JP2000111011A - 液体燃料バーナ及び火炉 - Google Patents

液体燃料バーナ及び火炉

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JP2000111011A
JP2000111011A JP10288221A JP28822198A JP2000111011A JP 2000111011 A JP2000111011 A JP 2000111011A JP 10288221 A JP10288221 A JP 10288221A JP 28822198 A JP28822198 A JP 28822198A JP 2000111011 A JP2000111011 A JP 2000111011A
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burner
secondary air
flame
fuel
air flow
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JP10288221A
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English (en)
Inventor
Koutarou Fujimura
皓太郎 藤村
Toshimitsu Ichinose
利光 一ノ瀬
Yoshihisa Arakawa
善久 荒川
Hiroshi Fujii
宏 藤井
Shingo Kanehira
真吾 兼平
Masaharu Oguri
正治 大栗
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バーナ火炎の干渉を防止しつつ火炉寸法を低
減する。 【解決手段】 バーナ100のバーナガン103先端の
アトマイザ103aから液体燃料を噴霧し、アトマイザ
周囲の1次空気流路104から燃焼用1次空気を供給し
燃料を燃焼させるとともに、1次空気流路104周囲に
設けた環状の2次空気流路105から燃焼用2次空気を
供給する。2次空気流路を4つの副流路に分割し、それ
ぞれの副流路入口に2次空気流量調整用ダンパ107を
配置して各副流路の2次空気流速を個別に調節する。バ
ーナ上下方向に位置する2つの副流路の2次空気流速を
バーナ左右方向に位置する2つの副流路の2次空気流速
とを異なる流速に設定することにより、バーナにより偏
平断面形状の火炎を形成する。これにより、火炎相互の
干渉を生じることなくバーナ相互の間隔を低減すること
ができ、火炉の高さ、幅を低減することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体燃料バーナに関
し、詳細にはボイラ等の火炉内に火炎を形成する液体燃
料バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】液体燃料バーナとしてバーナ中心軸線上
にアトマイザを配置し、アトマイザの周囲に環状の1次
空気噴射口と、更にその周囲に環状の2次空気噴射口と
を配置した構成の液体燃料用丸型バーナが知られてい
る。この種の液体燃料用丸型バーナでは、アトマイザか
ら霧状の液体燃料を噴射し、この燃料に燃焼用1次空気
と2次空気とを供給することにより火炎を形成してい
る。
【0003】図19、及び図20はこの種の液体燃料用
丸型バーナの一般的構成を示す軸線に沿った断面図(図
19)と正面図(図20)である。
【0004】図19、図20において、200は液体燃
料用丸型バーナ全体を示す。バーナ200は略円筒状の
形状とされ、その中央には円筒状の燃焼用1次空気流路
4が設けられている。図19に3で示すのは、1次空気
流路4の中央に挿入されたバーナガンである。バーナガ
ン3の先端には複数の燃料噴射孔3を有するアトマイザ
3aが配置され、アトマイザ3aの周囲には板上の保炎
器8が設けられている。アトマイザ3a先端には中心軸
線周りに複数の燃料噴射孔(図示せず)がアトマイザ軸
線に対して所定の噴射角をなして穿設されており、バー
ナガン内の燃料通路から供給される加圧燃料を火炉内に
噴射する。各燃料噴射孔はアトマイザ中心軸線に対して
同一の噴射角をなすようにアトマイザ中心軸線周りに均
等配置されており、同一の孔径を有している。また、保
炎器8は1次空気流路4を通って流れる燃焼用1次空気
流中に位置し、保炎器8直下流に安定した低速の循環渦
を形成してアトマイザ3から噴射された燃料の着火点を
安定させる火炎安定化機能を有している。図19、図2
0に4aで示すのは、1次空気流路4への空気入口、6
は1次空気入口4aに設けられた板状の1次空気流量調
整用ダンパである。一次空気流量調整用ダンパ6は、図
示しない駆動機構により外部から回動軸61周りに回動
され1次空気入口4a開口面積を変化させることにより
流路4内を通る1次空気流量を変化させるものである。
また、1次空気流路4の外周には2次空気流路5が設け
られている。2次空気流路5は、図19、図20に示す
ように1次空気流路4と同心をなす環状に形成され、ア
トマイザ3a、1次空気流路4の出口4b周囲に開口す
る2次空気噴射口5bを備えている。また、2次空気流
路5は、流路外周に向けて開口する2次空気入口5a
と、入口5aに均等配置された2次空気流量調整用ダン
パ7とを備えている。2次空気流量調整用ダンパ7は1
次空気流量調整用ダンパ6と同様図示しない駆動機構に
より外部から回動軸71周りに回動され2次空気入口5
a開口面積を変化させて流路5を通る2次空気流量を変
化させる。通常、2次空気入口5aには複数の2次空気
流量調整用ダンパ7が周方向に等間隔に配置され、互い
にリンク機構により連結されており駆動機構による流量
調節時には同一の回動角度をとるようになっている。
【0005】図21は、ボイラー火炉16にバーナ20
0を取り付けた場合の概略構成を模式的に示す図であ
る。バーナ200は、アトマイザ3a、1次空気出口4
b、2次空気出口5bが火炉16内に面するように、耐
火タイルからなるバーナ壁20を介して火炉に取り付け
られる。また、バーナ200の火炉16部分は風箱1内
に収納される。このため、1次空気流路4と2次空気流
路5との入口4a、5aは風箱1内に開口することにな
る。風箱1内には図示しない燃焼用空気供給系統から加
