JP2000097775A - 光学ピックアップヘッド、及び光学ピックアップヘッドのスペクトルリスポンスを修正する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な加工により、光学材料もしくは部品を
増やすことなく、スペクトルリスポンスを効果的に制御
できる光学ピックアップヘッドのスペクトルリスポンス
を修正する方法を提供することを目的とする。また、歩
留りが高く、製造コストが低く、かつスペクトルリスポ
ンスの修正を可能とする光学ピックアップヘッドを提供
することをもう１つの目的とする。 【解決手段】 光センサーと、複数枚のフィルタシート
とを含む光学ピックアップヘッドであって、前記フィル
タシ−トのうち一部のフィルタシートに所定の大きさの
ホールを設けて、特定のスペクトルを特定のリスポンス
強さをもって前記光センサーに入射させることを特徴と
する光学ピックアップヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】この発明は、光学ピックアッ
プヘッド及び光学ピックアップヘッドのスペクトルリス
ポンスを修正する方法に係り、特に積分式直接読み取り
可能な光度計に適用し、かつ光学材料もしくは部品を増
やすことなく光学ピックアップヘッドのスペクトルリス
ポンスによる曲線を理想的な実視曲線に接近させること
ができる光学ピックアップヘッド、及び当該光学ピック
アップヘッドのスペクトルリスポンスを修正する方法に
関するものである。

【従来の技術】従来、積分式直接読み取り可能な光度計
には、おおざっぱにいって照度計、輝度計、色彩分析
器、及び色差計などが含まれる。必要とする特定のスペ
クトルリスポンスを獲得するために、通常このような計
測器に用いられる光学ピックアップヘッドの光センサー
に、例えば光学フィルタシートなどの光学材料もしくは
部品を取り付けて、リスポンスの範囲を変えようとして
いる。これにより、計測器は特性の異なるスペクトルリ
スポンスを提供でき、所定の効能を達成することができ
る。しかし、個々のフィルタシートは、所要の特性につ
いて一部だけを有するので、特定のスペクトルリスポン
スを得るために、例えば照度計が要する実視曲線を得る
ために、複数のフィルタシートを使用しなくてはなら
ず、こうしてこそはじめて特定の波長のスペクトルを特
定のリスポンス強さをもって呈することができる。ま
た、他の方法として、モザイク方式によって寄せ集めら
れたフィルタシートを光センサーに取り付けて、特定の
スペクトルリスポンスによる曲線を得ようとするものも
ある。しかし、この方式によれば、製造に時間がかかる
以外に、経済的であるとは言えない。仮に複数のフィル
タシートを使用して所要の特定のスペクトルリスポンス
を得ようとする場合においても、目下の各種フィルタシ
ートから見れば、実は、例えば実視曲線に接近し、実際
のスペクトルリスポンスによる曲線を完全に呈すること
ができない。図１は、従来の薄いプラスチック製のフィ
ルタシートを光センサーに取り付けて構成した光学ピッ
クアップヘッドによって得られた、所定の波長を有する
スペクトルのリスポンスを示すグラフである。図１に示
すように、点線は例えば照度計の光学ピックアップヘッ
ドが達成しようとする実視曲線Ｖ（λ）のスペクトルリ
スポンスによる曲線であり、実線は従来のフィルタシー
トが取り付けられた光学ピックアップヘッドのスペクト
ルリスポンスによる曲線である。同図から分かるよう
に、二つの曲線を比較すると、フィルタシートの配設に
より、波長が３８０ｍｍ〜７８０ｍｍの範囲以外の光は
さえぎられるが、波長が３８０ｍｍ〜４７５ｍｍの範囲
にある可視光線もさえぎられるので、光学ピックアップ
ヘッドのピックアップは、肉眼で実際に見た光量に対応
することができなくなる。

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題に
鑑みてなされたもので、本発明は歩留りが高く、製造コ
ストが低く、かつスペクトルリスポンスを良好に修正す
ることが可能である光学ピックアップヘッドを提供する
ことをその目的とする。また、本発明は簡易な加工によ
り、光学材料もしくは部品を増やすことなく、スペクト
ルリスポンスを効果的に制御できる光学ピックアップヘ
ッドを利用するスペクトルリスポンスを修正する方法を
提供することをそのもう１つの目的とする。

