JP2000106880A - 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna - Google Patents

新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna

Info

Publication number
JP2000106880A
JP2000106880A JP10286470A JP28647098A JP2000106880A JP 2000106880 A JP2000106880 A JP 2000106880A JP 10286470 A JP10286470 A JP 10286470A JP 28647098 A JP28647098 A JP 28647098A JP 2000106880 A JP2000106880 A JP 2000106880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
dna
cells
amino acid
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10286470A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Miyake
健介 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10286470A priority Critical patent/JP2000106880A/ja
Publication of JP2000106880A publication Critical patent/JP2000106880A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 B細胞の増殖、アポトーシスの制御に重要な
分子であると考えられるマウスMD-1分子のヒトのホモロ
グ、カウンターパートであるヒト MD-1分子及びこれを
コードするDNAの提供。 【解決手段】 下記の(A)又は(B)のヒトタンパク
質をコードするDNA又は少なくともその一部を有するDN
A。 (A)特定のアミノ酸配列を有するタンパク質。 (B)上記特定のアミノ酸配列において、1又は複数の
アミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸
配列を有し、かつ、B細胞の増殖もしくは促進、又はB細
胞のアポトーシスの抑制もしくは誘導に関与する性質を
有するタンパク質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なヒトB細胞
表面分子タンパク質及びこれをコードするDNA、及びそ
の利用に関する。
【0002】本発明のタンパク質及びこれをコードする
DNAは、B細胞の抗体産生に関わる疾患、自己免疫疾患、
アレルギー疾患、喘息、アトピー性皮膚炎等疾患の治療
薬及び診断薬に利用され得る。
【0003】
【従来の技術】B細胞は細胞表面に存在する免疫グロブ
リンを介して抗原刺激を受け取り、外来抗原の刺激に応
じて種々の抗原特異的B細胞が活性化され、特異抗体を
産生し、侵入して来た抗原の排除に寄与する。一方、自
己抗原と反応するB細胞クローンはこの過程において負
の増殖シグナルを受け、除去されたり(クローナル・デ
リーション)、不応答(クローナル・アナージー)にな
ることが知られている。この外来抗原刺激によるB細胞
の活性化が正常に行われない場合、免疫不全症が発症
し、一方、自己反応性B細胞の不応答性の獲得、除去が
異常の場合、自己免疫疾患が発症すると考えられる。
【0004】最近の研究によると、未熟B細胞のみなら
ず、成熟B細胞も、抗原、抗免疫グロブリン抗体によりB
細胞表面IgMを架橋することにより、細胞死(アポトー
シス)が引き起こされることが明らかとなってきた。
【0005】しかし、生体内において、この様な抗原刺
激、表面IgMの架橋によりB細胞がアポトーシス、アナー
ジーに至れば、正常の免疫応答でみられる抗体産生がみ
られないこととなり、実際の生体の免疫応答と矛盾す
る。したがって、B細胞が抗原刺激に反応して増殖する
為には、そのアポトーシスをキャンセルする別のシグナ
ル(第2のシグナル)の関与が必要となる。
【0006】B細胞の活性化には同時にはT細胞の活性
化も必要である。活性化されたT細胞は、CD40リガンド
を発現し、B細胞上のCD40と反応し、また、IL-4, IL-10
などのサイトカインを産生し、それによってB細胞の増
殖、分化、クラススイッチ、アポトーシスの抑制等の制
御がなされていると考えられている。B細胞をCD40リガ
ンドの代わりに抗CD40抗体と反応させると、抗CD40抗体
のみでは抗体産生がおこらず、IL-10の添加によりIgG,
IgA, IgM産生細胞に分化し、また、IL-4添加によりIgE
産生細胞に分化することが知られている。アポトーシス
の制御に関し、同様な第2のシグナルが必要であるのか
明らかでない。正常B細胞に抗原を単独で反応させても
アポトーシスは誘導されないことより、第2のシグナル
を必要とする可能性は十分にある。CD40もアポトーシス
の抑制に関与しているとの報告もあり、また、細胞接着
分子であるLFA-1/ICAM-1もアポトーシスの制御に関与し
ているとの報告もあるが、正常B細胞について抗原レセ
プターを介するアポトーシスを誘導する実験系が確立さ
れていないために解析が進んでいないのが現状である。
【0007】Leucine-rich repeat(LRR)は、蛋白−蛋
白相互作用に関係する蛋白モチーフである。そのモチー
フは、機能においても細胞内の分布においても、様々な
蛋白中に存在する。その中には、病原体に対する防御の
役割を持つものもある。トマトのカビに対する防御反応
誘導シグナルを伝達するCf-2, Cf-9レセプターはLRRモ
チーフを細胞外ドメインに持っており、LRRにより特異
的な病原体の分子を認識し、植物の防御応答を活性化す
る。同様にDrosophilaのLRR分子であるTollはカビに対
する防御応答を引き起こす。最近、Tollのヒトホモログ
がクローニングされた。ヒトのTollはリンパ球とモノサ
イト上に発現し、活性化シグナルを伝達する。この様に
LRR分子は様々な種の免疫システムにおいて基本的な役
割を果たしている。
【0008】RP105は、マウスBリンパ球に発現するLRR
分子である。これは本発明者らにより、脾臓のB細胞
を、放射線照射により誘導されるアポトーシスから防御
するRP抗体の樹立により同定された。RP105分子は、そ
のRP抗体でクロスリンクされると、アポトーシスに対し
抵抗するのと同時に、B細胞を増殖させる強力な活性化
シグナルを伝達する。興味深いことに、これらの活性化
され増殖しているB細胞は、抗原レセプターからの刺激
が入ると、増殖を抑制しアポトーシスを起こす。このよ
うにRP105はB細胞の増殖と、抗原により誘導されるアポ
トーシスの制御に関与する。
【0009】本発明者らは、RP105分子の会合分子を検
索するために免疫沈降実験を行い、22kDと25kDの分子を
得た。その後、タンパク質を精製し、N末端アミノ酸シ
ークエンサーを用い25kDタンパク質のN末端アミノ酸24
個を決定した。同じ配列が22kD分子からも得られた。こ
の配列は、NCBI databaseの検索より、新規のタンパク
質であることがわかり、その遺伝子のクローニングを行
った。(J. Immunology 161:1348-1353,1998) 先に決定したタンパク質のN末端アミノ酸シークエンス
を基に、縮重(degenerate)プライマーを作製し、BCL1
細胞から作製したcDNAライブラリーをテンプレートとし
てPCRを行いDNA増幅を行った。得られたPCR増幅産物の
塩基配列を決定し、アミノ酸配列をコードしているのを
確認したうえで、この配列をプローブとして再度BCL1細
胞のcDNAライブラリーをスクリーニングした結果、長さ
約1kbのcDNAを得、全塩基配列を決定した。全てのアミ
ノ酸配列を用いて再度データベースを検索したところ、
v-myb regulated geneのひとつであるMD-1が高いホモロ
