JP2000105018A - 冷凍システム及び冷凍システム付冷凍車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止時でも長時間冷却することがで
き、周囲に騒音をもたらすことがない冷凍システム及び
冷凍システム付冷凍車を提供すること。 【解決手段】 本冷凍車は、冷凍車に具備する冷凍庫内
の冷却を行う冷凍システムとして図１に示すように、冷
凍機用エアタンク１１、タービン１２、切替器１３、空
気再圧縮機１４、及び冷媒圧縮機２１を具備する冷凍機
を備える。エンジン３が停止した場合は、切替器１３を
用いて冷媒圧縮機２１への接続をエンジン３からタービ
ン１２に切り換え、冷凍機用エアタンク１１に蓄えられ
た圧縮空気を放出させる。この圧縮空気によってタービ
ン１２が回転し、切替器１３を経由して冷媒圧縮機２１
を動作させる。これによって、エンジン３が停止してい
ても冷凍機が動作して、冷凍庫内の冷却を継続すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本発明はエンジン
を停止した状態においても、長時間に渡って冷凍機を動
作させて冷凍庫内を必要な温度まで冷却することがで
き、周囲に騒音をもたらすことがない冷凍システム及び
冷凍システム付冷凍車に関する。

【０００２】

【従来の技術】冷凍車の冷凍庫を冷却するには、例えば
図５に示すように、エンジン（走行用エンジン又はサブ
エンジン等）に直接接続された冷媒圧縮機を具備する冷
凍機を備えた冷凍システムを構成し、エンジンの運転に
よって冷媒圧縮機を動作させ、冷凍庫内を冷却すること
が多い。また、エンジンに接続された発電機によって充
電されるバッテリを備え、このバッテリを用いて冷媒圧
縮機を動作させる冷凍機を備える冷凍システムを構成す
ることもある。更に図６に示すように、エンジンを冷媒
圧縮機に接続する状態と、バッテリにつながれた電動機
を冷媒圧縮機に接続する状態とを切り換えて使用する冷
凍機を備える冷凍システムを構成する場合がある。

【０００３】このような冷凍車によって数日に渡る冷凍
物の輸送を行う場合、仮眠等のために長時間の停車をす
ることがある。このような状況においても、冷凍庫内の
温度を一定に維持するために冷凍機を動作し続ける必要
がある為、冷凍車のエンジンを動かし続けることが多
い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、エンジンを動
かしたまま停車することは、騒音を発したり、排気ガス
が停滞する等の理由で好ましくない。このため、冷凍車
のエンジンを停止した状態においても、冷凍機が動作し
て冷凍庫内を長時間冷却でき、且つ、騒音となるような
大きな音を発しない冷凍システムを備える冷凍車が望ま
れている。このような問題に対処するため、エンジン停
止中の場合はメインバッテリや外部の電源等を接続して
冷凍機を駆動することがある。しかし、メインバッテリ
を接続した場合は、２０分程度でメインバッテリを使い
きってしまい、エンジンを起動させることもできなくな
ってしまう。また、外部電源は確保することが困難であ
ることが多い。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、冷凍車のエンジン停止時においても冷凍機を長時間
動作させて冷凍庫内を冷却することができ、周囲に騒音
をもたらすことがない冷凍システム及び冷凍システム付
冷凍車を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本第１発明の冷凍システ
ムは、エンジンと、圧縮空気を蓄える冷凍機用エアタン
クと、該冷凍機用エアタンクより供給される圧縮空気で
駆動するタービンと、該エンジン及び該タービンの出力
によって動作する冷媒圧縮機を具備する冷凍機とを備え
る冷凍システムにおいて、該冷凍機の冷媒圧縮機は該エ
ンジン又は該タービンの一方に切り換えて接続されるこ
とを特徴とする。

