JP2000119203A - ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法 - Google Patents

ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法

Info

Publication number
JP2000119203A
JP2000119203A JP10303245A JP30324598A JP2000119203A JP 2000119203 A JP2000119203 A JP 2000119203A JP 10303245 A JP10303245 A JP 10303245A JP 30324598 A JP30324598 A JP 30324598A JP 2000119203 A JP2000119203 A JP 2000119203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
distillation
weight
heptafluorocyclopentane
hfcpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10303245A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Yamada
俊郎 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP10303245A priority Critical patent/JP2000119203A/ja
Priority to PCT/JP1999/005577 priority patent/WO2000022081A1/ja
Publication of JP2000119203A publication Critical patent/JP2000119203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染の軽減のために蒸留回収性や再使用
の利便に優れた新しいハイドロフルオロカーボン組成物
およびその回収方法を提供する。 【解決手段】 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフ
ルオロシクロペンタンと、炭素数が4〜5の直鎖状ケト
ン類及び/または炭素数が6〜7の芳香族炭化水素類と
の組成物。汚染物質を含む使用ずみの上記組成物を単蒸
留法により蒸留することにより、蒸留前後で組成比が大
きく変動することなく、上記組成物が回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘプタフルオロシク
ロペンタンを含有する組成物に関する。さらに詳しく
は、物品の洗浄剤や種々の物質の溶剤などとして有用で
あり、かつ使用後の回収性に優れたヘプタフルオロシク
ロペンタン含有組成物およびその回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子部品、機械部品などの洗浄
剤や溶剤として、不燃性、低毒性、安定性に優れたフロ
ンを主成分とする溶剤組成物が広く使用されてきてい
る。しかし、フロンはオゾン層を破壊し、地球を温暖化
するので、世界的にその使用規制が実施され、生産が廃
止されている。このような現状から、現在さまざまなフ
ロン代替品が開発されており、フロン代替品として、オ
ゾン層破壊の元凶である塩素をもたないハイドロフルオ
ロカーボンが注目されている。
【0003】本発明者らは、特公平7−108997号
公報において、環境汚染が少なく安全性の高い洗浄溶剤
として、一般式C510-nn(nは5〜8の整数を示
す)で表わされる弗素化シクロペンタンを提案した。し
かし、この洗浄溶剤は、環境汚染性が低いものの、単独
で使用した場合はフラックスなどの汚れ除去性が十分で
はなく改善の必要があった。
【0004】そこで、本発明者らは、特開平6−271
488〜271491号公報において、ハイドロフルオ
ロカーボンの一種であるオクタフルオロシクロペンタン
とメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロ
ペンタンなどの有機溶媒とからなる共沸組成物または一
定範囲の組成比を有する共沸様組成物を開示し、汚れ除
去性能、部品洗浄性能などを向上させた溶剤を提案し
た。通常、ハイドロフルオロカーボン系組成物を洗浄剤
や溶剤として工業的に使用する場合、コスト削減および
環境への影響を低減するため、使用後に蒸留回収して繰
り返し使用するが、上記の共沸組成物または共沸様組成
物では、蒸留回収前後で組成比が一定になる利点はある
ものの、ハイドロフルオロカーボンのみは回収できない
という欠点があった。また、上記の共沸組成物は、混合
組成が共沸組成に特定されるため、使用上の自由度が小
さく、さらに、共沸組成物の多くが可燃性になるという
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の上記のよう
な問題点に鑑み、本発明の目的は、洗浄性能、水切り乾
燥性能、重合体溶解性能などに優れ、環境汚染の軽減の
ために蒸留回収性や再使用の利便に優れた新しいハイド
