JP2000118890A - エレベータ群管理制御装置 - Google Patents

エレベータ群管理制御装置

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JP2000118890A
JP2000118890A JP10287163A JP28716398A JP2000118890A JP 2000118890 A JP2000118890 A JP 2000118890A JP 10287163 A JP10287163 A JP 10287163A JP 28716398 A JP28716398 A JP 28716398A JP 2000118890 A JP2000118890 A JP 2000118890A
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JP
Japan
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car
floor
unit
evaluation value
average
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Application number
JP10287163A
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English (en)
Inventor
Yasuo Goshima
安生 五嶋
Yoshiro Seki
義朗 関
Toshiaki Matsumoto
敏明 松本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均待ち時間を多少犠牲にしても長待ちのな
い運転が可能で、利用者が快適に利用できる高性能なエ
レベータ群管理制御装置を提供することである。 【解決手段】 複数台のエレベータの各号機毎に設けら
れた号機評価値計算部110〜150は、各号機の配置
が偏らない位置評価値を算出し、その位置評価値を加味
して各号機の割当て評価値を算出する。そして、割当て
判定器15は、各々の号機評価値計算部110〜150
からの割当て評価値のうち最適な割当て評価値の号機を
選択し、その選択した号機をホール呼びに割り当てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の階床に対し
て複数台のエレベータを運行させるエレベータ群管理制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複数台のエレベータを群管理制
御する群管理制御装置では、利用者の「待ち時間」を短
くするために様々な工夫がなされている。この結果、
「平均待ち時間」がかなり短くなってきており、10秒
前後のものも製品化されている。
【0003】図36は、そのようなエレベータ群管理制
御装置の一般的構成を示すブロック図である。いま、M
階床のビルにN台のエレベータが設置されているとす
る。群管理制御部1は、M階床のビルに設置されたN台
のエレベータの総括的制御をするものであり、各々のか
ご6−1〜6−Nに対応して設けられた各号機制御装置
2−1〜2−Nは、各単位エレベータの制御を行うもの
である。
【0004】各階床には、ホール呼びを行う際に押圧操
作されるホール呼びボタン3−1〜3−Mが設けられ、
また、各階床の各エレベータ乗降口には、対応するエレ
ベータを表示するホール表示器4−1−1〜4−M−N
が設けられている。これらホール呼びボタン3−1〜3
−Mおよびホール表示器4−1−1〜4−M−Nは、そ
れぞれホール呼びの入出力の制御を行うホール呼び入出
力制御部5−1〜5−Mに接続されている。
【0005】いま、1階床でホール呼び釦3−1が押圧
されたとすると、その押圧操作されたホール呼びボタン
3−1の情報は、ホール呼び入出力制御部5−1を経由
して、群管理制御部1内のホール情報入出力部11に送
られる。一方、かご6−1〜6−N内のかご呼びボタン
情報およびかご内位置情報は号機制御装置2−1〜2−
Nを経由して、群管理制御部1内のかご情報入出力部1
2に送られる。
【0006】ホール情報入出力部11のホール情報21
およびかご情報入出力部12のかご情報22は、割当て
制御部13に送られる。割当て制御部13は、ホール情
報21とかご情報22とから各エレベータを評価し、発
生したホール呼びに対するサービスエレベータであるか
ご、例えばかご6−Jを割当てる。そして、ホール情報
入出力部11を介してホール呼び入出力制御部5−1に
ホールへの割当かご情報23を送ると共に、かご情報入
出力部12を介して、そのかご6−JのJ号機制御装置
2−Jにかごへの割当てかご6−Jの情報24を送る。
【0007】ホール呼び入出力制御部5−1では、割当
てかご6−Jの情報23を入力すると、ホール表示器4
−1−Jを点灯して、利用者にかご6−Jが割当てられ
たこと(エレベータJが対応すること)を示す。さら
に、J号機制御装置2−Jは、割当てかご6−Jの情報
24に基づきかご6−Jのホール呼びを図示省略の第一
の記憶部に記憶し、かご6−Jに対するかご呼びも含め
た呼び予約すべてについて、エレベータの運行経路に従
って近い順に並べ代えて、図示省略の第二の記憶部に記
憶する。さらに、J号機制御装置2−Jは第二の記憶部
に記憶された呼び予約に従って、かご6−Jを順次記憶
された該当階床に停止させ、利用者の乗降に供する。
【0008】割当て制御部13は、各階床のホール呼び
に対して応答するエレベータをマイクロコンピュータな
どの小型コンピュータを用いてファジィ推論やニューラ
ルネットにて演算し、合理的かつ速やかに割り当てる。
すなわち、ホール呼びが発生すると、そのホール呼びに
対して群管理性能上の各評価指標を評価し、各評価値を
重み付け加算したものを総合評価として、利用者の「平
均待ち時間」を最短とすべく対応号機を決定して割り当
てると共に、他のエレベータはそのホール呼びに応答さ
せないようにしている。
【0009】このようにして、この群管理制御システム
が効果的に機能すれば、利用者はホールで呼びボタンを
押し、この呼びに対して表示された応答エレベータの前
でエレベータの到着を待ち、長時間待たされることなく
快適にエレベータを利用することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、「平均
待ち時間」という全体の平均を重視しているため、制御
の谷間に落ち込むことがあり、エレベータが特定の階床
付近に滞留する、いわゆるダンゴ状態になることがあ
る。エレベータがダンゴ状態になると他の階床へのサー
ビスが手薄になり、利用者が60秒以上待つ「長待ち」
が生じ易くなる。
【0011】一般に、「長待ち」の頻度は少ないが、6
0秒が利用者のイライラの限度とされており、一度「長
待ち」を生じると、利用者に不快感を与える結果にな
る。
【0012】本発明の目的は、平均待ち時間を多少犠牲
にしても長待ちのない運転が可能で、利用者が快適に利
用できる高性能なエレベータ群管理制御装置を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
エレベータ群管理制御装置は、複数の階床に対して複数
台のエレベータを運行させ、発生した共通のホール呼び
に対して所定の評価演算により最適な号機を割当てるエ
レベータ群管理制御装置において、複数台のエレベータ
の各号機毎に設けられ各号機の配置が偏らない位置評価
値を算出し前記位置評価値を加味して各号機の割当て評
価値を算出する号機評価値計算部と、各々の前記号機評
価値計算部からの割当て評価値のうち最適な割当て評価
値の号機を選択しその号機をホール呼びに割り当てる割
当て判定器とを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項1の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、複数台のエレベータの各号機毎に設けら
れた号機評価値計算部は、各号機の配置が偏らない位置
評価値を算出し、その位置評価値を加味して各号機の割
当て評価値を算出する。そして、割当て判定器は、各々
の号機評価値計算部からの割当て評価値のうち最適な割
当て評価値の号機を選択し、その選択した号機をホール
呼びに割り当てる。
【0015】請求項2の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項1の発明において、前記号機評価値
計算部は、ホール呼びが発生したとき自号機の方向を考
慮した絶対的な現在位置および他号機の方向を考慮した
絶対的な位置の平均値との関係に基づき前記位置評価値
を算出するようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項2の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、ホール呼
びが発生したとき自号機の方向を考慮した絶対的な現在
位置および他号機の方向を考慮した絶対的な位置の平均
値との関係に基づきいて、号機評価値計算部は位置評価
値を算出する。
【0017】請求項3の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項1の発明において、前記号機評価値
計算部は、最下階から最上階までの往復の行程を円に写
像し、ホール呼びが発生したとき自号機の方向を考慮し
自号機の位置を基点とした他号機の方向を考慮した相対
的な位置の平均位置との関係に基づき前記位置評価値を
算出するようにしたことを特徴とする。
【0018】請求項3の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、最下階か
ら最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが
発生したとき自号機の方向を考慮し自号機の位置を基点
とした他号機の方向を考慮した相対的な位置の平均位置
との関係に基づき、号機評価値計算部は位置評価値を算
出する。
【0019】請求項4の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項3の発明において、前記号機評価値
計算部は、ファジィ推論手段を具備し、他号機の方向を
考慮した相対的な位置の平均値にファジィ推論を施して
推論結果を求め、この推論結果を前記位置評価値とする
ようにしたことを特徴とする。
【0020】請求項4の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項3の発明の作用に加え、号機評価
値計算部のファジィ推論手段により、他号機の方向を考
慮した相対的な位置の平均値にファジィ推論を施して推
論結果を求め、この推論結果を位置評価値とする。
【0021】請求項5の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項4の発明において、前記号機評価値
計算部は、自号機から呼びホールまでの距離を計算する
距離計算部を具備し、前記ファジィ推論手段は、他号機
の方向を考慮した相対的な位置の平均値および前記距離
計算部で計算された自号機から呼びホールまでの距離に
ファジィ推論を施して推論結果を求め、この推論結果を
前記位置評価値とするようにしたことを特徴とする。
【0022】請求項5の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項4の発明の作用に加え、号機評価
値計算部のファジィ推論手段は、他号機の方向を考慮し
た相対的な位置の平均値および距離計算部で計算された
自号機から呼びホールまでの距離にファジィ推論を施し
て推論結果を求め、この推論結果を位置評価値とする。
【0023】請求項6の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項4の発明において、前記号機評価値
計算部は、自号機に割り当てられている呼びの数を計算
する呼びの数計算部を具備し、前記ファジィ推論手段
は、他号機の方向を考慮した相対的な位置の平均値およ
び前記呼びの数計算部で計算された自号機に割り当てら
れている呼びの数にファジィ推論を施して推論結果を求
め、この推論結果を前記位置評価値とするようにしたこ
とを特徴とする。
【0024】請求項6の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項4の発明の作用に加え、号機評価
値計算部のファジィ推論手段は、他号機の方向を考慮し
た相対的な位置の平均値および呼びの数計算部で計算さ
れた自号機に割り当てられている呼びの数にファジィ推
論を施して推論結果を求め、この推論結果を位置評価値
とする。
【0025】請求項7の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項3の発明において、前記号機評価値
計算部は、自号機の位置を基点とした他号機の方向を考
慮した相対的な位置の平均位置を算出するにあたり、他
号機に乗客が無く停止中のものはホール呼び発生の写像
位置に至るまでの距離が短い写像位置をその方向として
設定することを特徴とする。
【0026】請求項7の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項3の発明の作用に加え、他号機に
乗客が無く停止中のものは、ホール呼び発生の写像位置
に至るまでの距離が短い写像位置を、その他号機の方向
として設定し、自号機の位置を基点とした他号機の方向
を考慮した相対的な位置の平均位置を算出する。
【0027】請求項8の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項3の発明において、自号機に乗客が
無く停止中となる場合には自号機を待機させるための仮
の呼び階床を算出する号機停止時制御部と、自号機を前
記号機停止時制御部で算出された仮の呼び階床まで移動
させその仮の呼び階床で待機させる仮呼び割当て器とを
備えたことを特徴とする。
【0028】請求項8の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項3の発明の作用に加え、号機停止
時制御部では、自号機に乗客が無く停止中となる場合に
は自号機を待機させるための仮の呼び階床を算出し、仮
呼び割当て器では、自号機を号機停止時制御部で算出さ
れた仮の呼び階床まで移動させ、その仮の呼び階床で待
機させる。
【0029】請求項9の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止時
制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、他号機
の方向を考慮した相対的な位置の平均位置の対角位置の
階床を仮の呼び階床とするようにしたことを特徴とす
る。
【0030】請求項9の発明に係わるエレベータ群管理
制御装置では、請求項8の発明の作用に加え、仮の呼び
階床は、号機停止時制御部により、他号機の方向を考慮
した相対的な位置の平均位置の対角位置の階床として求
められる。
【0031】請求項10の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止
時制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、停止
階床で下降中としたときの他号機の位置の平均位置の対
角位置の階床と、停止階床で上昇中としたときの他号機
の位置の平均位置の対角位置の階床とのうち、ホール呼
び発生の写像位置に至るまでの距離が短い写像位置の階
床を仮の呼び階床とするようにしたことを特徴とする。
【0032】請求項10の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項8の作用に加え、仮の呼び階床
は、号機停止時制御部により、停止階床で下降中とした
ときの他号機の位置の平均位置の対角位置の階床と、停
止階床で上昇中としたときの他号機の位置の平均位置の
対角位置の階床とのうち、ホール呼び発生の写像位置に
至るまでの距離が短い写像位置の階床として求められ
る。
【0033】請求項11の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止
時制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、停止
階床で下降中としたときの他号機の位置の平均位置の対
角位置の階床と、停止階床で上昇中としたときの他号機
の位置の平均位置の対角位置の階床との平均値を、仮の
呼び階床とするようにしたことを特徴とする。
【0034】請求項11の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項8の発明の作用に加え、仮の呼
び階床は、号機停止時制御部により、停止階床で下降中
としたときの他号機の位置の平均位置の対角位置の階床
と、停止階床で上昇中としたときの他号機の位置の平均
位置の対角位置の階床との平均値として求められる。
【0035】請求項12の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止
時制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、停止
階床で下降中としたときの他号機の位置の平均位置の対
角位置の第一の階床と、停止階床で上昇中としたときの
他号機の位置の平均位置の対角位置の第二の階床とを求
め、前記第一の階床から各々の他号機までの距離の2乗
和である第一の2乗和と、前記第二の階床から各々の他
号機までの距離の2乗和である第二の2乗和とを求め、
前記第一の2乗和と前記第二の2乗和とのうち大きい方
の対角位置の階床を仮の呼び階床とするようにしたこと
を特徴とする。
【0036】請求項12の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項8の発明の作用に加え、仮の呼
び階床は、号機停止時制御部により、停止階床で下降中
としたときの他号機位置の平均位置の対角位置から各々
の他号機までの距離の2乗和と、停止階床で上昇中とし
たときの他号機位置の平均位置の対角位置から各々の他
号機までの距離の2乗和とのうち大きい方の対角位置の
階床として求められる。