【０００７】本第３発明の冷凍システムは、エンジン
と、圧縮空気を蓄える冷凍機用エアタンクと、該冷凍機
用エアタンクより供給される圧縮空気で駆動する発電機
と、該発電機若しくはバッテリから供給される電力で動
作する電動機と、該エンジン及び該電動機の出力によっ
て動作する冷媒圧縮機を具備する冷凍機とを備える冷凍
システムにおいて、該冷凍機の冷媒圧縮機は該エンジン
又は該電動機の一方に切り換えて接続されることを特徴
とする。また、第４発明の冷凍システムに示すように、
上記冷凍機用エアタンクに蓄えられる圧縮空気は、上記
エンジンに接続される空気圧縮機によって供給させるこ
とができる。

【０００８】本第５発明の冷凍システム付冷凍車に示す
ように、上記第１、２、３又は４発明の冷凍システムを
備える冷凍システム付冷凍車において、該冷凍システム
を冷凍車に具備する冷凍機に配設することができる。

【０００９】上記「エンジン」は、冷凍機の冷媒圧縮
機、及び空気圧縮機の動力源として用いることができる
ものであれば特に問わず、例としてガソリンエンジン、
ディーゼルエンジン、ガスタービンエンジン、電動機等
を挙げることができる。また、第６発明に示すように、
冷凍車に搭載される走行用のエンジンを用いることがで
きる。更に、走行用エンジンと別に設けられた、その他
の用途用又は専用のエンジンを用いることもできる。

【００１０】上記「冷凍車」は、輸送対象を凍らせた状
態で輸送するいわゆる冷凍車だけではなく、輸送対象を
凍らせない程度に冷却した状態で輸送する冷蔵車等をも
含めることができる。上記「冷凍機」は、冷蔵を行う冷
蔵機をも含めることができる。更に、該冷凍機は、凝縮
器、冷媒圧縮機、及び蒸発器とを備える圧縮式冷凍機で
あればその詳細を問わず、任意に選択することができ
る。また、該冷凍機の冷媒圧縮機を駆動する動力源とし
ては任意とすることができる。この例として、ガソリン
エンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービンエンジ
ン、電動機等を挙げることができる。

【００１１】また、上記冷凍機の冷媒圧縮機には、冷凍
機のポンプ等の電力を供給するために冷凍機用発電機を
接続する場合がある。この冷凍機用発電機は、冷凍機の
動作に必要な電力を発電するだけでなく、設備増設用の
過剰電力を発電していることが多い。このような場合
は、第２発明に示すように、上記冷凍機の冷媒圧縮機に
冷凍機用発電機を接続し、該冷凍機用発電機の出力を用
いて空気再圧縮機を動作させ、該空気再圧縮機によって
生成される圧縮空気を上記タービンの駆動源として供給
することができる。このように、上記冷凍機用発電機の
電力を用いて圧縮空気を生成し、上記タービンに供給す
ることで、冷凍機用発電機の発電した電力を有効に用
い、冷凍機の動作時間を長くすることができる。

【００１２】上記「冷凍機用エアタンク」の材質は任意
に選択することができ、例として鋼製の他、アルミ製、
繊維強化プラスチック（ＦＲＰともいう）、グラスファ
イバー等を挙げることができる。特に、アルミ製、ＦＲ
Ｐ、グラスファイバー等を用いるときは軽量であり、車
両重量や燃費等の点で有利となる。また、冷凍機用エア
タンクの容量及び耐圧は、想定されるエンジン停止の期
間に応じて容量及び耐圧の設定をすることができる。つ
まり、１〜３時間程度のエンジン停止であれば、容量約
３００ｌ、耐圧約９５気圧程度の容器で十分であるし、
６〜７時間に渡る長時間のエンジン停止ならば６００ｌ
程度の容量が必要となる。また、第２発明に示すように
上記空気再圧縮機を用いた場合は、冷凍機の使用時間を
更に長くすることができる。

【００１３】上記エアタンクに圧縮空気を供給するに
は、任意の動力源で動作する空気圧縮機を用いることが
できる。この動力源としては、ガソリンエンジン、ディ
ーゼルエンジン、ガスタービンエンジン、電動機等を例
に挙げることができる。また、第４発明に示すように、
上記冷媒圧縮機に切り換えて接続されるエンジンを動力
源として用いることができる。更に、冷凍車の場合は、
ブレーキ、サスペンション、変速クラッチ、ドア、キャ
ビンチルト等へ圧縮空気を供給するための汎用の空気圧
縮機を用いることができる。また、上記汎用の空気圧縮
機とは別に新規に空気圧縮機を設けることができる。

