JP2000092763A - 永久磁石形モータ - Google Patents

永久磁石形モータ

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JP2000092763A
JP2000092763A JP10264854A JP26485498A JP2000092763A JP 2000092763 A JP2000092763 A JP 2000092763A JP 10264854 A JP10264854 A JP 10264854A JP 26485498 A JP26485498 A JP 26485498A JP 2000092763 A JP2000092763 A JP 2000092763A
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rotor
magnetic flux
low
magnetism
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Masato Nagata
正人 永田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転子ヨークに永久磁石を埋込んだ構成にお
いて、永久磁石間の漏れ磁束による主磁束の密度低下を
防止して高トルク、高効率の永久磁石形モータを提供す
る。 【解決手段】 回転子11を構成する回転子ヨーク12
には同心円状に円周方向に沿って複数の永久磁石15が
埋込まれている。この永久磁石15は、高磁力永久磁石
部15aの両端に低磁力永久磁石部15bが一体に設け
られている。ここで、永久磁石15間のヨーク部に着目
すると、そのヨーク部を通じて外部に漏れる漏れ磁束の
強度は小さい。これにより、主磁束と反対方向の磁極と
なる漏れ磁束を低減することができるので、回転子11
と固定子との間の空隙磁束密度分布を正弦波に近似させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数磁極を有する
固定子と、磁極を構成する複数の永久磁石が円周方向に
沿って回転子ヨーク内に埋込まれた永久磁石回転子とを
備えた永久磁石形モータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この種の永久磁石形モ
ータの一例としては、図8に示すように回転子ヨーク1
に極数と磁石形状に応じた孔部2を形成し、その孔部2
に永久磁石3を挿入することにより永久磁石回転子4を
構成している。このような永久磁石3と孔部2の形状に
ついては、種々の構成(円弧、平板、井桁等)が用いら
れている。
【0003】ところが、このような構成では、図8に示
すように埋込み永久磁石3の円周方向の端面間にヨーク
部が存在しているため、そのヨーク部を永久磁石3の端
面からの漏れ磁束が通過する。この場合、永久磁石3間
のヨーク部を通過する漏れ磁束の方向は、永久磁石3か
ら発せられる主磁束と反対方向となっている(図9参
照)。このため、漏れ磁束が主磁束と逆極になるので、
主磁束が相殺されて有効密度が低減してしまって、トル
クが低下したり、効率が低下するという欠点がある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、回転子ヨークに永久磁石を埋込んだ
構成において、永久磁石間の漏れ磁束による主磁束の密
度低下を防止して高トルク、高効率の永久磁石形モータ
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石形モー
タは、複数磁極を有する固定子と、磁極を構成する複数
の永久磁石が円周方向に沿って回転子ヨーク内に埋込ま
れた永久磁石回転子とを備えた永久磁石形モータにおい
て、前記永久磁石は、円周方向の端部の磁力が中央部の
磁力よりも低く設定されているものである(請求項
1)。
【0006】このような構成によれば、回転子ヨークに
埋込まれた永久磁石にあっては、その端部の磁力が中央
部の磁力よりも低くなるように形成されているので、永
久磁石の端面から主磁束と反対方向への漏れ磁束を低減
することができる。これにより、永久磁石の中央部の磁
力は十分に大きいので、トルク定数を低下させることな
く漏れ磁束を抑制して有効磁束を増加させ、高トルク、
高効率化を図ることができる。
【0007】上記構成において、前記永久磁石は、前記
回転子と前記固定子との間の空隙磁束密度波形が正弦波
に近似するように構成されているのが好ましい(請求項
