血管形成術(PTCA)および冠状動脈バイパス手術後の
再閉鎖の予防に有用性が期待できる。さらに該化合物
は、顕微手術後の再血栓症の防止に有用性が期待でき
る。さらに該化合物は、人工臓器および心臓弁に関連す
る抗凝固処置に有用であると期待される。さらに該化合
物は、血液透析および播種性血管内凝固における抗凝固
処置に有用性が期待できる。期待されるさらなる有用性
は、患者にインビボで使用するカテーテルおよび器具を
すすぐ際に、そして血液、血漿およびその他の血液産物
のインビトロの保存のための抗凝固剤としてである。さ
らに該化合物は、血液凝固が二次的な病状の原因または
基本的な寄与過程となり得るその他の疾患、例えば転移
を含む癌、関節炎を含む炎症性疾患、および糖尿病に有
用性が期待される。この抗凝固化合物は、経口的に、非
経口的に、例えば静脈内注入(iv)、筋肉内注射(im)また
は皮下(sc)投与する。
【0030】治療的および/または予防的効果を得るた
めに本発明に従って投与される化合物の個々の用量は、
無論、例えば投与される化合物、投与速度、投与経路、
および処置される状態を包含する、その症例を取り巻く
個々の状況によって決定されるであろう。
【0031】上の用途の各々のための典型的な日用量
は、約0.01mg/kgおよび約1000mg/kgの間である。用量計
画は変わり得、例えば予防的使用のためには、日用量を
一回投与することができ、または1日に3または5回と
いった複数回投与が適当であるかも知れない。重症管理
状況では、本発明化合物を約0.01mg/kg/hおよび約20mg/
kg/hの間の速度で、好ましくは約0.1mg/kg/hおよび約5m
g/kg/hの間の速度でiv注入により投与する。
【0032】本発明方法はさらに、血餅溶解物質、例え
ば組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)、修飾t
−PA、ストレプトキナーゼまたはウロキナーゼと共に
実施する。血餅の生成が起き、動脈または静脈が部分的
にまたは完全に遮断された場合、通常、血餅溶解剤を使
用する。本発明化合物はこの溶解剤の前に、またはこれ
と共に、またはその使用後に投与することができ、さら
に好ましくは、血餅の形成が再度起こるのを防止するた
めアスピリンと共に投与する。
【0033】本発明方法はまた、血小板凝集を阻害する
血小板糖蛋白レセプター(IIb/IIIa)アンタゴニストと共
に実施する。本発明化合物は、血餅形成が起こるのを、
または再度起こるのを防止するため、IIb/IIIaアンタゴ
ニストの前に、またはこれと共に、またはその使用後に
投与することができる。本発明方法はアスピリンと共に
実施することもできる。本発明化合物は、血餅形成が起
こるのを、または再度起こるのを防止するため、アスピ
リンの前に、またはこれと共に、またはその使用後に投
与することができる。上に述べたように、好ましくは本
発明化合物は血餅溶解剤およびアスピリンと共に投与す
る。
【0034】本発明はまた、上記の治療方法に使用する
薬用製剤を提供する。本発明に係る薬用製剤は、式Iの
化合物の有効なトロンビン阻害量を、製薬的に許容され
る担体、賦形剤または希釈剤と共に含む。経口投与のた
めには、この抗血栓化合物を、結合剤、潤滑剤、崩壊剤
等のような賦形剤を含有してよいカプセルまたは錠剤に
調合する。非経口投与のためには、抗血栓物質を、例え
ば生理食塩水(0.9パーセント)、5パーセントデキスト
ロース、リンゲル液等のような製薬的に許容される希釈
剤中に調合する。
【0035】本発明化合物は、約0.1mgおよび約1000mg
の間の用量を含む単位投薬製剤に調合することができ
る。好ましくは該化合物は、例えば硫酸塩、酢酸塩また
は燐酸塩といったような製薬的に許容される塩の形であ
る。単位投薬製剤の一例は、10mLの滅菌ガラスアンプル
中の製薬的に許容される塩としての本発明化合物5mgを
含む。単位投薬製剤の別の例は、滅菌アンプルに入れた
20mLの等張食塩水中の、製薬的に許容される塩としての
本発明化合物約10mgを含む。
【0036】本化合物は、経口、直腸内、経皮、皮下、
静脈内、筋肉内、および経鼻を包含する様々な経路で投
与することができる。本発明化合物は好ましくは投与前
に調合する。本発明の別の態様は、式Iの新規化合物ま
たはその製薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の有効
量を、製薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と
共に含む薬用製剤である。このような製剤中の活性成分
は、その製剤の0.1パーセントないし99.9パーセント
(重量)を構成する。「製薬的に許容される」とは、そ
の担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と共存で
き、且つ被投与者にとって有害でないことを意味する。
【0037】本薬用製剤は、既知の容易に入手し得る成
分を用いて既知の方法により製造する。本発明に係る組
成物は、当分野で良く知られる方法を用いることによ
り、患者への投与後に活性成分の迅速な、持続的な、ま
たは遅延された放出を行うよう、調合することができ
る。本発明に係る組成物の製造にあたり、活性成分は通
常、担体と混合し、または担体により希釈し、または、
カプセル、サシェー、紙もしくはその他の容器の形であ
ってよい担体中に封入する。担体が希釈剤としての役割
を有する場合、それは、活性成分のために媒質、賦形剤
もしくは媒体として働く固体、半固体または液体材料で
あってよい。したがって、本組成物は、錠剤、丸剤、散
剤、トローチ剤、サシェー剤、カシェー剤、エリキシル
剤、懸濁剤、乳剤、溶液、シロップ剤、エアゾール(固
体として、または液体媒質中の)、軟および硬ゼラチン
カプセル剤、坐剤、無菌注射溶液、無菌充填粉末等の形
とすることができる。
【0038】以下の製剤例は例示に過ぎず、いかなるや
り方によっても本発明の範囲の限定を意図するものでは
ない。「活性成分」とは、無論、式Iの化合物またはそ
の製薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を意味する。
【0039】製剤例1:硬ゼラチンカプセル剤を以下の
成分を用いて製造する: 量(mg/カプセル) 活性成分 250 乾燥澱粉 200 ステアリン酸マグネシウム 10 計 460mg
【0040】製剤例2:錠剤を以下の成分を用いて製造
する: 量(mg/錠) 活性成分 250 微結晶性セルロース 400 二酸化珪素、フュームド 10 ステアリン酸 計 665mg 成分を混和し圧縮して、各々665mg重量の錠剤を製造す
る。
【0041】製剤例3:以下の成分を含有するエアゾー
ル溶液を製造する: 重量 活性成分 0.25 エタノール 25.75 プロペラント22(クロロジフルオロメタン) 70.00 計 100.00 活性化合物をエタノールと混合し、混合物をプロペラン
ト22の一部に加え、-30℃に冷却し、充填器具に移
す。次いで必要量をステンレススチール容器に入れ、プ
ロペラントの残量で希釈する。次いでこの容器にバルブ
ユニットを取り付ける。
【0042】製剤例4:活性成分60mgを各々含有する錠
剤を以下のように製造する: 活性成分 60mg 澱粉 45mg 微結晶性セルロース 35mg ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 4mg カルボキシメチル澱粉ナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1mg 計 150mg 活性成分、澱粉およびセルロースをNo.45メッシュU.S.
