JP2000102894A - 半田ボール及びその製造方法 - Google Patents

半田ボール及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000102894A
JP2000102894A JP10290089A JP29008998A JP2000102894A JP 2000102894 A JP2000102894 A JP 2000102894A JP 10290089 A JP10290089 A JP 10290089A JP 29008998 A JP29008998 A JP 29008998A JP 2000102894 A JP2000102894 A JP 2000102894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder ball
solder
temperature
ingot
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10290089A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatoshi Arikawa
孝俊 有川
Satoshi Tejima
聡 手島
Koichi Kishimoto
浩一 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Denshi Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Denshi Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanaka Denshi Kogyo KK filed Critical Tanaka Denshi Kogyo KK
Priority to JP10290089A priority Critical patent/JP2000102894A/ja
Publication of JP2000102894A publication Critical patent/JP2000102894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田ボールの熱疲労性を改良すると共に、接
合性を高くすること。 【解決手段】 Pb,Sn,Inのいずれかを主要成分
とし、添加成分として、少なくともFe0.1〜2.0
重量%を添加し、かつ表面の突起状欠陥をなくした半田
ボールを提供する。Fe母合金を液相線温度より200
〜1000℃高い温度で溶解し、急冷すると共に、その
母合金を用いて半田インゴットを製造するにも液相線温
度より200〜1300℃高い温度で溶解し、急冷す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置等の半
導体パッケージ用基板等における内部あるいは外部接続
用に使用される半田ボールに関し、詳しくは添加成分と
して少なくとも所定量のFeを含有する半田ボール及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近電子部品の実装に当たって、はんだ
付けは基本的接合として重要視されている。半田材料は
基板上にIC、抵抗、コンデンサ、コイル等の小型部品
やQFP(Quad Flat Package), PLCC(Plastic Le
aded Chip Carier)等の大型部品の接合用に用いられて
いる。
【0003】この様な接合に用いられる半田材料の形状
としてテープ、ワイヤ、ペレット、ボール等固形状のも
のとペースト状のものとに大別出来る。この中で固形状
半田材料の製造方法は溶解、鋳造工程によりインゴット
を得て、該インゴットを加工する方法が一般的である。
ここでPb,Sn,Inのうちのいずれか1種を主要成
分とする固形状半田材料は、先ず該組成の液相線温度よ
り50〜150℃高い温度で溶解、鋳造して、インゴッ
トを製造することを第1工程としている。日本金属学会
編「金属便覧」(昭和35年1月発行)には鉛及び鉛合
金の鋳造温度は大体固相線より10〜60℃高い温度が
用いられ、Sn及びSn合金の鋳造温度は液相線上50
〜100℃の温度が良いと記載されている。又特公平1
−30579号公報には加熱鋳型式水平連続鋳造法が開
示され、この中でSn−30%Zn合金の溶解温度に3
60℃を用いることが開示されており、該温度は液相線
温度より50℃程度高い温度である。又特開昭59−1
70207号公報には溶融金属を冷却液中に射出させて
金属繊維を製造する方法が開示され、この中でPb−S
n合金の溶湯の温度が融点+130〜150℃であるこ
とが開示されている。
【0004】一方従来よりFCB(Flip Chip Bonding)
用基板や、BGA(Ball Glid Aray)等の各種の半導体
パッケージ用基板等における内部あるいは外部接続バッ
ドへの半田バンプの形成、PGA(Pin Glid Aray)にお
けるピンの半田接続等に半田材料が用いられている。こ
れらの接続用半田材料としてその取り扱いの容易さから
半田ボールが多用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近半導体装置の高集
積化、小型化が要求され、対応するパッケージもこの流
れにある。例えばこの要求に適合する為にBGAを高集
積化していくと、半導体パッケージ用基板等における内
部あるいは外部接続の電極接合部が小さくなっていき、
該接合部に用いられる半田ボールの熱疲労性能の向上が
求められてきた。
【0006】本出願人は、先に、Pb,Sn,Inの何
れか1種を主要成分とする半田ボールに、添加成分とし
て少なくとも所定量のFeを含有することにより前記熱
疲労性能を向上させることができるとの知見を得た(特
願平9−264164号参照)。しかしながら、本出願
人はさらに検討する過程で、添加成分として少なくとも
所定量のFeを含有する組成の半田インゴットに加工を
施して得られた半田小片を素材として融解して半田ボー
ルを形成すると、半田ボール表面に突起状欠陥が発生
し、球形性能の低下と共に接合性が低下するという問題
があること、突起状欠陥はNi,Agなど他の金属では
なくFeが原因であることを見い出した。
【0007】本発明は、前述の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは半田ボールをPb,
Sn,Inの何れか1種を主要成分とし、添加成分とし
て少なくとも所定量のFeを含有する半田材料組成で形
成しても、その表面に1μm以上の突起状欠陥を抑止し
た半田ボール及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するために下記が提供される。 (1)Pb,Sn,Inのうちのいずれか1種を主要成
分とし、添加成分として少なくともFe0.1〜2.0
重量%を含有し、その表面に1μm以上の突起状欠陥の
ない半田ボール。
【0009】(2)Pb,Sn,Inのうちいずれか1
種を主要成分とし、添加成分として少なくともFe0.
