JP2000103398A - ヘリコプタブレード用翼型 - Google Patents

ヘリコプタブレード用翼型

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JP2000103398A JP10273792A JP27379298A JP2000103398A JP 2000103398 A JP2000103398 A JP 2000103398A JP 10273792 A JP10273792 A JP 10273792A JP 27379298 A JP27379298 A JP 27379298A JP 2000103398 A JP2000103398 A JP 2000103398A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 最大揚力係数および揚抗比が大きく、騒音レ
ベルの低減化、ピッチングモーメントの低減化を実現す
るヘリコプタブレード用翼型を提供する。 【解決手段】 AK100D−TABの翼型形状を示す
グラフであり、厚み比10%、後縁タブ長8%翼弦長、
後縁タブ角0°の例である。従来の対称翼(たとえば、
NACA0010)と比べて、前縁半径およびキャンバ
ラインの最適化を図ることによって、翼型の上面におけ
る圧力分布、特に前縁付近で圧力ピークが抑制されて、
全体の圧力分布が平坦化される。またAK100Dの特
性を保持しているため、前縁半径およびキャンバライン
の最適化によって、最大揚力係数Clmaxが大きく向
上している。さらに、AK100Dの後縁に所定長さの
タブを付加することによって、ピッチングモーメントC
mを低減化している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコプタブレー
ド用翼型に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、ヘリコプタが前進飛行する時の
ロータ空力特性を示す説明図である。図4(a)に示す
ように、ロータ半径Rのロータがロータ回転角速度Ωで
回転するヘリコプタ1が飛行速度Vで前進する場合、ロ
ータ回転速度および飛行速度Vが加算された状態になる
前進側ブレードと、ロータ回転速度に対して飛行速度V
が減算された状態になる後退側ブレードとでは対気速度
が大きく相違する。
【0003】特に、アジマス角(ヘリコプタ1の後方を
基準として反時計周りの角度)Ψ=90°の位置で前進
側ブレードの対気速度が最大になり、ブレード先端での
対気速度はΩR+Vとなる。一方、アジマス角Ψ=27
0°の位置で、後退側ブレードの対気速度が最小とな
り、ブレード先端での対気速度はΩR−Vとなる。さら
に、ブレードの中間位置での対気速度はΩR+VとΩR
−Vとを比例配分した値になり、たとえばΩR=795
km/h、V=278km/hと仮定すると、図4
(a)に示すように後退側ブレードの根元から約35%
の位置で対気速度が0になる。
【0004】このようにブレードが一回転する間、ブレ
ードの対気速度は大きく変化するため、種々の現象が発
生する。前進側ブレードにおいては、対気速度が音速に
近付くにつれて抗力係数Cdが急激に増加する。対気速
度をマッハ数Mで表現した場合に、抗力係数Cdの増分
ΔCdをマッハ数の増分ΔMで除算した値ΔCd/ΔM
が0.1になるときのマッハ数を抗力発散マッハ数Md
dで定義している。抗力発散マッハ数Mddはブレード
翼型に依存し、この数値が大きいほどブレードの対気速
度を大きく確保できるため、優れたブレードとなる。一
般に、前進側ブレード先端の対気速度もマッハ0.85
程度に設定される。
【0005】一方、後退側ブレードにおいては対気速度
が大きく低下するため、前進側ブレード側と同等な揚力
を得るためにはブレードの迎角αを大きくする必要があ
り、一般にはブレードのピッチ角をアジマス角Ψに応じ
て制御するピッチ制御を行っている。ブレードのピッチ
角は、アジマス角Ψ=90°で最小、Ψ=270°で最
大となるサイン波で制御されているが、そのときのブレ
ードの迎角αはブレード自体のフラッピング運動によっ
て、図4(b)に示すように、スパン方向に変化する。
たとえば、Ψ=90°において、ブレードの迎角αは根
元で約0°、先端で約4°となる。またΨ=270°に
おいて、ブレードの迎角αは根元で約0°、先端で約1
6〜18°となって、失速角を超えてしまう。
【0006】後退側ブレードの評価項目として最大揚力
係数Clmaxおよび失速角があり、最大揚力係数Cl
maxは所定の翼型を持つブレードの迎角αを徐々に増
加させ、迎角αが失速角に至ったとき、このときの揚力