【0037】請求項13の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項1の発明において、前記号機評価
値計算部は、最下階から最上階までの往復の行程を円に
写像し、ホール呼びが発生したとき自号機の位置を基点
とし前記円の中心を原点としたときの他号機の位置ベク
トルのベクトル和を求め、そのベクトル和に基づき各号
機の配置が偏らない位置評価値を算出し前記位置評価値
を加味して各号機の割当て評価値を算出するようにした
ことを特徴とする。
【0038】請求項13の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、最下階
から最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼び
が発生したとき自号機の位置を基点としその円の中心を
原点としたときの他号機の位置ベクトルのベクトル和を
求め、そのベクトル和に基づき、号機評価値計算部は、
各号機の配置が偏らない位置評価値を算出し位置評価値
を加味して各号機の割当て評価値を算出する。
【0039】請求項14の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止
時制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、最下
階から最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼
びが発生したとき自号機の位置を基点とし前記円の中心
を原点としたときの他号機の位置ベクトルのベクトル和
を求め、このベクトル和と逆方向の円上の位置の階床を
仮の呼び階床とするようにしたことを特徴とする。
【0040】請求項14の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項8の発明の作用に加え、仮の呼
び階床は、号機停止時制御部により、最下階から最上階
までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが発生した
とき自号機の位置を基点としその円の中心を原点とした
ときの他号機の位置ベクトルのベクトル和を求め、この
ベクトル和と逆方向の円上の位置の階床として求められ
る。
【0041】請求項15の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項1の発明において、前記号機評価
値計算部は、最下階から最上階までの往復の行程を円に
写像し、ホール呼びが発生したとき自号機の位置を基点
としたときの他号機の位置との距離の2乗和が最小とな
る位置の対角位置を求め、その対角位置に基づき各号機
の配置が偏らない位置評価値を算出し前記位置評価値を
加味して各号機の割当て評価値を算出するようにしたこ
とを特徴とする。
【0042】請求項15の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、最下階
から最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼び
が発生したとき自号機の位置を基点としたときの他号機
の位置との距離の2乗和が最小となる位置の対角位置を
求め、その対角位置に基づき、号機評価値計算部は、各
号機の配置が偏らない位置評価値を算出し位置評価値を
加味して各号機の割当て評価値を算出する。
【0043】請求項16の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置は、請求項8の発明において、前記号機停止
時制御部は、前記仮の呼び階床を求めるにあたり、ホー
ル呼びが発生したとき自号機の位置を基点としたときの
他号機の位置との距離の2乗和が最小となる位置の対角
位置を求め、その対角位置の階床を仮の呼び階床とする
ようにしたことを特徴とする。
【0044】請求項16の発明に係わるエレベータ群管
理制御装置では、請求項8の発明の作用に加え、仮の呼
び階床は、号機停止時制御部により、ホール呼びが発生
したとき自号機の位置を基点としたときの他号機の位置
との距離の2乗和が最小となる位置の対角位置を求め、
その対角位置の階床として求められる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1の構成例を
示すブロック図である。いま、15階床のビルにA〜E
の5台のエレベータが設置されているとする。
【0046】図1において、群管理制御部1は、ホール
呼び入出力制御部5との間でホール情報の情報交換をす
るホール情報入出力部11と、各号機制御装置2との間
でかご情報の情報交換をするかご情報入出力部12と、
階床のホール呼びに対して応答するエレベータを合理的
かつ速やかに割り当てる割当て制御部13とから構成さ
れる。
【0047】割当て制御部13は、エレベータA〜Eの
各号機毎に設けられた号機評価値計算部110〜150
と、これら号機評価値計算部110〜150からの評価
値111〜151のうち最適の評価値を選択する割当て
判定器15とから構成される。すなわち、A号機の割当
て評価値111はA号機評価値計算部110で算出さ
れ、以下同様に、B号機の割当て評価値121はB号機
評価値計算部120で、C号機の割当て評価値131は
C号機評価値計算部130で、D号機の割当て評価値1
41はD号機評価値計算部140で、E号機の割当て評
価値151はE号機評価値計算部150でそれぞれ算出
される。そして、割当て判定器15は、A号機の割当て
評価値111と、B号機の割当て評価値121と、C号
機の割当て評価値131と、D号機の割当て評価値14
1と、E号機の割当て評価値151とを入力として、こ
れら評価値により最適なエレベータを選定する。
【0048】各々の号機評価値計算部110〜150は
同一構成であるので、A号機のA号機評価値計算部11
0について説明する。A号機評価値計算部110は、ホ
ール呼びの応答が適切になるように評価値を算出する第
一の評価値計算部117および第二の評価値計算部11
8を有している。例えば、第一の評価値計算部117
は、ホール呼びからかごが到着するまでの平均待ち時間
が適切になるような第一の評価値112を算出し、第二
の評価値計算部118は、ホール呼びからかごが到着す
るまでが長待ちとならないようにするための第二の評価
値113を算出する。
【0049】また、他号機の平均位置計算部210は、
自号機(A号機)以外の他号機(B〜E号機)のかご位
置の平均位置213を算出するものであり、算出された
他号機の平均位置213は関数発生器211に入力され
る。この関数発生器211では、他号機の平均位置21
3とA号機の位置関係から本発明の評価指標である位置
評価値212を算出する。重み付き加算器115は、第
一の評価値112と、第二の評価値113と、位置評価
値212とを入力として、夫々の評価値に重み付けを行
って加算することにより、A号機の割当て評価値111
を算出する。この割当て評価値111は割当て判定器1
5に入力される。
【0050】以下、自号機がD号機であるとし、また、
各号機の位置および方向が図2(a)に示す場合を例に
して説明する。すなわち、図2(a)に示すように、A
号機は5階床を上昇中、B号機は8階床を上昇中、C号
機は10階床を下降中、D号機は1階床を上昇中、E号
機は14階床を下降中であるとする。
【0051】この場合の各号機の位置の表し方は、図2
(b)に示すように、最下階床を位置「0」、上り方向
の各階床の位置を下から順に「1〜13(すなわち、階
床−1)」、最上階床を位置「14」、下り方向の各階
床の位置を上から順に「15〜27(すなわち、29−
階床)」とする。各号機A〜Eの位置をPa〜Pe、自
号機であるD号機以外の他号機のかごの平均位置をPa
vとすると、それぞれ次のようになる。
【0052】A号機は、5階床を上昇中であるから位置
は「4」となる(Pa=4)。B号機は、8階床を上昇
中であるから位置は「7」となる(Pb=7)。C号機
は、10階床を下降中であるから位置は「19」となる
(Pc=19)。D号機は、1階床を上昇中であるから
位置は「0」となる(Pd=0)。E号機は、14階床
を下降中であるから位置は「15」となる(Pe=1
5)。また、自号機(D号機)以外の他号機のかごの平
均位置243の値Pavは、以下のようになる。
【0053】Pav=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4
=45/4=11.25
【0054】D号機評価値計算部140の関数発生器2
41は、D号機の位置「0」とちょうど対角位置である
最上階床の位置「14」で「0」、位置「13」以下で
「1.0」、位置「15」以上で「−1.0」の折れ線
関数とする。これにより、他号機の平均位置243がD
号機の対角位置より大きい(すなわち、D号機が他号機
の平均位置の対角位置より小さい=遅れている)場合
は、位置評価値242が負の値となり、D号機評価値計
算部140の重み付き加算器145を介してD号機の割
当て評価値141の値を小さくして、ホール呼びがD号
機に割当てされ難くする。
【0055】ホール呼びがD号機に割当てされない場合
は、他号機の中の1台が、そのホール呼びに応答して当
該階床で停止することになり、他号機の平均位置の対角
位置がD号機の位置に対して相対的に遅れることにな
る。逆に、他号機の平均位置243がD号機の対角位置
より小さい(すなわち、D号機が他号機の平均位置の対
角位置より大きい=進んでいる)場合は、位置評価値2
42が正の値となり、D号機評価値計算部140の重み
付き加算器145を介してD号機の割当て評価値141
の値を大きくして、D号機に割当てされ易くする。
【0056】ホール呼びがD号機に割当てされると、D
号機は、その階床で停止することになり他号機の平均位
置の対角位置に対して相対的に遅れることになる。すな
わち、他号機の平均位置の対角位置がD号機の位置に対
して相対的に進むことになる。他の個々の号機について
もD号機と同様にして、その号機以外の他号機の平均位
置(A号機の場合213)が該当する号機の対角位置よ
り大きい場合は、位置評価値(A号機の場合212)が
負の値となり、重み付き加算器(A号機の場合115)
を介して該当する号機の割当て評価値(A号機の場合1
11)の値を小さくして、該当する号機に割当てされ難
くする。
【0057】該当する号機に割当てされない場合は、他
号機の中の1台が、その階床で停止することになり、該
当する号機以外の他号機の平均位置の対角位置が該当す
る号機の位置に対して相対的に遅れることになる。逆
に、該当する号機以外の号機の平均位置(A号機の場合
213)が該当する号機の対角位置より小さい場合は、
位置評価値(A号機の場合212)が正の値となり、重
み付き加算器(A号機の場合115)を介して該当する
号機の割当て評価値(A号機の場合111)の値を大き
くして、該当する号機に割当てされ易くする。
【0058】該当する号機に割当てされると、該当する
号機は、その階床で停止することになり該当する号機以
外の他号機の平均位置の対角位置が該当する号機の位置
に対して相対的に進むことになる。従って、各号機は、
割り当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置の付
近に制御される。このため、各号機の配置が偏らないよ
うに配置されることになる。
【0059】ここで、該当する号機以外の他号機の平均
位置(A号機の場合213)を求める際に、該当する号
機の位置が「0」以外の場合には、該当する号機以外の
他号機の中で、その位置が該当する号機の位置より小さ
い号機については、その位置に「28」{=(総階床−
1)*2}を加算した仮の位置を計算に使用する。
【0060】例えば、B号機を考えている場合には、B
号機の位置は「7」であるので、位置が「4」のA号機
と、位置が「0」のD号機は、仮の位置を夫々「3
2」、「28」とし、次のように計算する。
【0061】A号機は、5階床を上昇中であるから位置
は「4」となる。すなわち、仮の位置は(4+28=3
2)となる(Pa=32)。B号機は、8階床を上昇中
であるから位置は「7」となる(Pb=7)。C号機
は、10階床を下降中であるから位置は「19」となる
(Pc=19)。D号機は、1階床を上昇中であるから
位置は「0」となる。すなわち、仮の位置は(0+28
=28)となる(Pd=28)。E号機は、14階床を
下降中であるから位置は「15」となる(Pe=1
5)。そして、B号機以外の他号機のかごの平均位置2
23の値Pavは、以下のようになる。
【0062】Pav=(Pa+Pc+Pd+Pe)/4
=94/4=23.5
【0063】また、関数発生器(B号機の場合221)
で使用する該当する号機の対角位置は、該当する号機の
位置に「14」(=総階床−1)を加算した数値を使用
する。例えば、B号機を考えている場合には、B号機の
位置は「7」であるので、その対角位置は「21」とな
り、B号機の関数発生器221は、B号機のちょうど対
角位置である8階床下降中の位置「21」で「0」、位
置「20」以下で「−1.0」、位置「22」以上で
「−1.0」の折れ線関数となる。
【0064】このように、各号機の方向を考慮した絶対
的な現在位置と、該当号機以外の他号機の絶対的な位置
の平均値との関係に基づき、新たな評価演算を行い、従
来の評価値に重み付け加算して評価演算を行い、各号機
の配置が偏らないよう割り当て制御を行う。このため、
各号機の配置がほぼ均等な距離を保つように制御され、
結果的に長待ちのないエレベータ群の運転ができる。つ
まり、エレベータの利用者が長く待たされることなく、
快適に利用できる高性能なエレベータ群の運用が可能と
なる。
【0065】以上の説明では、各号機評価値計算部11
0〜150の関数発生器211〜251は、位置「1
3」以下で「1.0」、位置「14」で「0」、位置
「15」以上で「−1.0」の折れ紙関数としたが、位
置「13」以下で「1.0」、位置「14」で「0.
5」、位置「15」以上で「0.0」の正の折れ線関数
や、横軸の切片が「14」付近となる単調減少関数(評
価値として値が低い号機が選択される方式では単調増加
関数)としても、同様の効果を得ることができる。
【0066】また、第一の評価値計算部117および第
二の評価値計算部118を設け、評価指標として、ホー
ル呼びからかごが到着するまでの平均待ち時間が適切に
なるような第一の評価値112と、ホール呼びからかご
が到着するまでが長待ちとならないようにするための第
二の評価値113を採用する場合を例に挙げて説明した
が、ホール呼びからかごが到着する到着時間が短くなる
ような第三の評価値、同一方向でホール呼びに一致した
かご呼びの登録されたかごを適切に応答させる第四の評
価値など、様々な種類の評価値を採用していても、同様
の効果を得ることができる。
【0067】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図3は、本発明の第2の実施の形態に係わるエレベ
ータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成図
である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の
実施の形態における他号機の絶対的な位置の平均値を求
める他号機の平均位置計算部210〜250に代えて、
他号機の相対的な位置の平均値を求める他号機の平均位
置計算部214〜254をそれぞれの号機評価値計算部
110〜150に設けたものである。その他の構成は、
図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一
要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0068】以下、対象エレベータ(自号機)をD号機
とし、各号機の位置および方向が図4(a)に示す場合
を例にして説明する。第1の実施の形態による群管理制
御部1における他号機の平均位置算出部210では、図
2(b)に示すように各エレベータの最下階から最上階
までの往復の行程を絶対的な位置で表現して他号機の平
均位置213を算出したが、第2の実施の形態による群
管理制御部1における他号機の平均位置算出部214で
は、図4(b)に示すように、各エレベータの最下階か
ら最上階までの往復の行程を円に写像し、該当のD号機
の位置を基点とした各号機の方向を考慮した相対的な現
在位置に基づき、自号機(D号機)以外の他号機の相対
的な位置の平均値243を算出する。
【0069】関数発生器241は、他号機の平均位置2
43を入力として、該当のD号機の相対的な対角位置と
の関係に基づき位置評価値242を求め、第一の評価値
142や第二の評価値143と共に重み付き加算器14
5に入力して、新たな評価演算を行い評価値141を得
る。そして、各号機評価値計算部110〜150からの
評価値111〜151を割当て判定器15に入力して、
適切な号機を割り当てる。
【0070】図4(a)に示すように、各号機の位置お
よび方向は図2(a)と同様に、A号機は5階床を上昇
中、B号機は8階床を上昇中、C号機は10階床を下降
中、D号機は1階床を上昇中、E号機は14階床を下降
中である。各号機の位置の表し方は、図8(b)に示す
ように、各エレベータの最下階から最上階までの往復の
行程を円に写像する。図4(b)の中心部の円に示す如
く、該当号機であるD号機の位置を「0」とおき、以下
右回りに順次「l」〜「27」の位置番号を付加する。
各号機A〜Eの位置をPa〜Pe、D号機から見た他号
機の平均位置をPavとすると、それぞれ次のようにな
る。
【0071】A号機は、5階床を上昇中であるから位置
は「4」となる(Pa=4)。B号機は、8階床を上昇
中であるから位置は「7」となる(Pb=7)。C号機
は、10階床を下降中であるから位置は「19」となる
(Pc=19)。D号機は、基点の位置であるから位置
は「0」となる(Pd=0)。E号機は、14階床を下
降中であるから位置は「15」となる(Pe=15)。
そして、D号機から見た他号機の平均位置243の値P
avは、以下のようになる。
【0072】Pav=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4
=45/4=11.25
【0073】D号機評価値計算部140の関数発生器2
41は、D号機の相対的な対角位置である「14」(=
総階床数−1)で「0」、位置「13」以下で「1.