1〜2.0重量%を含有した半田ボールの製造方法にお
いて、Fe母合金が該母合金組成の液相線温度より20
0〜1000℃高い温度で溶解、急冷鋳造される第1工
程と、半田ボール組成を有する半田インゴットが、Fe
の添加に前記母合金を用いて、半田ボール組成の液相線
温度より200〜1300℃高い温度で溶解され、次い
で急冷鋳造される第2工程と、前記インゴットから融解
・冷却を経て半田ボールを形成する第3工程を含むこと
を特徴とする半田ボールの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】半田ボール 本発明の半田ボールではPb,Sn,Inのうち何れか
1種を主要成分とする。ここで主要成分とは最も多い成
分のことであり、好ましくは60%以上であり、更に好
ましくは90%以上である。
【0011】本発明の半田ボールは添加成分として少な
くともFe0.1〜2.0重量%を含有する。半田ボー
ルに少なくともFeを含有することにより熱疲労性能が
優れることが可能になる。Feの添加量が0.1重量%
以上であることによって半田ボールの熱疲労性能を向上
させることができる。Feの添加量は2.0重量%以下
であることがボール中にFeを均一に分布し、また突起
の発生を防止することを可能にする点で実用的である。
【0012】本発明の半田ボールの添加成分としてはF
eのほか、Ni,Ag,Cu,Pd,Sbなどを必要に
応じて適宜用いることができる。本発明になる半田ボー
ルの好ましい組成例としては、Feを0.1〜2.0重
量%、Niを0.1〜4.9重量%であってその合計量
が0.2〜5.0重量%、Ag及びInのうち少なくと
も1種を0.1〜5.0重量%の添加成分としたものを
例示出来る。この他、半田性能の要求に従って、Cu,
Pd,Sb等を0.01〜5.0重量%の範囲で更に添
加してもよい。最も好ましくは0.1〜2.0重量%F
e,0.1〜2.0重量%Ni,1.0〜5.0重量%
Ag,60〜65重量%Sn,残部Pbの組成である。
【0013】本発明の半田ボールは、Pb,Sn,In
のうちのいずれか1種を主要成分とし、添加成分として
少なくともFe0.1〜2.0重量%を含有し、その表
面に1μm以上の突起状欠陥のないものである。前記組
成とすることにより熱疲労性能に優れた半田材料を得る
ことが出来るが、このような組成で半田ボールを形成す
ると、その表面に突起状欠陥が発生したが、本発明によ
れば半田ボールの表面に1μm以上の突起状欠陥をなく
すことができた。本発明でいう半田ボール表面の「突起
状欠陥」とは半田ボール表面に半田材料自身が露出した
突起状物であって、その突起の大きさが1μm以上のも
のをいう。その大きさとは突起の長さ、幅、高さを含め
最大寸法をいう。突起状の欠陥が接合性を低下させるこ
とを確認している。
【0014】半田ボールに所定量のFeを含みながら突
起をなくすことにより、、熱疲労性のみならず、球状性
および接合性に優れた半田ボールを提供することができ
る。 半田ボールの製造方法 本発明になる半田ボールの製造方法として最も好ましい
製造方法を以下に例示する。この半田ボールは先ず溶湯
を鋳型に鋳込む鋳造工程によりインゴットを製造する。
次いで該インゴットに加工を施してボール状に加工す
る。
【0015】(1)第1工程(母合金製造) 本発明の半田ボールを製造するためには半田ボール組成
のFeの溶解にFe母合金を用いることが必要である。
Fe母合金は主要成分にFeを含有させた合金であり、
