JP2000134975A - ブラシレスモータの制御方法 - Google Patents

ブラシレスモータの制御方法

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JP2000134975A
JP2000134975A JP10297244A JP29724498A JP2000134975A JP 2000134975 A JP2000134975 A JP 2000134975A JP 10297244 A JP10297244 A JP 10297244A JP 29724498 A JP29724498 A JP 29724498A JP 2000134975 A JP2000134975 A JP 2000134975A
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brushless motor
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rotation speed
estimation
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Yoshiyuki Ohara
義之 尾原
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Fujitsu General Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 負荷脈動を最適に相殺する。 【解決手段】 制御回路10はブラシレスモータの通電
を切り替えるためにインバータ部3を制御し、位置検出
間隔算出部10aで1回転中を複数の区間に分割すると
ともに、この各区間の時間を計時し、この計時した時間
をもとにしてトルクパターン演算部10eで各区間毎に
補正電圧を生成し、かつ回転数をステップ状に可変して
回転数指令値とする際各段階毎に前段階での補正電圧を
パターン減少部10gで所定値減少させた後に当該段階
での補正電圧を生成する。また、回転数指令値の段階で
は補正電圧の推定終了後に同補正電圧をパターン調整部
10fで所定値だけ調整する。この補正電圧を加算部1
0h,10i,10jでPWM信号発生部10bからの
PWM信号に加味し、信号により通電切替制御部10k
でインバータ部3の駆動信号を出力し、ブラシレスモー
タに印加する電圧パターンを補正して負荷脈動の相殺を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機(コン
プレッサ)等のモータに用いるセンサレス直流ブラシレ
スモータ(以下、ブラシレスモータと記す)の制御技術
に係り、特に詳しくは回転変動を相殺して安定な回転制
御を可能とするブラシレスモータの制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータの制御方法において
は、例えば三相四極のブラシレスモータの非通電相に発
生する誘起電圧波形と基準値とを比較し、この比較結果
のゼロクロス点(いわゆる回転子の位置検出点)をもと
にして電機子巻線の通電パターンを切り替える。
【0003】このとき、位置検出点から若干の遅れをも
って次相の通電に切り替えると、効率よく回転を持続さ
せることができる。この若干の遅れ位相としては電気角
で30度以下の値をとる。したがって、後述するマイク
ロコンピュータによる回転制御では、過去の位置検出間
隔あるいは過去の複数の位置検出間隔の平均をもとにし
て電気角30度以下の値に相当する時間を算出し、位置
検出点の時刻からその算出時間経過をもって通電を切り
替える。
【0004】そのため、例えば図7に示す制御装置が必
要である。この制御装置は、交流電源1をAC/DC変
換部2で所定の直流電源に変換し、この直流電源をイン
バータ部3のスイッチング素子Ua,Va,Wa,X,
Y,Zでスイッチングしてブラシレスモータ(DCM)
4の電機子巻線に供給する。
【0005】位置検出回路5は、ブラシレスモータ4の
電機子巻線U,V,Wの端子電圧に含まれている誘起電
圧波形(非通電相に発生する誘起電圧波形)と基準値と
を比較して同誘起電圧波形の1/2点を検出し、この1
/2点を含む位置検出信号を制御回路(主にマイクロコ
ンピュータからなる)6に出力する。
【0006】制御回路6は、入力位置検出信号のエッジ
(立ち上がり、立ち下がりエッジ)により誘起電圧の1
/2点(回転子の位置検出点)を検出し、今回の位置検
出時刻と前回の位置検出時刻とにより位置検出間隔を算
出する。
【0007】また、例えば過去の位置検出間隔により電
気角30度以下の値に相当する時間を算出し、この算出
時間を今回の位置検出時刻に加算して次の通電切り替え
時刻を推定する。そして、この推定時刻になると、通電
を切り替えるために所定駆動信号を駆動回路7を介して
インバータ部3に出力する。
【0008】これにより、インバータ部3のスイッチン
グ素子Ua,Va,Wa,X,Y,Zが切り替えられ、
つまり電機子巻線U,V,Wの通電が適切に切り替えら
れるため、効率のよい回転制御が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ブ
ラシレスモータの制御方法においては、負荷が変動する
と、それに起因してブラシレスモータ4に速度変動が生
じ、その結果ブラシレスモータ4に機械的振動が発生
し、騒音の発生だけでなく、円滑な回転がおこなわれな
い。すなわち、例えば空気調和機のコンプレッサ等にお
いては、圧縮工程による回転同期の変動(つまり規則的
な変動)である脈動が存在し、この負荷脈動に伴って最
適な通電切り替えタイミングも変化するからである。
