JP2000126158A - 力触覚呈示装置の制御方法 - Google Patents

力触覚呈示装置の制御方法

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JP2000126158A
JP2000126158A JP30236498A JP30236498A JP2000126158A JP 2000126158 A JP2000126158 A JP 2000126158A JP 30236498 A JP30236498 A JP 30236498A JP 30236498 A JP30236498 A JP 30236498A JP 2000126158 A JP2000126158 A JP 2000126158A
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muscle
joint
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pair
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JP30236498A
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Takeshi Hayakawa
健 早川
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Original Assignee
Sony Corp
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の筋肉を同時に刺激するに際して、関節
を駆動する筋肉について対をなすものを選定し、両筋肉
に電気刺激を与えて緊張させることで違和感のない力触
覚の呈示を可能にする。 【解決手段】 複数の筋肉に対して同時に電気刺激を与
えるための効果器1dを備えた力触覚呈示装置1におい
て、関節とこれを駆動する筋肉の伸縮とを関係付けるデ
ータベースを予め構築しておき、その後、対象となる関
節を特定したときに、該関節を駆動させるのに必要な複
数の筋肉のうちから対をなす伸筋及び屈筋を選定し、両
筋肉をともに緊張させるように当該筋肉に付設される効
果器1dを通して電気刺激を付与する。その際、関節や
対偶の位置と、これにかかる重力との関係に応じて伸筋
と屈筋との間の収縮比率を変化させたり、あるいは、対
偶への負荷については、荷重を加えることで働く筋肉を
追加・選択して当該筋肉に対しても電気刺激を付与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象となる関節を
動作させる筋肉に対して適切な電気刺激を与えることに
よって違和感のない力触覚の呈示を可能とする力触覚呈
示装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】干渉波による電気刺激を利用した、所謂
干渉波治療器が知られており、この種の機器では、筋肉
における所望の位置を特定して、その一ヵ所にのみ付設
される効果器を通して干渉波による電気刺激を与える方
法が用いられている。
【0003】また、仮想現実(バーチャルリアリティ)
や遠隔現実(テレリアリティ)等の分野では、コンピュ
ータによって創出される仮想空間(あるいは仮想世界)
や操作者からは隔絶した遠隔世界(あるいは遠隔環境)
における力触覚や温度感覚を、該使用者に体感させるこ
とができるようにするためのマン・マシンインターフェ
ースとして、力触覚グローブ等を使った力触覚呈示装置
が知られている。この装置は、主に視覚や聴覚によって
認知される仮想現実感を、さらに力学的な感覚(力覚や
触覚を含む力触覚)にまで拡張したり、あるいは、遠隔
世界における操作感覚に臨場感を与えるために導入され
るもので、例えば、電気粘性流体等による皮膚への力学
的作用、あるいは筋肉への電気刺激を利用して、人間の
手や腕等に作用を及ぼすものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置における制御方法にあっては、筋肉における特定の
位置に刺激を与えるに止まっているため、力触覚呈示装
置の使用者には筋肉の局部的な刺激しか感じられず、使
用者が実際に当該筋肉を動かしたときに感じる運動感覚
とは違った感覚を抱く場合が生じるといった問題があ
る。
【0005】腕及び肘関節を例にすると、上腕二頭筋の
みに刺激を与えた場合には、腕が勝手に動く感じとなっ
たり、手がぶらぶらしたような感覚を受けるといった不
都合が起きてしまう虞がある。
【0006】そこで、本発明は、複数の筋肉を同時に刺
激するに際して、関節を駆動する筋肉について対をなす
ものを選定し、両筋肉に電気刺激を与えて緊張させるこ
とで違和感のない力触覚を呈示することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を
解決するために、対象となる関節を特定した後、該関節
を駆動するのに必要な複数の筋肉のうちから対をなす筋
肉として伸筋及び屈筋を選定して、両筋肉をともに緊張
させるように当該筋肉に付設される効果器を通して電気
刺激を付与するようにしたものである。
【0008】従って、本発明によれば、対をなす伸筋及
び屈筋をともに緊張させるように電気刺激を与えること
によって、違和感のない運動感覚の呈示が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る制御方法の説明を行
う前に、力触覚呈示装置の構成例を図1に従って説明す
る。
【0010】力触覚呈示装置1は、入力部1a、制御部
1b、出力バッファ群1c、効果器1d、モデル構築/
計算処理部1e、画像処理部1f、表示部1gを備えて
いる。
【0011】入力部1aは、キーボードやポインティン
グデバイス等の一切の入力手段を含んでおり、データの
手動入力又は自動入力に必要とされ、これによって取得
した情報は制御部1b及びモデル構築/計算処理部1e
に送出される。
【0012】制御部1bは、その後段に位置する出力バ
ッファ群1cを介して効果器1dに電気信号を送出す
る。
【0013】効果器1dは、人体の皮膚に接触して使用
するために、人体の手足、体の一部等の形状に適合する
形状をもって作成される。例えば、その形態には、グロ
ーブ、ボディスーツ、アームバンド、指サック、ソック
ス等が挙げられる。尚、図1では人体の腕に取り付けて
使用する効果器1dが示されている。また、力触覚の
他、温度(感)覚を併せて呈示するために、効果器1d
に多数の熱制御用素子(ペルチェ素子等)を組み込ん
で、該素子の熱制御により、人体にとって危険のない温
度範囲で熱や温度を感じることができるように構成する
とさらに効果的である。
【0014】人体の皮膚表面において電気刺激を付与す
る方法としては、例えば、一対の振動子を皮膚に付設し
て、同一周波数帯の刺激を同時に与えると、その振動子
間における皮膚表面の中央が振動刺激されるような錯覚
を感じ、さらに片方の振動子の周波数を他方の振動子の
周波数に対して変化させるとその振動刺激の位置が移動
するといった感覚が得られる現象(所謂、「Phant
om Sensation」)を利用して、これを干渉
波による電気刺激として筋肉に与える方法が挙げられ
る。
【0015】図2乃至図5は、人体の皮膚表面や筋肉に
対して電気刺激を付与するための効果器1dにおける構
成要素のうち、多数の電極2、2、・・・(電極アレ
イ)を有する電極シート3の一例を示すものである。
【0016】図2に示すように、電極2、2、・・・を
有する電極シート3は、例えば、前腕Aに貼着して使用
される。本例では、電極シート3が、矩形状に形成され
ており、一方の辺の長さが前腕Aの長さとほぼ同じで、
他方の辺の長さが前腕Aの周方向の長さとほぼ同じにな
っている。これにより、電極シート3を前腕Aに巻き付
けると、前腕Aはそのほぼ周面を電極シート3で覆われ
るようになっている。
【0017】電極シート3は、図3に示すように、シー
ト5、導通シート6、配線シート7、表面シート8、ラ
バーシート15を積層した構成を有している。
【0018】シート5は、前腕Aの皮膚側に位置するシ
ートであり、これには、多角形状(例えば、正方形や正
六角形等)をした小さな電極孔9、9、・・・(図4参
照。)がマトリックス状に多数形成され、該電極孔9、
9、・・・に導電ポリマーが充填されることで、電極
2、2、・・・がシート上に規則的に形成されている。
【0019】導通シート6は、シート5の表面側に積層
され、該導通シート6のうち、上記各電極2、2、・・
・に対応する位置には、上記電極2、2、・・・よりも
充分に小さい相似形の通電孔10、10、・・・(図4
参照。)が形成され、該通電孔10、10、・・・に導
電ポリマーを充填して、これを通電部11、11、・・
・としている。尚、導通シート6は、配線シート7の各
配線パターンと皮膚側のシート5上の電極2、2、・・
・とが短絡しないようにするために設けられるものであ
る。
【0020】配線シート7は、導通シート6の表面側に
積層されるものであり、これには、端子部13、13、
・・・や配線パターン14、14、・・・が形成されて
いる。つまり、配線シート7には、上記通電部11、1
1、・・・に対向してこれらと同じ大きさの端子孔1
2、12、・・・が形成され(図4参照。)、該端子孔
12、12、・・・に導電ポリマーを充填することでこ
れらを端子部13、13、・・・としており、更に各端
子部13、13、・・・に対しては配線シート7の長手
方向に延びる配線パターン14、14、・・・が形成さ
れている。尚、これら配線パターン14、14、・・・
