JP2000122603A - ガス放電パネルの駆動方法 - Google Patents

ガス放電パネルの駆動方法

Info

Publication number
JP2000122603A
JP2000122603A JP29707698A JP29707698A JP2000122603A JP 2000122603 A JP2000122603 A JP 2000122603A JP 29707698 A JP29707698 A JP 29707698A JP 29707698 A JP29707698 A JP 29707698A JP 2000122603 A JP2000122603 A JP 2000122603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
sustain
pulse
address
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29707698A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Asai
秀之 浅井
Naoya Kikuchi
直哉 菊地
Shigeo Mikoshiba
茂生 御子柴
Hajime Honma
肇 本間
Kiyoshi Igarashi
清 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP29707698A priority Critical patent/JP2000122603A/ja
Publication of JP2000122603A publication Critical patent/JP2000122603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】一層輝度を高め得るガス放電パネルの駆動方法
を提供する。 【解決手段】書込工程において、維持兼アドレス放電電
極24bに走査パルス34が順次印加されて走査される
と共に、その走査のタイミングに同期して所定のアドレ
ス放電電極18に書込パルス36が印加されることによ
り発光区画が順次選択され、続く表示工程において、維
持放電電極24aと維持兼アドレス放電電極24bとの
間に走査パルス34と重ならない放電維持電圧Vsh、V
slが印加されることにより、選択された発光区画内で順
次維持放電させられる一方、第1消去工程において、維
持放電電極24aとの間の電位差を維持放電電圧よりも
高くする第1消去パルス38が維持兼アドレス放電電極
24bに順次印加され、更に、第2消去工程において、
壁電荷量が表示放電後よりも少なくなる第2消去パルス
40が維持兼アドレス放電電極24bに順次印加され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス放電パネルの
駆動方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】所定の第1方向およびその第1方向と交
わる第2方向に沿って配列された複数の発光区画と、そ
の第1方向に沿ってそれら複数の発光区画の各々を通る
ように交互に設けられたそれぞれ複数本の維持放電電極
および維持兼アドレス放電電極と、その第2方向に沿っ
てそれら複数の発光区画の各々を通るように設けられた
複数本のアドレス放電電極とを備える形式の所謂3電極
構造のガス放電パネルが知られている。例えば、特開平
4−195188号に記載されているフラット型表示装
置に代表されるAC型フル・カラー・プラズマ・ディス
プレイ(以下、AC型PDPという)等がそれである。
このようなAC型PDPは、薄型且つ大表示面とするこ
とが容易であると共に、ブラウン管並の広い視野角およ
び速い応答速度が得られるため、ブラウン管に代わる画
像表示装置として考えられている。上記の3電極構造
は、複数本の維持兼アドレス放電電極と複数本のアドレ
ス放電電極との間で選択的にアドレス放電を発生させて
壁電荷を形成することで発光区画を選択する一方、複数
本の維持放電電極と複数本の維持兼アドレス放電電極と
の間に維持放電電圧を印加することにより、その選択し
た発光区画内で表示放電を発生および維持させて発光さ
せることで画像を表示するための構造である。
【0003】図1は、上記のAC型PDPの構成の一例
を示す斜視図である。図において、互いに平行に位置さ
せられた前面板10および背面板12の間に形成された
気密空間内に、一方向に沿って長手状の隔壁14によっ
て区画形成された複数の放電空間16が設けられ、背面
板12上にその一方向に沿ってその隔壁14の間を通る
複数本のアドレス放電電極18が設けられると共に、前
面板10上にそれら複数の放電空間16内で表示放電を
させるための複数対の維持放電電極24a、24bが誘
電体層20および保護層22で覆われた状態でその一方
向と直交する他方向に沿って交互に設けられている。一
方の維持放電電極24bは、後述のように上記のアドレ
ス放電電極18との間でアドレス放電するための電極と
しても機能するものであり、以下、必要に応じて維持兼
アドレス放電電極24bという。また、背面板12上に
は、各放電空間16毎に塗り分けられた蛍光体層26が
設けられており、維持放電電極24a、24b間の面放
電で発生した紫外線によってその蛍光体層26が励起さ
れて発光させられ、その光が透光性を有する前面板10
を通して射出される。なお、各対の維持放電電極24
a、24bは、面放電を広範囲で発生させ且つ表示光の
遮光を可及的に少なくするため、幅の広い透明導電膜2
8と、その透明導電膜28上の各対毎に幅方向の外側端
部位置にその導電性を補うために設けられた幅の狭い金
属膜30とから構成されている。また、このAC型PD
Pにおいては、アドレス放電電極18と一対の維持放電
電極24a、24bとの交点毎に発光区画が形成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、3電極構造
のAC型PDPにおける階調表示は、一般に、図2に駆
動シーケンスの一例を示すように、発光区画を選択する
アドレス期間Ta と表示放電(発光)をさせるための維
持放電期間Ts とを分離した「期間分離型駆動方法(以
下、ADSという)」で為される。図において、一画像
の表示単位である16.7(ms)程度の長さの1TVフィール
ドは複数(図においては6つ)のサブ・フィールドに分
割されており、各サブ・フィールドSF1、2、〜6が
それぞれアドレス期間Ta (右下がりの矢印で表す期
間)および維持放電期間Ts (左下がりの斜線で表す期
間)で構成される。複数のサブ・フィールドSF1、
2、〜6の各々における維持放電期間Ts1、2 、〜6
は、相互の長さの比が()内に数値をそれぞれ示される
ように1 :2 :4 :8 :16:32と2の累乗に設定されて
いる。そのため、発光させるサブ・フィールドSFの組
み合わせを適宜設定することにより、有効な維持放電期
間の合計時間すなわち1TVフィールド中の発光時間が
発光区画毎に多段階で変化させられて多階調表示が得ら
れる。上記の例では、サブ・フィールド数が6であるこ
とから26=64階調で表示されるが、サブ・フィールド数
は階調数に応じて適宜変更される。
【0005】しかしながら、上記のようなADS駆動で
は、一様な長さのアドレス期間Taがサブ・フィールド
数だけ必要となり、この期間中は発光が生じないことか
ら、1TVフィールド期間内に設けるサブ・フィールド
数を多くするに従って非発光期間が長くなるため、階調
を多くするほど発光デューティが小さくなって輝度の低
下が著しいという問題があった。1TVフィールドの長
さはちらつきのない画像が得られる16.7(ms)程度の一定
時間に定められることから、アドレス期間Taの占める
比率はサブ・フィールド数の増加に伴って増加するので
ある。例えば、1TVフィールドで走査される維持兼ア
ドレス放電電極24bの本数が240 本の場合(走査線数
を480 本として上下に二分割して駆動する場合)には、
維持兼アドレス放電電極24bの走査時間間隔は8(μs)
程度に設定されることから、一回のアドレス期間Ta の
長さは1.92(ms)程度になる。したがって、6ビットで階
調表示をする場合には、アドレス期間Ta の合計時間が
11.52(ms) にもなって、維持放電期間Ts の合計時間が
5.18(ms)となるため、発光デューティが 31(%) 程度に
低くなるのである。
【0006】そこで、本発明者等は、先に出願して公開
