JP2000092316A - 画像処理装置及び画像読取装置 - Google Patents

画像処理装置及び画像読取装置

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JP2000092316A
JP2000092316A JP10254924A JP25492498A JP2000092316A JP 2000092316 A JP2000092316 A JP 2000092316A JP 10254924 A JP10254924 A JP 10254924A JP 25492498 A JP25492498 A JP 25492498A JP 2000092316 A JP2000092316 A JP 2000092316A
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infrared
optical element
image data
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JP10254924A
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English (en)
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Eiji Tsukagoshi
英治 塚越
Daijiro Fujie
大二郎 藤江
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸上色収差を考慮し欠陥のある画像データを
良好に補正する装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 上述の課題を解決するために本発明は、
以下の装置を提供する。請求項1の画像処理装置は、透
過原稿を照明する照明手段と、照明手段の照明光を利用
して透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外
成分分解手段と、照明手段の照明光を利用して透過原稿
の画像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段
と、分解された赤外成分の強度を示す赤外成分レベルを
検出する赤外成分検出手段と、分解された可視成分の強
度を示す可視成分レベルを検出する可視成分検出手段
と、透過原稿の画像を、赤外成分検出手段又は可視成分
検出手段に結像する結像光学系と、赤外成分レベルに基
づいて、可視成分レベルを補正する補正手段とを有し、
結像光学系は、屈折型光学素子と回折面の形成される回
折型光学素子とを含むこととした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過原稿の画像を検
出して画像処理する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真のフィルムなどの透過原稿の画像情
報を読み取る画像読取装置があった。ところで、フィル
ム原稿上に埃、塵、傷や指紋等の欠陥が存在する場合に
は、それらは読み取った画像上に欠陥として現れ、画像
の品質を低下させる。そこで、赤外光の特質を利用して
フィルム原稿上の埃、塵、傷や指紋等の欠陥を検出し、
欠陥の影響を補正する技術が提案されている。例えば特
開昭63−129469には以下の技術が開示されてい
る。
【0003】フィルムを透過した可視光成分を読み取る
ことにより、可視光成分データを検出する。フィルムを
透過した赤外光成分を読み取ることにより、赤外光成分
データを検出する。赤外線データをマッピングし、欠陥
位置を特定する。特定した欠陥位置の可視成分データを
補間法により補正する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置では軸上色収差に関して十分考慮されていなかっ
た。軸上色収差とは、レンズによる被写体の結像位置が
波長により異なることにより発生する。例えば、青色波
長の結像位置と赤外線波長の結像位置とがずれていると
仮定する。仮に青色波長の結像位置に画像読み取りセン
サが配置されているとする。その場合、赤外波長の画像
は画像読み取りセンサに対してピントがずれた状態とな
ってしまっていた。そのため、画像読み取りセンサ面上
では、ぼけた赤外線画像が投影されることになる。その
ため従来の画像読取装置は、本来欠陥でない部分も欠陥
であると認識し、誤補正をしてしまう恐れがあった。
【0005】従って、本発明は上述の問題点に鑑みて、
軸上色収差を考慮し欠陥のある画像データを良好に補正
する装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、以下の装置を提供する。請求項1の画像
処理装置は、透過原稿を照明する照明手段と、照明手段
の照明光を利用して透過原稿の画像の色成分を赤外成分
に分解する赤外成分分解手段と、照明手段の照明光を利
用して透過原稿の画像の色成分を可視成分に分解する可
視成分分解手段と、分解された赤外成分の強度を示す赤
外成分レベルを検出する赤外成分検出手段と、分解され
た可視成分の強度を示す可視成分レベルを検出する可視
成分検出手段と、透過原稿の画像を、赤外成分検出手段
又は可視成分検出手段に結像する結像光学系と、赤外成
分レベルに基づいて、可視成分レベルを補正する補正手
段とを有し、結像光学系は、屈折型光学素子と回折面の
形成される回折型光学素子とを含むこととした。
【0007】請求項2の装置は、請求項1記載の画像処
理装置において、回折面を基板面に置き換えた系の軸上
色収差が、赤外成分レベル及び可視成分レベルの波長に
対して、線形な特性になるように、屈折光学系は形成さ
れ、屈折光学系の軸上色収差を打ち消す特性を有するよ
うに、回折面が形成されていることとした。請求項3の
装置は、請求項1記載の画像処理装置において、屈折型
光学素子は、透過原稿側に配置される前群と、赤外成分
検知手段および可視成分検知手段側に配置される後群と
含み、回折型光学素子は、前群と後群と間に配置され、
回折面は正の屈折力を有し、前群と後群は、 −0.01<RSA/f<0.01 なる条件を満足するように構成され、回折面は、結像光
学系が −0.002<LAmax/f<0.002 なる条件を満足するように構成されることとした。
【0008】但し、RSA:回折型光学素子の回折面
を、回折面を形成する前の基板面に置き換えた系につい
ての、最大開口数におけるe線の球面収差 LAmax:結像光学系についてのe線を基準とした40
0〜850nmの光線の軸上色収差の最大値 f:結像光学系の焦点距離 である。
【0009】請求項4の装置は、請求項3記載の画像処
理装置において、前群は、少なくとも1枚の正レンズを
有し、正レンズの像側に、像側の面が像側に向けて凹の