圧燃焼空気が供給されており、風箱1内圧力は一定の正
圧に維持されている。
【0006】図21は対向燃焼型の火炉を示しており、
複数のバーナ200が火炉16内の互いに対向する壁面
にそれぞれ複数列、及び複数段に配置された構成となっ
ている。図21において18、19はボイラの蒸発管群
ユニット、9は図示しない燃焼空気供給装置から風箱1
に加圧燃焼空気を供給する燃焼用空気配管、10は図示
しない燃料供給装置からバーナ200のバーナガン3に
加圧液体燃料を供給する燃料供給配管である。
【0007】図19から図21では、加圧液体燃料は配
管10からバーナガン3に供給され、ガン3先端のアト
マイザ3aに設けられた複数の噴射孔から噴射され、霧
状の燃料スプレージェットを形成する。前述したよう
に、従来、アトマイザ3aの各燃料噴射孔は同一孔径を
有し、アトマイザ中心軸線に対して同一の噴射角をなす
ように指向して中心軸線周りに等間隔に配置されている
ため、アトマイザの各燃料噴射孔から噴射される燃料
は、アトマイザ3を頂点とする円錐面上に均一な同一形
状のスプレージェットを形成する。
【0008】また、燃焼用1次空気は風箱1から1次空
気入口4aに流入し、ダンパ6により流量を調節されて
1次空気流路4に流入する。また、流路内の1次空気は
保炎器8外周と1次空気流路4との間を通り、保炎器8
下流に安定した循環渦を形成しつつ1次空気出口4aか
ら炉内に流出する。アトマイザ3の燃料噴射孔から噴射
された燃料のスプレージェットは、保炎器下流に形成さ
れる循環渦内で1次空気と混合し図示しないイグナイタ
により着火される。これにより、燃料の着火点は保炎器
直下位置に安定し、外乱等による炎の吹消えが防止され
る。
【0009】また、燃焼用2次空気は風箱1から2空気
入口5aに流入し、ダンパ7により流量を調節された
後、2次空気流路5を通り1次空気出口4b周囲に環状
に形成された2次空気出口5bから火炉内に噴出し、保
炎器8下流で着火した燃料に外周から燃焼用酸素を供給
し、炉内に安定した火炎15を形成する。
【0010】一般に、1次空気流路4から供給される燃
焼用1次空気は、保炎器8下流側の着火点近傍での燃料
の燃焼に消費され、燃料の燃焼の大部分は2次空気流路
5から供給される燃焼用2次空気により行なわれる。こ
のため、1次空気流量は2次空気流量に較べて比較的少
量に設定されており、燃料の燃焼状態は2次空気と燃料
粒子との拡散混合性の良否により支配されるようにな
る。
【0011】各バーナ200から供給された燃料は、火
炉内で燃焼を完了し燃焼ガスとなって蒸発管ユニット1
8、19を通過して管内の熱媒を過熱した後排気ガス1
7として外部に放出される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図19から図21に示
した従来の液体燃料用丸型バーナ200では、アトマイ
ザ3aの各燃料噴射孔から噴射される燃料はアトマイザ
中心軸線に対して同一の噴射角で同一の噴射量となるよ
うに各燃料噴射孔の噴射方向及び孔径が設定されてお
り、アトマイザ3a周囲には均等な燃料スプレージェッ
トが形成される。また、1次空気流路4の周囲から供給
される2次空気流速も、バーナ周方向では均一になるよ
うに設定されている。すなわち、従来の液体燃料用丸型
バーナでは、アトマイザ3aから供給される燃料と2次
空気流路5から供給される燃料との混合状態がバーナ周
方向で均一になるようにしてバーナー周方向に沿って均
一な燃焼状態が得られるようにされている。このように
バーナー周方向に沿って均一な燃焼状態を得るようにす
ることにより、バーナー全体として最適な燃焼状態が得
られるようになる。ところが、従来のバーナ200のよ
うに、燃料の噴射量と方向及び2次空気出口5bにおけ
る2次空気流速とがそれぞれバーナ周方向で均一になる
ように設定すると問題が生じる場合がある。
【0013】例えば、図21に示したように、上下方向
に複数個のバーナ200を配置するような場合には、バ
ーナ相互の上下方向間隔及び最上段のバーナと蒸発管ユ
ニットとの距離によりボイラ全体の高さが決定されるこ
とになる。このため、ボイラ全体の高さを低くして製造
コストを低減しようとすると、バーナ上下間隔、及びバ
ーナと蒸発管ユニットとの距離を小さく設定する必要が
ある。
【0014】ところが、バーナ相互の上下方向間隔を過
度に小さく設定するとそれぞれのバーナからの火炎が燃
焼初期の段階で相互に接触、干渉するようになり燃焼不
良が生じる場合がある。また、最上段バーナと蒸発管ユ
ニットとの距離を小さく設定すると、これらのバーナか
らの火炎が蒸発管ユニットと直接接触するようになる。
この場合、火炎と低温の蒸発管とが直接接触すると、火
炎中の可燃成分が完全に燃焼しないまま排気ガスととと
もに排出されるようになるため排気性状が悪化してしま
う問題が生じる。
【0015】この問題は、バーナにより形成される火炎
断面の高さを小さく設定してバーナ相互の間隔や蒸発管
ユニットとバーナとの距離を狭めても火炎の接触が生じ
ないようにすれば従来の丸型バーナでも一応解決可能で
ある。しかし、従来のバーナ200のように、バーナ周
方向に沿って燃料噴射量、2次空気流速等が均一になる
ようにした場合には、バーナ200により火炉内に形成
される火炎のバーナ中心軸に垂直方向の断面形状は円形
形状となる。このため、従来の丸型バーナではバーナ間
隔を狭めるために火炎断面高さを小さく設定すると、そ
れに応じて火炎断面の幅方向長さも小さくなってしまい
全体として火炎断面積が減少することになる。火炎断面
積は単位時間に燃焼する燃料量、すなわちバーナの熱量
に直接関係する。このため、従来の丸型バーナでは火炎
の干渉を防止するために火炎断面高さを低減するとバー
ナの発熱量不足が生じてしまい、バーナ相互の間隔や蒸
発ユニットとの間隔を充分に低減できず、ボイラや火炉
全体の高さを充分に小さくできない問題が生じる。
【0016】上記は、ボイラや火炉高さの低減について
説明したが、例えば横方向に複数のバーナを配置した火
炉の場合にも同様な問題が生じる。この場合にも従来の
丸型バーナでは横方向両端のバーナと火炉側壁との距離
を小さく設定すると火炎が火炉側壁壁面と接触してしま
い燃焼不良が生じる。また、隣接したバーナ相互横方向
間隔を小さく設定すると隣接したバーナの火炎が相互に
