JP2000120402A - ハイブリッド軸受式膨張タービン - Google Patents

ハイブリッド軸受式膨張タービン

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JP2000120402A
JP2000120402A JP10294142A JP29414298A JP2000120402A JP 2000120402 A JP2000120402 A JP 2000120402A JP 10294142 A JP10294142 A JP 10294142A JP 29414298 A JP29414298 A JP 29414298A JP 2000120402 A JP2000120402 A JP 2000120402A
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Japan
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bearing
gas
rotating shaft
thrust
expansion turbine
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JP10294142A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Ouchi
信明 大内
Masaki Hirokawa
昌樹 弘川
Akihiro Oba
章弘 大場
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受ガスの圧力を低く且つ使用量を低減した
安価で的確な軸受を可能とした構造のハイブリッド軸受
式膨張タービンの提供。 【解決手段】 回転軸53を垂直に横切って径方向に沿
って配設して、回転軸53に同軸に固定したスラスト円
板7の両側に配設されるスラスト軸受部6を電磁石8
a、8bの吸引力を制御することによって回転軸53を
支持する吸引制御型磁気軸受機構BMとし、回転軸53
の周壁に沿って配されるラジアル軸受部3に軸受ガスG
Bを供給して回転軸53を支持する静圧気体軸受機構BS
として形成した軸受構造を有するハイブリッド軸受式膨
張タービン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨張タービンの軸
受構造に係わるものであり、詳しくは空気液化分離装置
やヘリウム液化機等の極低温状態の発生を伴う工程に用
いる等高速回転を伴う膨張タービンに好適な軸受構造を
有する膨張タービンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気を液化して、空気中の組成分である
酸素・窒素をこれらの沸点の差異によって分離して採取
する空気液化分離装置や、極めて低い温度(ー50℃以
下)を得るための装置等で、圧縮気体を外部に仕事を付
与せしめながら膨張せしめることにより寒冷を得るため
に、膨張タービンが使用されている。そして、この種の
膨張タービンは図5に図示する如き構造をしている。即
ち、図5は従来の静圧気体軸受式膨張タービンの構造の
一例を図示した構造略図である。図5において、膨張タ
ービン50は、軸受部ハウジング51内に周設された砲
金等の金属よりなる軸受部材52に支持された回転軸5
3の両端53a、53bにはそれぞれタービンインペラ
54と圧縮機インペラ55が固定して設けて、これらを
それぞれ開口56a、57aを有する気体流通ハウジン
グ56、57で囲繞してそれぞれ膨張室Exと圧縮室Cp
を形成してなっている。
【0003】かかる膨張タービン50において、高圧に
圧縮された被膨張気体Zを膨張室Exに連通する導入管
58より膨張室Exに導入し、タービンインペラ54に
接触せしめてこれを回転せしめて膨張し、圧力降下し、
かつ低温に温度降下した膨張後気体Z0となって、開口
56aより導出される。そして、一方回転軸53の他端
側53bの圧縮機インペラ55が配されている圧縮室C
pには、開口57aより別途任意の所望する被圧縮気体