ロフルオロカーボン組成物およびその回収方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハイドロ
フルオロカーボンの1種である1,1,2,2,3,
3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(以下、HFC
PAと略記する場合がある)と各種の有機溶媒との組成
物の共沸性について鋭意検討を加えたところ、ある種の
有機溶媒はHFCPAと共沸しないので、精留によりH
FCPAを単離回収でき、しかも、これらの組成物を単
蒸留により回収した場合には、ほとんどすべての留出範
囲で蒸留前後の組成比がほとんど変化しないことを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0007】かくして、本発明によれば、1,1,2,
2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと、下
記の(A)および(B)の中から選ばれた少くとも一種
の溶剤とを含んでなることを特徴とするヘプタフルオロ
シクロペンタン組成物が提供される。 (A)炭素数が4〜5の直鎖状ケトン類、(B)炭素数
が6〜7の芳香族炭化水素類、さらに、本発明によれ
ば、上記ヘプタフルオロシクロペンタン組成物を使用し
た後、汚染物質を含む該組成物を単蒸留法によって蒸留
することを特徴とするヘプタフルオロシクロペンタン組
成物の回収方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる1,1,2,
2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(HF
CPA)は沸点82℃の既知物質であり、不燃性かつア
ルカリや水の存在下での安定性に優れ、オゾン層を破壊
しないハイドロフルオロカーボンの1種である。HFC
PAは公知の方法で製造できる。 例えば、Journ
al of Chemical Society、54
8頁、1968年には、オクタフルオロシクロペンテン
を水素添加すると、1,1,2,2,3,3,4,5−
オクタフルオロシクロペンタンと共にHFCPAが生成
することが記載されている。本発明の組成物に用いるら
れるHFCPAの純度は、通常95重量%以上である。
好ましくは97重量%以上であり、さらに好ましくは、
99重量%以上である。
【0009】本発明の組成物に用いられる前記(A)の
ケトン類の具体例としては、メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピ
ルケトンなどが挙げられる。好ましくは、メチルエチル
ケトン、メチルイソプロピルケトンである。また前記
(B)の芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエンが挙げられるが、好ましくはトルエンであ
る。
【0010】本発明の組成物を構成するHFCPAと前
記(A)のケトン類および/または前記(B)の芳香族
炭化水素類とは、任意の組成比で完全に相溶する。組成
物の使用目的に従って、組成比は任意に設定できるが、
通常、HFCPA50〜99重量%に対し、前記(A)
および/または前記(B)が1〜50重量%の組成比が
推奨される。また、組成物自体を難燃性または不燃性に
する場合は、HFCPA90〜99重量%に対し、前記
(A)および/または(B)が1〜10重量%の組成比
が好ましく、より好ましくは、HFCPA93〜99重
量%に対し、前記(A)および/または(B)が1〜7
重量%である。
【0011】本発明の組成物には、必要に応じて従来よ
り知られている防錆剤、界面活性剤などの配合剤を添加
することができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、炭素数2〜10の炭化水素基
を有するベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾー
ル、炭素数2〜20の炭化水素基を有するイミダゾール
誘導体、炭素数2〜20の炭化水素基を有するチアゾー
ル誘導体などの含窒素有機化合物が使用できる。また、
プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、1,
2−エポキシオクタン、1,6−ヘキサンジオールグリ
シジルエーテル、炭素数3〜15のグリシジルエーテル
類などのエーテル化合物も使用できる。これら含窒素有
機化合物およびエポキシ化合物から選ばれる1種または
2種以上を、組成物重量に基づき0.01〜10重量%
程度、本発明の組成物に添加して用いることができる。
【0012】また、界面活性剤としては、公知のアニオ
ン性、カチオン性、両イオン性界面活性剤などのいずれ
も使用できるが、両イオン性活性剤が好ましい。例え
ば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシ
アルキレンアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レンアリルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアル
キルアミンなどが好適に使用できる。これら界面活性剤
から選ばれる1種または2種以上を組成物重量に基づき