形状の負レンズを少なくとも1枚有し、後群は、少なく
とも1枚の正レンズを有し、正レンズの物体側に、物体
側の面が物体側に向けて凹の形状の負レンズを少なくと
も1枚有することとした。
【0010】請求項5の装置は、請求項3記載の画像処
理装置において、結像光学系は次の各条件を満足する。 0<LARs/f<0.1 −0.1<LADs/f<0 但し、LARs:回折型光学素子の回折面を、回折面を形
成する前の基板面に置き換えた系についての、e線を基
準としたs線の軸上色収差 LADs≡LAs−LARs LAs:結像光学系についてのe線を基準としたs線の
軸上色収差 である。
【0011】請求項6の装置は、請求項3記載の画像処
理装置において、結像光学系は次の条件を満足する。 10<fDOE/f<100 但し、fDOE:回折型光学素子の焦点距離 である。
【0012】請求項7の装置は、請求項3記載の画像処
理装置において、結像光学系は次の条件を満足する。 −0.1<h/y<0.1 但し、h:回折型光学素子の回折面に入射する主光線の
最大入射高 y:最大像高 である。
【0013】請求項8の装置は、請求項1記載の画像処
理装置において、補正手段は、赤外成分レベルに基づい
て、補正係数を求める補正係数演算手段と、可視成分レ
ベルを補正係数により補正する補正処理手段とを含むこ
ととした。請求項9の装置は、請求項8記載の画像処理
装置において、補正係数演算手段は、赤外成分レベルか
ら欠陥のない状態に相当する第1赤外線レベルを設定
し、(第1赤外線レベル/補正対象ピクセルの赤外成分
レベル)を算出することにより補正係数を求めることと
した。
【0014】請求項10の装置は、請求項1記載の画像
処理装置において、補正手段は、赤外成分レベルがしき
い値未満であるピクセルにおける可視成分レベルを、補
間により補正することとした。請求項11の装置は、赤
外成分レベルに基づいて、可視成分レベルを補正する画
像処理装置に接続される画像読取装置であって、透過原
稿を照明する照明手段と、照明手段の照明光を利用して
透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外成分
分解手段と、照明手段の照明光を利用して透過原稿の画
像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、
分解された赤外成分の強度を示す赤外成分レベルを検出
する赤外成分検出手段と、分解された可視成分の強度を
示す可視成分レベルを検出する可視成分検出手段と、透
過原稿の画像を、赤外成分検出手段又は可視成分検出手
段に結像する結像光学系とを有し、結像光学系は、屈折
型光学素子と回折面の形成される回折型光学素子とを含
むこととした。
【0015】請求項12の装置は、請求項11記載の画
像読取装置において、回折面を基板面に置き換えた系の
軸上色収差が、赤外成分レベル及び可視成分レベルの波
長に対して、線形な特性になるように、屈折光学系は形
成され、屈折光学系の軸上色収差を打ち消す特性を有す
るように、回折面が形成されていることとした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
面を参照して説明する。図1は、画像処理装置の構成図
である。図2は、フィルム原稿の配置の様子を示す図で
ある。画像処理装置は、ホストコンピュータ1と画像読
取装置2とから構成される。ホストコンピュータ1は、
中央処理装置(以下「CPU」という)1a、メモリ1
b、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)1cを備え
ている。また、ホストコンピュータ1は、CD−ROM
3を装填可能なCD−ROMドライブを備えている。C
D−ROMは記憶媒体であり、各種プログラムやデータ
が保存されている。また、ホストコンピュータ1は、図
示省略したが、キーボードやマウス等の入力装置、表示
装置等を備える。
【0017】画像読取装置2は、CPU11、ROM1
5、RAM16、LED駆動回路13、照明装置21、
トーリックミラー24、反射ミラー22、反射ミラー2
3、レンズ25、ラインセンサ18、A/D変換器1
9、信号処理回路14、インタフェース回路(以下「I
/F回路」という)17、モータ駆動回路12、副走査
機構モータ20、副走査機構29、モータ駆動回路2
8、焦点調節モータ27、焦点調節機構30、絞り37
及びフィルム原稿26の搬送路等を備えている。画像読
取装置2は、I/F回路17を介してホストコンピュー
タ1に接続されている。
【0018】CPU11は各部の制御や演算処理を実行
する回路である。照明装置21は、R−LED、G−L
ED、B−色LED及びIR−LEDがそれぞれ複数配
置されている。R−LEDは赤色の波長の光(R光)を
発する発光ダイオードである。G−LEDは緑色の波長
の光(G光)を発する発光ダイオードである。B−LE
Dは青色の波長の光(B光)を発する発光ダイオードで
ある。IR−LEDは赤外の波長の光(IR光)を発す
る発光ダイオードである。LED駆動回路13は照明装
置21を駆動する回路である。照明装置21の各色のL
EDはLED駆動回路13の駆動信号により発光する。
【0019】照明装置21から発した光はトーリックミ
ラー24及び反射ミラー22によって反射され、照明位
置Pに光を照射する。そして、照明位置Pに位置するフ
ィルム原稿26がライン状に照明される。図2に示され
るように、フィルム原稿26は、フィルム原稿部26a
とフィルムマウント部26bとから構成される。フィル
ム原稿部26aは、35mm写真フィルムである。フィ
ルムマウント部は、フィルム原稿部26aを挟持する2
枚の板である。原稿保持台32はフィルム原稿26を保
持するための台である。フィルム押さえバネ33は、フ
ィルム原稿26を原稿保持台32に向けて付勢する板バ
ネである。
【0020】反射ミラー23とレンズ25とにより結像
光学系が形成されている。反射ミラー23は、フィルム
原稿26を透過した光の光路をレンズ25に向けて折り
曲げるためのミラーである。また言い換えると、反射ミ
ラー23はレンズ25の光軸35を折り曲げている。レ
ンズ25は、フィルム原稿26の照明位置Pの部分の画
像をラインセンサ18に結像する。絞り37は所定の開
口を有する光学絞りである。
【0021】ラインセンサ18は複数の光電変換部と複
数の電荷転送部とを有している。光電変換部はライン状
に配置されている。また、電荷転送部も光電変換部に平
行にライン状に配置されている。このラインの方向を主
走査方向と呼ぶことにする。図1において、主走査方向
は紙面に垂直な方向である。光電変換部は、CPU11
に設定される蓄積時間により、受光した光の光量とほぼ
比例する電圧のアナログ画像信号に変換する。アナログ
画像信号は、電荷転送部によりA/D変換器19に出力
される。尚、ラインセンサ18の光電変換部の蓄積時間
は、照明装置21の照明時間によって制御することにし
