JP2000108117A - 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法 - Google Patents

乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000108117A
JP2000108117A JP10282450A JP28245098A JP2000108117A JP 2000108117 A JP2000108117 A JP 2000108117A JP 10282450 A JP10282450 A JP 10282450A JP 28245098 A JP28245098 A JP 28245098A JP 2000108117 A JP2000108117 A JP 2000108117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal body
diamond
drill bit
tip
abrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10282450A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuma Yoshida
琢磨 吉田
Nobuo Fukada
伸男 深田
Kouichi Suzuki
耿一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Titanium Co Ltd
Sankyo Diamond Industrial Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
Sankyo Diamond Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Titanium Co Ltd, Sankyo Diamond Industrial Co Ltd filed Critical Toho Titanium Co Ltd
Priority to JP10282450A priority Critical patent/JP2000108117A/ja
Publication of JP2000108117A publication Critical patent/JP2000108117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drilling Tools (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートや石材などの硬脆材に穿孔する
際、水や加工液を用いず、通常のドリルなど簡便な回転
工具に装着するだけで高速穿孔を可能とするダイヤモン
ドドリルビット及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 金属ボディ1の先端にダイヤモンド砥石
3を一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットで
あって、金属ボディ1の先端に少なくとも1条のスリッ
ト4を設け、金属ボディ1の外周面と、金属ボディの先
端面5とに、ロウ付用合金2を溶融してダイヤモンド砥
粒3を固着してなるダイヤモンドドリルビット10、こ
のダイヤモンドドリルビット10は金属ボディの外周面
と先端面とに、ロウ付用合金とダイヤモンド砥石との混
合層を一層に形成した後、還元性雰囲気又は真空中で8
00〜1100℃に加熱することによりロウ付用合金を
溶融し、ダイヤモンド砥粒を金属ボディに固着せしめて
製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートや石
材などに代表される硬脆材に対して孔あけ作業を行う場
合、冷却水またはその他の加工液を用いずに、通常のド
リルに装着するだけで容易に操作することができ、かつ
高速穿孔を可能とした乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
ット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石材やコンクリート構造物などの硬脆材
に孔を穿設するために用いられる穿孔工具として、従来
からダイヤモンドコアビットが汎用されている。これら
ダイヤモンドコアビットは、中空円筒状のボディの先端
にダイヤモンド砥粒とボンドとで形成されたダイヤモン
ド砥石を取り付け、ドリルビットの回転を介して硬脆材
を切削する機構により穿孔される。
