JP2000116148A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2000116148A
JP2000116148A JP10363261A JP36326198A JP2000116148A JP 2000116148 A JP2000116148 A JP 2000116148A JP 10363261 A JP10363261 A JP 10363261A JP 36326198 A JP36326198 A JP 36326198A JP 2000116148 A JP2000116148 A JP 2000116148A
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Masahiko Akamatsu
昌彦 赤松
Michiharu Tsukada
路治 塚田
Daisuke Ito
大介 伊藤
Shinzo Tamai
伸三 玉井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統の電圧が不平衡である場合、良好に
電力変換することが困難であった。 【解決手段】 演算手段20a,20bは、検出された
電圧値または電流値に基づいて、正相成分のd軸成分と
q軸成分および逆相成分のd軸成分とq軸成分を出力す
る。電流成分制御手段21a〜21dは、演算手段20
bからの電流成分と、指令値生成手段30からの電流指
令値とをそれぞれ比較し、その比較結果をそれぞれ加減
算手段23a〜23dに出力する。変換手段24a,2
4bは、加減算手段23a〜23dからの制御信号Vp
di,Vpqi,Vndi,Vnqiを3相成分に変換
する。加算手段25a〜25cは、それらの3相成分を
相ごとに加算して電力変換部5に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば3相の交
流電力系統である第1の電力系統と、例えば直流の第2
の電力系統との間に接続され、スイッチング素子からな
る電力変換部を持ち第1の電力系統と第2の電力系統と
の間で電力を変換する電力変換装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図29は例えば「Applying PWM to Cont
rol Overcurrents at Unbalanced Faults of Forced-Co
mmutated VSCs Used as Static Var Compensators 」
(Jiangら著、「IEEE Transactions on Power Del
ivery, Vol.12, No.1 」の第273頁〜第278頁、1
997年1月)に記載された従来の電力変換装置を示す
構成図である。図において、1はこの電力変換装置に接
続された3相の交流電力系統であり、2は1次巻線3と
2次巻線4a,4bにより構成される変圧器であり、5
はGTO(Gate Turn-off Thyristor )などのスイッチ
ング素子5a,5bを利用して、PWM(Pulse Width
Modulation)方式に基づいて交流直流間で電力変換を実
行する電力変換部であり、6は直流キャパシタであり、
7は交流電力系統1に変圧器2を接続する連系線路の電
圧値を検出する電圧値検出手段であり、8は連系線路を
流れる電流の値を検出する電流値検出手段であり、10
0は電圧値検出手段7および電流値検出手段8による検
出値に基づいて電力変換部5を制御する制御部である。
【0003】制御部100において、9は電圧値検出手
段7により検出された各相の電圧値から、交流電力系統
1の電圧の逆相成分の同期回転座標系(d,q)での値
Vnd,Vnqを演算する演算手段であり、10は電圧
値検出手段7により検出された各相の電圧値から、交流
電力系統1の電圧の正相成分の同期回転座標系での値V
pd,Vpqを演算する演算手段であり、11は電流値
検出手段8により検出された各相の電流値から、交流電
力系統1に出力される電流(または交流電力系統1から
入力される電流)の正相成分の同期回転座標系でのq軸
成分Ipqを演算する演算手段である。12aは、所定
の電流指令値Ipqrefと演算手段11の出力Ipq
との差を演算する減算手段であり、13aは電流指令値
Ipqrefに、所定の抵抗分に対応する係数Rを乗ず
る係数手段であり、12bは、演算手段10の出力Vp
qと、係数手段13aの出力との差を計算し、電圧指令
値Vpqiとして出力する減算手段である。
【0004】13bは、電流指令値Ipqrefに、所
定のリアクタンス分に対応する係数Xを乗ずる係数手段
であり、14は比例積分レギュレータであり、12c
は、演算手段10の出力Vpdと、係数手段13bの出
力と、比例積分レギュレータ14の出力の和を計算し、
電圧指令値Vpdiとして出力する加算手段である。
【0005】15は、逆相電圧成分Vnd,Vnqと、
電圧指令値Vpdi,Vpqiとに基づいて各相の制御
信号Va,Vb,Vcを計算してスイッチング素子5
a,5bを持つ電力変換部5へ出力する演算手段であ
る。なお、電圧指令値Vpdi,Vpqiは、交流電力
系統1に出力される電流の正相成分のq軸成分を調整す
るために電力変換部5が発生すべき正相電圧の同期回転
座標上の値で、逆相成分の同期回転座標上の値Vnd,
Vnqと併せて、固定子座標上の各相電圧指令値Va,
Vb,Vcを演算する訳である。
【0006】次に動作について説明する。演算手段9は
電圧値検出手段7の検出値から、交流電力系統1の電圧
の逆相成分を同期回転座標系(d,q)での値Vnd,
Vnqとして演算し、それらの値を演算手段15に出力
する。演算手段10は電圧値検出手段7の検出値から、
交流電力系統1の電圧の正相成分を同期回転座標系での
値Vpd,Vpqとして演算し、そのd軸成分Vpdを
加算手段12cに出力し、そのq軸成分Vpqを減算手
段12bに出力する。
【0007】演算手段11は電流値検出手段8の検出値
から、交流電力系統1と変圧器2との間の線路における
電流の正相成分の同期回転座標系でのq軸成分Ipqを
演算し、減算手段12aに出力する。減算手段12a
は、所定の電流指令値Ipqrefと演算手段11の出
力Ipqとの差を演算し、比例積分レギュレータ14に
出力する。比例積分レギュレータ14は、その値に所定
の比例係数を乗じた値と、その値の積分値に所定の積分
係数を乗じた値との和を加算手段12cに出力する。
【0008】減算手段12bは、演算手段10の出力V
pqと、係数手段13aの出力との差を計算し、電圧指
令値Vpqiとして演算手段15に出力し、加算手段1
2cは、演算手段10の出力Vpdと、係数手段13b
の出力と、比例積分レギュレータ14の出力の和を計算
し、電圧指令値Vpdiとして演算手段15に出力す
る。
【0009】演算手段15は、逆相電圧成分Vnd,V
nqと、電圧指令値Vpdi,Vpqiとに基づいて各
相の制御信号Va,Vb,Vcを計算して電力変換部5
のスイッチング素子5a,5bに出力する。電力変換部
5は、その制御信号に応じてスイッチング動作し、電力
の変換を実行する。この時、入力信号Va,Vb,Vc
に比例した電圧を電力変換部5が発生する。
【0010】このように動作することにより、例えば交
流電力系統1の電圧が不平衡であり、交流電力系統1に
おいて逆相電圧Vnd,Vnqが発生した場合、電力変
換部5により、その逆相電圧Vnd,Vnqと同一の逆
相電圧が生成されるように電力変換部5が制御される。
そして、交流電力系統1の逆相電圧と、電力変換部5で
生成された逆相電圧が同一である場合、逆相電流が流れ
ない訳である。
【0011】多相交流電力系統においては不平衡状態に
なることが多いため、上述のように、不平衡状態になら
ないように多相交流電力系統の監視および制御が必要に
なる。例えば、負荷が不平衡である場合には、電力系統
の電流を平衡化する制御が必要とされる。また電力系統
における事故などにより発生する突発的な不平衡状態を
抑制するためにも電力系統を常時監視および制御するこ
とが必要とされる。
【0012】上述の装置の他、多相交流電力系統の監視
および制御を実行する装置として、例えば平成5年3月
の電気学会全国大会の講演番号604「不平衡補償機能
付き自励式SVC制御方式の開発」(山本ら著)による
装置などがある。
【0013】図30は例えばその「不平衡補償機能付き
自励式SVC制御方式の開発」による装置における従来
の同期回転座標変換装置を示すブロック図である。図に
おいて、201は、三相電圧信号Va,Vb,Vcまた
は三相電流信号Ia,Ib,Icである三相交流信号X
a,Xb,Xcを、二相電圧信号Vα,Vβまたは二相
電流信号Iα,Iβである二相交流信号Xα,Xβに変
換する三相/二相変換部である。202は、電力系統の
電圧の位相θを供給され、二相交流信号Xα,Xβを、
位相θに同期した正相の同期回転座標系における信号X
pdo,Xpqoに変換する同期回転座標変換部であ
り、203は、電力系統の電圧の位相θを供給され、二
相交流信号Xα,Xβを、位相(−θ)に同期した逆相
の同期回転座標系における信号Xndo,Xnqoに変
換する同期回転座標変換部である。なお、三相/二相変
換部201および同期回転座標変換部202,203の
ゲインは1に設定されている。
【0014】次に動作について説明する。図31は、正
相の同期回転座標系における信号に対する指令値Xpd
r,Xpqrおよび逆相の同期回転座標系における信号
に対する指令値Xndr,Xnqrを三相交流信号に変
換する変換部を示すブロック図である。図32は、図3
1の変換部に供給した指令値Xpdr,Xpqr,Xn
dr,Xnqrと、図31の変換部の出力である三相交
流信号Xa,Xb,Xcを図30の三相/二相変換部お
よび同期回転座標変換部に与えて得られた出力、即ち正
相および逆相の同期回転座標系における出力信号Xpd
o,Xpqo,Xndo,Xnqoとを示す図である。
【0015】三相/二相変換部201により、三相電圧
信号Va,Vb,Vcまたは三相電流信号Ia,Ib,
Icである三相交流信号Xa,Xb,Xcが、二相電圧
信号Vα,Vβまたは二相電流信号Iα,Iβである二
相交流信号Xα,Xβに変換される。そして、同期回転
座標変換部202により、その二相交流信号Xα,Xβ
が、正相の同期回転座標系における信号Xpdo,Xp
qoに変換されるとともに、同期回転座標変換部203
により、その二相交流信号Xα,Xβが、逆相の同期回
転座標系における信号Xndo,Xnqoに変換され
る。
【0016】このようにして、三相交流信号が正相およ
び逆相の同期回転座標における信号に変換される。
【0017】ここで、図31の変換部204により、正
相の同期回転座標系における信号に対する所定の指令値
Xpdr,Xpqrおよび逆相の同期回転座標系におけ
る信号に対する所定の指令値Xndr,Xnqrを所定
の変換行列Crに従って三相交流信号に変換し、その三
相交流信号を、三相/二相変換部201および同期回転
座標変換部202,203により正相および逆相の同期
回転座標系における信号Xpdo,Xpqo,Xnd
o,Xnqoに変換した場合の、指令値Xpdr,Xp
qr,Xndr,Xnqrと、変換後の信号Xpdo,
Xpqo,Xndo,Xnqoを図32に示す。
【0018】このときの指令値Xpr,Xnrと、変換
後の信号Xpo,Xnoとの関係は、式(1)に示すよ
うになる。
【数1】
【0019】なお、行列C(θ)は同期回転座標変換部
202による変換行列を示し、行列C(−θ)は同期回
転座標変換部203による変換行列を示す。行列C
(θ)と行列C(−θ)とは互いに逆行列の関係にあ
る。また、式(1)においては、三相/二相変換および
二相/三相変換の部分は省略してある。
【0020】なお、図32においては、正相のd軸に対
する指令値Xpdrは、150ミリ秒まで値10に設定
され、その後、値9に設定されている。また、正相のq
軸に対する指令値Xpqrは、130ミリ秒まで値1に
設定され、その後180ミリ秒まで値−1に設定され、
その後、値1に設定されている。また、逆相のd軸に対
する指令値Xndrは、110ミリ秒まで値1に設定さ
れ、その後160ミリ秒まで値−1に設定され、その
後、値1に設定されている。逆相のq軸に対する指令値
Xnqrは、140ミリ秒まで値−1に設定され、その
後190ミリ秒まで値1に設定され、その後、値−1に
設定される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力変換装置は
以上のように構成されているので、電力変換部5で発生
するスイッチング損失を低減させるために、スイッチン
グ素子5a,5bに与えられるPWM変調信号の周波数
を低くして動作させた場合、電圧指令値と、電力変換部
5が実際に発生する電圧の基本波成分の値との間の比例
関係が悪くなり、制御の精度が不十分になる。また、P
WM変調信号は電圧指令値と所定の周波数の三角波キャ
リアとの大小関係に基づいて生成されるが、電圧指令値
が三角波キャリアの振幅を超えた場合、すなわち変調度
が1を超えた場合にも、上述の比例関係が悪くなる。さ
らに、制御誤差、検出誤差、演算誤差、時間遅れによる
瞬時値誤差などの各種誤差要因により、電圧指令値によ
り指定される値から電力変換部5の出力電圧がずれる可
能性がある。従って、不平衡時に逆相電流を抑制しよう
としているにも拘わらず、逆相電流が流れる問題が生じ
る。
【0022】電力系統の電圧が不平衡である場合、これ
らの要因に起因して、電力変換部5により電力系統間で
良好に電力変換することが困難であるという課題があっ
た。すなわち、電力系統の電圧が不平衡である場合に、
従来の装置のように、逆相電圧だけに基づいて電力変換
部5で生成する逆相電圧を計算すると、上記の要因に起
因して電力変換部5で生成する逆相電圧が電力系統の逆
相電圧からずれるので、逆相電流の発生を十分に抑制す
ることが困難であるという課題があった。
【0023】また、所定の正相および逆相の同期回転座
標系における信号Xpdr,Xpqr,Xndr,Xn
qrを三相交流信号に変換したものが同期回転座標変換
装置に供給されると、図32および式(1)に示すよう
に、同期回転座標変換装置の出力に電力系統の周波数の
倍の周波数の脈動成分(C(2θ)・Xnr)が混入す
るので、電力系統の制御を正確に実行することが困難で
あるなどの課題があった。
【0024】例えば、図32に示すように、正相成分の
値だけが大きい場合、逆相成分の値に比較して脈動成分
が大きくなり、逆相成分の値を正確に検出することが困
難になる。
【0025】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、電力系統の電圧が不平衡である場
合においても電力系統間で良好に電力変換する電力変換
装置を得ることを目的とする。
【0026】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、同期回転座標系への座標変換後の
信号を所定の時間だけ遅延させ、変換後の信号と、遅延
後の信号とを合成させることにより座標変換後の脈動成
分を低減させ、電力系統の正確な制御を可能にする電力
変換装置を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電力変換
装置は、第1の電力系統に出力されるか又は第1の電力
系統から入力される各相の電流値を検出する電流値検出
手段と、電流値検出手段により検出された電流値の交流
成分を正相の同期回転座標系に変換するとともに、その
電流値の交流成分のうちの逆相成分を同期回転座標系に
変換し、変換後の交流成分および逆相成分に基づいて、
変換後の交流成分を所定の指令値に追従させ、かつ逆相
成分を抑制する制御信号を生成し、電力変換部へ出力す
る電流成分制御部とを備えるものである。
【0028】この発明に係る電力変換装置は、電流成分
制御部が、逆相成分のうち、正相分の混入による逆相同
期回転座標上の逆相成分における倍周波成分を減衰した
制御信号を生成するようにしたものである。
【0029】この発明に係る電力変換装置は、電流成分
制御部に、電流値検出手段により検出された電流値の同
期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出す
る同期回転座標変換手段と、電流値検出手段により検出
された交流電流値の交流逆相分を算出し、その後この逆
相分の同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分