干渉するため同様に燃焼不良が生じてしまう。このた
め、従来の丸型バーナではバーナ相互の横方向間隔や火
炉側壁との間隔を充分に低減できず、ボイラや火炉全体
の幅を充分に小さくできない問題が生じることになる。
【0017】本発明は、上記問題を解決し、バーナの発
生熱量を低下させることなく火炎相互または火炎と蒸発
ユニットや火炉壁面との干渉を防止することにより、ボ
イラや火炉の全体の高さや幅を低減可能とする手段を提
供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、バーナ中心軸線上に配置され、霧状の液体燃料
を噴射するアトマイザと、該アトマイザの周囲を囲んで
開口し、前記噴射された燃料に燃焼用1次空気を供給す
る1次空気流路と、該1次空気流路の外側周囲に環状に
開口する2次空気噴射口を備え、該2次空気噴射口から
バーナ中心軸線方向に沿って、前記噴射された燃料の周
囲に燃焼用2次空気を供給する2次空気流路と、前記2
次空気噴射口から噴射される2次空気流に、2次空気噴
射口の周方向に沿って流速が変化する所定の流速分布を
生じさせる手段と、を備えた液体燃料バーナ。が提供さ
れる。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、更に、前
記アトマイザは、先端部にバーナ中心軸線周りに配置さ
れた複数の燃料噴射孔を備え、該それぞれの燃料噴射孔
からの燃料噴射量は前記2次空気の周方向流速分布に応
じて設定されている請求項1に記載の液体燃料バーナが
提供される。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、前記2次
空気の周方向流速分布は、前記アトマイザから噴射され
た燃料が偏平断面形状の火炎を形成するように設定され
ている請求項1または2に記載の液体燃料バーナが提供
される。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、前記2次
空気噴射口外周形状は、形成される火炎の前記偏平断面
形状に応じた偏平形状とされている請求項3に記載の液
体燃料バーナが提供される。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、液体燃料
バーナを、上下方向に複数個配置して各バーナにより火
炎を形成する火炉において、少なくとも最上部に配置さ
れるバーナを請求項1から4のいずれか1項に記載され
た液体燃料バーナとしたことを特徴とする火炉が提供さ
れる。
【0023】請求項6に記載の発明によれば、液体燃料
バーナを水平方向に複数個配置して各バーナにより火炎
を形成する火炉において、少なくとも水平方向端部に配
置されるバーナを請求項1から4のいずれか1項に記載
された液体燃料バーナとしたことを特徴とする火炉が提
供される。
【0024】以下、各請求項に記載した発明の作用につ
いて説明する。
【0025】請求項1の発明では、2次空気噴射口から
噴射される二次空気の流速に噴射口周方向に沿って流速
分布を生じさせる手段が設けられているため、2次空気
流速は噴射口周方向に沿って均一にならず、噴射口周方
向位置によって異なるようになる。このように、噴射口
周方向位置によって異なる2次空気流速を設定すること
によりバーナで形成される火炎の断面形状を円形形状か
ら変化させることが可能となる。例えば、アトマイザか
ら周方向に均一な燃料ジェットスプレーを形成し、バー
ナ左右方向での2次空気流速がバーナ上下方向での2次
空気流速より小さくなるような周方向に沿った流速分布
を生じさせた場合について考えると、この場合にはバー
ナ左右方向では噴射される燃料量に対して比較的2次空
気流速が小さくなるため、火炎断面の幅方向長さ(拡が
り)は大きくなる。また、バーナ上下方向では噴射され
る燃料量に対して比較的2次空気流速が大きくなるた
め、火炎の断面高さ(拡がり)が抑制されるため、火炎
断面形状は横長の偏平形状となる。また、この場合にバ
ーナ上下方向での2次空気流速(流量)をこの部分に噴
射される燃料に比較して空気量が過剰になるように設定
し、バーナ左右方向では燃料噴射量に対して2次空気量
が不足するように設定すると、バーナにより形成される
火炎の上下方向部分では空気過剰燃焼となり火炎左右方
向部分では空気不足(還元雰囲気)の燃焼となる。この
場合、火炎上下方向では過剰な空気との急速な混合によ
り火炎温度が低下してNOX の発生が抑制されるととも
に、火炎の左右方向では還元雰囲気下の燃焼によりNO
X の発生が抑制されるようになる。すなわち、アトマイ
ザから周方向で均一な燃料噴射を行なうとともに、2次
空気の流速を噴射口周方向に変化させてバーナ左右方向
での2次空気流速がバーナ上下方向での2次空気流速よ
り小さくなるようにすることによりNOX 生成量の少な
い横長の偏平断面形状の火炎を得ることが可能となる。
また、この場合には逆にバーナ上下方向での2次空気流
速がバーナ左右方向での2次空気流速より小さくなるよ
うに2次空気流速を噴射口周方向に変化させることによ
り、同様にNOX 生成量の少ない縦長の偏平断面形状の
火炎を得ることが可能となる。すなわち、請求項1の発
明では2次空気流速を噴射口周方向に沿って変化させる
ようにしたことにより、バーナにより形成される火炎の
断面形状が非円形形状とされる。
【0026】請求項2の発明では更に、アトマイザから
の燃料噴射量も2次空気の周方向流速分布に応じて設定
される。このため、バーナ周方向各部での火炎の燃焼空
燃比が適切に設定される。
【0027】請求項3の発明では、請求項1または2の
発明において、2次空気の周方向流速分布は例えばバー
ナ上下方向での流速と左右方向での流速とが異なるよう
に設定され、形成される火炎の断面が偏平形状となるよ
うにされる。
【0028】請求項4の発明では、請求項3に記載の発
明において2次空気噴射口外周形状は従来のような円形
ではなく、形成される火炎の偏平断面形状に応じた偏平
形状に設定される。このため、火炎断面の偏平化に加え
て更にバーナ相互の間隔を小さく設定することが可能と
なる。
【0029】請求項5の発明では、例えばボイラー等の
火炉において少なくとも最上段のバーナが請求項1から
4のいずれか1項のバーナとされるため、最上段バーナ
の火炎を横長の偏平断面形状の火炎とすることが可能と