された特開平10−207421号公報において、維持
放電電極および維持兼アドレス放電電極に互いに位相が
ずれた維持放電パルスをそれぞれ定常的に印加すると共
に、その維持放電パルスと重ならないタイミングで維持
兼アドレス放電電極に走査パルスを印加して走査するこ
とにより、アドレス放電後に直ちに表示放電を開始させ
る「アドレス表示同時駆動方法(以下、AwDとい
う)」を提案した。図3は、AwD駆動方法の駆動波形
の一例である。図に示されるように、維持放電電極24
aには、電圧Vs の維持放電パルスが定常的に印加され
る一方、維持兼アドレス放電電極24bには、その維持
放電電極24aとは位相が半周期だけずれた同様な維持
放電パルスが定常的に印加されることにより、これらの
間に電圧Vs の維持放電電圧が周期的に極性が反転する
ように印加されている。そして、後者の維持兼アドレス
放電電極24bに、それらの維持放電パルスと重ならな
いように走査パルスVwyが線順次で印加されると共に、
その走査のタイミングに同期して所望のアドレス放電電
極18に書込パルスVwaが印加されることにより、それ
らの間でアドレス放電が発生させられ、その交点に位置
する発光区画内に壁電荷が形成される。そのため、周期
的に印加されている維持放電電圧Vs にこの壁電荷量が
重畳されると放電開始電圧を越えることから、アドレス
放電が発生した発光区画では直ちに表示放電が開始する
こととなる。
【0007】したがって、AwD駆動方法によれば、各
走査線毎に維持放電期間Ts が順次開始されることか
ら、壁電荷の形成後から維持兼アドレス放電電極の走査
が終了するまでの表示放電の待機時間が不要になるた
め、サブ・フィールド数の増加に伴う輝度の低下が抑制
される利点がある。しかも、走査線数が増加してもその
本数とは無関係に一定の高いデューティ比を得ることが
できるため、走査線数が1000本にもなるようなHDTV
等の駆動にも好適に適用し得る。しかしながら、このよ
うなAwD駆動によっても、CRT等と比較すれば輝度
が未だ低く、表示装置として十分とは言い難かった。す
なわち、上記の駆動波形図に示されているように、Aw
D駆動では、各サブ・フィールドの終了時において維持
兼アドレス放電電極に消去パルスVe を印加した後、更
に維持放電パルスの倍の周波数の休止パルスを印加する
休止期間Tp が設けられている。発光区画内に残存する
壁電荷を消滅させて、続くサブ・フィールドにおける誤
放電を防止するためである。そのため、その休止期間T
p が例えばサブ・フィールド毎に124(μs)程度は必要で
あることから、未だ、サブ・フィールド数に応じて非発
光時間が長くなる不都合があり、例えば、8階調表示す
る場合には非発光時間が1TVフィールドの6(%) 程度
もの時間を占めて輝度の向上を妨げていた。なお、上記
の休止期間Tp は何らパルスを印加しないものであって
もよいが、その場合には、誤放電防止のために要求され
る時間が長くなって一層表示のデューティ比が低下す
る。
【0008】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、一層輝度を高め得るガス
放電パネルの駆動方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、所定の第1方向およ
びその第1方向と交わる第2方向に沿って配列された複
数の発光区画と、その第1方向に沿ってそれら複数の発
光区画の各々を通るように交互に設けられた複数本の維
持放電電極および複数本の維持兼アドレス放電電極と、
その第2方向に沿ってそれら複数の発光区画の各々を通
るように設けられた複数本のアドレス放電電極とを備え
る形式のガス放電パネルの駆動方法であって、(a) 前記
複数本の維持兼アドレス放電電極に所定の走査パルスを
順次印加して走査すると共に、その走査のタイミングに
同期して所定のアドレス放電電極に所定の書込パルスを
印加することにより、それら維持兼アドレス放電電極お
よびアドレス放電電極間でアドレス放電を発生させて発
光区画を順次選択する書込工程と、(b) 前記複数本の維
持放電電極と前記複数本の維持兼アドレス放電電極との
間に極性が周期的に反転する所定の維持放電電圧を前記
走査パルスと重ならないように印加することにより、前
記選択された発光区画内で表示放電を順次に発生および
維持させる表示工程と、(c) 前記維持放電電極と前記維
持兼アドレス放電電極との間の電位差を前記維持放電電
圧よりも高い値にする第1消去パルスをそれら複数本の
維持兼アドレス放電電極に順次印加する第1消去工程
と、(d) 前記維持放電電極との間の放電により形成され
る壁電荷量が前記表示放電後よりも少なくなる第2消去
パルスを、前記第1消去パルスに続いて前記維持放電電
圧が印加される前に前記複数本の維持兼アドレス放電電
極に順次印加する第2消去工程とを、含むことにある。
【0010】
【発明の効果】このようにすれば、書込工程においてア
ドレス放電によって発光区画が順次選択されると、表示
工程においてその選択された発光区画内で順次維持放電
させられ且つ発光させられることによって一画像が表示
される。このとき、走査パルスと維持放電電圧とは相互
に重ならないように印加されることから、複数本の維持
兼アドレス放電電極の走査の終了を待たなくとも、誤放
電を発生させることなく適宜に維持放電を開始させるこ
とが可能であるため、維持放電期間長がその本数すなわ
ち走査線数に依存せず、これを長くして輝度を高め得
る。一方、第1消去工程において維持兼アドレス放電電
極に第1消去パルスが印加されると、維持放電電極との
電位差は維持放電電圧よりも高くなることから、表示放
電が発生させられていた前記選択された発光区画では表
示放電よりも強い放電が発生して、その表示放電後より
も壁電荷量が増加させられる。そして、その後、更に第
2消去工程において維持兼アドレス放電電極に第2消去
パルスが印加されると、前記選択された発光区画では壁
電荷量が多くなっていることから容易に放電が発生す
る。この放電により形成される壁電荷量は表示放電後よ
りも少なくなるため、続いて維持放電電極と維持兼アド
レス放電電極との間に維持放電電圧が印加されても放電
開始電圧に至らず、放電は発生させられない。したがっ
て、維持兼アドレス放電電極に第1消去パルスおよび第
2消去パルスを順次印加することによって表示放電が確
実に終了させられることから、休止期間を設ける必要が
なくなるため、休止期間を設けることによる輝度低下が
抑制されて、輝度を高めることができる。
【0011】
【発明の他の態様】ここで、好適には、(c-2) 前記の第
1消去工程において、前記第1消去パルスは、前記維持
放電電極と前記維持兼アドレス放電電極との間の電位差
を前記維持放電電圧と放電開始電圧との中間の値にする
ものである。このようにすれば、第1消去工程におい
て、維持放電電極と維持兼アドレス放電電極との間の電
位差が維持放電電圧と放電開始電圧との中間の値される
ため、表示工程で表示放電が発生させられていた選択さ
れた発光区画では、印加電圧が維持放電電圧よりも高い
ことから表示放電よりも強い放電が発生して壁電荷量が
増加させられる。したがって、続いて第2消去パルスを
印加されることで容易に放電が発生して表示放電が終了
させられる。一方、表示工程で表示放電が発生していな
かった選択されていない発光区画では、壁電荷が蓄積さ
れていないことから、上記電位差が放電開始電圧よりは
低いため放電が発生しない。上記により、第1、第2消
去パルスを順次印加することによって発生する放電で表
示放電が確実に終了させられるが、それらの放電は選択
されていた発光区画だけで発生することから、選択され
ていなかった発光区画ではそれらの放電に起因する発光
は何ら生じず、しかも、アドレス放電も表示する発光区
画だけで選択的に発生させるため、暗室コントラストが
飛躍的に高められる。
【0012】因みに、従来のADS駆動方法等において
は、消去放電や書込放電(アドレス放電)等が全面で一
括して行われることから、選択しない発光区画も一時的
に発光させられる。そのため、黒色の表現が困難である
ことから、高いコントラストを得ることができなかっ
た。これに対して、本発明の上記態様によれば、デュー
ティ比を高めることによって輝度が高められると共に、
選択しない発光区画の発光が抑制されるため、極めて高
いコントラストを得ることができるのである。
【0013】また、好適には、(c-3) 前記の第1消去工
程において、前記第1消去パルスは、前記維持放電電極