0」、位置「15」以上で「−1.0」の折れ糠関数と
する。これにより、他号機の平均位置243がD号機の
対角位置より大きい(すなわち、D号機が他号機の平均
位置の対角位置より小さい=遅れている)場合は、位置
評価値242が負の値となり、重み付き加算器145を
介してD号機の割当て評価値141の値を小さくして、
D号機に割当てされ難くする。
【0074】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の平均位置243がD号
機の対角位置より小さい(すなわち、D号機が他号機の
平均位置の対角位置より大きい=進んでいる)場合は、
位置評価値242が正の値となり、重み付き加算器14
5を介してD号機の割当て評価値141の値を大きくし
て、D号機に割当てされ易くする。
【0075】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の平均位置の対角位置
に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号機
の平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に
進むことになる。
【0076】他の個々の号機についてもD号機と同様に
して、該当する号機以外の他号機の平均位置(A号機の
場合213)が該当する号機の対角位置より大きい場合
は、位置評価値(A号機の場合212)が負の値とな
り、重み付き加算器(A号機の場合115)を介して該
当する号機の割当て評価値(A号機の場合111)の値
を小さくして、該当する号機に割当てされ難くする。
【0077】該当する号機に割当てされない場合は、他
号機の中の1台が、その階床で停止することになり、該
当する号機以外の他号機の平均位置の対角位置が該当す
る号機の位置に対して相対的に遅れることになる。逆
に、該当する号機以外の他号機の平均位置(A号機の場
合213)が該当する号機の対角位置より小さい場合
は、位置評価値(A号機の場合212)が正の値とな
り、重み付き加算器(A号機の場合115)を介して該
当する号機の割当て評価値(A号機の場合111)の値
を大きくして、該当する号機に割当てされ易くする。
【0078】該当する号機に割当てされると、該当する
号機は、その階床で停止することになり該当する号機以
外の他号機の平均位置の対角位置が該当する号機の位置
に対して相対的に進むことになる。従って、各号機は、
割り当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置付近
に制御されるため、各号機の配置が偏らないように配置
されることになる。
【0079】ここで、該当する号機が、D号機以外の号
機であっても同様である。例えば、B号機を考えている
場合には、図5に示すとおりで、B号機の位置を「0」
として、各号機の位置をPa〜Pe、D号機から見た他
号機の平均位置をPavとすると、それぞれ次のように
なる。
【0080】A号機は、5階床を上昇中であるから位置
は「25」となる(Pa=25)。B号機は、基点の位
置であるから位置は「0」となる(Pb=0)。C号機
は、10階床を下降中であるから位置は「12」となる
(Pc=12)。D号機は、1階床を上昇中であるから
位置は「21」となる(Pd=21)。E号機は、14
階床を下降中であるから位置は「8」となる(Pe=
8)。そして、B号機から見た他号機の平均位置223
の値Pavは、以下のようになる。
【0081】Pav=(Pa+Pc+Pd+Pe)/4
=66/4=16.5
【0082】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の相対的な位置の平均値との関係に基づき、関数
発生器211〜251で新たな評価演算を行って位置評
価値を求め、従来の第一の評価値112〜152および
第二の評価値113〜153に対し、重み付き加算器1
15〜155により重み付け加算して評価演算を行い、
各号機の配置が偏らないよう割当て判定器15で最適な
号機を選択する割り当て制御を行う。このため、各号機
の配置がほぼ均等な距離を保つように制御され、結果的
に「長待ち」のないエレベータ群の運転ができる。つま
り、エレベータの利用者が長く待たされることなく、快
適に利用できる高性能なエレベータ群の運用が可能とな
る。
【0083】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図6は本発明の第3の実施の形態に係わるエレベー
タ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成図で
ある。この第3の実施の形態は、図3に示す第2の実施
の形態の関数発生器211〜251に代えて、ファジィ
推論手段215〜245を設けたものである。その他の
構成は、図3に示した第2の実施の形態と同一であるの
で、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略す
る。
【0084】以下、対象エレベータをD号機(自号機)
として説明する。D号機評価値計算部140のファジィ
推論手段245は、他号機の平均位置計算部244で得
られた他号機の平均位置243をファジィルールの条件
節の入力とし、ファジィルールを発火してファジィ推論
を行い、位置評価値242を算出する。
【0085】このファジィ推論は、例えば、他号機の平
均位置243の値を「平均位置」とし、位置評価値24
2の値を「評価値」とし、それぞれをクラスタリングし
て図7に示すような3つのメンバーシップ関数(P、
Z、N)で表したとき、ファジィ推論手段245が図8
に示すような、ファジィルールを発火してファジィ推論
を行い、「評価値」すなわち位置評価値242を算出す
ることで実現される。なお、図8のファジィルールは、
「平均位置」が19.6以上の時は、「評価値」を「−
1」、「平均位置」が「14」の時は、「評価値」を
「0」、「平均位置」が「8.4」以下の時は、「評価
値」を「1」として出力し、その間は直線に近い単調減
少関数となる。
【0086】他号機の平均位置243がD号機の対角位
置より大きい(すなわち、D号機が他号機の平均位置の
対角位置より小さい=遅れている)場合は、位置評価値
242が負の値となり、重み付き加算器145を介して
D号機の割当て評価値141の値を小さくして、D号機
に割当てされ難くする。
【0087】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の平均位置243がD号
機の対角位置より小さい(すなわち、D号機が他号機の
平均位置の対角位置より大きい=進んでいる)場合は、
位置評価値242が正の値となり、重み付き加算器14
5を介してD号機の割当て評価値141の値を大きくし
て、D号機に割当てされ易くする。
【0088】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の平均位置の対角位置
に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号機
の平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に
進むことになる。従って、各号機、割り当て制御の結
果、他号機の平均位置の対角位置付近に制御されるた
め、各号機の配置が偏らないように配置されることにな
る。
【0089】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の相対的な位置の平均値との関係を入力とし、新
たな評価値を出力するファジィ推論手段を設け、これら
位置の差にファジィ推論を施して推論結果を求め、この
推論結果を新たな評価値として、従来の第一評価値11
2〜152および第二評価値113〜153に重み付け
加算して評価演算を行い、各号機の配置が偏らないよう
割り当て制御を行う。このため、各号機の配置がほぼ均
等な距離を保つように制御され、結果的に「長待ち」の
ないエレベータ群の運転ができる。つまり、エレベータ
の利用者が長く待たされることなく、快適に利用できる
高性能なエレベータ群の運用が可能となる。
【0090】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図9は本発明の第4の実施の形態に係わるエレベー
タ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック図であ
る。この第4の実施の形態は、図6に示した第3の実施
の形態に対し、自号機から呼びホールまでの距離を計算
する距離計算部264〜304を各々の号機評価値計算
部110〜150に設け、各々の号機評価値計算部11
0〜150のファジィ推論手段265〜305は、他号
機の方向を考慮した相対的な位置の平均値214〜25
4および距離計算部264〜304で計算された自号機
から呼びホールまでの距離263〜303にファジィ推
論を施して推論結果を求め、この推論結果を位置評価値
212〜252とするようにしたものである。その他の
構成は、図6に示した第3の実施の形態と同一であるの
で、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略す
る。
【0091】すなわち、第3の実施の形態における1入
力1出力のファジィ推論手段215〜255の代わり
に、2入力1出力のファジィ推論手段265〜305を
採用し、さらに、距離計算部264〜304からの自号
機から呼びホールまでの距離263〜303を、ファジ
ィ推論手段265〜305への第2番目の入力としたも
のである。
【0092】以下、対象エレベータ(自号機)をD号機
として説明する。D号機評価値計算部140のファジィ
推論手段295は、他号機の平均位置計算部244から
の他号機の平均位置243をファジィルールの第1の条
件節の入力とし、呼びホールまでの距離計算部294か
ら算出された該当のD号機から呼びホールまでの距離2
93をファジィルールの第2の条件節の入力として、フ
ァジィルールを発火してファジィ推論を行い、位置評価
値242を算出する。
【0093】このファジィ推論は、例えば、他号機の平
均位置243の値を「平均位置」、位置評価値242の
値を「評価値」とし、それぞれをクラスタリングして図
7に示すような3つのメンバーシップ関数(P、Z、
N)で表し、また、該当のD号機から呼びホールまでの
階床差の値を距離293とし、これをクラスタリングし
て図10に示すような3つのメンバーシップ関数(P、
Z、N)で表したとき、ファジィ推論手段295が図1
1に示すような、ファジィルールを発火してファジィ推
論を行い、「評価値」すなわち位置評価値242を算出
することで実現される。
【0094】図11のファジィルールは、2入力1出力
のルールを表で表したもので、IF〜THENルールの
形で表した図12と等価である。なお、図11のファジ
ィルールは、「平均位置」が19.6以上の時は、「評
価値」を「−1」、「平均位置」が「14」で「距離」
が1から4の時は、「評価値」を「0」、「平均位置」
が「14」で「距離」が「−1」以下または「16」以
上の時は、「評価値」を「−1」、「平均位置」が
「8.4」以下で「距離」が1から4の時は、「評価
値」を「1」、「平均位置」が「8.4」以下で「距
離」が「−1」以下または「16」以上の時は、「評価
値」を「0」出力し、その間は直線に近い単調関数とな
る。
【0095】他号機の平均位置243がD号機の対角位
置より大きい(すなわち、D号機が他号機の平均位置の
対角位置より小さい=遅れている)場合は、位置評価値
242が負の値となり、重み付き加算器145を介して
D号機の割当て評価値141の値を小さくして、D号機
に割当てされ難くする。
【0096】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の平均位置243(A号
機の場合213)がD号機の対角位置より小さく(すな
わち、D号機が他号機の平均位置の対角位置より大きい
=進んでいる)、呼びホールまでの距離293が1から
4の場合は、位置評価値242が正の値となり、重み付
き加算器145を介してD号機の割当て評価値141の
値を大きくして、D号機に割当てされ易くする。
【0097】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の平均位置の対角位置
に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号機
の平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に
進むことになる。また、呼びホールまでの距離293が
「1」以下(近すぎる)時や、呼びホールまでの距離2
93が5以上(遠い)時は、「長待ち」の原因となる恐
れがあるため、D号機に割当てされ易さを弱めている。
従って、各号機は、割り当て制御の結果、他号機の平均
位置の対角位置付近に制御されるため、エレベータの配
置が偏らないように配置されることになる。
【0098】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の相対的な位置の平均値との差を第1の入力と
し、該当号機から呼びホールまでの距離263〜303
を第2の入力として、ファジィ推論手段265〜295
は、現在位置と平均値との差、および呼びホールまでの
距離に対して、ファジィ推論を施して推論結果を求め
る。そして、この推論結果を新たな評価値として、従来
の第一評価値112〜152および第二評価値113〜
153に重み付け加算して評価演算を行い、各号機の配
置が偏らないよう割り当て制御を行う。
【0099】このため、各号機の配置がほぼ均等な距離
を保つように制御され、結果的に「長待ち」のないエレ
ベータ群の運転ができ、エレベータの利用者が長く待た
されることなく、快適に利用できる高性能なエレベータ
群の運用が可能となる。
【0100】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図13は本発明の第5の実施の形態に係わるエレベ
ータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック図であ
る。この第5の実施の形態は、図6に示した第3の実施
の形態に対し、各々の号機評価値計算部110〜150
に自号機に割り当てられている呼びの数を計算する呼び
の数計算部267〜307を設け、各々の号機評価値計
算部110〜150のファジィ推論手段268〜308
は、他号機の方向を考慮した相対的な位置の平均値21
3〜253および呼びの数計算部267〜307で計算
された自号機に割り当てられている呼びの数にファジィ
推論を施して推論結果を求め、この推論結果を位置評価
値212〜252とするようにしたものである。その他
の構成は、図6に示した第3の実施の形態と同一である
ので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略
する。
【0101】すなわち、第3の実施の形態における1入
力1出力のファジィ推論手段215〜255の代わり
に、2入力1出力のファジィ推論手段268〜308を
採用し、さらに、呼びの数計算部267〜307で算出
された自号機の呼びの数266〜306を第2番目の入
力としてファジィ−推論手段268〜308に入力する
ようにしたものである。
【0102】以下、対象エレベータ(自号機)をD号機
として説明する。D号機評価値計算部140のファジィ
推論手段298は、他号機の平均位置243をファジィ
ルールの第1の条件節の入力とし、また、呼びの数計算
部297から算出された該当のD号機(自号機)の予約
されている呼びの数296をファジィルールの第2の条
件節の入力として、ファジィルールを発火してファジィ
推論を行い、位置評価値242を算出する。
【0103】このファジィ推論は、例えば他号機の平均
位置243の値を「平均位置」、位置評価値242の値
を「評価値」とし、それぞれをクラスタリングして図7
に示すような3つのメンバーシップ関数(P、Z、N)
で表し、該当号機の予約されている呼びの数の値を「呼
びの数」296とし、これをクラスタリングして図14
に示すような2つのメンバーシップ関数(P、N)で表
したとき、ファジィ推論手段298が図15に示すよう
な、ファジィルールを発火してファジィ推論を行い、
「評価値」すなわち位置評価値242を算出することで
実現される。
【0104】図15のファジィルールは、2入力1出力
のルールを表で表したもので、IF〜THENルールの
形で表した図16と等価である。なお、図15のファジ
ィルールは、「平均位置」が「19.6」以上の時は、
「評価値」を「−1」、「呼びの数」が4以上の時は、
「評価値」を「−1」、「平均位置」が14で「呼びの
数」が2以下の時は、「評価値」を「0」、「平均位
置」が8.4以下で「呼びの数」が2以下の時は、「評
価値」を「1」、出力し、その間は直線に近い単調関数
となる。
【0105】他号機の平均位置243がD号機の対角位
置より大きい(すなわち、D号機が他号機の平均位置の
対角位置より小さい=遅れている)場合や、呼びの数2
96が4以上(停止回数が多すぎて最終呼び予約階で
「長待ち」の可能性が大)の時は、位置評価値242が
負の値となり、重み付き加算器145を介してD号機の
割当て評価値141の値を小さくして、D号機に割当て
され難くする。
【0106】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の平均位置243がD号
機の対角位置より小さく(D号機が他号機の平均位置の
対角位置より大きい=進んでいる)、呼びの数296が
2以下(停止回数が少なく最終呼び予約階で「長待ち」
の可能性が小)の場合は、位置評価値242が正の値と
なり、重み付き加算器145を介してD号機の割当て評
価値141の値を大きくして、D号機に割当てされ易く
する。
【0107】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の平均位置の対称の位
置に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号
機の平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的
に進むことになる。従って、各号機は、割り当て制御の
結果、他号機の平均位置の対角位置付近に制御されるた
め、各号機の配置が偏らないように配置されることにな
る。
【0108】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の相対的な位置の平均値との差を第1の入力と
し、該当のD号機の予約呼びの数266〜306を第2
の入力として、ファジィ推論手段268〜308は、現
在位置と平均値との差、および呼びの数に対してファジ
ィ推論を施して推論結果を求め、この推論結果を新たな
評価値として、従来の第一評価値112〜152および
第二評価値113〜153に重み付け加算して評価演算
を行い、各号機の配置が偏らないよう割り当て制御を行
う。
【0109】このため、各号機の配置がほぼ均等な距離
を保つように制御され、結果的に「長待ち」のないエレ
ベータ群の運転ができる。つまり、エレベータの利用者
が長く待たされることなく、快適に利用できる高性能な
エレベータ群の運用が可能となる。
【0110】次に、本発明の第6の実施の形態を説明す
る。図17は、本発明の第6の実施の形態に係わるエレ
ベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成
図である。この第6の実施の形態は、図3に示した第2
の実施の形態における他号機の相対的な位置の平均値を
求める他号機の平均位置計算部214〜254に代え
て、他号機に乗客が無く停止中のものはホール呼び発生
の写像位置に至るまでの距離が短い写像位置をその方向
として他号機の相対的な位置の平均値を求める他号機の
平均位置計算部216〜256をそれぞれの号機評価値
