JP2000134905A - 走行体の制動装置 - Google Patents

走行体の制動装置

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JP2000134905A
JP2000134905A JP10304631A JP30463198A JP2000134905A JP 2000134905 A JP2000134905 A JP 2000134905A JP 10304631 A JP10304631 A JP 10304631A JP 30463198 A JP30463198 A JP 30463198A JP 2000134905 A JP2000134905 A JP 2000134905A
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Japan
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braking
braking force
brake
circuit
traveling
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JP10304631A
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English (en)
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Osamu Shinkawa
修 新川
Kinya Matsuzawa
欣也 松澤
Hiroichi Sekino
博一 関野
Akihito Uetake
昭仁 植竹
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自転車等の手動推進力で走行する走行体に対
して電源を設けることなく電気的制動力を作用させる走
行体の制動装置を提供する。 【解決手段】 車輪の回転力を増速して発電制動機15
に伝達して、そのロータを回転させて発電し、その発電
電力によって回転制御回路35を作動させ、制動時に、
発電制動機15の回転を検出するコンパレータ38から
の回転検出パルス信号Pr とプログラマブル分周器37
からの目標車速パルス信号とをアップ/ダウンカウンタ
39に供給して、速度差を表すカウント値Nをブレーキ
制御回路40に供給して、発電制動機15のステータコ
イルを接地するブレーキ回路22をデューティ制御して
制動力を発生させ、車速を目標車速に一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人力のみによって
駆動される手動推進形式の自転車、リヤカー、荷物を搬
送する搬送台車等の電動駆動機構を備えていない走行体
の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の走行体の制動装置としては、例え
ば電動自転車ではない通常の手動推進形式の自転車にあ
っては、車軸に設けたバンドブレーキ又は車輪のリム部
に接触するブレーキゴムをブレーキワイヤを介してハン
ドルに設けたブレーキレバーに連結することにより、ブ
レーキレバーを操作したときに、その操作力に応じた制
動力を発生するようにしているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、手動操作でのみブレーキを作動させる
ので、長い下り坂で制動時間が長い場合には乗り手のブ
レーキレバーを操作する負担が大きくなると共に、急な
下り坂や急制動時には大きな操作力を必要とするため、
幼児、年少者、婦女等では大きな操作力を発生させるこ
とができず、制動不足を生じる等の未解決の課題があ
る。
【0004】この未解決の課題を解決するために、電動
自転車のように電動機で回生制動力を発生させることが
考えられるが、この場合には、推進装置や高価なバッテ
リを必要とするためコストが嵩むと共に、車体重量も大
きくなるという未解決の課題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、電源を内蔵するこ
となく、発電制動手段で、自己発電しながら制動力を発
生することができる走行体の制動装置を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る走行体の制動装置は、走行車輪で走
行し、且つ手動推進形式の走行体に制動力を付与する走
行体の制動装置において、前記走行車輪に連結されて誘
起電力を発生すると共に、制動力を発生する発電制動手
段と、該発電制動手段の発電電力によって駆動されて当
該発電制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを
備えていることを特徴としている。
【0007】また、請求項2に係る走行体の制動装置
は、走行車輪で走行し、且つ手動推進形式の走行体に制
動力を付与する走行体の制動装置において、前記走行体
に制動力を作用させるか否かを設定する制動力操作設定
手段と、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生する
と共に、制動力を発生する発電制動手段と、該発電制動
手段の発電電力によって駆動されて、前記制動力操作設
定手段で制動力作用状態が設定されたときに、当該発電
制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを備えて
いることを特徴としている。
【0008】さらに、請求項3に係る走行体の制動装置
は、前記請求項2に係る発明において、前記制動力制御
手段は、前記制動力操作設定手段で設定された制動力の
大きさに応じて回生制動力を制御するように構成されて
いることを特徴としている。
【0009】さらにまた、請求項4に係る走行体の制動
装置は、走行体車輪で走行し、且つ手動推進形式の走行
体に制動力を付与する走行体の制動装置において、前記
走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共に、制動
力を発生する発電制動手段と、前記走行体の走行速度を
検出する走行速度検出手段と、前記発電制動手段の発電
電力によって駆動されて、前記走行速度検出手段で検出
した走行速度が設定速度以上であるときに、当該発電制
動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0010】なおさらに、請求項5に係る走行体の制動
装置は、走行体車輪で走行し、且つ手動推進形式の走行
体に制動力を付与する走行体の制動装置において、前記
走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共に、制動
力を発生する発電制動手段と、前記走行体の走行速度を
検出する走行速度検出手段と、前記発電制動手段の発電
電力によって駆動されて、前記走行速度検出手段で検出
した走行速度が設定速度以上であるときに、当該発電制
動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0011】また、請求項5に係る走行体の制動装置
は、前記請求項1乃至4の何れかの発明において、前記
発電制動手段は、前記制動力制御手段によって制動状態
に制御されるときに、所定周期で制動状態を中断して発
電状態に移行するように構成されていることを特徴とし
ている。
【0012】さらに、請求項6に係る走行体の制動装置
は、前記請求項1乃至5の何れかの発明において、前記
制動力制御手段は、発電制動手段での発電電力を蓄積す
る電力蓄積手段を備えていることを特徴としている。
【0013】さらにまた、請求項7に係る走行体の制動
装置は、前記請求項1乃至6の何れかの発明において、
前記制動力制御手段は、発電制動手段の制動状態を強制
的に解除する制動解除手段を有することを特徴としてい
る。
【0014】なおさらに、請求項8に係る走行体の制動
装置は、前記請求項1乃至7の何れかの発明において、
前記発電制動手段は、走行体の車輪を支持する車軸に増
速手段を介して連結されていることを特徴としている。
【0015】また、請求項9に係る走行体の制動装置
は、前記請求項1乃至8の何れかの発明において、前記
発電制動手段が、走行体の車輪を支持する車軸にクラン
チ手段及び増速手段を介して連結されていることを特徴
としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明を手動推進形式の自転車に適
