JP2000131209A - 切削力と工具切れ刃温度の同時測定装置 - Google Patents

切削力と工具切れ刃温度の同時測定装置

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JP2000131209A
JP2000131209A JP10316987A JP31698798A JP2000131209A JP 2000131209 A JP2000131209 A JP 2000131209A JP 10316987 A JP10316987 A JP 10316987A JP 31698798 A JP31698798 A JP 31698798A JP 2000131209 A JP2000131209 A JP 2000131209A
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Yoshitaro Yoshida
嘉太郎 吉田
Noboru Morita
昇 森田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速切削時の物理化学現象を解明する為、切削
力及び工具切れ刃の温度を同時に測定する装置を提供す
る。また、この装置を利用して工具切れ刃摩耗量と切削
力と工具切れ刃温度の関係を予め求め、切削力と工具切
れ刃温度を測定することにより、工具摩耗を検出するこ
とを目的とする。 【構成】貫通孔のあいたフォースセンサの前面に同じく
貫通孔のあいたテスト用被削材を設置し、貫通孔の中に
測温プローブを配置させる。前記テスト用被削材を削る
ことによって、フォースセンサからは切削力を測定し、
貫通孔を工具の切れ刃が通過するときに工具切れ刃から
放出される赤外線を測温プローブを介して測定し、工具
切れ刃の温度を検出する。また、計測装置を軽量にする
ことによって、固有振動数を高め、高速切削の切削力追
従を可能ならしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速度で回転する工具に
よる切削力と切れ刃の温度を切削時に切れ刃毎に測定で
きるので、高速エンドミルなどの切削現象の解析装置な
どに利用される。また機械加工における切削加工時の工
具摩耗を検出する装置に利用される。特に、自動化され
た機械加工装置の工具の切れ刃の交換時期を適切に判断
する装置に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、金型材などの高硬度金属材料に対
して高能率な高速切削加工への要求が高まっている。加
工効率の向上には工作機械の主軸剛性・回転数の増加や
テーブル送りの高速化などが不可欠であるが、工具に対
しても従来にない過酷なスペックが要求されている。(A
l、Ti)Nなどの特殊コーティングにより耐熱性、耐摩耗
性を大幅に向上させた工具が実現しているものの、高硬
度金属材料の高速切削では工具損耗の改善が未だ重要な
研究課題となっている。高速切削における工具損耗の問
題は、高速で干渉する工具−被削材間の物理化学的作
用、とくに高応力場と高温度場が同時に関与する高速現
象を研究対象とするため実験的にも理論的にもほとんど
解明されていないのが現状である。また同様の理由によ
り、高速で干渉する工具−被削材間の作用力と温度上昇
を切れ刃毎に観察し、測定する装置が従来は存在しなか
った。
【0003】従って、マシニングセンタなどの自動機械
加工装置の工具交換時期なども、その交換時期は工具の
切れ刃を観測するというよりも、工具を使用した時間で
管理され、工具の切れ刃の摩耗を経験的に求まる使用時
間から推測し、工具を交換していた。また、時間で工具
を交換する以外の方法としては、機械加工後の被作物を
観察し、一定の精度で加工されているか、または表面の
加工粗さは一定の規準を満たしているかなどを測定し、
工具交換の判断規準にしていた。また工具切れ刃を直接
観測する方法としては、直接顕微鏡で工具切れ刃を観察
したり、工具切れ刃を指先でなぞったりして工具切れ刃
の摩耗を読み取り、工具の交換を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、高硬度金属材料
の高速エンドミル加工における工具損耗現象を基礎的に
理解し、工具を適切な時期に交換し資源を大切に使用す
るという科学的及び社会的要求から、高速で切削加工す
る工具刃先に作用する衝撃的な切削力又は切削抵抗とそ
れに伴う急激な温度変化を高い時間分解能で計測するこ
とが求められている。そこで、切削力の各分力と切れ刃
温度を1切れ刃毎に観測できる装置を新たに開発し、切
削速度と切削力、切れ刃温度との関連について検討し、