を算出する逆相座標変換手段と、同期回転座標系におけ
るd軸成分およびq軸成分並びに逆相分のd軸成分およ
びq軸成分を、成分ごとに所定の電流成分指令値とそれ
ぞれ比較し、その比較結果を所定の伝達特性で出力する
制御信号演算手段と、制御信号演算手段により出力され
た同期回転座標系に関するd軸成分の比較結果とq軸成
分の比較結果により構成される第1のベクトル、および
逆相分に関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結
果により構成される第2のベクトルを、所定の角速度に
応じて変化する位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転さ
せるとともに、第1の電力系統の各相に対応する制御信
号にそれぞれ変換し、電力変換部へ出力する変換手段と
を備えるものである。
【0030】この発明に係る電力変換装置は、電流成分
制御部に、電流値検出手段により検出された電流値の同
期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出す
る同期回転座標変換手段と、電流値検出手段により検出
された電流値の逆相方向の同期回転座標系におけるd軸
成分およびq軸成分を算出する逆相同期回転座標変換手
段と、逆相同期回転座標変換手段の出力から、電流値の
うちの逆相分の同期回転座標系におけるd軸成分および
q軸成分として、この逆相分のd−q軸成分のそれぞれ
の第1の電力系統の周波数に対応する周期の1/2の期
間の移動平均値を計算する移動平均値演算手段と、正相
方向の同期回転座標におけるd軸成分およびq軸成分並
びに逆相分のd軸成分およびq軸成分移動平均値を、成
分ごとに所定の電流成分指令値とそれぞれ比較し、その
比較結果を所定の伝達特性で出力する制御信号演算手段
と、制御信号演算手段により出力された同期回転座標系
に関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果によ
り構成される第1のベクトル、および逆相分に関するd
軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により構成され
る第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変化する位
相だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるとともに、第
1の電力系統の各相に対応する制御信号にそれぞれ変換
し、電力変換部へ出力する変換手段とを備えるものであ
る。
【0031】この発明に係る電力変換装置は、電流成分
制御部に、電流値検出手段により検出された電流値から
同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出
する同期回転座標変換手段と、電流値検出手段により検
出された電流値から第1の電力系統の電流の逆相成分の
同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出
する逆相同期回転座標変換手段と、その逆相同期回転座
標系におけるd軸成分およびq軸成分を所定の時間だけ
遅延させ、算出した逆相同期回転座標系におけるd軸成
分およびq軸成分と、遅延させた逆相同期回転座標系に
おけるd軸成分およびq軸成分とを成分ごとにそれぞれ
合成する遅延合成手段と、同期回転座標変換手段による
d軸成分およびq軸成分並びに合成後の逆相成分のd軸
成分およびq軸成分を、成分ごとに所定の電流成分指令
値とそれぞれ比較し、その比較結果を所定の伝達特性で
出力する制御信号演算手段と、制御信号演算手段により
出力されたd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果に
より構成される同期回転座標系における第1のベクト
ル、および逆相成分のd軸成分の比較結果とq軸成分の
比較結果により構成される逆相同期回転座標系における
第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変化する位相
だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるとともに、第1
の電力系統の各相に対応する制御信号にそれぞれ変換
し、電力変換部へ出力する変換手段とを備えるものであ
る。
【0032】この発明に係る電力変換装置は、逆相成分
に対応する電流成分指令値をゼロに設定するようにした
ものである。
【0033】この発明に係る電力変換装置は、第2の電
力系統が直流電力系統であり、第2の電力系統の電流値
を検出する直流電流値検出手段と、第2の電力系統の電
圧値を検出する直流電圧値検出手段と、直流電流値検出
手段により検出された電流値と直流電圧値検出手段によ
り検出された電圧値とに基づいて電流成分指令値を生成
する指令値生成手段とを備えるものである。
【0034】この発明に係る電力変換装置は、交流電力
系統の電圧を検出する電圧値検出手段と、電圧値検出手
段の検出出力から正相方向の同期回転座標系におけるd
軸成分とq軸成分とからなる2軸電圧ベクトルを算出す
る2軸電圧ベクトル演算手段とを備え、2軸電圧ベクト
ルを第1のベクトルに加算するようにしたものである。
【0035】この発明に係る電力変換装置は、第1の電
力系統に出力されるか又は第1の電力系統から入力され
る各相の電流値を検出する電流値検出手段と、電流値検
出手段により検出された電流値から、第1の電力系統に
おける電流の正相成分と逆相成分を算出する算出手段
と、算出手段により算出された正相成分と逆相成分を、
正相逆相それぞれの同期回転座標系におけるd軸成分と
q軸成分とにそれぞれ分離する分離手段と、正相成分の
d軸成分およびq軸成分並びに逆相成分のd軸成分およ
びq軸成分を、各d軸成分およびq軸成分に対応する所
定の電流成分指令値とそれぞれ比較し、その比較結果を
所定の伝達特性で出力する制御信号演算手段と、制御信
号演算手段により出力された正相成分のd軸成分の比較
結果とq軸成分の比較結果により構成される同期回転座
標系における第1のベクトル、および逆相成分のd軸成
分の比較結果とq軸成分の比較結果により構成される同
期回転座標系における第2のベクトルを、所定の角速度
に応じて変化する位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転
させるとともに、第1の電力系統の各相に対応する制御
信号にそれぞれ変換し、電力変換部へ出力する変換手段
とを備えるものである。
【0036】この発明に係る電力変換装置は、逆相成分
に対応する電流成分指令値をゼロに設定するようにした
ものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
電力変換装置を示す構成図である。図において、20c
は電流値検出手段29により検出された交流電流値Iを
供給され、交流状態で正相分と逆相分の区別をせずに、
その電流値をすべて正相分とみなした正相の同期回転座
標系におけるd軸電流Idとq軸電流Iqを計算すると
ともに、逆相分の同期回転座標系におけるd軸電流In
dとq軸電流Inqを計算する第3の演算手段である。
この第3の演算手段20cは、正相逆相を区別せずにα
β軸電流Iα,Iβを同様に計算して指令値生成手段3
0bに供給する。
【0038】30bは正相逆相を区別せずに正相分とみ
なして第3の演算手段20cにより生成された正相の同
期回転座標系のd軸電流Idとq軸電流Iqに対応し
て、正相の同期回転座標系のd軸電流指令値Idrとq
軸電流指令値Iqrを生成するとともに、逆相成分の同
期回転座標系のd軸電流Indとq軸電流Inqに対応
するd軸電流指令値Indrとq軸電流指令値Inqr
を生成する指令値生成手段である。
【0039】例えば演算手段20aなどのその他の構成
要素については、後述する実施の形態7のものと同様で
あるので、その説明を省略する。なお、ここで「正相分
とみなす」という意味は、実際には逆相分の影響を受け
て倍周波の脈動成分が含まれることがあるが、その逆相
分を考慮しないということである。このとき、正相分と
みなした電流に実際に含まれる正相分の同期回転座標系
のd軸成分及びq軸成分の値には特に誤差が生じるもの
ではなく、単に逆相分の影響が混入しているだけである
(以下、同様に意味するものとする)。
【0040】図2は、第3の演算手段20cの詳細な構
成例を示す図である。この第3の演算手段20cにおい
て、電流値Ind,Inqを算出する回路(位相シフタ
42c,42d、加減算手段43c,43d、係数手段
44c,44dおよびベクトル回転手段45b)は図1
7に示すものと同一である。そして、この第3の演算手
段20cにおいては、図17に示す正相分の電流値を算
出するための位相シフタ42a,42b、加減算手段4
3a,43b、係数手段44a,44bは省略されてい
る。したがって、3相−2相変換手段41の出力は、I
αおよびIβとして出力されるとともに、ベクトル回転
手段45aに直接供給される。
【0041】すなわち、α軸電流Iα及びβ軸電流Iβ
が正相分電流とみなされてベクトル回転手段45aに供
給され、ベクトル回転手段45aは、それらの値を、正
相の同期回転座標系の値へ座標変換して、正相方向の同
期回転座標系におけるd軸電流Idおよびq軸電流Iq
を計算する。
【0042】なお、正相と逆相を区別せずにすべて正相
とみなしても、通常、逆相分が少ないので比例ゲインだ
けで抑制することができ、特に問題は生じない。また、
逆相分を分離して制御していることにより、逆相分が確
実に抑制される。すなわち、逆相分の電流Ind,In
qを算出して、逆相分電流がゼロになるように制御する
ことができるので、α軸電流Iα及びβ軸電流Iβをす
べて正相分電流とみなしても特に問題は生じない。
【0043】図3は、実施の形態1における指令値生成
手段30bの構成例を示す図である。図において、37
は、正相分電圧Vpα、Vpβ(または電流の場合と同
様に3相−2相変換後の電圧をすべて正相分とみなして
生成された電圧Vα、Vβ)を供給されるとともに、α
軸電流およびβ軸電流Iα、Iβを供給され、これらの
値から正相成分の無効電力Qpを算出する演算手段であ
る。
【0044】なお、指令値生成手段30bは図18の指
令値生成手段30と同じものを使用しても良い。すなわ
ち、正相分電流の算出手段や正相分電流のd軸電流およ
びq軸電流の分離手段を前述のように備えておけばよ
い。その場合、演算手段20bを第3の演算手段20c
の代わりに使用する。
【0045】次に動作について説明する。線路には逆相
電流を流さない方がよい場合が多く、その場合には、後
述の図24および図25の装置から分かるように、電流
値検出手段29を挿入する線路を適切に選べば、電力変
換部5で逆相成分の電流を流すことにより、線路の逆相
電流をゼロに制御することができる。ここでは、逆相成
分のd軸およびq軸電流指令値Indr,Inqrをゼ
ロに設定した場合について説明する。
【0046】例えば交流電力系統1における擾乱により
逆相電流が流れたとすると、初期においては、正相電流
と見なしたd軸電流およびq軸電流Id,Iqに逆相電
流の影響が現れる。すなわち、逆相電流を含む交流電流
がそのまま正相の同期回転座標系へ変換されると、変換
後の電流に倍周波脈動が現れるので、電流Id,Iqに
その倍周波脈動が現れるが、正相分電圧および逆相分電
圧Vpd,Vpq,Vnd,Vnqが加減算手段23
a,23b,23c,23dヘフィードフォワードされ
ているので、検出された電流をすべて正相分とみなして
制御を続けることにより、上記擾乱による逆相電流が抑
制されていく。
【0047】ここで、交流電力系統側の逆相電圧と等し
い逆相電圧を電力変換部5が発生するように、逆相分の
電圧Vnd,Vnqをフィードフォワードしてあるので
両側の逆相電圧が釣り合い、制御誤差に起因するものを
除けば、逆相電流は流れなくなる。
【0048】したがって、初期の過渡状態を過ぎると、
逆相電流がゼロに抑制される。逆相電流がゼロになれ
ば、正相電流とみなしたd軸電流およびq軸電流Id,
Iqが実際の正相電流と同一になる。
【0049】以上のように、実施の形態1によれば、検
出された電流の値をすべて正相分とみなすことにより、
正相分の電流値を演算する演算回路を簡素化することが
でき、装置のコストを低減することができる効果があ
る。さらに、演算回路による応答遅れおよび演算遅れが
低減し、電流の負帰還系における遅れによる制御への影
響を低減することができる効果が得られる。また、正相
と逆相を区別しないため、制御系の応答が速い。
【0050】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
よる電力変換装置は、実施の形態1における第3の演算
手段20cを後述の演算手段20dに変更したものであ
る。その他の構成要素は実施の形態1のものと同様であ
るので、その説明を省略する。
【0051】図4は、この発明の実施の形態2による電
力変換装置における演算手段20dを示す構成図であ
る。図において、45aおよび45bは、3相−2相変
換手段41より2相の電流値Iα,Iβを供給され、そ
れぞれ正相分および逆相分の同期回転座標系への座標変
換を実行するベクトル回転手段である。
【0052】46a,46bは、倍周波脈動を含む逆相
電流信号I’nd,I’nqをベクトル回転手段45b
から供給され、その倍周波脈動を消去するために、電力
系統の周波数に対応する1/2周期の期間における信号
の移動平均値を計算し、その移動平均値を逆相成分の同
期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分Ind,
Inqとして出力する移動平均値演算手段である。
【0053】図5〜図7は、移動平均値演算手段46
a,46bの構成例を示す図である。図5において、4
61は積分器であり、462は各種遅延素子などで構成
された時間遅れ要素であり、463は減算手段である。
図6に示す移動平均値演算手段は、図5の積分器461
と、時間遅れ要素462および減算手段463とを入れ
換えたものである。
【0054】図7において、464は、供給される値を
順次サンプリングして記憶する例えばレジスタなどのメ
モリ手段であり、465はメモリ手段464に格納され
ている値の総和を計算する総和演算手段であり、466
は、メモリ手段464から総和演算手段465に供給さ
れる値の数Nで、総和演算手段465による総和を除し
て平均値を計算し出力する割算手段である。なお、これ
らの他の各種の移動平均値演算手段を使用するようにし
てもよい。
【0055】次に動作について説明する。なお、ベクト
ル回転手段45aによる正相分の電流値の演算は、実施
の形態1と同様であるので、その説明を省略する。ここ
では、逆相分の電流値の演算についてだけ説明する。
【0056】ベクトル回転手段45bは、3相−2相変
換手段41より2相の電流値Iα,Iβを供給され、同
期回転座標系への座標変換を実行し、変換後の電流値
I’nd,I’nqを移動平均値演算手段46a,46
bに供給する。なお、ベクトル回転手段45bからの出
力は、正相分と逆相分とが混合されているので、倍周波
の脈動を含んでいる。
【0057】移動平均値演算手段46a,46bは、倍
周波脈動を含む逆相電流信号I’nd,I’nqを供給
され、倍周波脈動を消去するために、電力系統の周波数
に対応する周期の1/2の期間における逆相電流信号の
移動平均値を計算し、その移動平均値を逆相成分の同期
回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分Ind,I
nqとして出力する。
【0058】ここで、図5または図6の移動平均値演算
手段46a,46bを使用した場合、入力xに対する移
動平均値演算手段46a,46bの出力yは、式(2)
に示すようになる。
【数2】 ここで、電力系統の周波数をfとすると、T=1/2f
である。すなわち、移動平均値演算手段46a,46b
は、1/2周期期間における信号の平均値を刻々と計算
するので、信号のうちの倍周波の成分が抑制されて、逆
相成分Ind,Inqだけが移動平均値演算手段46
a,46bから出力される。
【0059】一方、図7の移動平均値演算手段46a,
46bを使用した場合、ベクトル回転手段45bより供
給される信号の値は、サンプリング周期Δt毎にサンプ
リングされ、メモリ手段464に順次記憶されていき、
1/2周期後に消去されていく。そして、総和演算手段