ジーを示し、この分子がMD-1のマウスホモログであると
同定された。
【0010】MD-1分子のORF(オープン・リーディング・
フレーム)は約1kbで、162個のアミノ酸がコードされて
いる。20番目のアミノ酸に相当するコドンからスタート
する塩基配列は実験で得られたアミノ酸配列をコードし
ている。故に、始めから19番目アミノ酸までの疎水性ア
ミノ酸配列はシグナル配列である。
【0011】細胞表面をビオチン化した細胞ライゼート
を用いた免疫沈降実験により、MD-1は細胞表面に存在す
ることが示された。しかしながらそのcDNA cloneは二つ
めの疎水性部分を持たず、分泌蛋白と予想された。本発
明者らは、MD-1 flag(MD-1遺伝子の端にflagというepi
tope(エピトープ)蛋白を結合したもの) cDNAを293 T
細胞へトランフェクトしたところ、293 T細胞上にflag
epitopeは検出されなかったが、培養上清中には検出さ
れた。ところが、RP105 cDNAをMD-1 flag cDNAと共にト
ランスフェクションすると、細胞表面上にflag epitope
が検出された。このようにMD-1分子は分泌蛋白である
が、RP105と結合することで細胞表面に存在することが
できる。RP105の発現におけるMD-1の役割、およびMD-1
の機能を調べるため、RP105モノマー及びRP105/MD-1ヘ
テロダイマーの性質の差を調べた。RP105は単独またはM
D-1と共に293 T細胞上に発現させ、抗RP抗体で検出する
ことが出来る。MD-1 cDNAを共にトランスフェクトする
と、RP105 cDNAのみをトランスフェクトした細胞に比較
してRP105陽性細胞の比率が上昇した。RP105 cDNAを、
他の関係のない分子をコードするLy-6A/E cDNAと共にト
ランスフェクションしたコントロール実験では、RP105
陽性細胞の比率はRP105 cDNAだけのトランスフェクショ
ンの約半分であった。共トランスフェクションのみでは
RP105の発現は減少するが、MD-1 cDNAとの共トランスフ
ェクションはRP105の発現を上昇させる。すなわち、MD-
1はRP105の細胞膜への発現を促進させる。
【0012】本明細書に記載のすべての出版物は、本明
細書中にその全体が参考として援用される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記したとおり、マウ
スMD-1分子は抗原レセプターを介した正常B細胞の増
殖、アポトーシスに深く関与している分子であり、その
存在はアポトーシスの制御における第2のシグナルを導
入するマウスRP105分子の発現を制御する可能性が高
く、アポトーシスの正負の制御に重要な働きを担う分子
であると考えられる。
【0014】本発明は、B細胞の増殖、アポトーシスの
制御に重要な分子であると考えられるマウスMD-1分子の
ヒトのホモログ、カウンターパートであるヒト MD-1分
子及びこれをコードするDNAを提供することを課題とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
ように、すでにマウス MD-1タンパク質をコードするcD
NAを単離し、その全塩基配列を決定している。(J. Immu
nology 161:1348-1353,1998) このマウスMD-1分子をコ
ードする遺伝子を基に、医薬品等に応用するのに適した
ヒトMD-1分子を単離することを目的とした研究を重ね、
ヒトMD-1分子をコードする遺伝子をクローニングするこ
とに成功した。
【0016】MD-1分子は、細胞膜貫通ドメインを持たな
い分子であるにもかかわらず細胞表面のRP105分子と結
合する特異的な構造を有しているため、マウスMD-1分子
をコードする遺伝子を基にヒトMD-1分子をコードする遺
伝子をクローニングするのに困難を有した。本発明者ら
は、ヒトMD-1分子を単離するべく鋭意研究を重ね、マウ
スMD-1分子の塩基配列をもとにホモロジーサーチするこ
とにより、ヒトMD-1分子をコードする遺伝子をクローニ
ングすることに成功した。
【0017】すなわち本発明は、下記の(A)又は
(B)のヒトタンパク質をコードするDNA又は少なくと
もその一部を有するDNAである。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は
複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
ミノ酸配列を有し、かつ、B細胞の増殖もしくは促進、
又はB細胞のアポトーシスの抑制もしくは誘導に関与す
る性質を有するタンパク質。
【0018】上記DNAとして具体的には、下記(a)又
は(b)に示すDNAが挙げられる。(a)配列表の配
列番号1に記載の塩基配列のうち、少なくとも塩基番号
81〜509からなる塩基配列を含むDNA。(b)配
列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少なくとも
塩基番号81〜509からなる塩基配列とストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズし、かつ、B細胞の増殖
もしくは促進、又はB細胞のアポトーシスの抑制もしく
は誘導に関与する性質を有するヒトタンパク質をコード
するDNA。
【0019】本発明はまた、下記の(A)又は(B)の
ヒトタンパク質又はその一部を有するタンパク質を提供
する。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1〜複
数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミ
ノ酸配列を有し、かつ、B細胞の増殖もしくは促進、又
はB細胞のアポトーシスの抑制もしくは誘導に関与する
性質を有するタンパク質。
【0020】さらに本発明は、前記DNAを含むことを特
徴とする組換えDNA、前記DNA又は組換えDNAで形質転換
された形質転換体、および前記形質転換体を培養し、そ
の培養物から前記タンパク質を回収、精製することを特
徴とする、前記タンパク質の製造方法、を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】<1>本発明のDNA 本発明のDNAは、前記(A)又は(B)のタンパク質
(以下、「ヒトMD-1」という)をコードするDNA又は少
なくともその一部を有するDNAである。本発明のDNAとし
て具体的には、配列番号1に示す塩基配列を有するDN
A、特に配列番号1において塩基番号24〜512で表される
塩基配列を有するDNAが挙げられるが、一般に、アミノ
酸をコードするDNAのトリプレットは、アミノ酸の種類
ごとに1〜6種類が存在することが知られているので、
配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列
は、配列番号1に示す塩基配列に限定されない。
【0023】また、「一部」とは、(A)又は(B)の
タンパク質をコードするDNAの任意の一部を意味し、
「少なくと一部を有する」とは、(A)又は(B)のタ
ンパク質をコードするDNAの全部又は一部の5’末端、
3’末端のいずれか一方、もしくはその両方に任意の1
つ以上の塩基が付加した配列からなるものであってもよ
いことを意味する。ここで、付加される塩基は、コーデ
イングフレームにずれを生じさせない限りいかなるもの
であってもよく、例えば、リンカー配列、シグナルペプ
チドをコードする塩基配列、他のタンパク質をコードす
る塩基配列、もしくはDNAプローブ等を作製する際にそ
の検出感度の増加を目的として付加される配列等が例と
して挙げられる。
【0024】尚、本発明のDNAをゲノムライブラリーか
ら調製した場合には、イントロンが含まれる可能性が高
いが、そのようなイントロンで分断されたDNAであって
も、ヒトMD-1をコードする限り、本発明のDNAに含まれ
る。
【0025】本発明のDNAは、新規タンパク質ヒトMD-1
のアミノ酸配列をコードする塩基配列の少なくとも一部
を有する限り、cDNAであっても染色体DNAであってもよ