高速切削時に起こる物理化学的作用を解明するととも
に、その観測装置を利用して切削加工時にその物理現象
を直接観測することによって、より正確な工具の摩耗を
把握する装置を提供する。
【0005】特に、工具の交換に関しては、従来の方法
では効率が悪かった。つまり、工具を経験則で求まる時
間で交換した場合、まだ切れ刃の摩耗が少ないのに工具
を交換してしまったり、摩耗が進んでいるのに気がつか
ずに所定の時間がくるまで切削加工をしてしまい、被作
物を所定の精度で加工できなかったりする不具合が発生
したりしていた。また、いちいち被作物の加工精度を測
定し工具摩耗を推測するのでは、被削される加工物の設
計が代わる度に、精度測定の為の設定なども変更しなく
てはならず、また工具を取り外して切れ刃を直接確認す
るにはあまりにも手間がかかりすぎていた。それらの課
題を克服すべく、切削加工時の物理現象を直接観測し、
正確に容易にすばやく工具の摩耗を検出し、被作物に依
存しない工具の検出方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では前記課題を克
服する為に、次のような切削装置に取付けられる切削力
と工具切れ刃温度の同時測定装置を開発した。つまり、
中央に貫通孔を有するフォースセンサと、フォースセン
サをカバーするように取り付けられ、フォースセンサの
貫通孔に連続する貫通孔を持ち被削テストされるテスト
材とを有し、前記貫通孔内に測温プローブを配置し、そ
の測温プローブにより切削装置の工具の切れ刃温度を測
定するとともにフォースセンサにて切削時に作用する切
削力の両物理量を同時に測定することを特徴としてい
る。また前記切削力と工具切れ刃温度の同時測定装置
は、切削装置の被削材載置台よりも固有振動数を高く
し、該被削材載置台の一部に取付けられることを特徴と
している。又、前記テスト材の被削される部分が周囲よ
り突出しており、前記貫通孔のあいた平面であることを
特徴としている。また更に前記切れ刃温度の測定は測温
プローブを通して伝わってくる切れ刃の表面温度情報を
測定するものであることを特徴としている。そして更に
工具の切れ刃の摩耗進度とフォースセンサから導き出さ
れる切削力と測温プローブにより検知される切れ刃表面
温度の関係をサンプル工具を使って導き出し、工具切れ
刃の摩耗を切削力と切れ刃表面温度の変化から検出する
ことを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明に係る切削力と工具切れ刃温度の同時測
定装置においては、フォースセンサとテスト材の中央に
貫通孔を設け、測温プローブを配置することで切れ刃の
赤外線を測温プローブを通して表面温度測定装置に送る
ことができ、切削力と切れ刃の表面温度の2つの物理量
を一度に測定することができる。また、固有振動数を高
くしているので、フォースセンサはより高周波数への追
従が可能となっており、高速で切削される切れ刃の1刃
毎の切削力の測定が可能である。また、被作物載置台の
一部分に取付けることができるので、切削加工中の工具
の切れ刃を被作物からテスト材に移動させテスト材を切
削することにより、切削加工中に切れ刃の状態、特に摩
耗量を検出できる。つまりサンプルの工具を利用して、
工具切れ刃の摩耗量と一刃当たりの切削力と表面温度の
関係を求めておき、次回からは一刃の切削力と表面温度
を測定することによって切れ刃の摩耗量を検出すること
ができる。この摩耗量の検出は、工具毎に摩耗量と切削
力と切れ刃表面温度の関係を調べておけばよく、被作物
との関係を予め調べる必要がなくなる。テスト材の被削
される部分は周囲より突出しており、前記貫通孔のあい
た平面であるので、テスト材の被削面を削った直後の切
れ刃の表面温度情報が貫通孔を通して測温プローブに到
達することが出来、出来る限り測定物である工具の切れ
刃に近づいた形で測定が行われるので、より精度が高く
信頼のおける測定装置となっている。又切れ刃の表面温
度情報である赤外線は測温プローブを介して伝わり、測
定装置に入力され表面温度を測定することが出来る。
【0008】
【実施例】図1は本発明の切削力と切れ刃温度同時測定
装置の計測部本体1の外観図、図2は計測部本体1の分
解図である。切削力と切れ刃温度同時測定装置は、切削
力と切れ刃温度を計測する計測部本体1ならびに測定デ
ータを取り込み処理するデータ処理部から構成されてい
る。計測部本体1は、ベース2、サブプレート3、水晶
圧電式3成分フォースセンサ4(KISTLER社製9117A、重
量24g)、赤外線放射温度計(Luxtron社製Accufiber Mode
l100広帯域仕様)の測温プローブ5、テスト被削用のテ