465は、それらの値の総和を計算し、割算手段466
は、メモリ手段464に格納される値の数をN(=1/
2fΔt)とすると、その総和をNで割ることにより、
過去1/2周期における信号の平均値を算出する。した
がって、1/2周期の期間における信号の平均値が、逆
相成分として、刻々と計算されるので、倍周波成分を除
去された逆相成分Ind,Inqが移動平均値演算手段
46a,46bから出力される。その他の動作は、実施
の形態1のものと同様であるので、その説明を省略す
る。
【0060】なお、逆相電流を帰還してd軸およびq軸
の各逆相電流成分をフィードバック制御することができ
る。したがって、それらの指令値Indr,Inqrを
ゼロにすることにより、逆相電流をゼロに抑制すること
ができる。そして、正相電流とみなしていたId,Iq
が実際に正相電流成分だけになり、結局正相電流は正確
に制御される。
【0061】以上のように、実施の形態2によれば、逆
相分の電流値を演算する演算回路の構成を簡素化するこ
とができ、装置のコストを低減することができる。ま
た、逆相分の電流の演算回路による応答遅れまたは演算
遅れを低減することができ、電流の負帰還系における遅
れによる影響を低減できる効果が得られる。
【0062】なお、逆相電流成分I’nd,I’nqに
発生する倍周波脈動は、N次遅れフィルタを使って減衰
させることもできるが、そのようにした場合、応答遅れ
が増加し、電流成分制御系の応答速度が不十分であり、
制御が不安定なってしまうので実施しない。
【0063】実施の形態3.図8は、この発明の実施の
形態3による電力変換装置を示す構成図であり、図9
は、実施の形態3における第5の演算手段20eを示す
構成図である。図において、20eは、3相電圧Vから
正相分と逆相分を区別せずに正相方向の同期回転座標系
における2軸成分Vd,Vqを演算し、加減算手段23
a,23bに出力する第5の演算手段である。
【0064】この第5の演算手段20eは、3相−2相
変換手段41により、3相電圧Va,Vb,Vcを2相
電圧Vα,Vβに変換し、ベクトル回転手段45aによ
り、その2相電圧Vα,Vβを正相方向の同期回転座標
系における2軸成分Vd,Vqに変換するものである。
【0065】その他の構成要素は実施の形態1のものと
同様であるので、その説明を省略する。
【0066】次に動作について説明する。この実施の形
態3においては、第5の演算手段20eから加減算手段
23a,23bに正相方向の同期回転座標系における2
軸電圧成分Vd,Vqがフィードフォワードされる。し
たがって、加減算手段23a,23bの出力には正相方
向の同期回転座標系における2軸電圧成分Vd,Vqが
含まれている。この2軸電圧成分Vd,Vqには逆相成
分が含まれるが、そのまま、変換手段24aにより固定
座標系の3相電圧Vpai,Vpbi,Vpciに変換
される。
【0067】この変換手段24aによる変換は、実質的
に、第5の演算手段20eによる変換の逆変換である。
したがって、3相電圧Va,Vb,Vcの正相分と逆相
分は、その逆変換により復元されるので、実施の形態7
において正逆両相の2軸電圧成分Vpd,Vpq,Vn
d,Vnqをそれぞれ加減算手段23a,23b,23
c,23dに供給して電圧指令値Vpdi,Vpqi,
Vndi,Vnqiを生成した後に3相電圧に変換して
その3相電圧の正相分と逆相分との和を計算する場合と
同様の電圧指令値Vai,Vbi,Vciが得られる。
【0068】したがって、この実施の形態3において
は、逆相分電圧Vnd,Vnqのフィードフォワードが
省略され、正相分の制御系により正逆両相の電圧成分の
フィードフォワードが実現されている。なお、加減算手
段23c,23dから変換手段24bへは、逆相電流を
ゼロにするための電圧指令値Vndi,Vnqiが供給
される。逆相電流をゼロにするための制御方法は、上記
実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0069】以上のように、実施の形態3によれば、電
力系統の電圧が不平衡であるときにも、電流の帰還制御
が実行されている線路における逆相電流が抑制されると
いう効果が得られる。さらに、電圧の正相成分および逆
相成分のための演算回路が簡素化され、演算による応答
遅延を低減することができるという効果が得られる。な
お、上記の各実施の形態において、代数演算を行う構成
要素においては、その代数式の変形が可能なように、そ
の変形に基づき他の構成要素に変形できる。
【0070】実施の形態4.図10および図11は、実
施の形態4による同期回転座標変換装置の構成を示すブ
ロック図である。なお、三相/二相変換部については、
上述のものと同様であるので省略している。また、図1
0の装置は、二相交流信号Xα,Xβを正相の同期回転
座標系における信号Xpd,Xpqに変換する同期回転
座標変換装置であり、図11の装置は、二相交流信号X
α,Xβを逆相の同期回転座標系における信号Xnd,
Xnqに変換する同期回転座標変換装置である。
【0071】図10において、45aは、電力系統の電
圧の位相θを供給され、二相交流信号Xα,Xβを、位
相θに同期した正相の同期回転座標系における信号Xp
do,Xpqoに変換するベクトル回転手段(同期回転
座標変換手段)である。501dは、ベクトル回転手段
45aにより座標変換された信号Xpdoと、その信号
を電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅延させた信号
とを合成し、合成した信号の値を2分の1にした値を出
力信号Xpdとして出力する遅延信号合成部(遅延合成
手段)である。遅延信号合成部501dにおいて、11
は、信号Xpdoを電力系統の周期Tの4分の1の期間
(=T/4)だけ遅延させる遅延手段である。12は、
遅延手段11により遅延された信号と、ベクトル回転手
段45aからの信号Xpdoとの和を計算する合成手段
である。13は、合成手段12より、ベクトル回転手段
45aからの信号Xpdoとその信号を遅延させた信号
との和を供給され、その値の2分の1の値を出力信号X
pdとして出力する係数手段である。
【0072】501qは、ベクトル回転手段45aによ
り座標変換された信号Xpqoの2分の1の値と、その
信号を電力系統の4分の1周期だけ遅延させ、値を2分
の1にした信号とを合成し、合成した信号を出力信号X
pqとして出力する遅延信号合成部(遅延合成手段)で
ある。遅延信号合成部501qにおいて、16は、ベク
トル回転手段45aからの信号Xpdoの値の2分の1
の値を出力する係数手段である。17は、信号Xpdo
を電力系統の周期Tの4分の1の期間(=T/4)だけ
遅延させ、遅延させた信号の値を2分の1にして出力す
る遅延手段である。18は、係数手段16の出力値と遅
延手段17の出力値との和を計算し、出力信号Xpqと
して出力する合成手段である。
【0073】図11において、45bは、電力系統の電
圧の位相θを供給され、二相交流信号Xα,Xβを、位
相(−θ)に同期した逆相の同期回転座標系における信
号Xndo,Xnqoに変換するベクトル回転手段(逆
相同期回転座標変換手段)である。502dは、ベクト
ル回転手段45bにより座標変換された信号Xndoの
値を2分の1にした後、その信号とその信号を電力系統
の周期の4分の1の期間だけ遅延させた信号とを合成
し、合成した信号の値を出力信号Xndとして出力する
遅延信号合成部(遅延合成手段)である。遅延信号合成
部502dにおいて、13は、ベクトル回転手段45a
からの信号Xndoの値を2分の1にする係数手段であ
る。11は、係数手段13より値を2分の1にされた信
号を電力系統の周期Tの4分の1の期間(=T/4)だ
け遅延させる遅延手段である。12は、遅延手段11に
より遅延された信号と、係数手段13からの信号との和
を計算し、出力信号Xndとして出力する合成手段であ
る。
【0074】502qは、遅延信号合成部502dと同
様に係数手段13、遅延手段11および合成手段12で
構成され、ベクトル回転手段45bにより座標変換され
た信号Xnqoの値を2分の1にした後、その信号とそ
の信号を電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅延させ
た信号とを合成し、合成した信号の値を出力信号Xnq
として出力する遅延信号合成部(遅延合成手段)であ
る。
【0075】なお、遅延信号合成部501d,501
q,502d,502qの構成は、遅延手段11、合成
手段12および係数手段13を使用したもの、係数手段
16、遅延手段17および合成手段18を使用したも
の、並びに、係数手段13、遅延手段11および合成手
段12を使用したもののほか、任意に計算順序を変更で
き、図示構成に制限されるものではない。
【0076】次に動作について説明する。図12は、脈
動成分の低減について説明する図である。図13は、図
31の変換部に供給した指令値Xpdr,Xpqr,X
ndr,Xnqrと、図31の変換部の出力である三相
交流信号を図30の三相/二相変換部を通して後、図1
0および図11の同期回転座標変換部により正相および
逆相の同期回転座標系における信号に変換した出力Xp
d,Xpq,Xnd,Xnqとを示す図である。
【0077】まず、三相交流信号が図示せぬ三相/二相
変換部により二相交流信号Xα,Xβに変換され、その
二相交流信号Xα,Xβがベクトル回転手段45a,4
5bに供給される。そして、ベクトル回転手段45aに
より、その二相交流信号Xα,Xβが正相の同期回転座
標系における信号Xpdo,Xpqoに変換されるとと
もに、ベクトル回転手段45bにより、その二相交流信
号Xα,Xβが逆相の同期回転座標系における信号Xn
do,Xnqoに変換される。
【0078】遅延信号合成部501dは、その信号Xp
doと、その信号Xpdoを電力系統の周期の4分の1
の期間だけ遅延させた信号とを合成し、合成した信号の
値を2分の1にした値を出力信号Xpdとして出力し、
遅延信号合成部501qは、その信号Xpqoの2分の
1の値と、その信号Xpqoを電力系統の4分の1周期
だけ遅延させ、かつ値を2分の1にした信号とを合成
し、合成した信号を出力信号Xpqとして出力する。
【0079】一方、遅延信号合成部502dは、その信
号Xndoの値を2分の1にした後、その信号とその信
号を電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅延させた信
号とを合成し、合成した信号の値を出力信号Xndとし
て出力し、遅延信号合成部502qは、その信号Xnq
oの値を2分の1にした後、その信号とその信号を電力
系統の周期の4分の1の期間だけ遅延させた信号とを合
成し、合成した信号の値を出力信号Xnqとして出力す
る。
【0080】このとき、図12(a)に示すように、ベ
クトル回転手段45a,45bの出力信号であるXpd
o,Xpqo,Xndo,Xnqoに含まれる脈動成分
sin(2θ)は、その脈動成分を電力系統の周期Tの
4分の1の期間(=T/4)だけ遅延させたものを加算
することにより抑制される。同様に、図12(b)に示
すように、ベクトル回転手段45a,45bの出力信号
であるXpdo,Xpqo,Xndo,Xnqoに含ま
れる脈動成分cos(2θ)も、その脈動成分を電力系
統の周期Tの4分の1の期間(=T/4)だけ遅延させ
たものを加算することにより抑制される。
【0081】このようにして、三相交流信号が正相およ
び逆相の同期回転座標系における信号に変換される。こ
こで、図31の変換部204により、所定の正相の同期
回転座標系における信号に対する指令値Xpdr,Xp
qrおよび所定の逆相の同期回転座標系における信号に
対する指令値Xndr,Xnqrを所定の変換行列Cr
に従って三相交流信号に変換し、その三相交流信号を図
30に示す三相/二相変換部および上述の同期回転座標
変換装置により正相および逆相の同期回転座標系におけ
る信号Xpd,Xpq,Xnd,Xnqに変換した場合
について、指令値Xpdr,Xpqr,Xndr,Xn
qrと、変換後の出力信号Xpd,Xpq,Xnd,X
nqを図13に示す。
【0082】このときの指令値Xpr,Xnrと、変換
後の信号Xp,Xnとの関係は、式(3)に示すように
なる。
【数3】
【0083】なお、図13においては、正相のd軸に対
する指令値Xpdrは、150ミリ秒まで値10に設定
され、その後、値9に設定されている。また、正相のq
軸に対する指令値Xpqrは、130ミリ秒まで値1に
設定され、その後180ミリ秒まで値−1に設定され、
その後、値1に設定されている。また、逆相のd軸に対
する指令値Xndrは、110ミリ秒まで値1に設定さ
れ、その後160ミリ秒まで値−1に設定され、その
後、値1に設定されている。逆相のq軸に対する指令値
Xnqrは、140ミリ秒まで値−1に設定され、その
後190ミリ秒まで値1に設定され、その後、値−1に
設定してある。
【0084】図13に示すように、指令値Xpdr,X
pqr,Xndr,Xnqrのいずれかの値が変化する
と、その指令値とは反対の相回転関係の同期回転座標系
における出力信号が指令値と誤差を生じるが、この誤差
を生じる時間は電力系統の周期の4分の1の期間だけで
ある。それ以降において誤差が生じない。
【0085】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、同期回転座標系への座標変換後の信号を所定の時間
だけ遅延させ、変換後の信号と、遅延後の信号とを合成
させることにより座標変換後の脈動成分を低減するよう
にしたので、電力系統の正確な制御が可能になるという
効果が得られる。
【0086】例えば、従来の装置による変換後の出力信
号Xpdo,Xpqo,Xndo,Xnqo(図32)
と比較した場合、実施の形態4の装置による変換後の出
力信号Xpd,Xpq,Xnd,Xnqにおいては脈動
が十分小さく、かつ、発生期間が限定されている。
【0087】実施の形態5.図14は、実施の形態5に
よる同期回転座標変換装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、三相/二相変換部については、上述のものと
同様であるので省略している。また、図14(a)の装
置は、m相交流信号X1〜Xmを正相の同期回転座標系
における信号Xpd,Xpqに変換する同期回転座標変
換装置であり、図14(b)の装置は、m相交流信号X
1〜Xmを逆相の同期回転座標系における信号Xnd,
Xnqに変換する同期回転座標変換装置である。
【0088】図14(a)において、503は、m相交
流信号X1〜Xmを正相の同期回転座標系における信号
Xpdo,Xpqoに変換する座標変換部(同期回転座
標変換手段)である。504dは、信号Xpdoを供給
され、次式に示すその信号XpdoをTiだけ遅延させ
係数Kiを乗じたn個の信号の和をXpdとして出力す
る遅延信号合成部(遅延合成手段)である。
【数4】 504qも504dと同様の遅延信号合成部(遅延合成
手段)である。なお、遅延信号合成部504d,504
qは、遅延要素と係数手段と合成信号数が任意なn個に
なるが、その構成要素は前述の遅延信号合成部501
d,501q,502dのいずれかと同様に構成され
る。
【0089】図14(b)において、505は、m相交
流信号X1〜Xmを逆相の同期回転座標系における信号
Xndo,Xnqoに変換する座標変換部(同期回転座
標変換手段)である。506dは、信号Xndoを供給
され、次式に示すその信号XndoをTkだけ遅延させ
て係数Kkを乗じたm個の信号の和をXndとして出力
する遅延信号合成部(遅延合成手段)である。
【数5】 506qは、信号Xnqoを供給され、遅延信号合成部
506dと同様にしてXnqとして出力する遅延信号合
成部(遅延合成手段)である。なお、遅延信号合成部5
06d,506qも、遅延要素と係数手段と合成信号数
が任意なn個になるが、その構成要素は前述の遅延信号
合成部501d,501q,502dのいずれかと同様
に構成される。
【0090】次に動作について説明する。まず、m相交
流信号が座標変換部503,505に供給される。そし
て、座標変換部503により、そのm相交流信号X1〜
Xmが正相の同期回転座標系における信号Xpdo,X
pqoに変換されるとともに、座標変換部505によ
り、そのm相交流信号X1〜Xmが逆相の同期回転座標
系における信号Xndo,Xnqoに変換される。
【0091】遅延信号合成部504dは、その信号Xp
doを供給され、一例としてその信号Xpdoと、その