【００１４】尚、本冷凍システム及び冷凍システム付冷
凍車は、冷凍だけでなく冷蔵、冷房及び暖房にも使用す
ることができる。また、本冷凍システムは冷凍車等の移
動型の冷凍庫を冷却するだけではなく、倉庫等の移動を
前提としない冷凍庫の冷凍にも使用することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図１〜３に示すように、本
発明の冷凍システム及び冷凍システム付冷凍車を実施例
によって詳細に説明する。 〔実施例１〕本第１実施例は、圧縮空気によって回転す
るタービン、又はエンジンで冷凍機を動作させて冷凍庫
内を冷却する、冷凍システム付冷凍車である。

【００１６】本冷凍車は、冷凍車に具備する冷凍庫内の
冷却を行う冷凍システムとして図１に示すように、冷凍
機用エアタンク１１、タービン１２、切替器１３、空気
再圧縮機１４、及び冷媒圧縮機２１を具備する冷凍機を
備える。冷凍機用エアタンク１１は、冷凍車に設けられ
ている汎用の空気圧縮機４１と、この空気圧縮機４１で
生成された圧縮空気を蓄える汎用エアタンク４３との間
の配管に設けられた安全弁４２に接続されており、汎用
エアタンク４３の耐圧（通常、約８．５気圧）を越えて
安全弁４２から放出される圧縮空気を蓄える。この冷凍
機用エアタンク１１の耐圧は約９５気圧、容積は約３０
０ｌである。

【００１７】上記タービン１２は冷凍機用エアタンク１
１から供給される圧縮空気が吹き付けられることによっ
て回転し、切換器１３を経由して接続される冷媒圧縮機
２１を駆動する。また、タービン１２を回転させる圧縮
空気は、減圧弁（図示せず）によって約６気圧に安定化
されている。

【００１８】上記切替器１３は、エンジン３からの動力
とタービン１２からの動力とを切り換えて、冷媒圧縮機
２１に伝達するために用いられる。この切替器１３は運
転席での操作で切り換えを行うことができる。上記空気
再圧縮機１４は、上記タービン１２で用いられた圧縮空
気を再圧縮して、再びタービン１２へ供給するために設
けられており、電動式である。また、必要な電力は冷凍
機用発電機２４から供給される。

【００１９】また、上記冷媒圧縮機２１は図１に示すよ
うに、凝縮器２３、及び蒸発器２２とを冷媒用の配管で
接続されており、圧縮式冷凍機を構成している。更に、
冷媒圧縮機２１は、冷凍機用発電機２４が接続されてお
り、１つの動力源で冷媒圧縮機２１と冷凍機用発電機２
４が共に動作し、冷媒を圧縮するとともに冷凍機に必要
な電力（例えば、送風ファン等）を発電するようになっ
ている。更に、上記エンジン３は、冷凍車の走行用に用
いられるエンジンである。

【００２０】上記空気圧縮機４１は冷凍車の走行用のエ
ンジン３に接続されており、エンジン３から得られる動
力によって動作して圧縮空気を生成する。また、上記汎
用エアタンク４３は、空気圧縮機４１によって生成され
る圧縮空気を蓄えるタンクである。更に、汎用エアタン
ク４３はブレーキやサスペンション、変速クラッチ、ド
ア、キャビンチルト等へ圧縮空気を供給するために用い
られる。

【００２１】上記構成の冷凍システム付冷凍車は、エン
ジン３が動作しているときは、切替器１３によってエン
ジン３が冷媒圧縮機２１に接続されている。このため、
エンジン３が動作することで冷凍機が動作し、冷凍車の
冷凍庫内を冷却する。また、空気圧縮機４１も動作して
圧縮空気が生成される。この圧縮空気は安全弁４２を経
由して汎用エアタンク４３に蓄えられるが、この汎用エ
アタンク４３内の圧力が規定以上となると圧縮空気が安
全弁４２から放出され、放出された圧縮空気が冷凍機用
エアタンク１１に蓄えられる。尚、冷凍機用エアタンク
１１は約５０分で充填完了する。