は導電ポリマーにより形成されていて、配線パターン1
4、14、・・・は互いに短絡しない配置となってい
る。そして、各配線パターン14、14、・・・のうち
端子部13、13、・・・とは反対側の端部が、配線シ
ート7の端縁近傍まで延び、上記出力バッファ群1cを
構成する各バッファにそれぞれ接続されるようになって
いる。
【0021】表面シート8は、前腕Aに貼着されたとき
に最も表面に位置するシートであり、他のシート5乃至
7と同じ大きさの(電気)絶縁シート(例えば、絶縁性
のポリマー、ナイロン、ポリプロピレン(PP)、シリ
コーン等の合成樹脂材料等を用いる。)からなり、上記
配線シート7に貼着される。
【0022】このような構造を有する電極シート3は、
絶縁シートに、例えば、シルク印刷により、各電極2、
通電部11、端子部13及び配線パターン14等を形成
することで構成される。
【0023】そして、電極シート3は、その表面シート
8をラバーシート15で覆うことにより、更に絶縁性が
確実なものとなる。
【0024】しかして、このような電極シート3を、前
腕Aに貼着して使用するときには、シート5の各電極
2、2、・・・を前腕Aの皮膚に当てて巻き付けてから
(図5参照。)、対をなす電極2、2に制御部1bから
当該電極に対応する出力バッファを介して所定の周波数
電流を供給すると、前腕Aの内部において干渉波が生
じ、干渉により波が強め合うところの筋肉Mの部位を刺
激することができる。例えば、4000Hz(ヘルツ)
の周波数の電流と4010Hzの周波数の電流を、各電
極2、2にそれぞれ供給すると、両電極間を結んだ線上
の中心の近傍で干渉が生じ、干渉の部位に位置する筋肉
Mが10Hzの周波数で刺激されて収縮する。
【0025】また、一対の電極2と2との間を結んだ線
上における別の筋肉Mを刺激するには、両電極に供給す
る電流の周波数を互いに異ならせることで行う。つま
り、周波数を変えることにより、刺激位置を移動させる
ことができ、これによって所望の筋肉Mの部位を刺激す
ることができる。
【0026】尚、電極2、2間を結んだ線上に位置しな
い筋肉Mの部位に刺激を与えるには、3つ以上の電極を
用い、これら電極に供給する電流の周波数を異ならせる
ことにより、各電極を結んでできる面上の任意の部位に
対して、干渉による電気刺激を生じさせることができ
る。
【0027】このように筋肉への刺激の制御にあたって
は、電極の選択制御と、各電極に供給する周波数信号の
生成及び周波数設定が必要であり、これらを担当するの
が上記した制御部1bである。
【0028】尚、皮膚と電極2との間の圧力を検出する
ための圧力検出部(上記表面シート8とラバーシート1
5との間に形成される。)や、電極2を出力手段ではな
く検出手段として利用して筋電波形を取得するための手
段等が設けられるが、本発明には直接的な関係がないの
で、それらの説明については省略する。
【0029】モデル構築/計算処理部1eは、コンピュ
ータやメモリあるいは所定の記録媒体によって構成され
る計算装置によって実現され、人体の数値モデル構築の
ためのデータベース(以下、「DB」と略記する。)の
作成及びその維持・管理を行うものである。尚、人体の
数値モデル構築に必要な基本データの取得に用いる周辺
装置は全て入力部1aに含まれる。
【0030】画像処理部1fは、制御部1b及びモデル
構築/計算処理部1eとの間で情報のやりとりを行い、
映像信号を表示部1gに送出してその画像表示を行う。
例えば、CG(コンピュータ・グラフィクス)表示とし
て現出される仮想空間内のオブジェクト(仮想物)を視
覚情報として装置の使用者に伝達するために画像情報を
表示したり、あるいは人体の数値モデル構築のための作
業に必要な画面表示等を行う。尚、視覚情報に加えて聴
覚情報を取り扱う場合には、音声信号処理部を画像処理
部1fに含ませ、スピーカ等の音声出力手段を通して音
声情報を装置使用者に伝達すれば良い。また、情報の印
字を要する場合には、画像処理部1fに対してプリンタ
等の印刷手段が付設される。
【0031】尚、人体に関する力学的構造の数値モデル
の構築方法については、本願出願人が、既に、特願平1
0−266号にて提案した方法を踏襲することができ
る。
【0032】これについて要点を説明すると、数値モデ
ルには、例えば、下記のモデルが含まれる。
【0033】(i)骨格モデル (ii)筋肉モデル (iii)神経(運動神経や感覚神経等。)モデル (iv)皮膚モデル (v)脂肪や内臓のモデル 尚、(iii)の神経モデルには高度な情報処理を行う
脳神経は含まれず、対象の力学的構造や運動に直接的な
関係を有する神経が含まれ、また、(v)の脂肪や内臓
のモデルについては、機能に係る具体的な構造ではなく
その重量及び位置が身体のバランスや重心運動に与える
影響だけに関心が置かれるが、以下では、本願発明にお
いて特に関係のある(i)及び(ii)だけを説明す
る。
【0034】人体構造の数値モデルのうち最も簡単なも
のは、上記(i)の骨格モデルだけを含むものであり、
これは下記の手順によって作成することができる。
【0035】(1)体型の分類を行うとともに、分類さ
れた各基準体型について全ての骨の形状、長さや重量を
含む骨格データを用意する (2)対象者に関する身長、体重、外形形状のデータを
入力する (3)(2)の入力データから対象者の体型を特定し、
各基準体型の骨格データに基づいて補間計算を行い、対
象者に係る骨格データの換算比率を算出する (4)(3)の換算比率及び対象者の身長や重量に基づ
いて対象者の各骨の長さや重量を決定して骨格の数値モ
デルを作成する。
【0036】先ず、(1)では人体の基準体型を、例え
ば、図6に示すように、痩せ型、闘士型、肥満型に分類
する。即ち、痩せ型(asthenicus。以下、
「as」と略記する。)は肉細の体型、闘士型(ath
eticus。以下、「at」と略記する。)は胸胴部
が逆3角形をした体型、肥満型(piknicus。以
下、「pi」と略記する。)は腹部等の肥大した体型で
ある。
【0037】そして、各体型を代表する人体をそれぞれ
一人ずつ選び出して、各々の対象者について、骨格デー
タ(骨の形状、長さ、重量を含む。)を取得するか、あ
るいは人体教本等による既存のデータを利用する。即
ち、痩せ型、闘士型、肥満型をそれぞれ代表する各人体
について骨格に関する全ての情報を調べてこれらをデー
タベース化することにより数値モデル(以下、「基準体
型モデル」という。)を作成する。尚、その際、性別の
違いによって基準体型への影響が認められる場合には、
これを考慮してモデル作成を行うことが好ましい。その
ためには、性別毎に異なる基準体型モデルを用意する方
法や、両性のうちの一方の性について各体型の基準体型
モデルを用意しておき、他方の性については当該基準体
型モデルに対する換算比率を示すデータから各体型の基
準体型モデルを導出する方法が挙げられる。また、各骨
の形状については3次元モデルのデータ(例えば、ポリ
ゴンデータ等)としてコンピュータ上の画像表示(立体
的表示等)に適した形式を用いることが好ましい。
【0038】取得した骨格データについては、各骨の長
さや重量の値自体の他、身長や体重に占める割合(比
率)のデータを求めておき、後述するようにこれらの比
率データに基づいて対象者に係る比率データを算出する
際に使用する。
【0039】また、各体型を代表する人体の身長が異な
るのではデータの比較作業が面倒であるので、基準身長
を設定して各データを当該身長に換算したときのデータ
を用意しておくことが好ましい。
【0040】図7に示すモデルMにおいて、「HEIG
HT_ref」は基準体型モデルの身長(基準身長)を
示しており、変数「HEIGHT_xx_XX」は立位
姿勢における人体各部の鉛直方向の長さを示している
(「xx」が人体の部位を示し、「XX」が基準体型形
を示す。)。例えば、「HEIGHT_arm_u_a
s」は、痩せ型の基準体型モデルにおける上腕の長さを
示し、「HEIGHT_chest_at」は、闘士型
の基準体型モデルにおける胸部の長さを示している。
【0041】この場合の「HEIGHT」は骨格及び筋
肉を含む人体各部の長さを示しているが、「HEIGH
T」を鉛直方向若しくは長手方向における骨の長さとす
れば、「HEIGHT_xx_XX」を基準身長「HE
IGHT_ref」で割った比率(以下、「_hr_x
x_XX」と記す。)から骨の長さ比率を計算すること
ができる。
【0042】また、上記「HEIGHT」を、人体の部
位や各骨の重量を示す「WEIGHT」に置き換えた変
数「WEIGHT_xx_XX」を、体重「WEIGH
T_ref_XX」で割ることによって同様に重量の比
率(以下、「_mr_xx_XX」と記す。)を求める
ことができる。
【0043】図8は上記した体型形の概念を2次元座標
平面(X−Y平面)上にグラフ化して示すものであり、
原点Oを起点とする3軸「Ax_XX」(XX=as、
at、pi)が互いに120°の角度間隔をもつように
設定されている。
【0044】そして、原点Oを中心とする円cirと各
軸Ax_XXとの交点P_XXが各基準体型モデルの占
める位置を示している。つまり、点「P_as」が痩せ
型のモデルについてのX−Y平面上の位置を示し、点
「P_at」が闘士型のモデルについてのX−Y平面上
の位置を示し、点「P_pi」が肥満型のモデルについ
てのX−Y平面上の位置を示している。
【0045】例えば、対象者が痩せ型と闘士型の丁度中
間に位置する体型を有している場合には、原点Oを通り
2軸Ax_as(図ではYの正軸に一致する軸)及びA
x_atに対してそれぞれ60°の角度をなして延びる
軸Bx上の点(例えば、軸Bxと円cirの交点Q等)
が対象者の体型を示している。