信号Xpdoを電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅
延させた信号との和の値を2分の1にした値を信号Xp
dとして出力する。遅延信号合成部504qは、その信
号Xpqoを供給され、その信号Xpqoと、その信号
Xpqoを電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅延さ
せた信号との和の値を2分の1にした値を信号Xpqと
して出力する
【0092】一方、遅延信号合成部506dは、その信
号Xndoを供給され、一例としてその信号Xndo
と、その信号Xndoを電力系統の周期の4分の1の期
間だけ遅延させた信号との和の値を2分の1にした値を
信号Xndとして出力する。遅延信号合成部506q
は、その信号Xnqoを供給され、その信号Xnqo
と、その信号Xnqoを電力系統の周期の4分の1の期
間だけ遅延させた信号との和の値を2分の1にした値を
信号Xnqとして出力する。
【0093】このようにして、m相交流信号が正相およ
び逆相の同期回転座標系における信号に変換される。
【0094】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、m相交流信号を同期回転座標系における信号に変換
し、変換後の信号を所定の時間だけ遅延させ、変換後の
信号と、遅延後の信号とを合成させることにより座標変
換後の脈動成分を低減するようにしたので、三相の電力
系統だけではなく、任意のm相の電力系統の正確な制御
が可能になるという効果が得られる。
【0095】なお、上記実施の形態4,5においては、
電力系統の周期の4分の1の期間だけ遅延させた信号を
元の信号に加算することにより、電力系統の周波数の2
倍の周波数を有する脈動成分を抑制するようにしている
が、任意の整数Iについて、電力系統の周期の(2×
I)分の1の期間だけ遅延させた信号を元の信号に加算
するようにして、電力系統の周波数のI倍の周波数を有
する脈動を抑制することができる。また、任意な整数I
について、電力系統の周期の(2×I)分の1の期間だ
け遅延させたすべての信号を元の信号に加算する操作を
異なるIについて繰り返したり、適宜異なる遅延時間T
iの信号に異なる係数Kiを乗じたものの和を取ること
により、異なる周波数を有する複数の脈動をすべて抑制
することができる。この場合、遅延された信号に対する
ゲインをKiとしたとき、式(4)を満足するように、
各遅延された信号にゲインKiを乗じた信号を元の信号
に加算するようにする。この原理を順次応用して複数の
脈動成分を消去することができる。
【数6】 ただし、Vωは、所定の角周波数ωの正弦波とする。
【0096】実施の形態6.図15は、この発明の実施
の形態6による電力変換装置の構成を示すブロック図で
ある。図において、1Aはこの電力変換装置が接続され
た三相の交流電力系統(第1の電力系統)であり、10
1は変圧器の1次巻線であり、102は変圧器の2次巻
線であり、103は、スイッチング素子などを利用して
交流直流間で電力変換を実行する変換器(電力変換部)
である。28は交流電力系統1Aを変圧器の1次巻線1
01に接続する連系線路の電圧値を検出する電圧値検出
手段であり、29はその連系線路を流れる電流の値を検
出する電流値検出手段である。
【0097】113は、電圧値検出手段28により検出
された三相電圧信号を、二相の電圧信号Vα,Vβに変
換する三相/二相変換部であり、114は、三相/二相
変換部113により変換された二相電圧信号Vα,Vβ
を同期回転座標系における信号Vd,Vqに変換する同
期回転座標変換部である。
【0098】115は、電流値検出手段29により検出
された三相電流信号を、二相の電流信号Iα,Iβに変
換する三相/二相変換部であり、116は、三相/二相
変換部115により変換された二相電流信号Iα,Iβ
を正相の回転方向を持つ同期回転座標系における信号I
d,Iqに変換する同期回転座標変換部(同期回転座標
変換手段)(逆相分の影響を受けたままで正相分と見な
す、従来式の同期回転座標変換部)である。
【0099】117は、上記実施の形態4による同期回
転座標変換装置を適用して、三相/二相変換部115に
より変換された二相電流信号Iα,Iβを逆相の同期回
転座標系における信号Ind,Inqに変換する同期回
転座標変換部(逆相同期回転座標変換手段)である。
【0100】118は、電力系統(第2の電力系統)1
Bの直流電圧Vdcと、それに対する指令値Vdcrを
供給され、同期回転座標系における電流信号Id,Iq
に対する指令値Idr,Iqrを生成する指令値生成手
段である。この他、必要に応じて、Idr,Iqrを図
示しない要素から指令する。119は、逆相の同期回転
座標系における信号Indに対する指令値Indrとし
て値0を出力する指令値生成手段であり、120は、逆
相の同期回転座標系における信号Inqに対する指令値
Inqrとして値0を出力する指令値生成手段である。
この他、必要に応じて、Indr,Inqrの指令値が
0以外でも与えられる。
【0101】121は、指令値生成手段118他により
生成された指令値Idrと同期回転座標変換部116に
より変換された信号Idとを比較し、その比較結果に応
じた値を出力する電流成分制御手段(制御信号演算手
段)である。122は、同期回転座標変換部116によ
り変換された信号Idに正相リアクタンスに対応する値
Xpを乗じ、さらに−1を乗じた値を出力する係数手段
である。なお、−1の係数に代えて、後述の加減算手段
130で符号反転してもよいのはいうまでもない。次下
同様である。
【0102】123は、指令値生成手段118他により
生成された指令値Iqrと同期回転座標変換部116に
より変換された信号Iqとを比較し、その比較結果に応
じた値を出力する電流成分制御手段(制御信号演算手
段)である。124は、同期回転座標変換部116によ
り変換された信号Iqに正相リアクタンスに対応する値
Xpを乗じた値を出力する係数手段である。
【0103】125は、指令値生成手段119他により
生成された指令値Indr(例えば=0)と同期回転座
標変換部117により変換された信号Indとを比較
し、その比較結果に応じた値を出力する電流成分制御手
段(制御信号演算手段)である。Indr=0の場合、
比較は不要で、Indが負帰還される訳である。126
は、同期回転座標変換部117により変換された信号I
ndに逆相リアクタンスに対応する値Xnを乗じ、さら
に−1を乗じた値を出力する係数手段である。もちろ
ん、−1の係数を乗じずに、後述の加減算手段132で
符号を変えてもよい。
【0104】127は、指令値生成手段120他により
生成された指令値Inqr(例えば=0)と同期回転座
標変換部117により変換された信号Inqとを比較
し、その比較結果に応じた値を出力する電流成分制御手
段(制御信号演算手段)である。128は、同期回転座
標変換部117により変換された信号Inqに逆相リア
クタンスに対応する値Xnを乗じた値を出力する係数手
段である。
【0105】129は、同期回転座標変換部114によ
り変換された信号Vdと、電流成分制御手段121の出
力値と、係数手段124の出力値との和を計算し、その
計算結果を同期回転座標系のd軸における電圧指令値V
cdrとして出力する加減算手段である。130は、同
期回転座標変換部114により変換された信号Vqと、
電流成分制御手段123の出力値と、係数手段122の
出力値との和を計算し、その計算結果を同期回転座標系
のq軸における電圧指令値Vcqrとして出力する加減
算手段である。
【0106】131は、電流成分制御手段125の出力
値と、係数手段128の出力値との和を計算し、その計
算結果を逆相の同期回転座標系のd軸における電圧指令
値Vcndrとして出力する加減算手段である。132
は、電流成分制御手段127の出力値と、係数手段12
6の出力値との和を計算し、その計算結果を逆相の同期
回転座標系のq軸における電圧指令値Vcnqrとして
出力する加減算手段である。
【0107】133は、加減算手段129,130から
の電圧指令値Vcdr,Vcqrを交流電力系統1Aの
位相θだけ回転させた後、回転後の2軸成分を三相成分
Vcpに変換する三相変換部(変換手段)である。13
4は、加減算手段131,132からの電圧指令値Vc
ndr,Vcnqrを交流電力系統1Aの位相θだけ三
相変換部133とは逆方向に回転させた後、その回転後
の2軸成分を三相成分Vcnに変換する三相変換部(変
換手段)である。135は、三相変換部133により変
換された三相成分Vcpと、三相変換部134により変
換された逆相に対する三相成分Vcnとをそれぞれ相ご
とに加算して、算出した値Vcrefを制御信号として
変換器103に出力する合成手段である。
【0108】次に動作について説明する。まず、電圧値
検出手段28が、交流電力系統1Aを変圧器の1次巻線
101に接続する連系線路の電圧値を検出し、その電圧
値を示す三相電圧信号を三相/二相変換部113に出力
し、電流値検出手段29が、その連系線路を流れる電流
の値を検出し、その電流値を示す三相電流信号を三相/
二相変換部115に出力する。
【0109】三相/二相変換部113は、電圧値検出手
段28により検出された三相電圧信号を二相の電圧信号
Vα,Vβに変換し、同期回転座標変換部114は、そ
の二相電圧信号Vα,Vβを同期回転座標系における信
号Vd,Vqに変換した後、信号Vdを加減算手段12
9に出力し、信号Vqを加減算手段130に出力する。
【0110】一方、三相/二相変換部115は、電流値
検出手段29により検出された三相電流信号を二相の電
流信号Iα,Iβに変換し、同期回転座標変換部116
は、その二相電流信号Iα,Iβを同期回転座標系にお
ける信号Id,Iqに変換した後、信号Idを電流成分
制御手段121および係数手段122に出力し、信号I
qを電流成分制御手段123および係数手段124に出
力する。また、同期回転座標変換部117は、二相電流
信号Iα,Iβを逆相の同期回転座標系における信号I
nd,Inqに変換した後、信号Indを電流成分制御
手段125および係数手段126に出力し、信号Inq
を電流成分制御手段127および係数手段128に出力
する。
【0111】さらに、指令値生成手段118は、電力系
統1B又は、変換器103内の直流電圧Vdcと、それ
に対する指令値Vdcrを供給され、同期回転座標系に
おける電流信号Id,Iqに対する指令値Idr,Iq
rを生成した後、指令値Idrを電流成分制御手段12
1に出力し、指令値Iqrを電流成分制御手段123に
出力する。必要に応じて、Idr,Iqrに他からの電
流指令を加え得る。指令値生成手段119は、逆相の同
期回転座標系における信号Indに対する指令値Ind
rとして値0を電流成分制御手段125に出力し、指令
値生成手段120は、逆相の同期回転座標系における信
号Inqに対する指令値Inqrとして値0を電流成分
制御手段127に出力する。必要に応じて、Indr,
Inqrに他から逆相電流指令を加え得る。
【0112】そして、電流成分制御手段121は、指令
値Idrと信号Idとを比較し、その比較結果に応じた
値を加減算手段129に出力し、係数手段124は、信
号Iqに正相リアクタンスに対応する値Xpを乗じた値
を加減算手段129に出力し、加減算手段129は、信
号Vdと、電流成分制御手段121の出力値と、係数手
段124の出力値との和を計算し、その計算結果を同期
回転座標系のd軸における電圧指令値Vcdrとして三
相変換部133に出力する。
【0113】また、係数手段122は、信号Idに正相
リアクタンスに対応する値Xpを乗じ、さらに−1を乗
じた値を加減算手段130に出力し、電流成分制御手段
123は、指令値Iqrと信号Iqとを比較し、その比
較結果に応じた値を加減算手段130に出力し、加減算
手段130は、信号Vqと、電流成分制御手段123の
出力値と、係数手段122の出力値との和を計算し、そ
の計算結果を同期回転座標系のq軸における電圧指令値
Vcqrとして三相変換部133に出力する。
【0114】同様に、電流成分制御手段125は、指令
値Indrと信号Indとを比較し、その比較結果に応
じた値を加減算手段131に出力し、係数手段128
は、信号Inqに逆相リアクタンスに対応する値Xnを
乗じた値を加減算手段131に出力し、加減算手段13
1は、電流成分制御手段125の出力値と、係数手段1
28の出力値との和を計算し、その計算結果を逆相の同
期回転座標系のd軸における電圧指令値Vcndrとし
て三相変換部134に出力する。
【0115】また、係数手段126は、信号Indに逆
相リアクタンスに対応する値Xnを乗じ、さらに−1を
乗じた値を加減算手段132に出力し、電流成分制御手
段127は、指令値Inqrと信号Inqとを比較し、
その比較結果に応じた値を加減算手段132に出力し、
加減算手段132は、電流成分制御手段127の出力値
と、係数手段126の出力値との和を計算し、その計算
結果を逆相の同期回転座標系のq軸における電圧指令値
Vcnqrとして三相変換部134に出力する。
【0116】そして、三相変換部133は、電圧指令値
Vcdr,Vcqrを交流電力系統1Aの位相θだけ回
転させた後、回転後の2軸成分を三相成分Vcpに変換
し、三相変換部134は、電圧指令値Vcndr,Vc
nqrを交流電力系統1Aの位相θだけ三相変換部13
3とは逆方向に回転させた後、その回転後の2軸成分を
三相成分Vcnに変換する。合成手段135は、三相変
換部133により変換された三相成分Vcpと、三相変
換部134により変換された逆相に対する三相成分Vc
nとをそれぞれ相ごとに加算して、算出した値Vcre
fを制御信号として変換器103に出力する。変換器1
03は、その制御信号に基づいて動作する。
【0117】このようにして、交流電力系統1Aの電圧
値および電流値が検出され、同期回転座標系において所
定の指令値Idr,Iqr,Indr,Inqrと比較
され、その比較結果に基づいて変換器103が制御され
る。
【0118】なお、正相の同期回転座標系における制御
は、正相および逆相が混在する同期回転座標系における
信号Vd,Vq,Id,Iqに基づいて実行されてい
る。そのうちの信号Vd,Vqについては、三相変換部
133により、三相/二相変換部113および同期回転
座標変換部114の変換の逆変換が実行されるので、信
号Vd,Vqに対応する三相成分として電圧値検出手段
28により検出された三相電圧信号がVcrefにおい
て再現されている。
【0119】また、信号Id,Iqには、前述従来の脈
動成分が含まれるが電流成分制御手段121および電流
成分制御手段123のゲインを増加させることにより、
本来の信号成分に対する脈動成分の大きさを小さくする
ことができる。この脈動成分を小さくすることにより、
電流値が正確に制御され、逆相成分の電流が抑制され
る。
【0120】さらに、信号Ind,Inqに対する制御
系、例えば電流成分制御手段125,127に積分制御
を含めることにより、指令値Indr,InqrとIn
d,Inqとの定常誤差を低減することができ、より正
確に逆相成分の電流値Ind,Inqが制御される。
【0121】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、同期回転座標系への座標変換後の信号を所定の時間
だけ遅延させ、変換後の信号と、遅延後の信号とを合成
させることにより座標変換後の脈動成分を低減するよう
にしたので、逆相成分の電流値に含まれる脈動成分が低
減され、電力系統を正確に制御することができるという
効果が得られる。
【0122】また、正相の同期回転座標系における制御
を、正相と逆相を分離する処理をせずに、正相および逆
相が混在する同期回転座標系における信号に基づいて実
行するようにしたので、制御における応答速度を向上す
ることができるという効果が得られる。この時、正相側
の高応答速度の制御を優先させることができ、逆相分の
制御系は応答が遅いが高精度に制御される。特に、逆相
分の指令値Indr,Inqrを「0」にしておけば、
正相側制御と逆相側制御の干渉が軽減される。なお、本
発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他
の装置にも適用可能である。
【0123】実施の形態7.図16は、この発明の実施
の形態7による電力変換装置を示す構成図である。図1
6において、1はこの電力変換装置が接続された3相の
交流電力系統(第1の電力系統)であり、2は1次巻線
と2次巻線により構成される変圧器であり、5はGTO
などのスイッチング素子を利用して交流直流間で電力変