い。しかしながら、形質転換体への導入の容易さ等、遺
伝子工学的手法における扱い易さから、本発明のDNAはc
DNAであることが好ましい。
【0026】本発明のDNAは、特に好ましくは、ヒトMD-
1のアミノ酸をコードする塩基配列の全体を有するもの
である。この配列は、ヒトMD-1の生物活性を応用するた
めのタンパク質を生産するために使用することができ
る。ヒトMD-1のアミノ酸をコードする塩基配列を有する
DNAを適当なシグナル配列の下流に接続させた組換えDNA
分子を作製し、これを用いて宿主細胞を形質転換させる
と、得られた形質転換体の培養上清中に新規タンパク質
ヒトMD-1のアミノ酸配列を有するタンパク質を分泌させ
ることができる。
【0027】同一の機能を有するタンパク質であって
も、種間差や個体差によってアミノ酸配列や、それをコ
ードするDNAの塩基配列に多様性が生じることがある。
したがって、B細胞の増殖もしくは促進、又はB細胞のア
ポトーシスの抑制もしくは誘導に関与する性質を有する
限り、1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付
加を有するヒトMD-1をコードするDNAも、本発明のDNAに
含まれる。このようなアミノ酸の置換、欠失、挿入又は
付加は、複数の位置で同時に生じていても良い。ここで
「複数」とは、2〜40個、好ましくは2〜30個、よ
り好ましくは2〜10個である。上記のようなDNAの一
態様として、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基
配列のうち、少なくとも塩基番号81〜509からなる
塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズするDNAであって、かつ、B細胞の増殖もし
くは促進、又はB細胞のアポトーシスの抑制もしくは誘
導に関与する性質を有するタンパク質をコードするDNA
が挙げられる。ここでいう「ストリンジェントな条件」
とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特
異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条
件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せ
ば、相同性が高い核酸同士、例えば、70%以上、好ま
しくは80%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリ
ダイズし、それより相同性が低い核酸同士がハイブリダ
イズしない条件が挙げられる。
【0028】本発明のDNAは、いかなる方法で得られたD
NAであってもよい。すなわち、ヒトMD-1のアミノ酸をコ
ードする塩基配列を参考に化学合成されたものであって
もよく、適当なDNAライブラリーからクローニングされ
たものであってもよい。
【0029】本発明のDNAを化学合成するには、たとえ
ば、次のような方法がある。すなわち、まず、ヒトMD-1
のアミノ酸をコードする塩基配列を有するDNAを約20塩
基からなる断片に分けてDNA化学合成機を用いて合成
し、その後必要に応じて5’末端のリン酸化を行い、各
断片をアニーリングし、ライゲーションして目的のDNA
を得る。
【0030】本発明のDNAをDNAライブラリーから得る方
法として、適当なゲノムDNAライブラリーやcDNAライブ
ラリーからハイブリダイゼーションによってスクリーニ
ングする方法や、抗体を用いたイムノスクリーニング法
等でスクリーニングし、目的のDNAを有するクローンを
増殖させ、そこから制限酵素等を用いて切り出す方法が
ある。ハイブリダイゼーション法によるスクリーニング
は、ヒトMD-1のアミノ酸をコードする塩基配列もしくは
その一部を有するDNAを32P等でラベルしてプローブと
し、任意のcDNAライブラリーに対し、公知の方法(Mole
cular Cloninng,a Laboratory Manual., 1982, Cold Sp
ring Harbor Laboratory, New York, Maniatis T.)で
行うことが出来る。
【0031】本発明のDNAはまた、ゲノムDNAライブラリ
ーもしくはcDNAライブラリーを鋳型とするPCR(Polymera
se Chain Reaction)により得ることが出来る。PCRはヒ
トMD-1のアミノ酸をコードする塩基配列を基にセンスプ
ライマー、アンチセンスプライマーを作製し、任意のDN
Aライブラリーに対し、公知の方法(PCR Protocols, aGu
ide to Molecular and Applications, Academic Press,
Michael A. I. 1990)等を行って、本発明のDNAを得る
ことが出来る。
【0032】上記各種方法で使用するDNAライブラリー
は、本発明のDNAを有するライブラリーであれば、いか
なるものも使用可能であり、市販のDNAライブラリーを
使用したり、適当な細胞から公知の方法(Molecular Clo
ning, a Laboratory Manual 2nd ed., 1989, Cold Spri
ng Harbor Laboratory, New York, 参照)に従い、作製
したcDNAライブラリーを利用できる。cDNAライブラリー
を得るための細胞としては、ヒトの末梢血や脾細胞から
得られたリンパ球やB細胞系の株化細胞、ハイブリドー
マ等が適している。尚、ライブラリーを得るための細胞
としては、MD-1を高発現しているものを用いることが好
ましい。そのような細胞としては、ヒトB細胞リンフォ
ーマ細胞株Daudi細胞が挙げられる。
【0033】上記のような細胞を必要あれば、適当な活
性化剤で活性化させた後、上記の公知の方法でcDNAライ
ブラリーを作製すればよい。
【0034】本発明により、ヒトMD-1をコードするDNA
の塩基配列が明らかにされたので、それに相補的DNAの
配列およRNAの配列が一義的に決定されるので、本発明
のDNAに対応するRNAや、相補的な配列を有するDNAもま
た提供される。
【0035】本発明の新規DNAは、1本鎖であっても、そ
れに相補的な配列を有するDNAやRNAと結合して2本鎖、3
本鎖を形成していてもよい。
【0036】当該DNAは、ホースラデイッシュペルオキ
シダーゼ(HRP)等の酵素や放射線同位元素、蛍光物質、
化学発光物質等で標識して、組織におけるヒトMD-1の発
現状況を検査するために使用できる。当該DNAを使用し
て細胞におけるヒトMD-1の発現量を確認することがで
き、ヒトMD-1の製造に適した細胞や細胞の培養条件を決
定することができる。また、本発明の新規DNAを生体内
の細胞に導入し、たとえば、自己免疫疾患等の遺伝子治
療にも使用することができる。さらに本発明のDNAが有
する塩基配列を基にアンチセンス医薬品の開発すること
もできる。すなわち、本発明のDNAの一部や、その誘導
体を公知の方法で合成し、それらを使用してヒトMD-1の
発現を調整したり、本発明のDNAに相補的な配列を含む
オリゴヌクレオチドやその誘導体を使用して、ヒトMD-1
の発現を調節することができる。
【0037】アミノ酸残基の置換、欠失、挿入を有する
ヒトMD-1をコードするDNAは、突然変異剤を用いる方法
や部位特異的変異法等の通常の変異操作によって得られ
る。部位特異的変異の手法には、様々な手法(R. Higuc
hi et al. Recombinant PCRin "PCR Protocols: A Guid
e to Methods and Applications" p.177, AcademicPres
s, 1990: Sambrook, Fritsch and Maniatis, "Molecu
lar Cloning" Chapter 15 Site-directed Mutagenesis
of Cloned DNA, Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, 1989 等)があるが、部位特異的に変異を導入する手
法であれば何れの手法を用いてもよい。