2)。このような構成によれば、トルク変動を抑制して
回転子を円滑に回転させることができる。
【0008】上記構成において、前記永久磁石は、高磁
力永久磁石部と、この高磁力永久磁石部の両端部に設け
られた低磁力永久磁石部とから構成されていてもよい
(請求項3)。このような構成によれば、永久磁石は高
磁力永久磁石部と低磁力永久磁石部とから構成されてい
るので、簡単に構成することができる。
【0009】また、前記永久磁石は、前記回転子ヨーク
と一体化されたボンド磁石から構成されていてもよい
(請求項4)。このような構成によれば、永久磁石はバ
インド内に磁性体の粉を混合した粘土状のものを硬化さ
せて形成することができるボンド磁石から構成されてい
るので、永久磁石を任意の形状に容易に形成することが
できると共に、回転子ヨークに簡単に一体化することが
できる。
【0010】また、前記永久磁石は、材質が異なる2種
類の磁石から構成されていてもよい(請求項5)。この
ような構成によれば、永久磁石は材質が異なった2種類
の磁石から構成されているので、高磁力永久磁石部と低
磁力永久磁石部とを連結することにより永久磁石を簡単
に構成することができる。
【0011】また、前記永久磁石の低磁力永久磁石部
は、前記高磁力永久磁石部及び前記回転子ヨークと一体
化されたボンド磁石から構成されていてもよい(請求項
6)。このような構成によれば、永久磁石はバインド内
に磁性体の粉を混合した粘土状のものを硬化させたボン
ド磁石から構成されていることから、永久磁石を任意の
形状に容易に形成することができると共に、高磁力永久
磁石部及び回転子ヨークと容易に一体化することができ
る。
【0012】また、前記永久磁石の低磁力永久磁石部
は、隣接する永久磁石の低磁力永久磁石部と一体化した
状態で構成されていてもよい(請求項7)。このような
構成によれば、永久磁石の低磁力永久磁石部は隣接する
永久磁石の低磁力永久磁石部と一体化して構成されてい
るので、永久磁石間の隙間を通過する漏れ磁束を無くし
て、回転子と固定子との間の空隙磁束密度波形を正弦波
に近似することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照して説明す
る。図1は埋込みタイプの永久磁石回転子を模式的に示
している。この図1において、回転子11を構成する回
転子ヨーク12の中央部には丸孔13が形成されてお
り、その丸孔13に図示しないシャフトが挿通されるよ
うになっている。また、丸孔12の周囲に矩形状の孔部
14が同心円状に複数形成されており、その孔部14に
矩形板状の永久磁石15が回転子11の周方向に沿うよ
うに挿入されている。この永久磁石15は、高磁力永久
磁石部15aの端部に低磁力永久磁石部15bを一体化
して構成されている。この場合、永久磁石15はフェラ
イト磁石或いはネオジ磁石から構成されており、端部の
磁力が中央部よりも小さくなるように着磁することによ
り高磁力永久磁石部15aと低磁力永久磁石部15bと
が形成されている。
【0014】そして、上記回転子11は図示しない環状
の固定子内に装着されるもので、その装着状態では、永
久磁石15のN極から発せられた主磁束は、固定子のテ
ィース、ヨーク部を通過してから隣接する永久磁石15
のS極に戻る磁気回路を形成するようになっている。
【0015】ところで、永久磁石15の端部間に位置す
るヨーク部を通過する漏れ磁束に着目すると、永久磁石
15の低磁力永久磁石部15bのN極面からヨーク部を
通過してS極面への磁路を形成している。この場合、漏
れ磁束により発生する磁極は主磁束の磁極と反対方向に
作用していることから、主磁束の磁束密度を低減させて
いる。
【0016】ここで、漏れ磁束は低磁力永久磁石部15
bから発せられる磁束でその密度は低いことから、図2
に示すように永久磁石15間に位置するヨーク部を通過
して固定子に至る漏れ磁束の密度は低くなっている。
【0017】図3は回転子11と固定子との間の空隙磁
束密度波形を示している。この図3において、Aで示す
領域が低磁力作用部である。この場合、漏れ磁束の影響
を受けるAの巾値を、永久磁石15全体を高磁力永久磁
石部15aから構成した場合に比較して小さくすること
ができ、空隙磁束密度波形を正弦波に近似させることが
できる。
【0018】このような構成によれば、回転子ヨーク1
2に埋込まれた永久磁石15は、高磁力永久磁石部15
aの端部に低磁力永久磁石部15bを設けて構成されて
いるので、永久磁石15間に位置するヨーク部を通じて
主磁束の磁極と反対方向に漏れる漏れ磁束は低磁力永久