0.01〜10重量%程度、本発明組成物に添加して用
いることができる。
【0013】本発明の組成物を洗浄剤、水切り乾燥剤な
ど各種用途に使用した後の回収は、蒸留により行うが、
HFCPAと上記(A)のケトン類および/または
(B)の芳香族炭化水素とは共沸しないため、精留によ
って主成分であるHFCPAのみを単離回収することが
できる。精留は常圧または減圧下、工業的に通常用いら
れる精留装置によって行うことができる。
【0014】一方、本発明の回収方法によると、上記組
成物を蒸留回収するに際して、単蒸留法を採用すること
により、ほとんどすべての留出範囲で蒸留前後の組成比
が大きく変化することなく本発明の組成物を回収するこ
とができる。単蒸留操作は特に限定されないが、通常、
還流をかけない条件下で、蒸留缶から立ち上がる蒸気を
凝縮により留出させる方法が推奨される。この場合、蒸
留缶の首部分などに熱損失があると、蒸気の一部が分縮
を起こすことがあるので、蒸留缶の首部分より凝縮器ま
での流路を適宜保温することが好ましい。蒸留圧力は常
圧、減圧いずれでもよく、通常0.1mmHg〜10k
g/cm2、好ましくは10mmHg〜3kg/cm2
行われる。この単蒸留回収は、仕込液の一部または揮発
性成分の大部分を行ってもよいが、効率やコストの面か
らは全量回収することが好ましい。
【0015】本発明の組成物は、汚染物質が付着した物
品(被洗浄物)を清浄化させるのに広く用いられる。浸
漬法、超音波洗浄法、揺動法、スプレー法などの各種洗
浄方法において使用でき、かつ好ましい結果を得ること
ができる。被洗浄物としては、例えば、精密機械工業、
金属加工工業、工学機械工業、電子工業、プラスチック
工業などにおける金属、セラミックス、ガラス、プラス
チック、エラストマーなどの部品などが挙げられ、具体
的には、バンパー、ギア、ミッション部品、ラジエター
部品などの自動車部品、プリント基板、IC部品、リー
ドフレーム、モーター部品などの電子電気部品、ベアリ
ング、ギア、エンプラ製歯車、時計部品、カメラ部品な
どの精密機械部品、印刷機械、印刷ロール、圧延製品、
建設機械、大型重機部品などの大型機械部品、食器類な
どの生活製品など、多種多彩の例を挙げることができ
る。
【0016】汚染物質の種類としては、例えば、切削
油、焼き入れ油、圧延油、潤滑油、機械油、プレス加工
油、打ち抜き油、引き抜き油、組立油、線引き油などの
オイル類、グリース類、ワックス類、接着剤、油脂類、
成形時の離型剤、手垢、ハンダ付け後のフラックス、レ
ジスト、ソルダーペーストなど様々なものが挙げられ
る。
【0017】また、本発明組成物のその他の用途として
は、例えば、開閉器の耐電圧テスト溶剤、セラミック分
極テスト用溶剤などの各種テスト溶剤、整流器用液媒
体、変圧器用液媒体、半導体製造やドライエッチング装
置の冷却、液晶プロジェクターの冷却、電源熱交換機の
冷却などの冷却・加熱用媒体、フッ素系/シリコン系重
合物による被膜形成溶剤、ドライクリーニング溶剤など
が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 HFCPAと各種有機溶媒との
共沸性の確認試験 本実験では、マグネチックスターラー、オイルバス、ガ
ラス製蒸留釜、理論段数7段の還流装置付き蒸留塔(K
S型)、冷却器、留分受器などからなる精留装置を用い
た。また、オイルバス温度、蒸留釜内温度、精留塔の塔
頂部温度を測定記録するために熱電対式温度記録計を用
いた。具体的な手順を以下に示す。100ccの蒸留釜
に1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロ
ペンタン(HFCPA)50.0gと有機溶媒(表1参
照)50.0gを仕込み、テフロン製回転子を入れた。
蒸留釜を精留装置に取り付けて、混合溶液を攪拌した。
オイルバスを100〜120℃に加熱した。30分〜1
時間経過しても塔頂温度が上昇しない場合は、オイルバ
ス温度を130℃、140℃に段階的に上げた。塔頂温
度が上昇し、一定温度に達してから約1時間は、留分を
抜出さずに全還流させた。その後、留分の抜出し2秒/
還流40秒の還流比で、5ccづつ3回(フラクション
1〜3)に分けて留分を受器に抜出した。各留分の組成
比は、ガスクロマトグラフィー分析により求めた。HF
CPAと各種有機溶媒との共沸性試験結果を表1に示
す。共沸性の有無は、温度記録計チャートの蒸留温度曲
線と抜出し留分の組成比から判断した。なお、表1中の
共沸温度はフラクション3抜出し時の塔頂温度である。
また、共沸組成比はフラクション3の組成比である。本
試験の結果、12種類の有機溶剤の中では、トルエン、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイ
ソプロピルケトンがHFCPAと共沸しないことが判明
した。他の8種類の有機溶媒は、HFCPAと共沸し
た。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 HFCPA/トルエン組成物の
精留によるHFCPAの回収試験 実施例1と同じ精留装置を用い、蒸留釜にHFCPA5
0.0gとトルエン50.0gを仕込んだ。常圧、オイ
ルバス温度120℃、蒸留釜内温度102〜108℃、
塔頂温度80〜81℃の条件下、留分の抜出し2秒/還