【0038】<2>本発明のタンパク質 本発明のタンパク質は、前記(A)又は(B)のタンパ
ク質(以下、「ヒトMD-1」という)又はその一部を有す
るタンパク質である。ここで、「一部」とは、(A)又
は(B)のタンパク質の任意の一部を意味し、「少なく
と一部を有する」とは、(A)又は(B)のタンパク質
の全部又は一部のN末端、C末端のいずれか一方、もし
くはその両方に、任意の1つ以上のアミノ酸が付加して
なるアミノ酸配列で規定されるものであってもよいこと
を意味する。
【0039】本発明のタンパク質は、これにより発現を
上昇させるヒトRP105を介した刺激(化学的刺激、抗
体、RP105リガンド等いずれでもよい)により、B細胞の
増殖を促進したり抑制したり、B細胞のアポトーシスを
抑制したり、誘導するものであってもよい。しかしなが
ら、好ましくは、当該タンパク質は、これにより発現を
上昇させるヒトRP105からの刺激により、B細胞の増殖を
促進し、B細胞アポトーシスを抑制する活性を有する、
及びその一部を含むタンパク質である。
【0040】同一の機能を有するタンパク質であって
も、種間差や個体差によってアミノ酸配列や、それをコ
ードするDNAの塩基配列に多様性が生じることがある。
また、アミノ酸の位置によっては、タンパク質の生物活
性に影響を及ぼさず他のアミノ酸に置換することができ
る。したがって、本発明のタンパク質は、B細胞の増殖
もしくは促進、又はB細胞のアポトーシスの抑制もしく
は誘導に関与する性質を有する限り、1又は複数のアミ
ノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するヒトMD-1も含
まれる。このようなアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付
加は、複数の位置で同時に生じていても良い。ここで
「複数」とは、2〜40個、好ましくは2〜30個、より好ま
しくは2〜10個である。
【0041】本発明のタンパク質は、好ましくは、配列
番号2に示すアミノ酸配列の少なくとも一部を有するも
のである。
【0042】ヒトMD-1は、細胞表面分子として存在して
いる。従って、アポトーシスを抑制するこれらのタンパ
ク質を得るには、これらのタンパク質を発現している細
胞や組織のライセートから精製する必要がある。ところ
で、このような細胞表面上に存在するタンパク質は、そ
れを生産する細胞の培養上清中や、尿や血液等の体液中
に存在することが多い。一般にタンパク質の精製は、細
胞や組織のライセートから精製する場合と培養上清や尿
等から精製する場合があり、後者の方が効率的で収率も
よい。当該新規タンパク質は、上述のように、培養上清
中等に存在するため生産上の有用性が高い。従って、本
発明では、このような当該新規タンパク質の少なくとも
一部を有するタンパク質を本発明のタンパク質の好まし
い一形態として提供する。
【0043】本発明の新規タンパク質には、糖鎖を有す
るものと有さないもののいずれも含まれる。ヒトMD-1の
アミノ酸配列中には、2箇所の糖鎖付加可能部位(N−
グリコシレーションサイト)がある。従って、当該タン
パク質が動物細胞によって生産されたものであっても、
遺伝子工学的に酵母や動物細胞等の真核細胞を宿主とし
て生産させたものであったりした場合には、糖鎖が付加
される可能性がある。一方、大腸菌等の原核細胞を宿主
として遺伝子工学的に蛋白を生産させた場合などは、当
該タンパク質は糖鎖を持たない。
【0044】本発明の新規タンパク質は、いかなる方法
で生産されたものであってもよい。例えば、ペプチド合
成機を使用して化学合成したものであっても、ヒトおよ
びヒト以外のいかなる生物の組織や細胞、体液から精製
されたものであってもよい。体液としては、血液、尿が
挙げられる。細胞としては、本発明の新規タンパク質を
産生する細胞を適宜選択して用いることができる。例え
ば、胸腺細胞、ひ細胞、リンパ系細胞、および、それら
の株化細胞などが挙げられる。そしてこれらの細胞のラ
イセートもしくは培養上清から、当該タンパク質を精製
する。精製は、濃縮、各種クロマトグラフィー、塩析等
を組み合せて行うことができる。
【0045】しかしながら、当該新規タンパク質は、そ
の純度の面から、遺伝子工学的に生産されたもの、すな
わち、組換えタンパク質であることが好ましい。当該タ
ンパク質を遺伝子工学的に生産するには、本発明のDN
A、もしくはこのDNAを含む後述の組換えDNAを用いて、
適当な宿主細胞に形質転換し、得られた形質転換体を培
養し、その培養物から本発明のタンパク質を回収、精製
すればよい。
【0046】近年の技術により、タンパク質をポリエチ
レングリコール、デキストラン、ピランコポリマー、ポ
リリジン、スチレンーマレイン酸コポリマー等の高分子
に結合させたり、多糖類やタンパク質などの天然高分
子、ホルモンなどの生理活性物質、マグネタイトなどの
無機物質に結合させたりすることが可能となった。本発
明も公知方法を組み合せてこの様な修飾も可能である。
従って、本発明のタンパク質には、上述のような修飾を
受けたものも包含される。
【0047】本発明のタンパク質は、生体内で生じるア
ポトーシスを調節するために使用することができる。自
己免疫疾患等での正常なB細胞のアポトーシスを抑制す
ることにより、種種の自己免疫疾患治療に応用できる。
また、種種の感染症等によってアポトーシスが誘導され
る感染細胞をアポトーシスから回避させることができ
る。また、B細胞の増殖促進することより、免疫不全症
における抗体産生能の亢進、免疫抑制剤等の副作用にお
ける免疫機能低下等の免疫改善薬としても使用できる。
【0048】本発明の新規タンパク質を医薬品として使
用する場合には、タンパク質を有効成分として含む通常
の医薬組成物の製造方法に準じて医薬組成物を製造す
る。医薬組成物の有効成分としては、本発明の新規タン
パク質の中でもヒトに対する抗原が抗原性が最も低く、
ヒトMD-1のアミノ酸配列もしくは、少なくとも一部を有
するタンパク質を使用することが好ましい。
【0049】<3>本発明の組換えDNA 本発明の組換えDNAは、前記本発明のDNAを含む。本発明
の組換えDNAは、環状、直鎖状等いかなる形態のもので
あってもよい。また、本発明の組換えDNAは、いかなる
用途に使用されるものであってもよい。例えば、本発明
のDNAを増幅させ大量に得ることに用いてもよいし、本
発明のタンパク質の産生に用いるものであってもよい。
【0050】本発明の組換えDNAは、本発明DNAに加え、
必要ならば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基
配列とは、エンハンサーの配列、プロモーターの配列、
リボゾーム結合部位、コピー数を増幅を目的として使用
される配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、
他のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付加配
列、スプライシング配列、複製開始配列、選択マーカー
となる遺伝子の塩基配列等のことである。これらの塩基
配列の必要性は、組換えDNA分子の使用目的によって決
定されるが、本発明の組換えDNAは、本発明のDNAに加
え、少なくとも、複製開始点およびマーカー遺伝子を有
していることが好ましい。マーカー遺伝子としては、ア
ンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ネオ
マイシン耐性遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子等が挙げ
られる。
【0051】本発明の組換えDNAは、好ましくは、本発
明のタンパク質であるヒトMD-1を発現するように大腸菌
を形質転換させ得るものである。すなわち、少なくと
も、大腸菌複製開始点、マーカー遺伝子に加えて大腸菌
内で機能するプロモーター配列を有することが好まし
い。また、これに加え、少なくともシグナルペプチドを
コードする配列を有することが好ましい。
【0052】また、当該組換えDNAは、本発明のタンパ
ク質を発現するように酵母、昆虫細胞、あるいは動物細
胞等の真核細胞を形質転換させ得るものであってもよ