【0010】また、通電切り替え時にノイズが発生し、
このノイズにより誤位置検出が起こることもあるため、
少なくとも通電切り替えから一定時間の間位置検出信号
をマスクしている(図8(b)および(d)参照)。
【0011】図8(a)に示すように、通常回転であれ
ば、マスクが位置検出点にかかることもなく、正規の位
置検出点を得ることができる。しかし、図8(c)に示
すように、前述した負荷脈動により誘起電圧が変化し、
マスクが正規の位置検出点を隠すことになり、これによ
り誤位置検出が起こり、最悪脱調、停止を招くことにな
る。
【0012】この発明は前記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は脈動の存在する負荷状況下でも、また
回転数を広範囲に可変しても、脈動を適切に相殺して安
定した回転制御を行うことができ、ひいては振動や騒音
を抑えることができるようにしたブラシレスモータの制
御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明ブラシレスモータの回転子の位置を検出
し、該位置検出をもとにして前記ブラシレスモータの電
機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方
法において、前記ブラシレスモータの1回転を複数区間
に分割し、各区間毎に複数回転分についてそれぞれの平
均値(区間時間平均値)を算出し、それら区間時間平均
値の平均値(平均区間時間)を算出し、前記区間時間平
均値と平均区間時間との時間差分値をそれぞれ算出し、
該時間差分値をもとにして前記ブラシレスモータの負荷
脈動を相殺するための補正電圧を推定し、該推定補正電
圧を当該PWM信号に重畳する一方、前記補正電圧を逐
次更新し、かつ前記時間差分値をもとして得た負荷脈動
を評価する脈動評価量が予め設定した値以下になるまで
前記補正電圧の推定を更新して同推定を停止するように
したことを特徴としている。
【0014】この場合、前記補正電圧の推定を停止した
際に、最後に推定した補正電圧に対して前記時間差値を
もとにして得た所定値を加味し、その補正電圧を調整す
るとよい。
【0015】前記脈動評価量が予め設定した値より大き
いときに前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価量
が予め設定した値以下になったときに前記補正電圧の推
定を停止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみ前記補正
電圧の推定を行うとよい。
【0016】また、この発明は、ブラシレスモータの回
転子の位置を検出し、該位置検出をもとにして前記ブラ
シレスモータの電機子巻線の通電を切り替えるととも
に、前記ブラシレスモータの回転数をステップ状に可変
制御するブラシレスモータの制御方法において、前記ブ
ラシレスモータの1回転を複数区間に分割し、各区間毎
に複数回転分についてそれぞれの平均値(区間時間平均
値)を算出し、それら区間時間平均値の平均値(平均区
間時間)を算出し、前記区間時間平均値と平均区間時間
との時間差分値をそれぞれ算出し、該時間差分値をもと
にして前記ブラシレスモータの負荷脈動を相殺するため
の補正電圧を推定し、該推定補正電圧を当該PWM信号
に重畳し、前記補正電圧を逐次更新し、かつ前記時間差
分値をもとにして得た負荷脈動を評価する脈動評価量が
予め設定した値以下になるまで前記補正電圧の推定を更
新して同推定を停止する一方、前記ブラシレスモータを
回転数指令値でステップ状に可変する場合、各段階毎に
前記補正電圧の推定を行うようにしたことを特徴として
いる。
【0017】この場合、前記回転数指令値が前記ブラシ
レスモータの回転数を下降させるものである場合、前記
回転数を前記回転数指令値でステップ状に速度可変する
一方、各段階毎に前段階で最後に推定した補正電圧を一
旦所定値だけ減少させた後、当該段階における補正電圧
の推定を開始するとよい。
【0018】前記回転数をステップ状に可変して回転数
指令値とする場合、前記回転数が回転数指令値と一致
し、かつ前記補正電圧の推定の停止後に推定した補正電
圧に対して前記時間差値をもとにして得た所定値を加味
し、その補正電圧を調整するとよい。
【0019】前記脈動評価量が予め設定した値より大き
いときに前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価量
が予め設定した値以下になったときに前記補正電圧の推
定を停止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみで前記補
正電圧の推定を行うとよい。
【0020】前記回転数の移行直後において、前記ブラ
シレスモータの回転数が安定するまでは少なくとも前記
補正電圧の推定を行わず、この間は前段階で推定した補
正電圧を保持するとよい。
【0021】前記回転数の移行前の印加電圧と同移行後
の印加電圧の差が正である場合のみ、前記最後に推定し
た補正電圧を一旦所定値だけ減少させるとよい。
【0022】前記所定値は回転数の移行前後におけるブ
ラシレスモータの印加電圧の変化量に前記最後に推定し
た補正電圧を掛け、該演算結果を前記移行前のブラシレ
スモータの印加電圧を除した値をもとにして得るとよ
い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1ないし図6を参照して詳細に説明する。なお、図1
中、図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。
【0024】この発明のブラシレスモータの制御方法
は、図2に示すように、1回転をL分割して各区間毎に