用した場合の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【0018】図中、1は電動推進装置を有さない通常の
手動推進形式の自転車であって、複数のパイプ部材を組
合せて構成されたフレーム2を有し、このフレーム2の
前後に前輪4及び後輪5が回転自在に支持されている。
【0019】このフレーム2は、前輪2を支持する前フ
ォーク2aと、後輪5を支持するバックフォーク2b
と、これら両フォーク2a,2bを支持するメインパイ
プ2cと、このメインパイプ2cから上方に設けられた
立パイプ2d等により構成され、この立パイプ2dの上
端には、乗り手が着座するサドル2Aが、前フォーク2
aの上端にはハンドル2Bが取付けられている。
【0020】また、メインパイプ2cの下側には、クラ
ンク軸3が中央部を水平として回転自在に支持され、こ
のクランク軸3の両端には、夫々ペダル3aが取付けら
れている。
【0021】そして、クランク軸3には原動スプロケッ
ト4Aが固着され、後輪5にも同軸に従動スプロケット
4Bが固着され、これらスプロケット4A,4B間にチ
ェーン4Cが巻装され、クランク軸3の回転に応じて後
輪5が回転駆動される。ここで、従動スプロケット4B
と後輪5の回転軸との間には図示しないワンウェイクラ
ッチが介装され、図1でペダル3aを反時計方向に回転
させたときには、後輪5を反時計方向に回転させること
により前進するが、ペダル3aを時計方向に回転させた
ときには後輪5は回転駆動されず、同様に後輪5が反時
計方向に回転している状態で、クランク軸3の回転を停
止しているときには、後輪5の反時計方向回転を継続す
る。
【0022】また、ハンドル2Bには、左右両端部にブ
レーキレバー6が取付けられ、これらブレーキレバー6
が図示しないブレーキワイヤを介して後輪5に装着され
たバンドブレーキ7に連結されていると共に、前輪5の
前輪フォーク2aに装着されて前輪5のリムを挟着する
ブレーキゴム8に連結されている。
【0023】さらに、前輪4の中心部には、電気的制動
機構10が配設されている。この電気的制動機構10
は、図2及び図3に示すように、前輪フォーク2aの先
端に固定された固定軸11の前輪フォーク2aの内側に
ベアリング12を介して回転自在に支持された回転筒体
13を有し、この回転筒体13の内側に増速輪列として
の遊星歯車14を介して発電制動機15が接続されてい
る。
【0024】ここで、遊星歯車14は、回転筒体13の
内周面に形成されたリングギヤ14aと、このリングギ
ヤ14aに噛合する3つのプラネタリピニオン14b
と、これらプラネタリピニオン14bの内側に噛合し、
且つ固定軸11にベアリング14cを介して回転自在に
支持されたサンギヤ14dとで構成され、3つのプラネ
タリピニオン14bを連結するピニオンキャリア14e
が固定軸11に固着され、サンギヤ14dが発電制動機
15に連結されている。
【0025】発電制動機15は、コアレス・タイプのブ
ラシレスモータで構成されており、サンギヤ14dに円
筒状カラー15aを介して連結された回転円板でなるロ
ータバックヨーク15bに界磁用マグネット15cを配
設したロータ15dと、界磁用マグネット15cと近接
対向する位置に固定軸11に固着されて配設されたステ
ータ15eとを備えている。
【0026】界磁用マグネット15cは、図4(a)〜
(c)に示すように、円周方向に交互にN・S極に着磁
されてロータバックヨーク15bに貼着されている。
【0027】また、ステータ15eは、スター接続した
3相の励磁コイルU,V,Wがステータバックヨーク1
5fに配設されており、これら励磁コイルU,V,W
は、各コイル中心部に鉄心を備えていないコアレスタイ
プのものが用いられている。
【0028】このように、コアレス・タイプのモータを
使用することにより、自転車を人力のみによって走行さ
せる場合に、モータの鉄損(ヒステリシス損、渦電流
損)を減少することができ、コアド・タイプのモータに
比較して、人力の負荷となることを極限することができ
る。
【0029】一方、発電制動機15の各励磁コイルU、
V及びWの他端と接地との間に夫々スイッチング素子と
してのエンハンスメント形NチャネルMOS電界効果ト
ランジスタ21U、21V及び21Wが介挿されてブレ
ーキ回路22が構成されている。この発電制動機15及
びブレーキ回路22によって電圧制御発振器(VCO)
23が構成されている。
【0030】この電圧制御発振器23には、回転制御手
段としての回転制御装置30が接続されている。
【0031】この回転制御装置30は、図5に示すよう
に、発電制動機15の各励磁コイルU、V及びWの他端
と電界効果トランジスタ21U、21V及び21Wのド
レインとの接続点が夫々接続された電源回路31を有す
る。この電源回路31は、各励磁コイルU、V及びWの
他端と電界効果トランジスタ21U、21V及び21W
のドレインとの接続点が一対のダイオードDU1,DU2
V1,DV2及びDW1,DW2の直列回路の中点に夫々接続
され、各直列回路の両端が互いに接続されてコンデンサ
Cに接続され、このコンデンサCの正極側が回転制御回
路35に接続され、負極側が接地された構成を有する。
【0032】ここで、充電用コンデンサC、励磁コイル
U,V,W及び電界効果トランジスタ21U、21V及
び21Wで昇圧チョッパ回路が構成され、励磁コイル
U,V,Wの誘起電圧より高い電圧を充電用コンデンサ
C及び回転制御回路35に供給する。
【0033】回転制御回路35は、電源回路31の充電
用コンデンサCの端子電圧を監視し、これが予め設定し
た過電圧設定値VRO以上となると高レベルの過電圧検出
信号VOを電源回路31のダイオードブリッジ回路と充
電用コンデンサCとの間に介挿したPNP型のスイッチ
ング用トランジスタQ1に出力する過電圧検出用コンパ
レータ32と、所定周波数の発振信号を出力する水晶振
動子36と、この水晶振動子36の発振出力を所望の分
周比で分周し、目標速度パルス信号Pv として出力する
プログラマブル分周器37と、非反転入力側に発電制動
機15のステータコイルU〜Wのうちの1つ例えばステ
ータコイルV及び電界効果トランジスタ21V間の誘起
電圧が供給され、反転入力側に参照電圧Vref が供給さ
れ誘起電圧が参照電圧Vref 以上であるときに高レベル
となり発電機の誘起電圧と同じ周期となる回転検出パル
ス信号Pr を出力する発電制動機15の回転検出手段と
してのコンパレータ38と、プログラマブル分周器37
の目標速度パルス信号Pvがダウン端子tD に、コンパ
レータ38の回転検出パルス信号Pr がアップ端子tU
に夫々入力されカウント値NをBCDで出力するアップ
/ダウンカウンタ39と、アップ/ダウンカウンタ39
のカウント出力Nが供給されてこれに基づいてブレーキ
回路22の電界効果トランジスタ21U〜21Wをオン
・オフ制御するブレーキ制御回路40とで構成されてい
る。
【0034】プログラマブル分周器37は、例えばプロ
グラマブルN進カウンタで構成されていて、4ビットの
データ入力端子を有し、これらデータ入力端子に例えば
ハンドル2Bに設けた速度設定スイッチ37aからの設
定データを入力することにより、選択されたデータ入力
端子の組み合わせによって分周比nが設定され周波数比
(1/n)が決定される。この設定された分周比で水晶
振動子36の発振信号を分周した目標速度パルス信号を
出力する。このとき、一番小さい分周比に設定された目
標速度パルス信号の周波数がブレーキ回路22を開放し
た状態即ち非制動時にコンパレータ38から出力される
回転検出パルス信号の最大周波数より低くなるように設
定されている。
【0035】ここで、速度設定スイッチ37aは、例え
ば複数の選択位置を備えたスライドスイッチ構成を有
し、操作レバー37bを摺動させて選択位置を選択する
ように構成され、例えば左側の選択位置から右側の選択
位置に行くに従いプログラマブル分周器37の分周比が
大きくなるような設定データを出力して、設定車速が順
次小さくなるように設定されている。
【0036】また、コンパレータ38は、電圧制御発振
器23からの出力波形を発電制動機15に影響しないよ
うにハイインピーダンスで受けるように構成されてい
る。
【0037】さらに、スイッチングトランジスタQ2及
びQ3の夫々は、NPN型が選択され、それらのベース
が互いに接続されて、例えばハンドル2Bに設けられた
制動開始スイッチ9Sとブレーキレバー6を操作したと
きにオン状態となるブレーキスイッチ9Bとの並列回路
を介して正の電源端子に接続され、制動開始スイッチ9
S及びブレーキスイッチ9Bが共にがオフ状態であると
きにスイッチングトランジスタQ2及びQ3がオフ状態
となり、制動開始スイッチ9S及びブレーキスイッチ9