い。そのような組換えDNAは、少なくとも、マーカー遺
伝子に加え、ポリA付加配列を有していることが好まし
い。これらに加え、少なくとも、酵母で機能するアルコ
ールオキシダーゼ(AOX)1のプロモーター、もしくは、昆
虫細胞で機能するポリヘドリンプロモーター、もしく
は、動物細胞で機能するSV40, CMV,SRα, FE1αプロモ
ーターなどが挙げられる。
【0053】本発明の組換えDNAは、本発明のDNAを任意
の塩基配列を有する他のDNA断片とライゲーションした
り、任意のベクターに挿入して得られることができる。
DNAをベクターに挿入する方法は公知である。(Molecula
r Cloning, a Laboratory Manual 2nd ed., 1989, Cold
Spring Harbor Laboratory, New York, 参照)すなわ
ち、DNAとベクターをそれぞれ適当な制限酵素で消化
し、得られたそれぞれの断片をDNAリガーゼを用いてラ
イゲーションさせればよい。ベクターは、プラスミドベ
クター、ファージベクター、ウィルスベクター等いかな
るものでもよい。
【0054】<4>本発明の形質転換体 本発明の形質転換体は、本発明のDNA又は組換えDNAで形
質転換されたものである。本発明のDNA又は組換えDNAを
宿主細胞に導入する方法として、エレクトロポレーショ
ン法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン酸カル
シウム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクシ
ョン法、ウィルスを用いる方法等の公知方法(実験医学
臨時増刊、遺伝子工学ハンドブック1991年、羊土
社、参照)があるがいずれの方法をもちいても構わな
い。本発明の形質転換体は、本発明のDNAを大量に製造
する目的でも使用することができる。また、本発明のDN
Aが宿主細胞の適当なプロモーターの下流に組み込まれ
た場合には、当該形質転換体は、本発明の新規タンパク
質を生産する。従って、この様な形質転換体は、本発明
の新規DNAがコードするアミノ酸配列を有するタンパク
質を製造する目的等に使用できる。
【0055】尚、形質転換に本発明の組換えDNAを用い
る場合には、組換えDNAの作製に使用するベクターは、
宿主細胞に適したものを選択する必要がある。同時に、
組換えDNA内に含まれるプロモーター、シグナルペプチ
ドをコードする塩基配列、マーカー遺伝子等は、宿主細
胞に適したものである必要がある。(実験医学臨時増
刊、遺伝子工学ハンドブック1991年、参照)
【0056】本発明の形質転換体は、原核細胞、真核細
胞のいずれかであってもよい。原核細胞の代表的な例と
して、大腸菌と枯草菌があげられる。真核細胞の代表例
としては、CHO細胞、Hela細胞、COS細胞、Namalwa細胞
等の哺乳動物細胞の他、Sf細胞等の昆虫細胞や酵母が挙
げられる。しかしながら、本発明の形質転換体は、好ま
しくは、大腸菌もしくは哺乳動物細胞、酵母を形質転換
させたものである。動物細胞の中では、遺伝子のコピー
数を増加させることが可能なCHO細胞のdhfr欠損細胞が
好ましい。また、酵母に関しては、外来タンパク質の分
泌発現量の多いという点で、ピヒア(Pichia)属の酵母が
好ましい。
【0057】本発明の形質転換体は、本発明のDNAを大
量に得る目的や、本発明のタンパク質を生産するために
使用することができる。当該形質転換体は、いかなる目
的で使用されるものであってもよいが、好ましくは、当
該形質転換体は、本発明のタンパク質を産生するのがよ
く、より好ましくは、本発明のタンパク質を培地中に分
泌するものがよい。
【0058】本発明のタンパク質を産生する形質転換体
を得るためには、宿主細胞に導入する本発明の組換えDN
A中には、少なくとも、その宿主細胞で機能しうるプロ
モーター配列が含まれている必要がある。そして、宿主
細胞が大腸菌等の原核細胞である場合には、組換えDNA
分子のプロモーター配列に加え、複製開始点が含まれて
いる必要がある。また、宿主細胞が真核細胞である場合
には、組換えDNA分子のプロモーター配列に加え、ポリ
A付加サイト、複製開始点が含まれている必要がある。
なお、いずれの場合にも、使用する組換えDNA分子には
上述したマーカー遺伝子が含まれていることが好まし
い。また、当該形質転換体が本発明のタンパク質を発現
分泌するためには、形質転換に使用する組換えDNA中に
は、上記の産生に必要な配列に加え、本発明のDNAの5’
末端に、シグナルペプチドをコードする塩基配列を有し
ている必要がある。
【0059】<5>本発明のタンパク質の製造方法 本発明のタンパク質の製造方法は、前記本発明の形質転
換体を培養し、その培養物から本発明のタンパク質を回
収、精製することを特徴とする、前記タンパク質の製造
方法である。
【0060】当該製造方法では、まず、本発明の形質転
換体を培養し、必要に応じて、遺伝子の増幅や発現誘導
を行なう。次に、培養物を回収し、それらを材料とし
て、必要に応じて濃縮、可溶化、透析、各種クロマトグ
ラフィー等の操作を行ない、本発明のタンパク質を精製
する。当該製造方法で使用する形質転換体は、いかなる
細胞を形質転換したものであってもよい。しかしなが
ら、好ましくは、CHO細胞等の哺乳動物細胞もしくは酵
母、もしくは大腸菌のいずれかより選択される細胞を宿
主とした形質転換体であることが好ましい。
【0061】形質転換体の培養方法は、一般的な方法で
行なうことができる。(微生物実験法、東京化学同人、
1992、参照) また、遺伝子の増幅、発現誘導の方
法および、必要性は、宿主となる細胞の種類や、使用す
るプロモーターによって異なる。例えば、宿主としてdh
fr欠損CHO細胞を用いた場合は、ベクターとしてdhfrを
有するベクターを用い、メソトレキセート(MTX)を使用
することにより遺伝子を増幅することができる。
【0062】本発明の製造方法において、培養物とは、
培養上清もしくは細胞ライセートのことである。すなわ
ち、形質転換体が、当該タンパク質を細胞外に分泌する
場合にはその培養上清を材料として、本発明のタンパク
質を回収、精製する。一方、当該タンパク質が細胞内に
蓄積する場合は、リゾチーム、界面活性剤、凍結融解、
加圧等の手段を用い細胞を破壊した後、遠心分離して上
清を回収し、濾過等により不溶な細胞断片等を取り除い
た後に、それを材料に本発明のタンパク質を精製する。
【0063】培養物から本発明のタンパク質を精製する
方法は、タンパク質の精製に通常使用されている方法の
中から適切な方法を適宜選択して行なうことができる。
すなわち、塩析法、限外漉過法、等電点沈澱法、ゲル濾
過法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、疎
水クロマトグラフィー、抗体クロマトグラフィー等の各
種クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング法、吸
着クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィー
等、通常使用され得る方法の中から適切な方法を適宜選
択し、必要に応じHPLCシステム等を使用して適当な順序
で精製を行なえばよい。
【0064】当該製造方法において、本発明のタンパク
質は、他のタンパク質と融合タンパク質として形質転換
体に生産させてもよい。たとえば、大腸菌のβ−ガラク
トシダーゼをコードするDNAの下流に目的のタンパク質
をコードするDNAを接続し、目的のタンパク質をβ−ガ
ラクトシダーゼとの融合タンパク質として発現させる方
法は、高い生産量が期待できることから一般に行われて
いる方法である。当該新規タンパク質を他のタンパク質
との融合タンパク質として発現させた場合には、精製工
程のいずれかのステップにおいて、融合タンパク質をブ
ロムシアン等の化学物質やプロテアーゼ等の酵素で処理
して当該新規タンパク質を切り出す操作が必要になる。
【0065】また、使用する形質転換体が大腸菌である
場合、当該新規タンパク質を不溶化蛋白であるインクル
ージョンボディーとして産生させた場合には、精製の