流40秒の還流比で留分を抜出した。塔頂温度が下がり
始めた時点で精留を停止した。留出分の重量は46.2
gであった。この留分をガスクロマトフィーで分析した
結果、HFCPAの純度は99.4重量%であった。
【0022】実施例3 HFCPA/メチルエチルケト
ン組成物(1)の単蒸留試験 本実験では、マグネチックスターラー、オイルバス、1
00ccナスフラスコ、長さ約10cm、外径約15m
mの蒸留ヘッド、冷却管、留分受器などからなる単蒸留
装置を用いた。また、オイルバス温度と分留管上部の温
度を測定記録するために熱電対式温度記録計を用いた。
なお、実験中は蒸留ヘッド部の冷却による気相の分縮を
防止するために、蒸留ヘッドを保温した。具体的な実験
手順を以下に示す。ナスフラスコに1,1,2,2,
3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン97.0g
とメチルエチルケトン(MEK)3.0gを仕込み、テ
フロン製回転子を入れた。ナスフラスコを単蒸留装置に
セットして、頚部までオイルバスに浸した。混合液を攪
拌しながら、オイルバスを90〜100℃に加温して、
混合液を沸騰させた。蒸留ヘッド上部温度の上昇ととも
に留出する液を、7つのフラクションに分けて受器に分
取した。各フラクションとナスフラスコ中の残液を秤量
し、ガスクロマトフィ分析により組成比を測定した。測
定結果を表2に示す。表2に示すように、蒸留前のME
Kの組成比が3重量%であるのに対して、留出フラクシ
ョン1〜6におけるMEKの組成比は1.9〜4.3重
量%であった。蒸留の前後で組成比の大きな変動は認め
られなかった。なお、フラクション7におけるMEKの
組成比は7.0%になったが、その留出量は7.1gと
少なかった。
【0023】
【表2】
【0024】実施例4 HFCPA/メチルエチルケト
ン組成物(2)の単蒸留試験 HFCPA95.0gとMEK5.0gを仕込み、留出
フラクション数を5にした以外は、実施例3と同様に単
蒸留を行った。蒸留前のMEKの組成比が5重量%であ
ったのに対して、留出フラクション1〜5におけるME
Kの組成比は3.8〜8.2重量%であった。このよう
に蒸留の前後で組成比の大きな変動は認められなかっ
た。
【0025】実施例5 HFCPA/メチルイソプロピ
ルケトン組成物の単蒸留試験 実施例4のMEKをメチルイソプロピルケトン(MIP
K)に変え、留出フラクション数を13にした以外は、
実施例4と同様に単蒸留を行った。蒸留前のMIPKの
組成比が5重量%であったのに対して、留出フラクショ
ン1〜12におけるMIPKの組成比は2.0〜8.4
重量%であった。このように蒸留の前後で組成比の大き
な変動は認められなかった。なお、最終フラクション1
3におけるMIPKの組成比は12.7%であったが、
その留出量は6.1gと少なかった。
【0026】実施例6 HFCPA/トルエン組成物の
単蒸留試験 実施例4のMEKをトルエン(TOL)に変え、留出フ
ラクション数を6にした以外は、実施例4と同様に行っ
た。実験データを表3に示す。表3に示すように、蒸留
前のTOLの組成比が5重量%であったのに対して、留
出フラクション1〜6におけるTOLの組成比は4.0
〜6.8重量%であった。このように蒸留前後で組成比
の大きな変動は認められなかった。
【0027】
【表3】
【0028】比較例1 HFCPA/イソプロパノール
組成物の単蒸留試験 実施例4のMEKをイソプロパノール(IPA)に変
え、留出フラクション数を6にした以外は、実施例4と
同様に単蒸留を行った。結果を表4に示す。蒸留前のI
PAの組成比が5重量%であったのに対して、留出フラ
クション1〜6におけるIPAの組成比は0.3〜1
0.9重量%であった。このように蒸留前後で組成比が
大きく変動した。
【0029】
【表4】
【0030】比較例2 HFCPA/イソオクタン組成
物の単蒸留試験 実施例4のMEKをイソオクタンに変え、留出フラクシ
ョン数を7にした以外は、実施例4と同様に単蒸留を行
った。蒸留前のイソオクタンの組成比が5重量%であっ
たのに対して、留出フラクション1〜6におけるの組成
比は0.4〜10.9重量%であった。また、最終フラ
クション7中のイソオクタンは0.1重量%(留出量:
9.5g)であった。このように蒸留前後で組成比が大
きく変動した。
【0031】実施例7 HFCPA/トルエン組成物の
洗浄性能試験 プレス加工部品(ステンレス製50mm角)を50枚整
列させ針金で束ねたものをプレス油(出光興産製ダフニ
ーパンチオイル)を入れたビーカーに常温にて浸漬さ
せ、プレス油を全体になじませるため超音波を1分間か
けた。そのまま液中に30分間放置後、プレス油上に引
き上げ、油切りのため5分間放置した。このサンプルを
5重量%のトルエンを含んだHFCPA中に50℃で3
分間超音波をかけながら浸漬し、さらに同じく5重量%
のトルエンを含んだHFCPAの蒸気中で蒸気洗浄し
た。冷却後、オイルの除去具合を肉眼で観察し、オイル
臭の有無を確認したところ、オイルが完全に除去されて
いることが確認された。
【0032】実施例8〜11 HFCPA/メチルイソ
プロピルケトン組成物の洗浄性能試験 1.6mm×69mm×95mmの大きさを有する表5
に示すプリント基板のそれぞれに、ロジン系フラックス
(表6)を塗布し、予備乾燥後200℃×3分間加熱し