ても良い。
【0022】A/D変換器19は、入力したアナログ画
像信号をデジタル画像データに変換し、信号処理回路1
4に出力する。A/D変換器19は8ビットのA/D変
換器である。従って、A/D変換器19は、最小値が0
で最大値が255の全256階調のデジタル値を出力可
能である。尚、デジタル画像データの値を輝度レベルと
呼ぶことにする。フィルム原稿26は照明装置21の照
明する色に色分解される。R光の照明により得られたデ
ジタル画像データをR画像データと呼ぶことにする。G
光の照明により得られたデジタル画像データをG画像デ
ータと呼ぶことにする。B光の照明により得られたデジ
タル画像データをB画像データと呼ぶことにする。IR
光の照明により得られたデジタル画像データをIR画像
データと呼ぶことにする。
【0023】R画像データの輝度レベルをR輝度レベル
と呼ぶことにする。G画像データの輝度レベルをG輝度
レベルと呼ぶことにする。B画像データの輝度レベルを
B輝度レベルと呼ぶことにする。IR画像データの輝度
レベルをIR輝度レベルと呼ぶことにする。信号処理回
路14は、CPU11の命令に基づいて、デジタル画像
データの処理を実行する。処理されたデジタル画像デー
タはRAM16に記憶される。ROM15はCPU11
が実行する制御手順を示すプログラムが記憶されてい
る。このプログラムに関しては、後で詳述する。
【0024】I/F回路17は、ホストコンピュータ1
と通信するためのインターフェース回路である。I/F
回路17は、CPU11の命令に基づいて、RAM16
に記憶されているデジタル画像データをホストコンピュ
ータ1に出力する。また、I/F回路17は、ホストコ
ンピュータ1からの命令を受信し、CPU11に送る。
また、I/F回路17は、CPU11の出力するスキャ
ナの状態等を、ホストコンピュータ1に転送する。
【0025】副走査機構29は、原稿保持台32を副走
査方向に移動する機構である。副走査方向は主走査方向
と垂直な方向である。また、副走査方向は、レンズ25
の光軸35のうち原稿に交わる部分に対して垂直であ
る。また図1において、副走査方向は紙面の左右方向で
ある。副走査機構29は、ギア列により構成されてい
る。モータ駆動回路12は、CPU11の命令に基づい
て、副走査機構モータ20にモータ駆動信号を出力す
る。モータ駆動信号は、副走査機構モータ20の回転軸
の回転方向と回転量を示す信号である。副走査機構モー
タ20はモータ駆動信号に基づいて副走査機構29を駆
動する。
【0026】焦点調節機構30は、原稿保持台32を焦
点調節方向に移動する機構である。ここでいう焦点調節
方向とは、フィルム原稿26に交わる部分の光軸(図1
の紙面の上下方向)である。焦点調節機構30は、ギア
列により構成されている。モータ駆動回路28は、CP
U11の命令に基づいて、焦点調節モータ27にモータ
駆動信号を出力する。モータ駆動信号は、焦点調節モー
タ27の回転軸の回転方向と回転量を示す信号である。
焦点調節モータ27はモータ駆動信号に基づいて焦点調
節機構30を駆動する。
【0027】ホストコンピュータ1は、取り込んだデジ
タル画像データに演算処理を施す際に、IR画像データ
からフィルム原稿26に埃、塵、傷や指紋等の欠陥があ
るか否かを判断する。そして、ホストコンピュータ1
は、欠陥の存在を検出すると、IR画像データを用いて
欠陥が存在する箇所のR画像データ、G画像データ及び
B画像データを補正する。なお、この補正処理は、CP
U11側で行うこともできる。
【0028】次に図3を用いてレンズ25の構成を説明
する。レンズ25は、前群GF、回折光学素子(DO
E)25d、及び後群GRとから構成されている。尚、
これ以降、物体側とはフィルム原稿26側を意味する。
像側とはラインセンサ18側を意味する。前群GFは屈
折型光学素子25a、屈折型光学素子25b、屈折型光
学素子25cから構成されている。屈折型光学素子25
aは物体側に凸な形状の正レンズである。屈折型光学素
子25bは物体側に凸な形状の正レンズである。屈折型
光学素子25cは、像側の面が像側に向けて凹な形状の
負レンズである。
【0029】後群GRは屈折型光学素子25e、屈折型
光学素子25f、屈折型光学素子25gから構成されて
いる。屈折型光学素子25eは、物体側の面が物体側に
向けて凹な形状の負レンズである。屈折型光学素子25
fは像側に凸な形状の正レンズである。屈折型光学素子
25gは像側に凸な形状の正レンズである。回折光学素
子25dは、屈折型光学素子25cと屈折型光学素子2
5eとの間であって、絞り37より像側に配置されてい
る。回折光学素子25dは正の屈折力を有する回折面D
が形成されている。
【0030】回折光学素子は回折作用により光に偏向を
行わせるため、通常の屈折型光学素子とは異なった波長
−分散特性を示す。したがって、屈折型光学素子の新た
な収差補正手段として回折光学素子を利用することがで
き、すなわち、回折光学素子と屈折型光学素子とを組み
合わせることで、色収差の補正された光学系を得ること
ができる。
【0031】回折光学素子の中でも集光レンズとしてフ
レネルレンズと呼ばれるものも存在する。フレネルレン
ズは凸面レンズを同心円に分けたもので、集光には用い
られるが結像には用いられない。本実施形態における回
折光学素子はフレネルレンズと形態は似ているが、形状
に特定の規則性をもたせることで結像性能を持った点で
特に位相フレネルレンズと呼ばれるものである。尚、形
状に関しては後述する。
【0032】特にスキャナー用光学系などのように、有
限距離で使用される光学系においては、軸上色収差は結
像倍率の2乗に比例して増大する。そのため、無限遠で
使用される写真用光学系などと比較して、より一層色収
差の補正が重要となる。次に図4を用いて、回折光学素
子と屈折光学系との適切な組合せにより、軸上色収差が
良好に補正できることを説明する。
【0033】尚、以下の様に各記号を定義する。 f:結像光学系の焦点距離 LA:結像光学系についてのe線(546.1nm)を
基準とした各波長の軸上色収差 LAs:結像光学系についてのe線を基準としたs線の
軸上色収差 LAR:回折面を基板面に置き換えた系についてのe線
を基準とした各波長の軸上色収差 LARs:回折面を基板面に置き換えた系についてのe線
を基準としたs線(852.1nm)の軸上色収差 LAmax:結像光学系についてのe線を基準とした40
0〜850nmの光線の軸上色収差の最大値 LAD≡LA−LAR LADs≡LAs−LARs LADは、回折面を持つ結像光学系の軸上色収差LA
と、回折面Dを基板面に置き換えた系の軸上色収差LA
Rとの差である。そのため、このLADは、回折面Dによ
る軸上色収差と考えることができる。LADsの値はLA
Dのs線における値である。
【0034】尚、回折面を基板面に置き換えるというこ
とは、図3に示す光学系の回折光学素子25dを回折面