と前記維持兼アドレス放電電極との間の電位差を放電開
始電圧以上の値にするものである。このようにすれば、
第1消去工程において、維持放電電極と維持兼アドレス
放電電極との間の電位差が放電開始電圧以上の値にされ
ることから、表示工程で表示放電が発生させられていた
選択された発光区画だけでなく、表示放電が発生してい
なかった発光区画を含むその第1消去パルスが印加され
た維持兼アドレス放電電極上の全ての発光区画で、維持
放電電極との間で放電が発生し、且つその間によって形
成される壁電荷量が過剰となってそれだけで放電開始電
圧を越えるため、その放電の終了後、直ちにそれらの間
で自己消去放電が発生して壁電荷が消滅する。そして、
自己消去放電が不完全な発光区画があったとしても、そ
こでは第2消去パルスを印加されることで確実に壁電荷
量が少なくされる。したがって、休止期間を設けなくと
も、表示放電を確実に終了させることができる。このと
き、第1消去工程において全ての発光区画で放電が発生
して空中電荷が生成されるが、休止期間が不要であるこ
とからその空中電荷の消滅前に書込工程を実施し得るた
め、その空中電荷が次の書込工程におけるアドレス放電
のプライミングとして作用する。上記により、ガス放電
パネルの駆動電圧の上昇を抑制しつつ一層輝度を高める
ことができる。
【0014】因みに、本発明者等が先に出願した特開平
10−207421号公報に記載された従来のAwD駆
動方法では、壁電荷を消滅させるために長い休止期間T
p を設けた結果、続くサブ・フィールドの開始時には発
光区画内に空中電荷が殆ど存在しなくなっていた。その
ため、この駆動方法では輝度が高められる反面、ADS
駆動方法に比較してアドレス放電電圧が極めて高くなる
という問題があった。アドレス放電電極は個々に独立し
て駆動されることから、それに印加される電圧が高くな
ることは駆動ドライバ・コストの著しい増大を意味する
のである。
【0015】また、好適には、(b-2) 前記維持放電電圧
は、定常的に印加されているものである。このようにす
れば、複数本の維持放電電極と複数本の維持兼アドレス
放電電極との間に維持放電電圧が定常的に印加されるこ
とから、各々の維持兼アドレス放電電極に走査パルスが
印加されることによりアドレス放電電極との間でアドレ
ス放電が発生すると、維持放電電極および維持兼アドレ
ス放電電極間で直ちに表示放電が発生および維持され
る。したがって、実質的に複数本の維持兼アドレス放電
電極の各々において書込工程後の待ち時間がなくなるた
め、一層輝度が高められる。
【0016】また、好適には、(b-3) 前記維持放電電圧
は、前記複数本の維持兼アドレス放電電極を所定の基準
電位に保持し且つ前記複数本の維持放電電極にその基準
電位に対して正負交互に周期的に変化する所定の維持放
電パルスを印加することによって実質的に印加されてい
るものである。このようにすれば、維持放電電極に維持
放電パルスが印加されることで維持兼アドレス放電電極
との間に維持放電電圧が印加される一方、その維持兼ア
ドレス放電電極には表示放電のためのパルスが何ら印加
されないことから、走査パルス、第1消去パルスや第2
消去パルス等の印加方法や印加時期等の自由度が高めら
れる。したがって、駆動波形の設定が容易になると共
に、波形の鈍り等による誤放電が一層確実に抑制され
る。
【0017】また、好適には、(c-4) 前記第1消去工程
は、前記維持放電電極に所定の極性の維持放電パルスが
印加されるタイミングに同期してそれとは反対の極性の
前記第1消去パルスを前記維持兼アドレス放電電極に印
加するものである。このようにすれば、第1消去パルス
の極性が維持放電パルスと反対にされるため、第1消去
パルスが印加される際の維持放電電極と維持兼アドレス
放電電極との電位差は、維持放電パルスに第1消去パル
スを重畳した値になる。したがって、第1消去工程に維
持放電パルスが好適に利用されることから、第1消去パ
ルスの電位を低い値に留めながら、維持放電電極と維持
兼アドレス放電電極との電位差を維持放電電圧よりも大
きくすることができる。
【0018】また、上記のように維持放電電極に維持放
電パルスが印加されるタイミングに同期して第1消去パ
ルスが維持兼アドレス放電電極に印加される場合におい
て、一層好適には、その第1消去パルスは、その維持放
電パルスのパルス幅よりも広いパルス幅でその印加期間
の前後に亘るように印加される。このようにすれば、第
1消去パルスのパルス幅が維持放電パルスのパルス幅よ
りも広くされていることから、それらのパルスの印加中
に発生する放電が十分に長期間に亘るため、それにより
形成される壁電荷量を表示放電後の値よりも確実に多く
できる。
【0019】また、好適には、前記のガス放電パネルの
駆動方法は、(e) 前記第2消去工程後から前記書込工程
までの期間において、前記維持放電電極の電位変化に同
期して前記維持兼アドレス放電電極に所定の休止パルス
を印加することにより、それら維持放電電極と維持兼ア
ドレス放電電極との電位差を前記維持放電電圧よりも小
さい値に保持する休止工程を含むものである。このよう
にすれば、第2消去工程から書込工程までの期間に実施
される休止工程において、維持放電電極の電位変化に同
期して維持兼アドレス放電電極に所定の休止パルスが印
加されることにより、維持放電電極と維持兼アドレス放
電電極との電位差が維持放電電圧よりも小さい値に保持
される。そのため、第2消去パルスの印加後において、
維持放電電極に維持兼アドレス放電電極との間の電位差
が維持放電電圧となるパルスが印加されても、その維持
兼アドレス放電電極の電位が維持放電電極の電位に応じ
て変化させられて電位差の拡大が抑制されることから、
第1、第2消去工程後から書込工程までの間における誤
放電の発生が一層抑制され、且つ、放電の発生が抑制さ
れている間に無用な空中電荷が減少させられて一層確実
に表示放電が終了させられる。
【0020】また、好適には、前記の第2消去パルス
は、前記の維持放電パルスよりも小さいパルス幅で印加
される。このようにすれば、第2消去パルスを印加する
ことによる維持放電電極と維持兼アドレス放電電極との
間の放電は、表示放電の場合よりも短時間になる。その
ため、その放電による壁電荷の移動が不完全になること
から、形成される壁電荷量を表示放電後よりも少なくし
て、一層確実に表示放電を終了させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、
各図のパルス幅やパルス数等は必ずしも正確に描かれて
いない。
【0022】図4は、本発明の一実施例のガス放電パネ
ルの駆動方法による駆動波形の一例を示す図である。こ
の駆動波形は、前記図1に示されるようなAC型PDP
を例えば256階調表示で駆動するために、例えば16.7
(ms)程度の長さの1TVフィールドを8つのサブ・フィ
ールドに分割して8bitで階調表示をする場合に用いられ
るものであり、図に示されているのは2つのサブ・フィ
ールドの境界となる一部分である。図において、維持放
電電極24aには、電位Vshの正極性の維持パルス32
aおよび電位Vslの負極性の維持パルス32bが、例え
ばPc =4(μs)程度の周期で交互に定常的に印加されて
いる。正極性および負極性の各々の維持パルス32a、
32bの周期は何れも8(μs)程度であり、パルス幅Pw
は、例えば正パルス32aが0.8(μs)程度、負パルス3
2bが1.2(μs)程度である。なお、本実施例において
は、例えばVsh=+230(V)程度、Vsl=−150(V)程度で
あって、正の維持パルス32aの方の絶対値が大きく設
定されているが、これは駆動ドライバに用いられるFE
T等の特性に基づき、電位の立ち上がり遅れの大きい正
パルス32aの波形の鈍りを補ったものである。なお、
本発明者等の実験結果によれば、このように非対称にす
ることで動作マージンが広くなる効果も得られ、例え
ば、後述する走査パルス34と書込パルス36との電位
差が270 〜330(V)の範囲で、正パルス32aの電圧マー
ジンを3(V)以上とすることができる。特に上記電位差を
290(V)程度とすれば、15(V) 程度の十分に広いマージン
を得ることも確かめられた。
【0023】一方、複数本の維持兼アドレス放電電極2
4b(1 〜240 、241 〜480 ;図は走査線数が480 本の
場合の例)は、略定常的にGNDレベルに保持されてい
る。そのため、維持放電電極24aと維持兼アドレス放
電電極24bとの間の電位差は、4(μs)周期でVshとV
slとに交互に変化させられる。これら電位差Vshおよび