て試験片とした。これらの試験片を室温で5重量%のメ
チルイソプロピルケトン(MIPK)を含んだHFCP
Aに浸漬し、1分間超音波洗浄(出力50%:60W、
35kHz)を行った。そして、このロジン系フラック
スの除去効果およびプリント基板に対する影響を目視観
察した。結果を表7に示す。表7に示すように、5重量
%のMIPK含有HFCPAは従来用いられてきたフロ
ン113(比較例3〜6)やパーフルオロヘキサン(比
較例7〜10)の洗浄性と同等以上の洗浄効果があるこ
とがわかった。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】比較例3〜10 フロン113およびパー
フルオロシクロヘキサンの洗浄効果 実施例8〜11と同様な方法によりフロン113および
パーフルオロシクロヘキサンの洗浄効果をそれぞれ試験
した。結果は表7に示した。
【0037】
【発明の効果】本発明のヘプタフルオロシクロペンタン
組成物は、その溶剤成分が共沸しないので、精留によっ
て主成分であるヘプタフルオロシクロペンタンの単離回
収が容易となる。また、単蒸留を行えば、蒸留前後で組
成比が大きく変動することがないので、組成物の回収再
使用の利便性が高まる。
【0038】好ましい実施態様 I. 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシ
クロペンタンと、下記の(A)および(B)の中から選
ばれた少くとも一種の溶剤とを含んでなることを特徴と
するヘプタフルオロシクロペンタン組成物 (A)炭素数が4〜5の直鎖状ケトン類 (B)炭素数が6〜7の芳香族炭化水素類 の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。 (1) 該組成物の調製に用いられる1,1,2,2,
3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(HFCP
A)は純度95重量%以上、好ましくは97重量%以
上、さらに好ましくは99重量%を有する。 (2) 直鎖状ケトン類(A)は、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトンの中から選ばれ、より好ましくはメチ
ルエチルケトンおよびメチルイソプロピルケトンの中か
ら選ばれる。 (3) 芳香族炭化水素類(B)は、ベンゼンおよびト
ルエンの中から選ばれ、より好ましくはトルエンであ
る。 (4) 該組成物中のHFCPAの量は50〜99重量
%であり、直鎖状ケトン類(A)および/または芳香族
炭化水素類(B)の量は1〜50重量%である。 (5) 該組成物は難燃性または不燃性であって、該組
成物中のHFCPAの量は90〜99重量%、より好ま
しくは93〜99重量%であり、直鎖状ケトン類(A)
および/または芳香族炭化水素類(B)の量は1〜10
重量%、より好ましくは1〜7重量%である。 (6) 該組成物は、さらに防錆剤および界面活性剤の
中から選ばれた少くとも一種の配合剤を含む。 (7) 該組成物が洗浄剤である。 II.HFCPAと、直鎖状ケトン類(A)および芳香
族炭化水素類(B)の中から選ばれた少くとも一種の溶
剤を含む上記組成物を使用した後、汚染物質を含む該組
成物を単蒸留法によって蒸留することを特徴とする上記
組成物の回収方法の好ましい実施態様をまとめると以下
のとおりである。 (1) 直鎖状ケトン類(A)は、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトンの中から選ばれ、より好ましくはメチ
ルエチルケトンおよびメチルイソプロピルケトンの中か
ら選ばれる。 (2) 芳香族炭化水素類(B)は、ベンゼンおよびト
ルエンの中から選ばれ、より好ましくはトルエンであ
る。 (3) 該組成物中のHFCPAの量は50〜99重量
%であり、直鎖状ケトン類(A)および/または芳香族
炭化水素類(B)の量は1〜50重量%である。 (4) 該組成物は難燃性または不燃性であって、該組
成物中のHFCPAの量は90〜99重量%、より好ま
しくは93〜99重量%であり、直鎖状ケトン類(A)
および/または芳香族炭化水素類(B)の量は1〜10
重量%、より好ましくは1〜7重量%である。 (5) 還流することなく単蒸留を行う。 (6) 圧力0.1mmHg〜10kg/cm2、より
好ましくは10mmHg〜3kg/cm2で蒸留する。 (7) 蒸留原液である上記組成物からの蒸気の全量を
凝縮・回収する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 11/00 C11D 11/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフ
    ルオロシクロペンタンと、下記の(A)および(B)の
    中から選ばれた少くとも一種の溶剤とを含んでなること
    を特徴とするヘプタフルオロシクロペンタン組成物。 (A)炭素数が4〜5の直鎖状ケトン類 (B)炭素数が6〜7の芳香族炭化水素類
  2. 【請求項2】 洗浄剤である請求項1記載のヘプタフル
    オロシクロペンタン組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のヘプタフルオロシクロ