【0003】一般に、ダイヤモンド砥石は熱に弱いた
め、これを使用する場合は、主に水を供給して刃先を冷
却する。特にドリルビットとして用いる場合、刃先のダ
イヤモンド砥粒は、被削材に常に押しつけられるため、
ダイヤモンドソーブレードなどとして使用されるよりも
はるかに熱的に苛酷な条件となる。また、ドリルビット
が小径になるほど、ドリルビット自体の熱容量と放熱面
積が小さくなって、刃先の蓄熱が増大するため、砥粒と
して最高級レベルのダイヤモンドを用いても、仮に冷却
水を用いずにコンクリート等の穿孔を行った場合、穿孔
初期(数十秒)で、刃先砥粒のほとんどが熱損耗し、さ
らにメタルボンドの焼き付きを起こし、すぐに穿孔不能
となる。
【0004】上記の問題点を解決するものとして、ボデ
ィの中空孔から刃先に、水又は適宜な加工液を供給する
ことにより、刃先の冷却と切削屑の排出を強制する湿式
穿孔型ダイヤモンドコアビットも提案されているが、こ
の方式では水または加工液を供給するための設備や専用
の回転工具が必要であることに加え、排水または排液に
よる作業環境の汚染や感電事故対策など、作業前の段取
りや作業後の始末などに煩雑な手間を要し、作業のスピ
ードを問われる小径の孔あけ作業に対しては適切なもの
ではなかった。
【0005】また、上記の問題点を解決するものとして
本発明者らは、軸方向に内孔を有する中空円筒状のボデ
ィと、その先端部に前記ボディの内孔と連通する中空孔
を備えたダイヤモンド砥石を一体に結合した構造のダイ
ヤモンドコアビットであって、前記ダイヤモンド砥石の
刃先形状を、ボディとの結合面から先端部に向かって小
径化した円錐台形に設計するとともに、ダイヤモンド砥
石の中空孔の内径寸法を、その最大外径に対し10〜6
0%の範囲に設定し、かつボディ側面の適宜な位置に少
なくとも1個の切削屑排出口を設けた乾式穿孔用のダイ
ヤモンドコアビットを提案している(特開平8−174
537号)。
【0006】さらに本発明者らは、軸方向の外周に沿っ
て螺旋溝を設けたボディの先端部に、ダイヤモンド砥石
を一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットであ
って、前記ダイヤモンド砥石の刃先形状を、ボディとの
結合面から先端部に向かって小径化した円錐台形に形成
すると共に、ダイヤモンド砥石の回転軸を含む刃先先端
面からボディ回転軸に達し、かつ螺旋溝に連通する少な
くとも1条のスリットを形成した乾式穿孔用ダイヤモン
ドドリルビットを提案した(特開平8ー238617
号)。
【0007】上記の発明により、石材やコンクリートへ
の穿孔作業の際、切削屑が高能率で排出されることにな
り、刃先で発生する熱も同時に効率よく系外へ排出さ
れ、切れ味が良いので刃先での摩擦熱の発生も少なく、
かつ高速穿孔によって次々と新しい被削面が現れること
による被削剤への放熱作用も増進するため、比較的小孔
径の孔あけ作業において、水またはその他の加工液を用
いなくても、優れた穿孔速度での穿設が可能となった。
【0008】このようにダイヤモンドドリルビットの切
れ味を良くするためには、砥石先端の面積をできるだけ
小さくし、被削材への先端砥粒の食い込みを良くするこ
とが必要である。すなわち、ダイヤモンド砥石の砥石面
とスリットが占める相対面積比において、スリット面積
を分母に、砥石面積を分子とした場合に、この面積比を
小さくすることが好ましいが、この場合、先端砥粒の必
要数を確保するためには、ボンドに対するダイヤモンド
のコンセントを高くする必要がある。
【0009】一方、特開平8−174537号等のダイ
ヤモンドドリルビットの製造方法において、ダイヤモン
ド砥石部は、一体物として焼結した後に、必要なスリッ
トを後加工で設けるか、もしくはスリットの両サイドに
分割した形で別々に焼結した後に、各々をボディに溶接
して一体物とする、という2通りの方法が採られている
が、例えば前者の方法においては、上記後加工は、放電
加工等の熱エネルギーを用いることとなり、しかも非常
に長時間を要することから著しく量産性が低いという問
題がある。また、後者の方法によれば、分割して作るた
め、焼結や溶接する部品点数が増加するので、やはり量
産性が悪くなり、コスト高になるという課題を残してい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために、ダイヤモンドドリルビットの寿命
は若干犠牲にしても安価で、穿孔性能に優れるダイヤモ
ンドドリルビットを提供すべく種々検討を重ねた結果、
ダイヤモンド砥石を多層構造から、単層構造とし、従来
公知のダイヤモンドドリルビットの先端砥石部に、電着