Vslは、後述するように維持放電電圧に相当するもので
ある。すなわち、それら維持放電電極24aと維持兼ア
ドレス放電電極24bとの間には、極性が周期的に反転
する維持放電電圧が印加されている。本実施例において
は、このように維持放電電極24aに維持パルス32が
印加されると共に維持兼アドレス放電電極24bがGN
Dレベルに保持される工程が表示工程に対応する。
【0024】また、上記の複数本の維持兼アドレス放電
電極24bには、更に、電位Vwy=−140(V)程度の負の
走査パルス34が、例えば一水平走査期間1Hに等しい
Ps= 32(μs)程度の一定の時間間隔を以て線順次で印
加されている。この走査パルス34は、上記の維持パル
ス32a、32bと重ならないように、それらが印加さ
れる時期の間であって維持放電電極24aの電位がGN
Dレベルにあるタイミングで印加される。そして、この
走査のタイミングに同期して、電位Vwa=+150(V)程度
の正の書込パルス36が所望のアドレス放電電極28に
印加される。これら走査パルス34および書込パルス3
6のパルス幅は、それぞれ1.2(μs)、1(μs)程度であ
る。これにより、走査パルス34を印加された維持兼ア
ドレス放電電極24bと選択的に書込パルス36を印加
されたアドレス放電電極28との間の電位差が290(V)程
度と十分に大きくなって放電開始電圧を越えるため、そ
れらの交点に位置する発光区画ではそれらの間でアドレ
ス放電が発生して誘電体層20上等に正の壁電荷が形成
され、表示させる区画として選択される。したがって、
本実施例においては、この走査パルス34および書込パ
ルス36を印加する工程が書込工程に対応する。なお、
書込パルス36は、維持パルス32と同じ4(μs)程度の
周期を以て、期間Ps 内に維持パルス32と重ならない
タイミングで8回(36P1 〜36P8 )印加されてい
るが、実際に走査パルス34に同期しているのは、図示
されている駆動波形の範囲では最初のパルス36P1 だ
けである。他のP2 〜P8 の意味については後述する。
【0025】上記のようにしてアドレス放電により表示
させる発光区画が選択されると、その直後に維持放電電
極24aに負電位(Vsl)の維持放電パルス32bが印
加された際の維持兼アドレス放電電極24bとの電位差
は、その負の維持放電パルス32bに正の壁電荷が重畳
された値になる。そのため、それらの間の実効的な電位
差が放電開始電圧を越えることから、壁電荷が形成され
た発光区画内において、維持放電電極24a、24b間
で表示放電が発生させられ、その後は、その表示放電に
よって新たに生じた壁電荷が維持放電パルス32に重畳
されることにより放電が維持される。このとき、維持放
電電極24a、24b間には、前者に維持放電パルス3
2が定常的に印加される一方、後者がGNDレベルに保
持されることによって放電維持電圧が周期的且つ定常的
に印加されているため、放電空間内に壁電荷が形成され
ると直ちに表示放電が発生させられることとなる。すな
わち、本実施例においては、表示放電が持続的に発生さ
せられる維持放電期間Tsが、複数本の維持兼アドレス
放電電極24bの各々毎に走査パルス34の印加直後か
ら開始する。
【0026】複数本の維持兼アドレス放電電極24b毎
に順次維持放電(表示放電)が開始された後、サブ・フ
ィールドSF相互の境界(すなわち、各サブ・フィール
ドの維持放電期間Ts の終了時)においては、例えば、
維持兼アドレス放電電極24b−2 等について走査パル
ス34の直前の位置に示すように第1消去パルス38、
および、それとは極性が異なり、相対的に細幅の第2消
去パルス40が連続して印加される。本実施例において
は、前者の第1消去パルス38を印加する工程が第1消
去工程に、後者の第2消去パルス40を印加する工程が
第2消去工程にそれぞれ対応する。先に印加される第1
消去パルス38は、例えば電位Ve1=+50(V) 程度の正
極性のパルスであって、維持放電電極24aに印加され
る負の維持パルス32bと重なり且つ書込パルス36と
は重ならないように、1.7(μs)程度の比較的広いパルス
幅で印加される。なお、図においてはそれらが同様なパ
ルス幅で時間的に一致するように描かれているが、維持
パルス32bは1.2(μs)程度のパルス幅であることか
ら、消去パルス38は、その維持パルス32bの印加前
から印加後までのそれよりも長い期間印加されている。
【0027】このように維持パルス32bに重なるよう
に第1消去パルス38が印加された維持兼アドレス放電
電極24bと維持放電電極24aとの電位差は、維持パ
ルス32bが印加された場合の電位差[維持放電電圧V
sl=-150(V) 程度]よりも50(V) だけ高くされる。その
ため、選択された発光区画内においてはそれらの間で表
示放電よりも強い放電が発生することから、この放電に
より形成される壁電荷量は表示放電後よりも多くなる。
一方、元々十分な量の壁電荷が存在しない選択されてい
ない発光区画では、第1消去パルス38が印加されても
維持放電電極24aと維持兼アドレス放電電極24bと
の間の電位差が放電開始電圧を越えないため、放電は発
生しない。第1消去パルス38の電位は、このような電
位差となるように200(V)程度以下に設定される。なお、
各々への第1消去パルス38の印加時間間隔は、走査パ
ルス34の時間間隔Ps と等しい 32(μs)程度である。
【0028】また、第1消去パルス38に続いて印加さ
れる第2消去パルス40は、例えば電位Ve2=−100(V)
程度の負極性のパルスであって、第1消去パルス38と
重なる維持パルス32bとそれに続く維持パルス32a
との間の維持放電電極24aがGNDレベルにある期間
内、すなわち第1消去パルス38に続いて維持パルス3
2aおよび全ての維持兼アドレス放電電極24bに走査
パルス34が印加される前に、何れのパルスとも重なら
ないように1(μs)程度のパルス幅で印加される。この第
2消去パルス40は、維持パルス32bよりも維持放電
電極24aと維持兼アドレス放電電極24bとの電位差
が小さくなり且つ小さいパルス幅に設定されている。そ
のため、選択されていた発光区画では表示放電後よりも
多量の壁電荷が蓄積されていることから、第2消去パル
ス40が印加されることによって放電させられるが、パ
ルス幅が小さいためその放電は表示放電よりも短時間で
終了し、壁電荷の移動は不完全となる。これにより、選
択されていた発光区画において壁電荷量が表示放電に必
要な量よりも少なくなるため、表示放電が終了させられ
ることとなる。すなわち、本実施例においては、第1消
去パルス38は続く第2消去パルス40で表示放電を確
実に終了させるための予備的なパルス(予備消去パル
ス)であり、第2消去パルス40が本来的な消去パルス
としての機能を有する。そして、このように予備消去パ
ルスを印加することにより、第2消去パルス40印加後
の壁電荷量を正確に調節できるのである。一方、選択さ
れていなかった発光区画では、この第2消去パルス40
が印加されても何ら放電が発生しない。この結果、本実
施例においては、消去のための放電が選択されていた発
光区画だけで発生し、且つ前述したように発光区画を選
択する際にもその選択する発光区画だけでアドレス放電
させることから、選択されていない発光区画では全く放
電が発生しないため、暗室コントラストが無限大になる
利点もある。
【0029】前記の走査パルス34は、上記のようにし
て各サブ・フレームの終了時に印加される2つの消去パ
ルス38、40に続いて印加されている。すなわち、第
2消去パルス40が印加された後、維持放電電極24a
に維持パルス32aが印加される際には維持兼アドレス
放電電極24bの電位はGNDレベルに保持され、その
維持パルス32aの印加後、維持放電電極24aの電位
がGNDレベルに復帰したときに走査パルス34が印加
される。そして、その走査パルス34の印加後には直ち
に維持放電期間Ts が開始する。したがって、前サブ・
フレームの影響を排除するための第1消去パルス38お
よび第2消去パルス40は負の維持パルス32bの1周
期の範囲内に設けられており、本実施例において表示放
電が発生していない消去期間Te はその負の維持パルス
32bの周期に等しい8(μs)程度に過ぎない。サブ・フ
ィールド数が8つの場合には、この消去期間Te が16.7
(ms)の1TVフィールド内に8 回設けられることから、
非表示期間は 64(μs)程度であって1TVフィールドの
0.4(%) 以下になり、 99.6(%) もの高い発光デューテ
ィが得られる。