    ペンタン組成物を使用した後、汚染物質を含む該組成物
    を単蒸留法によって蒸留することを特徴とするヘプタフ
    ルオロシクロペンタン組成物の回収方法。
JP10303245A 1998-10-09 1998-10-09 ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法 Pending JP2000119203A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10303245A JP2000119203A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法
PCT/JP1999/005577 WO2000022081A1 (fr) 1998-10-09 1999-10-08 Composition d'heptafluorocyclopentane, procede de nettoyage et procede de de recuperation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10303245A JP2000119203A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000119203A true JP2000119203A (ja) 2000-04-25

Family

ID=17918633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10303245A Pending JP2000119203A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000119203A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017176646A1 (en) Method for cleaning articles using nonflammable, azeotropic or azeotrope-like composition
TW474989B (en) Detergent, method of cleaning
CN103415652B (zh) 甲基全氟庚烯醚和反式-1,2-二氯乙烯的共沸和类共沸组合物及其用途
US5849106A (en) Cleaning process
JP2763270B2 (ja) 洗浄方法、洗浄装置、洗浄組成物および蒸気乾燥組成物
JPH08117685A (ja) シロキサン共沸混合物を用いた二段階の清浄又は脱水法
AU2427397A (en) Molecular level cleaning of contaminates from parts utilizing an environmentally safe solvent
EP2336288A1 (en) Azeotrope-like mixtures comprising heptafluorocyclopentane
JP3323713B2 (ja) オクタメチルシロキサンと脂肪族又は脂環式アルコールとの共沸組成物
JP2006249114A (ja) 洗浄剤組成物及び洗浄方法
US5308402A (en) Furfuryl alcohol mixtures for use as cleaning agents
EP0374780A1 (en) Solvents containing dichlorotetrafluoropropane
CN100412184C (zh) 清洗漂洗方法
KR100196953B1 (ko) 부품의 세정방법
JP2000119203A (ja) ヘプタフルオロシクロペンタン組成物およびその回収方法
JP2838347B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5363225B2 (ja) 洗浄方法
EP0444598A1 (en) Azeotropic solvent composition
JPH05148498A (ja) デカフルオロペンタンを含む溶剤組成物
JP5609348B2 (ja) 洗浄剤組成物及びそれを用いた洗浄方法
JPWO2008081804A1 (ja) フッ素化環状不飽和炭化水素を含有する洗浄剤および洗浄方法
US5259983A (en) Azeotrope-like compositions of 1-H-perfluorohexane and trifluoroethanol or n-propanol
US5219489A (en) Azeotrope-like compositions of 2-trifluoromethyl-1,1,1,2-tetrafluorobutane and methanol
JP2972909B2 (ja) 含フッ素ケトンと有機溶剤からなる共沸及び共沸様組成物
WO2000022081A1 (fr) Composition d'heptafluorocyclopentane, procede de nettoyage et procede de de recuperation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080930