Xを導入すると、前記膨張室Exでの膨張によりタービ
ンイン54ペラを介して回転された回転軸53によって
圧縮機インペラ55が回転して導入された前記任意の所
望する被圧縮気体Xを圧縮して、圧縮室Cpに連通する
導出管59より加圧された所望の圧縮後気体Xpが導出
されて、前記膨張室Exで発生して得られる動力を回収
するものである。
【0004】以上のように作動する膨張タービン50の
回転軸53を支持する軸受部材52には、膨張及び圧縮
の各インペラ54、55に作用する圧力によって、回転
軸53に生じる軸方向に沿った力を支持するスラスト軸
受と、回転軸53の自重や回転軸53のアンバランスに
よって発生する遠心力を支持するラジアル軸受が一体的
構造をなして構成されていることが必要である。
【0005】そこで、図5に示す如き従来の膨張タービ
ン50においては、このために回転軸53を支持する軸
受部材52に、軸受部ハウジング51の壁を貫通して配
された軸受ガス流路60を介して高圧の軸受ガスGB
導入収容する軸受ガス室61、61、…が設けられてい
る。そして該軸受ガス室61より、回転軸53と軸受部
材52との間の微小な間隙tに高圧の軸受ガスGBを、
複数の噴射するノズル62、62、…を介して噴射し
て、回転軸53を軸受部材52から浮上させてこれらを
非接触状態で支持するラジアル軸受63を形成せしめる
とともに、前記回転軸53に該回転軸53の軸心を垂直
に横断して同軸に配した円板状のスラスト円板64のそ
れぞれ双方の板面に向けて、前記軸受ガス室61より高
圧の軸受ガスGBを複数の噴射ノズル65、65、…を
介して噴射して、軸方向に沿った移動を防止して定位置
に保持するスラスト軸受66を形成せしめる、いわゆる
静圧気体軸受機構BSを用いた軸受機構が採用されてい
る。そしてこの静圧気体軸受BS機構では、軸受損失が
少なく、高速回転の軸受に適しており、その支持力は軸
受ガスGBのガス圧力が高いほど、又軸受ガスGBの流量
が多いほど大きくなる。
【0006】又、上記静圧気体軸受機構BSに代えて、
動圧気体軸受機構BDや磁石の吸引力や反発力によって
回転軸を軸受部材より浮上させて支持する磁気軸受機構
等も又同様に高速回転に適した軸受機構として使用して
いる。即ち、これらのうち動圧気体軸受機構BDを用い
た膨張タービンの構造について図6で、そして、吸引制
御型磁気軸受機構BMを用いた膨張タービンに構造につ
いては図7で、それぞれ説明する。なお、これら図6及
び図7中、図5の膨張タービンと共通する構成部品に付
いては同一符号を付してその詳細に付いての説明は省略
する。
【0007】図6における膨張タービン70の動圧気体
軸受機構BDは、図5の静圧気体軸受機構BSの如き軸受
ガスGBを使用せずに、回転軸53の周面に螺旋溝75
を削溝したり、あるいは軸受部ハウジング51の内周に
設けた軸受部材の支持部材71よりバネ部材77を備え
たボルト78を介して懸吊して、回転軸53の周面に沿
って配したパッド状のラジアル軸受部材72aの表面に
螺旋溝75を削溝するとともに、スラスト円板74の表
面やこれに相対して設けるスラスト軸受け部材72bの
表面に螺旋溝79を削溝して設けて、回転軸53の高速
回転により、これら螺旋溝75、79でこれが面する間
隙tの気体を昇圧せしめることによって、回転軸53を
軸受部材72a、72bより適切な間隙を保つようにせ
しめるラジアル軸受73と軸方向の移動を防止するスラ
スト軸受76を形成せしめて、回転軸53を支持する軸
受機構である。
【0008】又、前記気体軸受の如き軸受ガスを利用し
ない別の軸受機構として磁気式軸受機構が使用されてい
る。図7に図示した軸受機構として吸引制御型磁気軸受
機構BMを用いた膨張タービン80では、回転軸53に
沿った方向のスラスト変位は、スラスト円板84の双方
の面に面したスラスト軸受部材82bには複数個の電磁
石85a、85a、…を配して、電磁石の吸引力により
制御するスラスト軸受部86を形成する。そしてこの吸
引制御型磁気軸受機構BMの回転軸53のラジアル軸受
部83は、回転軸53と直交するX軸、Y軸に沿った変