際、インクルージョンボディーを可溶化し、デネイチャ
ーし、リフォールデイングするという操作を精製の適当
なステップで行なえばよい。
【0066】<6>本発明のDNA及びタンパク質の利用 本発明のDNAは、本発明のタンパク質の製造に利用でき
る他、当該DNAに対するアンチセンスDNA又はその誘導体
等を用いることにより、B細胞の抗体産生に関わる疾
患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘息、アトピー性
皮膚炎等疾患におけるB細胞からの抗体産生の調節、制
御を行うことによる疾患の為の治療薬として利用され得
る。
【0067】本発明のタンパク質は、当該タンパク質を
検出するのに用いられる抗体の製造に使用することがで
き、該抗体は、試薬、診断の分野で利用され得る。ま
た、本発明のタンパク質、およびこれに対する抗体は、
自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘息、アトピー性皮膚
炎等疾患の治療薬及び診断薬として提供され得る。
【0068】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を一層具体的
に説明するが、これらは一例として示すものであり、本
発明はこれらにより何等限定されるものではない。ま
た、以下の記載において用いる略号は、当該分野におけ
る慣用略号に基ずくものである。
【0069】(実施例1)ヒトMD-1 cDNAの塩基配列の
決定及びその解析 ヒトMD-1をコードするEST cDNAクローン(GenBank acce
ssion No. T84854)をGenome Systems Inc. (St Louis,
MO, USA)より入手した。このcDNAクローンのインサー
トDNAを、Bluescript II(ストラタジーン社)にサブク
ローニングし、その全塩基配列をDNAシーケンサー(Amer
sham Pharmacia Biotech 社製)とThermo Sequence cyc
le sequencing kit(Amersham Pharmacia Biotech 社
製)を用いて決定した。決定された塩基配列及びこの塩
基配列によってコードされ得るアミノ酸配列を配列表の
配列番号1に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。
このcDNAは866塩基からなり、最も長いオープンリーデ
ィングフレームは488塩基で、162個のアミノ酸をコード
していた。コードされたアミノ酸は疎水性アミノ酸に富
む部位を1ヵ所所有していた。アミノ末端にある疎水性
部位(アミノ酸1−19)がシグナルシークエンスに相当
すると推定された。従って、このタンパクは分泌型蛋白
であった。成熟型蛋白と推定される部位はアミノ酸143
個からなり、N−グリコシレーションされうる部位(Asn-
Xaa-Ser/Thr)が2ヵ所あった。
【0070】(実施例2)ヒトRP105の細胞膜上発現に
対するヒトMD-1の機能 マウスRP105およびMD-1を発現しないマウスIL-3-depend
ent line Ba/F3細胞(RIKEN Cell Bank Cell No. RCB08
05)にヒトRP105をコードする遺伝子(J. Immunology 16
1:1348-1353,1998参照)を導入し、BaHRP細胞を得た。ヒ
トRP105に対するモノクローナル抗体MHR73を用いたフロ
ーサイトメトリーによる分析を行った。その結果、MHR7
3はBaHRP細胞と反応しなかった(図1A)。しかしなが
ら、BaHRP細胞をサポニンを含むバッファーで膜透過性
を上昇させ、MHR73で検出したところ、細胞内にヒトRP1
05が存在することがわかった(図1C)。
【0071】尚、前記モノクローナル抗体MHR73は、次
のようにして調製した。マウスB細胞リンフォーマ細胞
株M12(Mayo Clinic, Rochester, MN. David Mckearn博
士より供与)を、C末端にflag epitopeを結合させたヒ
トRP105遺伝子を挿入したEF1αプロモーターを有するpE
F-BOS(Nucleic Acids Res., 1990, Sep 11;18(17):532
2 pEF-BOS, a powerful mammalian expression vector,
Mizushima S., Nagata S, Osaka Bioscience Institut
e, Japan)でトランスフェクトし、ヒトRP105発現細胞
株M12HRPを作製した。この細胞を、BALB/cマウスに免疫
し、抗体価が上昇した後、脾細胞を取り出し、SP2/0ミ
エローマ細胞(ATCC CRL1581)と細胞融合した。細胞融
合して得られたハイブリドーマ細胞の培養上清を用い、
ヒトRP105遺伝子をコードするDNAを含む発現ベクターで
トランスフェクトしたヒトkidney line293T細胞(ATCC
CRL1573)と反応するクローンをフローサイトメトリー
法でスクリーニングした。さらに陽性クローンをヒトB
細胞リンフォーマを用いて反応を確認し、陽性クローン
のひとつをMHR73と命名した。MHR73はM12RHP細胞には反
応したが、親細胞であるM12には反応しなかった。
【0072】つぎに、BaHRP細胞をヒトMD-1 cDNAをコー
ドする発現ベクターでトランスフェクトし、BaHRPMD細
胞を得た。MD-1 cDNAにはflag epitopeが連結してあ
る。これをEF1αロモーターを有するpEF-BOSに挿入し
て、前記発現ベクターを得た。MHR73及び抗flagモノク
ローナル抗体M2(Eastman Kodak Co., New Haven, CT)を
用いたフローサイトメトリーによる分析を行った。MD-1
は膜貫通ドメインを持っていないにもかかわらず、細胞
表面に存在することが確認された(図1F)。RP105がM
D-1を細胞表面につなぎ止めているならばRP105が細胞表
面に発現しているはずであり、実際MHR73はBaHRPMDに反
応した(図1E)。Daudi、Ramos、BaHRP、及びBaHRPMD
の各細胞の細胞表面をビオチン化したのち、MHR73を用
いて免疫沈降し、沈降物をSDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動により分離した。ゲルからタンパク質をニトロ
セルロース膜に転写し、ホースラディッシュ・パーオキ
シダーゼ標識したアビジンを用いて染色したところ、ヒ
トRP105の他に約30kDの易動度にバンドが検出された
(図2レーン4)。これはflag epitopeを検出した他の
実験での易動度と同じものであり、ヒトMD-1であること
が示された。故に、ヒトMD-1はヒトRP105と会合してい
ることが示された。BaHRPMD細胞を用いた実験より、ヒ
トMD-1がヒトRP105に会合することがRP105の細胞表面へ
の発現に寄与していることが示された(図1A、E)。
【0073】ヒトのkidney line 293T細胞にヒトRP105
またはヒトMD-1をコードするDNAを含む発現ベクターを
トランスフェクトした。MHR73を用いたフローサイトメ
トリー実験を行った結果、ヒトRP105のみをトランスフ
ェクトした時はヒトRP105が細胞表面に発現しなかった
が、ヒトMD-1と共にトランスフェクションしたときのみ
ヒトRP105が細胞表面に発現した。
【0074】マウスRP105をBa/F3細胞にトランスフェク
トして作製したBaRP細胞は、マウスMD-1が存在しなくて
も細胞表面にマウスRP105を発現した。同様にマウスRP1
05のみをコードするベクターでトランスフェクトした29
3T細胞でもマウスRP105の発現が確認された。
【0075】上記のように決定された塩基配列及びそれ
によってコードされるアミノ酸配列を、マウスMD-1をコ
ードする遺伝子の配列(J. Immunology 161: 1348-1353,
1998)及びそれによってコードされるアミノ酸配列と比
較したところ、それらの配列は互いに類似しており、部
分的に共通の配列を有していた。塩基レベルにおいて両