なる。これにより、最上段バーナの火炎と蒸発管ユニッ
ト等の火炉内に配置される機器との間隔を小さく設定し
た場合でも火炎の干渉が生じず、火炉全体の高さが低減
される。なお、最上段のバーナのみならず、他のバーナ
にも請求項1から4のいずれかのバーナを使用して横長
の偏平断面形状の火炎を生成してバーナ相互の上下間隔
を低減するようにすれば、更に火炉全体の高さが低減さ
れる。
【0030】請求項6の発明では、例えばボイラー等の
火炉において少なくとも水平方向端部のバーナが請求項
1から4のいずれか1項のバーナとされるため、端部の
バーナの火炎を縦長の偏平断面形状とすることが可能と
なり、端部のバーナと火炉側壁との距離を小さく設定し
た場合でも側壁と火炎との干渉が生じない。このため、
火炉全体の水平方向長さ(横幅)が低減される。この場
合も、端部のバーナのみならず他のバーナにも請求項1
から4のいずれかのバーナを使用して縦長の偏平断面形
状の火炎を生成するようにすれば、更に火炉全体の横幅
が低減される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。 (1)第1の実施形態 図1、図2は本発明の液体燃料バーナの第1の実施形態
の構成を説明する図19、図20とそれぞれ同様な縦断
面図(図1)及び正面図(図2)である。図1、図2に
おいて100はバーナ全体を示す。本実施形態において
もバーナ100は、中央に円筒状の燃焼1次空気流路1
04を有する略円筒状の形状とされており、1次空気流
路104中央には流路104軸線方向にバーナガン10
3が挿入されている。また、バーナガン103の先端に
は複数の燃料噴射孔を有するアトマイザ103aと、ア
トマイザ103aの周囲に板上の保炎器108が設けら
れている。アトマイザ103a先端にはアトマイザ軸線
に対して斜め方向に所定の角度をなして穿設された燃料
噴射孔(図示せず)がアトマイザ周囲に配置されてお
り、バーナガン103内の燃料通路から供給される加圧
燃料を火炉内に噴射する。本実施形態では、各燃料噴射
孔の噴射角(アトマイザ中心軸を含む平面内での中心軸
線と燃料噴射孔中心軸線との角度)と孔径は同一に設定
されており、更に各燃料噴射孔はアトマイザ中心軸周り
に等間隔で配置されている。このため、各燃料噴射孔か
らはアトマイザ103aを頂点とする円錐面上に同一の
流量の燃料が噴射されアトマイザ周囲の上記円錐面上に
均一な燃料スプレージェットが形成される。保炎器10
8は1次空気流路104を通って流れる燃焼用1次空気
流中に位置し、図19、図20の場合と同様に噴射され
た燃料の着火点を保炎器108直下流に安定させる火炎
安定化機能を有している。
【0032】図1、図2において、104a、104b
はそれぞれ1次空気流路の入口と出口とを、106は1
次空気入口104に設けられた流量調整用ダンパであ
る。ダンパ106は図19、図20の実施形態と同様図
示しない駆動機構により外部から回動軸161周りに回
動され、1次空気入口104a開口面積を変化させるこ
とにより流路4a内を通る1次空気流量を変化させる。
また、1次空気流路4の外周には2次空気流路5が設け
られている。本実施形態では、2次空気流路105は、
図19、図20と同様に1次空気流路104と同心をな
す環状に形成され、1次空気流路104の出口104b
周囲に開口する環状の2次空気噴射口105bを備えて
いる。また、本実施形態においても2次空気流路105
は、流路外周に向けて帯状に開口する2次空気入口10
5aと、入口105aに配置された2次空気流量調整用
ダンパ107とを備えている。
【0033】しかし、本実施形態では図19、図20に
示した従来のバーナとは異なり、2次空気流路105内
には軸線方向に沿って2次空気入口105aから出口1
05bまで延びる隔壁が放射状に設けられており、実際
には2次空気流路105は複数の副流路に区画されてい
る。図1、図2は2次空気流路105を4つの副流路1
051から1054に区画した場合を示し、2次空気流
路105内には互いに90度の角度をなす4つの隔壁1
21から124がバーナ中心軸線に対して放射状に配置
されている(図2参照)。
【0034】図3は図1のIII − III線に沿った断面図
である。本実施形態では、図3に示すように隔壁121
から124は2次空気の各副流路1051から1054
の入口部分まで延設されており、各副流路の入口部分に
同数(図3の例ではそれぞれ4つ)の2次空気流量調整
用ダンパ107が等間隔に配置されている。図3に10
24で示したのは、各ダンパ間に放射状に配置された整
流板である。
【0035】それぞれの2次空気流量調整用ダンパ10
7は1次空気流量調整用ダンパ106と同様に図示しな
い駆動機構により外部から回動軸171周りに回動され
2次空気の各副流路入口(図3、1051a〜1054
a)の開口面積を変化させてそれぞれの副流路151か
ら154を通る2次空気流量を独立に変化させることが
可能となっている。それぞれの副流路内の4つのダンパ
は互いにリンク機構により連結され、同一の回動角度を
とるようにされている。更に、本実施形態では151か
ら154の4つの副流路のうち、互いに対向する副流路
の組1051と1053及び1052と1054内のダ
ンパ107はそれぞれ共通の駆動機構により駆動され同
一の回動角度をとるようにされている。すなわち、本実
施形態では、副流路1051と1053内のそれぞれの
ダンパ107を同時に同一角度だけ回動させる駆動機構
1023aと、副流路1052と1054内のそれぞれ
のダンパ107を同時に同一角度だけ回動させる駆動機
構1023bとが個別に設けられている。このため、副
流路1051と1053とを通る2次空気の流量は常に
同一に調節され、副流路1052と1054とを通る2
次空気の流量は常に同一に調節される。今、仮に副流路
1051と1053とを上下方向流路、副流路1052
と1054とを左右方向流路と称すると、上下方向の2
つの流路を通る2次空気流速は常に互いに同一となり、
左右方向の2つの流路を通る2次空気流速も常に互いに
同一となる。一方上下方向流路と左右方向流路とは互い
に独立して2次空気流量を調節することが可能であるた
め、本実施形態では駆動機構1023a、1023b
を、独立に操作することにより、上下方向流路の2次空
