JP2000131069A - 電子式方位計およびその方位角度表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 方位計の着磁等による検出出力の誤差の調整
を行った後の誤差をあらかじめ方位角度のわかっている
任意の一方向の出力値を基準値に安易方法でかつ正確に
修正できる電子式方位計およびその方位角度表示方法の
提供 【解決手段】 地磁気の大きさを検出する地磁気検出手
段１０と、方位角度を検出する動作を開始する方位表示
スイッチ装置２と、方位表示スイッチ装置２が操作され
た際に地磁気検出手段１０からの出力値により地磁気の
向きを演算する方位角度演算装置１１と、方位角度演算
装置１１により求められた方位角度を表示する方位角度
表示装置４と、補正操作を行うための補正スイッチ装置
３と、方位角度表示装置４により表示された方位角度を
参照して補正スイッチ３を操作し、補正スイッチ３の入
力値により補正値を求める補正値算出手段１２を備える
電子式方位計およびその方位角度表示方法

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地磁気の検出によ
り所望の向きの方位を正確に認識できる電子式方位計に
関し、特に検出誤差の補正を行う補正装置を有する電子
式方位計およびその方位角度表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両や移動体の進行方向を知る手
段として電子式方位計が用いられている。これを用いる
ことで北の方向や、進行方向の方位角度を知ることがで
きる。

【０００３】従来の電子式方位計の構成を図３を用いて
説明する。方位計は地磁気の大きさを測定した後適当な
出力を行う地磁気検出手段１０と、上記地磁気検出手段
から入力された値に応じて方位を演算する方位角度演算
装置１１と、演算された方位を表示する方位角度表示装
置４と、方位計測を開始を行うための方位表示スイッチ
装置３とで構成されている。

【０００４】方位角度演算装置１１は地磁気検出手段１
０と方位角度表示装置４と汎用スイッチ装置３と接続さ
れている。一例として地磁気検出手段１０はフラックス
ゲート式磁気センサと直流増幅器とＡ／Ｄ変換器により
構成されており地磁気ベクトルの成分（ｘ、ｙ）は各々
デジタルデータとして出力される。また、方位角度演算
装置はマイクロコンピュータを用いることにより実現さ
れる。

【０００５】つぎに、従来の電子式方位計の動作を図３
を用いて説明する。使用者は汎用スイッチ装置３を操作
することにより地磁気検出手段１０が地磁気検出の開始
を行うための信号を出力し、地磁気検出手段１０は磁北
からの回転角度の大きさに応じて出力値を変え、方位角
度演算装置１１に出力する。たとえばフラックスゲート
方式の磁気センサを使用した地磁気検出手段では、互い
に直交するｘ、ｙ成分の検出コイルを使って地磁気のｘ
成分、ｙ成分を直流増幅器とＡ／Ｄ変換器を通してデジ
タルデータに変換し、方位角度演算装置は各々の成分を
持つベクトルの逆正接を求めることにより方位角度を演
算する方法がある。

【０００６】求められた方位角度は方位角度表示装置４
により表示され、使用者が北の方向や進行方向の方位角
度を知ることができる。

【０００７】電子式方位計が表示する方位角度は上記地
磁気検出手段１０が地磁気を検出して、その方角による
出力値の変化に基づいて演算により求めることができ
る。しかしながら現実には、地磁気検出手段１０が検出
する磁気は地磁気以外に方位計自身が持っている磁気成
分も加わっていることがほとんどである。これは方位計
の部品が磁化される材料で構成されているためである。

【０００８】従来技術では、補正するために一例として
特開平６−２８１４６３が出願されている。これは電子
式方位計の一回転して得られる出力軌跡が円になること
と、その円の中心値が補正値であることを利用して互い
に１８０°なす方向の２点の出力値から着磁量を得る手
段である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記出
願された手段では地磁気検出手段から出力された値の軌
跡は真円であることを前提としているが実際は図４のよ
うに真円とは異なることは長年の実験の結果で明らかと
なっている。つまり、互いに１８０°をなす方向から出
力された値により求められた補正値からは検出誤差のす
べての原因を完全に補正されることはできない。