Fe含有量は半田ボール組成のFe含有量の2〜10倍
のものが好ましい。Fe母合金を用いることが半田ボー
ルの突起の発生を防止するために必要である。
【0016】溶解、鋳造装置をチャンバーで覆い、内部
雰囲気はFe母合金の酸化防止の為、無酸化雰囲気とす
ることが好ましく、Ar,N2 等の雰囲気等が用いられ
る。上記雰囲気中でFe母合金をその組成の液相線温度
より200〜1000℃、好ましくは250〜700℃
高い温度で溶解する。次いで溶湯を鋳型中に急冷する。
好ましい冷却速度は20℃/秒以上であり、更に好まし
くは20〜400℃/秒である。
【0017】また、Fe母合金の製造において溶解温度
を母合金組成の液相線温度より200℃以上、好ましく
は250℃以上高くないと、最終工程で半田ボールを形
成しても、所定量のFeを含有する半田ボール表面に突
起状欠陥が生じることを抑止出来ない。また、溶解温度
の上限は均質な組成のものを得る為に高い程よいが設備
の耐久性を考慮して前述の通りとした。
【0018】(2)第2工程(半田ボール組成のインゴ
ット製造) 前述のFe母合金を用いて本発明の半田ボール組成のイ
ンゴットを製造する。製造設備としては溶解、鋳造装置
をチャンバーで覆い、内部雰囲気は半田材料の酸化防止
の為、Ar,N2 等の無酸化雰囲気とすることが好まし
い。上記雰囲気中で半田ボール組成の合金を該組成の液
相線温度より200〜1300℃、好ましくは400〜
1200℃高い温度で溶解する。溶解温度を半田ボール
組成の液相線温度より200℃以上、好ましくは400
℃以上高い温度にしなければ、最終工程で半田ボールを
形成しても、所定量のFeを含有する半田ボール表面に
突起状欠陥が生じることを抑止出来ない。また、溶解温
度の上限は均質な溶解をする為に高い程よいが設備の耐
久性を考慮して前述の通りとした。
【0019】次いで溶湯を鋳型中に急冷してインゴット
を製造する。従来半田インゴット鋳造時の冷却速度は1
0℃/秒以下の徐冷で行われていたが、本発明の半田ボ
ール組成のインゴット製造では、20℃/秒以上の急冷
を行う。この急冷を行うことにより、最終工程で半田ボ
ールを形成しても、その表面の突起状欠陥が生じること
を抑止出来るようになる。この冷却速度が極度に大きい
場合インゴット表面にしわが発生するおそれがある。従
って好ましい冷却速度は20〜400℃/秒である。
【0020】前記の第1工程、第2工程で溶湯を急冷す
る方法として鋳型中に急冷することが好ましく、更には
水冷手段を有するカーボン鋳型を用いることが好まし
い。該カーボン鋳型としては直接水路を形成した水冷手
段を有するカーボン鋳型、水冷装置を有するCu製型材
と接触させる水冷手段を有するカーボン鋳型等が例示で
きる。
【0021】ここで前者の直接水路を形成する水冷手段
はカーボン鋳型の大きさ、強度の点で水量に制限がある
ことに対して、後者のCu製型材と接触させる水冷手段
は水量制御が容易であり、大量の冷却水を用いた急冷に
適しているため好ましく用いられる。カーボン鋳型を水
冷装置を有するCu製型材と接触させる水冷手段を図1
を用いて説明する。1は半田インゴット、2はカーボン
鋳型、3は水冷装置を有するCu製型材(水冷装置は図
示省略)である。図1(A)はカーボン鋳型2の下端面
で水冷装置を有するCu製型材3を接触させた状態を示
している。前述の第1工程母合金鋳型のように薄いイン
ゴットの製造に好適に用いられる。図1(B)はカーボ