気流速と左右方向の2次空気流速とを異なる量に設定す
ることができる。すなわち、本実施形態では2次空気流
路出口105の周方向に沿って2次空気流速を変化させ
て周方向に沿って2次空気の流速分布を生じさせること
が可能となっている。
【0036】次に、本実施形態のバーナを用いた場合の
偏平断面火炎の生成について説明する。今、上下方向流
路151、153における2次空気流速が左右方向流路
152、154における流速より大きくなるように駆動
機構1023a、1023bによりダンパ107を調節
した場合について考える。本実施形態ではアトマイザ1
03aから噴射される燃料の噴射角度と噴射量(速度)
はアトマイザ周方向で一様であるため、2次空気流速の
大きい上下方向流路151、153部分に噴射された燃
料は2次空気流により比較的高速でバーナ軸線に沿った
方向に搬送されるようになり、この部分では燃焼による
火炎の拡がり角は小さくなる。一方、これとは逆に流速
の小さい左右方向流路152、154部分に噴射された
燃料は2次空気流による搬送速度が比較的低いため、火
炎の拡がり角は比較的大きくなる。このため、この場合
にはバーナ200により形成される火炎の断面は上下方
向に短く左右方向に長い偏平形状となる。
【0037】更に、本実施形態では、例えば同一の燃料
噴射量での燃焼を行なう場合に、上下方向流路の2次空
気流速を従来のバーナにおける2次空気流速(周方向に
均一)より大きく、左右方向における2次空気流速を従
来のバーナにおける2次空気流速より小さく設定した場
合には、火炎の断面の上下方向長さ(高さ)は従来のバ
ーナにおける円形断面の火炎の直径より小さくなり、横
方向長さ(幅)は従来のバーナにおける火炎直径より大
きくなる。このため、本実施形態のバーナでは、同一の
量の燃料を燃焼させながら従来のバーナより火炎断面高
さを低減することが可能となる。また、この場合にはバ
ーナ上下方向流路に噴射された燃料は大幅に空気過剰な
状態で燃焼することになるため、火炎と空気との急速な
混合により燃焼温度が低下して燃焼によるNOX の生成
が抑制されるようになる。また、バーナ上下方向流路に
噴射された燃料は2次空気量が少ないため過濃状態(還
元雰囲気)で燃焼することになるため、同様にNOX
生成が抑制されるようになる。すなわち、本実施形態の
バーナ200では従来のバーナ100と比較して、NO
X 生成量が少なく火炎断面高さが小さい偏平断面形状の
火炎を生成することが可能となる。
【0038】なお、本実施形態では火炎のバーナ上下方
向部分では空気過剰燃焼となり、バーナ左右方向では燃
料過濃な燃焼となるため、従来のバーナに比較して燃焼
ガス中のHC、CO等の未燃成分が増大する場合があ
る。このため、本実施形態のバーナを使用する際には、
火炉内の燃焼ガスに別途空気(アディショナルエア)を
供給し未燃成分を完全に燃焼させるようにしても良い。
【0039】また、上記説明では上下方向流路105
1、1053の2次空気流速を左右方向流路1052、
1054の2次空気流速に較べて大きくすることによ
り、左右方向に長い(すなわち横長の)偏平断面形状の
火炎を生成する場合を例にとったが、逆に左右方向流路
1052、1054の2次空気流速を上下方向流路10
51、1053の2次空気流速に較べて大きくすれば、
上下方向に長い(すなわち縦長の)偏平断面形状を有す
る火炎を生成できることはいうまでもない。 (2)第2の実施形態 次に、本発明の液体燃料バーナの第2の実施形態につい
て説明する。第1の実施形態ではアトマイザ103aか
ら周方向に均一な燃料ジェットスプレーを形成していた
のに対して、本実施形態では燃料ジェットスプレーの噴
射速度と噴射角とをアトマイザ周方向に沿って変えてい
る点が第1の実施形態と相違している。なお、本実施形
態のバーナは、第1の実施形態のバーナとはアトマイザ
の構造が相違するのみであるため、以下相違点のみを図
4、図5を用いて説明する。
【0040】図4は、本実施形態の液体燃料バーナのア
トマイザ103aの構造を示す正面図、図5は図4のV
−V線に沿った断面図である。前述のように、アトマイ
ザ103aはバーナガン103先端に装着されており、
アトマイザ先端には燃料噴射孔が形成されている。本実
施形態では、図4に示すようにアトマイザ103a先端
には合計8つの燃料噴射孔1031から1038がアト
マイザ中心軸線周りに等角度間隔で形成されている。図
5に示すように燃料噴射孔1031から1038はアト
マイザ中心軸線CLに対して所定の噴射角θをなすよう
に放射状に穿設されている。図5に示すように、各燃料
噴射孔はバーナガン103にそれぞれ形成された燃料通
路103bに接続され、通路103bから供給される加
圧液体燃料を噴射各θの方向に噴射する。図5に103
cで示したのは、必要に応じてアトマイジングスチー
ム、空気等の燃料霧化用流体を各燃料噴射孔に供給する
アトマイジング通路である。
【0041】前述のように、第1の実施形態では各燃料
噴射孔の径及び噴射角θは全て同一とされており、角燃
料噴射孔から噴射される燃料はアトマイザ周方向に均一
な燃料スプレージェットを形成するようにされていた。
これに対して、本実施形態では、燃料噴射孔1031か
ら1038のうち、図4上下方向に配置された4つの燃
料噴射孔1031、1032及び1035、1036は
左右方向に配置された4つの燃料噴射孔1033、10
34及び1037、1038より孔径が小さく、しかも
噴射各θが小さくなるように形成されている点が第1の
実施形態と相違している。このように燃料噴射孔103
1から1038を形成したことにより、アトマイザ10
3aから噴射される燃料のスプレージェットは、図4に
おいてアトマイザ103上下方向では流速(流量)が小
さくかつ噴射角度が小さくなり、左右方向では流速、噴
射角度ともに大きくなる。
【0042】次に、本実施形態の液体燃料バーナにおけ
る偏平断面形状火炎の生成について説明する。
【0043】本実施形態では、アトマイザ103aは各
噴射孔の組が2次空気流路のそれぞれの副流路に対応す
る位置に来るようにバーナガン103に装着される。例
えば、横長の偏平断面形状の火炎を生成する場合には、
アトマイザ103aは燃料噴射孔1031、1032の
位置が図2において上側にくるようにバーナガン103
に装着され、燃料噴射孔1031、1032及び103