【0046】尚、X−Y平面に対してr軸及びθ軸から
なる極座標系を設定したときの各軸の意味については後
で詳述する。
【0047】図9は図8のX−Y平面に対して直交軸
(Z軸)を付与した空間(以下、「体型形座標空間」と
いう。)を示している。
【0048】例えば、Z軸として上記した長さの比率
「_hr_xx_XX」をとった場合には、上記した各
点P_XXに対して「_hr_xx_XX」の値を示す
点「H_xx_XX」がそれぞれ対応する。
【0049】例えば、xxの示す部位を上腕骨(hum
erus)とし、XXの示す体型を痩せ型(as)とす
ると、点「H_humerus_as」の示す値(つま
り、当該点からX−Y平面に垂ろした垂線の足の高さ
(Z値))は、痩せ型の基準体型モデルにおいて上腕骨
の長さの基準長(身長)に対する比率を示す。
【0050】3点P_XX(XX=as、at、pi)
のそれぞれに対する点「H_xx_XX」が決まると、
これらの点を通る一つの平面(πh_xx)を決めるこ
とができる。即ち、3点「H_xx_XX」のうちの任
意の2点を選び出することによって両点を結ぶベクトル
を2つ作ることができる(例えば、点「H_xx_p
i」から点「H_xx_as」へ向かうベクトルと、点
「H_xx_pi」から点「H_xx_at」へ向かう
ベクトル等。)ので、両ベクトルに直交する方向の法線
ベクトルをベクトルn(a,b,c)(但し、a、b、
cはそれぞれX、Y、Z軸方向の成分を示す。)とする
とき、上記平面πh_xxは数式「a・X+b・Y+c
・Z=d」(但し、dは定数。)で表すことができる。
従って、例えば、X−Y平面上における点Pt(xt、
yt)が決まれば、X=xt、Y=ytを上式に代入す
ることによってZ値を求めることができる。
【0051】尚、平面πh_xxは、xxに示す部位毎
に多数存在し、その意味でZ軸は多変数をまとめて1軸
として示す変数軸であるとみなすことができる。
【0052】図10は、重量の比率「_mr_xx_X
X」をさらに体型形座標空間のZ軸に追加したときの状
況を示しており、各点P_XXに対して「_mr_xx
_XX」の値を示す点「M_xx_XX」がそれぞれ対
応する。
【0053】例えば、xxの示す部位を上腕骨(hum
erus)とし、XXの示す体型を痩せ型(as)とす
ると、点「M_humerus_as」の示す値(つま
り、当該点からX−Y平面に垂ろした垂線の足の高さ
(Z値))は、痩せ型の基準体型モデルにおいて上腕骨
が重量の体重に占める比率を示している。
【0054】そして、3点P_XXのそれぞれに対する
各点「M_xx_XX」が決まると、これらの点を通る
一つの平面(πm_xx)を決めることができる(当該
面の法線ベクトルをベクトルnn(aa,bb,cc)
とするとき、数式「aa・X+bb・Y+cc・Z=d
d」(但し、ddは定数)で表される。)ので、例え
ば、X−Y平面上における点Pt(xt、yt)が決ま
れば、X=xt、Y=ytを上式に代入することによっ
てZ値を求めることができる。
【0055】尚、図9や図10においては基準体型モデ
ルが3つしかないため、一般には体型形座標空間内で関
数式「Z=Fn(X,Y)」(但し、nは、上記_hr
_xxや、_mr_xx等を示す。)で表される曲面が
平面(つまり、X、Y、Zの1次式で表現される。)と
されたが、基準体型モデルの数を増やしたり、あるい
は、多数の対象者に係るデータ(体型形や比率等)の蓄
積結果を利用して補間処理(例えば、ベヂエ(Bezi
er)、スプライン補間等。)を行うことで関数式(曲
面表現式)について精度の向上を図ることができること
は勿論である。
【0056】また、上記した基準体型モデルの決定にあ
たっては、各体型に属する複数の人体を選出したり、あ
るいはデータの平均化処理等を行う方法もあるが、以下
では説明の簡単化及び理解度を優先させるために、各基
準体型を代表する人体がそれぞれ1体であるとし、ま
た、性別については両性のうちの一方に固定し、かつ年
齢の影響を無視した上で説明を行うことにする。
【0057】次工程(2)では、対象者に関する基本デ
ータとして、身長、体重、外形形状のデータを入力す
る。
【0058】入力方法としては、手動で入力する方法
や、対象者の画像データ等から入力値を取得する方法が
ある。
【0059】例えば、身長、体重については、対象者の
知識により値が既知である場合にキーボード等の入力手
段を用いて数値を直接入力する方法や、身長、体重計に
よって計測した値を自動的に入力する方法がある。
【0060】また、形状については、対象者の画像デー
タや3次元データを取得して(例えば、ステレオ撮影用
カメラやホログラムカメラ等を用いる)、人体の各部位
の形状を認識することで、形状データの自動入力を行う
方法が挙げられる。
【0061】図11は立位姿勢の対象者について取得し
た画像データGを概略的に示すものであり、左側に示す
図において「HEIGHT_tgt」が対象者の身長を
示している。また、その右側の図は、対象者の画像デー
タを上記基準身長に縮小(あるいは伸張)したもの、つ
まり、画像データGについて全ての構成部分の長さに
「HEIGHT_ref/HEIGHT_tgt」の比
率を掛けることによって得られる画像G′を示してい
る。尚、この比率「HEIGHT_ref/HEIGH
T_tgt」については後の工程で必要となるのでメモ
リ等に記憶しておく必要がある。
【0062】図12乃至図14は、立位姿勢の対象者に
ついて取得した3次元データ(外形形状データ及び表面
状態のデータ)に基づいて高さ方向に沿って所定の間隔
dsでスライス処理を行った断層面のサンプリング例を
示している。
【0063】図12は対象者の正面図を概略的に示すも
のであり、スライス処理の起点は頭頂とされている。
【0064】図13に示すように、頭頂に近い方から足
先にかけて付与された識別番号i(i=1、2、・・
・)を有する各断層面での面積素片ΔS_i(i=1、
2、・・・)については、その形状と断面積だけが意味
をもっており、面積素片ΔS_iに関する内部構造を示
すデータは存在しない。何故なら、対象者の3次元デー
タは、対象者の外形に係る形状データと外表面の状態に
係るデータ(画像データ等)によって構成されることが
必要十分条件とされ、体の内部構造は不要とされるから
である。
【0065】従って、対象者の3次元データから抽出さ
れる情報は各面積素片ΔS_iがどのような形状をして
いるか及び断面積の大小である(図14参照。)。尚、
本例ではスライス処理から面積素片を得たが、その代わ
りに面積素片にスライス方向の間隔dsを掛けることで
得られる体積素片を用いても良い(この場合には断面積
の代わりに断面での体積を使用する。)。
【0066】また、スライスの間隔dsについてはこれ
を均等に設定しても良いが、体の形状を特徴的に示す特
定の部分(腹部や胸部等)についてスライスの間隔を小
さくして当該部分に関してより詳細なサンプリングを行
うようにしても良い。
【0067】以上の方法により、対象者の3次元データ
を取得し、当該データから対象の断層面における形状及
び断面積若しくは断層面間の体積についてのデータを取
得することで対象者の体の形状に係るデータを効率良く
取得することができ、データの入力作業を容易に行うこ
とができる。
【0068】次工程(3)では、先ず、対象者の体型を
特定する処理を行う。
【0069】例えば、上記工程(2)で得た各面積素片
ΔS_iの形状を示すデータ(例えば、断面形状を楕円
で近似したときの離心率等、形状の変形率を示すデー
タ)を「t_i」(i=1、2、・・・)とし、面積素
片ΔS_iの面積を「s_i」(i=1、2、・・・)
としたとき、図15に示すように、X−Y平面に設定し
た極座標(r,θ)において点PT_i(s_i,t_
i)をプロットする。つまり、X−Y平面において原点
Oを中心とする円の半径が断面積を示し、θ方向が面積
素片の形状を表すことになる。
【0070】図16は図15をZ軸方向から見たときの
X−Y平面図を示しており、各面積素片ΔS_iについ
て点PT_i(s_i,t_i)(i=1、2、・・
・)が対応している。
【0071】点PT_iの位置を全てX−Y平面上にプ
ロットした後は、各点PT_iを頂点とする多角形(凸
角形や凹角形を含む。)の重心(これを点Gと記す。)
を求める。例えば、図示するように、点PT_i、点P
T_(i+1)、点PT_(i+2)(但し、i=1、
2、・・・、n−2であり、nは自然数である。)を頂
点とする3角形の重心をそれぞれ「Gi」としたとき、
点Giの合成重心が上記重心Gである。つまり、原点O
を基準とする点Giの位置ベクトルをベクトル「V_G
i」とし、点Gの位置ベクトルをベクトル「V_G」と
するとき、ベクトル式「Σ(V_Gi−V_G)=0」
(但し、「Σ」はiについての総和を示す。)を満たす
点Gの座標を計算することによって重心位置が決定され
る。
【0072】尚、図16では各点PT_iがX−Y平面
上の同一象限に位置しているとしたが、場合によって
は、同図に点PT′や点PT′′で示すように点PT_
iとは別の象限に位置していたり、あるいは多数の点が
まとまって位置している領域から離れたところに孤立し
て存在する場合(例えば、大半の点がas軸とat軸と
で囲まれた扇形領域に属しているのに、一部の点がas
軸とpi軸とで囲まれた扇形領域に属している場合
等。)があるが、これらの点については無視するか、あ
るいは、例外として取り扱うことが好ましい。
【0073】また、上記したサンプリングの結果得られ
る面積素片(若しくは体積素片)については、必ずしも
これらを全て利用する必要はなく、体型を特徴的に示す
特定の部分(腹部や胸部等)に係るサンプリング結果だ