係数の最大値で定義される。一般に、これらの最大揚力
係数Clmaxおよび失速角は大きいほど優れたブレー
ドとされる。
【0007】図5は、ヘリコプタブレードの作動環境を
示すグラフである。アジマス角Ψ=90°付近の前進側
ブレードにおいて、マッハ数Mは抗力発散マッハ数Md
d近傍になり、揚力係数Clは約0になる。Ψ=0°お
よび180°付近は飛行速度Vに依存しないホバーリン
グ状態となり、マッハ数Mは約0.6、揚力係数Clは
約0.6になる。アジマス角Ψ=270°付近の後退側
ブレードにおいて、マッハ数Mは0.3〜0.5にな
り、揚力係数Clは最大揚力係数Clmax近傍の値に
なる。ブレードが一回転すると、これらの状態を往復す
るようにマッハ数および揚力係数が大きく変化すること
になる。
【0008】したがって、ヘリコプタブレード用翼型に
要求されることは、1)抗力発散マッハ数Mddが大き
いこと、2)最大揚力係数Clmaxが大きいことであ
り、両者の数値が大きいほどヘリコプタの飛行性能が向
上することになる。
【0009】以上の説明は、周速が大きいブレード先端
側の翼型に適用される。一方ブレード根元側では周速が
それほど大きくならないため、抗力発散マッハ数Mdd
よりも最大揚力係数Clmaxが重視される。さらに、
ロータブレード全体として、揚力に関する効率、すなわ
ち揚抗比(揚力/抗力)が高いものが望まれる。
【0010】本出願人は、特願平9−30730号にお
いて、最大揚力係数Clmaxおよび揚抗比が大きく、
騒音レベルの低減化が図られ、ブレード根元側(たとえ
ばロータ半径Rの0〜90%)の翼型として好適なAK
100D翼型を既に提案している。
【0011】なお、こうしたヘリコプタブレード用翼型
に関する先行技術として、特開昭50−102099
号、特開昭59−134096号、特開昭63−648
94号、特公昭62−34600号、特願平8−521
21号などがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】AK100D翼型は、
揚力特性、抗力特性および揚抗特性に優れ、かつ低騒音
化を実現できる優れた翼型であるが、ピッチングモーメ
ントCmが大きい傾向がある。ピッチングモーメントC
mは、翼型の空力中心の周りに前縁を上下させる方向に
作用するモーメントである。ピッチングモーメントCm
が大きくなると、ブレードの捩り変形に影響し、操縦特
性を悪化させ、操縦系統(たとえば、アクチュエータ、
スワッシュプレート等)で支えるべき荷重も増加するた
め、システムの大型化、重量化をもたらす。
【0013】本発明の目的は、最大揚力係数Clma
x、および揚抗比L/Dが大きく、騒音レベルの低減化
が図られ、しかもピッチングモーメントの低減化を実現
するヘリコプタブレード用翼型を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、翼型の上面お
よび下面が下記の座標系によって実質的に定義され、該
上面座標および下面座標の各数値に関して±3%の誤差
範囲内にあるヘリコプタブレード用翼型である。
【0015】 X/C Yup/C Ylow/C 0.00000 0.00000 0.00000 0.00095 0.00488 -0.00545 0.00237 0.00818 -0.00746 0.00474 0.01208 -0.00967 0.00711 0.01532 -0.01077 0.00949 0.01814 -0.01155 0.01660 0.02503 -0.01303 0.02371 0.03043 -0.01408 0.04743 0.04292 -0.01628 0.07114 0.05105 -0.01766 0.09485 0.05647 -0.01878 0.14228 0.06237 -0.02093 0.18970 0.06471 -0.02343 0.23713 0.06547 -0.02588 0.28455 0.06540 -0.02796 0.33198 0.06489 -0.02950 0.37940 0.06397 -0.03046 0.42683 0.06230 -0.03102 0.47425 0.05976 -0.03103 0.52168 0.05637 -0.03046 0.56910 0.05215 -0.02924 0.61653 0.04712 -0.02735 0.66395 0.04125 -0.02467 0.71138 0.03461 -0.02120 0.75880 0.02737 -0.01706 0.80623 0.01980 -0.01242 0.85365 0.01213 -0.00744 0.90108 0.00510 -0.00276 0.92400 0.00293 -0.00159 1.00000 0.00293 -0.00159 ここに、Xは翼型の翼弦線に沿って前縁から後縁に向か