Bの何れかがオン状態であるときにスイッチングトラン
ジスタQ2及びQ3がオン状態となるように構成されて
いる。
【0038】一方、スイッチングトランジスタQ2及び
Q3のベースの接続点がインバータ39a及びコンデン
サ及び抵抗で構成される微分回路39bに接続され、こ
の微分回路39bから制動開始スイッチ9S又はブレー
キスイッチ9Bがオン状態からオフ状態に切換わるとき
にリセットパルスが出力され、これがアップ/ダウンカ
ウンタ39に供給されて、リセットパルスによってカウ
ント値Nが“0”にクリアされる。
【0039】また、ブレーキ制御回路40は、図6に示
すように、アップ/ダウンカウンタ39から出力される
カウント値Nをアナログ電圧に変換するD/A変換器4
1と、このD/A変換器41から出力される電圧を所定
制限電圧VMAX 以下に制限するリミッタ42と、このリ
ミッタ42のリミッタ出力VL をパルス幅に変換するパ
ルス幅変調(PWM)回路43と、このパルス幅変調回
路43のパルス出力を反転するインバータ44とで構成
されており、インバータ44の出力パルスをブレーキ制
御信号BSとしてブレーキ回路22の電界効果トランジ
スタ21U〜21Wに供給する。
【0040】ここで、リミッタ42の制限電圧V
MAX は、図7(a)〜(c)に示すように、ブレーキ回
路22での電界効果トランジスタ21U〜21Wをデュ
ーティ駆動する際に、ブレーキ状態が100%継続され
ると、発電制動機15の励磁コイルU〜Wからの誘起電
圧が電源回路31に供給されない状態となることによ
り、充電用コンデンサCが充電不能となって、その充電
電圧が回転制御回路35で必要とする作動電圧以下に放
電されることを防止して、充電用コンデンサCでの充電
電圧が回転制御回路35で必要とする作動電圧を十分確
保できるように、デューティ比の上限を設定する電圧に
設定されている。
【0041】次に、上記実施形態の動作を説明する。
【0042】今、自転車が停止している状態では、前輪
4及び後輪5が回転していないので、発電制動機15の
ステータ15dも回転停止状態であるので、これらから
誘起電圧は発生されず、電源回路31のコンデンサCの
蓄電圧も略零であるものとする。
【0043】このため、回転制御回路35には電源が供
給されていないので、作動停止状態を維持し、ブレーキ
制御回路40から出力されるブレーキ制御信号BSがオ
フ状態であり、ブレーキ回路22の各電界効果トランジ
スタ21U〜21Wもオフ状態であり、非制動状態を維
持している。
【0044】この状態から、乗り手がペダル3aを踏込
むことにより、自転車の走行を開始させると、これに応
じて前輪4及び後輪5が回転を開始するため、前輪4の
回転が回転筒体13が回転を開始し、この回転が遊星歯
車14のリングギヤ14a、プラネタリピニオン14b
及びサンギヤ14cで増速されて、発電制動機15に伝
達される。
【0045】このため、発電制動機15のロータ15d
が回転し、その回転速度に応じてステータコイルU,
V,Wから夫々120°位相がずれた3相交流電圧が誘
起され、これが電源回路31に供給され、この電源回路
31のダイオードDU1〜DW2で全波整流される。
【0046】このとき、自転車が走行を開始した直後で
あるので、過電圧検出用コンパレータ32の過電圧検出
信号VOが低レベルとなり、これに応じてスイッチング
トランジスタQ1はオン状態となっているので、ダイオ
ードDU1〜DW2の全波整流出力は、スイッチングトラン
ジスタQ1を介して充電用コンデンサCが急速充電され
る。
【0047】このため、充電用コンデンサCの充電電圧
が回転制御回路35に供給され、この回転制御回路35
が作動状態となるが、このとき、非制動状態であるの
で、ブレーキスイッチ9がオフ状態を維持していること
から、プログラマブル分周器37及び回転検出用コンパ
レータ38の出力側に介挿されたスイッチングトランジ
スタQ2及びQ3が夫々オフ状態を維持し、アップ/ダ
ウンカウンタ39のカウント値Nはリセット状態即ちカ
ウント値N=0の状態を維持する。
【0048】このため、ブレーキ制御回路40のD/A
変換器41の出力電圧は図7(a)に示すように0Vと
なり、このためパルス幅変調回路43の出力電圧は、図
7(b)で破線図示のようにオン状態を継続することに
なり、これがインバータ44で反転されることにより、
ブレーキ制御信号BSは図7(c)で破線図示のよう
に、オフ状態を継続することから、ブレーキ回路22の
各電界効果トランジスタ21U〜21Wもオフ状態を維
持し、非制動状態を維持する。
【0049】このとき、発電制動機15として、コアレ
スモータが採用されているので、前述したように、電機
子内で発生する磁束の交番変化によって鉄損が生じるこ
とがなく、乗り手の手動推進力に負荷となることはな
い。
【0050】この非制動状態での走行状態で、車速が増
加して、発電制動機15で発生される誘起電圧が予め設
定した設定電圧以上となると、過電圧検出用コンパレー
タ32から出力される過電圧制御信号VOが高レベルと
なり、これによってスイッチングトランジスタQ1がオ
フ状態となって、充電用コンデンサCにする過大電圧の
供給が遮断されて、充電用コンデンサCや回転制御回路
35の各回路が損傷することを確実に防止する。
【0051】この非制動状態での走行状態で下り坂を走
行する状態となって、制動開始スイッチ9Sをオン状態
とすると、回転制御回路35において、スイッチングト
ランジスタQ2及びQ3が共にオン状態となることによ
り、プログラマブル分周器37から出力される予め選択
された分周比の目標速度パルスPv がアップ/ダウンカ
ウンタ39ダウンカウント端子tD に入力されると共
に、回転検出用コンパレータ38の回転検出パルス信号
Pr がアップ/ダウンカウンタ39のアップカウント端
子tU に供給開始される。
【0052】このとき、回転検出パルスPr が予め設定
されたプログラマブル分周器37から出力される目標速
度パルスPv に対して高い周波数であるときには、アッ
プ/ダウンカウンタ39のカウント値Nは時間の経過と
共に正方向に増加することになるため、ブレーキ制御回
路40のA/D変換器41の出力電圧VN も図7(a)
に示すように徐々に高い値となることからパルス幅変調
回路42から出力されるパルス信号PW のデューティ比
は100%から徐々に減少することになり、これがイン
バータ43で反転されるので、ブレーキ制御信号BSの
デューティ比は徐々に増加することになる。
【0053】このブレーキ制御信号BSがブレーキ回路
22に供給されるので、ブレーキ回路22の電界効果ト
ランジスタ21U〜21Wがブレーキ制御信号BSが高
レベルである区間でオン状態となることにより、徐々に
大きくなる制動力を発生することになる。
【0054】このブレーキ回路22での発生される制動
力によって発電制動機15のロータ15dの回転が減速
されることにより、遊星歯車14を介して回転筒体13
も減速し、前輪4が減速される。これに伴って、コンパ
レータ38から出力される回転検出パルス信号Pr の周
波数も低下する。
【0055】このため、アップ/ダウンカウンタ64の
カウント値Nも減少し、A/D変換器41の出力電圧も
減少することからパルス幅変調回路42の出力パルスP
W のデューティ比が増加し、インバータ43から出力さ
れるブレーキ制御信号BSのデューティ比が減少ことに
より、ブレーキ回路22の電界効果トランジスタ21U
〜21Wのオン状態となる区間が減少することにより、
制動力が減少して、アップ/ダウンカウンタ64に一定
の溜まりパルス量を保ちながら目標速度パルス信号Pv
に応じた速度で自転車が定速駆動される。
【0056】この結果、下り坂をブレーキレバー6を操
作することなく、所望速度で走行することができ、煩雑
なブレーキ操作を必要としないので、ハンドル操作に集
中することができ、安全走行を確保することができる。
【0057】この下り坂走行状態で、自転車の車速をよ
り低い速度で定速走行させる場合には、速度設定スイッ
チ37aの操作レバー37bを現在位置より右側に摺動
させて、より低い速度設定値を選択することにより、プ
ログラマブル分周器37の分周比を大きくして、このプ
ログラマブル分周器37から出力される目標速度パルス
信号Pv の周波数を小さくする。
【0058】これに応じて、アップ/ダウンカウンタ3
9のカウント値Nが増加することにより、ブレーキ制御
回路40から出力されるブレーキ制御信号BSのデュー
ティ比が大きくなり、ブレーキ回路22で発生する制動
力が大きくなって、自転車をより低い車速で定速走行さ
せることができる。
【0059】逆に、下り坂での定速走行車速を増加させ
る場合には、速度設定スイッチ37aの操作レバー37