者の相同性は66%であった。また、アミノ酸レベルに
おいて、両者は143アミノ酸中、44アミノ酸が異なって
いた。
【0076】
【発明の効果】本発明により、B細胞の増殖、アポトー
シスの制御に重要な分子であると考えられるマウスMD-1
分子のヒトのホモログ、カウンターパートであるヒトMD
-1分子及びこれをコードするDNAが提供される。
【0077】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> 三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corp.) <120> 新規なヒトB細胞表面タンパク質及びこれをコードするDNA <130> J-02377 <141> 1998-10-08 <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0078】 <210> 1 <211> 866 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (24)..(509) <220> <221> sig_peptide <222> (24)..(80) <220> <221> mat_peptide <222> (81)..(509) <400> 1 ggcacgagcg gcacgagccc acc atg aag ggt ttc aca gcc act ctc ttc ctc 53 Met Lys Gly Phe Thr Ala Thr Leu Phe Leu -15 -10 tgg act ctg att ttt ccc agc tgc agt gga ggc ggc ggt ggg aaa gcc 101 Trp Thr Leu Ile Phe Pro Ser Cys Ser Gly Gly Gly Gly Gly Lys Ala -5 -1 1 5 tgg ccc aca cac gtg gtc tgt agc gac agc ggc ttg gaa gtg ctc tac 149 Trp Pro Thr His Val Val Cys Ser Asp Ser Gly Leu Glu Val Leu Tyr 10 15 20 cag agt tgc gat cca tta caa gat ttt ggc ttt tct gtt gaa aag tgt 197 Gln Ser Cys Asp Pro Leu Gln Asp Phe Gly Phe Ser Val Glu Lys Cys 25 30 35 tcc aag caa tta aaa tca aat atc aac att aga ttt gga att att tct 245 Ser Lys Gln Leu Lys Ser Asn Ile Asn Ile Arg Phe Gly Ile Ile Ser 40 45 50 55 gtt gaa aag tgt tcc aag caa tta aaa tca aat atc aac att aga ttt 293 Val Glu Lys Cys Ser Lys Gln Leu Lys Ser Asn Ile Asn Ile Arg Phe 60 65 70 gga att act gtt ttg aat ttc tcc tat ccc atc tgt gag gcg gct ctg 341 Gly Ile Thr Val Leu Asn Phe Ser Tyr Pro Ile Cys Glu Ala Ala Leu 75 80 85 ccc aag ttt tct ttc tgt gga aga agg aaa gga gag cag att tac tat 389 Pro Lys Phe Ser Phe Cys Gly Arg Arg Lys Gly Glu Gln Ile Tyr Tyr 90 95 100 gct ggg cct gtc aat aat cct gaa ttt act att cct cag gga gaa tac 437 Ala Gly Pro Val Asn Asn Pro Glu Phe Thr Ile Pro Gln Gly Glu Tyr 105 110 115 cag gtt ttg ctg gaa ctg tac act gaa aaa cgg tcc acc gtg gcc tgt 485 Gln Val Leu Leu Glu Leu Tyr Thr Glu Lys Arg Ser Thr Val Ala Cys 120 125 130 135 gcc aat gct act atc atg tgc tcc tgactgtggc ctgtagcaaa aatcacagcc 539 Ala Asn Ala Thr Ile Met Cys Ser 140 agctgcatct cgtgggacct ccaagctcct ctgactgaac ctacgtggga ggagaagcag 599 tctgatgaca gagagaggct ctacaaagaa gcgcccccaa agagtgcagc tgctaatttt 659 agtcccagga ccagacatcc ccagactcca cagatgtaat gaagtccccg aatgtatctg 719 tttctaagga gcctcttggc agtccttaag cagtcttgag ggtccatcct ttttctctaa 779 tttctaagga gcctcttggc agtccttaag cagtcttgag ggtccatcct ttttctctaa 839 taccaagaat aaagaaagct ggccacc 866
【0079】 <210> 2 <211> 162 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Lys Gly Phe Thr Ala Thr Leu Phe Leu Trp Thr Leu Ile Phe Pro -15 -10 -5 Ser Cys Ser Gly Gly Gly Gly Gly Lys Ala Trp Pro Thr His Val Val -1 1 5 10 Cys Ser Asp Ser Gly Leu Glu Val Leu Tyr Gln Ser Cys Asp Pro Leu 15 20 25 Gln Asp Phe Gly Phe Ser Val Glu Lys Cys Ser Lys Gln Leu Lys Ser 30 35 40 45 Asn Ile Asn Ile Arg Phe Gly Ile Ile Ser Val Glu Lys Cys Ser Lys 50 55 60 Gln Leu Lys Ser Asn Ile Asn Ile Arg Phe Gly Ile Thr Val Leu Asn 65 70 75 Phe Ser Tyr Pro Ile Cys Glu Ala Ala Leu Pro Lys Phe Ser Phe Cys 80 85 90 Gly Arg Arg Lys Gly Glu Gln Ile Tyr Tyr Ala Gly Pro Val Asn Asn 95 100 105 Pro Glu Phe Thr Ile Pro Gln Gly Glu Tyr Gln Val Leu Leu Glu Leu 110 115 120 125 Tyr Thr Glu Lys Arg Ser Thr Val Ala Cys Ala Asn Ala Thr Ile Met 130 135 140 Cys Ser
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトRP105に対するモノクローナル抗体MHR73
を用いたフローサイトメトリーの結果を示す図。縦軸は
細胞数を、横軸は蛍光強度を表す。実線は染色抗体を、
点線はコントロール抗体をそれぞれ示す。A〜DはBaHR
P細胞を、E〜GはBaHRPMD細胞を、抗ヒトRP105モノク
ローナル抗体MHR73(AC、E、G)、又は抗flagモノ
クローナル抗体M2(B、D、F)を用いて染色したものを
用いた。C、D、Gは、サポニンを含むバッファーで膜
透過性を上昇させたものである。
【図2】 ホースラディッシュ・パーオキシダーゼ標識