計算部110〜150に設けたものである。その他の構
成は、図3に示した第2の実施の形態と同一であるの
で、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略す
る。
【0111】以下、対象エレベータ(自号機)をD号機
とし、各号機の位置および方向は図18(a)に示す場
合を例にして説明する。この場合、C号機は10階床ま
で降下してきたが、10階床で利用者が居なくなり、予
約呼びも無く10階床に停止状態であるとする。
【0112】第2の実施の形態による他号機の平均位置
算出部214〜254では、図4(b)に示すように最
下階から最上階までの往復の行程を円に写像し、該当号
機の位置を基点とした各号機の方向を考慮した相対的な
現在位置に基づき、該当号機以外の他号機の相対的な位
置の平均値213〜253を算出した。この場合、10
階床で停止中のC号機の相対位置は「19」(10階床
を降下中)である。
【0113】一方、この第6の実施の形態による群管理
制御装置1における他号機の平均位置算出部216〜2
56では、図18(b)に示すように利用者と予約呼び
がともに無く停止中のC号機の相対位置は、「9」(1
0階床を上昇中)と「19」(10階床を降下中)の中
の1状態(上昇、または下降)を選択できることにな
る。そこで、第6の実施の形態では、乗客が無く停止中
の号機はホール呼び発生の写像位置に至るまでの距離が
短い写像位置をその方向として設定することとする。
【0114】この相対的な現在位置に基づき、該当号機
以外の他号機の相対的な位置の平均値213〜253を
算出する。他号機の平均位置213〜253を入力とし
て、該当号機の相対的対角位置との関係に基づき新たな
評価演算を行い、この演算結果を新たな評価値として、
従来の第一評価値112〜152および第二評価値11
3〜153に重み付け加算して評価演算を行う。
【0115】C号機以外の各号機の位置は、第2の実施
の形態を説明した図4(a)と同様であるが、利用者が
なく停止中のC号機の方向は上昇か下降か決まっていな
い。すなわち、A号機は5階床を上昇中、B号機は8階
床を上昇中、D号機は1階床を上昇中、E号機は14階
床を下降中であるのに対し、C号機は図4(a)では1
0階床を下降中であるが、図18(a)では10階床を
上昇中CUと10階床を下降中CDの2つの候補を有す
るので、ホール呼び発生の写像位置に至るまでの距離が
短い写像位置をその方向として設定する。
【0116】例えば、図18(b)にO印で示したよう
に5階床で下降のホール呼びが発生した場合は、C号機
の位置はCD(10階床を下降中)とし、図4(b)と
同様となる。また、図18に×印で示したように14階
床で上昇のホール呼びが発生した場合は、C号機の位置
はCU(10階床を上昇中)とする。ホール呼びが図1
8(b)の○印の場合、各エレベータの位置をPa〜P
e、D号機から見た他号機の平均位置243の値をPa
vとすると、それぞれ次のようになる。
【0117】A号機は、5階床を上昇中であるから位置
は「4」となる(Pa=4)。B号機は、8階床を上昇
中であるから位置は「7」となる(Pb=7)。C号機
は、10階床を下降中であるから位置は「19」となる
(Pc=19)。D号機は、基点の位置であるから位置
は「0」となる(Pd=0)。E号機は、14階床を下
降中であるから位置は「15」となる(Pe=15)。
そして、D号機から見た他号機の平均位置243の値P
avは、以下のようになり、第2の実施の形態の場合と
同様である。
【0118】Pav=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4
=45/4=11.25
【0119】また、ホール呼びが図18(b)の×印の
場合は、次のとおりとなる。A号機は、5階床を上昇中
であるから位置は「4」となる(Pa=4)。B号機
は、8階床を上昇中であるから位置は「7」となる(P
b=7)。C号機は、10階床を上昇中であるから位置
は「9」となる(Pc=9)。D号機は、基点の位置で
あるから位置は「0」となる(Pd=0)。E号機は、
14階床を下降中であるから位置は「15」となる(P
e=15)。そして、D号機から見た他号機の平均位置
243の値Pavは、以下のようになる。
【0120】Pav=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4
=35/4=8.75
【0121】D号機評価値計算部140の関数発生器2
41は、D号機の相対的な対角位置である「14」(=
総階床数−1)で「0」、位置「13」以下で「1.
0」、位置「15」以上で「−1.0」の折れ線関数と
すると、他号機の平均位置243がD号機の対角位置よ
り大きい(すなわち、D号機が他号機の平均位置の対角
位置より小さい=遅れている)場合は、位置評価値24
2が負の値となり、重み付き加算器145を介してD号
機の割当て評価値141の値を小さくして、D号機に割
当てされ難くする。
【0122】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の平均位置243がD号
機の対角位置より小さい(すなわち、D号機が他号機の
平均位置の対角位置より大きい=進んでいる)場合は、
位置評価値242が正の値となり、重み付き加算器14
5を介してD号機の割当て評価値141の値を大きくし
て、D号機に割当てされ易くする。
【0123】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の平均位置の対角位置
に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号機
の平均位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に
進むことになる。
【0124】他の個々の号機についてもD号機と同様に
して、該当する号機以外のエレベータの平均位置(A号
機の場合213)が該当する号機の対角位置より大きい
場合は、位置評価値(A号機の場合212)が負の値と
なり、重み付き加算器(A号機の場合115)を介して
該当する号機の割当て評価値(A号機の場合111)の
値を小さくして、該当する号機に割当てされ難くする。
【0125】該当する号機に割当てされない場合は、他
号機の中の1台が、その階床で停止することになり、該
当する号機以外の他号機の平均位置の対角位置が該当す
る号機の位置に対して相対的に遅れることになる。逆
に、該当する号機以外の他号機の平均位置(A号機の場
合213)が該当する号機の対角位置より小さい場合
は、位置評価値(A号機の場合212)が正の値とな
り、重み付き加算器(A号機の場合115)を介して該
当する号機の割当て評価値(A号機の場合111)の値
を大きくして、該当する号機に割当てされ易くする。
【0126】該当する号機に割当てされると、該当する
号機は、その階床で停止することになり該当する号機以
外の他号機の平均位置の対角位置が該当する号機の位置
に対して相対的に進むことになる。従って、各号機は、
割り当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置付近
に制御されるため、各号機の配置が偏らないように配置
されることになる。ここで、該当する号機がD号機以外
のエレベータであっても同様である。
【0127】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置を設定する際、乗客
がなく停止中の号機はホール呼び発生の写像位置に至る
までの距離が短い写像位置をその方向として相対的な現
在位置を設定し、各号機の相対的な現在位置と、該当号
機以外の他号機の相対的な位置の平均値との関係に基づ
き、新たな評価演算を行い、従来の第一評価値112〜
152および第二評価値113〜153に重み付け加算
して評価演算を行い、各号機の配置が偏らないよう割り
当て制御を行う。このため、各号機の配置がほぼ均等な
距離を保つように制御され、結果的に「長待ち」のない
エレベータ群の運転ができる。つまり、エレベータの利
用者が長く待たされることなく、快適に利用できる高性
能なエレベータ群の運用が可能となる。
【0128】次に、本発明の第7の実施の形態を説明す
る。図19は、本発明の第7の実施の形態に係わるエレ
ベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成
図である。この第7の実施の形態は、図3に示した第2
の実施の形態に対し、自号機に乗客が無く停止中となる
場合には自号機を待機させるための仮の呼び階床を算出
する号機停止時制御部510〜550と、自号機を号機
停止時制御部510〜550で算出された仮の呼び階床
まで移動させその仮の呼び階床で待機させる仮呼び割当
て器18とを追加して設けたものである。その他の構成
は、図3に示した第2の実施の形態と同一であるので、
同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0129】すなわち、この第7の実施の形態では、図
3に示した第2の実施の形態に対して、各号機にそれぞ
れ設けられた号機停止制御部510〜550と、かご情
報入出力部12を経由して「停止中」の号機の号機制御
装置2に待機階床情報25を送る仮呼び割当て器18と
が追加されている。
【0130】各々の号機停止制御部510〜550は、
各号機に乗客予約呼びが無い状態を検出して「停止中」
と判定する停止中判定器517〜557と、その接点5
17a〜557a(停止中のとき導通)および接点51
7b〜557b(停止中でないとき導通)と、各号機が
停止直前の運行状態を維持していると仮定した場合の他
号機の平均位置512〜552を算出する他号機の平均
位置計算部514〜554と、他号機の平均位置512
〜552を入力して他号機の平均位置の対角位置の階床
を仮の呼び階床511〜551として設定する仮呼び階
床設定器518〜558とから構成されている。さら
に、各々の号機評価値計算部110〜150から最適な
エレベータを選定する割当て判定器15への各号機の割
当て評価値111〜151の信号ライン中には、停止中
判定器517〜557の接点517b〜557b(停止
中でないとき導通)が追設されている。
【0131】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、各号機の位置および方向が図20(a)である場
合を例にして説明する。この場合、C号機は10階床ま
で降下してきたが、10階床で利用者が居なくなり、予
約呼びも無く10階床に停止状態である。第2の実施の
形態における他号機の平均位置算出部214〜254で
は、図4(a)に示すように最下階から最上階までの往
復の行程を円に写像し、該当号機の位置を基点とした各
エレベータの方向を考慮した相対的な現在位置に基づ
き、該当号機以外の他号機の相対的な位置の平均値21
3〜253を算出した。
【0132】この場合、10階床で停止中のC号機の方
向(上昇中、下降中)により、基点の位置が変わるた
め、その相対位置表示も10階床を降下中とした場合
(CD)と、10階床を上昇中とした場合(CU)とで
は異なる。そこで、この第7の実施の形態では、停止直
前の運行状態を維持しているとすることによって、停止
中の号機の方向を決定する。
【0133】C号機は10階床まで降下してきたが、1
0階床で利用者が居なくなり、予約呼びも無く10階床
に停止状態となったのであるから、C号機の方向として
下降中を設定する。すなわち、C号機の位置はCDとす
る。
【0134】以下、各号機の位置をPa〜Pe、C号機
から見た他号機の平均位置532の値をPavとする。
図20(b)に示すように、A号機は、5階床を上昇中
であるから位置は「13」となる(Pa=13)。B号
機は、8階床を上昇中であるから位置は「16」となる
(Pb=16)。C号機は、基点の位置であるから位置
は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1階床を上昇
中であるから位置は「9」となる(Pd=9)。E号機
は、14階床を下降中であるから位置は「24」となる
(Pe=24)。そして、C号機から見た他号機の平均
位置532次のようになる。
【0135】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=62/4=15.5
【0136】すなわち、他号機の平均位置532の値P
av=15.5であるから、7階から8階に上昇中とな
る。従って、他号機の平均位置532の対角位置は、
(対角位置=Pav−14=15.5−14=1.5)
となるので、図20(b)でC号機を基点として「1.
5」であるから9階から8階に下降中となり、仮呼び階
床設定器538はC号機の仮の呼び階床531として対
角位置の階床(=8.5階)を出力する。仮の呼び階床
531を受けた仮呼び割当て器18は、かご情報入出力
部12を介してC号機制御装置2−Cに待機階床情報2
5を使ってC号機の仮呼び階床として8.5階の指令信
号を送る。
【0137】従って、「停止中」の号機は、仮呼び割り
当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置の階床に
制御されるため、「停止中」の号機を「運用」に切換え
た際に、各号機の配置がほぼ均等な距離を保つように制
御される。ここで、該当する号機が、C号機以外のエレ
ベータであっても同様である。
【0138】このように、乗客が無く停止中の号機を、
「運用」に切換わる時に備えて位置制御をする際、該当
号機が停止直前の逆行状態を維持していると仮定して、
残りの各号機の位置の平均位置を算出し、この平均位置
の対角位置の階床を仮の呼び階床とする。そして、該当
号機を仮の呼び階床まで移動させて、仮の呼び階床で待
機させて、常に「運用」に備えて位置制御を行う。この
ため、利用者が増加して「停止中」の号機を「運用」す
る際にも、号機の配置がほぼ均等な距離を保つように制
御され、結果的に「長待ち」のないエレベータ群の運転
ができる。つまり、エレベータの利用者が長く待たされ
ることなく、快適に利用できる高性能なエレベータ群の
運用が可能となる。
【0139】次に、本発明の第8の実施の形態を説明す
る。図21は、本発明の第8の実施の形態に係わるエレ
ベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成
図である。この第8の実施の形態は、図19に示した第
7の実施の形態に対し、号機停止時制御部510〜55
0は、仮の呼び階床を求めるにあたり、停止階床で下降
中としたときの他号機の位置の平均位置の対角位置の階
床と、停止階床で上昇中としたときの他号機の位置の平
均位置の対角位置の階床とのうち、ホール呼び発生の写
像位置に至るまでの距離が短い写像位置の階床を仮の呼
び階床とするようにしたものである。
【0140】すなわち、図19に示した第7の実施の形
態の他号機の平均位置計算部514〜554に代えて、
自号機を下降中と仮定した場合の他号機の平均位置51
2〜552を算出する他号機の平均位置計算部514〜
554と、呼びホールまでの距離513〜553を算出
する呼びホールまでの距離計算部516〜556と、自
号機を上昇中と仮定した場合の他号機の平均位置562
〜602を算出する他号機の平均位置計算部564〜6
04と、呼びホールまでの距離563〜603を算出す
る呼びホールまでの距離計算部566〜606とを設け
たものである。そして、仮呼び階床設定器518〜55
8は、他号機の平均位置512〜552、562〜60
2及び呼びホールまでの距離513〜553、563〜
603を入力として呼びホールまでの距離の短い方の他
号機の平均位置の対角位置の階床を仮の呼び階床511
〜551として設定する。その他の構成は、図19に示
した第7の実施の形態と同一であるので、同一要素には
同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0141】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、各号機の位置および方向が図22(a)、図23
(a)に示す場合について説明する。この場合、C号機
は10階床まで降下または上昇してきたが、10階床で
利用者が居なくなり、予約呼びも無く10階床に停止状
態であるとする。
【0142】ここで、図3に示す第2の実施の形態にお
ける他号機の平均位置算出部214〜254では、図4
に示すように各号機の最下階から最上階までの往復の行
程を円に写像し、該当号機の位置を基点とした各号機の
方向を考慮した相対的な現在位置に基づき、該当号機以
外の他号機の相対的な位置の平均値213〜253を算
出した。この場合、10階床で停止中のC号機の方向
(上昇中、下降中)により、基点の位置が変わる。
【0143】そこで、この第8の実施の形態では、図2
2(a)に示すように自号機(C号機)が100階床を
降下中とした場合と、図23(b)に示すように10階
床を上昇中とした場合とに分けて、他号機の平均位置5
12〜552、562〜602および呼びホールまでの
距離512〜552、563〜603を求める。
【0144】以下、各号機の位置をPa〜Pe、C号機
から見た他号機の平均位置532(C号機が下降中とし
た場合)、他号機の平均値582(C号機が上昇中とし
た場合)の値をPavとすると、それぞれの場合、他号
機の平均位置532、582の値Pavは、次のように
なる。
【0145】停止中のC号機の方向が下降中とした場合
は、図22(b)に示すように、A号機は、5階床を上
昇中であるから位置は「13」となる(Pa=13)。
B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「16」と
なる(Pb=16)。C号機は、基点の位置であるから
位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1階床を
上昇中であるから位置は「9」となる(Pd=9)。E
号機は、14階床を下降中であるから位置は「24」と
なる(Pe=24)。そして、C号機から見た他号機の
平均位置532の値Pavは、以下のようになる。
【0146】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=62/4=15.5
【0147】一方、停止中のC号機の方向が上昇中とし
た場合は、図23(b)に示すように、A号機は、5階
床を上昇中であるから位置は「23」となる(Pa=2
3)。B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「2
6」となる(Pb=26)。C号機は、基点の位置であ
るから位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1
階床を上昇中であるから位置は19となる(Pd=1
9)。E号機は、14階床を下降中であるから位置は
「6」となる(Pe=6)。そして、C号機から見た他
号機の平均位置582の値Pavは、以下のようにな
る。
【0148】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=74/4=18.5
【0149】すなわち、他号機の平均位置532、58
2の値Pavは、次のとおりとなる。
【0150】 下降中:Pav=15.5→7階から8階に上昇中 上昇中:Pav=18.5→2階から1階に下降中
【0151】従って、他号機の平均位置532、582
の対角位置は、以下のとおりとなる。
【0152】下降中:第一の対角位置=Pav−14=
15.5−14=1.5→9階から8階に下降中→第一
の対角位置の階床=8.5階床 上昇中:第二の対角位置=Pav−14=18.5−1
4=4.5→14階から15階に上昇中→第二の対角位
置の階床=14.5階床
【0153】ここで、ホール呼びが図22(b)、図2
3(b)の×印(14階床)の場合、第一の対角位置の
階床との距離533(=14.0−8.5=5.5階)
より、第二の対角位置の階床との距離593(=14.