bを現在位置より左側に摺動させて高い設定速度を選択
することにより、プログラマブル分周器37から出力さ
れる目標速度パルス信号Pvの周波数が大きくなって、
アップ/ダウンカウンタ39のカウント値Nが減少する
ことにより、ブレーキ制御回路40から出力されるブレ
ーキ制御信号BSのデューティ比が小さくなり、これに
応じてブレーキ回路22で発生するブレーキ力が減少さ
れてより大きな車速で定速走行することができる。
【0060】この下り坂での走行中に、制動力が不足す
る場合には、ブレーキレバー6を操作することにより、
ゴムブレーキ8又はバンドブレーキ7又はゴムブレーキ
8を作動させて前輪4又は後輪5に摩擦力による制動力
を付加することにより、自転車をより減速させることが
できる。
【0061】そして、下り坂での制動走行を終了する際
には、制動開始スイッチ9Sをオフ状態とすることによ
り、スイッチングトランジスタQ2及びQ3がオフ状態
となり、アップ/ダウンカウンタ39へのパルス入力が
停止されると共に、制動開始スイッチ9Sのスイッチ信
号がオン状態からオフ状態に変化する時点で、微分回路
39bからリセットパルスが出力され、これがアップ/
ダウンカウンタ39に供給されるので、そのカウント値
Nが“0”にクリアされて、ブレーキ制御回路40から
出力されるブレーキ制御信号BSのデューティ比が0%
となって、ブレーキ回路22の各電界効果トランジスタ
21U〜21Wがオフ状態となり、非制動状態に復帰す
る。
【0062】一方、制動開始スイッチ9Sがオフ状態で
ある非制動走行状態で、乗り手がブレーキレバー6を操
作して、制動状態とすると、この場合も、制動開始スイ
ッチ9Sと並列にブレーキスイッチ9Bが配設され、こ
のブレーキスイッチ9Bがブレーキレバー6の操作に応
動してオン状態となるので、前述した下り坂走行時と同
様に自転車の車速を速度設定スイッチ37aで設定され
た設定速度まで減少させる制動力が発生し、これがブレ
ーキレバー6の操作によるブレーキゴム8及びバンドブ
レーキ7ので発生する摩擦力による制動力に付加させる
ことになり、ブレーキレバー6の軽い操作で大きな制動
力を発揮することができ、幼児や婦女子のように握力の
低い乗り手でも必要な制動力を確保することができる。
【0063】この場合、自転車の車速が車速設定スイッ
チ37aで設定された車速まで低下したときにアップ/
ダウンカウンタ39のカウント値Nが“0”となり、ブ
レーキ制御回路40から出力されるブレーキ制御信号B
Sのデューティ比が0%となって、ブレーキ回路22の
各電界効果トランジスタ21U〜21Wがオフ状態とな
ることにより、制動力が解除されることになるが、この
状態では、車速が十分に低下しているので、ブレーキゴ
ム8及び/又はバンドブレーキ7による制動力で十分に
自転車を停止させることができる。
【0064】このとき、制動開始時のブレーキ回路22
で発生する初期制動力の大きさは、速度設定スイッチ3
7aで設定される設定車速が低いほど大きな値となるこ
とから、予め乗り手の好みに応じて速度設定スイッチ3
7aの選択位置を設定しておくことが好ましい。
【0065】また、制動時にアップ/ダウンカウンタ3
9のカウント値Nが大きな値となり、ブレーキ制御回路
40でD/A変換器41の出力電圧VN がリミッタ42
の制限電圧VMAX 以上となると、リミッタ42で制限電
圧VMAX に制限されるので、パルス幅変調回路43から
出力されるパルス信号のデューティ比が0%即ちブレー
キ制御信号BSのデューティ比が100%となることは
なく、ブレーキ回路22での制動期間が制限されて、充
電用コンデンサCで回転制御回路35で必要とする作動
電圧を十分に確保することができる。
【0066】このように、上記第1の実施形態において
は、電源回路31の充電用コンデンサCが常時充電され
ているので、常時回転制御回路35が作動状態となって
おり、ブレーキスイッチ9B又は制動開始スイッチ9C
がオン状態となった時点から直ちに制動制御を行うこと
ができ、制動制御を高応答性を持って行うことができる
利点がある。
【0067】なお、上記第1の実施形態においては、制
動開始スイッチ9S又はブレーキスイッチ9Bがオン状
態となったときに、アップ/ダウンカウンタ39へのパ
ルス入力が可能となるように構成した場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、図8に示すよ
うに、電源回路31から回転制御回路35に供給する電
力を直接制動開始スイッチ9S又はブレーキスイッチ9
Bによってオン・オフするようにしてもよく、この場合
には、制動開始スイッチ9S又はブレーキスイッチ9B
がオン状態となったときに初めて回転制御回路35が作
動状態となり、アップ/ダウンカウンタ39に常時回転
検出パルス信号Pr 及び目標速度パルス信号Pv が入力
されることがないので、スイッチングトランジスタQ2
及びQ3、インバータ39a及び微分回路39bを省略
することができ回路構成を簡略化することができる。但
し、回転制御回路35に電源投入時にアップ/ダウンカ
ウンタ39のカウント値Nを“0”にリセットすること
が好ましい。
【0068】また、上記第1の実施形態においては、ブ
レーキ回路22と電源回路31とを分離した場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、図9に
示すように、ダイオードブリッジ回路の下アームのダイ
オードDU2,DV2及びDW2と並列にスイッチングトラン
ジスタ等のスイッチング素子QU2,QV2及びQW2を接続
するか又は図示しないが上アームのダイオードDU2,D
V2及びDW2と並列にスイッチ素子を接続してブレーキ回
路を構成し、各スイッチング素子QU2〜QW2にブレーキ
制御回路40からのブレーキ制御信号BSを供給するよ
うにしてもよく、さらには、ダイオードブリッジ回路の
全てのダイオードDU1〜DW2と並列にスイッチング素子
を接続してブレーキ回路を構成し、各スイッチング素子
を各励磁コイルで発生される誘起電圧の位相に応じて個
別に制御して、充電用コンデンサCがブレーキ回路を介
して放電状態となることがないように制動制御してもよ
い。
【0069】さらに、上記第1の実施形態では、発電制
動機15を前輪4に設けた回転筒体13内に配設した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、後輪5に回転筒体13を設けて、その中に発電制動
機15を設けることもでき、さらには、後輪側のスプロ
ケット4Bと回転軸との間に介挿したワンウェイクラッ
チを省略してスプロケット4Bを後輪回転軸と直結し、
これに代えてクランク軸3側のスプロケット4Aとクラ
ンク軸3との間にワンウェイクラッチを設けると共に、
図10に示すように、スプロケット4Aの回転力を複数
の増速輪列50を介して発電制動機15のロータ15d
を回転駆動するようにして、後輪5に対して制動力を作
用させるようにしてもよい。
【0070】この場合には、発電制動器15を、図10
に示すように、外周縁に複数の磁極を形成したロータ4
5と、このロータ45を囲むステータヨーク46aにス
テータコイル46bを巻装したステータ46とで構成す
る単相モータ構成とすることもできる。
【0071】さらにまた、上記第1の実施形態において
は、発電制動機15として、コアレス・タイプのモータ
を適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、励磁コイルU,V,Wは、各コイル中心
部に鉄心を備えているコアド・タイプのモータを適用す
ることもできる。
【0072】この場合には、モータの鉄損(ヒステリシ
ス損、渦電流損)を生じることから、図11に示すよう
に、前述した図8において、ブレーキスイッチ9B又は
制動開始スイッチ9Sを電源回路31のダイオードブリ
ッジ回路の出力側とスイッチングトランジスタQ1との
間に介挿し、非制動時にはブレーキスイッチ9B及び制
動開始スイッチ9Sがオフ状態であることにより、発電
制動機15の励磁コイルU,V及びWの他端をオープン
として、発電制動機15を非作動状態として充電用コン
デンサCへの充電を停止することにより、乗り手の負担
増を排除し、制動時には、ブレーキスイッチ9B又は制
動開始スイッチ9Sがオン状態となることにより、充電
用コンデンサCの充電を開始し、その充電電圧が回転制
御回路35の作動電圧以上となると、前述した第1の実
施形態と同様の制動力制御が実行される。
【0073】なおさらに、上記第1の実施形態において
は、電源回路31の充電用コンデンサCを常時充電する