複数回転分の平均値(区間時間平均値)PPl(1〜
L)を得るとともに、これらの平均値(平均区間時間)
PPaを得、それらの時間差分ΔPl(値=PPl−P
Pa)をとれば、1回転中の脈動を統計的に抽出するこ
とに着目し、その時間差分値ΔPlに応じてブラシレス
モータの印加電圧の補正電圧(トルクパターン)を推定
するとともに、その推定により自己加振を防止するため
に脈動評価量uを前記推定停止(リミッタ動作)の指標
として導入し、かつそのリミッタ動作による推定精度の
低下を防止するために既に推定したトルクパターンを微
調整し、ブラシレスモータの脈動を相殺して安定な回転
制御を可能とする。
【0025】この発明を図2に示すタイムチャート図を
参照して原理的に説明すると、まず位置検出信号によっ
て1回転を複数に分割し(l(1〜L)区間に分割
し)、またそれらの区間の時間Pl(P1〜PL)を検
出する。なお、Lは任意であってもよいが、三相四極の
モータであれば、12分割が容易である。
【0026】各区間の区間時間P1〜PLについてM回
転分検出して記憶する一方、下記数式1を適用してM回
転目までの各区間時間P1〜PLを同区間毎に加算し、
これら加算して得た値(P11+…+P1M),…,
(PL1+…+PLM)を回転数Mで除してL個の平均
値(区間時間平均値)PP1〜PPLを算出する。
【0027】
【数1】
【0028】さらに、前記各区間の区間時間平均値PP
l(PP1〜PPL)を下記数式2に適用して加算し、
かつこの加算して得た値(PP1+…+PPL)を1回
転の分割数Lで除して平均区間時間PPaを算出する。
【0029】
【数2】
【0030】さらにまた、下記数式3を適用して各区間
時間平均値PP1〜PPLと平均区間時間PPaとの差
を算出し、これら算出して得た値(PP1−PPa,…
PPL−PPa)を差分値ΔPl(ΔPl〜ΔPL)と
する。
【0031】
【数3】
【0032】前記時間差分値ΔPlは各区間1〜Lにお
ける変動と見なせ、つまりブラシレスモータ4の印加電
圧の補正量および方向(正、負方向)を決めるベクトル
量とする。すなわち、前述した平均化処理により、白色
系ノイズを除去し、規則的な脈動成分(コンプレサ負荷
の脈動成分)のみを抽出することができるからである。
【0033】そして、前記時間差分値ΔPlによりトル
クパターンの補正電圧ΔVを推定するが、この推定には
例えば下記数式4を適用する。
【0034】
【数4】
【0035】上記数式4において、n(0以上の整数)
は推定回数であり、Sは推定係数である。なお、推定回
数が零である場合(最初で推定が行われていない場合)
ΔV0は零とし、またM回転目以後は所定回転(例えば
1回転)毎に補正電圧ΔVを推定する。なお、1回転を
12分割している場合には推定係数Sを下記数式5で定
義してもよい。
【0036】
【数5】
【0037】推定係数Sの不等号式において、kは誘起
電圧に比例する定数であり、PPlmaxは各の区間時
間平均値PPl(PP1〜PPL)のうちの最大値のも
のである。そして、前記補正電圧ΔVを生成する際に、
推定係数Sを上記数式5の右辺よりも小さい値に決定す
る。
【0038】ここに、前述した推定式の適用によると、
推定の更新が進むと、推定による補正電圧の有無にかか
わらず、回転は安定するが、脈動と無関係な振動の影響
により自己加振が起きて脱調することもある。そのため
に、前述した推定を停止するリミッタを設け、下記数式
6による脈動評価量uが予め設定したリミッタの値以下
になると、前述した推定を停止する。
【0039】
【数6】
【0040】上記数式6について説明すると、各区間の
時間差値ΔPl(PP1−PPa,…,PPL−PP
a)の絶対値総和の平均値を分割数Lで除した値を脈動
評価量uとする。つまり、脈動評価量uにより現回転数
における負荷脈動の大きさが判断できる。
【0041】また、前記リミッタの適用により推定精度
の低下することにもなるため、推定を停止した場合には
推定した補正電圧を微調整し、下記数式7によってパタ
ーン調整差分電圧ΔV(l)Hを算出する。
【0042】
【数7】
【0043】上記数式7について説明すると、ΔP
(l)Fは推定開始直前の各区間の時間差値であり、Δ
P(l)Eは推定後の各区間の時間差値であり、最後に
推定した補正電圧ΔV(l)Eである。なお、ΔP
(l)F=ΔP(l)Eの場合には適用しない。
【0044】前述した数式を適用してこの発明のブラシ
レスモータの制御方法を実行するために、図1に示す制
御装置は、少なくとも前述処理を実行するマイクロコン
ピュータを主体とする制御回路10を備えている。
【0045】制御回路10は、位置検出回路5からの位
置検出信号(パルス信号)のエッジ(立ち上がりエッ
ジ、立ち下がりエッジ)によりパルス間隔(いわゆる位
置検出間隔)を内部のタイマ等で測定し、位置検出間隔
の時間を計時する位置検出間隔算出部10aと、この位
置検出間隔の時間をもとにして定回転制御を行うために
PWM信号を生成するPWM信号発生部10b、ブラシ
レスモータ4の回転数を算出する回転数算出部10c
と、負荷脈動を評価するための脈動評価量uを算出する
脈動評価量u算出部10dと、図2に示した演算(補正
電圧の推定)を行うトルクパターン演算部10eおよび
補正電圧の微調整電圧を算出するパターン調整部10f
と、その微調整された補正電圧の減算値を算出するパタ
ーン減算部10gと、PWM信号に補正電圧のトルクパ
ターンを加算し、その補正電圧を微調整また減算するた
めの加算部10h,10i,10jと、この補正を加味
したPWM信号をもとにしてインバータ部3を駆動する
駆動信号を発生する通電切替制御部10kとを有してい
る。なお、制御回路10は、図6に示す制御回路6の機
能も有する。