ン鋳型2の側面及び下端面で水冷装置を有するCu製型
材3を接触させた状態を示している。半田材料を製造す
るために圧延や押出に供する、前述の第2工程のように
比較的大型のインゴットの製造に好適に用いられる。
【0022】冷却速度はCu製型材を水冷する水量を調
整することにより20℃/秒以上の急冷をすることがで
きる。又Cu製型材を水冷しない場合、冷却速度は10
℃/秒以下となる。 (3)第3工程(半田ボールの製造) 第3工程では、半田インゴットから融解−冷却を利用し
て半田ボールを製造する。好適には、半田インゴットに
加工を施して半田小片を得た後、半田小片を半田ボール
組成の液相線温度以上の高温部を上部に有し、該組成の
固相線温度以下の低温部を下部に有する液状熱媒体中を
落下せしめて半田ボールを形成することができる。
【0023】第2工程により製造されたインゴットを押
出、圧延、伸線して得られたテープ又はワイヤを素材と
して、切断や打ち抜き加工を施して半田小片に加工す
る。半田小片は要求される半田ボール外径に対応した重
量から算出して決める。図2に基づいて半田小片から半
田ボールを製造する方法の一例を説明する。まずガラス
管等の円筒状等の容器11内に、液状熱媒体12を満た
し、容器11の上方の一部を外部から加熱ヒータ13で
加熱して上方の液温を半田材料の液相線温度より高く保
つ。また容器11の下方の一部を水冷パイプ14等によ
り冷却して液状熱媒体を半田材料の固相線温度以下に保
つ。この状態で容器11上部のシュート15から半田小
片a1 を落下させる。
【0024】半田小片a1 はその融点より高い温度に保
たれた容器11の上方の高温液状熱媒体中を重力によっ
て落下し、その間に溶融状態となり表面張力の作用によ
って溶融球形状a2 となる。更に落下を続け容器11の
下方の低温液状熱媒体中を落下する際に、球形を保った
まま凝固し、容器11底部に球形の半田ボールa3 とし
て堆積する。容器11の下部に設けた取り出し口16か
ら該半田ボールa3 を取り出す。
【0025】ここで液状熱媒体としては半田材料の液相
線温度以上でも液状を保ち且つ非酸化性のものであれば
よい。フッ素系エーテル、脂肪酸、ロジン、グリセリン
等が例示出来、この中でもフッ素系エーテルとしてのパ
ーフルオロポリエーテルが好ましく用いられる。
【0026】
【実施例】(実施例1)溶解炉及び鋳造用鋳型を雰囲気
調整可能なチャンバーに収容し、次の要領で2.5%F
e含有Sn合金をFe母合金として鋳造した。先ずチャ
ンバー内雰囲気を5×10-4Torrとした後、Arガス雰
囲気とした。次いで2.5%Fe含有Sn合金の溶解温
度を母合金液相線温度+250℃とし、10分保温し
た。この溶解には内径75mm、高さ200mmのカーボン
ルツボを用いて50kw高周波溶解炉で溶解した。次い
で、図1(A)に示す水冷装置を有するCu製型材の上
に載置した10mm厚さのカーボン鋳型に鋳込み、急冷し
た。急冷速度は150℃/秒であった。
【0027】次に、半田ボール用インゴットの鋳造にお
いて、溶解する材料が表1に示す半田ボール組成である
こと、半田ボール組成の溶解温度が該組成の液相線温度
+870℃であること、鋳造鋳型が図1(B)に示す様
に水冷装置を有するCu製型材と下端面及び四側面を接
触させたカーボン鋳型を用いてCu製型材を水冷してイ
ンゴットの寸法を直径50mm×長さ300mmとして急冷
し、急冷速度を50℃/秒としたこと以外は、前記母合
金鋳造と同様にして、半田ボール用インゴットを鋳造し