【００２２】一方、エンジン３が停止した場合は、切替
器１３を用いて冷媒圧縮機２１への接続をエンジン３か
らタービン１２に切り換え、冷凍機用エアタンク１１に
蓄えられた圧縮空気を放出させる。この圧縮空気によっ
てタービン１２が回転し、切替器１３を経由して冷媒圧
縮機２１を動作させる。これによって、エンジン３が停
止していても冷凍機が動作して、冷凍庫内の冷却を継続
することができる。更に、タービン１２を回したあとの
減圧した圧縮空気は、冷凍機用発電機２４で発電される
過剰電力によって動作する空気再圧縮機１４で再び高圧
の圧縮空気とされ、タービン１２に再び供給される。

【００２３】本実施例の冷凍システム付冷凍車は、冷凍
機用エアタンク１１を完全に充填した状態で、エンジン
３が停止していても冷凍機を約６時間動作させて冷凍庫
内を冷却することができる。また、空気再圧縮機１２を
用いない場合は、冷凍機を約３．３時間動作させること
ができる。更に、この冷凍機の動作音は、冷媒圧縮機２
１、タービン１２、及び空気再圧縮機１４等の動作音
と、タービン１２で使用された圧縮空気の放出音が主で
あるため、エンジン３を動作している場合と比べて静か
である。

【００２４】〔実施例２〕本第２実施例は、冷凍機用エ
アタンクに蓄えられた圧縮空気によって発電及び充電し
た電力で動作する電動機、又はエンジンで冷凍機を動作
させて冷凍庫内を冷却する、冷凍システム付冷凍車であ
る。本冷凍車は、冷凍車に備える冷凍庫内の冷却を行う
冷凍システムとして図２に示すように、冷凍機用エアタ
ンク１１、切替器１３、発電機１５、電動機１６、及び
冷媒圧縮機を具備する冷凍機を備える。

【００２５】冷凍機用エアタンク１１は、冷凍車に設け
られている汎用の空気圧縮機４１と、この空気圧縮機４
１で生成された圧縮空気を蓄える汎用エアタンク４３と
の間の配管に設けられた安全弁４２に接続されており、
汎用エアタンク４３の耐圧（通常、約８．５気圧）を越
えて安全弁４２から放出される圧縮空気を蓄える。この
冷凍機用エアタンク１１の耐圧は約９５気圧、容積は約
３００ｌである。上記切替器１３は、エンジン３からの
動力とタービン１２からの動力とを切り換えて、冷媒圧
縮機２１に伝達するために用いられる。この切替器１３
は運転席での操作で切り換えを行うことができる。

【００２６】上記発電機１５は、上記冷凍機用エアタン
ク１１から供給される圧縮空気によって回転するタービ
ン１２が接続され、電動機１６を動作させたり、バッテ
リ１７に充電する為の電力を発電する。また、電動機１
６は切換器１３を経由して接続される冷媒圧縮機２１を
駆動する。更に、バッテリ１７は、発電機１５で発電さ
れる電力の過剰分を蓄える。また、冷凍機用エアタンク
１１内の空気圧が低くなり、発電機１５が発電しなくな
った際に、電動機１６を動作させる電力を供給する。

【００２７】また、上記冷媒圧縮機２２は図１に示すよ
うに、凝縮器２３、及び蒸発器２２とを冷媒用の配管で
接続されており、圧縮式冷凍機を構成している。更に、
上記エンジン３は、冷凍車の走行用に用いられるエンジ
ンである。上記空気圧縮機４１は冷凍車のエンジン３に
接続されており、エンジン３から得られる動力によって
動作して圧縮空気を生成する。また、上記汎用タンク４
３は、空気圧縮機４１によって生成される圧縮空気を蓄
えるタンクである。更に、汎用エアタンク４３はブレー
キやサスペンション、変速クラッチ、ドア、キャビンチ
ルト等へ圧縮空気を供給するために用いられる。