5、1036がそれぞれ図2の上下方向流路1051と
103の中央に位置するようにされる。これにより、ア
トマイザ103aからは上下方向に流速が低く噴射角の
小さい燃料スプレージェットが形成され、左右方向には
流速が高く噴射角の大きい燃料スプレージェットが形成
されるようになる。また、この場合、2次空気の各副流
路における流速はそれぞれの副流路に噴射される燃料の
流量に応じて、燃料の完全燃焼が得られるように最適な
値に調節される。すなわち、本実施形態では横長の偏平
断面形状の火炎を生成する場合、第1の実施形態とは逆
に、上下方向の流路1051、1053の2次空気流速
(流量)は、燃料噴射孔1031、1032及び103
5、1036からの比較的小さな燃料噴射量に対応した
比較的低い流速とされ、左右方向の流路1052、10
54の2次空気流速は、燃料噴射孔1033、1034
及び1037、1038からの比較的大きな燃料噴射量
に対応した比較的高い流速とされる。本実施形態では上
述のようにバーナ上下方向の2次空気流速は左右方向の
流速より小さく設定されることになるが、アトマイザ1
03aの燃料噴射孔1031、1032及び1035、
1036から上下方向に噴射される燃料は流速が小さ
く、しかも噴射角が小さく設定されている。このため、
バーナ上下方向に生成される火炎は2次空気流速が小さ
いにもかかわらず拡がり角は小さくなる。一方、バーナ
左右方向にはアトマイザ103aの燃料噴射孔103
3、1034及び1037、1038から流速が大き
く、しかも噴射角が大きな燃料が噴射される。このた
め、バーナ左右方向に形成される火炎は大きな2次空気
流速にもかかわらず拡がり角が大きくなる。図6、は本
実施形態のバーナにより生成される火炎の形状を示す縦
断面図、図7は図6のVII−VII線に沿った断面図
である。図6、図7に示すように、上記により形成され
る火炎15は上下方向高さが小さく、横方向の幅が大き
い横長の偏平断面形状となる。
【0044】更に、本実施形態では、2次空気流量はバ
ーナ上下方向、左右方向とも各燃料噴射孔からの燃料噴
射量に応じて完全燃焼が得られるような量に設定されて
いるため、噴射された燃料は空気過剰や空気不足を生じ
ることなく最適な燃焼状態で燃焼するようになる。前述
の第1の実施形態では、燃料噴射量と噴射角度とをアト
マイザ周方向に均一に燃料スプレージェットが生成され
るように設定していたため、火炎の上下方向では空気過
剰の燃焼となり、左右方向では空気不足の燃焼となって
おり、不完全燃焼が生じ燃焼ガス中の未燃成分が増大す
る場合があった、本実施形態では上述のように火炎各部
で最適な燃焼状態が得られるため、燃焼ガスに未燃H
C、CO等の未燃成分が残留することが防止されるよう
になる。
【0045】すなわち、本実施形態では2次空気流速を
バーナ周方向に沿って変化させるだけでなく、アトマイ
ザからの燃料噴射量と噴射角度と2次空気流量に対応し
てバーナ周方向に沿って変化させるようにしたことによ
り、燃料を完全燃焼させながら横長の偏平断面形状の火
炎を生成することが可能となっている。
【0046】なお、本実施形態では上下方向の燃料噴射
孔の噴射角を左右方向の燃料噴射孔の噴射角より小さく
設定しているが、火炎の拡がり角は噴射された燃料のア
トマイザ半径方向の速度成分により定まるため、各燃料
噴射孔の噴射角は同一に設定し、燃料噴射孔の孔径のみ
を上下方向と左右方向とで変えることにより火炎の拡が
り角を調節することも可能である。
【0047】また、上記は横長の偏平断面形状の火炎を
生成する場合について説明したが、本実施形態において
も、アトマイザ103aの装着方向を90度回転させ、
バーナ左右方向の2次空気流速がバーナ上下方向より小
さくなるように2次空気流速を調節することにより縦長
の偏平断面形状の火炎を生成することができるのはいう
までもない。 (3)第3の実施形態 次に、本発明の液体燃料バーナの第3の実施形態につい
て図8を参照して説明する。
【0048】図8は本実施形態のバーナの構成を説明す
る図2と同様な正面図である。図8において、図2と同
一の参照符号は図2と同様な要素を示している。
【0049】前述の第1と第2の実施形態では2次空気
流路105は外周が円形形状の環状通路として形成され
ていたが、本実施形態では2次空気流路外周は形成する
偏平断面形状の火炎の形に応じた偏平形状とされている
点が第1と第2の実施形態と相違している。第1と第2
の実施形態のように外周が円形形状の環状通路として2
次空気流路105を形成した場合には、隣接したバーナ
の2次空気流路が機械的に干渉するために、偏平断面形
状の火炎を形成しても充分にバーナ設置間隔を小さくす
ることができない場合が生じる。本実施形態では、2次
空気流路の外形も形成する火炎の断面形状に応じて偏平
形状とすることにより上記問題を解決している。図8は
横長の偏平断面形状の火炎を生成するバーナの例を示し
ている。図8の例では、2次空気流路105は、上下方
向(副流路1051、1053の方向)では外径が小さ
く、横方向(副流路1052、1054の方向)では外
径が大きい横長の偏平形状とされている。このように2
次空気流路105外周を偏平形状とした場合には上下方
向の副流路1051、1053と左右方向の副流路10
52、1054とでは流路断面積を同一に設定すること
が困難な場合が生じるが、本実施形態においても各副流
路には2次空気流量調整用ダンパ107が配置されてお
り、副流路1051、1053と副流路1052、10
54を通る2次空気流量は独立に調整可能となってい
る。このため、本実施形態では上下方向と左右方向の副
流路の流路断面積が異なる場合でもバーナ周方向に沿っ
た2次空気流速分布を所望の値に設定することが可能と
なる。
【0050】次に、本発明の液体燃料バーナを用いた火
炉の実施形態について説明する。図9は、ボイラー火炉
16に本発明のバーナ100を取り付けた場合の概略構
成を模式的に示す図である。図9において、図21と同
一の参照符号は図21と同様な要素を示している。バー
ナ100は、アトマイザ103a、1次空気出口104
b、2次空気出口105bがそれぞれ火炉16内に面す
るように、耐火タイルからなるバーナ壁20を介して火
炉に取り付けられる。また、バーナ200の火炉16部
分は風箱1内に収納される。このため、1次空気流路1