位及びX軸周りの回転即ちピッチング(P)による変位
とY軸周りの回転即ちヨーイング(Ya)による変位等
の4つの制御よりなっている。これらの変位を制御をす
るラジアル軸受部83は、回転軸53の周壁に沿って配
したラジアル軸受部材82aの前記制御する変位の種類
に応じた適切な対応位置に、X軸変位用電磁石85x、
Y軸変位用電磁石85y、ピッチング変位用電磁石85
p、及びヨーイング変位用電磁石85yaとしてそれぞ
れ複数個が前記回転軸53の周壁と相対して配設して形
成している。
【0009】そして、この吸引制御型磁気軸受機構BM
は、回転軸53の位置を、前記5種類の変位制御の種類
に応じた適切な位置に配置された5つの軸因子のセン
サ、即ちスラスト軸受用としてのセンサ87a、及びラ
ジアル軸受用としてのセンサ87x、87y、87p、
及び87yaのそれぞれによって検出し、この検出値に
よって前記それぞれの対応する電磁石、即ちスラスト軸
受用の電磁石85a、及びラジアル軸受用のとして電磁
石85x、85y、85p及び85yaの吸引力を制御
して回転軸53の変位量を調節するものである。それ
故、回転軸53を安定した状態に支持することができる
が、軸受の変位制御を前記した如く5種類の因子につい
て行うことが必要であり、このためそれぞれの因子に対
応して電磁石や軸位置を検出するセンサを必要とするば
かりか、この各位置センサからの検出値と予め設定した
目標値とを比較して、その比較偏差に基づいてそれぞれ
の変位因子に対応した電磁石を励磁する制御装置が必要
となるため、構造は勿論のこと制御システムも非常に複
雑となるばかりでなく、価格が高価となる。
【0010】なお、前記電磁石に代えて、永久磁石を利
用した永久磁石反発型軸受機構においては、永久磁石の
同極同士の磁気反発力を浮上力に利用するもので、浮上
方向への支持は安定であるが、浮上方向と直交する横方
向の定位置保持は不安定であるため、横方向に対して電
磁石を配置して制御を行うようにして、系を安定化させ
る必要がある。又、永久磁石の着磁ムラや磁力の経時変
化によって回転が変化して不安定となる恐れもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、膨張タービ
ンにおいて、上記した図5で図示した如き回転軸53の
軸受部63、66で静圧気体軸受機構BSを使用した場
合、これに使用する軸受ガスGBは、一般に0.6〜
1.1×106Pa.(絶対圧力、以下同様)の高圧で且
つ多量のガス源が必要となる。そして、これは例えば軸
受ガスGBの圧力が0.8×106Pa.で回転軸53の軸
径が50mmである場合は、スラスト軸受部66で約2
2Nm3/h、ラジアル軸受部63で約10Nm3/hの
軸受ガスGBを消費することとなる。なお、ここでスラ
スト軸受部66での軸受ガスGBの消費量がラジアル軸
受部63より多いのは、タービンインペラ54と圧縮機
インペラ55に作用する圧力によって生じるスラスト力
が、回転軸53の自重やアンバランスによって生じる遠
心力よりも大きいためである。このため、スラスト軸受
部66側の軸受ガスの流量を増量して、スラスト軸受の
支持力を大きくしているのである。
【0012】このようなことより、ほぼ一年中連続して
運転する空気液化分離装置等の生産工業装置に使用する
膨張タービンでは、軸受ガスの消費量が非常に多くな
り、前記した寸法の例ではスラスト軸受部で約19万N
3/年、ラジアル軸受部で約9万Nm3/年の軸受ガス
を消費する。そしてこの軸受ガスは一般には当該膨張タ
ービンを使用している装置で生産される製品ガスを利用
していて、そのため、その分だけ生産する製品ガス量を
増加せしめなくてはならず、生産運転価格が増加する
し、又他の場所から搬送して調達して使用しても、その
分費用が嵩み同様に生産運転価格は上昇する不都合があ
った。
【0013】また、スラスト軸受の支持力を増大せしめ
る方法として、スラスト軸受部の軸受ガスの圧力をラジ
アル軸受部の軸受ガスの圧力より高くする方法がある
が、スラスト軸受とラジアル軸受とのそれぞれの軸受ガ
スの圧力を異なる圧力とすると、異なる圧力をしたガス