法によってダイヤモンド砥粒を単層に固着させた。しか
し乍ら、電着法によるダイヤモンド砥粒の保持力には限
界があり、小径のダイヤモンドドリルビットで、しかも
乾式穿孔という苛酷な条件には対応しきれず、容易に穿
孔不能に陥るという新たな問題が生じた。
【0011】そこで、図3及び図4(図3のB−B線に
沿った一部の断面図)に示すように、ダイヤモンド砥粒
の保持力が優れる手段として、溶融ボンド法を採用し、
金属ボディ1の先端形状を従来公知の円錐台形に形成す
ると共に一条のスリット4を設け、その後ロウ付用合金
2を溶融してダイヤモンド砥粒3を固着することによ
り、先端に一層のダイヤモンド砥石部を設けたダイヤモ
ンドドリルビット20を作成した。しかし乍ら、該ダイ
ヤモンドドリルビット20は、刃先に向って小径化した
円錐台形であるため、刃先部に保持されたダイヤモンド
砥粒が少なく、しかも周速の低い刃先が常に被削材に押
しつけられるという苛酷な条件によって、極めて短時間
で穿孔不能に陥るという課題が残された。
【0012】従って、本発明の目的は、上記従来技術に
残された課題を解決し、コンクリートや石材などの硬脆
材に小孔径の穴を穿設するにあたり、水や加工液を用い
ずに簡便な汎用工具に装着して高速かつ連続的に穿孔が
可能で、かつ量産性が良く低コストにて生産できる乾式
穿孔用ダイヤモンドドリルビットとその製造方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、ドリル先端面に必要な最少限のダイヤモン
ド砥粒のコンセントレーションと、被削材に当接する先
端の周速を確保するために、ドリルビット先端刃先部の
形状について工夫を重ね、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、上記の目的を達成するための本
発明による乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビットは、金
属ボディの先端にダイヤモンド砥石を一体に結合した構
造のダイヤモンドドリルビットであって、該金属ボディ
の先端に少なくとも1条のスリットを設け、金属ボディ
の外周面と、金属ボディの先端面とに、ロウ付用合金を
溶融してダイヤモンド砥粒を固着してなることを主要な
構成上の特徴とするものである。
【0015】また該ダイヤモンドドリルビットの製造方
法としては、金属ボディの先端にダイヤモンド砥粒を一
体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットの製造方
法において、該金属ボディの先端に少なくとも一条のス
リットを設け、金属ボディの外周面と、金属ボディの先
端面とに、ロウ付用合金とダイヤモンド砥粒との混合層
を一層に形成した後、還元性雰囲気または真空中で80
0〜1100℃に加熱することによりロウ付用合金を溶
融して、該ダイヤモンド砥粒を金属ボディに固着せしめ
ることを構成上の特徴とするものである。
【0016】本発明において、より好ましい構成は、金
属ボディの先端面を、該金属ボディの中芯軸に向って凹
面状に形成し、かつ該中芯軸に対する凹面状の傾斜角
(θ)が20〜70度とすることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における乾式
穿孔用ダイヤモンドドリルビットを図1及び図2を参照
して説明する。図1は本実施の形態における乾式穿孔用
ダイヤモンドドリルビットの平面図を示し、図2は図1
のA−A線に沿った一部の断面図を示す。図中、乾式穿
孔用ダイヤモンドドリルビット10は、金属ボディ1の
先端にダイヤモンド砥粒3を一体に結合した構造であ
る。金属ボディ1の先端には1条のスリット4が形成さ
れ、金属ボディ1の外周面と金属ボディの先端面5に
は、ロウ付用合金2を介してダイヤモンド砥粒3が固着
されている。また、金属ボディの先端面5は、金属ボデ
ィの中心軸に向かって擂り鉢状の凹面構造である。
【0018】本発明の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
ットを構成する金属ボディ1は、通常鋼製の丸棒が用い
られるが、材質については特に制限はなく、形状につい
ても丸棒のほか、中空円筒状、外周に螺旋溝を設けた金
属ボディの先端に、本発明のダイヤモンドドリルビット
を結合して一体化することも可能である。
【0019】金属ボディ1の外径は目的とする孔径によ
り適宜に定められるが、通常5〜20mmの範囲である。
また、該金属ボディの長さも穿孔する被削材により適宜
に変更し得るが、通常80mm〜250mmの範囲である。