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明による光学ピックアップヘッドは、光セン
サーと、複数枚のフィルタシートとを含む光学ピックア
ップヘッドであって、前記複数枚フィルタシートのうち
一部のフィルタシートに所定の大きさのホールを設け
て、特定のスペクトルを特定のリスポンス強さをもって
前記光センサーに入射させることを特徴とする。また、
この発明のもう１つの目的を達成するために、この発明
による光学ピックアップヘッドのスペクトルリスポンス
を修正する方法は、光センサーと、複数枚のフィルタシ
ートとを含む光学ピックアップヘッドに応用されて、当
該複数枚のフィルタシートにより前記光学ピックアップ
ヘッドのスペクトルリスポンスを修正する方法であっ
て、前記光センサーには、特定のスペクトルを特定のリ
スポンス強さをもって前記光センサーに入射させるため
の所定の大きさのホールを、前記複数枚のフィルタシー
トの一部に設ける過程を含むことを特徴とする。この発
明の一つの観点から言えば、適宜なフィルタシートに適
宜な大きさのホールを設けることにより、特定のスペク
トルを、特定の強さで光センサーに入射させることがで
きるので、最も少ないコストと、最高の歩留りで光学ピ
ックアップヘッドのスペクトルリスポンスを改善するこ
とができる。この発明のもう一つの観点から言えば、前
記ホール面積の大きさを、所要するスペクトルリスポン
スの特性及びフィルタシートの特性に合せて変えること
により、スペクトルリスポンスの特性を変動させること
ができる。そのため、照度計に応用できるのみならず、
その他各種の積分式直接的読み取り可能のフォトメータ
ーに応用することも可能である。従って、最小のコスト
で最大の適用性を得ることができる。

【実施例】以下、照度計の光学ピックアップヘッドを例
にして本発明を説明する。この光学ピックアップヘッド
は光センサーと、面積が当該光センサーの光学ピックア
ップ部の面積よりも大きなプラスチック材質製の複数枚
のフィルタシートとから構成される。前記複数枚のフィ
ルタシートは、一組になって、そのうちの一枚には、光
センサーのピックアップ部の形状と光センサーの構造に
基づいて少なくとも一つのホールが設けられる。これに
より、波長が３８０ｍｍ〜４７５ｍｍの範囲にあるスペ
クトルのスペクトルリスポンスを改善することができる
ので、光学ピックアップヘッドにピックアップされた入
射光によるスペクトルリスポンスの曲線を実視曲線に接
近させることができる。この点について、以下に詳述す
る。図２（ａ）〜（ｄ）は、この発明の技術に基づいて
構成される各種の実施例を示している。図面において、
ホール２が設けられたことを明らかに示すために、ホー
ル２がフィルタシート１に対するサイズの比例は、実際
の比例より大き目にしている。図２（ａ）は、１組のフ
ィルタシートのうち、一枚の中央位置に円形のホール２
が設けられた実施例である。ここで、フィルタシート１
が通過する光につき、波長が約５４０ｍｍ以上であれ
ば、８５％の透過率を示している。また、ホールの大き
さは、フィルタシート１のトータル面積に対する比例値
Ｒは約０．０４であるようにしてある。図３には、上述
の実施例によって得られるスペクトルリスポンスを示す
図である。同図から分かるように、この実施例によって
得たスペクトルリスポンスによる曲線には、波長が３８
０ｍｍ〜４７５ｍｍの範囲にある曲線の部分が点線で示
す実視曲線により接近している。これにより、前記した
範囲におけるスペクトルリスポンスが実際の実視範囲か
らはずれる問題が解決できる。基本的には、ホール２の
形状は光センサーの光学ピックアップ部の形状と、光セ
ンサーの構成とによって変更される。図２（ｂ）〜
（ｄ）に、この発明による方法の他の実施例を示す。図
２（ｂ）は、複数枚のフィルタシートのうちの一枚に、
中心位置に対して対称の位置に４つの円形ホールを設け
る例を示している。図２（ｃ）では、複数枚のフィルタ
シートのうちの一枚に、その中央の位置に八角形のホー
ルを設ける例を示している。図２（ｄ）では、複数枚の
フィルタシートのうちの一枚に、中心位置に対して対称
の位置に４つの弧状のホールを設ける例を示している。
これら実施例において、それぞれのホールの形状は異な
るが、フィルタシートの面積に対するホールのトータル
面積の比例値は、図２（ａ）に示した例と同一である。
よって、いずれも図３に示すようなスペクトルリスポン
スを得ることができる。次に、ホールの大きさによる影
響を説明する。図４には、同一のフィルタシートに、異
なる面積比例値を有するホールを設けた場合、得られた
スペクトルリスポンスが示されている。図４に示すよう
に、基本的には、フィルタシートにおけるホールの当該
比例値Ｒが０．０４〜０．１の間にある場合、４１０ｍ
ｍ〜４９０ｍｍの範囲にあるスペクトルリスポンスを有
効に調整することができる。よって、当該範囲内にある
Ｒ値は、いずれも受け入れられる範囲にある。比例値Ｒ
の推算は、ホールの設けられないフィルタシートによっ
て得られるスペクトルリスポンスに、（1−Ｒ）を掛け
てなる数に、ホールの設けられた場合にそのホール（即
ち該フィルタシートが取り付けられていない状態）によ
って得られるスペクトルリスポンスに係数Ｒを掛けてな
る数を加算して、実視曲線のスペクトルリスポンスに接
近したスペクトルリスポンスを得るためのＲがいくらか
必要であるかを計算することによって簡単に行える。即
ち、仮にＥが必要とする特定のスペクトルリスポンスの
強さとし、Ａ（λ）がホールのない個所のスペクトルリ
スポンスの強さとし、Ｂ（λ）がホールのある個所のス
ペクトルリスポンスの強さとすれば、Ｒは次の方程式：
Ｅ（λ）＝Ａ（λ）（１−Ｒ）＋Ｂ（λ）Ｒによって逆
算し、推算することができる。この逆算は数学の模擬ソ
フトから簡単に行うことができる。