けを選出することで処理の高速化を図るようにしても良
いことは勿論である。
【0074】以上のように、体型形についてのデータを
示す座標平面(X−Y平面)上に極座標(r,θ)を設
定した後、対象者の断層面における形状データ(t_
i)から極角θが規定され、かつ、当該断層面における
断面積のデータ(s_i)若しくは断層面間の体積デー
タ(体積素片の体積データ)から極半径(r)が規定さ
れる点(PT_i)を座標平面(X−Y平面)上に配置
して、各点の間を線分で結んでできる多角形の重心Gの
位置から対象者の体型形を特定することができ、しか
も、その算出に要する計算には四則演算程度の計算量で
済むため、面積素片若しくは体積素片の数が増えたとし
ても計算上の負担が著しく増加することがない。
【0075】重心Gの座標(これを極座標表示で「(r
g,θg)」と記す。)が決まると、上記した体型形座
標空間内における関数式Z=Fn(X,Y)から対象者
に係る骨格データの換算比率(対象者に係るモデル作成
に使用する比率)を算出することができる。即ち、上記
したように関数式Z=Fn(X,Y)は各基準体型の骨
格データに基づく補間計算から求められるので、極座標
系から2次元直交座標系への変換式を用いて「Xg=r
g・cos(θg)」、「Yg=rg・sin(θ
g)」を計算してこれらを関数式に代入することで、F
n(Xg,Yg)の値を求めることができる。
【0076】図17は重心G(Xg,Yg)から関数値
を求める様子を概念的に示したものであり、Fn(X,
Y)については、nを「_hr_xx」に選んだ場合
と、nを「_mr_xx」に選んだ場合とを併せて示し
ている。つまり、点Q_hrの高さ(Z_hr)が長さ
比率に係るFn(Xg,Yg)の値(_hr_xx)を
示しており、点Q_mrの高さ(Z_mr)が重量比率
に係るFn(Xg,Yg)の値(_mr_xx)を示し
ている。
【0077】このように骨の長さや重量について対象者
の換算率が求められると、対象者の身長や重量に基づい
て実際の長さや重量を計算することができ、この処理は
次工程(4)において行われる。
【0078】例えば、長さの比率に係る関数式Fn
(X,Y)については、上記した各基準体型モデルの身
長を基準身長に揃えるとともに、対象者の身長を基準身
長に変換した場合に得られる値であるので、対象者の身
長について骨の長さを計算するには、上記した比率「H
EIGHT_ref/HEIGHT_tgt」が必要と
なる。つまり、「_hr_xx」にHEIGHT_tg
tをかけることによってxxで示す部位の長さが決定さ
れる。尚、骨の太さ等、長さの次元を有する他の諸量に
ついても_hr_xxの導出過程と全く同様に求めるこ
とができる。
【0079】また、重量の比率については対象者の重量
(体重等)を「_mr_xx」に掛けることによりxx
で示す部位の重量が決定され、断面積や体積等、長さの
n乗(nは2以上の整数。)の次元を有する量について
重量の導出過程と全く同様に求めることができる。
【0080】こうして、対象者に関する全ての骨の長さ
や重量を求めることによって対象者の骨格に関する数値
モデルを作成することができ、例えば、数値モデルの表
現形態としてポリゴンデータによるモデルを採用した場
合には全骨のポリゴンデータを予め用意しておき、モー
フィング等の変形処理を駆使することによって図18に
示すような骨格構造BSを表示部1g上に得ることがで
きる(尚、図示した骨格構造は骨格の構成部位について
部分的に誇張して示している。)。
【0081】上記の説明では、対象者の3次元データを
取得して対象者の体型形に係るデータを求めたが、3次
元データを利用することなく図11に示したような対象
者の2次元画像データだけを用いることによって簡易な
モデルを作成する場合には、画像データから体型を特徴
的に示す人体部分の長さ比率(縦横比率等)を上記した
面積素片の断面積に代用しても良いことは勿論である。
例えば、胸部の形状について典型的には闘士型で逆3角
形(逆台形)状となり、肥満型ではほぼ台形状、痩せ型
ではほぼ長方形となるといった具合に、立位姿勢の対象
者の画像データから体型形に係る情報を得ることができ
る。
【0082】これとは逆にモデルの精度を上げるために
は、対象者の3次元データから得られる人体の各部位の
長さに基づいてデータの補正を行ったり、あるいは全骨
の重量和が体重を越えてしまうといった矛盾が生じない
ように構造モデルと実際の対象人体との間の誤差を極力
低減して整合化を図る必要がある。
【0083】次に、骨格モデルに対して上記(ii)筋
肉モデルを付加した数値モデルの作成について説明す
る。
【0084】この場合には、筋肉の形状、長さ、重量の
他、筋肉の運動性能に関する諸量(例えば、筋肉の収縮
率や、仕事率、筋収縮の反応速度等)を数値モデルの対
象に含めることによって筋肉の性能を数値化することが
好ましい。
【0085】つまり、筋肉の長さや重量については、上
記した「_hr_xx」や「_mr_xx」と同様の手
順を踏襲することによってこれらを求めることができ
る。即ち、「_hr_xx」がxxに示す各筋肉の長さ
の比率を示し、「_mr_xx」がxxに示す各筋肉の
重量の比率を示すものと考えれば良い。
【0086】これに対して筋収縮率や仕事率等について
はこれらの値が何によって影響されるかに依存して決定
される。
【0087】例えば、筋収縮率は、筋肉の自然長に対し
て筋肉がどれだけ収縮するかを示す比率であり、筋肉の
基準長(自然長)を変数「L」で表し、筋収縮時におけ
る筋肉長を変数「LL」で表した場合に、関数式f
(L,LL)で表すことができ(単純なモデルでは「f
(L,LL)=LL/L」である。)、該関数式につい
ては上記した関数Fn(X,Y)と同様に各基準体型モ
デルのデータから算出することができる。よって、「L
g=Fn(Xg、Yg)、LLg=Fm(Xg、Y
g)」(但し、Fnは上記Z軸を変数Lにとった場合の
関数を示し、Fmは上記Z軸を変数LLにとった場合の
関数を示す。)から算出した値を上記関数式に代入した
f(Lg、LLg)から対象者の筋収縮率を計算するこ
とができる。
【0088】同様にして仕事率(単位時間当たりの仕事
量)は作用点の重量及び作用時間の関数として求めるこ
とができ、また、筋収縮の反応速度は、末端神経から筋
肉までの距離及び筋収縮の開始時間の関数として求めら
れる。
【0089】尚、骨格及び筋肉を含むモデルの作成過程
については、上記した(1)の工程で骨の形状や長さ、
重量の他、筋肉の形状や長さ、重量、筋収縮率を含む骨
格及び筋肉のデータを用意するとともに、上記(3)の
工程で各基準体型に係る骨格及び筋肉データに基づいて
補間計算を行い、対象に係る骨格及び筋肉のデータの換
算比率を算出する。そして、上記(4)の工程では
(3)の工程で得た換算比率及び(2)の工程で入力し
た対象の体長や重量に基づいて対象の各骨や筋肉の長
さ、重量、筋収縮率を決定すれば良い。
【0090】こうして作成されるモデルによれば、例え
ば、骨や関節等を動かしたときの筋肉の模擬的運動を現
出させることが可能となる。
【0091】以上で骨格及び筋肉の数値モデルについて
説明を終えるが、上記した方法は、数値データの如何に
は無関係に採用することができる普遍性を有しているの
で、この方法を上記した(iii)乃至(iv)のモデ
ルに適用することは容易である。
【0092】次に、人体構造モデルを構成するデータベ
ースについて説明する。尚、ここで「人体構造モデル」
とは、人体に関する体格や体重等の基礎データからその
身体的特徴を、骨格、筋肉、神経、皮膚、脂肪等を含む
構造的モデルとしてコンピュータ上に構築した数値モデ
ルを意味する。
【0093】この人体構造モデルは多数のDBから構築
され、当該DBを大別すると、概念的には下記に示すD
Bが挙げられる。
【0094】(A)骨に関するDB (B)関節や靱帯に関するDB (C)筋肉に関するDB (D)神経(運動神経や反射神経等)に関するDB (E)内臓や脂肪に関するDB (F)皮膚に関するDB (G)身体運動に関するDB 先ず、(A)は骨の重量や重量分布、形状、破断係数等
の項目を含んでおり、骨格の基本情報に関するDBであ
る。
【0095】また、(B)には関節の自由度や破断係
数、対偶と対偶との接続関係、対偶と筋肉との接続関
係、筋肉の収縮率と関節の角度との関係等についての情
報が含まれる。
【0096】(C)には、筋肉の自由長や収縮(若しく
は膨張)時の長さや収縮率、破断係数、重量、反応速
度、仕事率等についての情報が含まれる。
【0097】(D)には、例えば、運動神経に関して脳
幹、中枢神経、末端神経、筋収縮神経における運動神経
信号と筋収縮との関係についての情報、あるいは、反射
神経に関して、触覚神経、末端神経、中枢神経、脳幹に
おける圧力、熱、痛覚の神経信号と筋収縮との関係につ
いての情報等が含まれる。
【0098】(E)には、内臓や脂肪の重量や重量分布
についての情報が含まれ、(F)には皮膚の老化や皺の
寄り方についての情報が含まれる。
【0099】(G)は人体の力学的運動状態だけを表象
するためのDBであり、これには、人体の全身運動や部
分運動に係る情報をワイヤーフレームモデルとして抽出
したデータと、運動に伴う重心位置の変化についての情
報が含まれる。
【0100】尚、上記のDBはそれぞれ1個のDBとし
て生成されるとは限らない(例えば、あるDBは複数の
DBの集合として構成される。)。
【0101】人体構造モデルの作成に関する処理の大要
を箇条書きにして簡単にまとめると、以下のようにな
る。
【0102】 ステップSS1:身体に関する基本データの入力 ステップSS2:DBに基づくデータ加工 ステップSS3:人体についての3次元データの取得及