スト材6からなり、全重量はおよそ6.2kgである。
【0009】テスト材6の中央には直径4.2mmの貫通孔
7を空けており、フォースセンサ4中央の貫通孔12と
ベース2の貫通孔13と連続し、測温プローブ5が挿入
され配置されている。そして、テスト材6の被削面14
を周囲より突出せしめて被削面14を構成し、中央に貫
通孔7があいていることにより、工具の切れ刃は被削面
14を切削した直後に貫通孔7上を通過し測温プローブ
5へ向かって赤外線を放射するので、切削直後の切れ刃
の温度を測定することができる。被削面を突出させるこ
とで、テストで切削する工具切れ刃の当たり幅を最小限
にして、工具摩耗を最小限に抑えるとともに、テスト材
6のサブプレート3への取付けを容易にしている。又テ
スト材6は小型軽量のものを用いることで、測定系の固
有振動数を約18kHz程度まで高くしており、高速切削つ
まり切削力の高周波数での変化に対応できるようにして
いる。フォースセンサ4に対する予荷重はトルクレンチ
でサブプレート3へボルト10により固定され4点とも
一定のトルクにて均一に負荷され締め付けられている。
また、フォースセンサ4の感度はテスト材6装着ごとに
リングゲージを用いて高精度に校正される。これらの操
作によりテスト材6の交換に伴う測定誤差を極力小さく
している。また、サブプレート3はボルト9でベース2
に、ベース2はボルト8で被削物設置台11にそれぞれ
取付けられる。
【0010】図3は、切れ刃とテスト材と測温プローブ
の関係図である。図4はA−A断面図である。テスト材
6の被削面14をエンドミル工具15で下向き側面切削
するときの切削力の工具接線方向分力FT(図中X方向分
力)および半径方向分力FR(図中Y方向分力)を測定するこ
とができる。図中の矢印はエンドミル工具の回転方向で
ある。切削中に昇温したエンドミル工具15の切れ刃1
6がその直後にテスト材6中央の貫通孔7上を通過する
とき、エンドミル工具15の切れ刃16から放射される
赤外線は口径1.27mm、受光角度52゜の測温プローブ5
によって受光され、一枚毎の切れ刃温度が測定される。
【0011】図5は赤外線放射温度計の構造図である。
切れ刃16から放射された赤外線は、サファイア製の測
温プローブ5と石英の光ファイバー17を介して伝送さ
れ、光電変換素子18(シリコンフォトダイオード)で電
気信号に変換される。このため、温度計全体の応答速度
は光電変換素子18と増幅回路により決定される。高速
回転中のエンドミル工具15の切れ刃温度を測定する場
合、温度計の応答速度が十分高くなければならない。そ
こで、赤外線放射温度計25は周波数特性の補正がなさ
れている。
【0012】図6はその補正方法を表した簡略図であ
る。電気加熱炉20で500℃に加熱した試料21から
の赤外放射光を高速回転のチョッパーブレード22を介
して断続的に測定した。試料21表面に線径25μmの
クロメル−アルメル熱電対をろう付けして試料温度を測
定し、表面温度が一定となるようPID制御した。試料2
1には超硬合金(JIS規格Z20相当、日立ツール社製)を用
い、赤外線放射温度計25からの出力電圧をデジタルデ
ータレコーダ23により記録した。チョッパープレート
22には約1゜の間隔のスリット24を12゜間隔に30ス
リット(図では省略)設けており、チョッパープレート
22の回転数を変化させることで断続周波数を69Hz
から2775Hzまで変化させた。この周波数は、4枚
刃のエンドミル工具を用い主軸回転数1000rpmか
ら40,000rpm程度で、切れ刃一枚毎の温度を測
定する場合に相当している。
【0013】図7は、チョッパーブレード回転数138
rpm(69Hz)での赤外線放射温度計出力電圧の波
形の一例である。縦軸が出力電圧、横軸が時間の経過を
表している。
【0014】図8は赤外線放射温度計25の出力電圧の
周波数特性である。測定値は各断続周波数における1ス
リット当たりの出力電圧波形の最大値を全スリット(30
スリット)で平均した値である。横軸の周波数でみると6
00Hz程度まではフラットな特性を示すが、それ以上の周
波数になると縦軸の出力電圧(Gain)が一定の割合
で減衰することがわかる。このことは、600Hz以上の断
続周波数では何らかの補正を行わないと正確な温度測定
ができないことを示している。次の式は断続周波数600H
z以上の領域における出力電圧の直線近似式である。G
=24.256−8.7272logf・・・(1)こ
こでGは赤外線放射温度計25の出力電圧(dB)、fは断
続周波数(Hz)である。断続周波数600Hz以上の領域
においては、(1)式から出力電圧の減衰割合を求め
て、出力電圧が周波数によらず一定となるように出力電