【0046】次に、前記構成の制御装置の動作を説明す
ると、まず制御回路10は位置検出回路5からの位置検
出信号をもとにして位置検出間隔の時間を計時する一
方、この位置検出間隔時間(区間時間)を少なくともm
回転分記憶する。
【0047】そして、ブラシレスモータ4の回転中に負
荷脈動があると、前記位置検出間隔時間が変動する。こ
の位置間隔時間をもとにし、上記数式1ないし3により
各区間の時間差分値ΔPl(ΔP1〜ΔPL)を算出す
る。
【0048】この算出時間差分値ΔPlが印加電圧の補
正電圧の大きさと方向(正、負の向き)を決める基本ベ
クトル量であることから、この時間差分値ΔPlを上記
数式4に適用して各区間の補正電圧ΔVのトルクパター
ンを生成してPWM信号に加算する。これにより、ブラ
シレモータ4の印加電圧が補正電圧ΔV分変化し、つま
りこの補正電圧ΔV分が脈動を相殺するように作用す
る。
【0049】このとき、前述したように、数式5に示す
推定係数Sを用いた場合同推定係数Sが各区間時間の平
均値PPl(PP1〜PPL)中の最大値PPlmax
の逆数と平均区間時間PPaと1回転の分割数Lとの積
の逆数に誘起電圧定数kを掛けた値より小さい値であ
る。
【0050】すると、M回転目以後は1回転毎に補正電
圧ΔVを推定する一方、推定係数Sが逐次的に小さくな
ることから、補正電圧ΔVが逐次更新される。このよう
にして推定した補正電圧ΔVのトルクパターンにより、
ブラシレスモータ4の1回転の各区間において印加電圧
を補正電圧ΔVだけ増減することができ、また補正電圧
ΔVを逐次更新して印加電圧を補正することができる。
【0051】したがって、コンプレッサ等の脈動負荷に
あっては、統計的に見て脈動の特性を示すことがある
が、このような場合に効果的に脈動を相殺することがで
きることから、回転数同期で発生する負荷脈動が相殺さ
れる。さらに、この負荷脈動の相殺によってマスクが位
置検出点を隠すことがなくなるため、誤位置検出がなく
なる。
【0052】また、上記数式4の補正電圧ΔVを推定す
るにあたり、脈動評価量uにより現回転数における脈動
の大きさを評価し、つまり補正電圧ΔVにより脈動が小
さくなったか否かを判断し、この脈動評価量uが予め設
定した値より小さくなったときには前述した推定演算を
行わず、つまりリミッタ動作で推定を停止する(補正電
圧ΔVの演算、適用を行わないようにする)。これによ
り、余分な補正電圧ΔVがブラシレスモータ4の印加電
圧に加味されることもなく、脈動と無相関な振動の影響
による自己加振を防止することができ、ひいてはブラシ
レスモータ4の脱調を防止することができる。
【0053】さらに、前記リミッタ動作により推定を停
止すると、推定精度の低下を招くことから、その推定停
止した時点の補正電圧ΔVE、つまり最後に推定した補
正電圧をΔVEを上記数式7により得た調整差分電圧Δ
VHで増減して微調整する。これにより、リミッタ動作
による不具合を解消し、つまり適切に負荷脈動を相殺す
ることができる。
【0054】ところで、ブラシレスモータ4の回転数が
一定である場合には、前述した処理により負荷脈動を適
切に相殺することができるが、回転数が一定でなく、低
回転数から高回転数まで広範囲に渡る場合には、負荷脈
動を相殺するためには総合的な制御が必要である。
【0055】負荷脈動は、慣性モーメントと密接な関係
を有し、高回転数時には慣性によりその脈動の発生が抑
えられるために、前述した補正電圧ΔVの増減等の特別
なトルク制御を必要としない。
【0056】一方、低回転数時には慣性モーメントが小
さいために、脈動が現れることから、その特別なトルク
制御を必要とし、例えばブラシレスモータ4を1ロータ
コンプレッサとして用いた場合、概ね30rps以下の
低回転数時に特別なトルク制御が必要である。
【0057】前記ブラシレスモータ4をPWM制御方式
で回転制御する場合、前述した補正電圧ΔVの増減にし
たがってPWMデューティ比(Low幅)を加減する
(その補正電圧ΔV分をPWM信号に重畳する)。
【0058】例えば図3に示すように、各回転数毎に必
要な補正電圧は、回転数とともに大きくなるが、高回転
数時には補正電圧による回転数補正が慣性モーメントの
影響により平滑化され、負荷脈動の発生が抑えられる。
つまり、図3に示す最大値Vh0、最小値Vl0のポイ
ント(高回転数時)においては、補正電圧ΔVの演算、
適用は意味をなさない。すなわち、補正電圧の有無にか
かわらず、回転数が安定しているからである。
【0059】そこで、前記式6の脈動評価量uにより、
現回転数における脈動の大きさを評価し、つまり負荷脈
動の影響が現れているか否かを判断し、この脈動評価量
uが予め設定した値より小さくなったときには前述した
推定演算を行わず、つまり推定を終了する(補正電圧Δ
Vの演算、適用を行わないようにする)。逆に、回転数
が下降している場合には、脈動評価量uが予め設定した
値より大きくなったときには前述した推定演算を開始
し、つまり補正電圧ΔVの演算、適用を行う。なお、脈
動評価量uが予め設定した値以下になったときには前述
した推定演算を停止する。
【0060】図3ないし図6を参照して具体的に説明す
ると、ブラシレスモータ4の回転数可変は図4に示す速
度可変アルゴリズムにしたがってステップ状(段階的)
に行われ、例えば現回転数のステップ1(段階1)から
回転数指令値のステップn(段階n)まで回転数を降下
させるものとする。この場合、ステップ1において、脈
動抑制を開始したものとする。つまり、脈動評価量uが
予め設定した値より大きく、前述した補正電圧ΔVの推
定を開始したものとする。したがって、その推定は脈動
評価量uが予め設定した値以下になるまで実行し続け、
またその間は回転数を一定に保持する。