【0030】なお、図4では、維持放電期間Ts が走査
パルス34の後の維持パルス34bの印加から開始して
第1消去パルス38が印加されるまでの範囲に設定さ
れ、消去期間Te は維持放電期間Ts 相互の間に設定さ
れている。しかしながら、上述した説明から明らかなよ
うに、第1消去パルス38を印加した際にも選択された
発光区画だけで強い放電が発生し、第2消去パルス40
の印加時にも放電は微弱になるものの同様に選択された
発光区画だけで放電が発生する。更に、十分に強いアド
レス放電も前述のように選択された発光区画だけで発生
させられる。このため、これらの何れの放電発生時に
も、選択された発光区画だけで放電による光が発生する
ため、実際には走査パルス34の印加時から第2消去パ
ルス40の印加終了時までの間、表示放電が発生してい
ると言える。したがって、厳密には発光しない期間は消
去期間Te よりも更に短く、それら第2消去パルス40
と走査パルス34との間の維持兼アドレス放電電極24
bがGNDレベルにある期間であって、4(μs)程度に過
ぎず、発光に寄与しない維持放電パルス32は一回だけ
となる。すなわち、非表示期間は実質的に 32(μs)程度
であり、デューティ比は99.8(%) 以上確保されている
といえる。
【0031】ここで、下記の表1は、本実施例の駆動条
件および特性を纏めて、従来のAwD駆動方法の場合と
比較したものである。なお、何れのAwD駆動方法にお
いても、走査線数が1000本で発光区画のピッチが水平方
向0.22(mm)、垂直方向0.66(mm)(すなわち、画素ピッチ
が両方向とも0.66(mm))のHDTV用パネルを、125(kH
z)の表示パルス周波数で走査線を 500本ずつに2分割し
て駆動し、適切な駆動条件を設定すると共に特性を測定
した。なお、従来のAwD駆動方法においては、第1消
去パルス38に相当するものは印加されず、また、維持
パルスは-220(V) の全く同じパルスが維持電極24a、
24bに交互に印加される。表から明らかなように、本
実施例の駆動方法によれば、従来390(V)程度であったア
ドレス放電電圧が290(V)程度まで低くなる。すなわち、
本実施例の駆動方法は、アドレス放電電圧の低減にも好
適に作用する。しかも、このように駆動電圧を低くしな
がら、発光デューティが向上し、且つ最大白色輝度も5
(%) 程度向上することが確かめられた。
【0032】図5は、前記図4の如き駆動波形が適用さ
れる駆動シーケンスの一例を示す図である。但し、図に
おいては、説明を容易にするために1TVフィールドが
3つのサブ・フィールドSF1、2、3(3bit)から構
成される場合を示した。これらのサブ・フィールドSF
1、2、3は、それぞれ相互の長さの比が2の累乗とな
るように互いに異なるものとされている。すなわち、例
えば、SF1が37H=2.35(ms)、SF2が74H=4.70(m
s)、SF3が 148H=9.40(ms)程度にそれぞれ設定され
ている。このため、本実施例においては、1TVフィー
ルド内で発光させるサブ・フィールドの組み合わせを適
宜選択することによって多階調表示が可能とされてお
り、例えば、23=8 階調で表示される。なお、1TVフ
ィールドは262.5 Hであることから上記の各値では 3.5
H程度の余剰時間が生じるが、僅かな時間に過ぎないた
め特に問題とならない。
【0033】上記の図5において、左上から右下方に向
かって、および左下から右上方に向かってそれぞれ描か
れている斜線a1 、a2 は、各サブ・フィールドSFn
におけるアドレス走査線である。したがって、480 本設
けられている維持兼アドレス放電電極24bのうち、図
の上半分に位置する1 〜240 までは1 から順に、下半分
に位置する241 〜480 までは480 から順に、それぞれ中
央の維持兼アドレス放電電極24b−240 に向かって、
同時に線順次で走査されることによって発光区画が選択
される。そのため、前記複数本のアドレス放電電極18
の各々は、維持兼アドレス放電電極24b−1 〜240 と
の間でアドレス放電させられるものと、維持兼アドレス
放電電極24b−241 〜480 との間でアドレス放電させ
られるものとに、長手方向の中間部において電気的に分
割されている。前記図4の駆動波形は、図の上半分の範
囲に対応するものであり、各走査パルス34は、上記の
アドレス走査線a1 上に位置する。したがって、各維持
兼アドレス放電電極24bにおいて、表示放電が発生さ
せられないのはアドレス走査線a1 上の僅かな時間に過
ぎず、殆どの時間が表示放電に有効に利用されることが
視覚的に確かめられる。なお、一回のアドレス走査の時
間は、図の3bit駆動の場合には 239H=15.2(ms)程度で
あるが、前記図4に示されるような8bit駆動の場合には
1TVフィールドの全期間すなわち 262.5H=16.7(ms)
程度になる。また、図に示されるように、ブラウン管で
画像を表示する場合の一画面に対応する 525H=33.3(m
s)程度の時間の1TVフレームは、2TVフィールドか
ら構成されている。
【0034】なお、図5から明らかなように、本実施例
によれば維持放電期間Ts を順次開始する結果、最大で
サブ・フィールドSFの数に等しい本数の維持兼アドレ
ス放電電極24bに同時に消去期間Te が設けられる。
例えば、図5においては、○印をつけた部分等において
相互に消去期間Te が重なるが、2本以上の維持兼アド
レス放電電極24bに同時に走査パルスが印加される
と、発光区画の選択が不可能となる。そのため、例えば
図4のような駆動波形による駆動においては、複数のサ
ブ・フィールドSF1、SF2、〜SF8相互に異なる
書込パルス36P1 、36P2 、〜36P8 に合わせた
タイミングで、走査パルス34を印加すればよい。走査
パルス間隔はPs = 32(μs)程度の短い時間であること
から、この範囲内で印加タイミングを変更しても、輝度
に対する影響は殆どないのである。ただし、走査パルス
34の印加タイミングの変更の輝度に対する影響を可及
的に小さくするためには、維持放電期間Ts が長いサブ
・フィールドSFほど、その期間Ps 内で遅いタイミン
グの走査パルス34を対応付ける(すなわち、サブ・フ
ィールドSF1、SF2、〜SF8にそれぞれ書込パル
ス36P1 、36P2、〜36P8 を対応付ける)こと
が好ましい。
【0035】要するに、本実施例によれば、AC型PD
Pを駆動するに際しては、書込工程において、維持兼ア
ドレス放電電極24bに走査パルス34が順次印加され
て走査されると共に、その走査のタイミングに同期して
所定のアドレス放電電極18に書込パルス36が印加さ
れることにより、それらの間でアドレス放電させられて
発光区画が順次選択され、続く表示工程において、維持
放電電極24aと維持兼アドレス放電電極24bとの間
に極性が周期的に反転する放電維持電圧Vsh、Vslが走
査パルス34と重ならないように印加されることによ
り、選択された発光区画内で順次維持放電させられる一
方、第1消去工程において、維持放電電極24aと維持
兼アドレス放電電極24bとの間の電位差を維持放電電
圧よりも高い値にする第1消去パルスVe1が維持兼アド
レス放電電極24bに順次印加され、更に、第2消去工
程において、維持放電電極24aとの間の放電により形
成される壁電荷量が表示放電後よりも少なくなる第2消
去パルスが、第1消去パルスに続いて次の維持放電パル
ス32a(および走査パルス34)が印加される前に維
持兼アドレス放電電極24bに順次印加される。
【0036】そのため、書込工程においてアドレス放電
によって発光区画が順次選択されると、表示工程におい
てその選択された発光区画内で順次維持放電させられ且
つ発光させられることによって一画像が表示される。こ
のとき、走査パルス34と維持放電電圧Vsh、Vslとは
相互に重ならないように印加されることから、複数本の
維持兼アドレス放電電極24bの走査の終了を待たなく
とも、適宜に維持放電を開始させることが可能であるた
め、維持放電期間を長くして輝度を高め得る。一方、第
1消去工程において維持兼アドレス放電電極24bに第
1消去パルス38が印加されて維持放電電極24aとの
電位差が維持放電電圧よりも高くなると、維持放電が発
生させられていた前記選択された発光区画では、維持放
電よりも強い放電が発生して、その維持放電後よりも壁
電荷量が増加させられる。そして、その後、更に第2消
去工程において維持兼アドレス放電電極24bに第2消
去パルス40が印加されると、前記選択された発光区画