【0020】金属ボディ1の先端に設ける少なくとも1
条のスリット4の幅は、金属ボディ1の外径に応じて定
められ、通常金属ボディ1の外径の1/10〜2/5程
度であり、具体的には0.5〜3.0mmが好ましく、ス
リットの幅が0.5mm以下の場合、被削材に対する喰い
込みが弱く、スリットとしての機能が低下し、3.0mm
以上になると被削材のコアも大きくなり、破損しにくく
なるため、ドリルビットの穿孔速度を著しく阻害する。
【0021】金属ボディ1の先端に設けるスリット4の
深さは、金属ボディ1の外径によっても異なり、通常金
属ボディ1の1/5〜2倍であり、具体的には1.5mm
以上であることが好ましく、特に好ましくは3〜10mm
の範囲である。スリットの深さが1.5mm以下では穿孔
時に被削材によって埋没して切屑を後方へ排出する機能
が果せず、10mm以上の場合は刃先の強度が減少し、い
わゆる振れを生じて破損したり、孔径の精度を損なうこ
ともある。なお、金属ボディ1の外径が12mm以上の場
合、スリットの深さを10mm以上70mm未満とすること
も可能である。
【0022】本発明におけるダイヤモンドドリルビット
10は、金属ボディ先端面5を金属ボディ1の中芯軸に
向って凹面状に形成し、かつ該中芯軸に対する凹面状の
傾斜角(θ)が20〜70度であることが好ましく、よ
り好ましくは30〜60度、さらに好ましくは40〜5
0度である。金属ボディ1の中芯軸に対して凹面状に形
成するということは、すなわち、金属ボディの先端面5
を、外周方向から中心部に向って擂り鉢状に掘削するこ
とであり、その擂り鉢状の傾斜角が、金属ボディ1の中
芯軸に対してのθとして示される。
【0023】本発明におけるダイヤモンドドリルビット
10の好ましい形態は、金属ボディ1の先端を上記のよ
うな形状に加工した後、金属ボディ1の先端からほぼ2
〜20mm程度に相当する金属ボディ1の外周面と金属ボ
ディ先端面5とに、ロウ付用合金とダイヤモンド砥粒と
の混合層を一層に形成した後、ロウ付用合金2を溶融し
てダイヤモンド砥粒3を固着することにより、金属ボデ
ィ1の先端にダイヤモンドドリルビットの刃部を形成す
るが、金属ボディ1の外周面に設ける刃部は、上記の通
り金属ボディ1の先端面より2〜20mm程度が好まし
く、2mm以下の場合は、刃部の損耗によりライフが短縮
し、20mm以上となると、切粉の排出の妨げとなること
がある。そして、該刃部を備えたダイヤモンドドリルビ
ットを市販の回転工具に取りつけ該回転工具の回転力を
利用してコンクリートなどの硬脆材に対する穿孔作業が
施される。
【0024】本発明におけるダイヤモンドドリルビット
10は、その刃先が外周面から中心部に向って凹面状に
形成されることにより、被削材には先ず周速が速く、同
一円周に対するダイヤモンド砥粒の固着数が多い外周部
が当接し、穿孔が開始され、最も周速が低く、かつ同一
円周に対するダイヤモンド砥粒の固着数が少ない中心部
は遅れて被削材に当接するため、被削材のコアは細く崩
れ易い状態になっているので、比較的穏やかな条件に恵
まれ、中心部の損耗は未然に防止される。従って刃先に
向って鋭角に小径化した形態や刃先が平坦なダイヤモン
ドコアビットに比較し、長期間に渡って切れ味が維持さ
れ、ドリルビットそのものの寿命が保証される。
【0025】本発明のダイヤモンドドリルビット10
は、上記の如く鋼製の金属ボディ1の先端に、ロウ付用
合金2を介してダイヤモンド砥粒を一層に固着すること
によって構成される。ロウ付用合金の組成は、例えば特
開昭50−39661号公報によって公知の合金粉末、
具体的には50〜90%のNi又はCoもしくはその混
合物に約12%以下のB、Si、Pの1種以上と、2〜
30%のCrで構成される合金粉末や、Ni又はCu−
Snをベースとし、上記各元素の他にFe、Ti、P等
公知の金属元素を添加することができる。
【0026】本発明における上記ダイヤモンドドリルビ
ットの製造方法は、金属ボディの先端面を凹面状に掘削
したりスリットを設けるなど、所望の形状に加工した
後、ロウ付用合金粉末とペースト用バインダとで形成し
たペーストを、金属ボディの先端面から2〜20mm程度
に相当する金属ボディの外周面と、凹面状に掘削された
先端とに塗布し、該塗布面にダイヤモンド砥粒を均一に
散布固定する。次いで該金属ボディを真空炉内にセット
し、炉内を真空排気すると共に100℃〜500℃に昇
温して減圧乾燥することによって脱バインダ処理を施
し、その後炉内雰囲気を乾燥水素雰囲気に置換するか、
又はそのまま真空雰囲気を維持してロウ付用合金の融点
以上、具体的には800〜1100℃に加熱する。溶融
したロウ付用合金とダイヤモンド砥粒との濡れ性が良好