篩に通し、完全に混合する。ポリビニルピロリドンを含
有する水溶液を、得られた粉末と混合し、次いでこの混
合物をNo.14メッシュU.S.篩に通す。このようにして製
造した顆粒を50℃で乾燥し、No.18メッシュU.S.篩に通
す。次に、予めNo.60メッシュU.S.篩に通しておいたカ
ルボキシメチル澱粉ナトリウム、ステアリン酸マグネシ
ウムおよびタルクをこの顆粒に加え、混合後、打錠機で
圧縮して、各々150mg重量の錠剤を得る。
【0043】製剤例5:活性成分80mgを各々含有するカ
プセル剤を以下のように製造する: 活性成分 80mg 澱粉 59mg 微結晶性セルロース 59mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 200mg 活性成分、セルロース、澱粉、およびステアリン酸マグ
ネシウムを混和し、No.45メッシュU.S.篩にかけ、200mg
の量を硬ゼラチンカプセル中に充填する。
【0044】製剤例6:活性成分225mgを各々含有する
坐剤を以下のように製造する: 活性成分 225mg 飽和脂肪酸グリセリド 2000mg 計 2225mg 活性成分をNo.60メッシュU.S.篩にかけ、予め必要最小
限の熱で融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次
いで混合物を公称2g容量の坐剤鋳型中に注ぎ、放冷す
る。
【0045】製剤例7:5ml用量当たり活性成分50mgを
含有する懸濁剤を以下のように製造する: 活性成分 50mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg シロップ 1.25mL 安息香酸溶液 0.10mL 香料 適量 着色料 適量 精製水で計5mLとする 活性成分をNo.45メッシュU.S.篩にかけ、カルボキシメ
チルセルロースナトリウムおよびシロップと混合し、滑
らかなペーストを作成する。安息香酸溶液、香料および
着色料を一部の水で希釈して攪拌しながら加える。次い
で、必要な容量とするに充分な水を加える。
【0046】製剤例8:静脈内製剤を以下のように製造
する: 活性成分 100mg 等張食塩水 1000mL 上の成分の溶液は、一般に毎分1mLの速度で対象に静脈
内投与する。本発明化合物の有効且つ経口活性なトロン
ビンインヒビターである能力は、1またはそれ以上の下
記の検定で評価する。
【0047】本発明により提供される化合物(式I)
は、哺乳動物においてトロンビンの作用を選択的に阻害
する。トロンビンの阻害は、トロンビンが色素生成基質
N−ベンゾイル−L−フェニルアラニル−L−バリル−
L−アルギニル−p−ニトロアニリド、N−ベンゾイル
−L−Phe−L−Val−L−Arg−p−ニトロアニリドを
加水分解する検定で測定されるトロンビンのアミダーゼ
活性のインビトロ阻害によって立証する。
【0048】この検定は、緩衝液(0.03Mトリス、0.15M
NaCl、pH7.4)50μLを、ヒトトロンビン溶液(精製ヒト
トロンビン、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ
(インディアナ州サウスベンド)、8NIH単位/mL)25μL
および溶媒(50%水性メタノール(v:v))中の被験化合物
25μLと混合することにより実施する。次に色素生成基
質の水溶液(0.25mg/mL)150μLを加え、基質の加水分解
速度を、p−ニトロアニリンの放出について405nmで反
応を監視することにより測定する。遊離トロンビン濃度
に対し加水分解速度をプロットすることにより標準曲線
を作成する。次いで、被験化合物で観測される加水分解
速度を標準曲線を用いてそれぞれの検定における「遊離
トロンビン」値に変換する。結合トロンビン(被験化合
物に結合したトロンビン)は、各検定で観察された遊離
トロンビンの量を、その検定で用いたトロンビンのわか
っている最初の量から差し引くことによって算出する。
各検定での遊離インヒビターの量は、結合トロンビンの
モル数を、添加したインヒビター(被験化合物)のモル
数から差し引くことによって算出する。
【0049】Kass値は、トロンビンおよび被験化合物
(I)の間の反応に対する仮定的平衡定数である。
【数1】 Kassを被験化合物の濃度範囲について算出し、平均値を
L/moleの単位で記録する。一般に、本発明に係る式Iの
トロンビン阻害化合物は0.1x106L/moleまたはこれより
はるかに高いKassを示す。
【0050】ヒトトロンビンについて上に記載した方法
に実質上従い、別のヒト血液凝固系セリンプロテアーゼ
を使用し、そして下に定義する適当な色素生成基質と共
にフィブリン溶解系セリンプロテアーゼを使用すること
により、凝固因子セリンプロテアーゼおよびフィブリン
溶解性セリンプロテアーゼに関して本発明化合物の選択
性を、ヒト血漿血餅フィブリン溶解の妨害の実質的欠如
と共に評価する。
【0051】ヒト因子X、Xa、IXa、XIaおよびXII
aはエンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ(インディ
アナ州サウスベンド)より;ヒトウロキナーゼはレオ・
ファーマシューティカルズ(デンマーク)より購入し;
そして組換え活性化プロテインC(aPC)は米国特許49
81952に実質上従ってイーライ・リリー・アンド・
カンパニーで製造する。色素生成基質:N-ベンゾイル-I
le-Glu-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(因子Xa用);N-Cbz
-D-Arg-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(因子Xa基質として
因子IXa検定用);ピログルタミル-Pro-Arg-p-ニトロア
ニリド(因子XIaおよびaPC用);H-D-Pro-Phe-Arg-p-
ニトロアニリド(因子XIIa用);およびピログルタミル
-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(ウロキナーゼ用);は、
カビ・ヴィトゥルム(スウェーデン・ストックホルム)
またはミドウエスト・バイオテク(インディアナ州フィ
ッシャーズ)より購入する。牛トリプシンはワージント
ン・バイオケミカルズ(ニュージャージー州フリーホー
ルド)より購入し、ヒト血漿カリクレインはカビ・ヴィ
トゥルム(スウェーデンン・ストックホルム)より購入
する。血漿カリクレイン用の色素生成基質H-D-Pro-Phe-
Arg-p-ニトロアニリドはカビ・ヴィトゥルム(スウェー
デン・ストックホルム)より購入する。ヒトトロンビン
およびトリプシンの基質であるN-ベンゾイル-Phe-Val-A
rg-p-ニトロアニリドは、本発明化合物について上に記
載の方法に従い、既知のペプチドカップリング法を用い
て、入手し得る市販の反応体から合成するか、またはミ
ドウエスト・バイオテク(インディアナ州フィッシャー
ズ)より購入する。
【0052】ヒトプラスミンはベーリンガー・マンハイ
ム(インディアナ州インディアナポリス)より購入し;
nt-PAはアメリカン・ダイアグノスティカ(コネティカ
ット州グリーンウィッチ)から一本鎖活性対照として購
入し;修飾t-PA6(mt-PA6)は当分野で既知の方法(ビュ
ルク等、J.Biol.Chem. 、265、5120-5177(1990)を参照され
たい)によりイーライ・リリー・アンド・カンパニーで
製造する。プラスミン色素生成基質H-D-Val-Leu-Lys-p-
ニトロアニリドおよび組織プラスミノーゲンアクチベー
ター(t-PA)基質H-D-Ile-Pro-Arg-p-ニトロアニリドはカ
ビ・ヴィトゥルム(スウェーデン・ストックホルム)よ
り購入する。
【0053】上記の色素生成基質において、三文字の記
号Ile、Glu、Gly、Pro、Arg、Phe、Val、LeuおよびLys
はそれぞれ対応するアミノ酸基イソロイシン、グルタミ
ン酸、グリシン、プロリン、アルギニン、フェニルアラ
ニン、バリン、ロイシンおよびリジンを指すのに使用す
る。トロンビンインヒビターは、好ましくはウロキナー
ゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)および
ストレプトキナーゼにより誘導されるフィブリン溶解を
温存すべきである。この事は、ストレプトキナーゼ、t-
PAまたはウロキナーゼの血栓溶解療法の併用薬としての
係る物質の治療的使用にとって、そして内因性フィブリ
ン溶解を温存する(t-PAおよびウロキナーゼに関して)
抗トロンビン物質としての係る物質の使用にとって、重
要となるであろう。フィブリン溶解性プロテアーゼのア
ミダーゼ活性妨害の欠如に加えて、このようなフィブリ
ン溶解系の温存を、ヒト血漿血餅の使用、およびそれぞ
れのフィブリン溶解プラスミノーゲンアクチベーターに
よるそれらの溶解によって研究することができる。
【0054】材料 イヌ血漿は、静脈穿刺により、意識のある雑種猟犬から
3.8パーセントクエン酸中に取得する(両性をバトラー
・ファームズ(米国ニューヨーク州クライド)より)。
フィブリノーゲンは新鮮なイヌ血漿から調製し、ヒトフ
ィブリノーゲンは前の方法および明細書に従って、当日
のACDヒト血液の画分I-2から調製する。スミス、Bioche
m.J. 、185、1-11(1980);およびスミス等、Biochemistry
11、2958-2967(1972)。ヒトフィブリノーゲン(純度98パ
ーセント/無プラスミン)はアメリカン・ダイアグノス
ティカ(コネティカット州グリーンウィッチ)からのも
のである。フィブリノーゲンI-2調製物の放射標識はか