う距離、Cは翼型断面の翼弦方向の長さ、Yupは翼弦
線から上面までの距離、Ylowは翼弦線から下面まで
の距離である。
【0016】本発明に従えば、従来の厚み比10%の対
称翼(たとえば、NACA0010)と比べて、前縁半
径およびキャンバラインを最適化しているため、翼型の
上面における圧力分布が平坦化され、従来と比べて、主
ロータ回転音の騒音レベルを数dB程度低減でき、しか
も、最大揚力係数Clmaxが大きく向上する。
【0017】また、本発明の基本翼型AK100Dは、
抗力発散マッハ数Mddより、最大揚力係数Clmax
の向上を重視しているため、ブレード根元側(たとえ
ば、ロータ半径Rの0〜90%)の翼型として好適であ
り、ブレード先端側(たとえば、ロータ半径Rの90〜
100%)として大きな抗力発散マッハ数Mddを持つ
翼型と複合化することによって、より理想的なヘリコプ
タブレードを実現できる。
【0018】上記座標は、基本翼型AK100Dを基準
として、翼型後縁において翼弦線に対して平行に翼弦長
の8%の後縁タブを付加した翼型を再び翼弦方向の長さ
で正規化した座標を示す。
【0019】本発明に係る後縁タブ付翼型AK100D
−TABは、AK100Dの翼型後縁に所定長さのタブ
を付加することによって、AK100Dの優れた特性を
保持しつつ、ピッチングモーメントCmを低減化してい
る。
【0020】また本発明は、翼型の上面および下面が下
記の座標系によって実質的に定義され、翼型の前縁形状
が下記の前縁半径および円中心によって実質的に定義さ
れた厚み比10%の翼型(AK100D翼型に相当)を
基準として、翼型後縁において翼弦線に対して後縁上げ
方向に0°〜5°の範囲のタブ角で翼弦長の5%〜10
%の後縁タブが付加され、該上面座標および下面座標の
各数値に関して±3%の誤差範囲内にあるヘリコプタブ
レード用翼型である。
【0021】 X/C Yup/C Ylow/C 0.00000 0.00000 0.00000 0.00100 0.00514 -0.00575 0.00250 0.00862 -0.00786 0.00500 0.01274 -0.01020 0.00750 0.01615 -0.01135 0.01000 0.01913 -0.01218 0.01750 0.02639 -0.01374 0.02500 0.03208 -0.01484 0.05000 0.04525 -0.01716 0.07500 0.05382 -0.01862 0.10000 0.05954 -0.01980 0.15000 0.06576 -0.02207 0.20000 0.06822 -0.02470 0.25000 0.06903 -0.02729 0.30000 0.06895 -0.02948 0.35000 0.06841 -0.03110 0.40000 0.06744 -0.03211 0.45000 0.06568 -0.03270 0.50000 0.06301 -0.03272 0.55000 0.05943 -0.03211 0.60000 0.05498 -0.03083 0.65000 0.04968 -0.02883 0.70000 0.04349 -0.02601 0.75000 0.03649 -0.02235 0.80000 0.02886 -0.01799 0.85000 0.02087 -0.01309 0.90000 0.01279 -0.00784 0.95000 0.00538 -0.00291 1.00000 0.00236 -0.00095 前縁半径 r/C=0.0162 円中心 X/C=0.0162, Y/C=-0.0006 ここに、Xは翼型の翼弦線に沿って前縁から後縁に向う
距離、Cは翼型断面の翼弦方向の長さ、Yupは翼弦線
から上面までの距離、Ylowは翼弦線から下面までの
距離、rは前縁半径である。
【0022】また本発明に従えば、AK100D翼型に
下記の縮小率を乗算し、任意の厚みの後縁タブを翼弦線
に平行に付加することによって、所定の後縁タブ長さの
翼型が得られる。したがって、後縁タブ長5〜10%翼
弦長の範囲内にある翼型は、そのタブ長に応じたピッチ
ングモーメント低減効果を得ることができる。
【0023】
【表1】
【0024】さらに、後縁タブ付き翼型の後縁タブを0
〜5°(後縁上げ方向)の範囲で傾けることによって、
そのタブ角に応じたピッチングモーメント低減効果を得
ることができる。
【0025】また本発明は、AK100D翼型を基準と