ようにした場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、図12に示すように、充電用コンデンサ
Cの充電電圧が過電圧を検出する設定電圧より低い回転
制御回路35での安定作動電圧に達したときに作動され
るサンプリング信号発生回路51を設け、このサンプリ
ング信号発生回路51から所定周期で出力されるデュー
ティ比の大きいサンプリングパルスPs をオア回路52
の一方の入力側に供給すると共に、このオア回路52の
他方の反転入力側に過電圧検出用コンパレータ32の過
電圧検出信号VOを供給し、このオア回路52の出力側
をスイッチングトランジスタQ1のベースに接続する構
成とすることにより、充電用コンデンサCの充電電圧が
回転制御回路35の安定作動電圧未満であるときには安
定作動電圧に達するまでサンプリングパルス形成回路5
1が非作動状態を継続するので、スイッチングトランジ
スタQ1がオン状態を維持して充電用コンデンサCが連
続的に充電され、その充電電圧が安定作動電圧に達し且
つ過電圧検出用コンパレータ32で過電圧を検出してい
ないときに、サンプリングパルス形成回路51が作動状
態となってサンプリングパルスPs に基づいてそのオン
区間でスイッチングトランジスタQ1をオフ状態とし、
充電用コンデンサCをサンプリングパルスPs のオフ区
間で周期的に充電するようにしてもよい。
【0074】また、上記第1の実施形態においては、前
輪4の回転力が直接発電制動機15に入力される場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、図
13に示すように、遊星歯車14のサンギヤ14dに連
結された発電制動機15の円筒状カラー15aに代えて
ブレーキレバー6にブレーキワイヤ60を介して連結さ
れ、ブレーキレバー6の非操作状態で、リターンスプリ
ング61によって非締結状態を維持し、操作状態でリタ
ーンスプリング61に抗して締結状態となる噛み合いク
ラッチ62を設けることにより、ブレーキレバー6が操
作状態となった制動時にのみ発電制動機15が作動状態
となるようにしてもよい。
【0075】ここで、噛み合いクラッチ62は、右端面
にクラッチ歯を形成したクラッチ筒体62aが遊星歯車
14のサンギヤ14dに取付けた外周面にスプラインを
形成したスプライン筒体62bに軸方向に摺動可能にス
プライン結合され、他方の左端面にクラッチ歯を形成し
たクラッチ筒体62cはベアリング62dによって固定
軸11に回転自在に配設され、クラッチ歯と反対側に発
電制動機15のロータ15dが取付けられ、クラッチ筒
体62aがブレーキワイヤ60に接続されてブレーキレ
バー6の操作時に右動してクラッチ筒体62cに噛み合
うように構成されている。
【0076】この場合には、制動時にのみ発電制動機1
5が作動状態となるので、一般的なコアドモータを適用
したときでも、非制動時には発電制動機15が動力伝達
系から遮断されているので、乗り手の負荷となることを
確実に防止することができる。
【0077】次に、本発明の第2の実施形態を図14に
ついて説明する。
【0078】この第2の実施形態は、充電用コンデンサ
Cでの充電電圧を回転制御回路35で必要とする電圧以
上に確実に維持するようにしたものである。
【0079】この第2の実施形態では、図14に示すよ
うに、ブレーキ制御回路40の出力側にアンド回路71
が設けられ、このアンド回路71の一方の非反転入力側
にブレーキ制御回路40から出力されるブレーキ制御信
号BSが入力され、他方の反転入力側にリミッタ42に
よって確保される最小充電時間の半分程度の時間オン状
態となるパルス幅で且つパルス幅変調周期の1/5程度
の周期となるパルス信号を発生するパルス信号発生回路
72からのパルス信号PP が入力され、アンド回路71
の出力側がブレーキ回路22の電界効果トランジスタ2
1U〜21Wのベースに接続されていることを除いて
は、前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図5
との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれ
を省略する。
【0080】この第2の実施形態によると、アップ/ダ
ウンカウンタ39のカウント値Nが大きくなって、D/
A変換器41の出力電圧VN がリミッタ43で制限電圧
MAX に制限される状態であるか否かにかかわらず、ブ
レーキ制御信号BSが図15(b)に示すようにオン状
態であるときに、パルス信号発生回路62からの図15
(c)に示すパルス信号PP がオン状態となると、ブレ
ーキ回路22に供給されるパルス信号は図15(d)に
示すように、パルス信号PP がオン状態である区間強制
的にオフ状態となる。
【0081】このため、ブレーキ制御信号BSの強制オ
フ区間で、各励磁コイルU〜Wで誘起される誘起電圧が
ダイオードブリッジ回路で全波整流されて充電用コンデ
ンサCに供給されるので、この充電用コンデンサCの端
子間電圧は、図15(a)に示すように、パルス発生回
路62のパルス信号PP がオン状態である区間で急速充
電され、ブレーキ制御信号BSがオフ状態である区間で
比較的長く充電されることになり、こまめに充電される
ことにより、充電電圧を回転制御回路35で必要とする
作動電圧VOPより十分高い状態に維持することができ、
回転制御回路35が不必要に動作停止することにより制
動力が断続的に作用することを確実に防止することがで
きる。
【0082】なお、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、回転制御回路35をアップ/ダウンカウンタ39
を使用して構成した場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、図16に示すように、プログラ
マブル分周器37から出力される目標速度パルス信号P
v とコンパレータ38から出力される回転検出パルス信
号Pr とを位相比較回路75に供給して位相比較し、そ
の位相差に応じたパルス信号をローパスフィルタ76に
供給して積分すると共に位相補償を行って直流電圧とす
るフェーズ・ロックド・ループ(PLL)回路を構成
し、このPLL回路から出力される位相差電圧信号をA
/D変換器41を省略したブレーキ制御回路40に供給
することにより、ブレーキ制御信号BSを得るようにし
ても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0083】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、目標速度設定をプログラマブル分周器37を使用
して設定する場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、図17に示すように、水晶振動子36
に分周比の異なる複数N個の分周器37a,37b……
37Nを並列に接続し、これらの出力をアナログスイッ
チ等で構成されるセレクタ78で選択するようにしても
よい。
【0084】さらに、プログラマブル分周器37に代え
て図18に示すように水晶振動子36の発振周波数に比
較して遥かに低い周波数の基準クロック信号発生回路7
9と、この基準クロック信号発生回路79の出力パルス
を前述した第1の実施形態における速度設定スイッチ3
7aと同様の速度設定スイッチ80aの操作レバー80
bで選択される任意の逓倍比に逓倍するプログラマブル
逓倍器80とを設けて、プログラマブル逓倍器80から
目標速度パルス信号Pv を出力するようにしてもよい。
【0085】さらにまた、プログラマブル分周器37に
代えて図19に示すように、充電用コンデンサCの端子
電圧が供給される可変抵抗器81を例えばハンドル2B
に設け、この可変抵抗器81の摺動子81aから出力さ
れる電圧をV/F変換器82でパルス信号に変換して目
標速度パルス信号Pv を発生させるようにしてもよい。
【0086】なおさらに、プログラマブル分周器37に
代えて図20に示すように、基準クロック信号発生回路
83から出力される例えば1Hzの基準クロック信号が
一方の入力端に入力される位相比較器84の他方の入力
端に分周器85から出力される1Hzの分周パルス信号
を入力し、位相比較器84から出力される位相差信号を
ローパスフィルタ86で積分して直流化し、この直流信
号をDCアンプ87で増幅して電圧制御発振器88に供
給して例えば64Hzのパルス信号を得、このパルス信
号を分周器85に供給して、順次半分の周波数に分周
し、電圧制御発振器88から出力される64Hz、分周
器85で分周される32Hz、16Hz、8Hz、4H
z、2Hz及び1Hzのパルス信号をセレクタ89で選