Dが形成されない基板に置き換えることを意味する。図
4(A)は、回折面Dを基板面に置き換えた系の軸上色
収差LARの波長特性を示す。即ち、図4(A)は図3
の光学系から、回折面Dによる補正分を差し引いた軸上
色収差を示している。
【0035】図4(B)は、回折面Dによる軸上色収差
LADの波長特性を示す。即ち、図4(B)は回折面D
のみにより発生する軸上色収差を示している。図4
(C)は、結像光学系の軸上色収差LAの波長特性を示
す。即ち、図4(C)は屈折光学系と回折面との両方の
作用により発生する軸上色収差を示している。
【0036】図4(B)のa、b、cに示されるよう
に、回折面Dによる軸上色収差LADは、波長に対して
線形性を有している。即ち、回折面Dによる軸上色収差
の補正の調整は、その勾配を変更することしかできな
い。したがって最終的な結像光学系の軸上色収差LAを
良好に補正するためには、照明装置21の照明光の波長
範囲において、回折面を基板面に置き換えた系の軸上色
収差LARが、波長に対してなるべく線形に近い形とな
るように補正しておく必要がある。画像処理装置の照明
装置21の最短波長光はB光である。また、照明装置2
1の最長波長光はIR光である。従って、本実施形態の
画像処理装置のレンズ25は、400nmから850n
mの波長に関して軸上色収差を補正出来れば良い。即
ち、図4(A)のbに示すごとく、屈折光学系を設計す
れば良い。
【0037】s線における軸上色収差LARsが、図4
(A)のbに示す状態よりも減少するような屈折光学系
では、図4(A)のcに示すごとく、LARの波長特性
は、線形に近い形から崩れて下に凸の形状となる。前述
したように、回折面Dによる補正は、LARの傾きを変
えることしかできない。したがって図4(B)のcの如
くLARの波長特性を最も良く補正するようなLAD特性
の回折面Dを形成したとしても、最終的なLAの波長特
性は、図4(C)のcに示す如く下に凸の形状となって
しまう。したがって良好な補正は行われない。
【0038】従って以下の条件を満たすことが好まし
い。 0<LARs/f<0.1 ‥‥(1) −0.1<LADs/f<0 ‥‥(2) 上記(1)式は、最終的なLAの波長特性が良好に補正
されるために必要なLARの波長特性を、s線における
値LARsによって定量的に定めたものである。これに対
して(2)式は、最終的なLAの波長特性が良好に補正
されるために必要なLADの波長特性を、s線における
値LADsによって定量的に定めたものである。
【0039】特に、(1)式の下限を越えるようなLA
Rsが小さい屈折光学系においては、可視域の例えばg線
など、e線よりも短波長のLARが図4(A)のcの例
よりも更に正方向の大きな値となってしまう。そして、
その条件において、屈折光学系と回折面Dとの合成、即
ちLARとLADとの合成により、長波長側のLAを補正
することを考える。この場合、回折面Dの波長線形性に
より、長波長側のLAの増加が顕著になる。そのため、
赤外域における結像光学系の光軸色収差LAは、図4
(C)のcの例よりも大きな値となってしまう。
【0040】逆に、s線における軸上色収差LARsが同
図(A)のbに示す状態よりも増大するような屈折光学
系では、図4(A)のaに示すごとく、LARの波長特
性は、線形に近い形から崩れて、上に凸の形状となる。
したがって図4(B)のaの如くLARの波長特性を最
も良く補正するようにLAD特性の回折面Dを形成した
としても、最終的なLAの波長特性は、図4(C)のa
に示す如く上に凸の形状となってしまう。したがって良
好な補正は行われない。
【0041】特に、LARsが増大して(1)式の上限を
越えると、図4(A)のaに示されるように赤外域にお
ける軸上色収差LARが大きな値となってしまう。ま
た、可視域においてもe線よりも長波長の、例えばC線
における軸上色収差LARが大きな値となってしまう。
逆にg線など短波長の光における軸上色収差LARは負
の値となってしまう。
【0042】この条件において、屈折光学系と回折面D
との合成、即ちLARとLADとの合成により、短波長側
のLAを正方向に補正することを考える。この場合、回
折面Dの波長線形性により、短波長のLAの増加と同時
に、長波長側のLAの減少、とくに赤外域での大幅なL
Aの減少となる。したがって図4(C)のaに示す如
く、s線におけるLAが小さな値となってしまう。
【0043】回折面Dのパワーを強めてLADsの値が
(2)式の下限を越えると、屈折光学系と組合せた場
合、赤外域でのLAが大きく負に振れてしまう。逆に
(2)式の上限を越えた場合であるが、まずLADsの値
が0の場合は、屈折光学系だけの場合と同等であり、赤
外域でのLAの補正が不十分である。更に(2)式の値
が正の値となると、屈折光学系のみの場合よりも赤外域
で正の軸上色収差が加わることになり、大幅に像の劣化
を招く。
【0044】既述のごとく、本実施形態は、回折面Dを
基板面に置き換えた系の軸上色収差LARの波長特性
と、回折面による軸上色収差LADの波長特性とを適切
に組み合わせることによって、最終的な結像光学系の軸
上色収差LAの波長特性を良好に補正するものである。
即ち、回折面Dを基板面に置き換えた系の軸上色収差L
ARが特定波長に対して線形な特性になるように、屈折
光学系を設計する。この特定波長は、画像読取装置2が
画像を読み取る際の、最短波長から最長波長を意味す
る。本実施形態の場合、特定波長は照明装置21の発す
る光の最短波長から最長波長までのことである。そし
て、この軸上色収差LARを打ち消す軸上色収差LAD特
性を有する回折型光学素子の回折面Dを設計する。即
ち、LARsと絶対値がほぼ同じで不等号が逆のLADsの
特性を有する回折面Dを設計すればよい。この様に設計
された屈折光学系と回折型光学素子との組み合わせによ
り、図4(C)のbに示されるような特性の結像光学系
を得られる。
【0045】尚、回折型光学素子DOEの回折面Dを基
板面に置き換えた系について、球面収差、コマ収差、非
点収差、像面湾曲、歪曲収差が概ね補正されるように、
前群GFと後群GRとが構成されている。尚、本実施形態
の結像光学系は、以下の(3)(4)の条件を満たして
いる。 −0.01<RSA/f<0.01 ‥‥(3) −0.002<LA/f<0.002 ‥‥(4) RSA:回折型光学素子の回折面を、回折面を形成する
前の基板面に置き換えた系についての、最大開口数にお
けるe線(546.1nm)の球面収差 回折面を基板面に置き換えた系について、球面収差RS
Aが(3)式を満たすように構成する必要がある。前群
GFと、回折型光学素子の回折面Dを基板面に置き換え
た素子と、後群GRとからなる屈折光学系による球面収
差の総和が、(3)式の下限を越えると、最終的な結像
光学系の球面収差を良好に補正するために、回折面に対
する収差の補正負担が過剰となる。よって、色の球面収
差が顕著となるから好ましくない。また、球面収差の総