換を実行する電力変換部であり、6は直流キャパシタで
あり、28は交流電力系統1を変圧器2に接続する連系
線路の電圧値を検出する電圧値検出手段であり、29は
連系線路を流れる電流の値を検出する電流値検出手段で
あり、200は電圧値検出手段28および電流値検出手
段29による検出値に基づいて電力変換部5を制御する
制御部(電流成分制御部)である。
【0124】26は電力変換部5に流入する直流電流の
値Idcを検出する直流電流値検出手段であり、27は
電力変換部5に接続される直流電力系統の直流電圧値V
dcを検出する直流電圧値検出手段である。制御部20
0において、20aは電圧値検出手段28により検出さ
れた電圧値から、直交する2軸(α,β)にそれぞれ対
応する正相成分Vpα,Vpβと逆相成分Vnα,Vn
βを演算し、それらの値を同期回転座標系(d,q)に
座標変換し、同期回転座標系における正相成分のd軸成
分Vpdとq軸成分Vpq、および同期回転座標系にお
ける逆相成分のd軸成分Vndとq軸成分Vnqを出力
する演算手段(2軸電圧ベクトル演算手段)である。
【0125】20bは電流値検出手段29により検出さ
れた電流値から、所定の2軸(α,β)にそれぞれ対応
する正相成分Ipα,Ipβと逆相成分Inα,Inβ
を演算し、それらの値を同期回転座標系(d,q)に座
標変換し、同期回転座標系における正相成分のd軸成分
Ipdとq軸成分Ipq、および同期回転座標系におけ
る逆相成分のd軸成分Indとq軸成分Inqを出力す
る演算手段(算出手段、分離手段)である。なお、本実
施の形態では、3相を2相(α,β軸)に座標変換した
後に同期回転座標系に座標変換しているが、3相から同
期回転座標系へ直接座標変換するようにしてもよい。
【0126】30は、演算手段20aにより演算された
正相成分Vpα,Vpβと、演算手段20bにより演算
された正相成分Ipα,Ipβと、電力変換部5に接続
された直流電力系統の直流電圧Vdcと、電力変換部5
に流入する直流電流Idcとに基づいて、同期回転座標
系における正相成分のd軸成分とq軸成分Ipd,Ip
qおよび逆相成分のd軸成分とq軸成分Ind,Inq
に対応する指令値Ipdr,Ipqr,Indr,In
qrを生成する指令値生成手段である。
【0127】21a〜21dは、演算手段20bにより
出力された電流成分Ipd,Ipq,Ind,Inq
と、指令値生成手段30により出力された電流指令値I
pdr,Ipqr,Indr,Inqrとをそれぞれ比
較し、その比較結果を加減算手段23a,23b,23
c,23dにそれぞれ出力する電流成分制御手段(制御
信号演算手段)である。
【0128】22aは、演算手段20bにより出力され
た正相成分のd軸成分Ipdに正相リアクタンスに対応
する値Xpを乗ずる係数手段であり、22bは、演算手
段20bにより出力された正相成分のq軸成分Ipqに
正相リアクタンスに対応する値Xpを乗ずる係数手段で
ある。
【0129】22cは、演算手段20bにより出力され
た逆相成分のd軸成分Indに逆相リアクタンスに対応
する値Xnを乗ずる係数手段であり、22dは、演算手
段20bにより出力された逆相成分のq軸成分Inqに
逆相リアクタンスに対応する値Xnを乗ずる係数手段で
ある。
【0130】23aは、演算手段20aより出力された
正相成分のd軸成分Vpdと、電流成分制御手段21a
の出力値と、係数手段22bの出力値との和を計算し、
制御信号の正相成分のd軸成分Vpdiとして出力する
加減算手段である。23bは、演算手段20aより出力
された正相成分のq軸成分Vpqと、電流成分制御手段
21bの出力値との和から、係数手段22aの出力値を
減算した値を計算し、制御信号の正相成分のq軸成分V
pqiとして出力する加減算手段である。
【0131】23cは、演算手段20aより出力された
逆相成分のd軸成分Vndと、電流成分制御手段21c
の出力値との和から、係数手段22dの出力値を減算し
た値を計算し、制御信号の逆相成分のd軸成分Vndi
として出力する加減算手段である。23dは、演算手段
20aより出力された逆相成分のq軸成分Vnqと、電
流成分制御手段21dの出力値と、係数手段22cの出
力値との和を計算し、制御信号の逆相成分のq軸成分V
nqiとして出力する加減算手段である。
【0132】24aは、加減算手段23a,23bから
の制御信号の正相成分Vpdi,Vpqiを交流電力系
統1の位相θだけ回転させた後、回転後の2軸(α,β
軸)成分を3相成分Vpai,Vpbi,Vpciに変
換する変換手段である。なお、他の方法としては、図1
9に示すように3相成分Vpai,Vpbi,Vpci
に直接変換するようにしてもよい。24bは、加減算手
段23c,23dからの制御信号の逆相成分Vndi,
Vnqiを交流電力系統1の位相θだけ正相成分とは逆
方向に回転させた後、その回転後の2軸(α,β軸)成
分を3相成分Vnai,Vnbi,Vnciに変換する
変換手段である。
【0133】25a,25bおよび25cは、変換手段
24aにより変換された正相成分の3相成分Vpai,
Vpbi,Vpciと、変換手段24bにより変換され
た逆相成分の3相成分Vnai,Vnbi,Vnciと
をそれぞれ加算して、算出された値Vai,Vbi,V
ciを制御信号としてそれぞれ電力変換部5に出力する
加算手段である。なお、変換手段24a,24bと加算
手段25a〜25cは、加減算手段23a〜23dから
の信号から3相の制御信号Vai,Vbi,Vciを生
成する回路220を構成するが、この回路220の構成
は、特に本実施の形態に示すように限定されるものでは
なく、同一の変換機能を有する他の回路構成としてもよ
い(例えば、図27の演算手段15を使用してもよ
い)。
【0134】46は、演算手段20aにより演算された
電圧値の正相成分Vpα,Vpβを基準信号として、ベ
クトル(Vpα,Vpβ)の回転角を交流電力系統1の
電圧の位相θとして出力するPLL(Phase Locked Loo
p )回路などの位相算出手段である。
【0135】図17は、図16の演算手段20aの詳細
な構成を示すブロック図である。なお、演算手段20b
も同様に構成され、電圧値に代えて電流値を入力すれば
よい。図において、41は、電圧値検出手段28により
検出された3相の電圧値Va,Vb,Vcを、直交する
2軸(α,β)に対応する成分Vα,Vβに変換する3
相−2相変換手段である。
【0136】42aおよび42dは、3相−2相変換手
段41により変換されたα軸成分Vαおよびβ軸成分V
βの位相をそれぞれ90度遅らせる位相シフタであり、
42bおよび42cは、α軸成分Vαおよびβ軸成分V
βの位相をそれぞれ90度進める位相シフタである。
【0137】なお、例えば、位相シフタ42a,42d
は、入力された値を4分の1周期だけ遅延させて出力
し、位相シフタ42b,42cは、入力された値を4分
の1周期だけ遅延させた後、その値の符号を反転させた
値を出力することにより90度位相を進める。また、位
相シフタとして交流電力系統1の各周波数ωを積分係数
とする積分要素(ω/s、sはラプラス演算子)を利用
するようにしてもよい。
【0138】なお、図中の破線で示すように、位相シフ
タ42dの出力の符号を反転させた値を位相シフタ42
bの出力の代わりに加減算手段43aに入力して、位相
シフタ42bを省略するようにしてもよい。同様に、位
相シフタ42aの出力の符号を反転させた値を位相シフ
タ42cの出力の代わりに加減算手段43dに入力し
て、位相シフタ42cを省略するようにしてもよい。
【0139】43aは、3相−2相変換手段41より変
換されたα軸成分Vαと、位相シフタ42bにより位相
を90度進めたβ軸成分Vβとの和を計算し出力する加
減算手段である。43bは、3相−2相変換手段41よ
り変換されたβ軸成分Vβと、位相シフタ42aにより
位相を90度遅らせたα軸成分Vαとの和を計算し出力
する加減算手段である。
【0140】43cは、α軸成分Vαと、位相シフタ4
2dにより位相を90度遅らせたβ軸成分Vβとの和を
計算し出力する加減算手段である。43dは、β軸成分
Vβと、位相シフタ42cにより位相を90度進めたα
軸成分Vαとの和を計算し出力する加減算手段である。
【0141】44a,44b,44cおよび44dは、
加減算手段43a,43b,43c,43dの出力値を
それぞれ2分の1にし、それらの値を上述のVpα、V
pβ、Vnα、およびVnβとしてそれぞれ出力する係
数手段である。
【0142】45aは、α−β軸座標における正相成分
のベクトル(Vpα,Vpβ)を、式(5)に従って位
相θだけ正相の回転方向と同一の方向に回転させ、正相
の同期回転座標における正相成分Vpd,Vpqを生成
し出力するベクトル回転手段である。
【数7】
【0143】45bは、α−β軸座標における逆相成分
のベクトル(Vnα,Vnβ)を、式(6)に従って位
相θだけ逆相の回転方向に回転させ、逆相の同期回転座
標における逆相成分Vnd,Vnqを生成し出力するベ
クトル回転手段である。
【数8】 なお、位相シフタ42c,42d、加減算手段43c,
43d、係数手段44c,44dおよびベクトル回転手
段45bは、逆相座標変換手段として機能する。
【0144】図18は、図16の指令値生成手段30の
詳細な構成を示すブロック図である。図において、31
は所定の直流電圧指令値Vdcrと、直流電圧値検出手
段27により検出された直流電力系統の電圧値Vdcと
を比較し、正相成分のd軸成分の第1の電流指令値Ip
dr1を出力する指令値演算手段(直流電圧レギュレー
タ)である。32は所定の直流電流指令値Idcrと、
直流電流値検出手段26により検出された直流電流値I
dcとを比較し、正相成分のd軸成分の第2の電流指令
値Ipdr2を出力する指令値演算手段(直流電流レギ
ュレータ)である。
【0145】37は、演算手段20aにより演算された
正相成分の電圧値Vpα,Vpβと、演算手段20bに
より演算された正相成分の電流値Ipα,Ipβとから
正相成分の無効電力Qp(=Vpα×Ipβ−Vpβ×
Ipα)を算出する演算手段であり、38は、演算手段
20aにより演算された正相成分の電圧値Vpα,Vp
βから、正相成分の電圧値の絶対値|Vp|、すなわち
ベクトル(Vpα,Vpβ)の大きさを算出する絶対値
演算手段である。
【0146】34は、外部より供給される正相電圧指令
値Vprと、絶対値演算手段38により算出された正相
成分の電圧値の絶対値|Vp|との差に基づいて正相成
分のq軸成分(正相成分の無効電流)の第1の電流指令
値Ipqr1を計算し出力する指令値演算手段であり、
35は、外部より供給される正相無効電力指令値Qpr
と、演算手段37により算出された正相成分の無効電力
Qpとの差に基づいて正相成分のq軸成分(正相成分の
無効電流)の第2の電流指令値Ipqr2を計算し出力
する指令値演算手段である。
【0147】33は、外部より供給される選択信号S1
に応じて、上述の、d軸成分の第1の電流指令値Ipd
r1と第2の電流指令値Ipdr2とから利用目的によ
り入力する信号S1により選択してd軸成分の電流指令
値Ipdrとして出力するか、又は、信号S1に応じて
所定の割合で加重した第1の電流指令値Ipdr1と第
2の電流指令値Ipdr2の和を正相成分のd軸成分の
電流指令値Ipdrとして出力する指令値出力手段であ
る。36は、外部より供給される選択信号S2に応じ
て、上述の、q軸成分の第1の電流指令値Ipqr1と
第2の電流指令値Ipqr2とから利用目的により入力
する信号S2により選択してq軸成分の電流指令値Ip
qrとして出力するか、又は、信号S2に応じて所定の
割合で加重した第1の電流指令値Ipqr1と第2の電
流指令値Ipqr2との和を正相成分のq軸成分の電流
指令値Ipqrとして出力する指令値出力手段である。
【0148】39は逆相成分のd軸成分の電流指令値I
ndrとしてゼロを出力する指令値出力手段であり、4
0は逆相成分のq軸成分の電流指令値Inqrとしてゼ
ロを出力する指令値出力手段である。なお、指令値出力
手段39,40は、この電力変換装置の用途に応じて、
上述の手段31〜38と同様にして、演算手段20a,
20bにより計算された逆相成分Vnα,Vnβ,In
α,Inβから逆相成分の電流指令値を計算し出力する
ようにしてもよい。その他の、目的で外部よりそれらの
指令を与えてもよい。
【0149】図19は、図16の変換手段24aを示す
ブロック図である。図において、24aは、式(7)に
従って、d軸成分とq軸成分に分離された正相成分の電
圧指令値Vpdi,Vpqiを、3相の各相に対応する
正相成分の電圧指令値Vpai,Vpbi,Vpciに
変換する変換手段である。
【数9】
【0150】なお、変換手段24bも同様に、式(8)
に従って、d軸成分とq軸成分に分離された逆相成分の
電圧指令値Vndi,Vnqiを、3相の各相に対応す
る逆相成分の電圧指令値Vnai,Vnbi,Vnci
に変換する。又、正相分の計算法の式(8)を用いて、
θの符号を反転して入力すれば、変換手段24aの変換
式(8)を用い得る。
【数10】
【0151】図20は、この電力変換装置の制御系と等
価なユニティフィードバック制御系を示すブロック図で
ある。電流成分制御手段21a,21b,21c,21
dは、演算手段20bにより出力された電流成分Ip
d,Ipq,Ind,Inq(図中のI)と、指令値生
成手段30により出力された電流指令値Ipdr,Ip
qr,Indr,Inqr(図中のIr)とをそれぞれ
比較し、その比較結果を出力する。
【0152】このとき、電流成分制御手段21a,21
b,21c,21dは、電流成分Iと電流指令値Irと
の差に所定の比例係数Kpを乗じた値と、電流成分Iと
電流指令値Irとの差の積分値に式(9)で表される条
件式を満たす積分係数Kiを乗じた値との和を出力す
る。 Ki≦(1/30)×KP2 ×G/L ・・・(9) ただし、Gは、交流電力系統1の電圧に対して電力変換
部5が発生する電圧と、同電力変換部5に入力される制
御信号Viの電圧との比で、電力変換部5および変圧器
の合成ゲインである。Lは、変圧器2の1次巻線3に発
生する電力変換部5の内部発生電圧から交流電力系統1
を見た変圧器を含む回路インダクタンスである。
【0153】なお、比例係数Kpは、この電力変換装置
に要求される目標応答周波数ωcに応じて設定される。
すなわち、積分係数Kiをゼロとしたときの、図20に
示す制御系の開ループゲインが1になるクロスオーバ周
波数を目標応答周波数ωcとするので、式(10)の関
係から、比例係数Kpは、式(11)に従って設定され
る。 ωc=Kp×G/L ・・・(10) Kp=ωc×L/G ・・・(11)
【0154】次に動作について説明する。制御部200
の演算手段20aは電圧値検出手段28により検出され
た電圧値から、直交する2軸(α軸,β軸)にそれぞれ
対応する正相成分Vpα,Vpβと逆相成分Vnα,V
nβを演算し、それらの値を同期回転座標系(d,q)
に座標変換し、同期回転座標系における正相成分のd軸
成分Vpdとq軸成分Vpq、および同期回転座標系に
おける逆相成分のd軸成分Vndとq軸成分Vnqを出
力する。すなわち、演算手段20aは、まず、3相−2
相変換手段41により、電圧値検出手段28により検出
された3相の電圧値Va,Vb,Vcを、直交する2軸
(α,β)に対応する成分Vα,Vβへ変換する。
【0155】次に、演算手段20aは、位相シフタ42
a〜42d、加減算手段43a〜43d、および係数手
段44a〜44dにより、各成分Vα,Vβをそれぞれ
正相成分Vpα,Vpβと逆相成分Vnα,Vnβに分
離する。
【0156】そして、演算手段20aは、ベクトル回転
手段45a,45bにより、α−β軸座標における正相
成分のベクトル(Vpα,Vpβ)を、式(5)に従っ
て位相θだけ正相の回転方向と同一の方向に回転させ、
同期回転座標における正相成分Vpd,Vpqを生成し
出力する。これとともに、α−β軸座標における逆相成
分のベクトル(Vnα,Vnβ)を、式(6)に従って
位相θだけ逆相の回転方向と同一の方向に回転させ、同
期回転座標における逆相成分Vnd,Vnqを生成し出
力する。
【0157】このようにして、演算手段20aは、同期
回転座標系における正相成分のd軸成分Vpdとq軸成
分Vpq、および、同期回転座標系における逆相成分の
d軸成分Vndとq軸成分Vnqを出力する。
【0158】また、同様にして、演算手段20bは、電
流値検出手段29により検出された電流値から、所定の
2軸(α軸,β軸)にそれぞれ対応する正相成分Ip
α,Ipβと逆相成分Inα,Inβを演算する。さら