択することにより、目標速度パルス信号Pv を形成する
ようにしてもよい。
【0087】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、プログラマブル分周器37、コンパレータ38及
びアップ/ダウンカウンタ39で速度制御手段を構成し
た場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、図21に示すように、充電用コンデンサCの端子
電圧が供給された可変抵抗器91の摺動子91aから出
力される電圧を目標速度指令値として三角波発生回路9
2からの三角波が一方の入力側に入力された比較器93
の他方の入力側に入力することにより、直接デューティ
制御されたブレーキ制御信号BSを形成するようにして
もよい。
【0088】さらに、上記第1及び第2の実施形態にお
いては、回転筒体13の回転力を遊星歯車14を介して
発電制動機15に伝達する場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、遊星歯車14を省略し、
これに代えて発電制動機15のロータ径を大きくして磁
極数を増大させても上記実施形態と同様の作用効果を得
ることができる。
【0089】次に、本発明の第3の実施形態を図22に
ついて説明する。
【0090】この第3の実施形態は、制動開始時の車速
に基づいて所望の目標速度を設定することを可能とする
ようにしたものである。
【0091】この第3の実施形態では、図22に示すよ
うに、電源回路31の充電用コンデンサCの出力側に定
電圧回路101を設け、この定電圧回路101の定電圧
出力をマイクロコンピュータ72に入力し、このマイク
ロコンピュータ102で、ブレーキ回路22を制御する
ようにしている。
【0092】この第3の実施形態では、発電制動機15
の各励磁コイルU〜Wから出力される誘起電圧を夫々回
転検出用コンパレータ38U〜38Wに供給し、これら
コンパレータ38U〜38Wの回転検出パルス信号Pr
をその立ち上がりで比較的小さいパルス幅のパルス信号
を発生するワンショット回路72U〜72Wに供給し
て、一定幅のパルス信号を得、これらをオア回路104
を介してマイクロコンピュータ102に回転速度信号と
して入力すると共に、制動開始車速Vs の例えば4/
4、3/4、2/4、1/4の車速のうちの何れを目標
車速として設定するかを選択する目標車速選択スイッチ
105の2ビットの選択信号を入力する。
【0093】マイクロコンピュータ102は、オア回路
104の回転速度信号が得られる毎に、外部割り込み処
理として車速演算処理が実行され、この車速演算処理
で、単位時間当たりのパルス数を計測するか又は回転速
度信号のパルス信号間の経過時間を計測して、車速を演
算し、その演算結果を記憶装置に形成した車速記憶領域
に更新記憶する。
【0094】また、マイクロコンピュータ102は、メ
インプログラムとして、図23に示すブレーキ制御処理
を実行する。
【0095】このブレーキ制御処理は、先ず、ステップ
S1に移行して、ブレーキスイッチ9B及び制動開始ス
イッチ9Sのスイッチ信号を読込み、これらの何れかが
オン状態であるか否かを判定し、これらが共にオフ状態
であるときには、これらがオン状態となるまで待機し、
ブレーキスイッチ9B又は制動開始スイッチ9Sがオン
状態となると、ステップS2に移行する。
【0096】このステップS2では、上述した車速演算
処理によって車速記憶領域に記憶されている車速Vを制
動開始車速Vs として読込み、次いでステップS3に移
行して、目標車速設定スイッチ105の選択信号を読込
んでからステップS4に移行する。
【0097】このステップS4では、選択信号SV をも
とに予め設定した記憶テーブルを参照して乗数Mを設定
し、設定した乗数Mと制動開始車速Vs とを乗算して目
標車速V* を算出し、これを記憶装置の目標車速記憶領
域に記憶する。ここで、記憶テーブルは、選択信号SV
が「00」であるときには乗数Mとして最小値「1/
4」を選択し、「01」であるときには乗数Mとして中
間値「2/4」を選択し、「10」であるときには乗数
Mとして中間値「3/4」を選択し、「11」であると
きには乗数Mとして最大値「4/4(=1)」を選択す
るように設定されている。
【0098】次いで、ステップS5に移行して、現在車
速Vを読込み、次いでステップS6に移行して、現在車
速Vと目標車速V* との偏差ΔV(=V−V* )を算出
してからステップS7に移行する。
【0099】このステップS7では、偏差ΔVが予め設
定されたブレーキ制御信号BSのデューティ比の上限を
設定する制限値VL を超えているか否かを判定し、ΔV
≦VL であるときには、ステップS8に移行して、偏差
ΔVが負であるかを判定し、ΔV≧0であるときにはス
テップS9に移行して偏差ΔVをそのまま制動指令値V
Bとして設定してからステップS12に移行し、ΔV<
0であるときにはステップS10に移行して制動指令値
VBを“0”に設定してステップS12に移行する。
【0100】また、ステップS7の判定結果がΔV>V
L であるときには、ステップS11に移行して、制限値
L を制動指令値VBとして設定してからステップS1
2に移行する。
【0101】ステップS12では、ステップS9〜S1
1で設定された制動指令値VBをリミッタ42を省略し
たブレーキ制御回路40に出力し、次いでステップS1
3に移行して、ブレーキスイッチ9B又は制動開始スイ
ッチ9Sがオン状態を継続しているか否かを判定し、オ
ン状態を継続しているときにはステップS5に戻り、オ
フ状態であるときにはステップS14に移行して、制動
指令値VBの出力を停止してから前記ステップS1に戻
る。
【0102】この第3の実施形態によると、自転車が非
制動状態で走行している状態では、発電制動機15で発
電された電力が電源回路31に供給されて、この電源回
路31でマイクロコンピュータ102で必要とする定電
圧を形成するので、このマイクロコンピュータ102が
作動状態となっており、オア回路104から回転検出パ
ルス信号が入力される毎に車速演算処理によって車速V
が算出され、これが記憶装置の車速記憶領域に更新記憶
される。
【0103】また、マイクロコンピュータ102は、図
23の制動制御処理をメインプログラムとして実行する
ので、非制動状態では、ブレーキスイッチ9B及び制動
開始スイッチ9Sがオフ状態を維持していることからス
テップS1でブレーキスイッチ9B及び制動開始スイッ
チ9Sがオン状態となるまで待機する。
【0104】この非制動状態から、ブレーキレバー6を
操作することにより、ブレーキスイッチ9Bをオン状態
とするか又は下り坂で制動開始スイッチ9Sをオン状態
として制動状態とすると、図23の制動制御処理におい
て、ステップS1からステップS2に移行し、制動開始
時の車速Vを読込み、次いでステップS3で速度選択ス
イッチ105で設定される速度選択信号SV を読込む。
【0105】このとき、乗り手が速度選択スイッチ10
5で比較小さな制動力となる速度設定値を選択して速度
選択信号SV が「10」であるものとすると、この速度
選択信号SV をもとに記憶テーブルを参照して乗数Mと
して「3/4」が設定される。
【0106】このため、ステップS4で制動開始時の車
速Vに3/4を乗じた目標車速V*が算出され、これが
目標車速記憶領域に記憶される。
【0107】次いで、ステップS5に移行して、現在車
速Vを読込んでからステップS6で現在車速Vと目標車
速V* との偏差ΔVを算出する。このとき、制動開始時
であっても緩制動状態が選択されていることにより偏差
ΔVが比較的小さい値となって、例えば制限値VL 未満
であるものとすると、ステップS7からステップS8に
移行し、ΔV>0であるので、ステップS9に移行して
偏差ΔVをそのまま制動指令値VBとして設定し、これ
をブレーキ制御回路40に出力する。
【0108】このため、ブレーキ制御回路40では、D
/A変換器41から前述した第1の実施形態におけるリ
ミッタ42の制限出力より低い出力電圧がパルス幅変調
回路43に供給されることから、このパルス幅変調回路
43から制動指令値VBに応じたデューティ比の変調出
力が得られ、これがインバータ44で反転されてブレー
キ制御信号BSとしてブレーキ回路22の各電界効果ト
ランジスタ21U〜21Wに供給されて、制動力が発生
され、車速Vが図24で実線図示の特性曲線L1で示す
ように減少する。
【0109】その後、現在車速Vと目標車速V* との偏
差ΔVが小さくなるに従ってブレーキ制御信号BSのデ
ューティ比が小さくなってブレーキ回路22で発生する
制動力も小さくなることから、車速Vの減少量も少なく