して、翼型後縁において翼弦線に対するタブ角が0°で
翼弦長の8%の後縁タブが付加され、該上面座標および
下面座標の各数値に関して±3%の誤差範囲内にあるヘ
リコプタブレード用翼型である。
【0026】本発明に従えば、後縁タブの延出方向は、
揚力特性および抗力特性を悪化させない点で翼弦線に平
行となるタブ角0°が好ましい。また、後縁タブの長さ
は、揚力特性を悪化させずピッチングモーメントを低減
できる点で翼弦長の8%が好ましい。
【0027】また本発明は、AK100D翼型に所定長
さおよび所定タブ角で後縁タブを付加した後縁タブ付翼
型を基準として、翼型の厚み比8〜13%の範囲で定義
される翼型であって、該上面座標および下面座標の各数
値に関して±3%の誤差範囲内にあるヘリコプタブレー
ド用翼型である。
【0028】本発明に従えば、厚み比10%のAK10
0D翼型を基準として、Yup/CおよびYlow/C
の各数値に対して、全ての翼弦線X/Cにわたって8/
10を乗算して得られるAK080Dに後縁タブを付加
することによって、AK080D−TABが得られ、一
方、13/10を乗算して得られるAK130Dに後縁
タブを付加することによって、AK130D−TABが
得られる。したがって、基準翼型(AK100D)に対
して、一定の比率で乗算して得られた厚み比8〜13%
の範囲内にある翼型後縁タブを付加した翼型は、同様な
効果を達成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態である
AK100D−TABの翼型形状を示すグラフであり、
厚み比10%、後縁タブ長8%翼弦長、後縁タブ角0°
の例である。
【0030】本発明の翼型AK100D−TABは、従
来の対称翼(たとえば、NACA0010)と比べて、
前縁半径およびキャンバラインの最適化を図ることによ
って、翼型の上面における圧力分布、特に前縁付近で圧
力ピークが抑制されて、全体の圧力分布が平坦化され
る。そのため、従来と比べて、主ロータ回転音の騒音レ
ベルを数dB程度低減できる。
【0031】また本発明の各翼型はAK100Dの特性
を保持しているため、前縁半径およびキャンバラインの
最適化によって、最大揚力係数Clmaxが大きく向上
している。さらに、AK100Dの後縁に所定長さのタ
ブを付加することによって、AK100Dの優れた特性
を保持しつつ、ピッチングモーメントCmを低減化して
いる。
【0032】図2は本発明に係る翼型の抗力特性および
ピッチングモーメント特性を示すグラフである。横軸は
対気速度(マッハ数M)、縦軸はCd0(揚力係数Cl
=0のときの抗力係数Cd)とCm0(揚力係数Cl=
0のときのピッチングモーメント係数Cm)である。各
グラフは、AK100Dと、後縁タブが翼弦長の5%で
タブ角が翼弦線と平行であるAK100D−TAB5
%、後縁タブが翼弦長の8%でタブ角が翼弦線と平行で
あるAK100D−TAB8%と、後縁タブが翼弦長の
10%でタブ角が翼弦線と平行であるAK100D−T
AB10%と、後縁タブが翼弦長の5%でタブ角度が翼
弦線に対して後縁上げ方向に1°であるAK100D−
TAB5%/1degに対応する。
【0033】図2上側のCd0に関して、基準翼型(A
K100D)に対して、タブ付き翼型の抗力増加、およ
び抗力発散マッハ数Mddの低下は見られず、良好な値
を示している。
【0034】図2下側のCm0に関して、後縁タブが長
いほどピッチングモーメントは小さくなり、さらに、後
縁上げ方向に角度がある方がピッチングモーメントは小
さくなる。また、後縁タブ付加によるマッハ・タック
(ピッチングモーメント係数Cmの増分ΔCmをマッハ
数Mの増分ΔMで除算した値ΔCm/ΔMが急増(ΔC
m/ΔM=0.1)するときのマッハ数)の低下は見ら
れず、良好な値を示している。
【0035】図6は、本発明に係る翼型のマッハ数M=
0.4の時の揚力特性を示すグラフである。横軸は迎角
α、縦軸は揚力係数Clである。各グラフは、AK10
0Dと、AK100D−TAB8%,AK100D−T
AB10%,AK100D−TAB5%/1degに対
応する。タブ長10%のAK100D−TAB10%
と、タブ角1゜のAK100D−TAB5%/1deg
では、基準翼型であるAK100Dに比べ、同じ迎角α
での揚力係数Clの低下が見られるが、タブ長8%のA
K100D−TAB8%では、AK100Dの優れた揚
力特性を保持している。また、最大揚力係数Clmax
の点でも、AK100D−TAB8%の低下量は小さ
い。これらの揚力特性の点で、後縁タブの延出方向は翼
弦線に平行となるタブ角0゜で、後縁タブの長さは翼弦
長の8%が最も好ましい。