5−14.0=0.5階)の方が短いので、仮呼び階床
設定器538はC号機の仮の呼び階床531として第二
の対角位置の階床(=14.5階)を出力する。仮の呼
び階床531を受けた仮呼び割当て器18は、かご情報
入出力部12を介してC号機制御装置2−Cに待機階床
情報25を使ってC号機の仮呼び階床として14.5階
の指令信号を送る。
【0154】また、ホール呼びが図22(b)、図23
(b)の○印(5階床)の場合、第二の対角位置の階床
との距離593(=14.5−5.0=9.5階)よ
り、第一の対角位置の階床との距離533(=8.5−
5.0=3.5階)の方が短いので、仮呼び階床設定器
538はC号機の仮の呼び階床531として第一の対角
位置の階床(=8.5階)を出力する。仮の呼び階床5
31を受けた仮呼び割当て器18は、かご情報入出力部
12を介してC号機制御装置2−Cに待機階床情報25
を使ってC号機の仮呼び階床として8.5階の指令信号
を送る。
【0155】従って、「停止中」の号機は、仮呼び割り
当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置付近で、
ホール呼びに近い階床に制御されるため、「停止中」の
号機を「運用」に切換えた際に最新のホール呼びより前
方(図22(b)、図23(b)で右回り)のホール呼
び発生に対し、他より優先的に割当てされる可能性が高
くなり各号機の負荷が均一化される上に、各号機の配置
が偏らないように配置されることになる。ここで、該当
する号機(自号機)が、C号機以外の号機であっても同
様である。
【0156】このように、乗客が無く停止中のエレベー
タを、「運用」に切換わる時に備えて位置制御をする
際、該当号機が停止階床で下降中とした場合の、他号機
の位置の平均位置の第一の対角位置と、停止階床で上昇
中とした場合の、他号機の位置の平均位置の第二の対角
位置とからホール呼び発生の写像位置に至るまでのそれ
ぞれの距離のうち、その距離が短い写像位置の階床を仮
の呼び階床とする。そして、該当号機を仮の呼び階床ま
で移動させて、仮の呼び階床で待機させ、常に「運用」
に備えて位置制御を行う。
【0157】このため、利用者が増加して「停止中」の
号機を「運用」する際にも、各号機の負荷がほぼ均一
に、また、各号機の配置がほぼ均等な距離を保つように
制御され、結果的に「長待ち」のないエレベータ群の運
転ができる。つまり、エレベータの利用者が長く待たさ
れることなく、快適に利用できる高性能なエレベータ群
の運用が可能となる。
【0158】次に、本発明の第9の実施の形態を説明す
る。図24は、本発明の第9の実施の形態に係わるエレ
ベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック構成
図である。この第9の実施の形態は、図19に示した第
7の実施の形態に対し、号機停止時制御部510〜55
0は、停止階床で下降中としたときの他号機の位置の平
均位置の対角位置の階床と、停止階床で上昇中としたと
きの他号機の位置の平均位置の対角位置の階床との平均
値を、仮の呼び階床とするようにしたものである。
【0159】すなわち、図19に示した第7の実施の形
態の他号機の平均位置計算部514〜554に代えて、
自号機を下降中と仮定した場合の他号機の平均位置51
2〜552を算出する他号機の平均位置計算部514〜
554と、自号機を上昇中と仮定した場合の他号機の平
均位置562〜602を算出する他号機の平均位置計算
部564〜604とを設けたものである。そして、仮呼
び階床設定器518〜558は、他号機の平均位置51
2〜552、562〜602とを入力して夫々の号機の
平均位置の対角位置を算出して2個の対角位置の階床の
平均階床を仮の呼び階床511〜551として設定す
る。その他の構成は、図19に示した第7の実施の形態
と同一であるので、同一要素には同一符号を付し重複す
る説明は省略する。
【0160】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、号機の位置および方向が図25に示す場合につい
て説明する。この場合、C号機は10階床まで降下して
きたが10階床で利用者が居なくなり、予約呼びも無く
10階床に停止状態であるとする。
【0161】ここで、図3に示す第2の実施の形態にお
ける他号機の平均位置算出部214では、図4に示すよ
うに各エレベータの最下階から最上階までの往復の行程
を円に写像し、該当自号機の位置を基点とした各号機の
方向を考慮した相対的な現在位置に基づき、他号機の相
対的な位置の平均値213を算出した。この場合、10
階床で停止中のC号機の方向(上昇中、下降中)によ
り、基点の位置が変わるため、その相対位置表示も10
階床を降下中とした場合(図22)と、10階床を上昇
中とした場合(図23)とでは異なることになる。
【0162】以下、各号機の位置をPa〜Pe、C号機
から見た他号機の平均位置532(C号機が下降中とし
た場合)、他号機の平均値582(C号機が上昇中とし
た場合)の値をPavとすると、それぞれの場合、他号
機の平均位置532、582の値Pavは、次のように
なる。
【0163】停止中のC号機の方向が下降中とした場合
は、図22(b)に示すように、A号機は、5階床を上
昇中であるから位置は「13」となる(Pa=13)。
B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「16」と
なる(Pb=16)。C号機は、基点の位置であるから
位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1階床を
上昇中であるから位置は「9」となる(Pd=9)。E
号機は、14階床を下降中であるから位置は「24」と
なる(Pe=24)。そして、C号機から見た他号機の
平均位置532の値Pavは、以下のようになる。
【0164】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=62/4=15.5
【0165】一方、停止中のC号機の方向が上昇中とし
た場合は、図23(b)に示すように、A号機は、5階
床を上昇中であるから位置は「23」となる(Pa=2
3)。B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「2
6」となる(Pb=26)。C号機は、基点の位置であ
るから位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1
階床を上昇中であるから位置は19となる(Pd=1
9)。E号機は、14階床を下降中であるから位置は
「6」となる(Pe=6)。そして、C号機から見た他
号機の平均位置582の値Pavは、以下のようにな
る。
【0166】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=74/4=18.5
【0167】すなわち、他号機の平均位置532、58
2の値Pavは、次のとおりとなる。
【0168】 下降中:Pav=15.5→7階から8階に上昇中(1) 上昇中:Pav=18.5→2階から1階に下降中(2)、
【0169】従って、他号機の平均位置532、582
の対角位置は、以下のとおりとなる。
【0170】 下降中:第一の対角位置=Pav−14=15.5−14=1.5 →9階から8階に下降中→第一の対角位置の階床=8.5階床(3) 上昇中:第二の対角位置=Pav−14=18.5−14=4.5 →14階から15階に上昇中→第二の対角位置の階床=14.5階床(4 )
【0171】C号機停止制御部530の仮呼び階床設定
器538は、C号機の仮の呼び階床531として、第一
の対角位置の階床{(3):8.5階床}と第二の対角
位置の階床{(4):13.5階床}の平均値の階床
{=(8.5+14.5)/2=11.5階}を出力す
る。仮の呼び階床531を受けた仮呼び割当て器18
は、かご情報入出力部12を介1してC号機制御装置2
−Cに待機階床情報25を使ってC号機の仮呼び階床と
して11.5階の指令信号を送る。
【0172】従って、“停止中”のエレベータは、仮呼
び割り当て制御の結果、他号機の平均位置の対角位置の
階床の平均階床に制御されるため、「停止中」のエレベ
ータを「運用」に切換えた際にホール呼びの方向(上
昇、下降)によらず、エレベータの配置が偏らないよう
に配置されることになる。
【0173】このように、乗客が無く停止中のエレベー
タを、「運用」に切換わるときに備えて位置制御をする
際、該当号機が停止階床で下降中としたときの、残りの
各号機の位置の平均位置の第一の対角位置と、停止階床
で上昇中としたときの残りの各号機の位置の平均位置の
第二の対角位置とから、夫々の階床の平均の階床を仮の
呼び階床とし、該当号機を仮の呼び階床まで移動させ
て、仮の呼び階床で待機させて、常に「運用」に備えて
位置制御を行うため、利用者が増加して「停止中」のエ
レベータを「運用」する際にも、ホール呼びの方向に大
きく左右されず、エレベータの配置がほぼ均等な距離を
保つように側御され、結果的に「長待ち」のないエレベ
ータ群の運転ができる。ゆえに、エレベータの利用者が
長く待たされることなく、快適に利用できる高性能なエ
レベータ群の運用が可能となる。
【0174】次に、本発明の第10の実施の形態を説明
する。図26は、本発明の第10の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック
構成図である。この第10の実施の形態は、図19に示
した第7の実施の形態に対し、号機停止時制御部510
〜550は、仮の呼び階床を求めるにあたり、停止階床
で下降中としたときの他号機の位置の平均位置の対角位
置の第一の階床と、停止階床で上昇中としたときの他号
機の位置の平均位置の対角位置の第二の階床とを求め、
第一の階床から各々の他号機までの距離の2乗和である
第一の2乗和と、第二の階床から各々の他号機までの距
離の2乗和である第二の2乗和とを求め、第一の2乗和
と前記第二の2乗和とのうち大きい方の対角位置の階床
を仮の呼び階床とするようにしたものである。
【0175】すなわち、図24に示した第9の実施の形
態の号機停止時制御部510〜550に対し、他号機の
平均位置の対角位置から他号機の位置までの距離の2乗
和519〜559を算出する対角位置からの2乗和計算
部515〜555と、他号機の平均位置の対角位置から
他号機の位置までの距離の2乗和569〜609を算出
する対角位置からの2乗和計算部565〜605とを追
加した設け、仮呼び階床設定器518〜558は、他号
機の平均位置512〜552、562〜602、及び呼
び対角位置からの2乗和519〜559、569〜60
9を入力として対角位置からの2乗和の大きい方の他号
機の平均位置の対角位置の階床を仮の呼び階床511〜
551として設定する。その他の構成は、図24に示し
た第9の実施の形態と同一であるので、同一要素には同
一符号を付し重複する説明は省略する。
【0176】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、号機の位置および方向が図25に示す場合につい
て説明する。この場合、C号機は10階床まで降下して
きたが10階床で利用者が居なくなり、予約呼びも無く
10階床に停止状態であるとする。
【0177】ここで、図3に示す第2の実施の形態にお
ける他号機の平均位置算出部214では、図4に示すよ
うに各エレベータの最下階から最上階までの往復の行程
を円に写像し、該当自号機の位置を基点とした各号機の
方向を考慮した相対的な現在位置に基づき、他号機の相
対的な位置の平均値213を算出した。この場合、10
階床で停止中のC号機の方向(上昇中、下降中)によ
り、基点の位置が変わるため、その相対位置表示も10
階床を降下中とした場合(図22)と、10階床を上昇
中とした場合(図23)とでは異なることになる。
【0178】以下、各号機の位置をPa〜Pe、C号機
から見た他号機の平均位置532(C号機が下降中とし
た場合)、他号機の平均値582(C号機が上昇中とし
た場合)の値をPavとすると、それぞれの場合、他号
機の平均位置532、582の値Pavは、次のように
なる。
【0179】停止中のC号機の方向が下降中とした場合
は、図22(b)に示すように、A号機は、5階床を上
昇中であるから位置は「13」となる(Pa=13)。
B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「16」と
なる(Pb=16)。C号機は、基点の位置であるから
位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1階床を
上昇中であるから位置は「9」となる(Pd=9)。E
号機は、14階床を下降中であるから位置は「24」と
なる(Pe=24)。そして、C号機から見た他号機の
平均位置532の値Pavは、以下のようになる。
【0180】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=62/4=15.5
【0181】一方、停止中のC号機の方向が上昇中とし
た場合は、図23(b)に示すように、A号機は、5階
床を上昇中であるから位置は「23」となる(Pa=2
3)。B号機は、8階床を上昇中であるから位置は「2
6」となる(Pb=26)。C号機は、基点の位置であ
るから位置は「0」となる(Pc=0)。D号機は、1
階床を上昇中であるから位置は19となる(Pd=1
9)。E号機は、14階床を下降中であるから位置は
「6」となる(Pe=6)。そして、C号機から見た他
号機の平均位置582の値Pavは、以下のようにな
る。
【0182】Pav=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4
=74/4=18.5
【0183】すなわち、他号機の平均位置532、58
2の値Pavは、次のとおりとなる。
【0184】 下降中:Pav=15.5→7階から8階に上昇中(1) 上昇中:Pav=18.5→2階から1階に下降中(2)
【0185】対角位置からの2乗和計算部515〜55
5、565〜605は、以下のようにして対角位置から
の2乗和519〜559、569〜609を算出する。
【0186】図26におけるC号機を自号機とした場合
の他号機の平均位置532、582の対角位置は、図2
7では以下のとおりとなる。
【0187】 下降中:第一の対角位置=Pav−14=15.5−14=1.5(図22) →9階から8階に下降中→第一の対角位置=20.5{図27−(3)} 上昇中:第二の対角位置=Pav−14=18.5−14=4.5(図23) →14階から15階に上昇中→第二の対角位置=13.5{図27−(4 )}
【0188】従って、対角位置から各号機までの距離を
Sa〜Se、対角位置からの2乗和539(下降中)、
589(上昇中)の値をSsとすると、それぞれの場
合、対角位置からの2乗和539、589の値Ssは、
次のようになる。
【0189】 [下降中の場合] A号機の位置は4(32)である。→Sa=32−20.5=11.5 B号機の位置は7(35)である。→Sb=35−20.5=14.5 D号機の位置は0(28)である。→Sd=28−20.5=7.5 E号機の位置は15(15)である。→Se=20.5−15=5.5
【0190】そして、2乗和計算部535の出力である
対角位置からの2乗和539の値Ssは、以下のように
なる。
【0191】Ss=Sa2+Sb2+Sd2+Se2=42
9.0
【0192】 [上昇中の場合] A号機の位置は4(32)である。→Sa=13.5−4=9.5 B号機の位置は7(35)である。→Sb=13.5−7=6.5 D号機の位置は0(28)である。→Sd=13.5−0=13.5 E号機の位置は15(15)である。→Se=15−13.5=1.5
【0193】そして、2乗和計算部585の出力である
対角位置からの2乗和589の値Ssは、以下のように
なる。
【0194】 Ss=Sa2+Sb2+Sd2+Se2=317
【0195】下降中の対角位置からの2乗和539(値
=429)と上昇中の対角位置からの2乗和569(値
=317)とを比較すると、上昇中の対角位置からの2
乗和569が下降中の対角位置からの2乗和539より
小さい。つまり、下降中の対角位置からの2乗和539
の方が大きいので、仮呼び階床設定器538はC号機の
仮の呼び階床531として第一の対角位置の階床(=
8.5階)を出力する。仮の呼び階床581を受けた仮
呼び割当て器18は、かご情報入出力部12を介してC
号機制御装置2−Cに待機階床情報25を使ってC号機
の仮呼び階床として8.5階の指令信号を送る。
【0196】従って、「停止中」のエレベータは、仮呼
び割り当て制御の結果、他号機までの距離の2乗和が最
小となる階床に制御されるため、「停止中」のエレベー
タを「運用」に切換えた際に、各号機の配置が偏らない
ように配置されることになる。
【0197】このように、乗客が無く停止中のエレベー
タを、「運用」に切換わるときに備えて位置制御をする
際、該当号機が停止階床で下降中としたときの他号機の
位置の平均位置の第一の対角位置と、停止階床で上昇中
としたときの他号機の位置の平均位置の第二の対角位置
を取り、第一の対角位置から残りの他号機までの距離の
2乗和を取った第一の2乗和と、第二の対角位置から残
りの他号機までの距離の2乗和を取った第二の2乗和と
を比較し、2乗和の値が大きい方の対角位置の階床を仮
の呼びとする。
【0198】そして、該当号機をその仮の呼び階床まで
移動させて、仮の呼び階床で待機させて、常に「運用」
に備えて位置制御を行うため、利用者が増加して「停止
中」のエレベータを「運用」する際にも、各号機の配置
がほぼ均等な距離を保つように制御され、結果的に「長
待ち」のないエレベータ群の運転ができる。ゆえに、エ
レベータの利用者が長く待たされることなく、快適に利