【0061】次に、ステップ2に移行するが、図3から
明かなように、補正電圧はステップ1のときよりも減少
する、したがって、そのまま回転数を降下すると、必要
以上に補正電圧をブラシレスモータ4の印加電圧に加算
することになり、当該区間時間平均化処理に影響を与え
て自己加振の原因となる。すなわち、図3に示すよう
に、補正電圧(二点鎖線が最大値、波線が最小値)のエ
ンベローブはブラシレスモータ4の印加電圧(同図実
線)に沿って減少する傾向にあるからである。
【0062】そこで、回転数が1ステップ下がったと
き、つまりステップ1からステップ2に移行したとき、
前記最後に推定演算した補正電圧ΔVを一旦所定値だけ
小さくする処理を行う。また、この処理を行うことによ
り、ステップ2における推定(前述した補正電圧ΔVの
推定)の高速化が図れるため、脈動相殺を早めることに
なり、最大および最小ポイントの位相が変化した場合に
も有効となる。
【0063】前記所定値を得る方法としては、例えば図
3を参照して一例を説明すると、まず回転数が1ステッ
プ降下した場合、回転数の移行前後のブラシレスモータ
4の印加電圧の変化分ΔVavg01=Vavg0−V
avg1を算出する。なお、Vavg0>Vavg1の
場合、つまり算出した値ΔVavg01が正である場合
のみ有効とする。そして、現ステップ2において、最大
補正電圧を減少させるための値をVdh1=ΔVavg
01×(Vh0/Vavg0)の式によって算出し、そ
して上記数式4によってステップ1の最後に推定した補
正電圧ΔVから前記Vdh1の値を減算し、この減算し
た補正電圧をPWM信号に重畳する(PWM信号のLo
w幅を変える)。
【0064】前記処理を一般式で表すと、ΔVavg0
1を算出するための数式は下記数式8で表すことができ
る。
【0065】
【数8】
【0066】また、Vdh1を算出するための数式は下
記数式9で表すことができる。
【0067】
【数9】
【0068】上記数式8,9において、fは回転数であ
り、図4に示す各ステップに対応し(各回転数ゾーンに
付した番号に対応し)、各時間ブロックでフラットにな
る離散値である。そして、ステップ2において、前述し
た処理、つまりステップ1で最後に推定演算した補正電
圧ΔVを一旦所定値だけ小さくする処理を行うととも
に、補正電圧ΔVを推定し、かつ脈動評価量uが予め設
定した値より小さくなるまで、つまりリミッタ動作まで
その推定を繰り返し、更新する。
【0069】このような制御を繰り返し、つまり回転数
をステップ3,4と下げ、回転数が回転数指令値のステ
ップnに達すると、前述同様に上記数式8,9による処
理および上記数式4による推定処理を行う一方、リミッ
タ動作により推定を停止した後、上記数式7を適用して
最後に推定した補正電圧ΔVを微調整する。
【0070】この微調整について簡単に説明すると、ス
テップnにおいて推定を開始する直前の各区間時間の脈
動差分をメモリ等に記憶しておき、推定が終了した時点
で同区間時間脈動差分とそのときの補正電圧とから調整
差分電圧を上記数式7で計算し、トルクパターンの補正
電圧ΔVにその計算結果を加減する。
【0071】したがって、回転数を可変する場合には回
転数が回転数指令値まで降下したときのみ上記数式7を
適用することになる。
【0072】なお、前述した処理では、自己加振を防止
するために、回転数を下げてから(ステップを下げてか
ら)、前ステップでの最後に推定している補正電圧を一
旦所定値だけ下げ、しかる後補正電圧の推定を開始して
いるが、最後に推定している補正電圧を一旦所定値に下
げてから回転数のステップを下げるようにしてもよい。
【0073】また、前述した処理では回転数をステップ
状に下降して回転数指令値nとする場合について説明し
たが、回転数をステップ状に上昇する場合には下降と多
少異なる。
【0074】この回転数指令値の上昇時にあっては、推
定される補正電圧ΔVが不足気味になるため、ステップ
においては上記数式8,9による調整処理を行わず、上
記数式4によって補正電圧ΔVの推定を繰り返すととも
に、上記数式6を用いてリミッタ動作を行う。すなわ
ち、上記数式9の適用は、上記数式8の演算結果が正に
なるとき、例えば急激な負荷変動が発生した場合のみに
適用され、それ以外には必要とされないからである。
【0075】これを各ステップ毎に繰り返し、回転数指
令値のステップまで上昇した場合、同様の処理を施した
後最後に推定した補正電圧ΔVを上記数式7による調整
電圧で微調整処理を行う。
【0076】図5および図6に示すように、回転数を回
転数指令値までステップ状に上昇、あるいは下降させる
とき、つまりステップから次のステップに移行したとき
には多少のリバウンドが予想される(回転数の不安定が
予想される)。そこで、ステップから次のステップに移
行した際、回転数が安定するまで、つまり回転数を検出
するとともに、この検出回転数が当該ステップの設定回
転数値になるまで、前述した処理を行わないようにす
る。そして、回転数が安定した後に、当該発明の処理
(前述した処理)を実行することにより、負荷脈動を適
切に相殺することができる。
【0077】ここに、前述した回転数可変時の処理を総
轄的に説明すると、当該処理を制御回路10のマイクロ
コンピュータによって実行するが、マイクロコンピュー
タの機能としてのPWM発生部は位置検出間隔時間を用
いて定回転制御を行い、トルクパターン演算部10eは
同位置検出間隔時間から負荷脈動を相殺するための補正
電圧を発生する。
【0078】回転数指令値が現回転数を降下させるもの
である場合、現回転数がトルク制御稼働許可回転数以下
で、かつ脈動評価量uが予め設定した値(内部メモリに
記憶している値)より大きいときには補正電圧のエンベ
ローブの推定を開始し、負荷脈動を相殺する補正電圧を