【0036】図3は本発明および従来の翼型の比較結果
を示すグラフである。このグラフは、特開昭59−13
4096号の第3図に基づいて作成しており、各プロッ
トを示す記号は、翼型の省略であり、括弧内の数字は厚
み比t/cを示す。
【0037】本発明に係る厚み比10%の翼型AK10
0D−TAB8%では、抗力発散マッハMddは約0.
83、最大揚力係数Clmaxは約1.44という数値
になり、基準翼型に比べて若干低下するものの、従来の
翼型と比べて、特に最大揚力係数Clmaxが大きく向
上している。そのため、ブレード根元側の翼型として好
適であることがわかる。
【0038】また、翼型AK100Dを基準として、厚
み比を8%に変化させたAK080Dに後縁タブを付加
したAK080D−TAB8%は、抗力発散マッハ数M
ddが大きく向上し、一方、厚み比を13%に変化させ
た翼型AK130Dに後縁タブを付加したAK130D
−TAB8%は、最大揚力係数Clmaxが大きく向上
しており、厚み比8%〜13%の範囲内の翼型に後縁タ
ブを付加した翼型は、従来のものと比べて格段に優れて
いることが判る。
【0039】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、従
来の厚み比10%の対称翼(たとえばNACA001
0)と比べて前縁半径およびキャンバラインを最適化し
ているため、翼型の上面における圧力分布が平坦化さ
れ、従来と比べて主ロータ回転音の騒音レベルを数dB
程度低減でき、しかも最大揚力係数Clmaxが大きく
向上する。
【0040】また、本発明の基本翼型AK100Dは、
抗力発散マッハ数Mddより最大揚力係数Clmaxの
向上を重視しているため、ブレード根元側(たとえばロ
ータ半径Rの0〜90%)の翼型として好適であり、ブ
レード先端側(たとえばロータ半径Rの90〜100
%)として大きな抗力発散マッハ数Mddを持つ翼型と
複合化することによって、より理想的なヘリコプタブレ
ードを実現できる。
【0041】さらに、本発明の翼型AK100D−TA
Bは、AK100Dの後縁に所定長さ、あるいは所定角
度のタブを付加することによって、AK100Dの優れ
た特性を保持しつつ、ピッチングモーメントCmを大き
く低減化している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるAK100D−TAB
の翼型形状を示すグラフであり、厚み比10%、後縁タ
ブ長8%翼弦長、タブ角0°の例である。
【図2】本発明に係る翼型の抗力特性およびピッチング
モーメント特性を示すグラフである。
【図3】本発明および従来の翼型の比較結果を示すグラ
フである。
【図4】ヘリコプタが前進飛行する時のロータ空力特性
を示す説明図である。
【図5】ヘリコプタブレードの作動環境を示すグラフで
ある。
【図6】本発明に係る翼型の揚力特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 ヘリコプタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月28日(1998.9.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼型の上面および下面が下記の座標系に
    よって実質的に定義され、該上面座標および下面座標の
    各数値に関して±3%の誤差範囲内にあるヘリコプタブ
    レード用翼型。 X/C Yup/C Ylow/C 0.00000 0.00000 0.00000 0.00095 0.00488 -0.00545 0.00237 0.00818 -0.00746 0.00474 0.01208 -0.00967 0.00711 0.01532 -0.01077 0.00949 0.01814 -0.01155 0.01660 0.02503 -0.01303 0.02371 0.03043 -0.01408 0.04743 0.04292 -0.01628 0.07114 0.05105 -0.01766 0.09485 0.05647 -0.01878 0.14228 0.06237 -0.02093 0.18970 0.06471 -0.02343 0.23713 0.06547 -0.02588 0.28455 0.06540 -0.02796 0.33198 0.06489 -0.02950 0.37940 0.06397 -0.03046 0.42683 0.06230 -0.03102 0.47425 0.05976 -0.03103 0.52168 0.05637 -0.03046 0.56910 0.05215 -0.02924 0.61653 0.04712 -0.02735 0.66395 0.04125 -0.02467 0.71138 0.03461 -0.02120 0.75880 0.02737 -0.01706 0.80623 0.01980 -0.01242 0.85365 0.01213 -0.00744 0.90108 0.00510 -0.00276 0.92400 0.00293 -0.00159 1.00000 0.00293 -0.00159 ここに、Xは翼型の翼弦線に沿って前縁から後縁に向か