04の入口104aと、と2次空気流路105の各副流
路1051から1054の入口とは風箱1内に開口する
ことになる。風箱1内には図示しない燃焼用空気供給系
統から加圧燃焼空気が供給されており、風箱1内圧力は
一定の正圧に維持されている。また、バーナ100の一
次空気流量調整用ダンパ106及び2次空気調整用ダン
パ107は図示しない駆動機構を介して外部から調節可
能とされている。
【0051】図9は複数のバーナを火炉前後壁に複数
列、複数段に格子状に配列した対向燃焼型の火炉を示し
ており、図9の実施形態ではバーナ群のうち最上段に位
置するバーナ100のみが本発明の第1から第3の実施
形態のいずれかの形式のバーナとされており、他のバー
ナは図19、図20に示した従来型のバーナ200とさ
れている。図10は、図9の火炉壁面におけるバーナ配
置及び各バーナにより形成される火炎の断面形状を模式
的に示しており、楕円は本発明のバーナにより生成され
る偏平断面形状の火炎を、真円は従来のバーナにより生
成される円形断面形状の火炎を示している。図10に示
すように、本実施形態ではバーナ群の最上段ではバーナ
100により横長の偏平断面形状の火炎が形成され、バ
ーナ群の他の段では従来型のバーナ200により円形断
面形状の火炎が形成される。このように、最上段のバー
ナに本発明のバーナを使用することにより、最上段の火
炎の高さを従来に較べて小さくすることが可能となるた
め、最上段バーナ100と上部の蒸発管ユニット18と
の距離を小さく設定しても火炎と蒸発管ユニット18と
が接触することが防止される。これにより、本実施形態
では、全体としてボイラ火炉高さを低減することが可能
となる。
【0052】図11は、火炉壁面におけるバーナ配置の
別の実施形態を説明する図10と同様な図である。図1
0の実施形態ではバーナ群の最上段のバーナのみが横長
の偏平断面形状の火炎を生成するようにされていたが、
図11の実施形態では全部のバーナが横長の偏平断面形
状の火炎を生成するようにされている。これにより、最
上段バーナと蒸発管ユニットとの距離のみならず、バー
ナ相互の上下間隔をも火炎の干渉を生じることなく低減
できるため、ボイラ火炉の高さを大幅に低減することが
可能となっている。
【0053】次に、図12は火炉壁面におけるバーナ配
置の図10、図11とは異なる実施形態を示す図であ
る。本実施形態ではバーナ群の水平方向両端のバーナと
して本発明の第1から第3の実施形態のいずれかのバー
ナ100が使用され、縦長の偏平断面形状の火炎を生成
するようにされている。バーナ群の他のバーナには従来
のバーナ200が使用され、円形断面形状の火炎を生成
するようにしている。図12のように両端のバーナに縦
長の偏平断面形状の火炎を生成するものを使用すること
により、火炎と壁面との干渉を生じることなく両端のバ
ーナと火炉側壁16aとの距離を狭めることができるた
め、火炉の水平方向長さ(横幅)を低減することが可能
となっている。また、図13は全部のバーナに本発明に
よるバーナ100を使用して、縦長の偏平断面形状の火
炎を生成させた実施形態を示している。図13の実施形
態では全部のバーナに縦長偏平断面形状の火炎を生成さ
せるようにしたことにより、両端のバーナと火炉側壁の
みならずバーナ相互の水平方向間隔を火炎の干渉を生じ
ることなく低減できるため、図12の場合に較べて更に
ボイラ火炉の横幅を低減することが可能となっている。
【0054】図14、図15は図11、図13のように
全部のバーナに偏平断面形状火炎を生成するものを使用
した場合のバーナ配置の別の実施形態を示している。図
145、図15ではバーナ群の全部のバーナを格子状に
配列されていたのに対して、図14(横長偏平断面形状
火炎)、図15(縦長偏平断面形状火炎)の実施形態で
はバーナを千鳥配列にした点が相違している。
【0055】なお、全部のバーナに偏平断面形状火炎を
生成するものを使用した場合のバーナ配置は上記の実施
形態に限定されるわけではなく、種々の配置が可能であ
る。
【0056】例えば、図16のように、バーナ群の水平
方向両端に位置するバーナは縦長偏平断面形状の火炎を
生成するようにして、火炉側壁とバーナとの距離を低減
するとともに、他のバーナは横長の偏平断面形状火炎を
生成するようにして火炉高さを低減することにより、火
炉の高さと幅との両方を低減するようにすることもでき
る。また、必要に応じて横長の偏平断面形状の火炎を生
成するバーナと縦長の偏平断面形状の火炎を生成するバ
ーナとを上下、左右に交互に格子状に配置(図17)ま
たは上下に交互に千鳥状に配置(図18)することによ
り火炉の高さと幅との両方を低減することも可能であ
る。
【0057】
【発明の効果】請求項1から4の発明によれば、2次空
気流速を噴射口周方向に沿って変化させるようにしたこ
とにより、バーナにより非円形断面形状の火炎を生成さ
せることが可能となるという共通の効果を奏する。ま
た、請求項2の発明では、上記共通の効果に加えて噴射
した燃料の最適な燃焼状態を維持することが可能とな
る。請求項3の発明では、更にバーナにより生成される
火炎を偏平断面形状としたことにより、バーナ配置の際
に火炎の干渉を生じることなくバーナ相互またはバーナ
と火炉側壁や火炉内の機器との間隔を小さく設定するこ
とが可能となる。また、請求項4の発明では更に2次空
気流路外周を火炎断面形状に即した偏平形状とすること
により、更にバーナ配置の際にバーナ相互の間隔を低減
することが可能となる。
【0058】また、請求項5と請求項6との発明によれ
ば請求項1から4のいずれかのバーナを少なくとも最上
段のバーナ(請求項5)または水平方向両端のバーナ
(請求項6)として使用することにより、火炉高さ(請
求項5)または火炉横幅(請求項6)が低減可能となる
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体燃料バーナの第1の実施形態の構
成を説明する縦断面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図である。
【図3】図1のIII − III線に沿った断面図である。
【図4】本発明の液体燃料バーナの第2の実施形態の構
成を説明するアトマイザの正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のバーナにより生成さ