つて報告されたように実施する。スミス等、Biochemist
ry 、11、2958-2967(1972)。ウロキナーゼはレオ・ファー
マシューティカルズ(デンマーク)から、2200プローグ
単位/バイアルとして購入する。ストレプトキナーゼは
ヘキスト−ルーセル・ファーマシューティカルズ(ニュ
ージャージー州サマヴィル)より購入する。
【0055】方法 − t-PAによるヒト血漿血餅の溶解
に及ぼす効果 0.0229μCiの125-ヨウ素で標識したフィブリノーゲンを
含有するヒト血漿100μLにトロンビン50μL(73NIH単位
/mL)を添加することにより、微小試験管中でヒト血漿
血餅を形成させる。この血餅にウロキナーゼまたはスト
レプトキナーゼ(50、100、または1000単位/mL)50μL
を積層し、室温で20時間インキュベートすることによ
り、血餅の溶解を研究する。インキュベーション後、試
験管をベックマン・マイクロフュージで遠心する。ガン
マ線計数のため、上清25μLを0.03Mトリス/0.15M NaCl
緩衝液1.0mL容量に加える。100パーセント溶解の計数対
照をトロンビンを除去する(そして緩衝液に置き換え
る)事によって得る。当該化合物を1、5、および10μ
g/mL濃度で積層溶液に加えることにより、起こり得るフ
ィブリン溶解の妨害についてトロンビンインヒビターを
評価する。フィブリン溶解物質の特定の濃度に関して50
パーセントの溶解を表す値をデータの点から線形外挿す
ることにより、IC50値のおよその近似値を見積もる。
【0056】抗凝固活性 材料 イヌ血漿およびラット血漿は、静脈穿刺により、意識の
ある雑種猟犬(両性をバトラー・ファームズ(米国ニュ
ーヨーク州クライド)より)または麻酔した雄スプラー
グ−ドーリーラット(ハーラン・スプラーグ−ドーリ
ー、インコーポーテッド(米国インディアナ州インディ
アナポリス))から3.8パーセントクエン酸中に取得す
る。フィブリノーゲンは前の方法および明細書に従って
当日のACDヒト血液の画分I-2から調製する。スミ
ス、Biochem.J. 、185、1-11(1980);およびスミス等、Bio
chemistry 、11、2958-2967(1972)。ヒトフィブリノーゲン
は純度98パーセント/無プラスミンとして、やはりアメ
リカン・ダイアグノスティカ(コネティカット州グリー
ンウィッチ)から購入する。凝固試薬アクチン、トロン
ボプラスチン、インノビンおよびヒト血漿はバクスター
・ヘルスケア・コーポレーション、デイド・ディヴィジ
ョン(フロリダ州マイアミ)からのものである。パーク
−デイヴィス(ミシガン州デトロイト)からの牛トロン
ビンを血漿中の凝固検定に使用する。
【0057】方法 抗凝固測定 凝固検定法はかつて記載された通りである。スミス等、
Thrombosis Research、50、163-174(1988)。全ての凝固検
定の測定にCoAスクリーナー凝固装置(アメリカン・レ
イバー、インコーポレーテッド)を使用する。生理食塩
水0.05mLおよびトロンボプラスチン−C試薬または組換
えヒト組織因子試薬(インノヴィン)0.05mLを被験血漿
0.05mLに添加することにより、プロトロンビン時間(PT)
を測定する。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
は、被験血漿0.05mLをアクチン試薬0.05mLと共に120秒
間インキュベートし、次いでCaCl20.05mL(0.02M)を加え
ることにより測定する。トロンビン時間(TT)は、生理食
塩水0.05mLおよびトロンビン0.05mL(10NIH単位/mL)を被
験血漿0.05mLに添加することにより測定する。式Iの化
合物を広範囲の濃度でヒトまたは動物の血漿に加えて、
APTT、PT、およびTT検定に及ぼす延長効果を測定する。
線形外挿法を行い、各検定について凝固時間を二倍にす
るのに必要な濃度を見積もる。
【0058】動物 雄スプラーグ・ドーリーラット(350-425g、ハーラン・
スプラーグ・ドーリー・インコーポレーテッド(インデ
ィアナ州インディアナポリス)をキシラジン(20mg/kg、s.
c.)およびケタミン(120mg/kg、s.c.)で麻酔し、温水ブラ
ンケット(37℃)上に維持する。注入を可能にするため頚
静脈にカニューレを挿入する。
【0059】動脈−静脈シャントモデル 左頚静脈および右頚動脈に長さ20cmのポリエチレンPE60
管を挿管する。管腔に綿糸(5cm)を入れた、より大きな
管(PE190)の中央部分6cmを、より長い部分の間に摩擦
で固定して、動脈−静脈シャント回路を完成する。シャ
ントに15分間血液を循環させた後、糸を注意深く抜き取
って秤量する。濡れた糸の重量を、糸および血栓の総重
量から差し引く(J.R.スミス、Br J Pharmacol 、77:29、19
82を参照されたい)。このモデルにおいて本発明に係る
好ましい化合物は、i.v.用量33.176μmol/kg/hで正味の
血餅重量を対照のおよそ25-30%、またはそれ以上低下さ
せる。
【0060】動脈損傷のFeCl3 モデル 頚動脈を正中腹側頸部切開により分離する。熱電対を各
動脈の下に置き、血管温度を連続して連続記録紙に記録
する。縦に切った管(0.058ID x 0.077OD x 4mm、バクス
ター・Med.グレード・シリコーン)でできたカバーを、
熱電対の真上で各頚動脈に巻き付ける。FeCl3六水和物
を水に溶解し、濃度(20パーセント)をFeCl3のみの実重
量で表す。動脈を損傷し血栓症を誘発するため、2.85μ
Lをピペットでカバーの中に入れて、熱電対プローブ上
部の動脈を浸す。動脈の閉塞は温度の急激な低下で示さ
れる。閉塞までの時間は分で記録し、これはFeCl3の適
用と血管温度の急激な低下との間の経過時間を表す(K.
D.クルツ、Thromb.Res.、60:269、1990を参照されたい)。
【0061】自発的血栓溶解モデル インビトロデータは、トロンビンインヒビターはトロン
ビンを阻害し、且つ、高濃度ではプラスミンおよび組織
プラスミノーゲンアクチベーターのような他のセリンプ
ロテアーゼを阻害し得ることを示唆している。本化合物
がインビボでフィブリン溶解を阻害するか否かを評価す
るため、標識した全血液血餅を肺循環中に埋め込むこと
により、自発的血栓溶解の速度を測定する。ラットの血
液(1mL)を牛トロンビン(4IU、パーク・デイヴィス)およ
125Iヒトフィブロゲン(5μCi、ICN)と速やかに混合
し、直ちにシラスチック管に吸引し、37℃で1時間イン
キュベートする。経時した血栓を管から排出し、1cmの
セグメントに切り取り、正常食塩水で3回洗浄し、各セ
グメントをガンマカウンターで計数する。計数値のわか
ったセグメントをカテーテル中に吸引し、続いてこれを
頚静脈中に埋め込む。カテーテル先端を右心房の近くへ
進めて血餅を排出し、肺循環中に浮遊させる。埋込の1
時間後、心臓および肺を摘出し、別々に計数する。血栓
溶解を以下の式に従い、パーセントで表す。
【数2】 埋め込まれた血餅のフィブリン溶解性溶解は時間に依存
して起こる(J.P.クロッツェル、Cardiovas.Pharmacol. 、1
2:520、1988を参照されたい)。
【0062】凝固パラメータ 血漿トロンビン時間(TT)および活性化部分トロンボプラ
スチン時間(APTT)はフィブロメーターで測定する。頸部
カテーテルから血液試料を採取し、クエン酸ナトリウム
(3.8パーセント、血液9部に対して1部)を入れた注射
筒に集める。TTを測定するため、ラット血漿(0.1mL)を
生理食塩水(0.1mL)および牛トロンビン(0.1mL、トリス緩
衝液中30U/mL;パーク・デイヴィス)と37℃で混合す
る。APTTのためには、血漿(0.1mL)およびAPTT溶液(0.1m
L、オーガノン・テクニカ)を5分間インキュベートし(37
℃)、凝固を開始させるためCaCl2(0.1mL、0.025M)を加え
る。検定は二重に行い、平均する。
【0063】バイオアベイラビリティーの指標 生物活性の尺度のため、観察されたTTの増加は親化合物
のみによるトロンビン阻害に起因するものであるという
仮定の下に、血漿トロンビン時間(TT)を親化合物の検定
のための代替値として扱う。TTに及ぼすトロンビン阻害
効果の時間経過を、麻酔したラットへのi.v.ボーラス投
与の後に、そして拘束した意識のあるラットへの経口処
置の後に測定する。血液容量が限定されているため、そ
して処置の時間から反応が処置前の値に戻るまでの時間
経過を測定するのに必要な点の数が限定されていること
から、2群のラットを使用する。それぞれの試料群は連
続する時点を交互に表す。この時間経過にわたる平均TT
を用いて曲線下面積(AUC)を算出する。バイオアベイラ
ビリティーの指標は下記の式により算出し、相対活性パ
ーセントとして表現する。
【0064】血漿TT時間経過の曲線下面積(AUC)を決定
し、用量について調節する。このバイオアベイラビリテ
ィーの指標は「相対活性%」と名付け、下記の式に従っ
て算出する。
【数3】
【0065】化合物 化合物の溶液は規定食塩水中で毎日新しく作成し、ボー
ラスとしての注射、または15分前に開始して実験的摂動
の間中続ける注入を行うが、その摂動は、動脈静脈シャ
ントモデルでは15分間であり、動脈損傷のFeCl3モデル
および自発的血栓溶解モデルでは60分間である。ボーラ
ス注射の容量はi.v.で1mL/kg、p.o.で5mL/kg、そして注
入容量は3mL/hrである。
【0066】統計 結果は平均値+/-SEMとして表現する。分散の一元分析を
用いて統計上有意な差異を検出し、次いでダネット試験
を適用してどの平均値が異なっているのかを決定する。
等しい平均値の帰無仮説の棄却のための有意水準はP<0.