【発明の効果】以上に述べたように、適当な光透過特性
がある薄いプラスチック材質製の光学フィルタシートを
選択し、それに特定の大きさのホールを設けることによ
って、光学ピックアップヘッドに必要とするスペクトル
リスポンスを効果的に制御することができ、しかも薄い
プラスチックフィルタシートの加工が容易であるので、
この発明による方法は実に簡単で、効果的であり、かつ
コストが低く歩留りの高い修正方法である。また本発明
の光学ピックアップヘッドも同様の長所を有する。その
上、修正の過程において、通常、特定の範囲のスペクト
ルリスポンスだけについて修正をすればよいので、確実
に効果とコストをコントロールすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の照度計の光学ピックアップヘッドによっ
て得られたスペクトルリスポンスを示したグラフであ
り、実線は光学ピックアップヘッドによる曲線で、点線
は実視曲線である。

【図２】（ａ）〜（ｄ）は、本発明によるフィルタシー
トにつき、ホールの形状と大きさが異なる、好適な実施
例を示す平面図である。

【図３】本発明によるフィルタシートを適用した照度計
の光学ピックアップヘッドのスペクトルリスポンスを示
すグラフであり、点線は図１の実視曲線である。

【図４】ホールのトータル面積が異なるフィルタシート
によって得られるスペクトルリスポンスによる曲線を示
すグラフであり、比較のために実視曲線を点線で示して
いる。

【符号の説明】

１ フィルタシート ２ ホール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スプリング イン−チェウン イー 台湾 タオユァン， チュン−リ， チュ ン タ シン ビレジ， 110 (72)発明者 リ−フェン チェン 台湾 シンチュ， ジアン ゴン １エス ティー ロード， レーン47， ナンバー ２， ５エフ (72)発明者 チン−イ チウエ 台湾 シンチュ， ミン−シン ロード, レーン 239， ナンバー 28

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光センサーと、複数枚のフィルタシート
   とを含む光学ピックアップヘッドであって、前記複数枚
   のフィルタシートのうち一部のフィルタシートに所定の
   大きさのホールを設けて、特定のスペクトルを特定のリ
   スポンス強さをもって前記光センサーに入射させること
   を特徴とする光学ピックアップヘッド。
2. 【請求項２】 前記所定の大きさは、フィルタシートの
   トランスミッションスペクトル及び要するスペクトルリ
   スポンスの強さによって決められることを特徴とする請
   求項１に記載の光学ピックアップヘッド。
3. 【請求項３】 光センサーと、複数枚のフィルタシート
   とを含む光学ピックアップヘッドに応用されて、当該複
   数枚のフィルタシートにより前記光学ピックアップヘッ
   ドのスペクトルリスポンスを修正する方法であって、前
   記光センサーには、特定のスペクトルを特定のリスポン
   ス強さをもって前記光センサーに入射させるための所定
   の大きさのホールを、前記複数枚のフィルタシートの一
   部に設ける工程を含むことを特徴とするピックアップヘ
   ッドのスペクトルリスポンスを修正する方法。
4. 【請求項４】 前記所定の大きさは、フィルタシートの
   トランスミッションスペクトル及び要するスペクトルリ
   スポンスの強さによって決められることを特徴とする請
   求項３に記載の光学ピックアップヘッドのスペクトルリ
   スポンスを修正する方法。