用できる高性能なエレベータ群の運用が可能となる。
【0199】次に、本発明の第11の実施の形態を説明
する。図28は、本発明の第11の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック
構成図である。この第11の実施の形態は、図1に示し
た第1の実施の形態に対し、号機評価値計算部110〜
150は、最下階から最上階までの往復の行程を円に写
像し、ホール呼びが発生したとき自号機の位置を基点と
し前記円の中心を原点としたときの他号機の位置ベクト
ルのベクトル和を求め、そのベクトル和に基づき各号機
の配置が偏らない位置評価値を算出し前記位置評価値を
加味して各号機の割当て評価値を算出するようにしたも
のである。
【0200】すなわち、図1に示した他かごの平均位置
計算部210〜250に代えて、他かごのベクトル和算
出部217〜257を設け、関数発生器211〜251
の入力として、他号機の平均位置213〜253の代わ
りに、他号機の合成位置218〜258を採用した構成
となっている。その他の構成は、図1に示した第1の実
施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付
し重複する説明は省略する。
【0201】他号機のベクトル和算出部217〜257
では、図29(b)に示すように各号機の最下階から最
上階までの往復の行程を円に写像し、円の中心を原点と
した時の該当号機以外の他号機の位置ベクトルのベクト
ル和をとり、この和ベクトル方向の円上の位置として他
号機の合成位置218〜258を算出して関数発生器2
11〜251の入力とする。
【0202】各号機の位置は、図29(a)に示すよう
に、A号機は5階床を上昇中、B号機は8階床を上昇
中、C号機は10階床を下降中、D号機は1階床を上昇
中、E号機は14階床を下降中であるとする。各号機の
位置の表し方は、各号機の最下階から最上階までの往復
の行程を円に写像し、図29(b)中心部の円に示すよ
うに、該当号機であるD号機の位置を「0」とおき、以
下右回りに順次「1」〜「27」の位置番号を付加す
る。円の中心を「o」、横軸をX軸、縦軸をY軸とする
と、各号機の位置ベクトルの座標を(Xa、Ya)〜
(Xe、Ye)、角度をθa〜θeとすると、7階床分
がπ/2rad(=90度)であるから、(Xa、Y
a)〜(Xe、Ye)は、それぞれ次のようになる。
【0203】(1)A号機(A号機は、5階床を上昇中
である) θa=−11π/7/2=−2.468rad Xa=cos(9a)=−0.7818 Ya=sin(9a)=−0.6235 (2)B号機(B号機は、8階床を上昇中である) θb=π=3.142rad Xb=cos(θb)=−1.0 Yb=sin(θb)=0.0 (3)C号機(C号機は、10階床を下降中である) θc=2π/7/2=0.449rad Xc=cos(θc)=0.9010 Yc=sin(θc)=0.4339 (4)E号機(E号機は、14階床を下降中である) θe=6π/7/2=1.346rad Xe=cos(θe)=0.2225 Ye=sin(θe)=0.9749
【0204】そして、D号機からみた他号機の合成位置
248の座標(Xres、Yres)は、次のとおりと
なる。
【0205】 Xa=cos(θa)=−0.7818 Ya=sin(θa)=−0.6235 Xb=cos(θb)i−1.0 Yb=sin(θb)=0.0 Xc=cos(θc)=0.9010 Yc=sin(θc)=0.4339 Xd=cos(θd)=0.2225 Yd=sin(θd)=0.9749 Xres=(Xa+Xb+Xc+Xe) =−0.7818−1.0+0.9010+0.2225=−0.6583 Yres=(Ya+Yb+Yc+Ye) =−0.6235+0.0+0.4339+0.9749=0.7853
【0206】従って、他号機の合成角度θresは、次
のようになる。 θres=tan-1(Yres/Xres) =tan-1(−1.1929)=2.2684rad
【0207】他号機の合成位置248の値Presは、
次のとおりとなる。
【0208】D号機評価値計算部140の関数発生器2
41は、D号機の相対的な対角位置である14(=総階
床数−1)で「0」、13以下で「1.0」、15以上
で「−1.0」の折れ線関数とする。従って、他号機の
合成位置248がD号機の対角位置より大きい(すなわ
ち、D号機が他号機の合成位置の対角位置より小さい=
遅れている)場合は、位置評価値242が負の値とな
り、重み付き加算器145を介してD号機の割当て評価
値141の値を小さくして、D号機に割当てされ難くす
る。
【0209】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機の
合成位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に遅
れることになる。逆に、他号機の合成位置248がD号
機の対角位置より小さい(すなわち、D号機が他号機の
合成位置の対角位置より大きい=進んでいる)場合は、
位置評価値242が正の値となり、重み付き加算器14
5を介してD号機の割当て評価値141の値を大きくし
て、D号機に割当てされ易くする。
【0210】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機の合成位置の対角位置
に対して相対的に遅れることになる。すなわち、他号機
の合成位置の対角位置がD号機の位置に対して相対的に
進むことになる。
【0211】他の個々のエレベータについてもD号機と
同様にして、該当する号機以外の他号機の合成位置21
8〜258が該当する号機の対角位置より大きい場合
は、位置評価値212〜252が負の値となり、重み付
き加算器115〜155を介して該当する号機の割当て
評価値111〜151の値を小さくして、該当する号機
に割当てされ難くする。該当する号機に割当てされない
場合は、他号機の中の1台が、その階床で停止すること
になり、該当する号機以外の他号機の合成位置の対角位
置が該当する号機の位置に対して相対的に遅れることに
なる。
【0212】逆に、該当する号機以外の他号機の合成位
置218〜258が該当する号機の対角位置より小さい
場合は、位置評価値212〜252が正の値となり、重
み付き加算器115〜155を介して該当する号機の割
当て評価値111〜151の値を大きくして、該当する
号機に割当てされ易くする。該当する号機に割当てされ
ると、該当する号機は、その階床で停止することになり
該当する号機以外の他号機の合成位置の対角位置が該当
する号機の位置に対して相対的に進むことになる。従っ
て、各号機は、割り当て制御の結果、他号機の合成位置
の対角位置付近に制御されるため、各号機の配置が偏ら
ないように配置されることになる。
【0213】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の位置ベクトルのベクトル和をとり、この和ベク
トルから算出した該当号機以外の他号機の合成位置から
該当号機の現在位置を差し引き、この演算結果を新たな
評価値とし該当号機以外の他号機の相対的な位置の合成
値との関係に基づき、新たな評価演算を行い、従来の評
価値に重み付け加算して評価演算を行い、各号機の配置
が偏らないよう割り当て制御を行う。このため、各号機
の配置がほぼ均等な距離を保つように制御され、結果的
に「長待ち」のないエレベータ群の運転ができる。ゆえ
に、エレベータの利用者が長く待たされることなく、快
適に利用できる高性能なエレベータ群の運用が可能とな
る。
【0214】次に、本発明の第12の実施の形態を説明
する。図30は、本発明の第12の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック
構成図である。この第12の実施の形態は、図19に示
した第7の実施の形態に対し、号機停止時制御部510
〜550は、仮の呼び階床を求めるにあたり、最下階か
ら最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが
発生したとき自号機の位置を基点とし円の中心を原点と
したときの他号機の位置ベクトルのベクトル和を求め、
このベクトル和と逆方向の円上の位置の階床を仮の呼び
階床とするようにしたものである。
【0215】すなわち、図19に示す第7の実施の形態
の他かごの平均位置計算部514〜554に代えて、他
号機の合成位置561〜601を計算する他のかごのベ
クトル和計算部560〜580を設け、仮呼び階床設定
器518〜558は他号機の合成位置の対角位置の階床
を仮の呼び階床511〜551として設定するようにし
たものである。その他の構成は、図19に示した第7の
実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を
付し重複する説明は省略する。
【0216】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、各号機の位置および方向が図31に示す場合につ
いて説明する。この場合、C号機は10階床まで降下し
てきたが、10階床で利用者が居なくなり、予約呼びも
無く10階床に停止状態であるとする。他号機停止時制
御部510〜550の他かごのベクトル和算出部560
〜600では、図31に示すように各号機の最下階から
最上階までの往復の行程を円に写像し、円の中心を原点
としたときの該当号機以外の他号機の位置ベクトルのベ
クトル和をとり、この和ベクトル方向の円上の位置とし
て他号機の合成位置561〜601を算出して仮呼び階
床設定器518の入力とする。各号機の位置は、図31
(a)に示したとおりである。すなわち、A号機は5階
床を上昇中、B号機は8階床を上昇中、C号機は10階
床で停止中、D号機は1階床を上昇中、E号機は14階
床を下降中である。各号機の位置の表し方は、各号機の
最下階から最上階までの往復の行程を円に写像する。図
31(b)に示すように、該当号機であるD号機の位置
を「0」とおき、以下右回りに順次「1」〜「27」の
位置番号を付加する。
【0217】そして、円の中心を「o」、横軸をX軸、
縦軸をY軸とすると、各号機の位置ベクトルの座標を
(Xa、Ya)〜(Xe、Ye)、角度をθa〜θeと
すると7階床分がπ/2rad(=90度)であるか
ら、(Xa、Ya)〜(Xe、Ye)は、それぞれ次の
ようになる。
【0218】(1)A号機(A号機は、5階床を上昇中
である) θa=−11π/7/2=−2.468rad Xa=cos(θa)=−0.7818 Ya=sin(θa)=−0.6235 (2)B号機(B号機は、8階床を上昇中) θb=π=3.142rad Xb=cos(θb)=−1.0 Yb=sin(θb)=0.0 (3)D号機(D号機は、1階床を上昇中) θd=−π/2=−1.571rad Xd=cos(θd)=0.0 Yd=sin(θd)=−1.0 (4)E号機(E号機は、14階床を下降中) θe=6π/7/2=1.346rad Xe=cos(θe)=0.2225 Ye=sin(θe)=0.9749
【0219】そして、該当号機であるC号機からみた他
号機の合成位置581の座標(Xres、Yres)
は、次のとおりとなる。
【0220】 Xa=cos(θa)=−0.7818 Ya=sin(θa)=−0.6235 Xb=cos(θb)=−1.0 Yb=sin(θb)=0.0 Xd=cos(θd)=0.0 Yd=sin(θd)=−1.0 Xe=cos(θe)=0.2225 Ye=sin(θe)=0.9749 Xres=(Xa+Xb+Xd+Xe) =−0.7818−1.0+0.0+0.2225=−1.5593 Yres=(Ya+Yb+Yc+Ye) =−0.6235+0.0−1.0+0.9749=−0.6486
【0221】従って、他号機の合成角度θresは、以
下のようになる。 θres=tan-1(Yres/Xres) =tan-1(0.4160)=0.3942rad
【0222】他号機の合成位置581の値Presは、
以下のようになる。 Pres=7−θres/π×2×7=7−1、757
=5、243
【0223】すなわち、他号機の合成位置581の値P
res=5.243であるから、6階から7階に上昇中
となる。従って、他号機の合成位置581の対角位置=
Pres+14=5.243+14=19.243とな
るので、10階から9階に下降中となり、仮呼び階床設
定器538はC号機の仮の呼び階床531として対角位
置の階床(=9.757階)を出力する。仮の呼び階床
531を受けた仮呼び割当て器18は、かご情報入出力
部12を介してC号機制御装置2−Cに待機階床情報2
5を使ってC号機の仮呼び階床として9.757階の指
令信号を送る。
【0224】従って、「停止中」のエレベータは、仮呼
び割り当て制御の結果、他号機の合成位置の対角位置の
階床に制御されるため、「停止中」のエレベータを「運
用」に切換えた際に、各号機の配置がほぼ均等な距離を
保つように制御される。
【0225】このように、乗客が無く停止中のエレベー
タを、「運用」に切換わるときに備えて位置制御をする
際、残りの各号機の位置の合成位置を算出し、この合成
位置の対角位置の階床を仮の呼び階床とし、該当自号機
を仮の呼び階床まで移動させて、仮の呼び階床で待機さ
せて、常に「運用」に備えて位置制御を行う。このた
め、利用者が増加して「停止中」のエレベータを「運
用」する際にも、各号機の配置がほぼ均等な距離を保つ
ように制御され、結果的に「長待ち」のないエレベータ
群の運転ができる。ゆえに、エレベータの利用者が長く
待たされることなく、快適に利用できる高性能なエレベ
ータ群の運用が可能となる。
【0226】次に、本発明の第13の実施の形態を説明
する。図32は、本発明の第13の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック
構成図である。この第13の実施の形態は、図1に示し
た第1の実施の形態に対し、号機評価値計算部110〜
150は、最下階から最上階までの往復の行程を円に写
像し、ホール呼びが発生したとき自号機の位置を基点と
したときの他号機の位置との距離の2乗和が最小となる
位置の対角位置を求め、その対角位置に基づき各号機の
配置が偏らない位置評価値を算出し前記位置評価値を加
味して各号機の割当て評価値を算出するようにしたもの
である。
【0227】すなわち、図1に示した他かごの平均位置
計算部210〜250に代えて、他かごとの距離の2乗
和最小位置計算部269〜309を設け、関数発生器2
11〜251の入力として、他号機の平均位置213〜
253の代わりに、他号機との距離の2乗和最小位置2
19〜259を採用した構成となっている。その他の構
成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるの
で、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略す
る。
【0228】他号機との距離の2乗和最小位置計算部2
69〜309では、図33(b)に示すように各号機の
最下階から最上階までの往復の行程を円に写像し、円上
の位置から該当自号機以外の他号機の位置までの距離の
2乗和をとり、この2乗和が最小となる位置、すなわ
ち、他号機との距離の2乗和最小位置219〜259を
算出して関数発生器211〜251の入力とする。
【0229】各号機の位置は、図33(a)に示すよう
に、A号機は5階床を上昇中、B号機は8階床を上昇
中、C号機は10階床を下降中、D号機は1階床を上昇
中、E号機は14階床を下降中であるとする。各号機の
位置の表し方は、各号機の最下階から最上階までの往復
の行程を円に写像する。図33(b)に示すように、該
当号機であるD号機の位置を「0」とおき、以下右回り
に順次「1」〜「27」の位置番号を付加する。各号機
の対角位置をA’、B’、C’、D’、E’、各号機の
位置をPa〜Pe、D号機以外の他号機との距離の2乗
和最小位置249をPsq、D号機以外の他号機との距
離の2乗和をLsqとすると、それぞれ以下のようにな
る。
【0230】A号機は5階床を上昇中であるから位置は
4となる(Pa=4)。B号機は8階床を上昇中である
から位置は7となる(Pb=7)。C号機は10階床を
下降中であるから位置は19となる(Pc=19)。D
号機は1階床を上昇中であるから位置は0となる(Pd
=0)。E号機は14階床を下降中であるから位置は1
5となる(Pe=15)。
【0231】そして、D号機から他号機までの距離の2
乗和Lsqは、以下のようになる。 (1)区間K1{7≦Psq≦15:B号機の位置からE号機の位置まで} Lsq=(Psq−Pa)2+(Psq−Pb)2 +(Pc−Psq)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)+(Psq−Pb) −(Pc−Psq)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4 =(4+7+19+15)/4=45/4=11.25 Lsq=7.252+4.252+7.752+3.752=144.75
【0232】 (2)区間K2{15≦Psq≦18:E号機の位置からA号機の対角位置まで } Lsq=(Psq−Pa)2+(Psq−Pb)2 +(Pc−Psq)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)+(Psq−Pb) −(Pc−Psq)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4 =(4+7+19+15)/4=45/4=11.25 15≦Psq≦18であるから、この区間には他号機と
の距離の2乗和最小位置Psqは存在しない。