なり、現在車速Vが目標車速V* に一致すると、ブレー
キ制御信号BSのデューティ比が0%となってブレーキ
回路22の各電界効果トランジスタ21U〜21Wがオ
フ状態となり、制動力の発生が停止され、その後現在車
速Vが目標車速V* より増加すると制動力が発生される
ことにより、現在車速Vが目標車速V* に制御される。
【0110】この制動状態からブレーキスイッチ9B及
び制動開始スイッチ9Sが共にオフ状態となると、ステ
ップS13からステップS14に移行して制動指令値V
Bの出力を停止してからステップS1に戻ることによ
り、ブレーキ回路22で制動力を発生しているときに
は、これが解除されて非制動状態に復帰する。
【0111】一方、制動開始時に速度設定スイッチ10
5で中制動状態又は大制動状態が設定されているときに
は、これらに応じて図23の制動制御処理におけるステ
ップS4で算出される目標車速V* が小さい値となるこ
とにより、制動開始時に現在車速Vと目標車速V* との
偏差ΔVが制限値VL より大きな値となることにより、
ステップS7からステップS11に移行して、制動指令
値VBとして制限値VL が設定されることにより、必要
最小限の発電量を確保できる最大デューティ比のブレー
キ制御信号BSがブレーキ回路22に出力されることに
より、最大制動力が発生され、これによって図24で破
線又は一点鎖線図示の特性曲線L2及びL3で示すよう
に大きな減速度で車速が減少し、偏差ΔVが制限値VL
以下となる偏差ΔVが制動指令値VBとして設定される
ことにより、ブレーキ回路22での制動力が徐々に低下
されて目標車速V* に達すると制動力が解除され、その
後現在車速Vが目標車速V* に一致するように制御さ
れ、ブレーキスイッチ9B及び制動開始スイッチ9Sが
共にオフ状態となると非制動状態に復帰する。
【0112】また、下り坂を走行する状態となって、現
在車速Vを維持したいときには、速度設定スイッチ10
5で「4/4」を選択して速度選択信号SV を「11」
とすることにより、目標車速V* が制動開始車速Vs に
設定されて、制動開始時の車速を維持することができ
る。
【0113】なお、上記第3の実施形態においては、ブ
レーキスイッチ9B及び制動開始スイッチ9Sがオン状
態からオフ状態に復帰したときに、制動指令値VBの出
力が停止されて直ちに制動力の発生が停止される場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、ブ
レーキスイッチ9B及び制動開始スイッチ9Sがオン状
態からオフ状態に復帰したときに、制動指令値VBが
“0”でない比較的大きな値であるときには、時間の経
過と共に制動指令値VBから所定値ΔVBを順次減算処
理することにより制動指令値VBを徐々に減少させて、
制動力を緩やかに解除するようにしてもよく、この場合
には下り坂等で急に制動力が解除されて加速状態に移行
することを確実に防止して安全走行を確保することがで
きる。
【0114】また、上記第3の実施形態においては、マ
イクロコンピュータ74を使用しているので、充電用コ
ンデンサCの端子電圧を検出し、これが予め設定された
閾値電圧以下となったときに、制動指令値VBの出力を
充電用コンデンサCを充電するに十分な所定時間の間停
止してマイクロコンピュータ102の作動電圧を確保す
ることが好ましい。
【0115】さらに、上記第3の実施形態においては、
ブレーキスイッチ9B又は制動開始スイッチ9Sがオン
状態となったときに、直ちに制動制御処理を実行する場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ブレーキスイッチ9Bがオン状態となったときに
は、制動開始時から所定時間の間車速の変化を監視し、
その車速変化量が予め設定した閾値以上であるときに
は、手動操作による制動力で十分であると判断してブレ
ーキ回路22での制動制御を行わず、車速変化量が閾値
未満であるときに図23の制動制御処理を行うようにし
てもよい。
【0116】さらにまた、上記第1〜第3の実施形態に
おいては、ブレーキ制御回路40によってブレーキ回路
22の電界効果トランジスタ21U〜21Wをデューテ
ィ制御する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、電界効果トランジスタ21U〜21Wの
ゲートに印加する電圧を制御して制動力を制御するよう
にしてもよい。
【0117】なおさらに、上記第1〜第3の実施形態に
おいては、ブレーキレバー6が操作されているか否かを
ブレーキスイッチ9bで検出するようにした場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、ブレー
キレバー6の操作量をポテンショメータ等で検出する
か、ブレーキワイヤに係る制動トルクをトルクセンサで
検出して、乗り手の制動操作量を検出し、検出した制動
操作量が大きくなるに従ってブレーキ回路22で発生す
る制動力を大きくするように制動力制御するようにして
もよい。
【0118】また、上記第1〜第3の実施形態において
は、本発明を自転車に適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、搬送台車、3輪
車、乳母車、車椅子等の手動推進力で走行する走行体に
適用することができる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、走行体車輪で走行し、且つ手動推進形式の
走行体に制動力を付与する走行体の制動装置において、
前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共に、
制動力を発生する発電制動手段と、該発電制動手段の発
電電力によって駆動されて当該発電制動手段の制動力を
制御する制動力制御手段とを備えているので、電池やバ
ッテリ等の電源を必要とすることなく、電気的な制動力
を発生させることができるという効果が得られる。
【0120】また、請求項2に係る発明によれば、走行
体に制動力を作用させるか否かを設定する制動力操作設
定手段と、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生す
ると共に、制動力を発生する発電制動手段と、該発電制
動手段の発電電力によって駆動されて、前記制動力操作
設定手段で制動力作用状態が設定されたときに、当該発
電制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを備え
ているので、制動力操作設定手段で制動力作用状態が設
定されたときに、自動的に電気的な制動力を発生させる
ことができ、軽い制動操作で大きな制動力を発生するこ
とができるという効果が得られる。
【0121】さらに、請求項3に係る発明によれば、前
記制動力制御手段は、前記制動力操作設定手段で設定さ
れた制動力の大きさに応じて回生制動力を制御するよう
に構成されているので、走行体の取り扱い者の制動操作
に応じた最適な制動力を発生することができるという効
果が得られる。
【0122】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共
に、制動力を発生する発電制動手段と、前記走行体の走
行速度を検出する走行速度検出手段と、前記発電制動手
段の発電電力によって駆動されて、前記走行速度検出手
段で検出した走行速度が設定速度以上であるときに、当
該発電制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを
備えているので、手動操作による制動力のみで制動可能
な低速走行状態では、電気的な制動力を付加せず、大き
な制動力を必要とする高速走行状態で最適な制動力制御
を行うことができるという効果が得られる。
【0123】なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、前記発電制動手段は、前記制動力制御手段によって
制動状態に制御されるときに、所定周期で制動状態を中
断して発電状態に移行するように構成されているので、
発電制動手段での発電電力を適正値に維持して制動力制
御を確実に行うことができるという効果が得られる。
【0124】また、請求項6に係る発明によれば、前記
制動力制御手段は、発電制動手段での発電電力を蓄積す
る電力蓄積手段を備えているので、発電制動手段におけ
る発電状態に対する制動状態の割合を大きくすることが
でき、より効率的な制動力制御を行うことができるとい
う効果が得られる。
【0125】さらに、請求項7に係る発明によれば、前
記制動力制御手段は、発電制動手段の制動状態を強制的