したアビジンを用いて検出したビオチン化した細胞表面
タンパク質のウェタンブロッティング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)又は(B)のヒトタンパク
    質をコードするDNA又は少なくともその一部を有するDN
    A。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は
    複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
    ミノ酸配列を有し、かつ、B細胞の増殖もしくは促進、
    又はB細胞のアポトーシスの抑制もしくは誘導に関与す
    る性質を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 下記(a)又は(b)に示すDNAであ
    る請求項1記載のDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号81〜509からなる塩基配列を含む
    DNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号81〜509からなる塩基配列とスト
    リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、B細
    胞の増殖もしくは促進、又はB細胞のアポトーシスの抑
    制もしくは誘導に関与する性質を有するヒトタンパク質
    をコードするDNA。
  3. 【請求項3】 下記の(A)又は(B)のヒトタンパク
    質又はその一部を有するタンパク質。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1〜複
    数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミ
    ノ酸配列を有し、かつ、B細胞の増殖もしくは促進、又
    はB細胞のアポトーシスの抑制もしくは誘導に関与する
    性質を有するタンパク質。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のDNAを含むことを
    特徴とする組換えDNA。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のDNA又は請求項3
    記載の組換えDNAで形質転換された形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培養し、そ
    の培養物からB細胞の増殖もしくは促進、又はB細胞のア
    ポトーシスの抑制もしくは誘導に関与する性質を有する
    タンパク質を回収、精製することを特徴とする、タンパ
    ク質の製造方法。
JP10286470A 1998-10-08 1998-10-08 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna Pending JP2000106880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286470A JP2000106880A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286470A JP2000106880A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000106880A true JP2000106880A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17704820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10286470A Pending JP2000106880A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000106880A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
van den Elsen et al. Isolation of cDNA clones encoding the 20K T3 glycoprotein of human T-cell receptor complex
US7696150B2 (en) Modulation of the activity of an interleukin 17 receptor-related protein, EVI27, and uses thereof
US6703360B2 (en) Compositions and methods related to canine IgG and canine IL-13 receptors
US6262244B1 (en) DNA and amino acid sequence specific for natural killer cells
US5216132A (en) Soluble t-cell antigen receptor chimeric antigens
AU657788B2 (en) Chimaeric interleukin 5-receptor/immunoglobulin polypeptides
US6482925B1 (en) Mutants of the LAG-3 proteins and nucleotides encoding LAG-3 mutants
KR19990008285A (ko) 씨디16-2 변이체들
JP2002505582A (ja) Lag−3スプライス変異体
CA2337712A1 (en) Molecules designated b7l-1
WO1996004396A1 (en) Neural cell adhesion molecules, nucleotide sequences encoding the molecules, and methods of use thereof
JPH05509234A (ja) ヒトTリンパ球レセプターのα鎖の可変領域をコードするヌクレオチド配列対応するペプチドセグメント並びに診断及び治療への利用
US20050118148A1 (en) Compositions and methods related to mammalian Maf-A
JPH10507369A (ja) ウィルス、特にレトロウィルスの複製を阻害するためへの“免疫不全ウィルス抑制リンフォカイン(isl)”の使用
JPH11127855A (ja) 組換え型抗ヒトTNF−αヒトモノクローナル抗体
JP3231262B2 (ja) ヒトTh1特異的タンパク質及びこれをコードする遺伝子、並びにこれに関連する形質転換体、組換えベクター及び抗体
Munoz et al. The C (H) 1 domain of IgG is not essential for C3 covalent binding: importance of the other constant domains as targets for C3.
AU781670B2 (en) Rheumatoid arthritis gene and method for diagnosing rheumatoid arthritis
JP2000106880A (ja) 新規なヒトb細胞表面タンパク質及びこれをコードするdna
WO1996020206A1 (en) Secreted human fas antigen
WO1996020206A9 (en) Secreted human fas antigen
US20040053364A1 (en) Human CMRF-35-H9 receptor which binds IgM
JPH09191886A (ja) ヒト高親和性IgE受容体に対するヒト型化抗体、半キメラ抗体およびキメラ抗体
WO1999058676A2 (en) Semaphorin polypeptides
JP4042923B2 (ja) 免疫関連因子