【００２８】上記構成の冷凍システム付冷凍車は、エン
ジン３が動作しているときは、切替器１３によってエン
ジン３が冷媒圧縮機２１に接続されている。このため、
エンジン３が動作することで冷凍機が動作し、冷凍車の
冷凍庫内を冷却する。また、空気圧縮機４１も動作して
圧縮空気が生成される。この圧縮空気は安全弁４２を経
由して汎用エアタンク４３に蓄えられるが、この汎用エ
アタンク４３内の圧力が規定以上となると圧縮空気が安
全弁４２から放出され、放出された圧縮空気が冷凍機用
エアタンク１１に蓄えられる。尚、冷凍機用エアタンク
１１は約５０分で充填完了する。

【００２９】一方、エンジン３が停止した場合は、切替
器４２によって冷媒圧縮機２１への接続をエンジン３か
ら電動機１６に切り換え、冷凍機用エアタンク１１に蓄
えられた圧縮空気を放出させる。この圧縮空気によって
タービン１２が回転し、タービン１２に接続された発電
機１５が発電する。この発電した電力はバッテリ１７に
蓄えられると共に電動機１６を動かし、切替器１３を経
由して接続されている冷媒圧縮機２１を動作させる。こ
れによって、エンジン３が停止していても冷凍機が動作
して、冷凍庫内の冷凍を継続することができる。更に、
冷凍機用エアタンク１１内の空気圧が低くなって発電機
１５が発電しなくなった際は、バッテリ１７によって蓄
えられた電力で電動機１６を動作させ、冷凍機の動作を
継続させることができる。

【００３０】本実施例の冷凍システム付冷凍車は、冷凍
機用エアタンク１１を完全に充填した状態で、エンジン
３の停止後、冷凍機を約３．４時間動作させて冷凍庫内
を冷却することができる。この動作時間のうち、冷凍機
用エアタンク１１内の圧縮空気での動作は約３．１時
間、バッテリ１７での動作は約０．３時間である。更
に、この冷凍機の動作音は、及び空気再圧縮機１４等の
動作音と、タービン１２で使用された圧縮空気の放出音
が主であるため、エンジン３を動作している場合と比べ
て静かである。また、この冷凍機の動作音は、冷媒圧縮
機２１及びタービン１２の動作音と、タービン１２で使
用された圧縮空気の放出音が主であるため、エンジン３
を動作している場合と比べて静かである。

【００３１】尚、本発明においては、上記実施例に限ら
ず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した
実施例とすることができる。即ち、冷凍機用エアタンク
の容量は実施例に挙げた容量に限らず、任意に設定する
ことができる。例えば、より長時間のエンジン停止でも
冷却を継続させる必要がある場合は、冷凍機用エアタン
クの耐圧若しくは容量を大きくすることができる。ま
た、エンジン停止後、短時間の冷却で済む場合は、冷凍
機用エアタンクの耐圧若しくは容量を小さくすることが
できる。更に、冷凍機用エアタンクを複数に分割して配
設することもできる。

【００３２】また、実施例に示すように空気圧縮機を用
いるだけではなく、専用の空気圧縮機を設けて使用する
こともできる（例えば、図３、図４参照）。このように
冷凍機用エアタンクに専用の空気圧縮機を設けること
で、短時間で冷凍機用エアタンクを充填することがで
き、頻繁にエンジンを停止するような状況においても冷
却が途絶えないように対処することができる。

【００３３】更に、切替器は手動で切り換えるだけでな
く、エンジン等の状態を検知して自動で切り換えること
ができる。例えば、エンジンが停止し、且つ冷凍機が使
用されている状態であれば、冷凍機用圧縮機及とタービ
ンとを接続して冷凍機を動作させることができる。ま
た、上記条件に相当しない場合は、冷凍機用圧縮機とエ
ンジンとを接続するようにすることができる。更に、冷
凍機用エアタンク内の圧力が一定値を割った場合や、バ
ッテリの残電力が既定値以下の場合、運転者に警告
（光、音等を任意に選択できるし、無線等で車外へ通報
することができる）したり、エンジンを起動させて、冷
凍機用エアタンクに圧縮空気を供給させることができ
る。