た。
【0028】前記インゴットを押し出した後、0.2mm
厚さのテープに圧延し、裁断して0.12mg/個の半田
小片を作成した。前記半田小片を素材として図2に示す
装置を用いて半田ボールを形成した。液状熱媒体として
パーフルオロポリエーテルを用いた。半田小片は250
℃に加熱されて融解し、表面張力で球状化した後、低温
部に降下して冷却固化される。この装置内における半田
の帯留時間は12〜15秒程度である。
【0029】形成された半田ボールの表面状況をSEM
(×700)を用いて観察した。ボール半分の面で観察
出来る突起状欠陥の数×2をボール1個の欠陥数とし、
ボール10個について欠陥数を測定し、その平均値を表
3に示した。 (実施例2〜11)(比較例1〜6) 実施例2〜11、比較例1〜4で用いるインゴットが、
半田ボール組成、母合金溶解温度、半田ボール組成イン
ゴット鋳造時の溶解温度と冷却速度、ボール形成用液状
熱媒体の種類を表1〜2の様にしたこと以外は実施例1
と同様にして、半田ボールを形成し、半田ボール表面の
欠陥数の測定を行い、その平均値を表3に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】(実施例12)半田ボールの主要成分をS
nからPbあるいはInにかえた場合にも、上記実施例
と同様の結果が得られることが確認された。 (試験結果) (1)実施例1〜11のものは、Snを主要成分とし、
Feを0.1〜2.0重量%含有する半田ボールの製造
方法に於いて、Fe母合金の溶解温度が該母合金の液相
線温度より200〜700℃高い温度であり、半田ボー
ル組成インゴットの溶解温度が該組成の液相線温度より
400〜1300℃高い温度であり、その冷却速度を2
0〜400℃/秒として鋳造した半田ボール組成インゴ
ットを用いて製造した半田ボールであるが、半田ボール
表面に突起状欠陥のない優れたものであった。実施例1
の半田ボール表面を拡大したSEM像を図3(A)
(B)に示す。(A)は200倍の全体像、(B)は7
00倍の部分像である。半田ボール表面に突起状欠陥が
ないことが判る。
【0034】(2)Snを主要成分とし、Feを1.0
重量%含有する半田ボールの製造方法に於いて、半田ボ
ール組成の溶解に際して、Fe母合金を用いない比較例
1のものは、半田ボール表面に突起状欠陥が10個以上
と悪いものであった。 (3)Snを主要成分とし、Feを1.0重量%含有す
る半田ボールの製造方法に於いて、Fe母合金の溶解温
度が該母合金の液相線温度より150℃だけ高い温度で
ある比較例2のものは半田ボール表面に突起状欠陥が8
個と悪いものであった。
【0035】(4)Snを主要成分とし、Feを1.0
重量%含有する半田ボールの製造方法に於いて、半田ボ
ール組成インゴットの溶解温度が該組成の液相線温度よ
り150℃だけ高い温度である比較例3のものは半田ボ
ール表面に突起状欠陥が10個以上と悪いものであっ
た。比較例3の半田ボール表面を拡大したSEM像を図
4(A)(B)に示す。(A)は200倍の全体像、
(B)は700倍の部分像である。半田ボール表面に突
起状欠陥が多数生じていることが判る。
【0036】(5)Snを主要成分とし、Feを0.6
重量%含有する半田ボールの製造方法に於いて、半田ボ
ール組成インゴットの冷却速度が10℃/秒以下の徐冷
である比較例4のものは半田ボール表面に突起状欠陥が
10個以上と悪いものであった。 (6)Snを主要成分とし、添加成分としてFeを1.