05である。
【0067】動物 雄の犬(ビーグル;18ヶ月−2年;12-13kg、マーシャ
ル・ファームズ(14516ニューヨーク州ノースロー
ズ))を一晩絶食させ、薬物投与の240分後にピュリー
ナ保証プレスクリプション・ダイエット(ピュリーナ・
ミルズ(ミズーリ州セントルイス))を与える。水は自
由に摂取できる。室温は66−74゜F、相対湿度45-50
パーセントに維持し、6:00-18:00まで点灯する。
【0068】薬動力学的モデル 被験化合物は、滅菌した0.9パーセント食塩水に溶解し
て5mg/mL製剤とすることにより投与の直前に調合する。
被験化合物2mg/kg用量を1回、経口経管栄養によって犬
に与える。血液試料(4.5mL)を、投与の0.25、0.5、0.7
5、1、2、3、4および6時間後に頭部静脈から採取
する。試料はクエン酸添加したバキュテイナー管に集
め、氷上に維持した後、遠心により血漿へと減量する。
血漿試料をHPLC MSにより分析する。被験化合物の血漿
濃度を記録し、薬動力学的パラメータ:排泄速度定数、
Ke;総クリアランス、Clt;分布容量、Vd;血漿中最大
被験化合物濃度の時間、Tmax;Tmaxの最大被験化合物濃
度、Cmax;血漿半減期、t0.5;および曲線下面積、A.U.
C.;吸収された被験化合物の画分、F、の算出に使用す
る。
【0069】冠動脈血栓症の犬モデル 犬の外科的処置および機器使用は、ジャクソン等、Circ
ulation 、82、930-940(1990)に記載の通りである。雑種猟
犬(6-7月齢、いずれかの性、バトラー・ファームズ
(ニューヨーク州クライド))をペントバルビタールナ
トリウム(静脈内30mg/kg、i.v.)で麻酔し、挿管し、室
内の空気で換気する。一回換気量および呼吸数を、血液
のPO2、PCO2、およびpHが正常範囲内に維持されるよ
う調節する。誘導II ECGを記録するため、皮下注射針電
極を挿入する。左の中外側頸部切開により、左頚静脈お
よび総頸動脈を分離する。動脈血圧(ABP)を、頚動脈に
挿入した前もって検定したミラー変換器(モデル(MPC-
500、ミラー・インストゥルメンツ(米国テキサス州ヒ
ューストン))で連続測定する。頚静脈は実験中の血液
試料採取のためカニューレを挿入する。さらに、被験化
合物の投与のため、両後脚の大腿静脈にカニューレを挿
入する。
【0070】第五肋間で左開胸を行い、心臓を心膜揺籃
中に懸架する。左回旋冠動脈(LCX)の1ないし2cmのセ
グメントを、最初の主要な対角心室分岐の近くで分離す
る。3-4mm長の26ゲージ針の先端を有する針金の陽極電
極(テフロン被覆、30ゲージ銀メッキの銅線)をLCX中
に挿入し、この動脈の内膜表面に接触させて留置する
(実験の終了時に確認する)。陰極を皮下(s.c.)部位に
留置することにより、刺激回路を完成する。調節可能な
プラスチック製閉塞器をLCXの周りに電極領域の上方に
設置する。前もって検定した電磁気流プローブ(カロリ
ナ・メディカル・エレクトロニクス(米国ノースカロラ
イナ州キング))を、LCXの周りに、冠動脈血流(CBF)測
定のための陽極の近くに設置する。閉塞器は、LCXを10
秒間機械的に閉鎖した後に観察される充血血流反応の40
-50パーセント阻害をもたらすよう調節する。全ての血
液動態およびECG測定値を記録し、データ取得システム
(モデルM3000、モデュラー・インストゥルメンツ(米
国ペンシルヴァニア州マルヴァーン))で分析する。
【0071】血栓形成および化合物の投与計画 陽極に100μAの直流(DC)を適用することにより、LCXの
内膜に電解的損傷を作成する。この電流は60分間維持
し、次いでその血管が閉塞しているか否かに拘わらず中
止する。血栓形成は、LCXが完全に閉塞するまで自発的
に進行する(ゼロCBFおよびS-Tセグメントの増加として
測定される)。閉鎖している血栓を1時間経時させた後
に化合物の投与を開始する。0.5および1mg/kg/h用量の
本発明化合物の2時間の注入を、血栓溶解剤(例えば組
織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナー
ゼ、APSAC)の注入と同時に始める。被験化合物の投与
後、再灌流を3時間行う。血栓溶解がうまくいった後の
冠動脈の再閉鎖を、少なくとも30分間持続したゼロCBF
と定義する。
【0072】血液学およびテンプレート出血時間の測定 全血球数、ヘモグロビン、およびヘマトクリット値を、
クエン酸(3.8パーセント)添加血液(クエン酸1部:血
液9部)40μLの試料について血液学分析機(セル−ディ
ン900、セコイア−ターナー(米国カリフォルニア州マ
ウント・ビュー))を用いて測定する。歯肉テンプレー
ト出血時間を、シンプレートII出血時間装置(オーガノ
ン・テクニカ(米国ノースカロライナ州ダーラム))で
測定する。この装置を用いて、犬の上または下の左顎の
歯肉に2個の水平切開を施す。各切開は幅3mm x深さ
2mmである。切開を施し、ストップウォッチを用いて出
血がどれだけの時間起こるか測定する。綿棒を用いて切
開からにじみ出る血液を吸い取る。テンプレート出血時
間は、切開から出血の停止までの時間である。出血時間
は、被験化合物の投与直前(0分)、注入後60分、被
験化合物の投与終了時(120分)、および実験終了時に
測定する。
【0073】全てのデータを分散の一元分析(ANOVA)、
引き続きステューデント−ニューマン−クエルスの事後
t検定により分析して有意水準を決定する。この実験の
最中、時点の間における有意な差異を測定するために、
反復法ANOVAを用いる。値は少なくともp<0.05のレベル
で統計的に相違すると決定する。全ての数値は平均値±
SEMである。全ての研究は、米国物理学会の指導原理に
従って実施する。方法に関するさらなる詳細はジャクソ
ン等、J.Cardiovasc.Pharmacol.、(1993)、21、587-599に
記載されている。
【0074】以下の実施例および代表的な中間体化合物
の製造例は本発明をさらに説明するために供するもので
あり、本発明を限定するものと解してはならない。実施
例で使用する略語、記号および用語は以下の意味を有す
る。 Ac=アセチル AIBN=アゾビスイソブチロニトリル Anal.=元素分析 BnまたはBzl=ベンジル Bu=ブチル n-BuLi=ブチルリチウム calcd=理論値 DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド DIBAL-H=水素化ジイソブチルアルミニウム DMF=ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド Et=エチル EtOAc=酢酸エチル Et3N=トリエチルアミン Et2O=ジエチルエーテル EtOH=エタノール EtSH=エタンチオール FAB=高速原子衝撃(質量分光法) FDMS=電場脱離質量スペクトル Hex=ヘキサン類 HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール HPLC=高速液体クロマトグラフィー HRMS=高分解能質量スペクトル i-PrOH=イソプロパノール IR=赤外スペクトル LAH=水素化アルミニウムリチウム Me=メチル MeI=沃化メチル MeOH=メタノール MPLC=中圧液体クロマトグラフィー NBS=N−ブロモスクシンイミド NMR=核磁気共鳴 Ph=フェニル i-Pr=イソプロピル ロシェル塩=酒石酸ナトリウムカリウム RPHPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー SiO2=シリカゲル TBS=tert-ブチルジメチルシリル TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン TIPS=トリイソプロピルシリル TLC=薄層クロマトグラフィー トリフリック酸=トリフルオロメタンスルホン酸
【0075】別途記載の無い限り、pH調節および後処理
は酸または塩基水溶液によって行う。PrepLCは、「Prep
Pak(TM)」シリカカートリッジを用いる調製用液体クロ
マトグラフィーを指し;円形クロマトグラフィーは、
「クロマトトロン(TM)」装置を用いる調製用クロマトグ
ラフィーを指す。
【実施例】
【0076】実施例1 6−ヒドロキシ−2−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−3−[4−[2−(1−ピ
ロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベンゾ[b]
チオフェン二蓚酸塩の製造
【化6】 A.6−イソプロピル−2−[4−(トリイソプロピル
シリルオキシ)フェニル]−3−ブロモベンゾ[b]チ
オフェン
【化7】 CH2Cl2(500mL)中のTIPS保護ベンゾチオ
フェン15.5g(35.2mmol)の溶液を、室温で1
時間N−ブロモスクシンイミド6.3g(35.2mmo
l)で処理した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、ク
ロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン中の1% EtO
Ac)によって精製し、所望の化合物18g(34.6
4mmol;98%)を固形物として得た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.69(d,1
H),7.61(d,2H),7.26(s,1H),
7.05(m,1H),6.95(m,2H),4.6
(m,1H),1.38(d,6H),1.36−1.
