JP2000093994A - リン酸イオン含有排水の処理装置 - Google Patents

リン酸イオン含有排水の処理装置

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JP2000093994A
JP2000093994A JP10266064A JP26606498A JP2000093994A JP 2000093994 A JP2000093994 A JP 2000093994A JP 10266064 A JP10266064 A JP 10266064A JP 26606498 A JP26606498 A JP 26606498A JP 2000093994 A JP2000093994 A JP 2000093994A
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wastewater
anaerobic
ions
electrode
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Keiichi Fujimoto
恵一 藤本
Masaki Moriizumi
雅貴 森泉
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/463Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrocoagulation

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  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不動態膜の生成を防止するとともに、リン除
去効率を維持することができるリン酸イオン含有排水の
処理装置を提供する。 【解決手段】 嫌気第一槽Aと嫌気第二槽Bを順次有す
る排水処理槽に備えられる処理装置P1であって、前記
嫌気第一槽Aと嫌気第二槽Bとのあいだに設置される、
鉄および/またはアルミニウムを含む少なくとも一対の
電極を用いてリン酸イオンを含む排水中に鉄イオンおよ
び/またはアルミニウムイオンを電気化学的に溶出させ
る電解槽3と、前記嫌気第二槽Bから電解槽3へ排水を
供給する供給手段5とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水、とくに家庭
排水または集合住宅の排水などのリン酸イオンを含む生
活排水の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】川や湖の富栄養化の原因の1つにリン化
合物の存在があることは周知である。また、このリン化
合物は一般家庭の生活排水中に多く存在するが、浄化処
理が困難なものであり、有効な対策がとれないのが現状
である。
【0003】リン化合物の処理装置は種々提案されてい
るが、家庭排水については鉄の電解溶出法が知られてい
る(特開平3−89998号公報、C02F 3/1
2)。この技術は、排水中のリン酸イオンを鉄イオンと
反応させ水不溶性の塩、たとえばFePO4やFe(O
H)x(PO4yとして凝集沈殿させて除去しようとす
る技術であり、電解槽中に設置された鉄製の電極に通電
して排水中に鉄イオンを溶出させるものである。そし
て、かかる電解溶出法を用いた汚水処理槽として、たと
えば嫌気槽、好気槽、処理水槽および消毒槽からなり、
該処理水槽の汚水を、リン酸と反応する鉄イオンを溶出
させる電解槽を介して、嫌気槽に循環するとともに、前
記消毒槽を介して放流させるように構成されたものがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記汚
水処理槽における電極には、長期使用により酸化物の不
動態膜が生成する。このため、鉄イオンの溶出量が低下
し、リン除去効率が低下する惧れがある。前記不動態膜
はメンテナンスするときや電極の極性切り換えなどによ
り除去することができるが、前記メンテナンスを行なう
場合では、人件費がかさみ、電極の極性切換え装置を用
いる場合では、充分に不動態膜を除去できないという問
題がある。