0重量%のみ含有する半田ボールの製造方法に於いて、
半田ボール組成インゴットの溶解温度が該組成の液相線
温度より150℃だけ高い温度である比較例5のものは
半田ボール表面に突起状欠陥が10個以上と悪いもので
あった。
【0037】(7)比較例3と同様の条件で半田ボール
組成インゴットを製造し、ボール形成用液状熱媒体とし
て、比較例がパーフルオロポリエーテルであることに対
して、グリセリンを用いた比較例6のものも、同様に半
田ボール表面に突起状欠陥が10個以上と悪いものであ
った。従って半田ボール表面の突起状欠陥はボール形成
用液状熱媒体の種類によっては制御できなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、半田ボールを用いた電
子部品の半田接合においてPb,Sn,In系の半田に
少なくともFe0.1〜2.0重量%を添加して熱疲労
性能を向上させると共に、Feを添加したために半田ボ
ールの表面に発生する突起状欠陥を、半田ボールのイン
ゴットの製造工程を工夫してなくし、半田ボールの球状
性と接合性にも優れたものとした。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)とも合金急冷のための水冷手段を
有する鋳型を示す。
【図2】半田ペレットから半田ボールを製造する1例の
装置を示す。
【図3】実施例1の半田ボールの金属組織を示すSEM
写真である。
【図4】比較例3の半田ボールの金属組織を示すSEM
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 浩一 東京都三鷹市下連雀八丁目5番1号 田中 電子工業株式会社三鷹工場内 Fターム(参考) 5F067 AB04 BC00 DD00 DD08 EA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb,Sn,Inのうちいずれか1種を
    主要成分とし、添加成分として少なくともFe0.1〜
    2.0重量%を含有し、その表面に1μm以上の突起状
    欠陥のない半田ボール。
  2. 【請求項2】 Pb,Sn,Inのうちいずれか1種を
    主要成分とし、添加成分として少なくともFe0.1〜
    2.0重量%を含有した半田ボールの製造方法におい
    て、Fe母合金が該母合金組成の液相線温度より200
    〜1000℃高い温度で溶解、急冷鋳造される第1工程
    と、半田ボール組成を有する半田インゴットが、Feの
    添加に前記母合金を用いて、半田ボール組成の液相線温
    度より200〜1300℃高い温度で溶解され、次いで
    急冷鋳造される第2工程と、前記インゴットから融解−
    冷却を経て半田ボールを形成する第3工程を含むことを
    特徴とする半田ボールの製造方法。
JP10290089A 1998-09-29 1998-09-29 半田ボール及びその製造方法 Pending JP2000102894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290089A JP2000102894A (ja) 1998-09-29 1998-09-29 半田ボール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290089A JP2000102894A (ja) 1998-09-29 1998-09-29 半田ボール及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000102894A true JP2000102894A (ja) 2000-04-11

Family

ID=17751667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10290089A Pending JP2000102894A (ja) 1998-09-29 1998-09-29 半田ボール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000102894A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2387179A (en) * 2001-09-11 2003-10-08 Chih-Heng Chen A method of making tin-lead alloy balls for packaging semiconductors
US8823245B2 (en) 2009-11-20 2014-09-02 Epcos Ag Solder material for fastening an outer electrode on a piezoelectric component and piezoelectric component comprising a solder material

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2387179A (en) * 2001-09-11 2003-10-08 Chih-Heng Chen A method of making tin-lead alloy balls for packaging semiconductors
US8823245B2 (en) 2009-11-20 2014-09-02 Epcos Ag Solder material for fastening an outer electrode on a piezoelectric component and piezoelectric component comprising a solder material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5893528B2 (ja) 無鉛はんだバンプ接合構造
JP5078167B2 (ja) 半田付け用AuGe合金球
JP4718369B2 (ja) はんだ合金
US20110068149A1 (en) Solder preform and a process for its manufacture
TWI761683B (zh) Cu核球、焊接頭、焊膏及泡沫焊料
US11628519B2 (en) Solder joint
JP2002057177A (ja) はんだボールおよびその製造方法
US11607752B2 (en) Solder alloy, solder joint material, and electronic circuit board
EP1357197B1 (en) Minute copper balls and a method for their manufacture
JP2005103645A (ja) はんだボールおよびその製造方法
JPH03128192A (ja) はんだ付方法
JP2000061585A (ja) 半田材料の鋳造方法
JP2000102894A (ja) 半田ボール及びその製造方法
JP2010192497A (ja) ボンディング用金合金細線及びその製造方法
CN87102907A (zh) 添加表面活性剂改进低熔点焊料的润湿性
JP2017035708A (ja) Pbを含まないSb−Cu系はんだ合金
JP6485581B1 (ja) Cu核ボール、はんだ継手、はんだペースト及びフォームはんだ
TWI755603B (zh) Cu核球、焊接頭、焊膏及泡沫焊料
JP4941065B2 (ja) ボンディングワイヤ用母材の製造方法およびボンディングワイヤ
JP6572996B1 (ja) Cu核ボール、はんだ継手、はんだペースト及びフォームはんだ
JP7381980B1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだ継手、および回路
JPS586793A (ja) ろう材
JPS6188996A (ja) Sn−Sb系合金はんだ
JP7291320B2 (ja) はんだ接合部の製造方法
JPH08215881A (ja) 複合半田材料及びその製造方法