を用意することが必要となり、又そのためにそれぞれの
の軸受部に応じた軸受ガス配管が必要になって構造が複
雑となる。このために通常一般には、ラジアル軸受部の
軸受ガスの圧力をスラスト軸受部の軸受ガスの圧力と同
じ圧力まで高くした状態にして使用している。
【0014】一方、上記静圧気体軸受機構BSに代えて
前記図6で図示した動圧気体軸受機構BDを用いれば、
軸受ガスGBは不要となるが、動圧気体軸受機構BDは静
圧気体軸受機構BSよりも単位面積当たりの支持力が小
さいという問題があって、負荷の小さいラジアル軸受に
動圧気体軸受機構を用いることに問題はないが、前記し
た如く大きな支持力を必要とするスラスト軸受部では動
圧気体軸受機構BDを使用すると支持力が限られて、使
用負荷が制約されることとなる。更に上記した図7に図
示した吸引制御型磁気軸受機構BMを使用すれば、上記
した静圧気体軸受機構BSで生じる軸受ガスの問題が解
消されたり、動圧気体軸受機構BDで生ずる支持力が制
約される問題は解消される。しかしながら、この吸引制
御型磁気軸受機構BMは、前記した通り回転軸を5方向
の変位因子でチェックして適切に制御する必要があっ
て、構造や制御システムが複雑になるとともに、価格が
高価となるという不都合があった。
【0015】本発明は、以上のような現状に鑑みなされ
たもので、構造および運転駆動操作が簡単で常に適切状
態を保持して軸受され、かつ、軸受ガスの使用量の低減
と、軸受ガス圧力を低い圧力で軸受することを可能とし
て、安価な軸受構造をなした膨張タービンを提供するこ
とを本発明の課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係わる本発明のハイブリッド軸受式膨張
タービンは、回転軸と、該回転軸に回転軸を垂直に横切
って径方向に沿って、回転軸と同軸にして設けたスラス
ト円板の両側に対にして配設されたスラスト軸受と、回
転軸の周壁に沿って配した少なくとも二つのラジアル軸
受を有する膨張タービンにおいて、前記スラスト軸受が
電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持する
吸引制御型磁気軸受機構であり、前記ラジアル軸受が静
圧気体軸受機構であることを特徴とするものであり、そ
して請求項2に係わる本発明のハイブリッド軸受式膨張
タービンは、回転軸と、該回転軸に回転軸を垂直に横切
って径方向に沿って、回転軸と同軸にして設けたスラス
ト円板の両側に対にして配設されたスラスト軸受と、回
転軸の周壁に沿って配した少なくとも二つのラジアル軸
受を有する膨張タービンにおいて、前記スラスト軸受が
電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持する
吸引制御型磁気軸受機構であり、前記ラジアル軸受が動
圧気体軸受機構であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、高い圧力に圧縮した気
体を、低圧に膨張するにあたって、膨張時の気体で外部
に仕事を付与せしめて膨張し、この仕事を回転力として
受けて回収する膨張タービンの軸受構造として、回転軸
の軸に垂直方向の力を支持するラジアル軸受を気体軸受
機構にし、軸方向に沿った変位を調整して支持するスラ
スト軸受を磁気軸受機構とした軸受構造よりなるハイブ
リッド軸受式膨張タービンである。
【0018】その構造は、両端にタービンインペラと圧
縮機インペラをそれぞれ固定して配した回転軸を、回転
軸に該回転軸を垂直に横切って径方向に沿って回転軸と
同軸にしてスラスト円板を設けてその両面に対にして配
設された、軸方向に沿った変位を調整して支持するスラ
スト軸受を磁気軸受機構で、また回転軸の周壁に沿って
配して、回転軸の軸に垂直方向の力を支持する、少なく
とも二つのラジアル軸受を気体軸受機構で、軸受する構
造としものである。
【0019】そして、前記ラジアル軸受に使用する気体
軸受機構としては、軸受ガスを供給する静圧気体軸受機
構でもよく、又回転軸の自体の回転で浮上圧力を発生せ
しめる動圧気体軸受機構でもよい。そして、磁気軸受機