び運動に関するワイヤーフレームモデルの生成 ステップSS4:人体についての3次元データの取得及
び運動に伴う重心位置データの取得 ステップSS5:人体についての3次元データの取得及
び三半規管神経によるバランス神経信号と身体バランス
の取得 ステップSS6:人体についての3次元データの取得及
び筋電図等による運動神経信号と筋収縮との関係の取得 ステップSS7:人体についての3次元データの取得及
び反射神経テストによる筋収縮と圧力、熱、痛覚の神経
信号との関係の取得。
【0103】以上のステップのうち、本願発明に関係の
あるステップSS1乃至SS4について、以下に説明す
る。
【0104】上記SS1は、人体構造モデルの対象とな
る個人の体格や性別、年齢等のデータを入力するステッ
プであり、その後のステップSS2では各種のDBに基
づいてデータを加工して対象者の身体構造に関するDB
を生成する。
【0105】尚、ここで各種のDBとは、例えば、下記
(a)乃至(f)に示す通りである。
【0106】(a)重量DB 骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等の重量比率(体重に占め
る割合)に関するDBである。
【0107】(b)重量分布DB 骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等の重量分布(人体におけ
る位置や重心等)に関するDBである。
【0108】(c)破壊係数DB 骨や靱帯、筋肉等の破壊係数(破断係数等)に関するD
Bである。
【0109】(d)関節自由度DB 各関節の自由度に関するDBであり、関節の可動範囲の
設定に用いられる。
【0110】(e)接続関係DB 対偶と対偶との間、対偶と筋肉との間、対偶と靱帯との
間等についての接続関係を規定するDBである。
【0111】(f)筋運動DB 関節の駆動角度と各作用筋の駆動比率や、筋肉の自由長
や収縮率、仕事率、筋収縮の反応速度等に関するDBで
ある。
【0112】(g)神経配置DB 人体における神経配置や長さ等に関するDBである。
【0113】また、身体構造に関するDB(以下、「身
体構造DB」という。)とは、上記(a)乃至(f)の
DBに対して図19に示す依存関係を有するDBとして
定義される。尚、図中の矢印「→」は、「X→Y」と記
した場合にデータベースYがデータベースXに基づいて
生成されることを意味している。
【0114】そして、上記(a)乃至(f)のDBと、
上記した(A)、(B)、(C)、(E)に示すDBと
の間の関係の一例を示すと、下表1の通りである。
【0115】
【表1】
【0116】尚、表1において「○」は横欄に示す各D
Bが縦欄に示すDBを包含することを意味し、「−」は
そのような包含関係がないことを意味している。例え
ば、(A)の骨に関するDBには、骨の重量や重量分
布、骨の破断係数に関するDBが含まれる。また、
(B)のDBについては関節の重量が主として骨部の重
量から構成されるために靱帯についての重量や重量分布
を無視しているが、これらについてもモデルに組み込む
ことでより詳細なモデル化を図ることができることは勿
論である。
【0117】そして、形状に関するDBについては、基
準人体(上記基準体型モデル等。)の骨格や脂肪等の形
状モデルに基づき前記した方法を用いて体型形や性別デ
ータ等から生成される。
【0118】図20及び図21は、上記ステップSS1
及びSS2について、具体例の要部を示すフローチャー
ト図である。
【0119】先ず、図20のステップS1において予め
規定されている下記のデータ項目について、対象者の数
値を入力(手動又は自動入力)したり、選択値の場合に
はそれらのいずれかを指定する。
【0120】・身長(単位:mm) ・体重(単位:Kg) ・体型形(痩せ型、闘士型、肥満型等のタイプとその度
合。) ・性別(男・女) ・年齢(単位:才)。
【0121】例えば、入力値のデータ構造について下表
2に示す例が挙げられる。
【0122】
【表2】
【0123】つまり、この場合には、身長や体重等のよ
うに連続的な数値を格納する領域を要するものや、体型
形等のように、タイプを示す値(上記体型形座標空間の
座標軸θの値に対応する)とその度合示す数値(上記体
型形座標空間の座標軸rの値に対応する)とを組み合わ
せた構造、あるいは、性別のように「0」又は「1」の
1ビットデータで簡単に表現できるもの等が挙げられ
る。
【0124】尚、身体構造モデルの生成にあたっては、
上記のような比較的少数の入力パラメーターに基づいて
モデルを生成するモード(以下、「ノーマルモード」と
いう。)と、ノーマルモードで生成したモデルに変更を
加えるためのモード(以下、「特殊モード」という。)
とが存在するので、ステップS2でのモード判断処理に
おいて、先ずは、ノーマルモードを選択したものとし
て、ステップS3乃至S8での処理について説明する。
【0125】ステップS3では、上記(a)の重量DB
を参照して重量設定処理を行う。即ち、対象者の体型形
データに基づいて骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等につい
ての重量比率を設定するとともに、筋肉や脂肪の重量に
ついてはさらに胸部、腹部、上肢、下肢に区分して設定
する。また、性別の如何によって筋肉脂肪のつき方が異
なるので、その相違を考慮して重量比率の設定を行う。
尚、設定後における総重量と上記した体重の入力値との
差がほぼゼロとなるように重量の割り当てを行う必要が
あることは勿論である。
【0126】次ステップS4では、上記(b)の重量分
布DBを参照して、対象者の身長や体型形のデータに基
づいて骨格や脂肪の形状について設定を行う。そして、
骨の重量分布(重心や比重等)により骨と頭部の重量配
分を設定するとともに、肉質の重量分布により筋肉や脂
肪の重量配分を設定する。尚、ここで、「肉質の重量分
布」について、上肢、下肢の場合と胸部の場合とに分け
て説明すると、前者の場合には、骨の重量分布について
の重量点を中心とした仮想の円軌道(これは立位姿勢の
人体を正面から見た場合の形状であり、正確には球形状
をしている。)を複数設定して、各軌道に対して重量を
等間隔でもって均等に配分する。また、後者の場合には
骨の重量分布における胸郭の重量点から外方へ一定の間
隔をおいた距離に仮想の軌道を複数設定して、各軌道に
対して重量を等間隔でもって均等に配分する。そして、
性別の入力データが女性である場合には、胸部脂肪の重
量分布について追加の設定を行う。
【0127】内臓の重量分布については、頭内臓部、第
1頚骨間関節と恥骨間を結ぶ内臓重量線上において等間
隔で設定し、該重量分布は椎骨の運動によって変化す
る。また、腹部脂肪の重量分布については、内臓重量線
上に沿って等間隔に設定される重量点を中心とする仮想
の楕円形軌道(これは立位姿勢の人体を正面から見た場
合の形状であり、正確には楕円体形状をしている。)を
複数設定し、各軌道に対して重量を等間隔でもって均等
に配分する。尚、この他、仮想の楕円形軌道内に、骨、
筋肉、内蔵、脂肪の領域を設けて領域毎のDBを作って
おき、各領域に等分布の重量をそれぞれ設定する方法が
ある。
【0128】上記によって内臓や脂肪の分布が明らかと
なるので、対偶の進入禁止範囲(対偶が内臓等を突き抜
けて体内に進入するのを禁ずるための範囲)を設定する
ことができる。
【0129】ステップS5では、上記(c)の破壊係数
DBから骨や靱帯、筋肉等についての破壊係数データを
読み込む。これは骨や靱帯等の破損を招くような無理な
力が加わる姿勢、つまり、健康体においてあり得ない人
体の状態を人体構造モデルにおいて回避するために必要
とされる。
【0130】ステップS6では、上記(d)の関節自由
度DBや(c)の破壊係数DBを参照して、体型形や性
別のデータから関節の駆動範囲や自由度(破壊時の自由
度を含む。)を設定する。尚、これは関節の構造からは
健康体として許されない動きやありえない動きを排除す
るためである。
【0131】ステップS7では、上記(e)接続関係D
Bを参照して各種の接続関係についてのデータを読み込
んだ後、次ステップS8では筋運動についての設定を行
う。
【0132】筋運動については上記(f)の筋運動DB
を参照して、入力データ(身長、体重、体型形、性別、
年齢等)に基づいて駆動される対偶の重量を考慮して関
節の駆動角度と作用筋の収縮率について設定する。
【0133】以上のステップS3乃至S8によってノー
マルモードでの身体構造モデル及びこれをデータベース
化した身体構造DBが作成される。尚、上記(g)の神
経配置DBについては、身体構造DBに合わせて基準人
体(基準体型モデル等)の神経配置から単独の加工処理
によって作成される。
【0134】図21のステップS9では特殊モードに進
むか否かを判断し、特殊モードを選択した場合にはステ
ップS10に進み、選択しなければステップS17に進
む。
【0135】上記ステップS2又はステップS9におい
て特殊モードを選択した場合にはステップS10に進
み、比率変換モードを選択するか否かを判断する。尚、
「比率変換モード」とは上記したノーマルモードにおい
て生成したデータに対して腕、胴、脚部等の大きさを入
力してデータ比較を行い、長さや重量の再設定を行うモ
ードである。同ステップで比率変換モードを選択した場
合にはステップS11に進み、選択しない場合にはステ
ップS17に進む。
【0136】ステップS11では比率変換モードを更に
2つにモード、つまり、「長さ設定モード」と「比率設
定モード」とに分け、両者のうちのいずれかを選択す
る。そして、「長さ設定モード」を選択した場合にはス
テップS12に進んで、腕、胴、脚部等の長さ(単位:
mm)をそれぞれ入力する。また、「比率設定モード」
