JP2000099808A - カード式タイマ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】カード式タイマにおいて、スタート信号を出力
した機器に対して運転開始から数分間は、その機器に対
する開始用スイッチ操作は無効にされ、これにより、そ
れが既に運転中であって料金徴収済みであるのに更に利
用料金が徴収されるということが無くすことを課題とす
る。 【解決手段】 洗濯機１０が運転開始してから、適度の
時間（３分程度）に設定された無効時間を経過するまで
は、洗濯機スイッチ６の押下は無効とされるので、利用
者が誤ってこの洗濯機スイッチ６を押したとしても、料
金（度数）の徴収が行われない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカード式タイマの分
野の技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】コインランドリー、病院等では設置され
ている洗濯機や乾燥機等が有料で使用できるようにされ
ている。洗濯機、乾燥機等の利用者はコイン式タイマに
規定の使用料（コイン）を投入すればこれらを一定時間
又は一回使用することができる。

【０００３】しかしながら、コイン式タイマでは、洗濯
機、乾燥機を使用する場合その都度小銭を準備しなけれ
ばならないので利用者にとって煩わしく、また、設置者
等の管理者は貯まったコインを定期的に回収しなければ
ならないのでそのためにコイン回収費用がかかるという
問題があった。

【０００４】このような問題に対処するため、コインの
代わりにプリペイドカード等のカードによる料金徴収が
行われるようになってきた。プリペイドカード等による
料金徴収は使用者及び管理者にとって先に述べた問題が
無くきわめて有益である。

【０００５】カード式タイマには洗濯機、乾燥機、その
他が接続されて制御されるが、接続される機器によりそ
の動作が異なる。

【０００６】洗濯機のような複数の工程（給水、排水、
洗濯、脱水など）を順番に実行するものでは、タイマは
料金徴収を時間に依らないで、一回分だけの使用ができ
るように制御する。

【０００７】洗濯機が使用される場合を例に説明する
と、カード式タイマは次のように動作する。

【０００８】カードが挿入されると、カード式タイマは
カードの残り度数を表示する。カード式タイマの洗濯機
スイッチが押されると、一回分の使用料をカードの残額
から引き落とすとともに、洗濯機スタート信号を洗濯機
に向けて出力する。

【０００９】洗濯機はこの信号を受けて運転を開始する
が、洗濯機運転中に利用者が操作を誤ってカード式タイ
マの洗濯機ボタンを再度押した場合、前と同様にカード
の残額から更に一回分の使用料を引き落とすとともに、
洗濯機に向けて洗濯機スタート信号を出力する。

【００１０】洗濯機は使用中であるから、後から送られ
てきたスタート信号は無視されるにもかかわらず、使用
料のみが引き落とされる結果、利用者は二重に料金を徴
収されることになる。

【００１１】このような現象は、洗濯機が運転中である
ことを示す信号が洗濯機からカード式タイマに向けて出
力されず、このため、カード式タイマは洗濯機の運転状
態を直接的に知ることができない点に原因があるが、既
にコインランドリーや病院に設置されている設備のうち
コイン式タイマのみをカード式タイマに変更して先に述
べた問題に対処する場合も多いため、信号線の数を増や
すことは実質的にできない。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、信号線の数
を増やすことなく、一定時間以内であれば誤った操作に
よっても使用料金が二重に引き落とされることのないカ
ード式タイマを提供することを課題とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題は次の手段によ
り解決される。

【００１４】「請求項１に記載の発明の解決手段」カー
ド式タイマであって、このカード式タイマは、カードに
記憶された度数情報を読み取り、且つ、このカードに度
数情報を書き込むことのできるカード情報入出力手段
と、操作者が接続された機器の運転を開始させるための
機器スイッチ手段と、該機器スイッチが操作されたとき
各機器に運転開始の信号を送信する機器スタート信号出
力手段と、該機器が運転開始したとき、計時を開始する
計時手段と、制御手段とを備え、上記制御手段は、上記
機器が運転を開始したとき、上記カードの度数情報から
使用度数を引き落とし、引き落とされた更新度数情報を
このカードに書き込むようにカード情報入出力手段を制
御するとともに、上記計時手段の計時が予め定められた
無効時間を超えていないとき、対応する上記機器スイッ
チ手段の操作を無効とするものであることを特徴とする
カード式タイマ。