構としては吸引制御型磁気軸受機構を使用することが好
ましい。かくして、スラスト軸受部には吸引制御型磁気
軸受機構を使用して、軸受ガスを使用しないで、しかも
回転軸の軸に沿った変位制御を適切且つ確実に行ってこ
れを支持することを可能とし、そしてラジアル軸受部に
は静圧気体軸受機構又は動圧気体軸受機構を使用して、
構造が簡単で軸に垂直方向のズレを生じることなく確実
に支持することを可能としたものである。 この結果、
軸受ガス消費量を低減したり又は使用することなくし
て、構造簡単かつ変位量を確実に制御し得て、回転軸の
ズレ変位を最小に保持して支持し得る、安価な軸受機構
を備えた膨張タータービンを得ることが出来る。
【0020】
【実施例】以下実施例をあげて本発明のハイブリッド軸
受式膨張タービンを説明する。 [実施例1]図1は本発明の第1の実施例の膨張タービ
ンを説明する構造略図であり、この実施例の特徴は回転
軸53のラジアル軸受部3を静圧気体軸受機構BS
し、スラスト軸受部6を吸引制御型磁気軸受機構GM
採用したものである。なお図1中前記図5と共通する構
成部品は同一符号を付し説明は省略する。この実施例の
膨張タービン1は回転軸53の軸受部は、軸受部ハウジ
ング51内に回転軸53を囲繞するよう周設されたラジ
アル軸受部材2aよりなるラジアル軸受部3とスラスト
軸受部材2bよりなるスラスト軸受部6とが、図におい
ては、スラスト軸受部6を挟んでその両側にラジアル軸
受部3を配した例を示している。
【0021】そして、ラジアル軸受部材2aには軸受部
ハウジング51の壁を貫通して配された軸受ガス流路6
0を介して高圧の軸受ガスGBを導入して収容する複数
の軸受ガス室4、4、…が設けられている。そして該軸
受ガス室4より、回転軸53とラジアル軸受部材2aと
の間の微小な間隙tに、高圧の軸受ガスGBを、複数の
噴射ノズル5、5、…を介して噴射して、回転軸53を
軸受部材2aから浮上させてこれらを非接触状態で支持
する静圧気体軸受機構BSを配してラジアル軸受部3を
形成している。
【0022】又、スラスト軸受部材2bには、前記回転
軸53に該回転軸53の軸心を垂直に横断して直径方向
に沿って配して、回転軸53に同軸に固定した円板状の
スラスト円板7が回動可能に間隙tを保持して配置され
ている。そしてスラスト円板7の双方の板面のそれぞれ
の面と相対して、少なくとも一対の電磁石8a、8bが
スラスト軸受部材2bに設けられている。そして軸に沿
った方向の変位を検出するための位置センサ9を前記ス
ラスト円板面に対向して配して常に変位を測定し、別途
設けた制御装置で、その検出値を予め設定した目標値と
比較して、その比較偏差に基づいて対応した前記電磁石
8a、又は8bを適宜励磁せしめて吸引制御し、回転軸
53を軸に沿った方向に変位することなく支持する吸引
制御型磁気軸受機構BMを配してスラスト軸受部6を形
成している。
【0023】このハイブリッド軸受式膨張タービンで
は、静圧気体軸受機構BSをスラスト軸受部及びラジア
ル軸受部の両方に用いた図5に示した従来の膨張タービ
ンに比べて、軸受ガスGBの消費量を約32Nm3/hか
ら約10Nm3/hに低減することができ、しかも軸受
ガスGBの圧力を0.8×106Pa.から0.6×106
Pa.程度に低くすることができる。又、スラスト軸受部
に電磁石の吸引力を制御することにより回転軸の軸方向
の変位を支持する吸引制御型磁気軸受機構BMを用いる
ので、スラスト軸受が極めて適正且つ確実に行われるば
かりか、スラスト方向のみの軸受にこれを限定して採用
したので、軸受の構造や制御システムが格段に簡単にな
り、価格を大幅に低減することが出来る。
【0024】[実施例2]この第2の実施例のハイブリ
ッド軸受式膨張タービン10は、図2に図示する構造略
図の如くラジアル軸受部3に静圧気体軸受機構BSを用
い、スラスト軸受部6に吸引制御型磁気軸受機構BM
用いた点は上記実施例1と同様であるが、実施例1の膨
張タービン1ではスラスト軸受部6を挟んでその両側に
ラジアル軸受部3を配したのを、この実施例2ではスラ
スト軸受部6を形成する吸引制御型磁気軸受機構BM