を選択した場合にはステップS13に進んで腕、胴、脚
部等の基準長(例えば、身長等)に対する比率をそれぞ
れ入力する。尚、これらステップS12、S13での入
力データは、例えば、上記(e)の接続関係DBにおけ
る筋肉の自由長についての補正に用いられる。
【0137】続くステップS14では、重量モードにつ
いて2つのモード、つまり、「合わせ込みモード」と
「加減調整モード」とに分け、両者のうちのいずれかを
選択する。そして、「合わせ込みモード」を選択した場
合にはステップS15に進み、生成データから得られる
重量を体重の入力データに合わせる処理を行ってから図
20のステップS2に戻る。また、「加減調整モード」
を設定した場合にはステップS16に進んで生成データ
から得られる重量について増減量を付与する処理を行っ
た後ステップS2に戻る。これらのステップS15、S
16により、上記ステップS3やS4での重量設定や重
量分布の補正をさらに行うことができるようになる。
【0138】ステップS17では、「関節重量モード」
を選択するか否かを判断し、選択する場合にはステップ
S18に進み、選択しなければステップS19に進む。
尚、「関節重量モード」とは、例えば、対象が人体では
なく人体を模倣した2足歩行型ロボットにおいて、関節
駆動用のモータ等の重量を登録する場合等に用いられ、
関節毎に1点の加重値を加減算して、全体のバランスが
保たれるように対偶の重量分布を設定するためのモード
である。尚、ステップS18での処理後はステップS1
9に進む。
【0139】ステップS19では、「筋肉重量モード」
を選択するか否かを判断し、選択する場合にはステップ
S20に進み、ここで各対偶に付随する筋や脂肪の重量
毎に所望の加重値を加減算することで筋肉等の重量バラ
ンスを保つように設定を行う。
【0140】尚、「筋肉重量モード」を選択しなければ
身体構造モデルの生成を終了するが、これまでの工程に
おいて必要なデータは体格や性別等に関する比較的少数
のデータだけである。
【0141】次に上記したステップSS3、SS4につ
いて、図22に示す要部のフローチャート図に従って説
明する。尚、本工程では、上記(G)身体運動に関する
DBについて下記に示すDBが作成されるが、その内容
は後述する処理の説明から明らかとなる。
【0142】(G1)運動ワイヤーフレームDB (G2)運動重心位置DB 先ず、図22のステップS1において重心位置検出用マ
ーカーを付設した対象者に対して立位姿勢を維持しても
らった後、次ステップS2では3次元データの取得法を
用いて対象者の3次元データを得る。尚、ここで、「3
次元データ」とは、平面上に貼り付けられた2次元画像
と区別されるデータであり、3次元形状を構成する曲面
及びこれに貼り付けられた画像データを意味する。
【0143】3次元データの取得法としては、被写体の
形状や画像を含むデータを得ることのできる方法であれ
ば如何なる方法を用いても構わないが、例えば、干渉縞
を用いる方法を挙げることができる。即ち、被写体に対
して単色光や3原色光による干渉縞を発生させて被写体
を撮影するとともに、被写体に生じた干渉縞の形成間隔
から撮影方向における被写体の奥行き(凹凸)について
のデータを得て、これに干渉縞のない被写体画像を貼り
付けることによって3次元データを得る方法である(そ
の詳細については説明を省略する。)。
【0144】次ステップS3では、前ステップによって
得られたモデルに対してその頭部から足先に向かって鉛
直方向に沿ってスライス処理(つまり、断層断面を形成
する。)を行うことで身体の各構成部分や対偶を認識す
る。例えば、図23に概略的に示すモデルmdlに関し
て矢印Rで示す方向がスライス方向であり、点Psが頭
頂部を示し、領域「A1」が頭部の認識に関する領域、
領域「A2」が頚椎の認識に関する領域、領域「A3」
が肩部の認識に関する領域、領域「A4」が胸部及び腹
部の認識に関する領域、領域「A5」が脚部の認識に関
する領域を代表的に示している。尚、図23において右
側に概略的に示した断層図は領域A1の下側境界面でス
ライスした領域の数が1個、領域A3の下側境界面でス
ライスした領域の数が3個、脚部を途中でスライスした
領域の数が2個であることをそれぞれ示している。
【0145】また、対偶等の認識については、対象者の
身体構造モデルと3次元データから得られるモデルとを
比較・対照することで行う。例えば、被写体(対象者)
に取り付けた重心位置検出用マーカーに対応する重心と
頭部の中心点とを結ぶ軸を身体構造モデルの背骨軸であ
ると認識したり、上肢の両肩関節の位置については背骨
軸に関して左右対象であって最も突起した箇所として認
識する等、人体の身体的特徴に基づいて求めることがで
きる。
【0146】図22のステップS4では対象者に対して
膝の屈伸運動を行ってもらい、上記ステップS2及びS
3で説明したのと同様の方法によって3次元データの取
得及び膝関節の認識に関する処理を行う。つまり、立位
姿勢での3次元データだけでは膝関節の特定を正確に行
うことができないためである。
【0147】そして、ステップS5では対象者に対して
その前腕が地面に平行になるように腕を動かしてもらっ
て上記ステップS2、S3で説明したのと同様の方法に
よって3次元データの取得及び肘関節の認識に関する処
理を行う。
【0148】次ステップS6では上記ステップS2乃至
S5において得られた基礎データについての補正(誤差
の補正等)を行った後、次ステップS7に進み、データ
の確定、つまり、対象者に係る人体形状データを決定す
る。
【0149】そして、ステップS8に進み、対象者の形
状と上記ステップで得た人体形状データとの間に顕著な
相違が生じないように形状について両者間の合わせ込み
処理を行い、当該人体形状と上記身体構造モデルとの間
に生じる差異を極力低減する。
【0150】ステップS9では、対象者に所定の運動を
してもらい、上記ステップS2で説明したのと同様の方
法を用いて運動状態についての3次元データを取得す
る。
【0151】そして、ステップS10では3次元データ
における頭部と重心位置検出用マーカーの位置に基づい
て胴体を認識するとともに、対象者の身体運動に関する
情報(対偶の状態等)を表象する枠体モデルとしてワイ
ヤーフレームモデルを生成する。そして、該ワイヤーフ
レームモデルをデータベース化することにより上記の運
動ワイヤーフレームDBを作成する。
【0152】ステップS11では、ワイヤーフレームモ
デル及び前記ステップで得られた人体形状に基づいて運
動中心である重心位置及びその変化に関するデータだけ
を抽出して上記運動重心位置DBを作成する。
【0153】しかして、これまでに経た処理によって身
体の構造や運動に関する数値モデルを得ることができ、
これら対して筋肉や脂肪の形状についてのポリゴンデー
タ(多角形近似データ)を付加することによって人体に
関するポリゴンモデルやこれをデータベース化したもの
(以下、「人体ポリゴンDB」という。)を得ることが
できる。
【0154】図24は人体ポリゴンDBについて、上記
した身体構造DBや運動ワイヤーフレームDB、運動重
心位置DBの他、下記に示すDBとの依存関係の一例を
示すものであり、図中の矢印「→」の意味は既述した通
りである。
【0155】(h)筋肉ポリゴンDB (i)脂肪ポリゴンDB (j)特殊脂肪ポリゴンDB (k)皮膚老化ポリゴンDB。
【0156】上記(h)乃至(j)のDBについて簡単
に説明すると、先ず、(h)筋肉ポリゴンDBは筋肉の
収縮に対応した筋肉形状のポリゴンデータ集であり、
(i)脂肪ポリゴンDBは、筋肉の収縮と重心の運動に
対応した脂肪形状のポリゴンデータ集である。また、
(j)特殊脂肪ポリゴンDBとは、筋肉の収縮には直接
関係しないが重心の運動に主として関与する脂肪(内臓
脂肪や胸部脂肪等。)の形状についてのポリゴンデータ
集である。
【0157】(k)皮膚老化ポリゴンDBは、皮膚に対
して人為的に老化させる処理を施す際に必要な皺の量や
寄り方についてのポリゴンデータ集(あるいは2次元画
像データ)であり、上記した(F)皮膚に関するDBを
構成するものである。
【0158】尚、図24に示す「筋収縮ポリゴンDB」
は、筋肉ポリゴンDB、身体構造DB、運動ワイヤーフ
レームDB、運動重心位置DBから生成されるデータベ
ースであり、人体の運動に伴う筋肉の収縮状態を表現す
るために必要とされ、概ね下記の手順に沿って生成され
る。
【0159】(1)身体構造DBの生成 (2)運動ワイヤーフレームDB及び運動重心位置DB
の生成 (3)筋肉ポリゴンDBと(1)や(2)のDBとの関
連付け また、「脂肪収縮ポリゴンDB」は、筋肉ポリゴンD
B、身体構造DB、運動ワイヤーフレームDB、運動重
心位置DBを参照しながら脂肪ポリゴンDB及び特殊脂
肪ポリゴンDBから生成されるデータベースであり、筋
肉の収縮や重心運動に伴う脂肪の位置や厚さ等の変化を
表現するために必要とされる。
【0160】図25は、人体ポリゴンDBの生成につい
て処理例の要部を示すフローチャート図であり、筋収縮
ポリゴンDBの生成に関する処理と、脂肪収縮ポリゴン
DBに関する処理とを並列的に示している。
【0161】先ず、筋収縮ポリゴンDBの生成に関する
処理については、ステップS1において、筋肉ポリゴン
DB、身体構造DB、運動ワイヤーフレームDB、運動
重心位置DBを用意した後、ステップS2では、人体の
運動と各筋肉の収縮率の変化についての関係を得る。
【0162】そして、ステップS3では全ての筋肉に関
してその収縮に対応した筋肉形状を示すポリゴンデータ
集、つまり、筋収縮ポリゴンDBを作成する。その際に
は、身体構造DBのうち特に人体形状に関するデータ及
び筋肉ポリゴンDBのデータを参照する。