和が(3)式の上限を越えても回折面に対する収差の補
正負担が過剰となってしまい、好ましくない。
【0046】回折面Dを基板面に置き換えた系の球面収
差を(3)式の範囲に補正した屈折光学系と、全系の軸
上色収差が(4)式を満たすように回折面Dとを組み合
わせることにより、色収差の良好な画像が得られる。ま
た、球面収差を良好に補正し、光学系の明るさを確保す
るためには、前群GFと後群GRに、それぞれ少なくとも
1枚の正レンズを配置することが好ましい。
【0047】本実施形態の屈折光学系の正レンズは以下
の条件を満たす。 1.6<np ‥‥(5) np:結像光学系中の正レンズの屈折率の平均値 尚、本実施形態の回折型光学素子は以下の条件を満た
す。 10<fDOE/f<100 ‥‥(6) fDOE:回折型光学素子の焦点距離 回折光学素子の屈折力が弱過ぎて(6)式の上限を越え
る場合には、2次スペクトルの補正に関して、屈折光学
系のみによる既存の光学系と有意な差がなくなる。その
ため、広い波長域での色収差の補正が実現されない。逆
に回折光学素子の屈折力が強過ぎて(6)式の下限を越
える場合には、赤外域での軸上色収差が補正不足にな
る。
【0048】尚、本実施形態の結像光学系は以下の条件
を満たす。 −0.1<h/y<0.1 ‥‥(7) h:回折型光学素子の前記回折面に入射する主光線の最
大入射高 y:最大像高 画面全体にわたり良好な性能を確保するためには、単色
色収差、軸上色収差、及び画面周辺の倍率色収差を良好
に補正することが不可欠である。
【0049】いま、1枚の回折光学素子を複数の屈折型
光学素子に組み合わせることを想定する。回折光学素子
と従来の屈折型光学素子とでは、波長に対する分散特性
が大きく異なる。一方、倍率色収差は、主光線の光軸か
らの高さに大きく影響される。このため通常の屈折光学
素子とは分散特性の異なる回折光学素子を、光学系の瞳
から大きく外れた位置に配置すると、屈折光学系との組
合せよりなる全体の結像光学系では、倍率色収差の補正
が不可能になる。
【0050】画角がさほど広くない場合には、回折光学
素子を光学系のどこに配置するかはさほど問題にはなら
ない。しかし、本実施形態のように20°を越える画角
を確保するには、回折光学素子の回折面の位置での最大
主光線高さhが(7)式の範囲になるように配置するこ
とが好ましい。(7)式の下限を越えると、回折光学素
子による負の倍率色収差を他の屈折光学系で補正しよう
とすると、第2の波長については補正されても、第3の
波長に対して補正不足、すなわち倍率の色収差における
2次スペクトルが補正できずに残存してしまう。
【0051】逆に(7)式の上限を越えると、回折光学
素子による正の倍率色収差を他の屈折光学系で補正しよ
うとすると、第2の波長については補正されても、第3
の波長に対して補正過剰、すなわち倍率の色収差におけ
る2次スペクトルが補正できず残存してしまう。次に図
5、図6を用いて、回折面Dの形状に関して詳しく説明
する。
【0052】回折型光学素子25の回折面Dはキノフォ
ーム形状に形成されることが好ましい。キノフォーム形
状の鋸歯状輪帯の半径方向最小ピッチが1×10^-3f
〜9×10^-3fであり、かつ鋸歯状輪帯の高さが0.
5μm〜1.5μmであることが好ましい。尚、「r^
a」は「rのa乗」を示している。また、回折型光学素
子の回折面は、キノフォーム形状の高さを8レベル以上
に離散化したバイナリー形状に形成されることが好まし
い。この該バイナリー形状の鋸歯状輪帯の半径方向最小
ピッチが1×10^-3f〜9×10^-3fであり、かつ
鋸歯状輪帯の高さが0.5μm〜1.5μmであること
が好ましい。
【0053】回折光学素子の設計手法としては、例えば
「回折光学素子入門(応用物理学会、日本光学会、光設
計研究グループ;オプトロニクス社)」に開示されてい
るように、格子モデルと高屈折率モデルがある。いずれ
の手法も、設計段階では実形状のない仮想的な位相変換
面として回折面をとり扱う。そして、設計の最終段階で
位相関数φを実形状に変換する手続きをとる。位相関数
φは、例えば、以下の如く表される。
【0054】 φ(r)=C2×r^2+C4×r^4+C6×r^6+C8×r^8+C10× r^10 ‥‥(8) C2〜C10:係数 r:光軸からの高さ 図4(B)のbに示すような軸上色収差特性を得るため
に、C2〜C10を適切な値にする必要がある。
【0055】実形状は、光路差が波長λの整数倍になる
毎に、基板面に輪帯を形成してゆく。これを図示すると
図5に示すようになる。このような鋸歯状輪帯をした回
折光学素子はキノフォームと呼ばれる。鋸歯状輪帯の格
子のピッチpは、以下の式で表される。
【0056】 p=mλ/(dφ(r)/dr)‥‥(9) m:回折次数 λ:基準波長 上式のピッチpは連続関数であるが、図5では各輪帯の
幅を離散的なピッチpiとして示している。以下に説明
する本実施形態では、ピッチpiは最外周において最小
である。
【0057】可視域から赤外域までの広い範囲にわたり
軸上色収差を良好に補正するためには、全系の焦点距離
をfとした場合、鋸歯状輪帯の半径方向最小ピッチpmi
nが、以下の条件を満たすことが好ましい。 1×10^-3<pmin/f<9×10^-3 ‥‥(10) また鋸歯状輪帯の高さHは、以下の式で表される。
【0058】 H=mλ/(n−1) ‥‥(11) n:基板の屈折率 設計基準波長λをλ=546.1nm(e線)とし、回
折次数mをm=+1とし、基板として例えば石英を使用
する場合には、Hは以下の値になる。 H=1.0385μm 使用波長、回折次数、および基板硝子の屈折率を考慮す
ると、鋸歯状輪帯の高さHは以下の範囲であることが好
ましい。
【0059】 0.5μm<H<1.5μm ‥‥(12) さらに、キノフォームを階段近似したバイナリ光学素子
(BOE)を用いることもできる。階段近似による回折
効率は、2レベルで41%、4レベルで81%、8レベ
ルで95%となる。近似誤差はフレアとなって画質低下
を招くので、バイナリレベル8以上であることが必要で
ある。図5に示すキノフォームを、8レベルの段階で近
似したときのバイナリ光学素子を図6に示す。
【0060】バイナリ光学素子を用いるときにも、上記
条件式(10)、(12)を満たすことが好ましい。但
しバイナリ光学素子の鋸歯状輪帯の高さHbは、元とな
るキノフォーム鋸歯状輪帯の高さをHとし、レベル数を
bとすると、以下のようになる。 Hb=H(b−1)/b スキャナー用光学系などのように、有限距離で使用され
る光学系においては、物体面から受光素子が配置される
結像面までの距離を短縮して、系全体を小型化する必要
がある。そのために、結像光学系のカバーする画角2ω
を広くとることが要求される。
【0061】画角2ω>20°以上の広い画角にわたり
良好な像面特性を確保するためには、主に屈折力を負担
している屈折光学素子により、単色の各収差を良好に補
正する必要がある。そこで、絞りの物体側に像側の面が