圧に係数をかけて電圧補正を行うことにした。
【0015】また赤外線放射温度計25の温度校正方法
は前項の周波数分析と同様に行っている。エンドミル工
具15と同材料の試料を電気加熱炉20で加熱し、試料
21表面からの赤外放射光を回転させたチョッパーブレ
ード22を介して各温度毎に測定した。測定は各温度毎
に3回行い平均値を求めた。チョッパーブレードの回転
数は赤外線放射温度計が十分応答できる200rpm
(100Hz)程度とし、試料21には前述の超硬合金(JIS
規格Z20相当、日立ツール社製)とこれに(Al、Ti)N被
膜を施したものの2種類を用いた。
【0016】図9は各試料の試料温度と温度計出力電圧
との関係である。温度の上昇に伴い出力電圧が急増する
ことがわかる。物体からの赤外光強度はプランク(Plan
k)の法則から導かれた次のウィーン(Wien)の近似式で与
えられる。
【0017】
【数1】
【0018】ここでMλは物体の単位面積から単位時間
に放射される波長λの赤外線強さ、Tは絶対温度(K)、c1
は3.743×108(Wμm/m2)、c2は1.4387×10000(μmK)、ε
λは放射率である。本実施例で使用している赤外線放射
温度計25は、波長0.95μmの赤外線を測定している。
また、放射率ελは測定対象物の材種、状態などにより
異なる。赤外線放射温度計25の出力電圧は測定対象物
からの赤外線の強さに比例して出力されるので、各試料
における校正曲線は次式で与えられる。
【0019】
【数2】
【0020】ここでVは赤外線放射温度計25の出力電
圧、σは測定対象物に関わる定数、λは0.95μmであ
る。図9中の曲線は前式でフィッティングしたものであ
り、超硬合金および(Al、Ti)N被膜における定数σは、
それぞれ3.4849と2.6987であった。エンドミル工具材種
による各校正曲線を予め求め、切削時の赤外線放射温度
計25の出力電圧から切れ刃表面温度を求めることがで
きる。
【0021】図10は、本実施例の全体構造図である。
マシニングセンタ(松浦機械製作所製、FX−5)の被作物
載置台11に計測部本体1を固定し、表1に示す切削条
件のもとでテスト材6の乾式下向き側面切削を行った。
【0022】
【表1】
【0023】主軸回転数は10,000rpmで一定とした。エ
ンドミル工具26は直径10mmの超硬ソリッドエンドミル
(日立ツール社製、4枚刃、ねじれ角30゜、すくい角6
゜外周逃げ角9゜、コーティング無)で、逃げ面摩耗幅
が30μm程度のものと逃げ面摩耗幅が60μm程度でチッピ
ングありのものをそれぞれ使用した。図11はそれぞれ
の工具の切れ刃状態である。aは工具切れ刃の逃げ面摩
耗幅が30μm程度のものの拡大図、bは工具切れ刃の逃
げ面摩耗幅が60μm程度でチッピングありのものの拡大
図でテスト材6は合金工具鋼SKD61(HRC50)である。切り
込み0.1mm、送り0.05mm
【0024】図12は図11のa、図13は図11のb
のエンドミル工具を使用したときの切削分力と切れ刃表
面温度波形である。それぞれ上段が切削力の工具接線方
向分力、中段が切削力の半径方向分力、下段が工具の切
れ刃温度を示す。切削分力、切れ刃表面温度ともに工具
摩耗が大きい場合に増大している。切れ刃表面温度波形
が切削分力波形と同期せず遅れて出力されるのは、工具
切れ刃がテスト材を削り切削分力が測定された後、切れ
刃がテスト材の貫通孔を通過するためである。切削分力
と切れ刃表面温度の波形は工具損耗の程度に極めて敏感
であり、損耗工具では著しい波高の増大が見られる。ま
た、チッピングが生じると波形に突出した部分が観察さ
れるようになる。このように本実施例は計測器本体1の
固有振動数が高いため10000rpmという高周波数
で回転する切れ刃に良く追従し、切削分力と切れ刃表面
温度波形の変化を測定すると共に、それらの値は工具切
れ刃の損耗状態を良く反映していることを示している。
【0025】従って、本発明の実施例の装置は高速切削
現象のモニタリングだけではなく、予めサンプル工具の
摩耗状態と、切削力及び切れ刃表面温度の関係を調べて
おくことで、切削力と切れ刃表面温度から、エンドミル
工具の切れ刃の摩耗を検出することが出来る。
【0026】又、本実施例により今まで出来なかった高
速エンドミル加工における切削力と切れ刃温度の切削速
度依存性についての測定ができるようになり、高い信頼
性をもった実測例を作ることが出来た。つまり高硬度金
属材料のエンドミル加工における切削力と工具の切れ刃
温度を本実施例により測定し、その速度依存性について
検証を可能ならしめた。
【0027】図14は、切れ刃表面温度と切削速度の測定
結果からそれらの関係を表したグラフである。それぞれ