得、これによってブラシレスモータ4の現印加電圧を加
減する。
【0079】この場合、回転数を予め設定された値に固
定し、回転が安定した後、前述した推定アルゴリズムを
実行し、脈動評価量uの値が予め設定した値以下になる
と、補正電圧の推定を停止し(リミッタ動作を行い)、
このときのPWM信号のLow幅を内部メモリに記憶す
る。
【0080】そして、次のステップに移行するが、この
間は前ステップでの最後に推定した補正電圧を保持し、
回転数のリバウンドがなくなったところで、つまり回転
数が安定したことを確認した後、パターン減算部10g
は上記数式8によって前ステップでのPWM信号のLo
w幅から現ステップでのLow幅への変化状態を検出
し、この変化が正であれば現に保持されている補正電圧
を上記数式9で算出した減少量分だけ減らす。しかる
後、再度補正電圧の推定処理およびリミッタ動作を行
う、現ステップにおける補正電圧のエンベローブを推定
する。
【0081】以下、前述した処理を繰り返し、回転数が
回転数指令値に達すると、補正電圧の推定を開始する直
前に上記数式1ないし3によって負荷脈動の大きさを測
定し、この区間時間差分量を内部メモリに記憶してお
く。脈動評価量u算出部10dはその記憶されている情
報をもとにして上記数式4を適用して脈動評価量uを算
出し、この脈動評価量uが予め設定した値以下になるま
で補正電圧の推定を継続する一方、脈動評価量uが予め
設定した値以下になると、脈動が収束していると判断し
て補正電圧の推定を停止する。
【0082】前記補正電圧の推定を停止すると同時に、
以後の処理をパターン調整部10fに移行し、パターン
調整部10fは、トルクパターン演算部10eが生成し
た補正電圧の値と、上記数式1ないし3によって最後に
算出した結果とを上記数式7に適用して現補正電圧を微
調整する調整電圧を算出し、現補正電圧を調整する。
【0083】回転数指令値が現回転数を上昇させる場
合、前記下降時と異なり、次のステップへの移行後に回
転数が安定したら、直ちに補正電圧のエンベローブの推
定を開始するとともに、下降時と同様のリミッタ動作に
よりその推定を停止する。以下、各ステップの移行毎に
同じ処理を行い、回転数が回転数指令値に達すると、下
降時と同じ処理を行い、補正電圧を調整して固定する。
なお、回転数がトルク制御稼働許可回転数以上になった
場合には、前述した処理をクリアし、つまり当該マイク
ロコンピュータを前記処理を実行するまえの状態、つま
り通常回転数速度制御に戻す。
【0084】このように、回転数の可変制御時にブラシ
レスモータ4の印加電圧を補正する電圧のエンベローブ
を推定することから、回転数をステップ状に変えて回転
数指令値とする間にあっても負荷脈動を相殺し、安定な
回転制御を行うことができ、ひいてはモータ振動や騒音
を抑えることができる。また、前述した処理を空気調和
機のコンプレッサに適用すれば、コンプレッサ負荷の脈
動を相殺することができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、このブラシレスモ
ータの制御方法の請求項1記載の発明によると、ブラシ
レスモータの回転子の位置を検出し、該位置検出をもと
にして前記ブラシレスモータの電機子巻線の通電を切り
替えるブラシレスモータの制御方法において、前記ブラ
シレスモータの1回転を複数区間に分割し、各区間毎に
複数回転分についてそれぞれの平均値(区間時間平均
値)を算出し、それら区間時間平均値の平均値(平均区
間時間)を算出し、前記区間時間平均値と平均区間時間
との時間差分値をそれぞれ算出し、この時間差分値をも
とにして前記ブラシレスモータの負荷脈動を相殺するた
めの補正電圧を推定し、この推定補正電圧を当該PWM
信号に重畳する一方、前記補正電圧を逐次更新し、かつ
前記時間差分値をもとして得た負荷脈動を評価する脈動
評価量が予め設定した値以下になるまで前記補正電圧の
推定を更新して同推定を停止するようにしたので、1回
転中に脈動の存在する負荷状況下であっても、脈動を適
切に相殺して安定した回転制御を行うことができ、ひい
ては振動や騒音を抑えることができるという効果があ
る。
【0086】請求項2記載の発明によると、請求項1に
おいて前記補正電圧の推定を停止した際に、最後に推定
した補正電圧に対して前記時間差値をもとにして得た所
定値を加味し、その補正電圧を調整するようにしたの
で、請求項1の効果に加え、補正電圧の推定停止による
推定精度の低下を改善することができ、つまり補正電圧
の最適化を図ることができるとともに、負荷脈動をより
適切に相殺することができるという効果がある。
【0087】請求項3記載の発明によると、請求項1に
おいて前記脈動評価量が予め設定した値より大きいとき
に前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価量が予め
設定した値以下になったときに前記補正電圧の推定を停
止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみ前記補正電圧の
推定を行うようにしたので、請求項1の効果に加え、脈
動相殺の必要なときにのみ推定を行うことができ、つま
り適応的な推定を行うことができ、当該処理の効率化が
図れるという効果がある。
【0088】この発明はブラシレスモータの回転子の位
置を検出し、該位置検出をもとにして前記ブラシレスモ
ータの電機子巻線の通電を切り替えるとともに、前記ブ
ラシレスモータの回転数をステップ状に可変制御するブ
ラシレスモータの制御方法において、前記ブラシレスモ
ータの1回転を複数区間に分割し、各区間毎に複数回転
分についてそれぞれの平均値(区間時間平均値)を算出
し、それら区間時間平均値の平均値(平均区間時間)を