なため、ダイヤモンド砥粒は金属ボディの所定の位置に
良好に保持され、鋭い刃部が形成される。
【0027】ダイヤモンド砥粒が金属ボディの所定の位
置に強固に固定されるためには、ロウ付用合金粉末(以
下、「ボンド」ということがある。)を混練する際に用
いられるペースト用バインダを、ロウ付用合金の加熱溶
融前に除去して置くことが好ましく、また加熱溶融温度
までの昇温速度や加熱溶融時間並びに冷却速度などに充
分な配慮が必要である。
【0028】具体的な乾燥温度、乾燥時間、溶融温度、
溶融時間、昇温速度、冷却速度等は、使用するロウ付用
合金組成やペースト用バインダ並びに処理雰囲気等によ
って異なるため一概には規定できないが、上記の各状況
に応じて適宜に定められる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。
【0030】実施例1 外径5mm、長さ150mmの鋼製丸棒を用意し、その中心
部に幅1.5mm、深さ2.5mmのスリットを設けると共
に、該丸棒の先端外周部から回転軸に向って凹面状に掘
削し、擂り鉢状の傾斜面を形成した。なお、該傾斜面の
傾斜角は、鋼製丸棒の回転軸に対して45度とした。一
方、50〜80%のCuと、残部がSn、TiおよびP
とで構成されるよう配合した混合粉末とニクロブレーズ
セメント(ウォール・コルモノイ社製)とを混練するこ
とによりボンドペーストを形成し、該ボンドペーストを
上記のように加工された鋼製丸棒の先端から約7mmに相
当する外周面と、先端凹面状の傾斜面に塗布し、次いで
該ボンドペーストを乾燥した後、さらに樹脂粘着材を塗
布し、それにダイヤモンド砥粒を均一に貼付した。その
後、約100℃で乾燥することにより樹脂粘着材の水分
を除去し、次いで真空炉内にセットし、1×10-4mmHg
の真空雰囲気中、400℃に加熱して脱バインダ処理を
施した後、950℃に加熱してボンドの溶融処理を施
し、同雰囲気を保持しつつ200℃まで除冷し、図1及
び図2に示すような構造の乾式穿孔用ダイヤモンドドリ
ルビットを作製した。
【0031】次いで、上記の乾式穿孔用ダイヤモンドド
リルビットを電動回転ドリルに装着し、回転数1600
rpm で、高強度コンクリート板(骨材粒径;25mm、板
厚:60mm)に荷重10kgで押し付け、穿孔作業を行っ
たところ、勢い良く切削屑を排出しながらビットはコン
クリートを堀り進み、冷却水や切削水を用いずに乾式で
連続穿孔することができた。平均穿孔速度は80mm/min
であり、またこのビットの砥石部の完耗に達するまで
に、20穴(トータル1200mm)の穿孔作業が可能で
あることが確認された。
【0032】比較例1 外径5mm、長さ150mmの鋼製丸棒を用意し、その中心
部に幅1.5mm、深さ2.5mmのスリットを設けると共
に、該丸棒の外周部から先端の回転軸に向って小径化し
た円錐台形に形成した。なお、該円錐台形の傾斜角は、
鋼製丸棒の回転軸に対して45度とした。以降は実施例
1と同様にして、図3及び図4に示すような構造の乾式
穿孔用ダイヤモンドドリルビットを作製した。
【0033】次いで、実施例1と同様のコンクリート板
に対して、実施例1と同様にして穿孔作業を行なったと
ころ、1穴目の途中で、ビット先端円錐台形の中央部分
付近のダイヤが早期破壊及び脱落してしまい、この部分
が大きな切削抵抗となって穿孔不能になった。
【0034】比較例2 ダイヤモンド砥粒を固着する手段を電着法とした以外
は、実施例1と同様の構造を有する乾式穿孔用のダイヤ
モンドドリルビットを作製し、実施例1と同様の条件で
コンクリート板に対する穿孔作業を実施したところ、1
穴目の途中でダイヤモンドドリルビット先端面のダイヤ
モンド砥粒が脱落し、穿孔不能となった。
【0035】
【発明の効果】本発明の乾式穿孔用ダイヤモンドドリル
ビットは、コンクリートや石材などの硬脆材への穿孔作
業、とり分け比較的小径の穿設作業において、水や加工
液を用いることなく、簡便な汎用工具に装着して高速か
つ連続的に穿孔することが可能である。一方、本発明の
ダイヤモンドドリルビットの製造方法は、簡便な手段で
所望のスリットを形成し得るため、量産性が確保され、
従来公知の方法に比較して極めて低いコストで優れたダ
イヤモンドドリルビットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における乾式穿孔用ダイヤ
モンドドリルビットの平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った一部の断面図である。