【0233】 (3)区間K3{18≦Psq≦19:A号機の対角位置からC号機の位置まで } Lsq=(Pa+28−PSq)2+(Psq−Pb)2 +(Pc−Psq)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa+28−Psq)+(Psq−Pb) −(Pc−Psq)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe+28)/4 =(4+7+19+15+28)/4=73/4=18.25 Lsq=13.752+11.252+0.752+3.252=326.75
【0234】 (4)区間K4{19≦Psq≦21:C号機の位置からB号機の対角位置まで } Lsq=(Pa+28−Psq)2+(Psq−Pb)2 +(Psq−Pc)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa+28−Psq)+(Psq−Pb) +(Psq−Pc)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe+28)/4 =(4+7+19+15+28)/4=73/4=18.25 19≦Psq≦21であるから、この区間には他号機と
の距離の2乗和最小位置Psqは存在しない。
【0235】 (5)区間K5{21≦Psq≦29(1):B号機の対角位置からE号機の対 角位置まで} Lsq=(Pa+28−Psq)2+(Pb+28−Psq)2 +(Psq−Pc)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa+28−Psq) −(Pb+28−Psq)+(Psq−Pc)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+56+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe+56)/4 =(4+7+19+15+56)/4=101/4=25.25 Lsq=6.752+9.752+6、252+I0.252=284、75
【0236】 (6)区間K6{1≦Psq≦4:E号機の対角位置からA号機の位置まで} Lsq=(Pa・Psq)2+(Pb・Psq)2 +(Psq+28−Pc)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa−Psq)−(Pb−Psq) +(Psq+28−Pc)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb」rPc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe+28)/4 =(4+7+19+15+28)/4=73/4=18.25 1≦Psq≦4であるから、この区間には他号機との距
離の2乗和最小位置Psqは存しない。
【0237】 (7)区間K7{4≦Psq≦5:A号機の位置からC号機の対角位置まで} Lsq=(Psq−Pa)2+(Pb−Psq)2 +(Psq+28−Pc)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)−(Pb−Psq) +(Psq+28−Pc)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe+28)/4 =(4+7+19+15+28)/4=73/4=18.25 4≦Psq≦5であるから、この区間には他号機との距
離の2乗和最小位置Psqは存しない。
【0238】 (8)区間K8{5≦Psq≦7:C号機の対角位置からB号機の位置まで} Lsq=(Psq・Pa)2+(Pb−Psq)2 +(Pc−Psq)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)−(Pb−Psq) −(Psq−Pc)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb+Pc+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pc+Pe)/4 =(4+7+19+15)/4=45/4=11.25 5≦Psq≦7であるから、この区間には他号機との距
離の2乗和最小位置Psqは存しない。従って、他号機
との距離の2乗和最小位置249の値Psq=11.2
5、他号機との距離の2乗和最小値Lsq=144.7
5となる。
【0239】次に、D号機評価値計算部140の関数発
生器241は、D号機の相対的な対角位置である14
(=総階床数−1)で「0」、13以下で「1.0」、
15以上で「−1.0」の折れ紙関数とする。従って、
他号機との距離の2乗和最小位置249がD号機の対角
位置より大きい(すなわち、D号機が他号機との距離の
2乗和最小位置の対角位置より小さい=遅れている)場
合は、位置評価値242が負の値となり、重み付き加算
器145を介してD号機の割当て評価値141の値を小
さくして、D号機に割当てされ難くする。
【0240】D号機に割当てされない場合は、他号機の
中の1台が、その階床で停止することになり、他号機と
の距離の2乗和最小位置がD号機の位置に対して相対的
に遅れることになる。逆に、他号機との距離の2乗和最
小位置249がD号機の対角位置より小さい(すなわ
ち、D号機が他号機との距離の2乗和最小位置の対角位
置より大きい=進んでいる)場合は、位置評価値242
が正の値となり、重み付き加算器145を介してD号機
の割当て評価値141の値を大きくして、D号機に割当
てされ易くする。
【0241】D号機に割当てされると、D号機は、その
階床で停止することになり他号機との距離の2乗和最小
位置の対角位置に対して相対的に遅れることになる。す
なわち、他号機との距離の2乗和最小位置の対角位置が
D号機の位置に対して相対的に進むことになる。
【0242】他の個々のエレベータについてもD号機と
同様にして、該当する号機以外の他号機との距離の2乗
和最小位置が該当する号機の対角位置より大きい場合
は、位置評価値212〜252が負の値となり、重み付
き加算器115〜155を介して該当する号機の割当て
評価値111〜151の値を小さくして、該当する号機
に割当てされ難くする。該当する号機に割当てされない
場合は、他号機の中の1台が、その階床で停止すること
になり、該当する号機以外のエレベータとの距離の2乗
和最小位置の対角位置が該当する号機の位置に対して相
対的に遅れることになる。
【0243】逆に、該当する号機以外の他号機との距離
の2乗和最小位置219〜259が該当する号機の対角
位置より小さい場合は、位置評価値212〜251が正
の値となり、重み付き加算器115〜155を介して該
当する号機の割当て評価値111〜151の値を大きく
して、該当する号機に割当てされ易くする。該当する号
機に割当てされると、該当する号機は、その階床で停止
することになり該当する号機以外の他号機との距離の2
乗和最小位置の対角位置が該当する号機の位置に対して
相対的に進むことになる。従って、各エレベータは、割
り当て制御の結果、他号機との距離の2乗和最小位置の
対角位置付近に制御されるため、エレベータの配置が偏
らないように配置されることになる。
【0244】このように、該当号機を基点として各号機
の方向を考慮した相対的な現在位置と、該当号機以外の
他号機の位置からの距離の2乗和が最小となる位置の対
角位置との関係に基づき、新たな評価演算を行い、従来
の評価値に重み付け加算して評価演算を行い、各号機の
配置が偏らないよう割り当て制御を行う。このため、各
号機の配置がほぼ均等な距離を保つように制御され、結
果的に「長待ち」のないエレベータ群の運転ができる。
ゆえに、エレベータの利用者が長く待たされることな
く、快適に利用できる高性能なエレベータ群の運用が可
能となる。
【0245】次に、本発明の第14の実施の形態を説明
する。図34は、本発明の第14の実施の形態に係わる
エレベータ群管理制御装置の群管理制御部1のブロック
構成図である。この第14の実施の形態は、図19に示
した第7の実施の形態に対し、号機停止時制御部510
〜550は、仮の呼び階床を求めるにあたり、ホール呼
びが発生したとき自号機の位置を基点としたときの他号
機の位置との距離の2乗和が最小となる位置の対角位置
を求め、その対角位置の階床を仮の呼び階床とするよう
にしたものである。
【0246】すなわち、図19に示す第7の実施の形態
の他かごの平均位置計算部514〜554に代えて、他
号機との距離の2乗和最小位置568〜608を算出す
る他号機との距離の2乗和最小位置計算部567〜60
7を設け、仮呼び階床設定器518〜558は、他号機
との距離の2乗和最小位置568〜608を入力とし
て、他号機との距離の2乗和最小位置の対角位置の階床
を仮の呼び階床511〜551として設定するようにし
たものである。その他の構成は、図19に示した第7の
実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を
付し重複する説明は省略する。
【0247】以下、対象エレベータ(自号機)をC号機
とし、各号機の位置および方向が図31に示す場合につ
いて説明する。この場合、C号機は10階床まで降下し
てきたが、10階床で利用者が居なくなり、予約呼びも
無く10階床に停止状態であるとする。号機停止時制御
部510〜550の他かごとの距離の2乗和最小位置計
算部567〜607では、図35(b)に示すように各
エレベータの最下階から最上階までの往復の行程を円に
写像し、円上の位置から該当号機以外の他号機の位置ま
での距離の2乗和をとり、この2乗和が最小となる位
置、すなわち、他号機との距離の2乗和最小位置568
〜608を算出して仮呼び階床設定器518〜558の
入力とする。
【0248】各号機の位置は、図35(a)に示したと
おりである。すなわち、A号機は5階床を上昇中、B号
機は8階床を上昇中、C号機は10階床で停止中、D号
機は1階床を上昇中、E号機は14階床を下降中であ
る。各号機の位置の表し方は、各号機の最下階から最上
階までの往復の行程を円に写像する。図35(b)に示
すように、該当号機であるD号機の位置を「0」とお
き、以下右回りに順次「1」〜「27」の位置番号を付
加する。各号機の対角位置をA’、B’、C’、D’、
E’、各号機の位置をPa〜Pe、C号機以外の他号機
との距離の2乗和最小位置588をPsq、C号機以外
の他号機との距離の2乗和をLsqとすると、それぞれ
以下のようになる。
【0249】A号機は5階床を上昇中であるから位置は
4となる(Pa=4)。B号機は8階床を上昇中である
から位置は7となる(Pb=7)。C号機は10階床を
下降中であるから位置は19となる(Pc=19)。D
号機は1階床を上昇中であるから位置は0となる(Pd
=0)。E号機は14階床を下降中であるから位置は1
5となる(Pe=15)。
【0250】そして、D号機から他号機までの距離の2
乗和Lsqは、以下のようになる。
【0251】 (1)区間K1{7≦Psq≦14:B号機の位置からD号機の対角位置まで} Lsq=(Psq−Pa)2+(Psq−Pb)2 +(Psq−Pd)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)+(Psq−Pb) (Psq−Pd)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4 =(4+7+0+15)/4=26/4=6、5 7≦Psq≦14であるから、この区間には他号機との
距離の2乗和最小位置Psqは存在しない。
【0252】 (2)区間K2{14≦Psq≦15:D号機の対角位置からE号機の位置まで } Lsq=(Psq−Pa)2+(Psq−Pb)2 +(Pd+28−Psq)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)+(Psq−Pb) −(Pd+28−Psq)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe+28)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe+28)/4 =(4+7+0+15+28)/4=54/4=13.5 14≦Psq≦15であるから、この区間には他号機と
の距離の2栗和最小位置Psqは存在しない。
【0253】 (3)区間K3{15≦Psq≦18:E号機の位置からA号機の対角位置まで } Lsq=(Psq−Pa)2+(Psq−Pb)2 +(Pd+28−Psq)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)+(Psq−Pb) −(Pd+28−Psq)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe+28)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe+28)/4 =(4+7+0+15+28)/4=54/4=13.5 15≦Psq≦18であるから、この区間には他号機と
の距離の2乗和最小位置Psqは存在しない。
【0254】 (4)区間K4{18≦Psq≦21:A号機の対角位置からB号機の対角位置 まで} Lsq=(Pa+28−Psq)2+(Pd−Pb)2 +(Pd+28−Psq)2+0もα・Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa+28−Psq)+(Psq−Pb) −(Pd+28−Psq)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+28+Pb+Pd+28+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe+56)/4 =(4+7+0+15+56)/4=82/4=20.5 Lsq=11.52+13.52+7.52+5.52=401
【0255】 (5)区間K5{21≦Psq≦28(0):B号機の対角位置からD号機の位 置まで} Lsq=(Pa+28−Psq)2+(Pb+28−Psq)2 +(Pd+28−Psq)2+(Psq−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa+28−Psq)−(Pb+28−Ps q)+(Pd+28−Psq)+(Psq−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe+84)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe+84)/4 =(4+7+0+15+84)/4=110/4=27.5 Lsq=4.5+7.5+0.5+12.5=233
【0256】 (6)区間K6{0≦Psq≦1:D号機の位置からE号機の対角位置まで} Lsq=(Pa−Psq)2+(Pb−Psq)2 +(Psq−Pd)2+(Psq+28−Pe)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa−Psq)−(Pb−Psq) +(Psq−Pd)+(Psq+28−Pe)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe+28)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe+28)/4 =(4+7+0+15+28)/4=54/4=13.5 1≦Psq≦4であるから、この区間には他号機との距
離の2乗和最小位置Psqは存しない。
【0257】 (7)区間K7{1≦Psq≦4:E号機の対角位置からA号機の位置まで} Lsq=(Pa−Psq)2+(Pb−Psq)2 +(Psq−Pd)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{−(Pa−Psq)−(Pb−Psq)+(Ps q−Pd)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4 =(4+7+0+15)/4=26/4=6.5 1≦Psq≦4であるから、この区間には他号機との距
離の2乗和最小位置Psqは存しない。
【0258】 (8)区間K8{4≦Psq≦7:A号機の位置からB号機の位置まで} Lsq=(Psq−Pa)2+(Pb−Psq)2 +(Psq−Pd)2+(Pe−Psq)2 δLsq/δPsq=2・{(Psq−Pa)−(Pb−Psq) +(Psq−Pd)−(Pe−Psq)}=0 4・Psq−(Pa+Pb+Pd+Pe)=0 Psq=(Pa+Pb+Pd+Pe)/4 =(4+7+0−L15)/4=26/4=6.5 Lsq=2.52+0.52+6.52+8.52=121 従って、他号機との距離の2乗和最小位置588の値P
sq=6.5、他号機との距離の2乗和最小値Lsq=
121となる。すなわち、他号機との距離の2乗和最小
位置588の値Psq=6.5であるから、7階から8
階に上昇中となる。従って、他号機との距離の2乗和最
小位置588の対角位置=Psq+14=6.5+14
=20.5となるので、9階から8階に下降中となり、
仮呼び階床設定器538はC号機の仮の呼び階床531
として対角位置の階床(=8.5階)を出力する。
【0259】仮の呼び階床531を受けた仮呼び割当て
器18は、かご情報入出力部12を介してC号機制御装
浦2−Cに待機階床情報25を使ってC号機の仮呼び階
床として8.5階の指令信号を送る。
【0260】従って、「停止中」のエレベータは、仮呼
び割り当て制御の結果、他号機との距離の2乗和最小位
置の対角位置の階床に制御されるため、「停止中」のエ
レベータを「運用」に切換えた際に、各号機の配置がほ
ぼ均等な距離を保つように制御される。
【0261】このように、乗客が無く停止中のエレベー
タを、「運用」に切換わるときに備えて位置制御をする