に、それらの値を同期回転座標系(d−q軸座標)に座
標変換し、同期回転座標系における正相成分のd軸成分
Ipdとq軸成分Ipq、および、同期回転座標系にお
ける逆相成分のd軸成分Indとq軸成分Inqを出力
する。
【0159】次に、指令値生成手段30は、例えば、上
述の検出された電圧値の正相成分Vpα,Vpβや、検
出された電流値の正相成分Ipα,Ipβや、電力変換
部5に接続される直流電力系統の直流電圧Vdcや、電
力変換部5に流入する直流電流Idcなどに基づいて、
同期回転座標系における正相成分および逆相成分のd軸
成分とq軸成分Ipd,Ipq,Ind,Inqに対応
する電流指令値Ipdr,Ipqr,Indr,Inq
rを生成する。
【0160】すなわち、指令値生成手段30は、例え
ば、まず、指令値演算手段31により、所定の直流電圧
指令値Vdcrと、直流電圧値検出手段27により検出
された直流電力系統の電圧値Vdcとを比較して正相成
分のd軸成分の第1の電流指令値Ipdr1を計算す
る。又、指令値演算手段32により、所定の直流電流指
令値Idcrと、直流電流値検出手段26により検出さ
れた電流値Idcとを比較して第2の電流指令値Ipd
r2を計算する。さらに、外部より与えられる選択信号
S1に応じて、指令値出力手段33により、正相成分の
第1のd軸電流指令値Ipdrと第2のd軸電流指令値
Ipdr2とから選択又は加重平均するなどして、正相
成分のd軸成分の電流指令値Ipdrとして出力する。
【0161】一方、指令値生成手段30は、例えば、ま
ず、演算手段37により、演算手段20aにより演算さ
れた正相成分の電圧値Vpα,Vpβと、演算手段20
bにより演算された正相成分の電流値Ipα,Ipβと
から正相成分の無効電力Qpを算出する。さらに、絶対
値演算手段38により、正相成分の電圧値Vpα,Vp
βから、正相成分の電圧値の絶対値|Vp|を算出す
る。
【0162】そして、指令値生成手段30は、例えば、
指令値演算手段34により、外部から供給される正相電
圧指令値Vprと、絶対値演算手段38により算出され
た正相成分の電圧値の絶対値|Vp|との差に基づいて
正相成分のq軸成分の第1の電流指令値Ipqr1を計
算する。さらに、指令値演算手段35により、外部より
供給される正相無効電力指令値Qprと、演算手段37
により算出された正相成分の無効電力Qpとの差に基づ
いて第2の電流指令値Ipqr2を計算する。更に、指
令値出力手段36により、外部から供給される選択信号
S2に応じて、第1の電流指令値Ipqr1と第2の電
流指令値Ipqr2とから選択又は加重平均するなどし
て、正相成分のq軸成分の電流指令値Ipqrとして出
力する。
【0163】また、指令値生成手段30は、例えば、指
令値出力手段39により、逆相成分のd軸成分の電流指
令値Indrとしてゼロを出力するとともに、指令値出
力手段40により、逆相成分のq軸成分の電流指令値I
nqrとしてゼロを出力する。
【0164】このようにして、指令値生成手段30は、
各電流指令値Ipdr,Ipqr,Indr,Inqr
を出力する。なお、正相成分のd軸成分の電流指令値I
pdrを操作することにより、直流電圧および直流電流
が制御される。また、正相成分のq軸成分の電流指令値
Ipqを操作することにより、電力変換部5の出力電圧
や出力無効電力が制御される。
【0165】そして、電流成分制御手段21a〜21d
は、演算手段20bにより出力された電流成分Ipd,
Ipq,Ind,Inqと、指令値生成手段30により
出力された電流指令値Ipdr,Ipqr,Indr,
Inqrとをそれぞれ比較し、その比較結果をそれぞれ
加減算手段23a,23b,23c,23dに出力す
る。
【0166】一方、係数手段22a,22bは、演算手
段20bにより出力された電流の正相成分Ipd,Ip
qに正相リアクタンス分に対応する値Xpを乗じ、乗じ
た値を加減算手段23b,23aにそれぞれ出力する。
さらに、係数手段22c,22dは、演算手段20bに
より出力された電流の逆相成分Ind,Inqに逆相リ
アクタンス分に対応する値Xnを乗じ、加減算手段23
d,23cにそれぞれ出力する。
【0167】そして、加減算手段23aは、演算手段2
0aにより出力された電圧の正相成分のd軸成分Vpd
と、電流成分制御手段21aの出力値と、係数手段22
bの出力値との和を計算し、電圧制御信号の正相成分の
d軸成分Vpdiとして変換手段24aに出力する。さ
らに、加減算手段23bは、演算手段20aにより出力
された電圧の正相成分のq軸成分Vpqと、電流成分制
御手段21bの出力値との和から、係数手段22aの出
力値を減算した値を計算し、電圧制御信号の正相成分の
q軸成分Vpqiとして変換手段24aに出力する。
【0168】同様に、加減算手段23cは、演算手段2
0aにより出力された電圧の逆相成分のd軸成分Vnd
と、電流成分制御手段21cの出力値との和から、係数
手段22dの出力値を減算した値を計算し、電圧指令の
逆相成分のd軸成分Vndiとして変換手段24bに出
力する。さらに、加減算手段23dは、演算手段20a
により出力された電圧の逆相成分のq軸成分Vnqと、
電流成分制御手段21dの出力値と、係数手段22cの
出力値との和を計算し、電圧指令の逆相成分のq軸成分
Vnqiとして変換手段24bに出力する。
【0169】そして、変換手段24aは、式(7)など
に従って、加減算手段23a,23bからの電圧指令の
正相成分Vpdi,Vpqiを3相電圧指令(正相分)
Vpai,Vpbi,Vpciに変換する。さらに、変
換手段24bは、式(8)などに従って、加減算手段2
3c,23dからの電圧指令の逆相成分Vndi,Vn
qiを3相電圧指令(逆相分)Vnai,Vnbi,V
nciに変換する。
【0170】次に、加算手段25a,25b,25c
は、変換手段24aにより変換された正相成分の3相電
圧指令Vpai,Vpbi,Vpciと、変換手段24
bにより変換された逆相成分の3相電圧指令Vnai,
Vnbi,Vnciとをそれぞれ加算して、算出された
値Vai,Vbi,Vciを電圧指令信号Viとしてそ
れぞれ電力変換部5に出力する。
【0171】電力変換部5においては、例えば、ブリッ
ジ接続されたスイッチング素子が、供給された制御信号
に応答してスイッチングし、電力の変換が実行される。
この時、ON−OFF時間比やスイッチング位相などが
制御される。この点、周知なスイッチング制御手段が使
用可能である。
【0172】このようにして、この電力変換装置におい
ては、電力変換部5が制御部200により制御される。
【0173】次に、この電力変換装置の動作を電力系統
シミュレータによりシミュレーションした結果について
説明する。図21は、電力系統シミュレータによるシミ
ュレーションを説明する図である。シミュレーションと
して、正相成分の無効電流指令値Ipqrだけを供給
し、他の指令値をゼロとした状態において交流電力系統
1の1相に欠相が発生した場合(すなわち、1線が開放
した場合)における各箇所の電圧値または電流値の推移
を計算した。なお、シミュレーションに際しては、電力
変換部5の相数が十分多く、かつPWM変調のキャリア
周波数が十分高いものとした。
【0174】図22は、シミュレーションにより計算さ
れた各箇所の電圧値および電流値の推移を示す図であ
る。図22(a)は、変圧器2の交流電力系統1側の相
電圧Vsの推移を示す図であり、図22(b)は、変圧
器2の電力変換部5側の対地線電圧Viの推移を示す図
であり、図22(c)は、交流電力系統1の線電流Is
の推移を示す図である。図22(d)は、電力変換部5
の変圧器2側への線電流Iiの推移を示す図であり、図
22(e)は、変圧器2の中性線電流Ioの推移を示す
図であり、図22(f)は、電力変換部5の直流電力系
統側の電流Idcの推移を示す図である。
【0175】欠相が発生した場合、欠相が発生した相の
線電圧が上昇する(図22(a)参照)。このとき、欠
相が発生した相の送電流はゼロになる(図22(c)参
照)。
【0176】今の場合、変圧器2の1次巻線と2次巻線
がスター・デルタ結線されているので、変圧器2の電力
変換部5側の対地線電圧Viのうちの2相の電圧が上昇
する(図22(b)参照)。このとき、電力変換部5の
出力電流Iiは、平衡3相電流のままである(図22
(d)参照)。すなわち、正相成分の電流のみが流れ、
逆相成分の電流が抑制されていることがわかる。ただ
し、交流電力系統1の1相が欠相しているので、変圧器
2の1次巻線3には、中性線電流Ioが発生する(図2
2(e)参照)。また、逆相成分の電流の発生が抑制さ
れているので、正相成分の電圧と電流の積である電力が
ほぼ一定に維持され、かつ正相成分の電流と逆相成分の
電圧の積である電力がほぼゼロに抑制される。したがっ
て、電力変換部5からの瞬時電力が欠相前後でほぼ一定
に保たれる。
【0177】このように、電力変換部5は、欠相時にも
ほとんど擾乱を受けることなく、交流電力系統1の不平
衡に対して良好な動作特性を有することがわかる。ま
た、従来の電力変換装置で不平衡電圧時に発生していた
直流電力系統における直流電流および直流電圧の倍周波
脈動が抑制されるとともに、電力変換部5の出力電圧お
よび出力電流に発生していた交流電力系統1における3
相交流の3倍の周波数の高調波が抑制されることがわか
る。
【0178】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、交流電力系統1へ出力される線電流の4つの成分I
pd,Ipq,Ind,Inqに対して、それぞれフィ
ードバック制御を実施しているので、各種誤差要因の影
響を抑制し、交流電力系統1への線電流を正確に指令値
に設定することができる効果が得られる。
【0179】また、交流電力系統1の線電圧から導出し
た正相成分のd軸成分Vpdおよびq軸成分Vpq、並
びに逆相成分のd軸成分Vndおよびq軸成分Vnqに
基づいて、電力変換部5に供給する制御信号を生成して
いるので、交流電力系統1の電圧変動や不平衡に起因し
て電力変換部5の出力電流が不平衡になることを抑制す
ることができるという効果が得られる。
【0180】さらに、電流指令値ではなく、検出した3
相の線電流から導出した正相成分のd軸成分Ipdおよ
びq軸成分Ipq、並びに逆相成分のd軸成分Indお
よびq軸成分Inqに基づいて回路リアクタンス分の電
圧を計算しているので、電流の各成分による回路リアク
タンス分の電圧を正確に計算することができ、すなわ
ち、回路リアクタンス分の電圧をd軸成分およびq軸成
分に正確に分離することができ、正確な制御信号を電力
変換部5に供給することができるという効果が得られ
る。
【0181】さらに、電流成分制御手段21a,21
b,21c,21dにおいて、式(9)で表される条件
式を満たす値を積分係数Kiに設定するようにしたの
で、PWM変調やスイッチング素子のスイッチング動作
に起因した無駄時間要素により劣化する制御系の位相特
性を改善することができ、応答時間を短縮することがで
きるという効果が得られる。すなわち、同一の比例係数
Kpのもとで、安定性をより高くすることができる。換
言すれば、同一安定性の下ではKpを大きくでき、応答
速度を高くできる。
【0182】なお、従来の装置においては、積分係数K
iはステップ応答におけるオーバシュート量を最適にす
るように式(12)に従って設定されていたが、そのよ
うに設定した場合、十分な応答速度又は安定性が得られ
ないため、この実施の形態7の電力変換装置において
は、上述のように式(8)に従って設定することが好ま
しい。 Ki=(1/10〜1/5)×KP2 ×G/L ・・・(12)
【0183】さらに、この実施の形態7における演算手
段20aにおいては、検出した電圧および電流を正相成
分と逆相成分とにそれぞれ分離した後に、それらの正相
成分および逆相成分を同期回転座標系に変換しているの
で、正相成分と逆相成分とに分離せずに同期回転座標系
に変換したときに発生する、交流電力系統1の周波数に
対して2倍の周波数の脈動の発生を抑制できる。従っ
て、上記2倍の周波数の脈動をカットするフィルタを使
用する必要が無くなるので、このフィルタに起因して発
生する位相遅れをなくすことができ、制御系の位相特性
をより良好にすることができるという効果がある。
【0184】さらに、位相算出手段46により、電圧値
の正相成分Vpα,Vpβに基づいて交流電力系統1の
電圧の位相θを計算しているので、正相成分と逆相成分
とが混在する電圧値に基づいて計算された電圧位相より
正確に交流電力系統1の電圧の位相θを計算することが
できるという効果が得られる。
【0185】さらに、指令値生成手段30から、逆相成
分のd軸成分およびq軸成分の電流指令値としてゼロを
それぞれ出力するようにしたので、逆相電流がゼロに制
御され、電圧が不平衡である場合においても、逆相電流
の発生が抑制され、被検出線路の電流が平衡状態に保た
れるという効果が得られる。また、従来の2軸電流制御
系では、電圧が不平衡である場合、不平衡電流や過電流
が流れることがあるが、これらの電流の発生が抑制され
るという効果が得られる。すなわち、逆相電流指令値を
ゼロに設定することにより、電流は正相成分の比率が高
くなり、逆相電流と正相電圧による電力の瞬時値はゼロ
に近づくとともに、正相電流と正相電圧とによる瞬時電
力値が脈動しないので、これらの電力の合成した電力瞬
時値における脈動の発生を抑制することができる。さら
に、上述のシミュレーションの結果からもわかるよう
に、交流電力系統1側の瞬時値と直流電力系統側の瞬時
値は同一であるので、直流電流の脈動の発生も抑制する
ことができる。したがって、直流電力系統に設けられて
いる直流キャパシタ6の所要静電容量を軽減できる。
【0186】実施の形態8.図23は、この発明の実施
の形態8による電力変換装置における変圧器2と電力変
換部5を示す構成図である。図において、2は、1相に
対して2つの巻線が直列に接続され、それらがスター結
線された1次巻線3a,3bと、1次巻線3aの各相の
それぞれ一方の巻線に対応してスター結線された2次巻
線4aと、1次巻線3aの各相のそれぞれ他方の巻線に
対応してデルタ結線された2次巻線4bと、1次巻線3
bの各相のそれぞれ一方の巻線に対応してスター結線さ
れた2次巻線4cと、1次巻線3bの各相のそれぞれ他
方の巻線に対応してデルタ結線された2次巻線4dとを
有する変圧器である。さらに、変圧器2における2次巻
線4c,4dには移相巻線4sが設けられている。
【0187】5は、2次巻線4a〜4dに接続された電
力変換器5a〜5dを有する24相の電力変換部であ
る。電力変換器5a,5bの直流端子は並列に接続さ
れ、電力変換器5c,5dの直流端子は並列に接続さ
れ、電力変換器5a,5bの直流端子と電力変換器5
c,5dの直流端子は直列に接続されている。
【0188】なお、変圧器2の2次巻線4c,4dは、
24相を形成して電力変換する電力変換器5a〜5dの
運転位相差に対応して2次巻線4a,4bと15度の位
相差がある。この場合、各電力変換器の電力が均一とな
り、電力変換器5a,5bに流入する夫々の直流電流が
互に等しくなる。又、電力変換器5c,5dに流入する
夫々の直流電流も互に等しくなる。さらに、直流端子が
直列接続されているので、電力変換器5a,5bの直流
電流の和と電力変換器5c,5dの直流電流の和が等し
くなるのは当然である。この時、各電力変換器の電力が
上述の通り均一なので、直流電圧も均一になる。即ち直
流電圧のバランス特性も良好となる。なお、その他の構
成要素は、実施の形態7のものと同様であるので、その
説明を省略する。
【0189】次に動作について説明する。電力変換器5
a〜5dは24相で電力変換を行い、各相の電圧および
電流を2次巻線4a〜4dに出力する。変圧器2の2次
巻線4a〜4dから1次巻線3a,3bに電力が伝達さ
れる際に、24相の電圧および電流は3相に変換され
る。
【0190】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、電力変換器5a,5bと電力変換器5c,5dとを
単に直列に接続しただけでも、電力変換器5a,5bに
印加される直流電圧と電力変換器5c,5dに印加され
る直流電圧が不平衡になるなどの問題が特に生じず、さ
らに、変圧器2の1次巻線3a,3bが並列に接続され
ているので、電力変換器5a,5bに印加される直流電
圧と電力変換器5c,5dに印加される直流電圧が不平
衡になることが抑制されるという効果が得られる。
【0191】したがって、交流電力系統1が不平衡にな
ったときでも、電力変換器5a,5bに印加される直流