算出し、前記区間時間平均値と平均区間時間との時間差
分値をそれぞれ算出し、該時間差分値をもとにして前記
ブラシレスモータの負荷脈動を相殺するための補正電圧
を推定し、該推定補正電圧を当該PWM信号に重畳し、
前記補正電圧を逐次更新し、かつ前記時間差分値をもと
にして得た負荷脈動を評価する脈動評価量が予め設定し
た値以下になるまで前記補正電圧の推定を更新して同推
定を停止する一方、前記ブラシレスモータを回転数指令
値でステップ状に可変する場合、各段階毎に前記補正電
圧の推定を行うようにしたので、1回転中に脈動の存在
する負荷状況下でも、また、回転数をステップ状に広範
囲に可変制御する場合であっても、脈動を適切に相殺し
て安定した回転制御を行うことができ、ひいては振動や
騒音を抑えることができるという効果がある
【0089】請求項5記載の発明によると、請求項4に
おいて前記回転数指令値が前記ブラシレスモータの回転
数を下降させるものである場合、前記回転数を前記回転
数指令値でステップ状に速度可変する一方、各段階毎に
前段階で最後に推定した補正電圧を一旦所定値だけ減少
させた後、当該段階における補正電圧の推定を開始する
ようにしたので、請求項4の効果に加え、回転数を降下
させるために回転数を段階状に移行した際に推定した補
正電圧過多による自己加振を防止することができること
から、補正電圧の推定処理による弊害を除去することが
できるという効果がある。
【0090】請求項6記載の発明によると、請求項4に
おいて前記回転数をステップ状に可変して回転数指令値
とする場合、前記回転数が回転数指令値と一致し、かつ
前記補正電圧の推定の停止後に推定した補正電圧に対し
て前記時間差値をもとにして得た所定値を加味し、その
補正電圧を調整するようにしたので、請求項4の効果に
加え、補正電圧の推定停止による推定精度の低下を改善
することができ、つまり補正電圧の最適化を図ることが
でき、ひいては負荷脈動をより適切に相殺することがで
きるという効果がある。
【0091】請求項7記載の発明によると、請求項4に
おいて前記脈動評価量が予め設定した値より大きいとき
に前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価量が予め
設定した値以下になったときに前記補正電圧の推定を停
止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみ前記補正電圧の
推定を行うようにしたので、請求項4の効果に加え、脈
動相殺り必要なときにのみ推定を行うことができ、つま
り適応的な推定を行うことができ、当該処理の効率化が
図れるという効果がある。
【0092】請求項8記載の発明によると、請求項4の
前記回転数の移行直後において、前記ブラシレスモータ
の回転数が安定するまでは少なくとも前記補正電圧の推
定を行わず、この間は前段階で推定した補正電圧を保持
するようにしたので、請求項4の効果に加え、回転数の
移行時に発生する回転数のリバウンドが推定補正電圧に
含まれることもなく、つまり適切な補正電圧を推定する
ことができるという効果がある。
【0093】請求項9記載の発明によると、請求項5に
おいて前記回転数の移行前の印加電圧と同移行後の印加
電圧の差が正である場合のみ、前記最後に推定した補正
電圧を一旦所定値だけ減少させるようにしたので、補正
電圧が不足気味であれば、補正電圧をそれ以上減少させ
る必要もなくなることから、請求項5の効果に加え、回
転数の移行時に回転数上昇の場合と同様に、回転数移行
時の補正電圧を適切なものとすることができるという効
果がある。
【0094】請求項10記載の発明によると、請求項5
または9における所定値は回転数の移行前後におけるブ
ラシレスモータの印加電圧の変化量に前記最後に推定し
た補正電圧を掛け、該演算結果を前記移行前のブラシレ
スモータの印加電圧を除した値をもとにして得ているの
で、請求項5または9の効果に加え、回転数の移行時に
補正電圧を現印加電圧の変化に即応した値だけ減少させ
るため、その補正電圧をより最適な値にすることがで
き、つまり補正電圧過多による自己加振をより適切に防
止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示し、ブラシレスモ
ータの制御方法が適用される制御装置の概略的ブロック
線図。
【図2】図1に示す制御装置の動作を説明するための概
略的タイムチャート図。
【図3】図1に示す制御装置の動作を説明するための概
略的グラフ図。
【図4】図1に示す制御装置の動作を説明するための概
略的グラフ図。
【図5】図1に示す制御装置の動作を説明するための概
略的タイムチャート図。
【図6】図1に示す制御装置の動作を説明するための概
略的タイムチャート図。
【図7】従来のブラシレスモータの制御装置の概略的ブ
ロック線図。
【図8】図6に示す制御装置の動作を説明するための概
略的タイムチャート図。
【符号の説明】
3 インバータ部 4 ブラシレスモータ(センサレス直流ブラシレスモー
タ) 5 位置検出回路 6,10 制御回路(マイクロコンピュータ) 10a 位置検出間隔算出部 10b PWM信号発生部 10c 回転数算出部 10d 脈動評価量u算出部 10e トルクパターン演算部 10f パターン調整部 10g パターン減少部 10h,10i,10j 加算部 10k 通電切替制御部 k 誘起電圧定数 l 区間数 m 回転数 n 推定回数(添え字) Pl 区間時間 PPa 平均区間時間 PPl 区間時間平均値 S 推定係数(所定係数) u 脈動評価量(評価量) V(f,l)d 所定値(補正電圧の減少値) ΔPl 時間差分値(区間の) ΔV 補正電圧(トルクパターン) ΔV(l) 所定値(補正電圧の調整値)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの回転子の位置を検出