像側に向けて凹の形状の負レンズを設け、絞りの像側に
物体側の面が物体側に向けて凹の形状の負レンズを設け
ることにより、ペッツバール和を補正して像面の平坦性
を確保するレンズが知られているが、例えばこのような
既存のレンズタイプと回折光学素子とを組み合わせるこ
とが有効である。
【0062】軸上色収差を広い波長範囲にわたり補正す
るためには、屈折光学系による色消し特性と、回折光学
素子の有する波長−分散特性とを考慮して、回折面を基
板面に置き換えた系の軸上色収差LARと、回折面によ
る軸上色収差LADとを、適切な割合で設定することが
必要である。正レンズに低分散のガラスを使用し、凹レ
ンズに高分散のガラスを使用し、両者を貼り合わせなど
で組み合わせた屈折光学系のみによる色消しでは、可視
域では実用上十分な補正がなされるとしても、赤外域で
は軸上色収差が急速に増大する。一方で、回折光学素子
の屈折作用は波長に対して線形であり、波長が長くなる
につれて強くなる点が屈折光学系と大きな違いであり、
この特性の差を利用して、特に赤外域での焦点位置の補
正に効果がある。しかし、回折光学素子と屈折光学系と
の組合せで色収差を補正する場合において、回折光学素
子による補正が強すぎると、赤外域で逆に負の色収差が
残存してしまう。
【0063】そこで、回折面を基板面に置き換えた系の
軸上色収差LARの補正と、回折面による軸上色収差L
ADの補正を、(1)式と(2)式の条件を満たすよう
に設定することで、最終的な結像光学系について、可視
域から850nm付近の赤外域までの軸上色収差が良好
に補正できる。図7はデフォーカス−MTF特性を示す
図である。図7(a)は回折型光学素子を組み込んだ結
像光学系におけるデフォーカス−MTF特性を示す図で
ある。図7(b)は回折型光学素子を組み込んでいない
結像光学系におけるデフォーカス−MTF特性を示す図
である。
【0064】横軸は光軸方向の位置を表し、単位はmm
である。縦軸は理想MTF値を1とした場合、理想MT
F値に対する比率を示している。よって、MTF値比が
高いほど解像度が高い、即ち焦点が合っていると考えら
れる。本実施形態では、横軸の−0.0075mmの位
置にラインセンサ18の光電変換部を配置している。こ
の位置では、R照明、G照明およびB照明による画像の
MTF値比はほぼ0.87付近となり、各可視光照明に
よる画像の焦点が合っている。
【0065】図7(a)の場合、横軸−0.0075m
mにおけるIR照明の画像のMTF値比は0.58であ
る。図7(b)に示されるようにIRのピークが大きく
+側にずれている。そして横軸−0.0075mmにお
いては、IR照明画像のMTF値比は0である。よっ
て、IR照明画像は全く焦点が合っていないことにな
る。
【0066】従って、回折光学素子が組み込まれている
結像光学系の方が、IR照明の画像に対して焦点が合っ
ていることが理解される。レンズ25はアポクロマート
タイプレンズである。アポクロマートタイプレンズとは
レンズの屈折力の組み合わせにより、実使用における可
視3波長の光に関して光軸色収差の影響を小さくしたレ
ンズである。そのためR光照明、G光照明及びB光照明
による画像のMTF値のピークが光軸上のほぼ同じ位置
にある。IR光照明による画像のMTF値のピークと、
他の色の照明による画像のMTF値のピークとを光軸上
のほぼ同じ位置にするような本来の使用法とは異なる一
種のアポクロマートタイプレンズを作ることも考えられ
る。しかしその場合、図7の場合と比較してR光照明、
G光照明及びB光照明の画像のMTF値のピークのずれ
が大きくなってしまう。画像読取装置の品質を考える
と、可視光に色ずれが発生することは好ましくない。そ
のため本実施形態では、アポクロマートタイプレンズに
より、R光照明、G光照明及びB光照明の画像に関して
光軸色収差が小さくしている。そして、本実施形態で
は、回折光学素子によって、IR照明の画像の焦点をラ
インセンサ18の位置に合わせている。
【0067】次に、第1実施形態の補正処理を図8〜図
27を参照して説明する。図8は、デジタル画像データ
を説明するための図である。図9、図10は、デジタル
画像データの補正処理原理の説明図である。図11〜図
19は、ホストコンピュータの補正処理手順を示すフロ
ーチャートである。図20〜図23は、位置合わせの説
明図である。図24〜図27は、CPU11の処理手順
を示すフローチャートである。
【0068】図8〜図10を参照してデジタル画像デー
タの補正処理原理について説明する。フィルム原稿26
の画像読み取りでは、各ライン毎に4色を切り換えて読
み取りを行う線順次方式と、1色で1画面の全体を読み
取り、次に色を代えて1画面の全体を読み取ることを4
色について行う面順次方式とがある。何れの方式であ
れ、RAM16には、R画像データ、G画像データ、B
画像データ、及びIR画像データの4種類のデータが格
納される。
【0069】ここに、4種類のデータには、次のような
相違がある。可視光に関するR画像データ、G画像デー
タ、及びB画像データの各データは、それぞれ、フィル
ム原稿26の赤色(R)成分、緑色(G)成分、青色
(B)成分に対応している。つまり、R画像データ、G
画像データ、B画像データの各データは、フィルム原稿
26の濃度に関連する輝度情報を示している。即ち、フ
ィルム原稿26において濃度が高ければ高い部分である
ほど、光を透過しない。そのためデジタル画像データの
値(輝度レベル)は小さくなる。逆に、フィルム原稿2
6において濃度が低ければ低い部分であるほど、光を透
過する。そのためデジタル画像データの値(輝度レベ
ル)は大きくなる。
【0070】図8(a)は、フィルム原稿26に塵70
が付いている様子を示している。また、図8(b)は、
フィルム原稿26の可視光に関するデジタル画像データ
をディスプレイに表示した様子を示している。図8
(c)はXmラインにおけるデジタル画像データの輝度
レベルの分布を示している。フィルム原稿26のXmラ
インに塵70が付着している。そのため、図8(b)に
示されるように、デジタル画像データはその影響を受け
る。何故ならば、フィルム原稿26上に塵70によっ
て、照明光が遮られてしまう。そのため、ラインセンサ
18上に到達する光量が減少する。よって、塵等がある
部分のデジタル画像データは、フィルム原稿26があた
かも濃度が高い状態であることを示すことになる。即
ち、図8(c)に示される様に、デジタル画像データの
減少部40が発生する。
【0071】また、塵の周辺位置に対応するラインセン
サ18の位置においては、到達する光が増加する。これ
は、塵の周辺に光の回折が発生するためであると考えら
れる。よって、塵等がある部分の周辺のデジタル画像デ
ータは、フィルム原稿26があたかも濃度が低い状態で
あることを示すことになる。即ち、図8(c)に示され
る様に、デジタル画像データの増加部41、42が発生
する。
【0072】また、図8(c)のデータ43に示される