    う距離、Cは翼型断面の翼弦方向の長さ、Yupは翼弦
    線から上面までの距離、Ylowは翼弦線から下面まで
    の距離である。
  2. 【請求項2】 翼型の上面および下面が下記の座標系に
    よって実質的に定義され、翼型の前縁形状が下記の前縁
    半径および円中心によって実質的に定義された厚み比1
    0%の翼型を基準として、翼型後縁において翼弦線に対
    して後縁上げ方向に0°〜5°の範囲のタブ角で翼弦長
    の5%〜10%の後縁タブが付加され、該上面座標およ
    び下面座標の各数値に関して±3%の誤差範囲内にある
    ヘリコプタブレード用翼型。 X/C Yup/C Ylow/C 0.00000 0.00000 0.00000 0.00100 0.00514 -0.00575 0.00250 0.00862 -0.00786 0.00500 0.01274 -0.01020 0.00750 0.01615 -0.01135 0.01000 0.01913 -0.01218 0.01750 0.02639 -0.01374 0.02500 0.03208 -0.01484 0.05000 0.04525 -0.01716 0.07500 0.05382 -0.01862 0.10000 0.05954 -0.01980 0.15000 0.06576 -0.02207 0.20000 0.06822 -0.02470 0.25000 0.06903 -0.02729 0.30000 0.06895 -0.02948 0.35000 0.06841 -0.03110 0.40000 0.06744 -0.03211 0.45000 0.06568 -0.03270 0.50000 0.06301 -0.03272 0.55000 0.05943 -0.03211 0.60000 0.05498 -0.03083 0.65000 0.04968 -0.02883 0.70000 0.04349 -0.02601 0.75000 0.03649 -0.02235 0.80000 0.02886 -0.01799 0.85000 0.02087 -0.01309 0.90000 0.01279 -0.00784 0.95000 0.00538 -0.00291 1.00000 0.00236 -0.00095 前縁半径 r/C=0.0162 円中心 X/C=0.0162, Y/C=-0.0006 ここに、Xは翼型の翼弦線に沿って前縁から後縁に向う
    距離、Cは翼型断面の翼弦方向の長さ、Yupは翼弦線
    から上面までの距離、Ylowは翼弦線から下面までの
    距離、rは前縁半径である。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の厚み比10%の翼型を基
    準として、翼型後縁において翼弦線に対するタブ角が0
    °で翼弦長の8%の後縁タブが付加され、該上面座標お
    よび下面座標の各数値に関して±3%の誤差範囲内にあ
    るヘリコプタブレード用翼型。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の後縁タブ付翼型
    を基準として、翼型の厚み比8〜13%の範囲で定義さ
    れる翼型であって、該上面座標および下面座標の各数値
    に関して±3%の誤差範囲内にあるヘリコプタブレード
    用翼型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100390409C (zh) * 2006-09-01 2008-05-28 清华大学 一种用于垂直轴流体发电装置的叶片断面翼型
CN106043688A (zh) * 2016-06-08 2016-10-26 南京航空航天大学 一种直升机旋翼翼型
CN110015417A (zh) * 2019-04-03 2019-07-16 中南大学 一种小型螺旋桨

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