では壁電荷量が多くなっていることから容易に放電が発
生する。この放電により形成される壁電荷量は表示放電
後よりも少なくなるため、続いて維持放電電極24aと
維持兼アドレス放電電極24bとの間に維持放電電圧が
印加されても放電開始電圧に至らず、放電は発生しな
い。したがって、維持兼アドレス放電電極24bに第1
消去パルス38および第2消去パルス40を順次印加す
ることによって表示放電が確実に終了させられることか
ら、休止期間を設ける必要がなくなるため、それによる
輝度低下が抑制されて、輝度を高めることができる。
【0037】しかも、本実施例においては、第1消去工
程において維持兼アドレス放電電極24bに印加される
第1消去パルス38は、維持放電電極24aとその維持
兼アドレス放電電極24bとの間の電位差を維持放電電
圧と放電開始電圧との中間の値にするものである。その
ため、表示工程で表示放電が発生させられていた選択さ
れた発光区画では、印加電圧が維持放電電圧よりも高い
ことから表示放電よりも強い放電が発生して壁電荷量が
増加させられる。したがって、続いて第2消去パルス4
0を印加されることで容易に放電が発生して表示放電が
終了させられる。一方、表示工程で表示放電が発生して
いなかった選択されていない発光区画では、壁電荷が蓄
積されていないことから、上記電位差が放電開始電圧よ
りは低いため放電が発生しない。上記により、第1、第
2消去パルス38、40を順次印加することによって発
生する放電で表示放電が確実に終了させられるが、それ
らの放電は選択されていた発光区画だけで発生すること
から、選択されていなかった発光区画ではそれらの放電
に起因する発光は何ら生じず、しかも、アドレス放電も
表示する発光区画だけで選択的に発生させるため、暗室
コントラストが飛躍的に高められる。
【0038】また、本実施例においては、維持放電電極
24aと維持兼アドレス放電電極24bとの間の維持放
電電圧Vsh、Vslは定常的に印加されている。そのた
め、複数本の維持兼アドレス放電電極24bに走査パル
ス34が順次印加されることによりアドレス放電電極1
8との間でアドレス放電が順次発生すると、維持放電電
極24aおよび維持兼アドレス放電電極24b間で直ち
に表示放電が持続的に発生する。したがって、実質的に
複数本の維持兼アドレス放電電極24bの各々において
書込工程後の待ち時間がなくなるため、一層輝度が高め
られる。
【0039】また、本実施例においては、複数本の維持
兼アドレス放電電極24bをGNDレベルに保持し且つ
複数本の維持放電電極24aに正負交互に周期的に変化
する維持放電パルス32を印加することによって、それ
らの間に維持放電電圧が印加される。そのため、大電流
を必要とする維持パルス32を印加するための高電圧且
つ大電流の大容量ドライバを、全面で共通の維持放電電
極24aだけに設ければよいことから、駆動回路コスト
を低くできる。しかも、維持兼アドレス放電電極24b
には表示放電のためのパルスが何ら印加されないことか
ら、走査パルス34、第1消去パルス38や第2消去パ
ルス40の印加方法や印加時期等の自由度が高められ
る。すなわち、表示放電の消去に実施例で示したような
2つの消去パルス38、40を利用すること等が容易と
なる。したがって、駆動波形の設定が容易になると共
に、波形の鈍り等による誤放電が一層確実に抑制され
る。因みに、本発明者等が先に出願した特開平10−2
07421号公報に記載されたAwD駆動方法では、維
持放電電極24aおよび維持兼アドレス放電電極24b
の両方に、同じ負電圧Vs の維持放電パルスが交互に印
加されていた。そのため、走査線数と同じだけの数の駆
動ドライバが必要な維持兼アドレス放電電極24bに
も、大容量ドライバを用いる必要があることから、駆動
回路コストが高くなるという問題があった。
【0040】また、本実施例においては、第1消去工程
においては、維持放電電極24aに負極性の維持放電パ
ルス32bが印加されるタイミングに同期して、その反
対の正極性の第1消去パルス38が維持兼アドレス放電
電極24bに印加される。そのため、第1消去パルス3
8が印加される際の維持放電電極24aと維持兼アドレ
ス放電電極24bとの電位差は、維持放電パルス32に
第1消去パルス38を重畳した値になる。したがって、
第1消去工程に維持放電パルス32が好適に利用される
ことから、第1消去パルス38の電位を50(V) 程度の低
い値に留めながら、維持放電電極24aと維持兼アドレ
ス放電電極24bとの電位差を維持放電電圧よりも大き
くすることができる。
【0041】また、第1消去パルス38は、同期させら
れる負極性の維持放電パルス32bのパルス幅よりも広
いパルス幅でその印加期間の前後に亘るように印加され
る。すなわち、第1消去パルス38のパルス幅が維持放
電パルス32のパルス幅Pwよりも広くされていること
から、それらのパルス32、38の印加中に発生する放
電が十分に長期間に亘るため、それにより形成される壁
電荷量を維持放電後の値よりも確実に多くできる。
【0042】また、本実施例においては、第2消去パル
ス40は、それと同様に負極性の維持パルス32bの1.
2(μs)程度のパルス幅よりも細い1(μs)程度のパルス幅
で印加される。そのため、第2消去パルス40を印加す
ることによる維持放電電極24aと維持兼アドレス放電
電極24bとの間の放電は、表示放電の場合よりも短時
間になる。したがって、その放電による壁電荷の移動が
不完全になることから、形成される壁電荷量を表示放電
後よりも少なくして一層確実に表示放電を終了させるこ
とができる。
【0043】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
は説明を省略する。
【0044】図6は、図4の駆動波形に代えて用いられ
る他の駆動波形の要部の消去工程に対応する部分を説明
する図である。図において、図4の場合と同様に維持パ
ルス32bに同期して維持兼アドレス放電電極24bに
第1消去パルス38が印加され、更に第2消去パルス4
0が印加された後、本実施例においては、続く維持パル
ス32aに同期する休止パルス42が維持兼アドレス放
電電極24bに印加される。この休止パルス42は、例
えば第1消去パルス38と同様なものであって、電位が
Vr =Ve1=50(V) 程度、パルス幅が1.7(μs)程度であ
る。そのため、第2消去パルス40の印加直後に正極性
の維持パルス32aが印加される際には、その休止パル
ス42が印加されることによって維持放電電極24aと
維持兼アドレス放電電極24bとの電位差が180(V)程度
に小さくされる。したがって、第2消去パルス40の印
加後から走査パルス34が印加されるまでの間は、その
電位差が放電維持に必要な電位差よりも小さい値に維持
されることから、第2消去工程の後に残留する壁電荷が
維持パルス32aに重畳されても、それに起因する誤放
電の発生が好適に抑制される。
【0045】すなわち、本実施例においては、第2消去
工程から書込工程までの期間に実施される休止工程にお
いて、維持放電電極24aの電位変化に同期して維持兼
アドレス放電電極24bに休止パルス42が印加される
ことにより、それらの間の電位差が維持放電電圧よりも
小さい値に保持される。そのため、第2消去パルス40
の印加後において、維持放電電極24aに維持兼アドレ
ス放電電極24bとの間の電位差が維持放電電圧となる
維持パルス32aが印加されても、その維持兼アドレス
放電電極24bの電位が維持放電電極24aの電位に応
じて変化させられて電位差の拡大が抑制されることか
ら、第1、第2消去工程後から書込工程までの間におけ
る誤放電の発生が一層抑制される。しかも、放電が抑制
されている間に無用な空中電荷が減少させられるため、
一層確実に表示放電が終了させられる。
【0046】図7は、更に他の駆動波形の要部を説明す
る図である。本実施例においては、負極性の第2消去パ
ルス40に代えて、正極性の第2消去パルス44が維持
兼アドレス放電電極24bに印加される。第2消去パル
ス44は、例えば維持パルス32aと同様なVsh=230
(V)程度の電位で幅0.1 〜0.5(μs)程度の細幅のパルス
である。この駆動波形では、第1消去パルス38に続い
て維持パルス32aが印加され、それらの間に第2消去
パルス44が印加されていない。そのため、維持パルス
32aが印加された際に維持放電電極24aと維持兼ア
ドレス放電電極24bとの間で表示放電が発生する可能
性がある。しかしながら、その維持パルス32aの印加
中に第2消去パルス44が印加されると、それらの間の