【００１０】そのため角度誤差はある方位ではゼロであ
るが別の方位ではゼロではないといった現象が起きる。
つまり具体例で説明すると、図１のように真北に向かっ
て計測したにもかかわらず、０°ではなく３°と表示さ
れてしまう現象が起きてしまうのである。

【００１１】［発明の目的］本発明は、上記の如き事情
に鑑みてなされたものであり、方位計の着磁等による検
出出力の誤差の調整を行った後のわずかに残る誤差を、
あらかじめ方位角度のわかっている任意の一方向の出力
値を基準値に用いることにより安易な方法でかつ正確に
修正できる電子式方位計およびその方位角度表示方法の
提供を目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の電子式方位計では、地磁気の大きさを検出する
地磁気検出手段と、方位角度を検出する動作を開始する
方位表示スイッチ装置と、上記方位表示スイッチ装置が
操作された際に上記地磁気検出手段からの出力値により
地磁気の向きを演算する方位角度演算装置と、上記方位
角度演算装置より求められた方位角度を表示する方位角
度表示装置と、補正操作を行うための補正スイッチ装置
と、上記方位角度表示装置により表示された方位角度を
参照して上記補正スイッチを操作し、上記補正スイッチ
の入力値により補正値を求める補正地算出手段と、上記
補正値算出手段より求められた補正値により地磁気検出
手段の出力を補正し、上記補正された出力値より方位角
度を演算し、上記求められた方位角度を表示することを
特徴とする。

【００１３】また本発明の電子式方位計の方位角度表示
方法では、地磁気検出手段から出力された値を演算する
ことにより方位角度を求め、上記求められた方位角度を
表示し、上記表示された方位角度をスイッチ操作により
修正することにより真の方位角度を入力し、上記入力さ
れた値から補正値を演算し、次回方位角度を表示する際
に上記補正値により地磁気検出手段からの出力値を補正
し、上記補正された出力値から方位角度を演算し、上記
方位角度を表示することを特徴とする。

【００１４】［作用］地磁気検出手段から入力された地
磁気成分を方位演算装置により方位角度を演算表示し、
方位角度の誤差角度を使用者は確認することができる。
使用者は前述の誤差角度をスイッチ装置により修正する
ことにより補正値を入力することが可能になる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の最適な実施の形態
の電子式方位計を図面に基づいて具体的に説明する。図
１は本発明の実施形態における電子式方位計を示す図で
ある。図２は本発明の実施形態における回路構成の一例
を示すブロック図である。図５は本発明の実施形態にお
ける補正値を入力する動作手順を示すフローチャート図
である。

【００１６】［全体構成説明：図１］図１は、本発明に
係る電子式方位計の概略平面図であり、ケース１に、方
位表示スイッチ装置２と、補正スイッチ装置３と、方位
角度表示装置４とが設けられている。

【００１７】方位表示スイッチ装置２は、方位測定を開
始するためのスイッチである。補正スイッチ装置３は補
正用のデータを入力するためのスイッチである。使用者
は前述の補正スイッチ装置３を操作することにより任意
の補正データを入力することができる。方位角度表示装
置４は方位角度を表示することが可能であり液晶表示装
置などを使用して使用者に方向を示すことができる。

【００１８】［回路構成説明：図２］つぎに、ケース１
の内部構成について図２を用いて説明する。ケース１の
内部は地磁気検出手段１０と、方位角度演算装置１１
と、方位表示スイッチ装置２と、補正スイッチ装置３
と、方位角度表示装置４と、補正値算出手段１２で構成
されている。

【００１９】地磁気検出手段１０は、一例としてフラッ
クスゲート式磁気センサと、増幅器と、Ａ／Ｄ変換器で
構成され、方位計の磁北からの回転角度に応じて出力値
を変える検出器であって方位角度演算装置１１と接続さ
れている。

【００２０】方位角度演算装置１１は地磁気検出手段１
０の他に、方位表示スイッチ装置２と、方位角度表示装
置４と、補正値算出手段１２と接続されている。補正値
算出手段１２は補正スイッチ装置３と接続されている。

【００２１】［回路動作説明：図２］つぎに、本発明の
電子式方位計が地磁気を検出した後、方位を表示する動
作の説明を図２を用いて説明する。

【００２２】地磁気の検出は方位表示スイッチ装置２を
操作することにより開始する。方位表示スイッチ装置２
の操作により地磁気検出手段１０は地磁気成分を検出
し、前述の検出された地磁気成分は方位角度演算装置１
１に地磁気データとして出力される。