【００１５】「請求項２に記載の発明の解決手段」請求
項１に記載されたカード式タイマにおいて、上記機器の
一つは洗濯機であることを特徴とするカード式タイマ。

【００１６】

【作用】上記手段を備えることにより、本発明は次のよ
うに動作する。

【００１７】カードがカ−ド情報入出力手段に挿入され
ると、カードの度数情報が読取られ、操作者により機器
スイッチ手段が操作されると接続された機器が運転を開
始するとともに計時手段が計時を開始する。

【００１８】機器の運転が開始されると、カードの度数
から使用度数が引き落とされ、更新された度数が再びカ
ードに書き込まれる。

【００１９】制御手段は上記動作を制御するとともに、
上記計時手段の計時が予め定められた無効時間を超えて
いないとき、再び機器スイッチ手段の操作が無効にす
る。

【００２０】これにより無効時間内の誤操作により料金
（利用度数）の二重引き落としを防止することができ
る。

【００２１】

【実施例】図１は、本発明実施例のカード式タイマの前
面斜視図である。

【００２２】カード式タイマ１はその前面パネル２にカ
ード挿入口３、カード返却スイッチ４、カード残り度数
表示部５、洗濯機スイッチ６、洗濯機ランプ７、乾燥機
スイッチ８、及び、乾燥機ランプ９を備えている。

【００２３】図２は、このカード式タイマ１と洗濯機１
０とが信号線１１により結ばれている様子を示す図であ
る。なお、ここで一つはグランド線であり他の線と合わ
せて２本の線で一つの信号線をなす。

【００２４】洗濯機１０の電源はカード式タイマ１を介
することなく電源コード１２を通して直接電力の供給を
受ける。又、信号線１１はカード式タイマ１からの洗濯
機スタート信号を洗濯機１０に向けて送るための線であ
って、洗濯機１０からカード式タイマ１に向けて何らか
の信号を送ることはしない。

【００２５】図３は、カード式タイマ１の制御の概要を
説明するためのブロック図である。

【００２６】制御部ＣＰＵ３０には、カード返却スイッ
チ４、カード残り度数表示部５、洗濯機スイッチ６、洗
濯機ランプ７、乾燥機スイッチ８、乾燥機ランプ９、カ
ードリードライト部３１、洗濯機スタート信号出力部３
２、乾燥機スタート信号出力部３３、洗濯機用タイムカ
ウンター３４、及び、乾燥機用タイムカウンター３５が
接続され、制御部ＣＰＵ３０は、これらから信号を入力
し、解析し、カード残り度数等の計算をして、これらに
信号を出力することにより制御する。なお、上記２つの
カウンター３４、３５はそれほど精度を要求されないの
で、ソフトウエアにより実現することも可能である。

【００２７】カード挿入口３にプリペイドカード等のカ
ードが挿入されると、挿入が検知され自動的にカードリ
ードライト部３１までに引き込まれる。また、カード返
却スイッチ４が押されると、カードリードライト部３１
に引き込まれているカードがカード挿入口３に押し出さ
れる。

【００２８】カードリードライト部３１は、カード挿入
口３からカードが挿入されたとき、制御部ＣＰＵ３０の
指令によりカードの残り度数等のデータを読み取り、更
新されたデータをカードに書き込む。カード残り度数表
示部５にはカードの残り度数の現在値が表示される。

【００２９】洗濯機スイッチ６、又は、乾燥機スイッチ
８が押されると、対応する洗濯機ランプ７、又は、乾燥
機ランプ９が点灯し、それぞれの機器が運転中であるこ
とを示す。

【００３０】図４は、本発明実施例のカード式タイマの
動作説明図である。

【００３１】ここで、図に基づいて、カード式タイマ１
とこれに接続された洗濯機１０との動作について説明す
る。

【００３２】動作１ カードがカード挿入口３に挿入さ
れると、カードリードライト部３１に送られ、ここにお
いてカードの情報が読取られ、挿入されたカードが真正
なカードかどうかがチェックされる（カード判定）。

【００３３】動作２ ここで、真正なカードでなければ
挿入口３に送り返されるが、真正なカードであれば、カ
ードの残り度数がカード残り度数表示部５に表示され
る。

【００３４】動作３ 利用者が洗濯物を投入して洗濯機
スイッチ６を押すと、洗濯機１０の運転を開始できるか
どうかが判定される。この洗濯機運転開始可能判定はカ
ード残り度数＞＝洗濯機利用料金であり、且つ、洗濯機
がスタートしてから設定された無効時間を経過している
かどうかの条件が判定される。無効時間は洗濯機用タイ
ムカウンター３４が計時中であって、無効時間に至らな
いとき不成立、それ以外のとき成立となるもの。