様に、絵柄の濃度値によりデジタル画像データの輝度レ
ベルが変化する。上述したように、R画像データ、G画
像データ、B画像データの各データには「フィルム原稿
本来の濃度に対応する輝度レベル」に「塵、傷等による
透過光の増加分又は減少分の輝度レベル」が重畳されて
いることになる。
【0073】一方、フィルム原稿26は、元々、IR光
に対する受光感度が小さい。そのためフィルム原稿26
を通過するIR光の光量は、フィルム原稿26の濃度の
影響をほとんど受けない。したがって、照明光がIR光
である場合には、得られるIR画像データは、いかなる
フィルム原稿を持ってきてもほぼ一定の値となる。とこ
ろが、フィルム原稿26上に塵、傷等がある場合にはラ
インセンサ18上に到達する光は、それらの影響で増加
又は減少する。つまり、IR画像データは、塵、傷等に
より変化したデータとなる。即ち、IR画像データにも
減少部40や増加部41、42が発生する。要するに、
IR画像データのうち値が増加又は減少しているデータ
には、「塵、傷等による透過光の増加分又は減少分の輝
度レベル」が反映されている。
【0074】そこで、図9、図10において、フィルム
原稿26上に欠陥がない場合、IR画像データの輝度レ
ベルは、ある一定値(基準値)を示す一方、R画像デー
タ、G画像データ、B画像データの輝度レベルは、原稿
濃度に応じた値を示す。そして、フィルム原稿26上に
欠陥がある場合、図9においては、その欠陥箇所におい
て輝度レベルが減少している。図10においては、その
欠陥箇所において輝度レベルが増加している。図9の場
合、欠陥場所でのIR輝度レベル(IR')は、欠陥がな
い場所のIR輝度レベル(IR)に対して減少してい
る。図10の場合、欠陥場所でのIR輝度レベル(I
R')は、欠陥がない場所のIR輝度レベル(IR)に
対して増加している。そのため、両者の比(IR/I
R')は、欠陥箇所での増減の割合を示すことになる。欠
陥がない場合のIR輝度レベル(IR)の設定に関して
は後述する。
【0075】フィルム原稿26におけるIR輝度レベル
において、基準値から増減したIR輝度レベル(I
R’)を検出した場合を考える。IR輝度レベル(I
R’)に両者の比である補正係数(IR/IR')を乗算
すると、IR輝度レベル(IR)が得られる。可視光に
対応するデジタル画像データの輝度レベルも、IR輝度
レベルと同じ割合で増減している。従って、R輝度レベ
ル(R’)、G輝度レベル(G’)、B輝度レベル
(B’)のそれぞれに補正係数(IR/IR')を乗算す
ることにより、各色の輝度レベルにおける欠陥による影
響を補正できる。即ち、図9、図10に示す様に、欠陥
がない場合のR輝度レベル(R)、G輝度レベル
(G)、B輝度レベル(B)が再現できる。
【0076】但し、この補正処理が有効となるのは、当
然のことながら、欠陥で減衰を受けたR画像データ、G
画像データ、B画像データに欠陥がない場合の情報があ
る程度含まれている場合に限られる。つまり、比(IR
/IR')を求めるIR’の輝度レベルが低すぎると、R
画像データ、G画像データ、B画像データを補正できな
い。IR’の輝度レベルが設定される閾値よりも低い場
合には、単に比(IR/IR')を乗算したのみでは補正
できないと考えられる。
【0077】この場合には、次のような補間処理によっ
て補正が行える。一般的には、塵、傷等の存在箇所の占
有面積は、それほど大きくないので、その占有面積内で
は、元々のフィルム原稿26上で濃度差(つまり模様)
のある可能性は低く、むしろ一様な絵柄である可能性が
高い。したがって、塵、傷等が存在すると特定された箇
所については、その両側の隣接部のデータを用い、それ
らを滑らかにつなげば、元々のフィルム原稿26の画像
に対して違和感のない画像を得る補正が可能である。
【0078】次に、以上説明した補正動作は、ホストコ
ンピュータ1と画像読取装置2との協同作業の形で行わ
れるので、ホストコンピュータ1の処理手順と画像読取
装置2のCPU11の処理手順とに分けて具体的に説明
する。最初に図11〜図19を用いて、ホストコンピュ
ータ1の処理手順を説明する。そして次に、図24〜図
27を用いて、画像読取装置2のCPU11の処理手順
を説明する。
【0079】尚、図11〜図19のフローチャートに示
すプログラムは、ホストコンピュータ1にセットアップ
可能なようにCD−ROM3に記憶されている。セット
アップされたプログラムは、HDD1cが記憶する。そ
して、プログラムはメモリ1bに読み込まれた状態で、
CPU1aに使用される。また、図24〜図27のフロ
ーチャートに示すプログラムは、ROM15に記憶され
ている。そして、プログラムはRAM16に読み込まれ
た状態で、CPU11に使用される。
【0080】(A)ホストコンピュータ1の処理手順 図11のフローチャートは、ユーザーがホストコンピュ
ータ1の入力装置を操作し、プリスキャンを指示するこ
とによりスタートする。S410では、ホストコンピュ
ータ1は、画像読取装置2にプリスキャン開始命令を送
信する。画像読取装置2は、後述(図24〜図27)す
るようにプリスキャンを実施し、デジタル画像データを
ホストコンピュータ1へ送信する。このデジタル画像デ
ータは、R画像データ、G画像データ、B画像データ、
及びIR画像データの4つである。
【0081】S411では、ホストコンピュータ1は、
画像読取装置2から全てのデジタル画像データを受信完
了するまで待機する。ホストコンピュータ1は、デジタ
ル画像データの全てを受信すると、S411でYESと
判定し、S412に進む。S412では、ホストコンピ
ュータ1は、受信したデジタル画像データから、R画像
データの最大輝度レベルであるRmax、G画像データの
最大輝度レベルであるGmax、B画像データの最大輝度
レベルであるBmax を検出する。そして、ホストコンピ
ュータ1は、次のS413で、設定されたフィルムがポ
ジフィルムであるか否かを判定する。
【0082】ポジフィルムである場合には、S413で
ホストコンピュータ1はYESと判定し、S414へ進
む。また、ネガフィルムである場合には、S413でホ
ストコンピュータ1は、NOと判定しS419へ進む。
S414〜S418の処理及びS419〜S424の処
理は、プレビュースキャン又は本スキャン時のラインセ
ンサ18の蓄積時間を設定する処理である。
【0083】1)設定されたフィルムがポジフィルムで
ある場合。 S414では、ホストコンピュータ1は、S412にお
いて求めたRmax、Gmax、Bmax の中で最も大きい値を
可視光maxと設定する。S415では、ホストコンピュ
ータ1は、可視光maxをA/D変換器19のフルスケー
ル近傍に設定するため、RGBの倍率を計算する。即
ち、A/D変換器19が8ビットである場合は、フルス
ケールは255であるので、RGBの倍率=255/可
視光max の計算を行う。
【0084】また、S416では、ホストコンピュータ