回転軸53の端部側に配置した点で異なるものある。こ
の場合ラジアル軸受部3を形成する静圧気体軸受機構B
Sを2対又はそれ以上を連続して配置することが出来
て、組み立てや点検が容易となる。
【0025】[実施例3]この第3の実施例のハイブリ
ッド軸受式膨張タービン20を図3に図示する構造略図
により説明する。この実施例の特徴は回転軸のラジアル
軸受部13を動圧気体軸受機構BDとし、スラスト軸受
部16を吸引制御型磁気軸受機構GMを採用したもので
ある。なお図3中において前記図1と共通する構成部品
は同一符号を付し説明は省略する。この実施例の膨張タ
ービン20は回転軸53の軸受部は、軸受部ハウジング
51内に、該軸受部ハウジング51の内周に設けた軸受
部材の支持部材11よりバネ部材17を備えたボルト1
8を介して懸吊してパッド状のラジアル軸受部材12
を、回転軸53の周面に沿って配してなるラジアル軸受
部13、及び回転軸の軸に沿った方向の変位を支持する
スラスト軸受部材2bよりなるスラスト軸受部16とに
よって形成されている。そして図3においては、スラス
ト軸受部16を挟んでその両側にラジアル軸受部13を
配した例を示している。
【0026】そして、ラジアル軸受部13には、回転軸
53の周面、あるいは回転軸53の周面に沿って配した
パッド状のラジアル軸受部材12の軸受表面に螺旋溝1
5を削溝して、回転軸53の高速回転により、これら螺
旋溝15でこれが面する間隙tの気体を昇圧せしめるこ
とによって、回転軸53を軸受部材12より浮上せしめ
る。
【0027】又スラスト軸受部16は、上記実施例1と
同様スラスト軸受部材2bに前記回転軸53に該回転軸
53の軸心を垂直に横断して直径方向に沿って配して回
転軸53に同軸に固定した円板状のスラスト円板7が、
回動可能に間隙tを保持して配置されている。そしてス
ラスト円板7の双方の板面のそれぞれの面と相対して、
少なくとも一対の電磁石8a、8bがスラスト軸受部材
2bに設けられている。そして軸に沿った方向の変位を
検出するためのセンサ9を前記スラスト円板7の面に対
向して配して常に変位を測定し、別途設けた制御装置
で、その検出値を予め設定した目標値と比較して、その
比較偏差に基づいて対応した前記電磁石8a、又は8b
を適宜励磁せしめて吸引制御し、回転軸53を軸に沿っ
た方向に変位することなく支持する吸引制御型磁気軸受
機構BMを配してスラスト軸受部16を形成している。
【0028】この実施例3のハイブリッド軸受式膨張タ
ービン20では、ラジアル軸受部13に動圧気体軸受機
構BDを用い、スラスト軸受部16に吸引制御型磁気軸
受機構BMを用いたので、軸受ガスが不要になるととも
に、スラスト軸受の正確な保持制御が可能となる。又、
制御機構が複雑で、構成備品や機器多くを必要とする吸
引制御型磁気軸受機構BMを、制御機構が簡単なスラス
ト軸受部にのみに限ったので、構造及び制御システムが
簡単になるばかりか、価格が大幅に低減し得る。
【0029】[実施例4]この第4の実施例のハイブリ
ッド軸受式膨張タービン30は、図4に図示する構造略
図の如くラジアル軸受部13に動圧気体軸受機構BD
用い、スラスト軸受部16に吸引制御型磁気軸受機構B
Mを用いた点は上記実施例3と同様であるが、実施例3
の膨張タービン20ではスラスト軸受部16を挟んでそ
の両側にラジアル軸受部材13を配したのを、この実施
例4ではスラスト軸受部16を形成する吸引制御型磁気
軸受機構BMを回転軸53の端部側に配置した点で異な
るものある。この場合ラジアル軸受13を形成する動圧
気体軸受機構BDを2対又はそれ以上を連続して配置す
ることが出来て、組み立てや点検が容易となる。
【0030】
【発明の効果】本発明のハイブリッド軸受式膨張タービ
ンは、上記した如き態様で実施されるので、以下の如き
効果を奏する。即ち、膨張タービンの軸受として、スラ
スト軸受部に電磁石の吸引力を制御する吸引制御型軸受
機構を使用し、ラジアル軸受部に静圧気体軸受機構を用
いることにより、構造が簡単で、スラスト軸受を正確且
つ適切に支持し得るとともに、従来の5軸因子を制御す