【００３５】動作４ 上記条件が満たされていたら、洗
濯機スタート信号が洗濯機スタート信号出力部３２から
出力され、信号線１１を介して洗濯機１０に送られ、洗
濯機１０が運転を開始する。

【００３６】動作５ 続いて、洗濯機用タイムカウンタ
ー信号が洗濯機用タイムカウンター３４に出力され、洗
濯機用タイムカウンター３４が計時を開始する。

【００３７】動作６ 続いて、洗濯機ランプ７が点灯さ
れる。

【００３８】動作７ 続いて、洗濯機利用料金相当の度
数が、それまでのカード残り度数から引き去られ、更新
された新しい度数がカードに書き込まれる。

【００３９】動作８ 更新された度数がカード残り度数
表示部５に新たに表示される。

【００４０】動作９ 利用者がカード返却スイッチ４を
押すとカードが返却される。カードの返却は洗濯機スイ
ッチ６が押されてから８秒経過したときにも自動的に行
われる。

【００４１】動作１０ カードの返却が終了すると、先
にカード残り度数表示部５に表示されていたカード残り
度数を消す。

【００４２】動作１１ 残り度数が更新され、カード挿
入口３に返却されたカードが抜き取られる。

【００４３】動作１２ 洗濯機用タイムカウンター３４
が読取られ、洗濯機スタート信号が出力されてから無効
時間を経過したら洗濯機ランプ７が消灯される。なお、
無効時間は３分程度に設定すると適当である。

【００４４】このように洗濯機１０が運転開始してか
ら、適度の時間（３分程度）に設定された無効時間を経
過するまでは、洗濯機スイッチ６の押下は無効とされる
ので、利用者が誤ってこの洗濯機スイッチ６を押したと
しても、料金（度数）の徴収が行われないので、使用料
金が二重に徴収されることがない。

【００４５】無効時間を経過した後は、再度洗濯機スイ
ッチ６を押すと料金が徴収されるが、利用者は洗濯が始
まりしばらくすると洗濯が終了する頃までその場を離れ
ることが多いので、誤操作も二重徴収も実質的に生じな
い。

【００４６】

【発明の効果】この発明によればスタート信号を出力し
た機器に対して運転開始から数分間は、その機器に対す
る開始用のスイッチ操作は無効にされ、これにより、そ
れが既に運転中であって料金徴収済みであるのに更に利
用料金が徴収されるということが無くなり、その結果ス
イッチ誤操作による利用料金の誤徴収が防止される。接
続機器が出力信号用の信号線を持っておらず、入力信号
用の信号線のみを有する場合にも、このカード式タイマ
は接続可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例のカード式タイマの前面斜視図で
ある。

【図２】カード式タイマ１と洗濯機１０とが信号線１１
により結ばれている様子を示す図である。

【図３】カード式タイマ１の制御の概要を説明するため
のブロック図である。

【図４】本発明実施例のカード式タイマの動作説明図で
ある。

【符号の説明】

１ カード式タイマ ２ 前面パネル ３ カード挿入口 ４ カード返却スイッチ ５ カード残り度数表示部 ６ 洗濯機スイッチ ７ 洗濯機ランプ ８ 乾燥機スイッチ ９ 乾燥機ランプ １０ 洗濯機 １１ 信号線 １２ 電源コード ３０ 制御部ＣＰＵ ３１ カードリードライト部 ３２ 洗濯機スタート信号出力部 ３３ 乾燥機スタート信号出力部 ３４ 洗濯機用タイムカウンター ３５ 乾燥機用タイムカウンター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カード式タイマであって、このカード式
   タイマは、 カードに記憶された度数情報を読み取り、且つ、このカ
   ードに度数情報を書き込むことのできるカード情報入出
   力手段と、 操作者が接続された機器の運転を開始させるための機器
   スイッチ手段と、 該機器スイッチが操作されたとき各機器に運転開始の信
   号を送信する機器スタート信号出力手段と、 該機器が運転開始したとき、計時を開始する計時手段
   と、 制御手段とを備え、 上記制御手段は、上記機器が運転を開始したとき、上記
   カードの度数情報から使用度数を引き落とし、引き落と
   された更新度数情報をこのカードに書き込むようにカー
   ド情報入出力手段を制御するとともに、上記計時手段の
   計時が予め定められた無効時間を超えていないとき、対
   応する上記機器スイッチ手段の操作を無効とするもので
   あることを特徴とするカード式タイマ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載されたカード式タイマに
   おいて、 上記機器の一つは洗濯機であることを特徴とするカード
   式タイマ。