【0163】次ステップS4では、運動ワイヤーフレー
ムDBに対して筋肉部のポリゴンデータを付加した後、
ステップS5に進む。
【0164】他方、脂肪、特殊脂肪のポリゴンDBに関
する処理については、ステップST1において両DBを
用意した後、次ステップST2で人体の運動と各脂肪の
収縮率の変化についての関係を得る。
【0165】それからステップST3において全ての脂
肪に関して筋肉の収縮や重心運動に対応した脂肪形状を
示すポリゴンデータ集、つまり、脂肪収縮ポリゴンDB
を作成する。その際に身体構造DBのうち特に人体形状
に関するデータ及び筋肉ポリゴンDBのデータを参照す
る必要がある。
【0166】次ステップST4では、運動ワイヤーフレ
ームDBに対して脂肪部のポリゴンデータを付加した
後、ステップS5に進む。
【0167】ステップS5では、筋肉や脂肪を加味した
運動ワイヤーフレームモデルについて、画像データの1
フレーム毎に筋肉や脂肪のポリゴンデータを加工するこ
とにより筋肉の躍動や脂肪の揺れ等を表現する。尚、こ
の加工にはポリゴンの表面におけるドットやパッチに対
するデータ処理として行なわれ、例えば、ドットに関す
る結線処理やベヂエ(Bezier)化処理、あるいは
これらの処理を、一定表面の圧縮後に行う等の処理が含
まれる。
【0168】図26は、L字状に屈曲した位置関係を有
する2つの骨ポリゴン16、17に亘って筋肉ポリゴン
18が架け渡された様子を概略的に示したものである。
【0169】次ステップS6では上記皮膚老化ポリゴン
DBと運動ワイヤーフレームDBとのリンク(関連付
け)を行う(図24では両方向の矢印で示してい
る。)。これによって、例えば、ある関節の周囲におけ
る皮膚の皺を関節角度や関節からの距離に応じて変化さ
せることができる。
【0170】こうして人体ポリゴンDBが作成される
が、本発明では、上記した装置において下記の(イ)乃
至(ハ)に示す制御方法を採用する。
【0171】(イ)先ず、駆動の対象となる関節を特定
する (ロ)(イ)の該関節を動作させるのに必要な複数の筋
肉のうちから対をなす筋肉として伸筋及び屈筋を選定す
る (ハ)(ロ)で選定した両筋肉をともに緊張させるよう
に当該筋肉に付設される効果器を通して電気刺激を付与
する。
【0172】つまり、伸筋及び屈筋をともに緊張させる
ように電気刺激を与えることによって、違和感のない運
動感覚を装置使用者に呈示することができる。
【0173】但し、この場合に伸筋と屈筋とを同じ程度
に収縮させるのではなく、関節を屈曲させる場合には屈
筋をより多く収縮させ(例えば、屈筋対伸筋の収縮比率
を20:1程度の比とする。)、また、これとは逆に関
節を伸展させる場合には伸筋の方をより多く収縮させ
る。
【0174】肘関節の駆動を例にして説明を行うと、以
下のようになる。
【0175】人体における肘関節及び前腕の運動に関与
する筋のうち、上腕の筋肉には、上腕二頭筋、上腕筋、
上腕三頭筋、肘筋が挙げられ、また、前腕筋には、腕橈
骨筋、回外筋、円回内筋、方形回内筋等が挙げられる。
【0176】このうち上腕の筋肉についてみると、2関
節筋である上腕二頭筋は、肘関節に関する屈曲作用及び
前腕に関する回外作用を有しており、特に屈曲について
は屈筋群の中でも強力な働きをもっていることが知られ
ている。また、上腕三頭筋は長頭が肩甲骨に起始部をも
つ2関節筋であり、肘関節における前腕の伸展作用は主
に内側頭に属する筋が行い、強力な伸展力を有すること
が知られている。
【0177】下表は肘関節と前腕の動きとの分析結果を
示したものであり、筋肉の種類と屈曲、伸展、回内、回
外との関連性を、記号「○」(特に関係があるもの)、
「△」(関係ありのもの)、「(△)」(関係ありとの
説があるが、見解が一致していないもの)を用いて表現
している。
【0178】
【表3】
【0179】尚、上表では、手関節屈筋群や手関節伸筋
群、長母指外転筋等は省略した。
【0180】図27は、肘関節について90°位の肢位
をとった状況下における前腕骨及び上腕骨の一部と、上
腕二頭筋Bb(Biceps brachii)、上腕
三頭筋Tb(Triceps brachii)を概略
的に示したものであり、この場合には、上記(ロ)にい
う(肘関節について)「対をなす筋肉」とは、肘の屈筋
(上腕二頭筋)と伸筋(上腕三頭筋)である。
【0181】従って、これらの筋肉をともに緊張させる
ように、制御部1bは効果器1dにおける特定の電極を
選定して、周波数を設定した上で両筋肉に対して干渉波
による電気刺激を付与する。
【0182】上記(ロ)における筋肉の選定において
は、関節とこれを駆動する筋肉の伸縮とを関係付けるデ
ータベースを予め構築しておき、その後、上記(イ)の
過程で、対象となる関節を特定したときに、当該関節を
駆動するのに必要な筋肉のうち対をなす筋肉(伸筋及び
屈筋)を上記データベースに基づいて選定することが好
ましい。
【0183】尚、「関節とこれを駆動する筋肉の伸縮と
を関係付けるデータベース」とは、例えば、前記した
(B)関節や靱帯に関するDBと(C)筋肉に関するD
Bとを関連付けることによって生成することができ、
(a)乃至(f)に示すDBのうち、関節や対偶と、こ
れを補助する筋肉についてのデータ項目(例えば、関節
の名称や位置、関節の駆動に要する筋肉の名称や形状デ
ータ、対偶を支えている始点の関節名称等)を含んでい
る。
【0184】このデータベースを用いると、例えば、肘
関節を対象としたときに、上記したように上腕の筋肉の
うち、上腕二頭筋と上腕三頭筋とが対をなす筋肉である
といった情報を得ることができる。
【0185】ところで、人体が無重力状態(あるいは無
重量状態)下にある場合には、重力による対偶や関節へ
の影響は考えなくても済むが、現実には重力の存在を無
視することができないので、関節や対偶の位置と、これ
らにかかる重力との関係を加味した上で筋肉への刺激を
行うことが好ましい。
【0186】つまり、関節や対偶の位置と、これらにか
かる重力との関係(関節や対偶がある位置をとった場合
に、これらにどの位の重量がどのような角度をもって加
わっているか)に応じて、伸筋と屈筋との間の収縮比率
を変化させることで、重力の影響によって対偶の動作が
不安定になる等(例えば、重量物を持ったときに手首が
曲がったままの状態で当該重量物を把持した状態に陥る
等)の不都合を防止することができる。
【0187】このためには、関節や対偶の位置とこれら
にかかる重力とを関係付けるデータベースを予め構築し
ておき、その後、対象となる関節を特定したときに、関
節の位置と対偶の重量を上記データベースから求めて、
当該関節を駆動するのに必要な筋肉のうち対をなす伸筋
と屈筋の間の収縮比率を規定すれば良い。尚、このデー
タベースは、前記した(B)関節や靱帯に関するDB、
(C)筋肉に関するDB、さらには前記した(G1)運
動ワイヤーフレームDB、(G2)運動重心位置DB等
を関連付けることで生成され、(a)乃至(f)に示す
DBのうち、特に(a)重量DB、(b)重量分布D
B、(d)関節自由度DB、(e)接続関係DB、
(f)筋運動DBに関係がある。
【0188】データベースに係る具体的な項目として
は、例えば、関節や対偶の位置データ、重力値若しくは
重力加速度値及び重力方向のデータ、関節の駆動に要す
る筋肉に関するデータ(筋肉名称や筋肉の形状を表すポ
リゴンデータ等)、対偶を支えている始点の関節名称等
が挙げられる。尚、対偶の位置や方向を認識する方法と
しては、例えば、光学式や磁気式のセンサー等を用いて
3軸位置検出(直交座標や円筒又は球座標系での3次元
位置検出)を行う方法等が挙げられる。また、関節位置
と対偶位置の違いについては、例えば、本願出願人が特
願平10−256713号で提案した圧力検出装置を応
用したモーションキャプチャーを使うことによって、皮
膚表面における圧力分布情報から筋肉等の動きを認識す
ることによって区別することができる。
【0189】図28は関節の駆動に対する重力の影響を
説明するためのものであり、同図の(A)は、直立姿勢
において肘関節の90°位の肢位をとった状況を略線的
に示し、(B)は、腕を上方に挙げた状態で肘関節につ
いて90°以上の屈曲あるいは最大屈曲の肢位をとった
状況を略線的に示している。尚、図中の「○」印は、主
な関節(肩、肘、腰、膝等)を表している。
【0190】(A)に示す状態では、前腕について、そ
の骨の長軸方向に対して直交する方向に対偶の重量(こ
れを「Mg」と記す。)が加わるとともに、上腕につい
ては、上腕骨の長軸方向にほぼ沿った向に対偶の重量
(これを「Wg」と記す。)が加わるのに対して、
(B)に示す状態では、MgやWgの重力方向が前腕や
上腕に対してなす角がともに小さい角度値となることが
分かる。
【0191】このように、対偶にかかる重量は、対偶の
3次元的位置によって関節駆動の筋肉の収縮に対して異
なる影響を及ぼす(つまり、対偶重量による力のモーメ
ントは対偶の位置や姿勢によって異なる)ので、関節駆
動において対をなす伸筋及び屈筋の収縮比率について
は、対偶の重量分が関節の状態に対して及ぼす力学的作
用を十分考慮した上で規定することが好ましい。
【0192】以上の説明では、対偶や関節に対する外部
負荷がないものと仮定したが、例えば、重量物を手に持
って動かした場合等においては、対偶等に加わる荷重を
加味した筋肉への刺激が必要となる。
【0193】その際には、関節を駆動させるのに必要な
複数の筋肉のうちから対をなす伸筋及び屈筋の他に、荷
重を加えることで働く筋肉を追加して、当該筋肉に対し
て効果器を通して電気刺激を付与することが好ましい。
【0194】関節の運動に対する筋の働きについては、
MacConail等による「shunt muscl
e」及び「spurt muscle」の区別が知られ