【００２３】前述の方位角度演算装置１１は入力した地
磁気データを適当な演算を行うことにより方位角度に変
換する。求められた方位角度は補正値算出手段１２から
の補正値を読み取り、補正された後に方位角度表示装置
４により、たとえば数値や矢印のように使用者が理解で
きるような表示をすることができる。

【００２４】［補正値入力動作説明：図１、図５］つぎ
に補正値入力の動作説明を図１と図５を用いて説明す
る。使用者は補正スイッチ装置３を操作して補正モード
に入り（図５−５１）、方位表示スイッチ装置２を操作
して通常の方位測定と同じ動作で方位角度表示を行う
（図５−５２）。そのとき表示された方位角度は正しく
ないものであるため、使用者は補正スイッチ装置３を操
作することにより正しい表示角度になるように修正する
（図１−［誤った表示］、図１−［正しい表示］、図５
−５３）。

【００２５】図１の例では間違った方位角度３°を、補
正スイッチ装置により０°に修正していることが示され
ている。補正値算出手段１２は前述で入力された補正ス
イッチ装置３の操作値により補正値を記憶する（図５−
５４）。図１の例では３°が補正量であることが示され
ている。

【００２６】以上のようにして求められた補正値は次回
測定からは、地磁気検出手段から求められた方位角度か
ら補正値の差分を取り、前述の補正された方位角度を方
位角度表示装置４により表示される。

【００２７】また、前述の補正作業は既知の方位角度に
一致するように行ったが、別な用途として偏角値があら
かじめわかっているのであれば磁北に対する偏角補正値
を入力することにより地域毎の正確な北方向を知ること
も可能である。

【００２８】なお、前述の実施の形態で述べた地磁気検
出手段はフラックスゲート方式のセンサとしたが、ホー
ル素子や磁気抵抗素子（ＭＲ素子）を適用しても、同様
の効果が得られる。

【００２９】

【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
装置自体の着磁等による検出出力の誤差による方位角度
表示の誤りをを容易な操作でかつ正確な補正ができる電
子式方位計の提供を可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の電子式方位計の構成を示
す図面である。

【図２】本発明の実施の形態の電子式方位計の回路構成
を示す図面である。

【図３】従来技術の電子式方位計の回路構成を示す図面
である。

【図４】電子式方位計の着磁前後の出力値軌跡を示す図
面である。

【図５】本発明の実施の形態の電子式方位計のフローチ
ャートを示す図面である。

【符号の説明】

１：ケース ２：方位表示スイッチ装置 ３：補正スイッチ装置 ４：方位角度表示装置 １０：地磁気検出手段 １１：方位角度演算手段 １２：補正値算出手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地磁気の大きさを検出する地磁気検出手
   段と、 方位角度を検出する動作を開始する方位表示スイッチ装
   置と、 上記方位表示スイッチ装置が操作された際に上記地磁気
   検出手段からの出力値により地磁気の向きを演算する方
   位角度演算装置と、 上記方位角度演算装置によって求められた方位角度を表
   示する方位角度表示装置と、 補正操作を行うための補正スイッチ装置と、 上記方位角度表示装置により表示された方位角度を参照
   して上記補正スイッチを操作し、上記補正スイッチの入
   力値により補正値を求める補正値算出手段を備え、 上記補正値算出手段より求めた補正値により地磁気検出
   手段の出力を補正し、 上記補正された出力値より方位角度を演算し、 上記求められた方位角度を表示することを特徴とする電
   子式方位計。
2. 【請求項２】 地磁気検出手段から出力された値を演算
   することにより方位角度を求め、 上記求められた方位角度を表示し、 上記表示された方位角度をスイッチ操作により修正する
   ことにより真の方位角度を入力し、 上記入力された値から補正値を演算し、 次回方位角度を表示する際に上記補正値により地磁気検
   出手段からの出力値を補正し、 上記補正された出力値から方位角度を演算し、 上記方位角度を表示することを特徴とする電子式方位計
   の方位角度表示方法。