【図3】従来の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビットの
平面図である。
【図4】図3のB−B線に沿った一部の断面図である。
【符号の説明】
1 金属ボディ 2 ロウ付用合金 3 ダイヤモンド砥粒 4 スリット 5 金属ボディの先端面 10、20 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット
フロントページの続き (72)発明者 深田 伸男 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 東邦 チタニウム株式会社内 (72)発明者 鈴木 耿一 神奈川県海老名市本郷1770 三京ダイヤモ ンド工業株式会社内 Fターム(参考) 3C037 AA04 AA10 BB16 BB17 CC02 CC04 CC06 CC08 FF04 FF06 FF09 3C069 AA04 BA09 BB01 BB02 BB03 CA01 CA07 DA04 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ボディの先端にダイヤモンド砥粒を
    一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットであっ
    て、該金属ボディの先端に少なくとも1条のスリットを
    設け、金属ボディの外周面と、金属ボディの先端面と
    に、ロウ付用合金を溶融してダイヤモンド砥粒を固着し
    てなることを特徴とする乾式穿孔用ダイヤモンドドリル
    ビット。
  2. 【請求項2】 金属ボディの先端面を、金属ボディの中
    芯軸に向って凹面状に形成し、かつ該中芯軸に対する凹
    面状の傾斜角(θ)が20〜70度である請求項1に記
    載の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット。
  3. 【請求項3】 金属ボディの先端にダイヤモンド砥粒を
    一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットの製造
    方法において、該金属ボディの先端に少なくとも1条の
    スリットを設け、金属ボディの外周面と、金属ボディの
    先端面とに、ロウ付用合金とダイヤモンド砥粒との混合
    層を一層に形成した後、還元性雰囲気または真空中で8
    00〜1100℃に加熱することによりロウ付用合金を
    溶融させ、該ダイヤモンド砥粒を金属ボディに固着せし
    めることを特徴とする乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
    ットの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属ボディの先端面を、金属ボディの中
    芯軸に向って凹面状に形成し、かつ該中芯軸に対する凹
    面状の傾斜角(θ)を20〜70度とする請求項3に記
    載の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビットの製造方法。
JP10282450A 1998-10-05 1998-10-05 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法 Pending JP2000108117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282450A JP2000108117A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282450A JP2000108117A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000108117A true JP2000108117A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17652593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10282450A Pending JP2000108117A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000108117A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005032788A1 (fr) * 2003-10-08 2005-04-14 Yuehua Xu Trepan pour piece a travailler a paroi mince