    し、該位置検出をもとにして前記ブラシレスモータの電
    機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方
    法において、前記ブラシレスモータの1回転を複数区間
    に分割し、各区間毎に複数回転分についてそれぞれの平
    均値(区間時間平均値)を算出し、それら区間時間平均
    値の平均値(平均区間時間)を算出し、前記区間時間平
    均値と平均区間時間との時間差分値をそれぞれ算出し、
    該時間差分値をもとにして前記ブラシレスモータの負荷
    脈動を相殺するための補正電圧を推定し、該推定補正電
    圧を当該PWM信号に重畳する一方、前記補正電圧を逐
    次更新し、かつ前記時間差分値をもとして得た負荷脈動
    を評価する脈動評価量が予め設定した値以下になるまで
    前記補正電圧の推定を更新して同推定を停止するように
    したことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 前記補正電圧の推定を停止した際に、最
    後に推定した補正電圧に対して前記時間差値をもとにし
    て得た所定値を加味し、その補正電圧を調整するように
    した請求項1記載のブラシレスモータの制御方法。
  3. 【請求項3】 前記脈動評価量が予め設定した値より大
    きいときに前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価
    量が予め設定した値以下になったときに前記補正電圧の
    推定を停止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみ前記補
    正電圧の推定を行うようにした請求項1記載のブラシレ
    スモータの制御方法。
  4. 【請求項4】 ブラシレスモータの回転子の位置を検出
    し、該位置検出をもとにして前記ブラシレスモータの電
    機子巻線の通電を切り替えるとともに、前記ブラシレス
    モータの回転数をステップ状に可変制御するブラシレス
    モータの制御方法において、前記ブラシレスモータの1
    回転を複数区間に分割し、各区間毎に複数回転分につい
    てそれぞれの平均値(区間時間平均値)を算出し、それ
    ら区間時間平均値の平均値(平均区間時間)を算出し、
    前記区間時間平均値と平均区間時間との時間差分値をそ
    れぞれ算出し、該時間差分値をもとにして前記ブラシレ
    スモータの負荷脈動を相殺するための補正電圧を推定
    し、該推定補正電圧を当該PWM信号に重畳し、前記補
    正電圧を逐次更新し、かつ前記時間差分値をもとにして
    得た負荷脈動を評価する脈動評価量が予め設定した値以
    下になるまで前記補正電圧の推定を更新して同推定を停
    止する一方、前記ブラシレスモータを回転数指令値でス
    テップ状に可変する場合、各段階毎に前記補正電圧の推
    定を行うようにしたことを特徴とするブラシレスモータ
    の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記回転数指令値が前記ブラシレスモー
    タの回転数を下降させるものである場合、前記回転数を
    前記回転数指令値でステップ状に速度可変する一方、各
    段階毎に前段階で最後に推定した補正電圧を一旦所定値
    だけ減少させた後、当該段階における補正電圧の推定を
    開始するようにした請求項4記載のブラシレスモータの
    制御方法。
  6. 【請求項6】 前記回転数をステップ状に可変して回転
    数指令値とする場合、前記回転数が回転数指令値と一致
    し、かつ前記補正電圧の推定の停止後に推定した補正電
    圧に対して前記時間差値をもとにして得た所定値を加味
    し、その補正電圧を調整するようにした請求項4記載の
    ブラシレスモータの制御方法。
  7. 【請求項7】 前記脈動評価量が予め設定した値より大
    きいときに前記補正電圧の推定を開始し、前記脈動評価
    量が予め設定した値以下になったときに前記補正電圧の
    推定を停止し、負荷脈動の大きい回転数領域のみで前記
    補正電圧の推定を行うようにした請求項4記載のブラシ
    レスモータの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記回転数の移行直後において、前記ブ
    ラシレスモータの回転数が安定するまでは少なくとも前
    記補正電圧の推定を行わず、この間は前段階で推定した
    補正電圧を保持するようにした請求項4記載のブラシレ
    スモータの制御方法。
  9. 【請求項9】 前記回転数の移行前の印加電圧と同移行
    後の印加電圧の差が正である場合のみ、前記最後に推定
    した補正電圧を一旦所定値だけ減少させるようにした請
    求項5記載のブラシレスモータの制御方法。
  10. 【請求項10】 前記所定値は回転数の移行前後におけ
    るブラシレスモータの印加電圧の変化量に前記最後に推
    定した補正電圧を掛け、該演算結果を前記移行前のブラ
    シレスモータの印加電圧を除した値をもとにして得てい
    る請求項5または9記載のブラシレスモータの制御方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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