30(m,3H),1.18(d,18H); FDMS 519(M+); 元素分析 (C2635BrO2SSiとして): 計算値:C,60.10; H,6.79; 実測値:C,60.37; H,6.85。
【0077】B.6−イソプロポキシ−2−[4−(ト
リイソプロピルシリルオキシ)フェニル]−3−ブロモ
ベンゾ[b]チオフェン 1−オキシド
【化8】 CHCl3500mL中の上記ブロモベンゾチオフェン
(9g、17.3mmol)、5,10,15,20−テト
ラフェニル−21H,23H−ポルフィン鉄(III)
クロライド(700mg、1mmol)および過ヨウ素酸テ
トラブチルアンモニウム(15g、34.6mmol)の溶
液を2時間還流し、減圧下で濃縮乾固し、次いでヘキサ
ンおよびCH2Cl2の混液に再溶解させた。この溶液を
クロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン中の5% Et
OAc)によって精製し、出発ベンゾチオフェン3.2
g、ベンゾチオフェン スルホン1.1g、および所望
のスルホキシド化合物3.6g(5.9mmol;53%)
を固形物として回収した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.76−7.73
(m,2H),7.55−7.52(m,1H),7.
47−7.46(m,1H),7.12−7.09
(m,1H),7.02−6.99(m,2H),4.
7−4.6(m,1H),1.4−1.39(d,6
H),1.2−1.27(m,3H),1.15−1.
13(d,18H); FDMS 535(M+); 元素分析 (O2635BrO2SSi・0.25H2Oと
して): 計算値:C,57.82; H,6.62; 実測値:C,57.74; H,6.48。
【0078】C.4−[2−(1−ピロリジニル)エト
キシ]−1−ニトロベンゼン
【化9】 乾燥THF100mL中のp−ニトロフェノール10g
(72mmol)の溶液をトリフェニルホスフィン28.2
8g(108mmol)で処理した。この溶液を0℃にまで
冷却し、次いでジエチル アゾジカルボキシレート1
8.78g(108mmol)で処理した。0℃で30分間
攪拌した後、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン
12.4g(108mmol)を加えた。冷却浴を除去し、
反応物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(300m
L)を加え、混合物を1N H2SO4200mLで2回
抽出した。抽出物をまとめ、EtOAc200mLで2
回洗浄し、5N NaOHで塩基性にし、EtOAc1
50mLで3回抽出した。抽出物をMgSO4で乾燥
し、減圧下で濃縮して油状物にし、これをクロマトグラ
フィー(SiO2;CHCl3中の1%MeOH)によっ
て精製し、所望の化合物7.56g(32mmol、44
%)を固形物として回収した。1 H NMR(CDCl3) δ 8.22−7.9
(m,2H),7.0−6.9(m,2H),4.22
−4.19(m,2H),3.0−2.9(m,2
H),2.7−2.6(m,4H),1.9−1.8
(m,4H); FDMS 236(M+); 元素分析 (C2635BrO2SSi・0.01CHC
3として): 計算値:C,60.75; H,6.80; N,1
1.80; 実測値:C,60.70; H,6.66; N,1
1.70。
【0079】D.4−[2−(1−ピロリジニル)エト
キシ]アニリン
【化10】 上記ニトロ化合物(7.28g、30.8mmol)をMe
OH 100mL、5N HCl 13mLおよび10%
Pd/C 1gと混合した。H2ガスを室温で一晩攪拌溶
液中へバブルすることによって、大気圧下でこれを水素
化した。珪藻土を通して触媒をろ別し、ろ液を減圧下で
濃縮乾固し、アニリン8.18g(29.3mmol、93
%)をその二塩酸塩として得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 11.4−11.
0,(bs,1H),10.6−10.2(bs,3
H),7.3−7.4(m,2H),7.1−7.0
(m,2H),4.4−4.3(m,2H),3.6−
3.4(m,4H),3.2−3.0(m,2H),
2.0−1.7(m,4H); FDMS 206 (M+): 元素分析 (C1220Cl222として): 計算値:C,51.62; H,7.22; N,1
0.03; 実測値:C,51.72; H,7.32; N,9.
78。
【0080】E.N−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]ホルムアミド
【化11】 無水酢酸(9.2g、90mmol)を窒素雰囲気下、0℃
にまで冷却し、ギ酸(4.9g、108mmol)で滴下処
理した。この混合物を0℃で30分間攪拌した後、60
℃にまで2時間あたためた。この反応混合物を室温にま
で冷却し、乾燥DMF150mL中の上記アニリン二塩
酸塩(10.1g、36mmol)およびトリエチルアミン
(18.3g、181mmol)の混合物で処理した。この
反応物を室温で2時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮して
固形物にし、これを飽和NaHCO3およびブラインと
混合した。これを濃縮して固形物にし、THFですすい
だ。このすすいだものを濃縮して、油状物5.6g(2
4mmol、66%)を得た。 FDMS 234(M+); 元素分析 (C131822・0.35H2Oとし
て): 計算値:C,64.90; H,7.83; N,1
1.64; 実測値:C,64.92; H,7.60; N,1
1.56。
【0081】F.N−メチル−4−[2−(1−ピロリ
ジニル)エトキシ]アニリン
【化12】 上記ホルムアニリド(4.3g、18.4mmol)を乾燥
THF(50mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で0℃に
まで冷却し、THF中の1M LAH 19mLで滴下処
理した。これを1時間還流し、0℃にまで冷却し、酒石
酸カリウムナトリウム飽和水溶液200mLでクエンチ
した。EtOAc100mLを加え、層を分離した。水
層をNaClで飽和させた後、EtOAc 50mLで
抽出した。有機層をまとめ、MgSO4で乾燥し、濃縮
して油状物にし、これをクロマトグラフィー(Si
2;15/83/2、次いで19/77/4% THF
−Hex−Et3Nで段階的に)によって精製し、所望
の化合物2.5g(11.3mmol、62%)を油状物と
して回収した。1 H NMR(DMSO−d6) δ 6.8−6.7
(m,2H),6.55−6.45(m,2H),5.
2−5.1(m,1H),3.95−3.85(m,2
H),2.75−2.7(m,2H),2.65−2.
57(m,3H),2.55−2.48(m,4H),
1.7−1.6(m,4H); FDMS 221 (M+1); 元素分析 (C13202Oとして): 計算値:C,70.87; H,9.15; N,1
2.72; 実測値:C,70.79; H,9.15; N,1
2.55。
【0082】G.6−イソプロポキシ−2−[4−(ト
リイソプロピルシルオキシ)フェニル]アミノベンゾ
[b]チオフェン
【化13】 上記パートDのアニリン(1.5g、7.5mmol)を乾
燥THF100mLに溶解させ、−78℃にまで冷却
し、THF中の1M KN[Si(CH33215mL
で処理した。冷却浴を氷浴で置き換え、混合物を1時間
攪拌した後、−78℃にまで再冷却し、上記パートBの
ベンゾチオフェンスルホキシド(4g、7.5mmol)を
固形物として加えた。この反応物を0℃にまであたた
め、3時間攪拌した。ブライン(200mL)、次いで
EtOAc(100mL)を加えた。層を分離し、水層
をEtOAc100mLで2回抽出した。有機層をまと
め、MgSO4で乾燥し、濃縮して油状物にし、これを
乾燥THF100mLに溶解させ、THF中の1M 水
素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム15m
Lで処理した。これを室温で一晩攪拌し、酒石酸カリウ
ムナトリウム飽和水溶液200mLおよびEtOAc1
00mLでクエンチした。分離した後、水層をH2O 2
00mLで希釈し、EtOAc100mLで2回抽出し
た。有機層をまとめ、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃
縮して油状物とし、これをクロマトグラフィー(SiO
2;20/75/5% THF−Hex−Et3N)によ
って精製し、所望の化合物2.8g(4.3mmol、58
%)を泡沫として回収した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.44−7.41
(m,2H),7.34−7.32(m,1H),7.
25(s,1H),6.88−6.85(m,3H),
6.80−6.77(m,2H),6.69−6.66
(m,2H),5.35(s,1H),4.65−4.