JP2006035728A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Asahi Diamond Industrial Co Ltd コアドリル
JP2011240446A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Hitachi Koki Co Ltd ドリルビット及びドリルビットの製造方法
CN104400916A (zh) * 2014-11-25 2015-03-11 江苏锋菱超硬工具有限公司 一种低速干打钎焊小孔钻
CN113664551A (zh) * 2021-09-09 2021-11-19 江苏久保联实业有限公司 一种裂解炉用乙烯裂解炉炉管深孔加工装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005032788A1 (fr) * 2003-10-08 2005-04-14 Yuehua Xu Trepan pour piece a travailler a paroi mince
JP2006035728A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Asahi Diamond Industrial Co Ltd コアドリル
JP2011240446A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Hitachi Koki Co Ltd ドリルビット及びドリルビットの製造方法
CN104400916A (zh) * 2014-11-25 2015-03-11 江苏锋菱超硬工具有限公司 一种低速干打钎焊小孔钻
CN104400916B (zh) * 2014-11-25 2016-03-09 江苏锋菱超硬工具有限公司 一种低速干打钎焊小孔钻
CN113664551A (zh) * 2021-09-09 2021-11-19 江苏久保联实业有限公司 一种裂解炉用乙烯裂解炉炉管深孔加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5870071B2 (ja) 改良された耐熱亀裂性を有する物品
US5115697A (en) Diamond rotary cutter flute geometry
US4679971A (en) Rotary cutting tool and process for making same
JP3441819B2 (ja) 削岩ドリル
CN101195257B (zh) 一种金刚石钎焊工具
JPS6076905A (ja) 複合焼結研磨チツプ,印刷回路板用
KR20140023382A (ko) 비틀림 드릴 팁, 그 제조에 사용하기 위한 전구체 구조물, 및 그 제조와 사용 방법
JP2005111581A (ja) 穿孔工具
JPH0373210A (ja) 高硬度切削工具及びその製造方法並びに使用方法
JP3953174B2 (ja) 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法
JP2000108117A (ja) 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びその製造方法
JP2005342836A (ja) 超砥粒工具及びその製造方法
JP4851029B2 (ja) 焼結超砥粒チップを取着してなる超砥粒工具
JP4608062B2 (ja) バニシングドリル
KR100596473B1 (ko) 내경에 테이퍼가 형성된 코어 드릴 비트 및 절삭팁
JP4604182B2 (ja) 掘削工具の製造方法及び掘削工具
JPH031134Y2 (ja)
JPH10113880A (ja) ダイヤモンドドリルビット及びそれに用いるダイヤモンド砥石の製造方法
JPH11320219A (ja) 硬質焼結体スローアウェイチップとその製造方法
JPS60259306A (ja) 複合工具およびその製造方法
JP3606742B2 (ja) 台金にクリアランスを有するコアビット
CA1292875E (en) High energy laser beam welded tools
KR20200049211A (ko) 다결정 다이아몬드 공구 제조 방법
JP2581987Y2 (ja) ガラス穿孔具
JPH02152703A (ja) 高硬度複合焼結体を切刃とする切削工具