【0005】本発明は、叙上の事情に鑑み、不動態膜の
生成を防止するとともに、リン除去効率を維持すること
ができるリン酸イオン含有排水の処理装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のリン酸イオン含
有排水の処理装置は、嫌気第一槽と嫌気第二槽を順次有
する排水処理槽に備えられる処理装置であって、前記嫌
気第一槽と嫌気第二槽とのあいだに設置される、鉄およ
び/またはアルミニウムを含む少なくとも一対の電極を
用いてリン酸イオンを含む排水中に鉄イオンおよび/ま
たはアルミニウムイオンを電気化学的に溶出させる電解
槽と、前記嫌気第二槽から電解槽へ排水を供給する供給
手段とからなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
のリン酸イオン含有排水の処理装置を説明する。
【0008】図1は本発明の一実施の形態にかかわる排
水処理槽を示す説明図、図2は図1における処理装置を
示す断面図、図3は本発明の他の実施の形態の処理装置
を示す断面図、図4は本発明のさらに他の実施の形態の
処理装置を示す断面図、図5は本発明のさらなる他の実
施の形態の処理装置を示す断面図、図6は本発明のさら
なる他の実施の形態の処理装置を示す断面図である。
【0009】本発明は、たとえば合併浄化槽などの排水
処理槽に用いられる。かかる排水処理槽は、図1に示さ
れるように、嫌気第一槽A、嫌気第二槽B、好気槽C、
沈殿分離槽Dおよび消毒槽Eとから構成されている。か
かる排水処理槽では、排水流入口1から流入した排水を
嫌気第一槽Aと嫌気第二槽Bで嫌気分解や脱窒処理をし
たのち、好気槽Cで好気分解によりBOD値を小さくす
るなどし、ついで浄化された排水を沈殿分離槽Dに流出
し、排水中の浮遊物(SS成分)を重力沈殿分離する。
そして上澄み液は消毒槽Eを通して処理水として流出口
2から槽外へ排出させるとともに、処理水の一部を脱窒
処理するために、ポンプFにて嫌気第一槽Aへ返送して
いる。なお、本実施の形態では、前記好気槽Cが接触曝
気槽にされているため、つぎの槽が沈殿分離槽Dにされ
ているが、本発明においては、これに限定されるもので
はなく、好気槽Cを生物膜処理槽にする場合には、つぎ
の槽が処理水槽になる。
【0010】本実施の形態では、電解槽3、曝気槽4お
よび前記嫌気第二槽Bから電解槽3へ嫌気状態の排水を
供給する供給手段5とからなる処理装置P1が、前記嫌
気第一槽Aと嫌気第二槽Bとのあいだに設置されてい
る。
【0011】前記電解槽3は、図2に示すように、流入
口6と流出口7を有する排水処理室8のうち、流通口9
を有する隔壁10により区画される上流位置に設置され
ており、該処理室8内の排水中に少なくとも一部が浸漬
するように配置されている一対の電極11と、該電極1
1に通電するための電源12とを備えている。
【0012】前記電極11は、鉄、鉄合金、アルミニウ
ム、アルミニウム合金または鉄−アルミニウム合金など
の鉄イオンおよび/またはアルミニウムイオン発生源か
ら製作することができる。前記電源12には、電極11
の極性を所定の時間、たとえば6時間ごとに切り換える
ための極性反転装置を接続することもできる。
【0013】前記曝気槽4は、前記排水処理室8の下流
位置に設置され、前記電解槽3から流出する排水を攪拌
させるとともに、排水中に空気を供給する空気曝気装置
13が設置されている。該空気曝気装置13は、曝気槽
4の底部中央に設置される多孔質の散気管14または散
気板と、該散気管14に圧縮空気を吸き込むためのエア
ポンプ(曝気ブロア)15とから構成されており、前記
散気管14とエアポンプ15はパイプ16により接続さ
れている。本実施の形態では、前記散気管14は曝気槽
4の底部中央に設置されているが、本発明においては、
とくにこれに限定されるものではなく、排水を攪拌し、
排水の流出とともに、排水中のリン酸イオンと電極から
溶出した鉄イオン(アルミニウムイオン)との反応生成
物である水不溶性の塩を流出させやすい位置を適宜選定
して設置することができる。また、散気管14を曝気槽
4内の排水中で上下方向に動かすことで排水の対流を生
じやすくすることもできる。前記排水の攪拌により、鉄
イオンとリン酸イオンとの反応性を向上させることがで