ており、前者は主に急激な運動において働くとともに骨
の長軸方向にほぼ平行な力を与えるものとされ、また、
後者は運動の加速度とともに骨の長軸方向にほぼ垂直な
力を与えるものとされる。
【0195】肘関節の屈曲を例にすると、図29に示す
ように、矢印CWに示す屈曲方向に対して、骨にほぼ垂
直な力Pを生じさせる筋肉が「spurt muscl
e」であり、他方、骨にほぼ平行な力Pを生じさせる筋
肉が「shunt muscle」である。この場合に
は、上腕二頭筋や上腕筋が「spurt muscl
e」に相当し、腕橈骨筋が「shunt muscl
e」に相当する。筋電図による筋の活動分析結果によれ
ば、負荷をかけないで単に肘を屈曲させたときには上腕
二頭筋や上腕筋が常に活動しているが、腕橈骨筋につい
てはほとんど活動しないか又は収縮しても僅な活動電位
しか認められないのに対して、前腕に錘等によって負荷
をかけると腕橈骨筋の積極的な活動が認められる。つま
り、前腕に対して荷重がかかっている場合の運動感覚を
呈示するためには、当該荷重の度合に応じて腕橈骨筋の
収縮率を変化させることが好ましい。
【0196】そのためには、荷重を加えることで働く駆
動筋、つまり、「shunt muscle」を上記デ
ータベースに追加設定した後(例えば、上記(C)筋肉
に関するDBにおいて、各筋肉につき「shunt m
uscle」又は「spurt muscle」の区別
をつけるための識別用情報を付加する等)、対象となる
関節を特定したときに、当該関節を駆動する際に選定さ
れる対をなす筋肉に電気刺激を付与して収縮させるとと
もに、荷重の有無に応じて上記駆動筋に対して効果器を
通して電気刺激を付与するか否かを規定すれば良い(つ
まり、荷重がある場合にのみ駆動筋に電気刺激を付与す
る。)。
【0197】尚、上記の説明では、便宜上、腕や肘関節
を例示したが、これに限らず、他の関節や対偶の動作に
要する筋肉についても、上記の方法を同様に適用するこ
とができることは勿論である。
【0198】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、対象となる関節を特
定した後、該関節を駆動するのに必要な伸筋及び屈筋を
選定して、両筋肉をともに緊張させるように電気刺激を
付与することで、違和感のない運動感覚(対偶がぶらぶ
らした感じにならない等)の呈示が可能となる。例え
ば、腕及び肘関節の駆動において、腕が勝手に動く感じ
がしたり、手がぶらぶらしたような感覚を受けるといっ
た不都合が解消される。
【0199】請求項2に係る発明によれば、関節とこれ
を駆動する筋肉の伸縮とを関係付けるデータベースを予
め構築しておくことで、対象となる関節を駆動させるの
に必要な筋肉のうち伸筋及び屈筋を容易に選定すること
ができる。
【0200】請求項3や請求項4に係る発明によれば、
関節や対偶の位置と、これらにかかる重力との関係に応
じて、伸筋と屈筋との間の収縮比率を変化させることに
よって、重力の影響に対して対偶動作の安定化を図った
り、対偶を効率良く駆動することができる。
【0201】請求項5や請求項6に係る発明によれば、
関節を駆動させるのに必要な伸筋及び屈筋の他に、荷重
を加えることで働く筋肉を追加・選択して、当該筋肉に
対しても電気刺激を付与することにより、対偶にかかる
負荷を力覚として違和感なく呈示することができ、ま
た、荷重に対して対偶を効率良く駆動することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】力触覚呈示装置の構成例を示す図である。
【図2】図3乃至図5とともに電極シートの構成につい
て説明するための図であり、本図は電極シートを腕に巻
き付ける様子を示す図である。
【図3】電極シートの分解斜視図である。
【図4】電極シートの一部を拡大して示す断面図であ
る。
【図5】腕に巻き付けた状態の電極シートを示す概略的
な断面図である。
【図6】人体の体型分類についての説明図である。
【図7】基準体型モデルにおける諸量の定義を示す図で
ある。
【図8】体型形座標空間を構成する2次元座標平面につ
いての説明図である。
【図9】体型形座標空間におけるZ軸に長さ比率の変数
を設定した様子を示す図である。
【図10】体型形座標空間におけるZ軸に長さ比率及び
重量比率の変数を設定した様子を示す図である。
【図11】対象者から取得した画像データ及びその伸縮
操作についての説明図である。
【図12】図13及び図14とともに対象者の3次元デ
ータについてのスライス処理に関する説明図であり、本
図は立位姿勢の対象者を示す。
【図13】対象者の3次元データについてスライス処理
と断層面との関係を示す図である。
【図14】対象者の3次元データについて断層面だけを
示す図である。
【図15】体型形座用空間を構成するX−Y平面に設定
した極座標系(r,θ)において点の配置例を示す図で
ある。
【図16】多角形の重心計算によって対象者の体型形を
特定する処理についての説明図である。
【図17】重心G(Xg,Yg)からこれに対応する関
数値を求める様子を示す図である。
【図18】骨格構造のモデルの一例を示す図である。
【図19】身体構造に関するDBと各種DBとの間の依
存関係を示す図である。
【図20】図21とともに、身体に関する基本データの
入力及びデータ加工に係る処理例を示すフローチャート
図であり、本図は処理の前半部を示す。
【図21】処理の後半部を示す。
【図22】人体についての3次元データの取得及び運動
に関するワイヤーフレームモデルの生成、運動に伴う重
心位置データの取得に係る処理例を示すフローチャート
図である。
【図23】対象者の3次元データに関するスライス処理
についての概略的な説明図である。
【図24】人体ポリゴンDBとその構成DBとの依存関
係を示す図である。
【図25】人体ポリゴンDBの生成に係る処理例を示す
フローチャート図である。
【図26】2つの骨ポリゴンに筋肉ポリゴンが架け渡さ
れた様子を示す概略図である。
【図27】肘関節付近の筋肉を部分的に示す腕の側面図
である。
【図28】関節の駆動に対する重力の影響を説明するた
めの図である。
【図29】肘関節の屈曲について荷重に対する筋肉の作
用を説明するための図である。
【符号の説明】
1…力触覚呈示装置、1d…効果器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の筋肉に対して同時に電気刺激を与
    えるための効果器を備えた力触覚呈示装置の制御方法で
    あって、 対象となる関節を特定した後、該関節を駆動させるのに
    必要な複数の筋肉のうちから対をなす筋肉として伸筋及
    び屈筋を選定して、両筋肉をともに緊張させるように当
    該筋肉に対して付設される効果器を通して電気刺激を付
    与することを特徴とする力触覚呈示装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した力触覚呈示装置の制
    御方法において、 関節とこれを駆動する筋肉の伸縮とを関係付けるデータ
    ベースを予め構築しておき、その後、対象となる関節を
    特定したときに当該関節を駆動させるのに必要な筋肉の
    うち対をなす伸筋及び屈筋を上記データベースに基づい
    て選定するようにしたことを特徴とする力触覚呈示装置
    の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した力触覚呈示装置の制
    御方法において、 関節や対偶の位置とこれらにかかる重力との関係に応じ
    て、伸筋と屈筋との間の収縮比率を変化させることを特
    徴とする力触覚呈示装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した力触覚呈示装置の制
    御方法において、 関節や対偶の位置とこれらにかかる重力とを関係付ける
    データベースを予め構築しておき、その後、対象となる
    関節を特定したときに関節の位置と対偶の重量を上記デ
    ータベースから求めて、当該関節を駆動するのに必要な
    筋肉のうち対をなす伸筋と屈筋の間の収縮比率を規定す
    ることを特徴とする力触覚呈示装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した力触覚呈示装置の制
    御方法において、 関節を駆動させるのに必要な複数の筋肉のうちから対を
    なす伸筋及び屈筋の他に、荷重を加えることで働く筋肉
    を追加して、当該筋肉に対して効果器を通して電気刺激
    を付与することを特徴とする力触覚呈示装置の制御方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載した力触覚呈示装置の制
    御方法において、 荷重を加えることで働く駆動筋をデータベースに追加設
    定した後、対象となる関節を特定したときに、当該関節
    を駆動する際に選定される対をなす筋肉に対して電気刺
    激を付与するとともに、荷重の有無に応じて上記駆動筋
    に対して効果器を通して電気刺激を付与するか否かを規
    定することを特徴とする力触覚呈示装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015515691A (ja) * 2012-04-13 2015-05-28 トムソン ライセンシングThomson Licensing 複数のローカルな力フィードバックを用いてグローバルな6自由度運動効果を提供する方法
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