る磁気軸受式より価格を大幅に低減し得る。しかも、従
来の静圧気体軸受機構に比べて軸受ガスの消費量が格段
に少なく、且つ軸受ガス圧力を低くて済むで、軸受が正
確に保持し得て経済的な膨張タービンを提供することが
出来る。
【0031】又、膨張タービンの軸受として、スラスト
軸受部に電磁石の吸引力を制御する吸引制御型軸受機構
を使用し、ラジアル軸受部に動圧気体軸受機構を用いる
ことにより、構造が簡単で、スラスト軸受を正確且つ適
切に支持し得るとともに、従来の5軸因子を制御する磁
気軸受式より価格を大幅に低減し得るばかりでなく、し
かも、軸受ガスを不要とすることができて、より一層経
済的な膨張タービンを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の膨張タービンを説明
する構造略図。
【図2】 本発明の第2の実施例の膨張タービンを説明
する構造略図。
【図3】 本発明の第3の実施例の膨張タービンを説明
する構造略図。
【図4】 本発明の第4の実施例の膨張タービンを説明
する構造略図。
【図5】 従来の静圧気体軸受式膨張タービンの構造の
一例を図示した構造略図である。
【図6】 従来の動圧気体軸受式膨張タービンの構造の
一例を図示した構造略図である。
【図7】 従来の吸引制御型磁気軸受式膨張タービンの
構造の一例を図示した構造略図である。
【符号の説明】
1、10、20、30…本発明の膨張タービン、2a、
12…ラジアル軸受部材、 2b…スラスト軸受部材、
3、13…ラジアル軸受部、 4…軸受ガス室、 5…
噴射ノズル、6、16…スラスト軸受部、 7…スラス
ト円板、 8a、8b…電磁石、9…センサ、 11…
軸受部材の支持部材、 17…バネ部材、18…ボル
ト、 51…軸受部ハウジング、 53…回転軸、54
…タービンインペラ、 55…圧縮機インペラ、 58
…導入管、56a、57a…開口、 56、57…気体
流通ハウジング、59…導出管、 60…軸受ガス流
路、 BS…静圧気体軸受機構、BD…動圧気体軸受機
構、 BM…吸引制御型磁気軸受機構、 Ex…膨張室、
Cp…圧縮室、 Z…被膨張気体、 Z0…膨張後気体、
X…被圧縮気体、Xp…圧縮後気体、 t…間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 章弘 東京都港区西新橋一丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 Fターム(参考) 3G081 BA20 DA30 3J102 AA01 AA02 AA08 BA03 BA19 CA16 CA36 DA02 DA09 DA12 DB05 EA02 EA06 GA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、該回転軸に回転軸を垂直に横
    切って径方向に沿って、回転軸と同軸にして設けたスラ
    スト円板の両側に対にして配設されたスラスト軸受と、
    回転軸の周壁に沿って配した少なくとも二つのラジアル
    軸受を有する膨張タービンにおいて、前記スラスト軸受
    が電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持す
    る吸引制御型磁気軸受機構であり、前記ラジアル軸受が
    静圧気体軸受機構であることを特徴とするハイブリッド
    軸受式膨張タービン。
  2. 【請求項2】 回転軸と、該回転軸に回転軸を垂直に横
    切って径方向に沿って、回転軸と同軸にして設けたスラ
    スト円板の両側に対にして配設されたスラスト軸受と、
    回転軸の周壁に沿って配した少なくとも二つのラジアル
    軸受を有する膨張タービンにおいて、前記スラスト軸受
    が電磁石の吸引力を制御することにより回転軸を支持す
    る吸引制御型磁気軸受機構であり、前記ラジアル軸受が
    動圧気体軸受機構であることを特徴とするハイブリッド
    軸受式膨張タービン。
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