際、残りの各号機との距離の2乗和が最小となる位置を
算出し、この2乗和最小位置の対角位置の階床を仮の呼
び階床とし、該当号機を仮の呼び階床まで移動させて、
仮の呼び階床で待機させて、常に「運用」に備えて位置
制御を行うため、利用者が増加して「停止中」のエレベ
ータを「運用」する際にも、エレベータの配置がほぼ均
等な距離を保つように制御され、結果的に「長待ち」の
ないエレベータ群の運転ができる。ゆえに、エレベータ
の利用者が長く待たされることなく、快適に利用できる
高性能なエレベータ群の運用が可能となる。
【0262】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるエレ
ベータ群管理制御装置を適用すると、エレベータの配置
がほぼ均等な距離を保つように制御され、結果的に「長
待ち」のないエレベータ群の運転ができる。これによ
り、エレベータの利用者が長く待たされることなく、快
適に利用できる高性能なエレベータ群の運用が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるエ
レベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態における各
号機の各階床での位置の説明図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係わるエ
レベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態におけるD
号機を基準とした場合の各号機の各階床での位置の説明
図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態におけるB
号機を基準とした場合の各号機の各階床での位置の説明
図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施の形態に係わるエ
レベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】図7は、本発明の第3の実施の形態におけるフ
ァジィ推論手段でのメンバーシップ関数の説明図であ
る。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態におけるフ
ァジィ推論手段でのファジィルールの説明図である。
【図9】図9は、本発明の第4の実施の形態に係わるエ
レベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】図10は、本発明の第4の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのメンバーシップ関数の説明図で
ある。
【図11】図11は、本発明の第4の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのファジィルールの説明図であ
る。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのファジィルールの別の表現での
説明図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施の形態に係わ
るエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示
すブロック図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのメンバーシップ関数の説明図で
ある。
【図15】図15は、本発明の第5の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのファジィルールの説明図であ
る。
【図16】図16は、本発明の第5の実施の形態におけ
るファジィ推論手段でのファジィルールの別の表現での
説明図である。
【図17】図17は、本発明の第6の実施の形態に係わ
るエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示
すブロック図である。
【図18】図18は、本発明の第6の実施の形態におけ
る各号機の各階床での位置の説明図である。
【図19】図19は、本発明の第7の実施の形態に係わ
るエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示
すブロック図である。
【図20】図20は、本発明の第7の実施の形態におけ
る各号機の各階床での位置の説明図である。
【図21】図21は、本発明の第8の実施の形態に係わ
るエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示
すブロック図である。
【図22】図22は、本発明の第8の実施の形態におけ
るC号機(下降中とした場合)を基準とした場合の各号
機の各階床での位置の説明図である。
【図23】図23は、本発明の第8の実施の形態におけ
るC号機(上昇中とした場合)を基準とした場合の各号
機の各階床での位置の説明図である。
【図24】図24は、本発明の第9の実施の形態に係わ
るエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を示
すブロック図である。
【図25】図25は、本発明の第9の実施の形態におけ
る各号機の各階床での位置の説明図である。
【図26】図26は、本発明の第10の実施の形態に係
わるエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を
示すブロック図である。
【図27】図27は、本発明の第10の実施の形態にお
ける各号機の各階床での位置の説明図である。
【図28】図28は、本発明の第11の実施の形態に係
わるエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を
示すブロック図である。
【図29】図29は、本発明の第11の実施の形態にお
ける各号機の各階床での位置の説明図である。
【図30】図30は、本発明の第12の実施の形態に係
わるエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を
示すブロック図である。
【図31】図31は、本発明の第12の実施の形態にお
ける各号機の各階床での位置の説明図である。
【図32】図32は、本発明の第13の実施の形態に係
わるエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を
示すブロック図である。
【図33】図33は、本発明の第13の実施の形態にお
ける各号機の各階床での位置の説明図である。
【図34】図34は、本発明の第14の実施の形態に係
わるエレベータ群管理制御装置の群管理制御部の構成を
示すブロック図である。
【図35】図35は、本発明の第14の実施の形態にお
ける各号機の各階床での位置の説明図である。
【図36】図36は、従来のエレベータ群管理制御装置
のブロック図。
【符号の説明】
1 群管理制御部 2 各号機制御装置 3 ホール呼びボタン 4 ホール表示器 5 ホール呼び入出力制御部 6 かご 11 ホール情報入出力部 12 かご情報入出力部 13 割当て制御部 15 割当て判定器 18 仮呼び割当て器 110〜150 号機評価値計算部 510〜550 号機停止時制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 敏明 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 3F002 BA01 BA08 BB08 BB10 CA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の階床に対して複数台のエレベータ
    を運行させ、発生した共通のホール呼びに対して所定の
    評価演算により最適な号機を割当てるエレベータ群管理
    制御装置において、複数台のエレベータの各号機毎に設
    けられ各号機の配置が偏らない位置評価値を算出し前記
    位置評価値を加味して各号機の割当て評価値を算出する
    号機評価値計算部と、各々の前記号機評価値計算部から
    の割当て評価値のうち最適な割当て評価値の号機を選択
    しその号機をホール呼びに割り当てる割当て判定器とを
    備えたことを特徴とするエレベータ群管理制御装置。
  2. 【請求項2】 前記号機評価値計算部は、ホール呼びが
    発生したとき自号機の方向を考慮した絶対的な現在位置
    および他号機の方向を考慮した絶対的な位置の平均値と
    の関係に基づき前記位置評価値を算出するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエレベータ群管理制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記号機評価値計算部は、最下階から最
    上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが発生
    したとき自号機の方向を考慮し自号機の位置を基点とし
    た他号機の方向を考慮した相対的な位置の平均位置との
    関係に基づき前記位置評価値を算出するようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載のエレベータ群管理制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記号機評価値計算部は、ファジィ推論
    手段を具備し、他号機の方向を考慮した相対的な位置の
    平均値にファジィ推論を施して推論結果を求め、この推
    論結果を前記位置評価値とするようにしたことを特徴と
    する請求項3に記載のエレベータ群管理制御装置。
  5. 【請求項5】 前記号機評価値計算部は、自号機から呼
    びホールまでの距離を計算する距離計算部を具備し、前
    記ファジィ推論手段は、他号機の方向を考慮した相対的
    な位置の平均値および前記距離計算部で計算された自号
    機から呼びホールまでの距離にファジィ推論を施して推
    論結果を求め、この推論結果を前記位置評価値とするよ
    うにしたことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ
    群管理制御装置。
  6. 【請求項6】 前記号機評価値計算部は、自号機に割り
    当てられている呼びの数を計算する呼びの数計算部を具
    備し、前記ファジィ推論手段は、他号機の方向を考慮し
    た相対的な位置の平均値および前記呼びの数計算部で計
    算された自号機に割り当てられている呼びの数にファジ
    ィ推論を施して推論結果を求め、この推論結果を前記位
    置評価値とするようにしたことを特徴とする請求項4に
    記載のエレベータ群管理制御装置。
  7. 【請求項7】 前記号機評価値計算部は、自号機の位置
    を基点とした他号機の方向を考慮した相対的な位置の平
    均位置を算出するにあたり、他号機に乗客が無く停止中
    のものはホール呼び発生の写像位置に至るまでの距離が
    短い写像位置をその方向として設定することを特徴とす
    る請求項3に記載のエレベータ群管理制御装置。
  8. 【請求項8】 自号機に乗客が無く停止中となる場合に
    は自号機を待機させるための仮の呼び階床を算出する号
    機停止時制御部と、自号機を前記号機停止時制御部で算
    出された仮の呼び階床まで移動させその仮の呼び階床で
    待機させる仮呼び割当て器とを備えたことを特徴とする
    請求項3に記載のエレベータ群管理制御装置。
  9. 【請求項9】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼び
    階床を求めるにあたり、他号機の方向を考慮した相対的
    な位置の平均位置の対角位置の階床を仮の呼び階床とす
    るようにしたことを特徴とする請求項8に記載のエレベ
    ータ群管理制御装置。
  10. 【請求項10】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼
    び階床を求めるにあたり、停止階床で下降中としたとき
    の他号機の位置の平均位置の対角位置の階床と、停止階
    床で上昇中としたときの他号機の位置の平均位置の対角
    位置の階床とのうち、ホール呼び発生の写像位置に至る
    までの距離が短い写像位置の階床を仮の呼び階床とする
    ようにしたことを特徴とする請求項8に記載のエレベー
    タ群管理制御装置。
  11. 【請求項11】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼
    び階床を求めるにあたり、停止階床で下降中としたとき
    の他号機の位置の平均位置の対角位置の階床と、停止階
    床で上昇中としたときの他号機の位置の平均位置の対角
    位置の階床との平均値を、仮の呼び階床とするようにし
    たことを特徴とする請求項8に記載のエレベータ群管理
    制御装置。
  12. 【請求項12】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼
    び階床を求めるにあたり、停止階床で下降中としたとき
    の他号機の位置の平均位置の対角位置の第一の階床と、
    停止階床で上昇中としたときの他号機の位置の平均位置
    の対角位置の第二の階床とを求め、前記第一の階床から
    各々の他号機までの距離の2乗和である第一の2乗和
    と、前記第二の階床から各々の他号機までの距離の2乗
    和である第二の2乗和とを求め、前記第一の2乗和と前
    記第二の2乗和とのうち大きい方の対角位置の階床を仮
    の呼び階床とするようにしたことを特徴とする請求項8
    に記載のエレベータ群管理制御装置。
  13. 【請求項13】 前記号機評価値計算部は、最下階から
    最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが発
    生したとき自号機の位置を基点とし前記円の中心を原点
    としたときの他号機の位置ベクトルのベクトル和を求
    め、そのベクトル和に基づき各号機の配置が偏らない位
    置評価値を算出し前記位置評価値を加味して各号機の割
    当て評価値を算出するようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載のエレベータ群管理制御装置。
  14. 【請求項14】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼
    び階床を求めるにあたり、最下階から最上階までの往復
    の行程を円に写像し、ホール呼びが発生したとき自号機
    の位置を基点とし前記円の中心を原点としたときの他号
    機の位置ベクトルのベクトル和を求め、このベクトル和
    と逆方向の円上の位置の階床を仮の呼び階床とするよう
    にしたことを特徴とする請求項8に記載のエレベータ群
    管理制御装置。
  15. 【請求項15】 前記号機評価値計算部は、最下階から
    最上階までの往復の行程を円に写像し、ホール呼びが発
    生したとき自号機の位置を基点としたときの他号機の位
    置との距離の2乗和が最小となる位置の対角位置を求
    め、その対角位置に基づき各号機の配置が偏らない位置
    評価値を算出し前記位置評価値を加味して各号機の割当
    て評価値を算出するようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のエレベータ群管理制御装置。
  16. 【請求項16】 前記号機停止時制御部は、前記仮の呼
    び階床を求めるにあたり、ホール呼びが発生したとき自
    号機の位置を基点としたときの他号機の位置との距離の
    2乗和が最小となる位置の対角位置を求め、その対角位
    置の階床を仮の呼び階床とするようにしたことを特徴と
    する請求項8に記載のエレベータ群管理制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG126017A1 (en) * 2005-03-23 2006-10-30 Hitachi Ltd Elevator group supervisory control system
EP1767484A1 (en) 2005-09-27 2007-03-28 Hitachi, Ltd. Elevator group management system and control method therefor

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG126017A1 (en) * 2005-03-23 2006-10-30 Hitachi Ltd Elevator group supervisory control system
CN101439820A (zh) * 2005-03-23 2009-05-27 株式会社日立制作所 电梯群管理系统
CN101439820B (zh) * 2005-03-23 2013-04-24 株式会社日立制作所 电梯群管理系统
EP1767484A1 (en) 2005-09-27 2007-03-28 Hitachi, Ltd. Elevator group management system and control method therefor

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