55(m,1H),4.08−4.00(m,2H),
2.9−2.82(m,2H),2.55−2.65
(m,4H),1.85−1.7(m,4H),1.4
−1.35(m,6H),1.3−1.2(m,3
H),1.15−1.05(m,18H); FDMS 645(M+)。
【0083】H.6−イソプロポキシ−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)−3−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]アミノベンゾ[b]チオフェ
【化14】 上記トリイソプロピルシリルエーテル(2.7g、4.
2mmol)をH2O 50mL、THF 50mLおよびN
aF 1gと混合した。これを一晩加熱還流し、室温に
まで冷却し、EtOAc 50mLで抽出した。有機層
をMgSO4で乾燥し、濃縮して油状物にし、これを結
晶化した。1 H NMR(DMSO−d6) δ 9.63(s,1
H),7.45−7.42(m,4H),7.27−
7.24(m,1H),6.87−6.84(m,1
H),6.74−6.71(m,2H),6.66−
6.64(m,2H),6.49−6.46(m,2
H),4.64−4.60(m,1H),3.88−
3.84(m,2H),2.69−2.65(m,2
H),2.46−2.44(m,4H),1.64−
1.61(m,4H),1.64−1.62(m,6
H); FDMS 489(M+1)。
【0084】I.6−イソプロポキシ−2−[4−[2
−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]−3−
[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニ
ル]アミノベンゾ[b]チオフェン
【化15】 上記フェノール(0.5g、1.02mmol)、トリフェ
ニルホスフィン(1.1g、4.1mmol)、1−(2−
ヒドロキシエチル)ピロリジン(0.47g、4.1)
および乾燥THF(10mL)の混合物をジエチルアゾ
ジカルボキシレート(0.71g、4.1mmol)で処理
した。この反応物を室温で一晩攪拌し、減圧下で濃縮
し、クロマトグラフィー(SiO2;40/55/5%
THF−Hex−Et3N)によって精製し、所望の化
合物490mg(0.8mmol、82%)を油状物として
回収した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.49−7.46
(m,2H),7.35−7.32(m,1H),7.
25(s,1H),6.92−6.85(m,3H),
6.80−6.77(m,2H),6.69−6.66
(m,2H),5.33(s,1H),4.62−4.
55(m,1H),4.13−4.03(m,4H),
2.92−2.86(m,4H),2.65−2.61
(m,8H),1.83−1.79(m,8H),1.
38−1.36(m,6H)。
【0085】J.6−ヒドロキシ−2−[4−[2−
(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]−3−[4
−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]ア
ミノベンゾ[b]チオフェン二蓚酸塩 上記イソプロピルエーテル(0.49g、0.8mmol)
をCH2Cl250mLに溶解させ、0℃にまで冷却し
た。これを0℃で2時間、ペンタン中の1M BCl3
mLで処理し、濃縮乾固し、クロマトグラフィー(Si
2;40/55/5、次いで80/15/5% THF
−Hex−Et3Nで段階的に)によって精製し、所望
の化合物148mg(0.27mmol、34%)を泡沫と
して回収した。これをMeOHに溶解させ、MeOH中
の2当量の蓚酸溶液を加え、濃縮乾固して、その二蓚酸
塩に変換した。1 H NMR(DMSO−d6) δ 7.57−7.5
4(m,2H),7.24−7.20(m,2H),
6.97−6.94(m,2H),6.79−6.70
(m,3H),6.51−6.48(m,2H),5.
0(bs,6H),4.23−4.22(m,2H),
4.09−4.06(m,2H),3.40−3.39
(m,4H),3.21−3.19(m,8H),1.
95−1.80(m,8H); FDMS 544(M+1); 元素分析 (C323733S・2C224とし
て): 計算値:C,59.74; H,5.71; N,5.
81; 実測値:C,59.66; H,5.70; N,5.
71。
【0086】実施例2 2−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェ
ニル]−3−(メチル)[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]アミノベンゾ[b]チオフェ
ン二蓚酸塩の製造
【化16】 A.2,3−ジブロモベンゾ[b]チオフェン
【化17】 ベンゾチオフェン(26.8g、0.2mol)をCHC
3150mLに溶解させ、CHCl375mL中の臭素
(64g、0.4mol)の溶液で、1時間かけて滴下処
理した。この反応物を一晩攪拌した後、ガス放出がなく
なったのがはっきりわかるまで、Na2CO3飽和水溶液
で注意深くクエンチした。層を分離し、有機層をまずN
2CO3飽和水溶液で、次いで水で洗浄した。これをM
gSO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、固形物にした。M
eOHから再結晶し、ふわふわした(fluffy)白色固形
物16.5g(57mmol、28%)を得た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.77−7.71
(m,2H),7.46−7.38(m,2H)。
【0087】B.2−[4−メトキシフェニル]−3−
ブロモベンゾ[b]チオフェン
【化18】 THF38mL中のジブロモベンゾチオフェン(11
g、37.7mmol)、p−メトキシフェニルホウ酸(p-
methoxyphenylboronic acid)(5.7g、37.7mmo
l)、Pd(OAc) to(58mg、0.26mmol)
およびトリ−オルト−トリル ホスフィン(237m
g)を2M Na2CO338mLで処理し、光の不存在
下で一晩還流した。EtOAc100mLで希釈し、層
を分離した。水層をEtOAc(50mL)で抽出し
た。有機層をまとめ、MgSO4で乾燥し、濃縮して油
状物にし、これをクロマトグラフィー(SiO2;ヘキ
サン中の5、次いで8% CHCl3で段階的に)によっ
て精製し、所望の化合物9.34g(29.3mmol、7
8%)を白色固形物として得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 8.01−7.9
9(m,1H),7.77−7.74(m,1H),
7.66−7.64(m,2H),7.53−7.44
(m,2H),7.09−7.06(m,2H),3.
79(s,3H); FDMS 320(M+1)。
【0088】C.2−(4−ヒドロキシフェニル)−3
−ブロモベンゾ[b]チオフェン
【化19】 上記メチルエーテル(10g、31.35mmol)をCH
2Cl2250mLに溶解させ、0℃にまで冷却し、CH
2Cl2中の1M BBr360mLで処理した。室温で一
晩攪拌した。0℃にまで再冷却し、MeOH30mLで
クエンチした。減圧下で濃縮乾固し、トルエンと混合
し、再び濃縮乾固した。クロマトグラフィー(Si
2;CH2Cl2)によって精製し、所望の化合物9.
4g(30.8mmol、98%)を白色固形物として回収
した。1 H NMR(DMSO−d6) δ 9.9(s,1
H),8.0−7.97(m,1H),7.75−7.
73(m,1H),7.52−7.4(m,2H),
7.52−7.4(m,2H),6.91−6.88
(m,2H); 元素分析 (C149BrSO・0.45H2Oとし
て): 計算値:C,53.67; H,3.18; 実測値:C,53.67; H,2.92。
【0089】D.2−[4−(トリイソプロピルシリル
オキシ)フェニル]−3−ブロモベンゾ[b]チオフェ
【化20】 乾燥DMF50mL中の3−ブロモ−2−(4−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(9.4g、3
0.8mmol)の溶液をEt3N(6.3g、61.6mmo
l)で処理し、0℃にまで冷却した。これにトリイソプ
ロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート14.2
g(46.2mmol)を滴加した。冷却浴を除去し、反応
物を室温で2時間攪拌した後、ブライン100mLに注
いだ。これをEtOAcで抽出した(2×50mL)。
抽出物をまとめ、ブラインで洗浄し(2×100m
L)、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、油状物
4.8gを得た。この粗製の生成物をクロマトグラフィ
ー(SiO2;ヘキサン)によって精製し、所望の生成
物11.7g(25.4mmol、82%)を白色固形物と
して回収した。1 H NMR(DMSO−d6) δ 7.85−7.7
5(m,2H),7.65−7.62(m,2H),
7.48−7.35(m,2H),7.0−6.95
(m,2H),1.37−1.25(m,3H),1.
26−1.19(m,18H); FDMS 462 (M+1); 元素分析 (C2329BrOSSiとして): 計算値:C,59.86; H,6.33; 実測値:C,59.58; H,6.11。
【0090】E.2−[4−(トリイソプロピルシリル
オキシ)フェニル]−3−ブロモベンゾ[b]チオフェ
ン 1−オキシド
【化21】 実施例1パートBの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、上記ベンゾチオフェンからこの化合物を5
8%収率で製造した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.93−7.91
(m,1H),7.79−7.75(m,2H),7.
65−7.63(m,2H),7.54−7.48
(m,1H),7.02−6.99(m,2H),1.
38−1.22(m,3H),1.14−1.11
(m,18H); FDMS 479(M+2); 元素分析 (C2329BrO2SSiとして): 計算値:C,57.01; H,6.19; 実測値:C,56.97; H,5.84。
【0091】F.2−[4−(トリイソプロピルシリル
オキシ)フェニル]−3−(メチル)[4−[2−(1
−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベンゾ
[b]チオフェン
【化22】 実施例1パートGの製造物に関して詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例2パートEのブロミドおよび実施例
1パートFのアミンから本化合物を55%収率で製造し
た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.80−7.77
(m,1H),7.49−7.46(m,2H),7.