きる。
【0014】前記供給手段5としては、嫌気状態の排水
を圧縮力または重力などにより供給できる装置であれ
ば、とくに限定されるものではないが、たとえば水中ポ
ンプ、チューブポンプ、うず巻ポンプ、スクリューポン
プなどの空気圧非利用型ポンプを用いることができる。
この供給手段5は前記流入口6に供給管17により接続
されている。
【0015】本実施の形態では、たとえば水中ポンプに
より汲み上げられた嫌気状態の排水は、流入口6から電
解槽3に入ったのち、電極11から溶出した鉄イオン
(アルミニウムイオン)と排水中のリン酸イオンとが混
合される。ついで隔壁10の流通口9を通って曝気槽4
に入り、散気管14からの曝気で攪拌され、水不溶性の
塩となって沈殿し、汚泥を生成する。かかる水不溶性の
塩の汚泥は、リンが除去された排水とともに、前記嫌気
第一槽Aへ返送される。そして該嫌気第一槽Aに沈殿し
た汚泥を定期的にバキュームなどでの汚泥引き抜き時に
除去する。
【0016】また本実施の形態では、前記電解槽3に流
入する排水が、嫌気状態の排水であるため、電解槽3に
おける排水中に酸素が非常に少ない。このため、酸化反
応によって発生する電極11への不動態膜の生成を防止
することができる。その結果、リン除去効率を維持する
ことができる。また前記曝気槽4では、鉄イオンを2価
から3価に酸化するので、水不溶性の塩(リン酸鉄)を
生成しやすくなり、さらにリン除去効率を高めることが
できる。
【0017】つぎに本発明の他の実施の形態を説明す
る。本実施の形態では、図3に示されるように、電解槽
3内を嫌気状態に保ったまま攪拌する攪拌手段Wが設置
されている。かかる攪拌手段Wは、前記電極11に連結
される、旋回モータ、ソレノイド、エアシリンダなどの
回動装置21からなる。電極11と回動装置21との連
結は、絶縁材22を介して回転軸23に固着するように
されている。前記回転軸23の旋回角度としては、電源
12と電極11のリード線を切らないようにする角度で
あれば、本発明においては、とくに限定されるものでは
なく、たとえば0〜90°とすることができる。
【0018】したがって、本実施の形態における処理装
置P2では、たとえば水中ポンプにより汲み上げられた
嫌気状態の排水は、流入口6から回動装置21の駆動に
より回動された電極11によって攪拌されている電解槽
3内の排水に入ったのち、電極11から溶出した鉄イオ
ン(アルミニウムイオン)と排水中のリン酸イオンとが
混合される。ついで隔壁10の流通口9を通って曝気槽
4に入り、散気管14からの曝気で攪拌され、水不溶性
の塩となって沈殿し、汚泥を生成する。かかる水不溶性
の塩の汚泥は、リンが除去された排水とともに、前記嫌
気第一槽Aへ返送される。そして該嫌気第一槽Aに沈殿
した汚泥を定期的にバキュームなどでの汚泥引き抜き時
に除去する。
【0019】また本実施の形態では、前記電解槽3に流
入する排水が、嫌気状態の排水であるため、電解槽3に
おける排水中に酸素が非常に少ない。このため、酸化反
応によって発生する電極11への不動態膜の生成を防止
することができる。また電極11を攪拌することによ
り、電極11の周りに流れが生じるため、電極表面への
酸化物などの付着を防止することができ、さらに電極1
1への不動態膜の生成を防止することができる。その結
果、リン除去効率を維持することができる。また前記曝
気槽4では、鉄イオンを2価から3価に酸化するので、
水不溶性の塩(リン酸鉄)を生成しやすくなり、さらに
リン除去効率を高めることができる。
【0020】つぎに本発明のさらに他の実施の形態を説
明する。本実施の形態では、図4に示されるように、前
記平板な電極に代えて複数の攪拌羽根31を有する円盤
32にされた電極33が用いられている。該電極33と
前記回動装置21の回転軸23は配線アダプタ34と配
線管35とを介して接続されており、各電極33には前
記電源12のリード線が該配線アダプタ34と配線管3
5を通して連結されている。これにより、電源12の電
流を各電極33に供給できる。
【0021】したがって、本実施の形態における処理装
置P3では、たとえば水中ポンプにより汲み上げられた
嫌気状態の排水は、流入口6から回動装置21の駆動に