【００３４】また、冷凍機用エアタンクに蓄える圧縮空
気は、冷凍車外の設備から供給することができる。例え
ば、集配所等に供給用エアタンク及び空気圧縮機を設け
てこの供給用エアタンクに圧縮空気を蓄え、この圧縮空
気を冷凍車の冷凍機用エアタンクに供給することができ
る。更に、配送が終了した冷凍車の冷凍機用エアタンク
中の圧縮空気を、上記供給用エアタンクに移し変えて、
他の冷凍車の冷凍機用エアタンクに供給することもでき
る。

【００３５】本冷凍システムは冷凍車だけに対象が限定
されることはなく、冷蔵車等にも適用することができ
る。また、普通自動車等を含む乗員に対する空調（冷
房、暖房等を含む）用に用いることができる。更に、本
冷房システムは、車両上に限定されず、船舶などにも適
用できるし、陸上に設置して、停電等の非常用の冷凍、
冷蔵、冷房、暖房システムとして使用することができ
る。

【００３６】

【発明の効果】本各発明の冷凍システム及び冷凍システ
ム付冷凍車は、エンジンの動作中に冷却機用エアタンク
へ圧縮空気を貯蔵し、エンジン停止時の冷凍機の冷媒圧
縮機の動力として用いることができるので、長時間エン
ジンを停止していても、冷凍庫内を冷却することができ
る。また、エンジンを動作している場合に比べて静かに
冷凍機を動作させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本冷凍システム付冷凍車に備えられる冷凍シス
テムのブロック図である。

【図２】本冷凍システム付冷凍車に備えられる冷凍シス
テムのブロック図である。

【図３】変形した冷凍システムのブロック図である。

【図４】変形した冷凍システムのブロック図である。

【図５】冷凍車に設ける従来の冷凍機のブロック図であ
る。

【図６】冷凍車に設ける従来の冷凍機のブロック図であ
る。

【符号の説明】

１１；冷凍機用エアタンク、１２；タービン、１３；切
替器、１４；空気再圧縮機、１５；発電機、１６；電動
機、２１；冷媒圧縮機、２２；蒸発器、２３；凝縮器、
２４；冷凍機用発電機、３；エンジン、４１；空気圧縮
機、４２；安全弁、４３；汎用エアタンク。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンと、圧縮空気を蓄える冷凍機用
   エアタンクと、該冷凍機用エアタンクより供給される圧
   縮空気で駆動するタービンと、該エンジン及び該タービ
   ンの出力によって動作する冷媒圧縮機を具備する冷凍機
   とを備える冷凍システムにおいて、 該冷凍機の冷媒圧縮機は該エンジン又は該タービンの一
   方に切り換えて接続されることを特徴とする冷凍システ
   ム。
2. 【請求項２】 上記冷凍機の冷媒圧縮機には冷凍機用発
   電機が接続され、該冷凍機用発電機の出力を用いて空気
   再圧縮機を動作させ、該空気再圧縮機によって生成され
   る圧縮空気を上記タービンの駆動源として供給する請求
   項１記載の冷凍システム。
3. 【請求項３】 エンジンと、圧縮空気を蓄える冷凍機用
   エアタンクと、該冷凍機用エアタンクより供給される圧
   縮空気で駆動する発電機と、該発電機若しくはバッテリ
   から供給される電力で動作する電動機と、該エンジン及
   び該電動機の出力によって動作する冷媒圧縮機を具備す
   る冷凍機とを備える冷凍システムにおいて、 該冷凍機の冷媒圧縮機は該エンジン又は該電動機の一方
   に切り換えて接続されることを特徴とする冷凍システ
   ム。
4. 【請求項４】 上記冷凍機用エアタンクに蓄えられる圧
   縮空気は、上記エンジンに接続される空気圧縮機によっ
   て供給される請求項１、２又は３記載の冷凍システム。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３又は４記載の冷凍シス
   テムを備える冷凍システム付冷凍車において、該冷凍シ
   ステムを冷凍車に具備する冷凍機に配設する冷凍システ
   ム付冷凍車。
6. 【請求項６】 上記冷凍システムの上記エンジンは上記
   冷凍車の走行用に用いられるエンジンである請求項５記
   載の冷凍システム付冷凍車。