に解除する制動解除手段を有するので、走行体の取り扱
い者の意思に応じた制動力制御を行うことができるとい
う効果が得られる。
【0126】さらにまた、請求項8に係る発明によれ
ば、前記発電制動手段は、走行体の車輪を支持する車軸
に増速手段を介して連結されているので、発電制動手段
で発生する制動力が小さい場合でもこれが増速手段で増
大されて車輪に伝達されるので、より大きな制動力を発
生することができるという効果が得られる。
【0127】なおさらに、請求項9に係る発明によれ
ば、前記発電制動手段は、走行体の車輪を支持する車軸
にクラッチ手段及び増速手段を介して連結されているの
で、クラッチ手段を制動時のみ締結状態とすることによ
り、発電制動手段が制動時のみ車輪に連結されることに
なり、走行体を手動推力で走行させる際に負荷となるこ
とを回避することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す自転車の正面図
である。
【図2】上記第1の実施形態における発電制動機構の一
例を示す縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】上記発電制動機を示す説明図であって、(a)
はロータを示す正面図、(b)はステータを示す正面
図、(c)は分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態における回転制御装置の一例を
示すブロック図である。
【図6】図5におけるブレーキ制御回路の一例を示すブ
ロック図である。
【図7】ブレーキ制御回路の動作の説明に供するタイム
チャートである。
【図8】回転制御装置の他の例を示すブロック図であ
る。
【図9】回転制御装置のさらに他の例を示すブロック図
である。
【図10】発電制動機の他の例を示す正面図である。
【図11】回転制御装置のさらにまた他の例を示すブロ
ック図である。
【図12】回転制御装置のなおさらに他の例を示すブロ
ック図である。
【図13】発電制動機構の他の例を示す図3と同様の断
面図である。
【図14】回転制御回路の他の第1実施例を示すブロッ
ク図である。
【図15】回転制御回路の他の第2実施例を示すブロッ
ク図である。
【図16】回転制御回路の他の第3実施例を示すブロッ
ク図である。
【図17】回転制御回路の他の第4実施例を示すブロッ
ク図である。
【図18】回転制御回路の他の第5実施例を示すブロッ
ク図である。
【図19】回転制御回路の他の第6実施例を示すブロッ
ク図である。
【図20】回転制御回路の他の第7実施例を示すブロッ
ク図である。
【図21】回転制御回路の他の第8実施例を示すブロッ
ク図である。
【図22】本発明の第3の実施形態を示すブロック図で
ある。
【図23】上記第3の実施形態における制動制御処理を
示すフローチャートである。
【図24】上記第3の実施形態の制動動作の説明に供す
るタイムチャートである。
【符号の説明】
1 自転車 2 フレーム 2a 前フォーク 2b バックフォーク 4 前輪 5 後輪 6 ブレーキレバー 7 バンドブレーキ 8 ブレーキゴム 11 固定軸 13 回転筒体 14 遊星歯車 15 発電制動機 15d ロータ 15e ステータ 21U〜21W 電界効果トランジスタ 22 ブレーキ回路 30 回転制御装置 31 電源回路 35 回転制御回路 36 水晶発振器 37 プログラマブル分周器 38 コンパレータ 39 アップ/ダウンカウンタ 40 ブレーキ制御回路 45 ロータ 46 ステータ 50 増速輪列 51 サンプリングパルス形成回路 52 オア回路 62 噛み合いクラッチ 71 アンド回路 72 パルス信号発生回路 75 位相比較回路 76 ローパスフィルタ 78 セレクタ 79 基準クロック信号発生回路 80 プログラマブル逓倍器 81 可変抵抗器 82 V/F変換器 91 可変抵抗器 92 三角波発生回路 93 比較回路 101 定電圧回路 102 マイクロコンピュータ 103U〜103W ワンショット回路 104 オア回路 105 目標車速選択スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関野 博一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 植竹 昭仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 3D046 AA03 BB03 CC01 CC06 HH36 JJ00 JJ06 KK12 5H649 BB03 GG09 GG13 GG18 HH01 HH18 JK03 JK04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行体車輪で走行し、且つ手動推進形式
    の走行体に制動力を付与する走行体の制動装置におい
    て、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共
    に、制動力を発生する発電制動手段と、該発電制動手段
    の発電電力によって駆動されて当該発電制動手段の制動
    力を制御する制動力制御手段とを備えていることを特徴
    とする走行体の制動装置。
  2. 【請求項2】 走行車輪で走行し、且つ手動推進形式の
    走行体に制動力を付与する走行体の制動装置において、
    走行体に制動力を作用させるか否かを設定する制動力操
    作設定手段と、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発
    生すると共に、制動力を発生する発電制動手段と、該発
    電制動手段の発電電力によって駆動されて、前記制動力
    操作設定手段で制動力作用状態が設定されたときに、当
    該発電制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを
    備えていることを特徴とする走行体の制動装置。
  3. 【請求項3】 前記制動力制御手段は、前記制動力操作
    設定手段で設定された制動力の大きさに応じて回生制動
    力を制御するように構成されていることを特徴とする請
    求項2記載の走行体の制動装置。
  4. 【請求項4】 走行体車輪で走行し、且つ手動推進形式
    の走行体に制動力を付与する走行体の制動装置におい
    て、前記走行車輪に連結されて誘起電力を発生すると共
    に、制動力を発生する発電制動手段と、前記走行体の走
    行速度を検出する走行速度検出手段と、前記発電制動手
    段の発電電力によって駆動されて、前記走行速度検出手
    段で検出した走行速度が設定速度以上であるときに、当
    該発電制動手段の制動力を制御する制動力制御手段とを
    備えていることを特徴とする走行体の制動装置。
  5. 【請求項5】 前記発電制動手段は、前記制動力制御手
    段によって制動状態に制御されるときに、所定周期で制
    動状態を中断して発電状態に移行するように構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の
    走行体の制動装置。
  6. 【請求項6】 前記制動力制御手段は、発電制動手段で
    の発電電力を蓄積する電力蓄積手段を備えていることを
    特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の走行体の制
    動装置。
  7. 【請求項7】 前記制動力制御手段は、発電制動手段の
    制動状態を強制的に解除する制動解除手段を有すること
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の走行体の
    制動装置。
  8. 【請求項8】 前記発電制動手段は、走行体の車輪を支
    持する車軸に増速手段を介して連結されていることを特
    徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の走行体の制動
    装置。
  9. 【請求項9】 前記発電制動手段は、走行体の車輪を支
    持する車軸にクラッチ手段及び増速手段を介して連結さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記
    載の走行体の制動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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