電位差が零(V) になって放電が停止させられる。すなわ
ち、維持放電電極24aと維持兼アドレス放電電極24
bとの間には、実質的に細幅の維持放電電圧が印加され
ることとなる。これにより、放電が短時間で終了させら
れて形成される壁電荷量が少なくなるため、このような
駆動方法によっても第2消去パルス40を印加した場合
と同様な効果を得ることができる。
【0047】図8は、更に他の駆動波形の要部を説明す
る図である。本実施例においては、維持放電電極24a
および維持兼アドレス放電電極24bにそれぞれVs =
−210(V)程度の負極性の維持パルス46a、46bが交
互に周期的に印加されている。それぞれの周期は、例え
ば8(μs)程度であり、両電極24a,24b間の電位差
は図4の場合と同様に4(μs)周期で反転させられてい
る。そして、表示期間の終了時には、維持放電電極24
aに維持パルス46aが印加されるタイミングに同期し
て維持兼アドレス放電電極24bに第1消去パルス38
が印加されて、それらの電位差が維持放電電圧よりも高
くされることにより壁電荷量が表示放電後よりも多くさ
れ、更に、第2消去パルス40が印加されることによっ
て確実に表示放電が終了させられる。すなわち、このよ
うに両維持電極24a、24bに交互に維持パルス46
が印加される駆動方法においても、2つの消去パルス3
8、40を順次印加することによって表示放電を停止さ
せることができる。なお、本実施例においても、第2消
去パルス40と走査パルス34との間において、維持放
電電極24aの維持パルス46aと同期する休止パルス
48を入れることにより、図6の駆動方法の場合と同様
な効果を得ることができる。
【0048】ところで、以上の実施例においては、表示
放電を発生させるための負極性の維持パルス32bが維
持放電電極24aに印加されるタイミングに同期して、
50(V) 程度に設定された第1消去パルス38が維持兼ア
ドレス放電電極24bに印加されることにより、第1消
去工程において、それらの間の電位差が維持放電電圧と
放電開始電圧との中間の値にされていた。しかしなが
ら、この電位差は、維持放電電圧よりも大きくされれ
ば、消去(表示放電の終了)を確実にして長い休止期間
を不要とする効果が同様に得られ、例えば、第1消去パ
ルス38を200(V)程度の比較的高い値に設定することも
できる。すなわち、前記の表1に示される駆動条件或い
は図4および図6乃至図8の何れかに示される駆動波形
において第1消去パルスの電位を変更する他は同様な条
件で、前記図1に示されるAC型PDPを駆動してもよ
い。
【0049】このような駆動方法によれば、第1消去工
程における維持放電電極24aと維持兼アドレス放電電
極24bとの間の電位差は、350(V)程度の放電開始電圧
以上の値になる。そのため、それら維持放電電極24a
と維持兼アドレス放電電極24bとの間では表示放電よ
りも強い放電が発生し、その放電によって形成される壁
電荷量は、表示放電後における値よりも極めて多くな
る。したがって、その過剰な壁電荷だけで維持放電電極
24aと維持兼アドレス放電電極24bとの間の実効的
な電位差が放電開始電圧を越えることから、第1消去パ
ルス38の印加終了後には直ちにその電位差に基づく放
電が発生する。しかしながら、この放電の発生時には維
持放電電極24aおよび維持兼アドレス放電電極24b
にパルスが印加されていないことから、放電によって壁
電荷が消費されると速やかにそれらの間の電位差が小さ
くなり、壁電荷を新たに形成することなく放電が終了す
る。すなわち、誘電体層20上には、維持放電電圧を印
加することによって放電開始電圧を越えることとなるだ
けの壁電荷が存在しなくなる。本実施例においては、こ
のような「自己消去放電」を利用することによって、走
査線毎すなわち複数本の維持兼アドレス放電電極24b
の各々毎に表示放電が終了させられる。
【0050】このとき、本実施例においては、上記のよ
うに第1消去パルス38の電位が高く設定されているこ
とから、それが印加された維持兼アドレス放電電極24
bの通る全ての発光区画において、維持放電電極24a
と維持兼アドレス放電電極24bとの間の電位差が放電
開始電圧を越えて放電が発生する。すなわち、第1消去
パルス38が印加される時点(すなわちにそれに先立つ
維持放電期間Ts )において表示放電させられていなか
った発光区画においても、放電が持続させられていた発
光区画と同様に放電させられ、且つ自己消去放電が発生
することとなる。前述のように第1消去パルス38のパ
ルス幅が大きく設定されているのは、このように現サブ
・フレームにおける非表示セルでも放電を発生させるた
めである。この結果、第1消去パルス38を印加された
維持兼アドレス放電電極24bが通る全ての発光区画内
に空中電荷が生成される。
【0051】なお、本実施例においては、専ら自己消去
放電によって表示放電が終了させられる。そのため、維
持兼アドレス放電電極24bに第1消去パルス38に続
いて印加されるそのパルス38と極性の異なる第2消去
パルス40の機能は前述の実施例とは相違し、自己消去
放電が不完全な発光区画が存在する場合にその壁電荷量
を少なくして表示放電を確実に終了させるために印加さ
れる。すなわち、維持放電に必要な量よりも多い壁電荷
が残留している発光区画では、維持放電電極24a、維
持兼アドレス放電電極24b間で表示放電よりも微弱な
放電が発生することによって壁電荷量が少なくなる。一
方、自己消去放電により十分に壁電荷量が減少させられ
た発光区画では、第2消去パルス40を印加しても放電
は何ら発生しない。本実施例の駆動方法では、このよう
に補助的な機能を果たす第2消去パルス40を印加する
ことによって、各サブ・フレームにおいて無用に表示放
電が持続する可能性を減じている。なお、上記の説明か
ら明らかなように、各サブ・フレームの維持放電期間T
s は、第1消去パルス38が印加されて自己消去放電が
発生することで実質的に終了させられることとなる。
【0052】要するに、本実施例の駆動方法において
は、第1消去工程において、維持放電電極24aと維持
兼アドレス放電電極24bとの間の電位差を放電開始電
圧以上の値にする第1消去パルス38がその維持兼アド
レス放電電極24bに印加される。そのため、表示工程
で表示放電が発生させられていた選択された発光区画だ
けでなく、表示放電が発生していなかった発光区画を含
むその第1消去パルス38が印加された維持兼アドレス
放電電極24b上の全ての発光区画で、維持放電電極2
4aとの間で放電が発生し、且つその間によって形成さ
れる壁電荷量が過剰となってそれだけで放電開始電圧を
越えるため、その放電の終了後、直ちにそれらの間で自
己消去放電が発生して壁電荷が消滅する。そして、自己
消去放電が不完全な発光区画があったとしても、そこで
は第2消去パルス40を印加されることで確実に壁電荷
量が少なくされる。したがって、本実施例においても、
休止期間を設けなくとも、表示放電を確実に終了させ得
ることから、前述の実施例と同様に、表示放電が発生し
ていない消去期間Te を8(μs)程度以下に短くできるた
め、発光デューティが高くなって輝度が高められるので
ある。
【0053】しかも、本実施例においては、上記のよう
に消去のための放電の発生から書込工程までの期間が8
(μs)程度以下に短くされていることから、その書込工
程において走査パルス34が印加される際には、自己消
去放電時等に生成した多量の空中電荷が全ての発光区画
内に未だ残留している。そのため、前サブ・フレームの
表示放電の有無とは無関係に存在するこの空中電荷がア
ドレス放電のプライミングとして好適に作用することか
ら、維持兼アドレス放電電極24bとアドレス放電電極
18との電位差を、例えば、260(V)程度と従来のAwD
駆動に比較して一層低くしても、確実に全発光区画でア
ドレス放電を発生させ得る。したがって、AC型PDP
の駆動電圧の上昇を一層抑制しつつ一層輝度を高めるこ
とができる。
【0054】また、本実施例においても、第1消去パル
ス38のパルス幅が維持放電パルス32のパルス幅Pw
よりも広くされていることから、それらのパルス32、
38の印加中に発生する放電が十分に長期間に亘るた
め、それにより形成される壁電荷量が十分に多くなる。
そのため、その放電の終了後に形成された壁電荷によっ
て自己消去放電が一層確実に発生することから、表示放
電が一層確実に終了させられる。
【0055】また、本実施例においては、第2消去パル
ス40は、それと同様に負極性の維持パルス32bの1.