れる火炎の形状を模式的に示す縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のバーナにより生成さ
れる火炎の形状を模式的に示す図6のVII−VII線
に沿った断面図である。
【図8】本発明の液体燃料バーナの第3の実施形態の構
成を示す正面図である。
【図9】ボイラー火炉に本発明のバーナを装着した場合
の概略構成を模式的に示すボイラ断面図である。
【図10】火炉壁面におけるバーナ配置の一実施形態と
各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に示
す図である。
【図11】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図12】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図13】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図14】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図15】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図16】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図17】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図18】火炉壁面におけるバーナ配置の別の実施形態
と各バーナにより生成される火炎の断面形状を模式的に
示す図である。
【図19】従来の液体燃料用丸型バーナの一般的構成を
示す縦断面図である。
【図20】従来の液体燃料用丸型バーナの一般的構成を
示す正面図である。
【図21】ボイラー火炉に従来のバーナを取り付けた場
合の概略構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
100…バーナ全体 103…バーナガン 108…アトマイザ 104…1次空気流路 105…2次空気流路 107…2次空気流量調整用ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 善久 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 藤井 宏 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 兼平 真吾 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 大栗 正治 長崎県長崎市深堀町五丁目717番地1 長 菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3K055 AA06 AA10 AB01 AB04 BA06 BB02 BB09 BC01 BC08 BD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナ中心軸線上に配置され、霧状の液
    体燃料を噴射するアトマイザと、 該アトマイザの周囲を囲んで開口し、前記噴射された燃
    料に燃焼用1次空気を供給する1次空気流路と、 該1次空気流路の外側周囲に環状に開口する2次空気噴
    射口を備え、該2次空気噴射口からバーナ中心軸線方向
    に沿って、前記噴射された燃料の周囲に燃焼用2次空気
    を供給する2次空気流路と、 前記2次空気噴射口から噴射される2次空気流に、2次
    空気噴射口の周方向に沿って流速が変化する所定の流速
    分布を生じさせる手段と、 を備えた液体燃料バーナ。
  2. 【請求項2】 更に、前記アトマイザは、先端部にバー
    ナ中心軸線周りに配置された複数の燃料噴射孔を備え、
    該それぞれの燃料噴射孔からの燃料噴射量は前記2次空
    気の周方向流速分布に応じて設定されている請求項1に
    記載の液体燃料バーナ。
  3. 【請求項3】 前記2次空気の周方向流速分布は、前記
    アトマイザから噴射された燃料が偏平断面形状の火炎を
    形成するように設定されている請求項1または2に記載
    の液体燃料バーナ。
  4. 【請求項4】 前記2次空気噴射口外周形状は、形成さ
    れる火炎の前記偏平断面形状に応じた偏平形状とされて
    いる請求項3に記載の液体燃料バーナ。
  5. 【請求項5】 液体燃料バーナを、上下方向に複数個配
    置して各バーナにより火炎を形成する火炉において、少
    なくとも最上部に配置されるバーナを請求項1から4の
    いずれか1項に記載された液体燃料バーナとしたことを
    特徴とする火炉。
  6. 【請求項6】 液体燃料バーナを水平方向に複数個配置
    して各バーナにより火炎を形成する火炉において、少な
    くとも水平方向両端部に配置されるバーナを請求項1か
    ら4のいずれか1項に記載された液体燃料バーナとした
    ことを特徴とする火炉。
JP10288221A 1998-10-09 1998-10-09 液体燃料バーナ及び火炉 Pending JP2000111011A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015072118A (ja) * 2014-11-26 2015-04-16 三菱重工業株式会社 油焚きバーナ、固体燃料焚きバーナユニット及び固体燃料焚きボイラ
US9702545B2 (en) 2011-11-16 2017-07-11 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Oil-fired burner, solid fuel-fired burner unit, and solid fuel-fired boiler
CN114135867A (zh) * 2021-08-19 2022-03-04 福建省世能科泰节能设备有限公司 一种具有外轴流风分区调节的新型多通道燃烧器

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