より回動された電極33の攪拌羽根31によって攪拌さ
れている電解槽3内の排水に入ったのち、電極33から
溶出した鉄イオン(アルミニウムイオン)と排水中のリ
ン酸イオンとが混合される。これにより、前記実施の形
態と同様に、前記電解槽3に流入する排水が、嫌気状態
の排水であるため、電解槽3における排水中に酸素が非
常に少ない。このため、酸化反応によって発生する電極
33への不動態膜の生成を防止することができる。また
電極33を攪拌することにより、電極33の周りに流れ
が生じるため、電極表面への酸化物などの付着を防止す
ることができ、さらに電極33への不動態膜の生成を防
止することができる。その結果、リン除去効率を維持す
ることができる。また前記曝気槽4では、鉄イオンを2
価から3価に酸化するので、水不溶性の塩(リン酸鉄)
を生成しやすくなり、さらにリン除去効率を高めること
ができる。
【0022】つぎに本発明のさらなる他の実施の形態を
説明する。本実施の形態では、図5に示されるように、
前記回動装置に代えて攪拌手段Wとして直動装置41が
前記電極11に連結されている。かかる直動装置41と
しては、直線運動する、たとえばエアシリンダ、油圧シ
リンダ、直動軸受、ボールスプライン軸、ソレノイドお
よびスプリング、スクリュー送りなどを用いることがで
きる。電極11と直動装置41との連結は、断面T型の
絶縁材42を介して駆動軸43に固着するようにされて
いる。前記駆動軸43の移動距離としては、電源12と
電極11のリード線を切らないようにする距離であれ
ば、本発明においては、とくに限定されるものではな
く、たとえば10〜60mmとすることができる。
【0023】したがって、本実施の形態における処理装
置P4では、たとえば水中ポンプにより汲み上げられた
嫌気状態の排水は、流入口6から直動装置41の駆動に
より駆動軸43が前進および後退された電極11によっ
て攪拌されている電解槽3内の排水に入ったのち、電極
11から溶出した鉄イオン(アルミニウムイオン)と排
水中のリン酸イオンとが混合される。これにより、前記
実施の形態と同様に、前記電解槽3に流入する排水が、
嫌気状態の排水であるため、電解槽3における排水中に
酸素が非常に少ない。このため、酸化反応によって発生
する電極11への不動態膜の生成を防止することができ
る。また電極11を攪拌することにより、電極11の周
りに流れが生じるため、電極表面への酸化物などの付着
を防止することができ、さらに電極11への不動態膜の
生成を防止することができる。その結果、リン除去効率
を維持することができる。また前記曝気槽4では、鉄イ
オンを2価から3価に酸化するので、水不溶性の塩(リ
ン酸鉄)を生成しやすくなり、さらにリン除去効率を高
めることができる。
【0024】つぎに本発明のさらなる他の実施の形態を
説明する。本実施の形態では、図6に示されるように、
前記攪拌手段Wである回動装置および直動装置に代えて
メタン散気装置51が設置されている。かかるメタン散
気装置51としては、電解槽3の底中央に設置される多
孔質の散気管52または散気板と、該散気管52にメタ
ンを吹き込むためのメタン供給ポンプ53とから構成さ
れる装置を用いることができる。また散気管52とメタ
ン供給ポンプ53はパイプ54により接続されている。
前記メタンとしては、嫌気槽A、Bから発生したメタン
を循環して使用することができる。なお、54aは電解
槽3の上部に溜まったメタンを再使用するための循環路
である。
【0025】したがって、本実施の形態における処理装
置P5では、たとえば水中ポンプにより汲み上げられた
嫌気状態の排水は、流入口6からメタン散気装置51の
散気管52が供給されるメタンによって攪拌されている
電解槽3内の排水に入ったのち、電極11から溶出した
鉄イオン(アルミニウムイオン)と排水中のリン酸イオ
ンとが混合される。これにより、前記実施の形態と同様
に、前記電解槽3に流入する排水が、嫌気状態の排水で
あるため、電解槽3における排水中に酸素が非常に少な
い。このため、酸化反応によって発生する電極11への
不動態膜の生成を防止することができる。また電極11
を攪拌することにより、電極11の周りに流れが生じる
ため、電極表面への酸化物などの付着を防止することが