31−7.18(m,4H),6.87−6.80
(m,3H),6.64−6.61(m,2H),4.
06−4.04(m,2H),3.15(s,3H),
2.89−2.85(m,2H),2.61−2.54
(m,4H),1.84−1.78(m,4H),1.
3−1.2(m,3H),1.19−1.08(m,1
8H); FDMS 601 (M+1)。
【0092】G.2−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−3−(メチル)[4−[2
−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベ
ンゾ[b]チオフェン二蓚酸塩 それぞれ実施例1パートHおよび実施例1パートIの製
造物について詳述の二工程手法に本質的にしたがい、実
施例2パートFから本化合物を15%収率で製造した。
1H NMR(CDCl3) δ 7.79−7.78
(m,1H),7.56−7.53(m,2H),7.
31−7.2(m,3H),6.91−6.88(m,
2H),6.83−6.79(m,2H),6.64−
6.61(m,2H),4.13−4.02(m,4
H),3.16(s,3H),2.92−2.84
(m,4H),2.62−2.53(m,8H),1.
81−1.79(m,8H); FDMS 542 (M+1); 元素分析 (C33393SO2・2C224とし
て): 計算値:C,61.57; H,6.00; N,5.
82; 実測値:C,61.86; H,6.17; N,6.
04。
【0093】実施例3 6−ヒドロキシ−2−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−3−(メチル)[4−[2
−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベ
ンゾ[b]チオフェン二蓚酸塩の製造
【化23】 A.6−イソプロポキシ−2−[4−(トリイソプロピ
ルシリルオキシ)フェニル]−3−(メチル)[4−
[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミ
ノベンゾ[b]チオフェン
【化24】 実施例パートGの製造物について詳述の手法に本質的に
したがい、実施例1パートBのブロミドおよび実施例1
パートFのアミンから本化合物を50%収率で製造し
た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.44−7.42
(m,2H),7.26−7.25(m,1H),7.
15−7.12(m,1H),6.84−6.79
(m,5H),6.63−6.60(m,2H),4.
62−4.53(m,1H),4.06−4.02
(m,2H),3.13(s,3H),2.89−2.
85(m,2H),2.62−2.54(m,4H),
1.82−1.78(m,4H),1.37−1.35
(m,6H),1.33−1.20(m,3H),1.
10−1.07(m,18H); FDMS 659 (M+)。
【0094】B.6−イソプロポキシ−2−[4−ヒド
ロキシフェニル]−3−(メチル)[4−[2−(1−
ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベンゾ
[b]チオフェン
【化25】 実施例1パートHの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例3パートAのシリルエーテルから本
化合物を26%収率で製造した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.43−7.40
(m,2H),7.234−7.228(m,1H),
6.80−6.68(m,5H),6.57−6.54
(m,2H),5.5(bs,1H),4.60−4.
50(m,1H),4.06−4.02(m,2H),
3.10(s,3H),2.94−2.90(m,2
H),2.7−2.65(m,4H),1.83−1.
75(m,4H),1.34−1.32(m,6H)。 FDMS 503(M+1)
【0095】C.6−イソプロポキシ−2−[4−[2
−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]−3−
(メチル)[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキ
シ]フェニル]アミノベンゾ[b]チオフェン
【化26】 上記フェノール(0.75g、1.5mmol)、Cs2
3(2g、6mmol)、1−(2−クロロエチル)ピロ
リジン塩酸塩(0.5g、3mmol)および乾燥DMF2
0mLの混合物を95℃で3時間加熱した。これをブラ
イン(50mL)に注いでクエンチし、次いでEtOA
c中の10% MeOH 50mLで3回抽出した。抽出
物をブライン200mLで3回洗浄し、MgSO4で乾
燥し、濃縮して油状物にし、これをクロマトグラフィー
(SiO2;NH4OHを含むCHCl3中の1% MeO
H)によって精製し、所望の標題化合物280mg
(0.47mmol、31%)を油状物として回収した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.51−7.48
(m,2H),7.26−7.25(m,1H),7.
14−7.11(m,1H),6.88−6.79
(m,5H),6.63−6.6(m,2H),4.5
9−4.55(m,1H),3.14(s,3H),
2.92−2.86(m,4H),2.64−2.54
(m,8H),1.87−1.80(m,8H),1.
36−1.34(m,6H); FDMS 598(M−1)。
【0096】D.2−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−3−(メチル)[4−[2
−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]アミノベ
ンゾ[b]チオフェン二蓚酸塩 実施例1パートJの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例3パートCのイソプロピルエーテル
から本化合物を収率45%で製造した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.42−7.39
(m,2H),7.05−7.02(m,2H),6.
73−6.69(m,5H),6.56−6.53
(m,2H),4.09−4.01(m,5H),3.
09(s,3H),2.95−2.87(m,4H),
2.72−2.64(m,8H),1.84−1.82
(m,8H); FDMS 558 (M+1); 元素分析 (C333933S・1.5C224
1.5H2Oとして): 計算値:C,62.30; H,6.57; N,6.
23; 実測値:C,62.14; H,6.61; N,6.
24。
【0097】実施例4 2−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェ
ニル]−3−(メチル)[3−メトキシ−[4−(1−
ピロリジニル)フェニル]アミノベンゾ[b]チオフェ
ン二蓚酸塩の製造
【化27】 A.1−(ニトロ−2−メトキシベンジル)ピロリジン
【化28】 4−ニトロ−2−メトキシトルエン(5g、30mmo
l)、N−ベンゾスクシンイミド(5.3g、30mmo
l)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、10m
g)およびCCl4の混合物を60時間還流した。この
反応混合物を0℃にまで冷却し、珪藻土を通してろ過
し、減圧下で濃縮した。得られた油状物をTHF(50
mL)中に溶解させ、ピロリジン(10.65g、15
0mmol)の冷却(0℃)攪拌溶液に少しずつ加えた。そ
の後、冷却浴を除去し、反応物を室温で1時間攪拌し
た。次いでこれを濃縮して油状物にし、NaHCO3
和水溶液100mLおよびブライン50mLで希釈し
た。EtOAc125mLで3回抽出した後、有機層を
まとめ、MgSO4で乾燥し、濃縮して油状物6.5g
にした。クロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン中の
30% EtOAc)によって精製し、所望の化合物
5.7g(24mmol、80%)を油状物として得た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.86−7.83
(m,1H),7.71−7.7.0(m,1H),
7.59−7.56(m,1H),3.94(s,3
H),3.72(s,2H),2.61−2.57
(m,4H),1.85−1.81(m,4H); FDMS 236 (M+)。
【0098】B.4−(1−ピロリジニルメチル)−3
−メトキシアニリン
【化29】 10% Pd/C 0.6gを含むMeOH50mLに上
記ニトロ化合物(5.5g、23mmol)を溶解させた。
大気圧下、混合物中にH2ガスを6時間バブルしてこれ
を水素化し、珪藻土を通してろ過し、触媒を除去した。
ろ液を減圧下で濃縮し、油状物4.7g(22.8mmo
l、99%)を得た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.2−7.17
(m,1H),6.30−6.27(m,1H),6.
24−6.23(m,1H),3.81(s,2H),
3.80(s,3H),2.85−2.80(m,4
H),1.92−1.87(m,4H); FDMS 207 (M+1)。
【0099】C.N−[4−(1−ピロリジニルメチ
ル)−3−メトキシフェニル]ホルムアミド
【化30】 上記アニリン(5.5g、26.7mmol)をギ酸エチル
(7.9g、107mmol)と混合し、110℃で一晩加
熱した。過剰のギ酸エチルを減圧下で除去し、残留物を
クロマトグラフィー(SiO2;CHCl3中の1、次い
で5% MeOHで段階的に)によって精製し、所望の
化合物4.92g(21mmol、78%)を油状物として
得た。回転異性体の存在のせいで、1H NMRは複雑で
あった。本化合物の特徴的なNMRは以下である: (CDCl3) 8.6−8.7(m,1/2H),
8.35−8.38(m,1/2H),7.7(bs,
1/2H),7.5(bs,1/2H),7.45
(m,1/2H),7.3−7.23(m,2H),
6.82−6.80(m,1/2H),6.5−6.6
1(m,1/2H),6.5−6.43(m,1/2
H),3.8(s,3H),3.6(s,2H),2.
6−2.5(m,4H),1.8−1.7(m,4
H); IR(CHCl3 2966.84,1695.44,
1612.21,1514.29,1463.97,1
415.96 cm1); FDMS 235(M+1)。 元素分析 (C131822・0.11CHCl3とし
て): 計算値:C,63.64; H,7.38; N,7.