電圧と電力変換器5c,5dに印加される直流電圧は平
衡のままになる。このように、直列に接続された電力変
換器に印加される直流電圧が平衡に保たれるので、この
電力変換装置は自励式直流送電への利用に適している。
【0192】さらに、変圧器2の2次巻線4a〜4dの
うち、直流電圧の低圧側に接続される変換器がつながる
2次巻線4c,4dに移相巻線4sを付加した。従っ
て、高電圧側に対しては、絶縁が容易な単純スター・デ
ルタ巻線とし、絶縁上面倒な移相巻線4sは直流低電圧
側に形成することができる。このため、夫々の絶縁協調
が取り易いので、高電圧になる直流送電に適している。
【0193】実施の形態9.図24は、この発明の実施
の形態9による電力変換装置を示す構成図である。図に
おいて、61は、不平衡になる場合がある例えば交流電
気鉄道やアーク電気炉などの負荷であり、62は、負荷
61に流入する電流ILを検出する電流値検出手段であ
り、63は、電流値検出手段62により検出された負荷
61に流入する電流値ILから、逆相成分のd軸成分I
ndLおよびq軸成分InqLを計算する演算手段であ
り、64a,64bは、供給された値の符号を反転した
値を出力する符号反転手段である。
【0194】29は、分岐点71から変圧器2までの連
系線路を流れる電流の値を検出する電流値検出手段であ
る。なお、この実施の形態9による電力変換装置におい
ては、制御部200の指令値生成手段30により生成さ
れた電流指令値を使用せず、符号反転手段64a,64
bなどより供給されたものを使用する。その他の構成要
素は、実施の形態8のものと同様であるので、その説明
を省略する。
【0195】次に動作について説明する。演算手段63
は、電流値検出手段62により検出された負荷61に流
入する電流値ILから、逆相成分のd軸成分IndLお
よびq軸成分InqLを計算し、符号反転手段64a,
64bにそれぞれ出力する。
【0196】符号反転手段64a,64bは、それぞれ
供給された逆相成分のd軸成分IndLおよびq軸成分
InqLの符号を反転させた値(−IndL,−Inq
L)をそれぞれ逆相成分のd軸成分の指令値Indrお
よびq軸成分の指令値Inqrとして制御部200に供
給する。
【0197】制御部200は、変圧器2に流入する電流
Iの逆相成分を、負荷61に流入する電流ILの逆相成
分の符号を反転させた値(−IndL,−InqL)に
制御する。
【0198】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、変圧器2に流入する電流Iの逆相成分は、負荷61
に流入する電流ILの逆相成分の符号を反転させた値に
制御されるので、負荷61と電力変換装置に流入する電
流の逆相成分が相殺される。このため、交流電力系統1
の電流Isの逆相成分がほぼゼロに抑制されるという効
果が得られる。
【0199】なお、この際、電流の正相成分の指令値I
pdr,Ipqrはゼロに設定しておく。このようにし
ておけば、この電力変換装置が正相成分による電力を消
費せずに済む。
【0200】また、他の目的で、直流電圧や交流電圧や
無効電力を制御する場合、実施の形態7と同様にして、
適宜、正相成分の指令値Ipdr,Ipqrを制御部2
00に供給するようにすればよい。
【0201】実施の形態10.図25は、この発明の実
施の形態10による電力変換装置を示す構成図である。
図において、65は、電流値検出手段62により検出さ
れた、負荷61に流入する電流ILから、正相成分のd
軸成分IpdLとq軸成分IpqLと計算し、正相成分
のd軸成分の指令値Ipdrおよびq軸成分の指令値I
pqrとして制御部200に供給する演算手段である。
なお、制御部200に供給される逆相成分のd軸成分の
指令値Indrおよびq軸成分の指令値Inqrは、ゼ
ロに設定しておく。
【0202】29は、負荷61への線路と変圧器2への
線路との分岐点71から交流電力系統1までの連系線路
を流れる電流の値を検出する電流値検出手段である。
【0203】なお、この実施の形態10による電力変換
装置においては、制御部200の指令値生成手段30に
より生成された電流指令値を使用せず、演算手段65な
どより供給されたものを使用する。その他の構成要素
は、実施の形態9のものと同様であるので、その説明を
省略する。
【0204】次に動作について説明する。演算手段65
は、電流値検出手段62により検出された負荷61に流
入する電流値ILから、正相成分のd軸成分IpdLお
よびq軸成分IpqLを計算し、正相成分のd軸成分の
指令値Ipdrおよびq軸成分の指令値Ipqrとして
制御部200に供給する。
【0205】制御部200は、分岐点71に流入する電
流Isの逆相成分をゼロに、分岐点71に流入する電流
Isの正相成分を、負荷61に流入する電流ILの正相
成分と同値(IpdL,IpqL)に制御する。
【0206】以上のように、この実施の形態10によれ
ば、分岐点71に流入する電流Isの逆相成分がゼロに
制御され、分岐点71に流入する電流Isの正相成分
が、負荷61に流入する電流ILの正相成分と同値に制
御される。従って、交流電力系統1から負荷61および
この電力変換装置に流入する電流Isの逆相成分を、合
計でほぼゼロに抑制することができるという効果が得ら
れる。
【0207】実施の形態11.図26は、この発明の実
施の形態11による電力変換装置を示す構成図である。
図において、2aは、電力系統(第1の電力系統)1a
と、例えば負荷61を含む負荷側電力系統(第2の電力
系統)1bとの間に直列に接続され、これらの電力系統
1a,1bとの連系線路に一次巻線2apが直列に挿入
され、かつ二次巻線2asが変換器用変圧器2の一次巻
線に接続される変圧器である。
【0208】28は、変圧器2aと負荷側電力系統1b
との間の線路の電圧値を検出する電圧値検出手段であ
り、29は、変圧器2aと負荷側電力系統1bとの間の
連系線路に流れる電流の値を検出する電流値検出手段で
ある。
【0209】66は、この電力変換装置の直流電力系統
側に接続された、例えば2次電池、超伝導エネルギー蓄
積装置、フライホイールエネルギー蓄積装置、電気二重
層電解キャパシタなどの電源装置である。なお、電源装
置66の代わりに他の直流電力系統を接続するようにし
てもよい。
【0210】なお、この実施の形態11による電力変換
装置においては、制御部200の指令値生成手段30に
より生成された電流指令値を使用せず、外部より供給さ
れたものを使用する。また、逆相成分の電流指令値In
dr,Inqrはゼロに設定しておく。その他の構成要
素は、実施の形態7のものと同様であるので、その説明
を省略する。
【0211】次に動作について説明する。通常運転時に
は、正相成分の電流指令値Ipdr,Ipqrに応じ
て、各電力系統1a,1bと電源装置66との間の電力
の授受が適宜実行される。一方、何らかの原因で、電力
系統1aと変圧器2aとの間の線路の電圧が不平衡にな
った場合、制御部200は、変圧器2aと負荷側電力系
統1bとの間の線路に流れる電流の逆相成分がゼロにな
るように電力変換部5を常時制御している。従って、事
故に起因して発生する電流の逆相成分がゼロとなるよう
電力変換部5が電圧を発生する。このとき、電力変換装
置により発生した電圧により、電力系統1aが発生する
逆相電圧が変圧器2aに発生する電圧の逆相成分により
打ち消される。このため、負荷側電力系統1b側の線路
の電圧は平衡に保たれる。
【0212】以上のように、この実施の形態11によれ
ば、電力系統1aと負荷側電力系統1bとの間に変圧器
2aを挿入し、変圧器2aと負荷側電力系統1bとの間
の線路の電圧値と電流値に基づいて制御することによ
り、負荷側電力系統1bでの不平衡電圧および不平衡電
流の発生を抑制することができるという効果が得られ
る。
【0213】なお、実施の形態7と同様に、図25およ
び図26に示すように実施の形態1,2を応用すること
ができることは言うまでもない。
【0214】実施の形態12.電力変換部5には、指令
電圧と、実際に出力される電圧、特に交流電力系統1に
向かって発生する電圧の基本波電圧との間に非線形性が
存在する場合が多い。例えばPWM変調に伴う非線形性
があり、基本波出力電圧を大きくするために変調度を高
くした場合には非線形特性としての出力電圧に飽和特性
が現れる。また、高調波を抑制する条件を満足しつつ基
本波出力電圧を変化させた場合にも非線形性が生じるこ
とがある。
【0215】図27および図28は、この発明の実施の
形態12による電力変換装置を示す構成図である。図2
7に示す電力変換装置は、上述の非線形性による影響を
低減するために実施の形態7による装置(図16)を改
良したものであり、同様に、図28に示す電力変換装置
は、実施の形態1による装置(図1)を改良をしたもの
である。
【0216】図27および図28において、47は回路
220から出力される各相電圧指令値Vi(Vai,V
bi,Vci)を受け取り、上述の非線形の関係に基づ
いて電圧指令値Viを補正した電圧指令値Vicを計算
し、その電圧指令値Vicを電力変換部5に供給する非
線形性補正手段である。この非線形性補正手段47は、
例えば変調による飽和特性に起因する非線形性が存在す
る場合、電圧指令値Viの振幅が大きいほど、実際に供
給される電圧指令値Vicが大きくなるように電圧指令
値Vicを計算し電力変換部5へ出力する。
【0217】また、複雑な非線形性の補正を実施する場
合には、この直流電圧Vdcと所望の交流電圧との関係
を予め計算したテーブルをROM(リードオンリーメモ
リ)などに格納しておき、その直流電圧の値に従って、
非線形性補正手段47が、出力すべき電圧VicをRO
Mから読み出して、出力するようにする。
【0218】以上のように、実施の形態12によれば、
電圧のフィードフォワード(正相分電圧および逆相分電
圧Vpd,Vpq,Vnd,Vnqの加減算手段23
a,23b,23c,23dへのフィードフォワード)
において、実際に電力変換部5が交流電力系統1に向か
って発生する電圧の基本波電圧に発生する誤差を低減す
ることができ、例えば系統事故時の過電流などの電流変
動を抑制することができるという効果が得られる。
【0219】なお、逆相電流を単にゼロに抑制すればよ
く、逆相電流の制御が不要な場合、逆相電流成分の電流
成分制御手段21c,21dを省略してもよい。その場
合においては、フィードフォワードされた逆相分電圧V
nd,Vnqに応じて、電力変換部5が交流電力系統1
に向かって発生する逆相電圧を交流電力系統の逆相電圧
に一致させるので、逆相電流がほぼゼロに抑制される。
【0220】また、この実施の形態12によれば、回路
220から出力される各相電圧指令値Viから、非線形
性を補正して計算した電圧指令値Vicを電力変換部5
に供給するようにしたので、指令値と実際の発生電圧値
との差を小さくすることができ、例えば系統事故時の過
電流などの電流変動が低減される効果が得られる。さら
に、逆相電流成分のフィードバック制御を実行しなくて
も逆相電流を抑制することができるので、回路を簡素化
することができるという効果が得られる。
【0221】さらに、PWM変調機能を非線形性補正手
段47に組み込み、電圧指令値Vicとして、電力変換
部5のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM変調
信号として、非線形性を考慮したパルス信号を供給する
ようにしてもよい。
【0222】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第1
の電力系統に出力されるか又は第1の電力系統から入力
される各相の電流値を検出する電流値検出手段と、電流
値検出手段により検出された電流値の交流成分を正相の
同期回転座標系に変換するとともに、その電流値の交流
成分のうちの逆相成分を同期回転座標系に変換し、変換
後の交流成分および逆相成分に基づいて、変換後の交流
成分を所定の指令値に追従させ、かつ逆相成分を抑制す
る制御信号を生成し、電力変換部へ出力する電流成分制
御部とを備えるようにしたので、電力系統の逆相成分を
抑制でき、電力系統間で良好に電力変換することができ
るという効果がある。
【0223】この発明によれば、電流成分制御部が、逆
相成分のうち、正相分の混入による逆相同期回転座標上
の逆相成分における倍周波成分を減衰した制御信号を生
成するように構成したので、簡単な装置構成で電力系統
の逆相成分を抑制でき、電力系統の正確な制御を可能に
するとともに、装置のコストを低減することができると
いう効果がある。
【0224】この発明によれば、電流成分制御部に、電
流値検出手段により検出された電流値の同期回転座標系
におけるd軸成分およびq軸成分を算出する同期回転座
標変換手段と、電流値検出手段により検出された交流電
流値の交流逆相分を算出し、その後この逆相分の同期回
転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出する逆
相座標変換手段と、同期回転座標系におけるd軸成分お
よびq軸成分並びに逆相分のd軸成分およびq軸成分
を、成分ごとに所定の電流成分指令値とそれぞれ比較
し、その比較結果を所定の伝達特性で出力する制御信号
演算手段と、制御信号演算手段により出力された同期回
転座標系に関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較
結果により構成される第1のベクトル、および逆相分に
関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により
構成される第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変
化する位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるとと
もに、第1の電力系統の各相に対応する制御信号にそれ
ぞれ変換し、電力変換部へ出力する変換手段とを備える
ようにしたので、逆相分の電流値を演算する演算回路の
構成を簡素化することができ、装置のコストを低減する
ことができるという効果がある。また、逆相分の電流の
演算回路による応答遅れや演算遅れを低減することがで
き、電流の負帰還系の遅れによる影響を低減することが
できるという効果がある。
【0225】この発明によれば、逆相成分に対応する電
流成分指令値をゼロに設定するようにしたので、第1の
電力系統へ出力、または第1の電力系統から入力される
逆相電流をゼロに制御することができ、その場合、正相
電圧と逆相電圧とによる電力の瞬時値がゼロになり、正
相電圧と正相電流とによる電力瞬時値に脈動が生じない
ので、電力の瞬時値の脈動の発生を抑制することができ
るという効果がある。さらに、電力変換部からみた第1
の電力系統側の瞬時電力と第2の電力系統側の瞬時電力
は常に等しいので、直流電力系統である第2の電力系統
側の直流電流の脈動の発生を抑制することができ、それ
に起因して、直流電力系統である第2の電力系統側に設
けられる平滑用の直流キャパシタを容量の小さいものに
することができる。
【0226】この発明によれば、直流電力系統である第
2の電力系統の電流値を検出する直流電流値検出手段
と、第2の電力系統の電圧値を検出する直流電圧値検出
手段と、直流電流値検出手段により検出された電流値と
直流電圧値検出手段により検出された電圧値とに基づい
て電流成分指令値を生成する指令値生成手段とを備える
ようにしたので、直流電力系統である第2の電力系統の
電圧および電流を良好な状態に保ちつつ、電力変換を実
行することができるという効果がある。
【0227】この発明によれば、交流電力系統の電圧を
検出する電圧値検出手段と、電圧値検出手段の検出出力
から正相方向の同期回転座標系におけるd軸成分とq軸
成分とからなる2軸電圧ベクトルを算出する2軸電圧ベ
クトル演算手段とを備え、2軸電圧ベクトルを第1のベ
クトルに加算するようにしたので、電力系統の電圧が不
平衡であるときにも、電流を検出され帰還制御されてい
る線路の逆相電流が抑制されるという効果がある。さら
に、電圧の正相成分および逆相成分の演算を省略するこ
とができるため、演算による応答遅延を低減することが
できるという効果がある。
【0228】この発明によれば、第1の電力系統に出力
されるか又は第1の電力系統から入力される各相の電流
値を検出する電流値検出手段と、電流値検出手段により
検出された電流値から、第1の電力系統における電流の
正相成分と逆相成分を算出する算出手段と、算出手段に
より算出された正相成分と逆相成分を、正相逆相それぞ
れの同期回転座標系におけるd軸成分とq軸成分とにそ