磁石部15bからの低密度の磁束となり、主磁束が漏れ
磁束と相殺されて有効密度が大幅に低減してしまうこと
を防止できる。従って、主磁束と反対方向の漏れ磁束の
ために回転子と固定子との間の空隙磁束密度波形に大き
な逆極性部分が発生している従来例のものと違って、ト
ルク定数を低下させることなく主磁束の有効磁束が低減
することを防止して、高トルク、高効率のモータを実現
することができる。
【0019】しかも、永久磁石15の端部に低磁力永久
磁石部15bを設けながら、永久磁石15の大部分は高
磁力永久磁石部15aから構成されているので、主磁束
の有効密度が低下してしまうことを防止できる。
【0020】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態を図4を参照して説明するに、第1の実施の
形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異
なる部分について説明する。この第2の実施の形態は、
永久磁石間に位置する回転子ヨークを通過する漏れ磁束
を極力減少するように永久磁石を構成したことを特徴と
する。
【0021】即ち、回転子ヨーク12に設けられた永久
磁石15の低磁力永久磁石部15bはボンド磁石から形
成されている。このボンド磁石は、バインド内に磁性体
の粉を混合した粘土状のものを孔部14に挿入された高
磁力永久磁石部15aの隙間部に射出して固形化してか
ら、高磁力永久磁石部15aと同一磁極に着磁してな
る。これにより、孔部14の形状に応じて任意の形状に
形成することができることから、永久磁石15を構成す
る低磁力永久磁石部15aを極めて近接して形成するこ
とができる。
【0022】この第2の実施の形態の回転子11によれ
ば、永久磁石15の低磁力永久磁石部15bをボンド磁
石から形成することにより低磁力永久磁石部15bを任
意の形状に形成することができるので、図4に示すよう
に低磁力永久磁石15b同士を極めて近接して形成する
ことができる。従って、永久磁石15間に位置するヨー
ク部を通過する漏れ磁束を大幅に軽減することができる
ので、第1の実施の形態のものに比較して、主磁束と反
対方向に発せられる低磁力永久磁石部15bからの漏れ
磁束による影響を低減することができる。
【0023】(第3の実施の形態)次に本発明の第3の
実施の形態について図5及び図6を参照して説明する。
この第3の実施の形態は、永久磁石間にヨーク部が存在
しないように構成したことを特徴とする。
【0024】即ち、永久磁石15の低磁力永久磁石部1
5bは、隣接する永久磁石15の低磁力永久磁石部15
bと一体化されて構成されている。この低磁力永久磁石
部15bはボンド磁石から構成されており、図5に示す
ように低磁力永久磁石部5bは高磁力永久磁石部5a及
び回転子ヨーク2と一体化されている。
【0025】この場合、永久磁石5間に低磁力永久磁石
部5bからの漏れ磁束が通過するヨーク部が存在しない
ため、回転子11と固定子との間の空隙磁束密分布にお
いて逆極性分が発生することはない。
【0026】図6は回転子と固定子との間の空隙磁束密
度波形を示している。この図6において、実線部分は高
磁力永久磁石部15aによる空隙磁束密度波形を示し、
破線部分は低磁力永久磁石部15bから磁束が付加され
た場合の空隙磁束密度波形を示している。この図6か
ら、回転子11と固定子との間の空隙磁束密度波形は理
想的な正弦波形に近似していることが分る。
【0027】この第3の実施の形態によれば、回転子1
1と固定子との間の空隙磁束密度波形に逆極性分が発生
しないので、空隙磁束密度分布を正弦波分布に極めて近
似することが可能となり、回転子11を滑らかに回転す
ることが可能となる。
【0028】(第4の実施の形態)次に本発明の第4の
実施の形態を図7を参照して説明する。この第4の実施
の形態は、第3の実施の形態で示した永久磁石の低磁力
永久磁石部の形状を工夫することにより、回転子と固定
子との間の空隙磁束密度分布が理想的な正弦波形となる
ように構成したことを特徴とする。
【0029】即ち、永久磁石15の低磁力永久磁石部1
5bは回転子11の表面に広い範囲にわたって露出する
ように形成されている。この場合、回転子ヨーク12の
前面に露出した低磁力永久磁石部15bは、主磁束の磁
束特性を改善するためのものであり、高磁力永久磁石部
15aから発せられる主磁束に重畳することにより滑ら
かな空隙磁束密度分布を得ることができる。
【0030】この第4の実施の形態によれば、永久磁石
15の低磁力永久磁石部15bの形状を工夫することに