38; 実測値:C,63.71; H,7.04; N,1
1.41。
【0100】D.4−(1−ピロリジニルメチル)−N
−メチル−3−メトキシアニリン
【化31】 実施例1パートFの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、上記式から本化合物を収率71%で製造し
た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.11−7.08
(m,1H),6.20−6.17(m,1H),6.
15−6.14(m,1H),3.79(s,3H),
3.65(bs,1H),3.56(s,2H),3.
84−2.83(m,3H),2.58−2.51
(m,4H),1.80−1.73(m,4H); FDMS 220 (M+)。
【0101】E.2−[4−(トリイソプロピルシリル
オキシ)フェニル]−3−(メチル)−[3−メトキシ
−[4−(1−ピロリジニルメチル]フェニル]アミノ
ベンゾ[b]チオフェン
【化32】 実施例1パートGの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例4パートDのアミンおよび実施例2
パートEのブロミドから本化合物を収率77%で製造し
た。1 H NMR(CDCl3) δ 7.80−7.72
(m,1H),7.47−7.45(m,2H),7.
33−7.20(m,3H),7.11−7.09
(m,1H),6.87−6.83(m,2H),6.
24−6.27(m,1H),6.18−6.17
(m,1H),3.16(s,3H),3.56(s,
2H),3.17(s,3H),2.6−2.53
(m,4H),1.77−1.67(m,4H),1.
23−1.29(m,3H),1.18−1.02
(m,18H); FDMS 601 (M+1)。 元素分析 (C364822SSiとして): 計算値:C,71.95; H,8.05; N,4.
66; 実測値:C,72.12; H,7.89; N,4.
66。
【0102】F.2−(4−ヒドロキシフェニル)−3
−(メチル)[3−メトキシ−[4−[(1−ピロリジ
ニル)メチル]フェニルアミノ]]ベンゾ[b]チオフ
ェン
【化33】 実施例1パートHの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例4パートEのシリルエーテルから本
化合物を収率96%で製造した。1 H NMR(CDCl3) δ 7.77−7.45
(m,1H),7.41−7.38(m,2H),7.
29−7.20(m,3H),7.12−7.09
(m,1H),6.74−6.71(m,2H),6.
23−6.20(m,1H),6.11(s,1H),
3.68(s,2H),3.47(s,3H),3.1
5(s,3H),2.95(bs,1H),2.73−
2.71(m,4H),1.83−1.81(m,4
H); FDMS 445 (M+1)。
【0103】G.2−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−3−(メチル)−[3−メ
トキシ−[4−(1−ピロリジニル)フェニル]アミノ
ベンゾ[b]チオフェン二蓚酸塩 実施例1パートIの製造物について詳述の手法に本質的
にしたがい、実施例4パートFのフェノールから本化合
物を収率81%で製造した。1 H NMR(CDCl3,遊離塩基) δ 7.80−
7.77(m,1H),7.54−7.51(m,2
H),7.33−7.22(m,3H),7.13−
7.10(m,1H),6.91−6.88(m,2
H),6.28−6.24(m,1H),6.18−
6.17(m,1H),4.13−4.09(m,2
H),3.62(s,3H),3.58(s,2H),
3.19(s,3H),2.92−2.88(m,2
H),2.67−2.57(m,8H),1.82−
1.77(m,8H); FDMS 542(M+1); 元素分析 (C333932S・2.62C224
して): 計算値:C,59.06; H,5.73; N,5.
40; 実測値:C,59.08; H,5.62; N,5.
44。
【0104】実施例5 2−[4−(4−メトキシ−4−オキソブチルオキシ)
フェニル]−3−(メチル)[3−メトキシ−[4−
(1−ピロリジニルメチル)フェニル]アミノベンゾ
[b]チオフェン蓚酸塩の製造
【化34】 実施例4パートFのフェノール(0.75g、1.7mm
ol)、CsCO3(1.1g、3.4mmol)、4−クロ
ロ酪酸メチル(0.28g、2mmol)および乾燥DMF
10mLの混合物を90℃で3時間加熱した。この反応
物を熱いままろ過し、減圧下で濃縮して油状物にした。
残留物をクロマトグラフィー(SiO2;20/75/
5% THF/Hex/Et3N)によって精製し、所望
の化合物797mg(1.6mmol、86%)を油状物と
して回収した。これをEtOAcに溶解させ、EtOA
c中の1当量の蓚酸溶液を加え、減圧下で濃縮して泡沫
にし、蓚酸塩に変換した。1 H NMR(CDCl3− 遊離塩基) δ 7.80
−7.77(m,1H),7.54−7.53(m,2
H),7.51−7.20(m,3H),7.12−
7.09(m,1H),6.88−6.84(m,2
H),6.27−6.24(m,1H),6.18−
6.17(m,1H),4.03−3.99(m,2
H),3.69−3.68(m,3H),3.62
(s,3H),3.18−317(m,3H),2.5
5−2.49(m,4H),2.16−2.07(m,
2H),1.79−1.69(m,4H); FDMS 545 (M+1)。 元素分析 (C323624S・1.11C224
して): 計算値:C,63.76, H,5.98; N,4.
35; 実測値:C,63.78, H,5.83; N,4.
20。
【0105】実施例6 2−[4−[3−(カルボキシ)プロポキシ]フェニ
ル]−3−(メチル)−[3−メトキシ−[4−(1−
ピロリジニルメチル)フェニル]アミノベンゾ[b]チ
オフェン蓚酸塩の製造
【化35】 実施例5のエステル(0.39g、0.72mmol)をM
eOH30mLに溶解させ、1N NaOH 2.1mL
で処理した。この反応物を50℃にまで16時間あたた
めた後、1N HClで中和し、減圧下で濃縮乾固し
た。残留物をCHCl3中の10% MeOHに溶解さ
せ、クロマトグラフィー(SiO2;MeOH中の1
0、20、次いで30% CHCl3で段階的に)によっ
て精製し、所望の化合物175mg(0.33mmol、4
6%)を泡沫として回収した。これをMeOHに溶解さ
せ、MeOH中の1当量の蓚酸溶液を加え、減圧下で濃
縮乾固し、蓚酸塩に変換した。1 H NMR(DMSO−d6 遊離塩基) δ 8.9
5−8.90(m,1H),7.48−7.45(m,
2H),7.39−7.20(m,3H),7.15−
7.10(m,1H),6.98−6.92(m,2
H),6.3(s,1H),6.08−6.18(m,
1H),4.05−3.95(m,4H),3.67
(s,3H),3.60−3.55(m,2H),3.
23(s,3H),3.18−2.98(m,4H),
2.40−2.35(m,2H),1.92−1.8
(m,4H); FDMS 531 (M+1)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル・ジョン・サル アメリカ合衆国46142インディアナ州グリ ーンウッド、レジャー・レイン376番 (72)発明者 ジョン・エルドン・トス アメリカ合衆国46278インディアナ州イン ディアナポリス、ペリエ・コート6759番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、 EはCReまたはN(ここに、Reは水素、メチル、メト
    キシまたはハロである)であり;R1は水素またはメチ
    ルであり;R2はR2aまたはR2b(ここに、R2aは−X2
    −(CH2n−Rf(式中、X2は直接の結合、メチレン
    またはOであり;nは1、2または3であり;ならびに
    fは5−テトラゾリル、カルボキシ、[(1−4C)
    アルコキシ]カルボニルまたはヒドロキシメチルであ
    る)であり;R2bは−X2−(CH2m−NRab(式
    中、X2は直接の結合、メチレンまたはOであり;mは
    1、2または3であり;ただしmが1である場合は、X
    2は直接の結合であり;ならびにRaおよびRbは独立し
    て水素または(1−3C)アルキルであり、あるいは
    基:NRabはピロリジノ、ピペリジノまたはモルホリ
    ノである)である)であり;R3は−X3−(CH2s
    NRst(式中、X3は直接の結合、メチレンまたはO
    であり;sは1または2であり;ただしsが1である場
    合は、X3は直接の結合であり;ならびにRsおよびRt
    は独立して水素または(1−3C)アルキルであり、あ
    るいは基:NRstはピロリジノ、ピペリジノまたはモ
    ルホリノである)であり;ならびに、 R6は水素、ヒドロキシまたはメトキシである]で示さ
    れる化合物、または製薬的に許容されるその塩。
  2. 【請求項2】 2−[4−[3−(カルボキシ)プロポ
    キシ]フェニル]−3−(メチル)[3−メトキシ−
    [4−(1−ピロリジニルメチル)フェニル]アミノベ
    ンゾ[b]チオフェンまたは製薬的に許容されるその塩
    である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または2のいずれかに記載
    の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩を、製
    薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とともに含
    む医薬製剤。
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