2(μs)程度のパルス幅よりも細い1(μs)程度のパルス幅
で印加される。そのため、第2消去パルス40を印加す
ることによって、自己消去放電が不完全な発光区画にお
いて維持放電電極24aと維持兼アドレス放電電極24
bとの間で放電が発生しても、その放電時間が表示放電
の場合よりも短くなることから、形成される壁電荷量が
少なくなる。したがって、第2消去工程の後に維持放電
パルス32aが印加されても、それによって誤放電が発
生する可能性が一層少なくなる。
【0056】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0057】例えば、実施例においては、本発明が蛍光
体層26を備えたAC型カラーPDPの駆動方法に適用
された場合について説明したが、DCパルス・メモリ型
ガス放電パネル等の他の形式のガス放電パネル等にも本
発明は同様に適用され、また、複数種類の蛍光体層26
等を備えたカラー表示装置に限られず、一色の蛍光体層
を備え或いは蛍光体層を備えていないモノクロ型の表示
装置にも適用されうる。
【0058】また、実施例においては、維持兼アドレス
放電電極24bに第2消去パルス40の印加後、実質的
に直ちに走査パルス34を印加していたが、これらの間
には適当なパルス数の休止パルス42を印加する休止期
間が適宜設けられてもよい。但し、休止期間が長くなる
ほど、消去放電によって発生した壁電荷が消滅してアド
レス放電のプライミング効果が得られなくなるため、実
施例のように第2消去パルス40および走査パルス34
を最大で一つの休止パルスを介して連続的に印加するこ
とが望ましい。
【0059】また、実施例においては、サブ・フィール
ド数が3または8の場合について説明したが、サブ・フ
ィールド数は必要とされる階調数に応じて適宜設定され
る。
【0060】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるガス放電パネルの一例であ
るAC型カラーPDPの構成を一部を切り欠いて示す斜
視図である。
【図2】従来の期間分離型の階調駆動方法の駆動シーケ
ンスである。
【図3】従来のアドレス表示同時駆動方法の駆動波形の
一例である。
【図4】本発明の一実施例の駆動波形を説明する図であ
る。
【図5】本発明の一実施例の3bit駆動シーケンスを
示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の駆動波形の要部を示す図
である。
【図7】本発明の他の実施例の駆動波形の要部を示す図
である。
【図8】本発明の他の実施例の駆動波形の要部を示す図
である。
【符号の説明】
18:アドレス放電電極 24a:維持放電電極 24b:維持兼アドレス放電電極 32:維持パルス 34:走査パルス 36:書込パルス 38:第1消去パルス 40:第2消去パルス
フロントページの続き (72)発明者 菊地 直哉 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 御子柴 茂生 東京都杉並区和泉2丁目43番17号 (72)発明者 本間 肇 東京都日野市大字日野475番地の8 (72)発明者 五十嵐 清 東京都杉並区方南1丁目46番15号 Fターム(参考) 5C080 AA05 BB05 DD03 DD09 EE29 FF12 GG12 HH02 HH04 HH05 HH07 JJ04 JJ06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の第1方向および該第1方向と交わ
    る第2方向に沿って配列された複数の発光区画と、該第
    1方向に沿って該複数の発光区画の各々を通るように交
    互に設けられた複数本の維持放電電極および複数本の維
    持兼アドレス放電電極と、該第2方向に沿って該複数の
    発光区画の各々を通るように設けられた複数本のアドレ
    ス放電電極とを備える形式のガス放電パネルの駆動方法
    であって、 前記複数本の維持兼アドレス放電電極に所定の走査パル
    スを順次印加して走査すると共に、該走査のタイミング
    に同期して所定のアドレス放電電極に所定の書込パルス
    を印加することにより、該維持兼アドレス放電電極およ
    び該アドレス放電電極間でアドレス放電を発生させて発
    光区画を順次選択する書込工程と、前記複数本の維持放
    電電極と前記複数本の維持兼アドレス放電電極との間に
    極性が周期的に反転する所定の維持放電電圧を前記走査
    パルスと重ならないように印加することにより、前記選
    択された発光区画内で表示放電を順次に発生および維持
    させる表示工程と、 前記維持放電電極と前記維持兼アドレス放電電極との間
    の電位差を前記維持放電電圧よりも高い値にする第1消
    去パルスを該複数本の維持兼アドレス放電電極に順次印
    加する第1消去工程と、 前記維持放電電極との間の放電により形成される壁電荷
    量が前記表示放電後よりも少なくなる第2消去パルス
    を、前記第1消去パルスに続いて前記維持放電電圧が印
    加される前に前記複数本の維持兼アドレス放電電極に順
    次印加する第2消去工程とを、含むことを特徴とするガ
    ス放電パネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記第1消去パルスは、前記維持放電電
    極と前記維持兼アドレス放電電極との間の電位差を前記
    維持放電電圧と放電開始電圧との中間の値にするもので
    ある請求項1のガス放電パネルの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記第1消去パルスは、前記維持放電電
    極と前記維持兼アドレス放電電極との間の電位差を放電
    開始電圧以上の値にするものである請求項1のガス放電
    パネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記維持放電電圧は、定常的に印加され
    ているものである請求項1乃至3の何れかのガス放電パ
    ネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記維持放電電圧は、前記複数本の維持
    兼アドレス放電電極を所定の基準電位に保持し且つ前記
    複数本の維持放電電極に該基準電位に対して正負交互に
    周期的に変化する所定の維持放電パルスを印加すること
    によって実質的に印加されているものである請求項1乃
    至4の何れかのガス放電パネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記第1消去工程は、前記維持放電電極
    に所定の極性の維持放電パルスが印加されるタイミング
    に同期してそれとは反対の極性の前記第1消去パルスを
    前記維持兼アドレス放電電極に印加するものである請求
    項1乃至5の何れかのガス放電パネルの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記第2消去工程後から前記書込工程ま
    での期間において、前記維持放電電極の電位変化に同期
    して前記維持兼アドレス放電電極に所定の休止パルスを
    印加することにより、該維持放電電極と該維持兼アドレ
    ス放電電極との電位差を前記維持放電電圧よりも小さい
    値に保持する休止工程を含むものである請求項1乃至6
    の何れかのガス放電パネルの駆動方法。
JP29707698A 1998-10-19 1998-10-19 ガス放電パネルの駆動方法 Pending JP2000122603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29707698A JP2000122603A (ja) 1998-10-19 1998-10-19 ガス放電パネルの駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29707698A JP2000122603A (ja) 1998-10-19 1998-10-19 ガス放電パネルの駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000122603A true JP2000122603A (ja) 2000-04-28

Family

ID=17841904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29707698A Pending JP2000122603A (ja) 1998-10-19 1998-10-19 ガス放電パネルの駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000122603A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030090370A (ko) * 2002-05-23 2003-11-28 주식회사 유피디 3전극 면방전형 교류 플라즈마 디스플레이 패널
JP2005309397A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Samsung Sdi Co Ltd プラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法
WO2005119637A1 (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネル駆動装置及びプラズマディスプレイ
KR100648879B1 (ko) 2004-06-09 2006-11-24 파이오니아 가부시키가이샤 플라즈마 디스플레이 장치 및 플라즈마 디스플레이 장치에사용되는 구동방법
JP2007114782A (ja) * 2005-10-17 2007-05-10 Samsung Sdi Co Ltd プラズマ表示装置及びその駆動方法
US7511707B2 (en) 2004-05-25 2009-03-31 Samsung Sdi Co., Ltd. Method and circuit for driving a plasma display panel and a plasma display device
JP2009110019A (ja) * 2001-12-27 2009-05-21 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネルの駆動方法
US7642993B2 (en) 2004-06-30 2010-01-05 Samsung Sdi Co., Ltd. Driving method of plasma display panel

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110019A (ja) * 2001-12-27 2009-05-21 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネルの駆動方法
KR20030090370A (ko) * 2002-05-23 2003-11-28 주식회사 유피디 3전극 면방전형 교류 플라즈마 디스플레이 패널
JP2005309397A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Samsung Sdi Co Ltd プラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法
US7570229B2 (en) 2004-04-16 2009-08-04 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel and driving method thereof
US7511707B2 (en) 2004-05-25 2009-03-31 Samsung Sdi Co., Ltd. Method and circuit for driving a plasma display panel and a plasma display device
WO2005119637A1 (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネル駆動装置及びプラズマディスプレイ
KR100648879B1 (ko) 2004-06-09 2006-11-24 파이오니아 가부시키가이샤 플라즈마 디스플레이 장치 및 플라즈마 디스플레이 장치에사용되는 구동방법
US7408532B2 (en) 2004-06-09 2008-08-05 Pioneer Corporation Plasma display device and drive method for use in plasma display device
US7642993B2 (en) 2004-06-30 2010-01-05 Samsung Sdi Co., Ltd. Driving method of plasma display panel
JP2007114782A (ja) * 2005-10-17 2007-05-10 Samsung Sdi Co Ltd プラズマ表示装置及びその駆動方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6492776B2 (en) Method for driving a plasma display panel
JP3466098B2 (ja) ガス放電パネルの駆動方法
US20060119544A1 (en) Plasma display and method for driving the same
JP2003345292A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2002140033A (ja) プラズマディスプレイの駆動方法
JP3421578B2 (ja) Pdpの駆動方法
JP2001228820A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法及びプラズマディスプレイ装置
JP2001184021A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2002162931A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP5152183B2 (ja) プラズマディスプレイ装置とその駆動方法
JP2007041251A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP4089759B2 (ja) Ac型pdpの駆動方法
KR100330030B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 구동방법
US20070085766A1 (en) Method of driving plasma display apparatus
US6667728B2 (en) Plasma display panel and method of driving the same capable of increasing gradation display performance
JP2000122603A (ja) ガス放電パネルの駆動方法
JPH08278766A (ja) フラット・ディスプレイ・パネルの駆動方法
JP3430946B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその駆動方法
JP2002132209A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2000293138A (ja) Ac型pdpの駆動方法
JPH11167367A (ja) Pdpの駆動方法
JP5007021B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
WO2006106720A1 (ja) Ac型プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JPH11265163A (ja) Ac型pdpの駆動方法
JP2002351397A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090526