れぞれ分離する分離手段と、正相成分のd軸成分および
q軸成分並びに逆相成分のd軸成分およびq軸成分を、
各d軸成分およびq軸成分に対応する所定の電流成分指
令値とそれぞれ比較し、その比較結果を所定の伝達特性
で出力する制御信号演算手段と、制御信号演算手段によ
り出力された正相成分のd軸成分の比較結果とq軸成分
の比較結果により構成される同期回転座標系における第
1のベクトル、および逆相成分のd軸成分の比較結果と
q軸成分の比較結果により構成される同期回転座標系に
おける第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変化す
る位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるととも
に、第1の電力系統の各相に対応する制御信号にそれぞ
れ変換し、電力変換部へ出力する変換手段とを備えるよ
うにしたので、電力系統の電圧が不平衡である場合に
も、電力指令値に基づいて電流の逆相成分の発生を抑制
でき、電力系統間で良好に電力変換することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電力変換装置
を示す構成図である。
【図2】 第3の演算手段の詳細な構成例を示す図であ
る。
【図3】 実施の形態1における指令値生成手段の構成
例を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による電力変換装置
における演算手段を示す構成図である。
【図5】 移動平均値演算手段の構成例を示す図であ
る。
【図6】 移動平均値演算手段の構成の他の例を示す図
である。
【図7】 移動平均値演算手段の構成のさらに他の例を
示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による電力変換装置
を示す構成図である。
【図9】 実施の形態3における第5の演算手段を示す
構成図である。
【図10】 実施の形態4による(正相成分に対する)
同期回転座標変換装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 実施の形態4による(逆相成分に対する)
同期回転座標変換装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 脈動成分の低減について説明する図であ
る。
【図13】 図31の変換部に供給した指令値Xpd
r,Xpqr,Xndr,Xnqrと、正相および逆相
の同期回転座標系に変換された出力信号Xpd,Xp
q,Xnd,Xnqとを示す図である。
【図14】 実施の形態5による同期回転座標変換装置
の構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態6による電力変換装
置の構成を示すブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態7による電力変換装
置を示す構成図である。
【図17】 図16の演算手段の詳細な構成を示すブロ
ック図である。
【図18】 図16の指令値生成手段の詳細な構成を示
すブロック図である。
【図19】 図16の変換手段を示すブロック図であ
る。
【図20】 この電力変換装置の制御系と等価なユニテ
ィフィードバック制御系を示すブロック図である。
【図21】 電力系統シミュレータによるシミュレーシ
ョンを説明する図である。
【図22】 シミュレーションにより計算された各箇所
の電圧値および電流値の推移を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態8による電力変換装
置における変圧器と電力変換器を示す構成図である。
【図24】 この発明の実施の形態9による電力変換装
置を示す構成図である。
【図25】 この発明の実施の形態10による電力変換
装置を示す構成図である。
【図26】 この発明の実施の形態11による電力変換
装置を示す構成図である。
【図27】 この発明の実施の形態12による電力変換
装置を示す構成図である。
【図28】 この発明の実施の形態12による電力変換
装置を示す構成図である。
【図29】 従来の電力変換装置を示す構成図である。
【図30】 従来の同期回転座標変換装置を示すブロッ
ク図である。
【図31】 正相の同期回転座標系における信号に対す
る指令値Xpdr,Xpqrおよび逆相の同期回転座標
系における信号に対する指令値Xndr,Xnqrを三
相交流信号に変換する変換部を示すブロック図である。
【図32】 図31の変換部に供給した指令値Xpd
r,Xpqr,Xndr,Xnqrと、従来法により正
相および逆相の同期回転座標系に変換された従来法の出
力信号Xpdo,Xpqo,Xndo,Xnqoとを示
す図である。
【符号の説明】
1,1A 交流電力系統(第1の電力系統)、1a 電
力系統(第1の電力系統)、1b 負荷側電力系統(第
2の電力系統)、1B 電力系統(第2の電力系統)、
5 電力変換部、20a 演算手段(2軸電圧ベクトル
演算手段)、20b 演算手段(算出手段、分離手
段)、21a〜21d,121,123,125,12
7 電流成分制御手段(制御信号演算手段)、24a,
24b 変換手段、26 直流電流値検出手段、27
直流電圧値検出手段、28 電圧値検出手段、29 電
流値検出手段、30,30b 指令値生成手段、42
c,42d 位相シフタ(逆相座標変換手段)、43
c,43d 加減算手段(逆相座標変換手段)、44
c,44d 係数手段(逆相座標変換手段)、45a
ベクトル回転手段(同期回転座標変換手段)、45b
ベクトル回転手段(逆相同期回転座標変換手段)、46
a,46b 移動平均値演算手段、103 変換器(電
力変換部)、133,134 三相変換部(変換手
段)、200 制御部(電流成分制御部)、501d,
501q,502d,502q,504d,504q,
506d,506q 遅延信号合成部(遅延合成手
段)、503,505 座標変換部(同期回転座標変換
手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 大介 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 玉井 伸三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H007 AA07 AA12 CA05 CB00 DA05 DB02 DB12 DC02 DC04 DC05 EA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相の交流電力系統である第1の電力系
    統と所定の第2の電力系統との間に接続された電力変換
    部により前記第1の電力系統と前記第2の電力系統との
    間で電力を変換する電力変換装置において、 前記第1の電力系統に出力されるか又は前記第1の電力
    系統から入力される各相の電流値を検出する電流値検出
    手段と、 前記電流値検出手段により検出された電流値の交流成分
    を正相の同期回転座標系に変換するとともに、前記電流
    値の交流成分のうちの逆相成分を同期回転座標系に変換
    し、変換後の前記交流成分および前記逆相成分に基づい
    て、前記変換後の交流成分を所定の指令値に追従させ、
    かつ前記逆相成分を抑制する制御信号を生成し、前記電
    力変換部へ出力する電流成分制御部とを備えることを特
    徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 電流成分制御部は、逆相成分のうち、正
    相分の混入による逆相同期回転座標上の逆相成分におけ
    る倍周波成分を減衰した制御信号を生成することを特徴
    とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 【請求項3】 電流成分制御部は、 電流値検出手段により検出された電流値の同期回転座標
    系におけるd軸成分およびq軸成分を算出する同期回転
    座標変換手段と、 前記電流値検出手段により検出された交流電流値の交流
    逆相分を算出し、その後この逆相分の同期回転座標系に
    おけるd軸成分とq軸成分を導出する逆相座標変換手段
    と、 前記同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分並
    びに前記逆相分のd軸成分およびq軸成分を、成分ごと
    に所定の電流成分指令値とそれぞれ比較し、その比較結
    果を所定の伝達特性で出力する制御信号演算手段と、 前記制御信号演算手段により出力された同期回転座標系
    に関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果によ
    り構成される第1のベクトル、および前記逆相分に関す
    るd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により構成
    される第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変化す
    る位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるととも
    に、第1の電力系統の各相に対応する制御信号にそれぞ
    れ変換し、電力変換部へ出力する変換手段とを備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  4. 【請求項4】 電流成分制御部は、 電流値検出手段により検出された電流値の同期回転座標
    系におけるd軸成分およびq軸成分を算出する同期回転
    座標変換手段と、 前記電流値検出手段により検出された電流値の逆相方向
    の同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成分を算
    出する逆相同期回転座標変換手段と、 前記逆相同期回転座標変換手段の出力から、前記電流値
    のうちの逆相分の同期回転座標系におけるd軸成分およ
    びq軸成分として、この逆相分のd−q軸成分のそれぞ
    れの第1の電力系統の周波数に対応する周期の1/2の
    期間の移動平均値を計算する移動平均値演算手段と、 前記正相方向の同期回転座標におけるd軸成分およびq
    軸成分並びに前記逆相分のd軸成分およびq軸成分移動
    平均値を、成分ごとに所定の電流成分指令値とそれぞれ
    比較し、その比較結果を所定の伝達特性で出力する制御
    信号演算手段と、 前記制御信号演算手段により出力された前記同期回転座
    標系に関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果
    により構成される第1のベクトル、および前記逆相分に
    関するd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により
    構成される第2のベクトルを、所定の角速度に応じて変
    化する位相だけそれぞれ互いに逆方向に回転させるとと
    もに、前記第1の電力系統の各相に対応する制御信号に
    それぞれ変換し、電力変換部へ出力する変換手段とを備
    えることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  5. 【請求項5】 電流成分制御部は、 電流値検出手段により検出された電流値から同期回転座
    標系におけるd軸成分およびq軸成分を算出する同期回
    転座標変換手段と、 前記電流値検出手段により検出された電流値から第1の
    電力系統の電流の逆相成分の同期回転座標系におけるd
    軸成分およびq軸成分を算出する逆相同期回転座標変換
    手段と、 その逆相同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸成
    分を所定の時間だけ遅延させ、算出した前記逆相同期回
    転座標系におけるd軸成分およびq軸成分と、遅延させ
    た前記逆相同期回転座標系におけるd軸成分およびq軸
    成分とを成分ごとにそれぞれ合成する遅延合成手段と、 前記同期回転座標変換手段による前記d軸成分およびq
    軸成分並びに合成後の前記逆相成分のd軸成分およびq
    軸成分を、成分ごとに所定の電流成分指令値とそれぞれ
    比較し、その比較結果を所定の伝達特性で出力する制御
    信号演算手段と、 前記制御信号演算手段により出力された前記d軸成分の
    比較結果とq軸成分の比較結果により構成される前記同
    期回転座標系における第1のベクトル、および前記逆相
    成分のd軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により
    構成される前記逆相同期回転座標系における第2のベク
    トルを、所定の角速度に応じて変化する位相だけそれぞ
    れ互いに逆方向に回転させるとともに、前記第1の電力
    系統の各相に対応する制御信号にそれぞれ変換し、電力
    変換部へ出力する変換手段とを備えることを特徴とする
    請求項2記載の電力変換装置。
  6. 【請求項6】 逆相成分に対応する電流成分指令値をゼ
    ロに設定することを特徴とする請求項5記載の電力変換
    装置。
  7. 【請求項7】 第2の電力系統は直流電力系統であり、 前記第2の電力系統の電流値を検出する直流電流値検出
    手段と、 前記第2の電力系統の電圧値を検出する直流電圧値検出
    手段と、 前記直流電流値検出手段により検出された電流値と前記
    直流電圧値検出手段により検出された電圧値とに基づい
    て電流成分指令値を生成する指令値生成手段とを備える
    ことを特徴とする請求項3または請求項4項記載の電力
    変換装置。
  8. 【請求項8】 交流電力系統の電圧を検出する電圧値検
    出手段と、 前記電圧値検出手段の検出出力から正相方向の同期回転
    座標系におけるd軸成分とq軸成分とからなる2軸電圧
    ベクトルを算出する2軸電圧ベクトル演算手段とを備
    え、 前記2軸電圧ベクトルを第1のベクトルに加算すること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載の電力変換
    装置。
  9. 【請求項9】 多相の交流電力系統である第1の電力系
    統と、所定の第2の電力系統との間に接続され、スイッ
    チング素子からなる電力変換部を持ち前記第1の電力系
    統と前記第2の電力系統との間で電力を変換する電力変
    換装置において、 前記第1の電力系統に出力されるか又は前記第1の電力
    系統から入力される各相の電流値を検出する電流値検出
    手段と、 前記電流値検出手段により検出された電流値から、前記
    第1の電力系統における電流の正相成分と逆相成分を算
    出する算出手段と、 前記算出手段により算出された前記正相成分と逆相成分
    を、正相逆相それぞれの同期回転座標系におけるd軸成
    分とq軸成分とにそれぞれ分離する分離手段と、 前記正相成分のd軸成分およびq軸成分並びに前記逆相
    成分のd軸成分およびq軸成分を、各d軸成分およびq
    軸成分に対応する所定の電流成分指令値とそれぞれ比較
    し、その比較結果を所定の伝達特性で出力する制御信号
    演算手段と、 前記制御信号演算手段により出力された前記正相成分の
    d軸成分の比較結果とq軸成分の比較結果により構成さ
    れる前記同期回転座標系における第1のベクトル、およ
    び前記逆相成分のd軸成分の比較結果とq軸成分の比較
    結果により構成される前記同期回転座標系における第2
    のベクトルを、所定の角速度に応じて変化する位相だけ
    それぞれ互いに逆方向に回転させるとともに、前記第1
    の電力系統の各相に対応する制御信号にそれぞれ変換
    し、前記電力変換部へ出力する変換手段とを備えること
    を特徴とする電力変換装置。
  10. 【請求項10】 逆相成分に対応する電流成分指令値を
    ゼロに設定することを特徴とする請求項9記載の電力変
    換装置。
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