切削力および切れ刃温度の切削速度依存性である。図中
の値は抽出した波形の最大値をプロットしている。これ
らの値も予め考慮して工具の切れ刃摩耗の検出装置に補
正要素として入れ込むことができる。本実施例による測
定によると切削力、切れ刃表面温度ともに、切削速度の
上昇に伴い増大する傾向にある。特に切れ刃表面温度の
増大は切削速度に比例して顕著に増加している。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明の切削力、工具切れ
刃温度同時測定装置は計測部本体の中央にテスト材の切
削面まで続く一連の貫通孔をあけ、測温プローブを前記
貫通孔に配置せしめることによって、切削力と工具切れ
刃温度を同時に測定可能となった。また、又、計測部本
体の固有周波数を被作物載置台よりも高くすることによ
って、いままで不可能であった高速切削の切れ刃毎の切
削力の測定を可能にせしめ、高速切削時の物理化学現象
の解明に著しく貢献した。また、予め工具摩耗量と切削
力、切れ刃表面温度を予め測定しておくことにより、摩
耗量を切削力、切れ刃表面温度から検出することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】計測器本体の概観図
【図2】計測器本体の分解図
【図3】切削力、切れ刃温度測定の模式図
【図4】図3A−A断面図
【図5】赤外線放射温度計の構造図
【図6】赤外線放射温度計の周波数特性補正方法簡略図
【図7】赤外線放射温度計出力電圧の波形一例
【図8】赤外線放射温度計の出力電圧の周波数特性
【図9】試料温度と温度計出力電圧との関係
【図10】全体構造図
【図11】工具の切れ刃状態図
【図12】切削分力と切れ刃表面温度波形図(摩耗幅3
0μm時)
【図13】切削分力と切れ刃表面温度波形図(摩耗幅6
0μm時)
【図14】切れ刃表面温度と切削速度の関係
【符号の説明】
1 計側部本体 2 ベース 3 サブプレート 4 フォースセンサ 5 測温プローブ 6 テスト材 7 貫通孔 8 ボルト 9 ボルト 10 ボルト 11 被作物設置台 12 貫通孔 13 貫通孔 14 被削面 15 エンドミル工具 16 切れ刃 17 光ファイバー 18 光電変換素子 20 電気加熱炉 21 試料 22 チョッパーブレード 23 デジタルデータレコーダ 24 スリット 25 赤外線放射温度計 26 エンドミル工具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 5/08 G01J 5/08 A 5/10 5/10 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削装置に取付けられる測定装置であっ
    て、中央に貫通孔を有するフォースセンサと、該フォー
    スセンサをカバーするように取り付けられ該フォースセ
    ンサの貫通孔に連続する貫通孔を持ち被削テストされる
    テスト材とを有し、前記貫通孔内に測温プローブを配置
    し、該測温プローブにより切削装置の工具の切れ刃温度
    を測定するとともに前記フォースセンサにて切削時に作
    用する切削力を測定することを特徴とした切削力と工具
    切れ刃温度の同時測定装置。
  2. 【請求項2】 前記切削力と工具切れ刃温度の同時測定
    装置は、切削装置の被削材載置台よりも固有振動数を高
    くし、該被削材載置台の一部に取付けられることを特徴
    とする請求項1の切削力と工具切れ刃温度の同時測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記テスト材の被削される部分が周囲よ
    り突出しており、前記貫通孔のあいた平面を有すること
    を特徴とした請求項2の切削力と工具切れ刃温度の同時
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記工具切れ刃の温度の測定は前記測温
    プローブを介して伝達される工具切れ刃の表面温度情報
    を測定するものであることを特徴とした請求項3の切削
    力と工具切れ刃温度の同時測定装置。
  5. 【請求項5】 前記工具切れ刃の摩耗進度と前記フォー
    スセンサからの切削力と前記測温プローブからの工具切
    れ刃の表面温度の関係をサンプル工具を使って導き出
    し、切削力と工具切れ刃の表面温度から工具切れ刃の摩
    耗を検出することを特徴とする請求項4の切削力と工具
    切れ刃温度の同時測定装置。
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