でき、さらに電極11への不動態膜の生成を防止するこ
とができる。その結果、リン除去効率を維持することが
できる。また前記曝気槽4では、鉄イオンを2価から3
価に酸化するので、水不溶性の塩(リン酸鉄)を生成し
やすくなり、さらにリン除去効率を高めることができ
る。
【0026】また以上の実施の形態では、電解槽の下流
側に電解槽からの流出水中に含まれる鉄イオンに酸素を
供給するために、曝気槽が設置されているが、本発明に
おいては、これに限定されるものではなく、電解槽から
の流出水を直接嫌気第一槽へ自然落下させることによ
り、該嫌気第一槽の水面に衝突し、水しぶきが発生する
ため、空気が溶け込みやすくなることから、前記曝気槽
を省くことができる。この場合、電解槽からの流出水を
パイプを通して自然落下させることにより、さらに空気
がパイプ内で巻き込まれ、流出水中に含まれる鉄イオン
に酸素を供給しやすくなる。または曝気槽に代えて凝集
反応させる攪拌槽を設置させることもできる。かかる攪
拌槽を設置させる場合についても、排水中に鉄イオンを
均一に混合させたのち、攪拌槽からの流出水を直接嫌気
第一槽へ自然落下させることにより、該嫌気第一槽の水
面に衝突し、水しぶきが発生するため、空気が溶け込み
やすくなり、流出水中に含まれる鉄イオンに酸素を供給
しやすくなる。
【0027】前記鉄(アルミニウム)の電解溶出法に
は、従来公知の方法が採用でき、電極への通電は連続的
でも断続的、パルス的でもよい。しかし通電量は、リン
酸や他のイオンの濃度、排水の流量などによって異なる
が、鉄イオンおよび/またはアルミニウムイオンの排水
中の濃度/リン濃度のモル比(以下、「Fe/P」と略
す)が1.0〜4.0、好ましくは1.5〜2.5とな
るように調節すればよい。
【0028】なお、本発明における、リン酸イオン含有
排水の鉄(アルミニウム)の電解溶出法による処理は、
電極から溶出した鉄イオン(アルミニウムイオン)が排
水中のリン酸イオンと反応して水不溶性のリン酸と鉄
(アルミニウム)との塩を生成させる反応(反応A)を
利用するものであるが、排水中は水酸化物イオンが存在
しており、溶出した鉄イオン(アルミニウムイオン)は
水酸化物イオンとも反応する(反応B)。反応Bは反応
Aよりも速いので、リン酸イオンを捕捉するためには電
流量を多くして鉄イオン(アルミニウムイオン)の溶出
量を増す必要がある。
【0029】しかしながら、排水中にカルシウムイオン
またはマグネシウムイオンが存在すると、それらのイオ
ンは水酸化物イオンと反応する(反応D)。この反応D
は鉄イオン(アルミニウムイオン)と水酸化物イオンと
の反応Bに優先するため、反応Bが抑制され、鉄イオン
(アルミニウムイオン)はリン酸イオンとの反応Aに有
効に利用される。さらに、カルシウムイオンおよびマグ
ネシウムイオンもリン酸イオンと反応して水不溶性の塩
を形成するので、リン酸イオンの除去に貢献する。
【0030】このため、本発明では、カルシウムイオン
またはマグネシウムイオンを添加し、鉄イオン(アルミ
ニウムイオン)と水酸化物イオンの反応Bを抑制し、鉄
イオン(アルミニウムイオン)とリン酸イオンの反応A
を効率よく行なわせることもできる。これにより、通電
量を低減することができ、節電できるとともに鉄やアル
ミニウムの溶出量を低減できる。
【0031】本発明の排水の処理装置は前述のように一
般家庭排水にとくに有利に利用できる。したがって、単
独で使用してもよいが、他の浄化システム、たとえば活
性汚泥法、膜分離法、嫌気・好気循環法などと組合せて
家庭用、集合住宅用の総合排水浄化システムとすること
ができる。また、大規模処理システム(し尿処理場)に
も利用できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
電解槽に流入する排水が嫌気状態の排水であるため、電
極への不動態膜の生成を防止でき、リン除去効率を維持
することができる。
【0033】また電解槽から自然落下によりまたは曝気
槽に排水を流出させて、酸素を供給することにより、鉄
イオンを2価から3価に酸化するので、水不溶性の塩
(リン酸鉄)を生成しやすくなり、さらにリン除去効率
を高めることができる。
【0034】また電解槽内を攪拌することにより、電極