より回転子11と固定子との間の空隙磁束密度分布が理
想的な正弦波形となるようにしたので、回転子11を一
層滑らかに回転することが可能となる。
【0031】本発明は、上記の各実施の形態にのみ限定
されるものではなく、次のような変形または拡張でき
る。永久磁石5に高磁力永久磁石部15aと低磁力永久
磁石部15bとを形成する方法としては、高磁力で着磁
した永久磁石の端部に逆磁力を与えて減磁させることに
より低磁力永久磁石部15bを形成するようにしてもよ
い。また、低磁力永久磁石部15bの磁束を遮蔽するこ
とにより減磁するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の永久磁石
形モータによれば、回転子に埋込まれる永久磁石の端部
に低磁力永久磁石部を設けることにより、永久磁石間に
位置するヨーク部を通過する漏れ磁束を減衰させたり、
漏れ磁束が発生しないようにしたので、回転子に永久磁
石を埋込んだ構成において、永久磁石間の漏れ磁束によ
る主磁束の密度低下を防止して高トルク、高効率を実現
することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における回転子を示
す概略図
【図2】永久磁石の低磁力永久磁石部の磁束を示す模式
【図3】回転子と固定子との間の空隙磁束密度波形を示
す図
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す図1相当図
【図6】改善された空隙磁束密度波形を示す図
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す図1相当図
【図8】従来例を示す図1相当図
【図9】空隙磁束密度波形を示す図
【符号の説明】
11は回転子、12は回転子ヨーク、15は永久磁石、
15aは高磁力永久磁石部、15bは低磁力永久磁石部
である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数磁極を有する固定子と、磁極を構成
    する複数の永久磁石が円周方向に沿って回転子ヨーク内
    に埋込まれた永久磁石回転子とを備えた永久磁石形モー
    タにおいて、 前記永久磁石は、円周方向の端部の磁力が中央部の磁力
    よりも低く設定されていることを特徴とする永久磁石形
    モータ。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石は、前記回転子と前記固定
    子との間の空隙磁束密度波形が正弦波に近似するように
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の永久磁
    石形モータ。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石は、高磁力永久磁石部と、
    この高磁力永久磁石部の両端部に設けられた低磁力永久
    磁石部とから構成されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の永久磁石形モータ。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石は、前記回転子ヨークと一
    体化されたボンド磁石から構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至3の何れかに記載の永久磁石形モー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石は、材質が異なる2種類の
    磁石から構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れかに記載の永久磁石形モータ。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石の低磁力永久磁石部は、前
    記高磁力永久磁石部及び前記回転子ヨークと一体化され
    たボンド磁石から構成されていることを特徴とする請求
    項5記載の永久磁石形モータ。
  7. 【請求項7】 前記永久磁石の低磁力永久磁石部は、隣
    接する永久磁石の低磁力永久磁石部と一体化した状態で
    構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    かに記載の永久磁石形モータ。
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