の周りに流れが生じるため、電極表面への酸化物などの
付着を防止することができる。その結果、リン除去効率
を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかわる排水処理槽を
示す説明図である。
【図2】図1における処理装置を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の処理装置を示す断面
図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の処理装置を示
す断面図である。
【図5】本発明のさらなる他の実施の形態の処理装置を
示す断面図である。
【図6】本発明のさらなる他の実施の形態の処理装置を
示す断面図である。
【符号の説明】
1、6 流入口 2、7 流出口 3 電解槽 4 曝気槽 5 供給手段 8 排水処理室 9 流通口 10 隔壁 11 電極 12 電源 13 空気曝気装置 14 散気管 15 エアポンプ 16 パイプ 17 供給管 A 嫌気第一槽 B 嫌気第二槽 C 好気槽 D 沈殿分離槽 E 消毒槽 F ポンプ P1、P2、P3、 処置装置 P4、P5 W 攪拌手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/00 Fターム(参考) 4D027 AB03 BA04 4D038 AA08 AB46 AB47 BB18 BB19 4D040 BB25 BB57 BB73 BB82 4D061 AA08 AB18 AC20 BA06 CA15 4D062 BA04 CA02 CA03 CA18 DA02 DA12 EA06 FA25 FA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嫌気第一槽と嫌気第二槽を順次有する排
    水処理槽に備えられる処理装置であって、前記嫌気第一
    槽と嫌気第二槽とのあいだに設置される、鉄および/ま
    たはアルミニウムを含む少なくとも一対の電極を用いて
    リン酸イオンを含む排水中に鉄イオンおよび/またはア
    ルミニウムイオンを電気化学的に溶出させる電解槽と、
    前記嫌気第二槽から電解槽へ排水を供給する供給手段と
    からなるリン酸イオン含有排水の処理装置。
  2. 【請求項2】 前記電解槽の下流側に攪拌槽または曝気
    槽が設置されてなる請求項1記載の処理装置。
  3. 【請求項3】 前記供給手段が空気圧非利用型ポンプに
    されてなる請求項1または2記載の処理装置。
  4. 【請求項4】 前記電解槽内を嫌気状態に保ったまま攪
    拌する攪拌手段を設置してなる請求項1、2または3記
    載の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記攪拌手段が前記電極に連結されてな
    る請求項4記載の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記攪拌手段が回動装置からなる請求項
    5記載の処理装置。
  7. 【請求項7】 前記電極が複数の攪拌羽根を有する円盤
    にされてなる請求項6記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記攪拌手段が直動装置からなる請求項
    5記載の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記攪拌手段がメタン散気装置からなる
    請求項4記載の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7452547B2 (en) 2004-03-31 2008-11-18 Johnson&Johnson Consumer Co., Inc. Product for treating the skin comprising a polyamine microcapsule wall and a skin lightening agent

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