1は、受信したIR画像データの最大輝度値であるIR
max を検出する。S417では、IRmax をA/D変換
器19のフルスケール近傍に設定するため、IRの倍率
を計算する。即ち、A/D変換器19が8ビットである
場合は、IRの倍率=255/IRmax の計算を行う。
【0085】そして、S418では、ホストコンピュー
タ1は、プリスキャン時の蓄積時間Tr'、Tg'、Tb'、Ti
r'に各倍率を乗算してプレビュースキャン又は本スキャ
ン時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirを設定する。即ち、S41
8では、ホストコンピュータ1は以下の演算を実行し、
S425に進む。 Tr=Tr'×RGBの倍率 Tg=Tg'×RGBの倍率 Tb=Tb'×RGBの倍率 Tir=Tir'×IRの倍率 2)設定されたフィルムがネガフィルムである場合。
【0086】この場合には、S412において求めたR
max、Gmax、Bmax それぞれをA/D変換器19のフル
スケール近傍に設定するため、それぞれについての倍率
を求める。即ち、S419では、ホストコンピュータ1
は、S412において求めたRmax を用いて、Rの倍率
=255/Rmax の計算を行う。S420では、ホスト
コンピュータ1は、S412において求めたGmax を用
いて、Gの倍率=255/Gmax の計算を行う。S42
1では、ホストコンピュータ1は、S412において求
めたBmax を用いて、Bの倍率=255/Bmax の計算
を行う。
【0087】また、S422では、ホストコンピュータ
1は、受信したIR画像データの最大輝度値であるIR
max を検出する。S423では、IRmax をA/D変換
器19のフルスケール近傍に設定するためIRの倍率を
計算する。即ち、IRの倍率=255/IRmax の計算
を行い、S424に進む。そしてS424では、ホスト
コンピュータ1は、プリスキャン時の蓄積時間Tr',T
g',Tb',Tir'に倍率を乗算してプレビュースキャン又
は本スキャン時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirを設定する。即
ち、S424では、ホストコンピュータ1は、以下の演
算を実行し、S425に進む。
【0088】Tr=Tr'×Rの倍率 Tg=Tg'×Gの倍率 Tb=Tb'×Bの倍率 Tir=Tir'×IRの倍率 次に、S425では、ホストコンピュータ1は、画像読
取装置2に対し、以上のようにして求めた蓄積時間Tr,T
g,Tb,Tirのデータとプレビュースキャン開始命令を送信
する。これにより、画像読取装置2は、プレビュースキ
ャンによる画像読み取りを行う。ホストコンピュータ1
は、次のS426で、全てのデジタル画像データが画像
読取装置2から送信完了するまで待機する。
【0089】ホストコンピュータ1は、画像読取装置2
からプレビュースキャン画像データの受信を完了する
と、S426でYESと判定し、S427へ進む。S4
27ではホストコンピュータ1は、S426で受信した
デジタル画像データに基づいて、ディスプレイに画像を
表示する。S428では変数Sを初期化して0にする。
そしてS429では変数nを初期化して0にする。変数
Sおよびnはメモリ1b内に保存され、後述するように
IR輝度レベルの平均値を求めるために使用される。
【0090】次に、S431〜S436で、基準値とし
てのIR輝度レベル(第1IR輝度レベル)を求める。
第1IR輝度レベルは、欠陥が存在しない場合の、IR
輝度レベルに近いことが望ましい。ここでは、原稿上に
おいて欠陥のある部分の面積が小さいと仮定する。この
仮定に基づき、IR輝度レベルの平均値を第1IR輝度
レベルとして求めている。しかし、塵などレベルが大幅
に低下する画素を含めて計算すると、誤差が大きくな
る。そのためS430において、フィルムの種類や被写
体の違いによるIR輝度レベルのばらつきの範囲外にあ
る閾値(第2IR輝度レベル)を設定する。そして、こ
の第2IR輝度レベル未満のピクセルは、第1IR輝度
レベルを求める際に使用しないことにする。S430に
おいて、具体的に以下の手順で第2IR輝度レベルを決
定する。
【0091】まずS426で受信したIR画像データの
中から最大輝度レベルIRmaxを検出する。次にS42
6で受信したIR画像データの中から最小輝度レベルI
Rminを検出する。そして、以下の式に基づいて、第2
IR輝度レベルを演算する。 第2IR輝度レベル=(IRmax+IRmin)/2 図8(c)に示した様に、欠陥の無い場合の輝度レベル
と比較して、増加部41、42の影響は、欠陥部40の
影響よりも小さいと考えられる。従って、上述の式で演
算すれば、大半の欠陥のないピクセルの輝度レベルが、
第2IR輝度レベル以上となる。従って、大半の欠陥の
ないピクセルの輝度レベルを反映した基準値を求めるこ
とが可能となる。
【0092】S431では、ホストコンピュータ1は、
IR画像データから1つのピクセル選択する。S432
では、ホストコンピュータ1は、選択したピクセルのI
R輝度レベルが第2IR輝度レベル以上であるか否か判
定する。IR輝度レベルが第2IR輝度レベル以上であ
る場合、S433へ進む。また、IR輝度レベルが第2
IR輝度レベル未満である場合、S435へ進む。
【0093】S433では、ホストコンピュータ1は、
S431で選択したピクセルのIR輝度レベルを変数S
に加算する。次にS434では、変数nに1を加算す
る。S435では、ホストコンピュータ1は、S431
〜S434の処理を全ピクセルについて行ったか否か判
断する。全ピクセルの処理が終了していないと判断した
場合、S431へ戻る。全ピクセルの処理が終了したと
判断した場合、S436へ進む。S436では、ホスト
コンピュータ1は、平均値S/nを算出し、その値を第
1IR輝度レベルとしてメモリ1bに保存する。
【0094】図13のフローチャートは、ユーザーがホ
ストコンピュータ1の入力装置を操作し、本スキャンを
指示することによりスタートする。S438では、ホス
トコンピュータ1は、画像読取装置2に対し、S418
又はS424において求めた蓄積時間Tr、Tg、Tb、Tir
のデータと本スキャン開始命令を送信する。これによ
り、画像読取装置2は、本スキャンの画像の読み取りを
実行する。ホストコンピュータ1は、次のS439で、
画像読取装置2から本スキャン画像データが送信完了す
るまで待機する。
【0095】ホストコンピュータ1は、画像読取装置2
から本スキャン画像データの受信を完了すると、S43
9でYESと判定し、S440へ進む。S440では、
IR画像データの全画素から第mブロックの画素を選択
する。ホストコンピュータ1は、S441〜S447に
おいて対応する第mブロックのR画像データについてそ
の欠陥位置の位置合わせ処理を実行する。
【0096】図20〜図23は、欠陥位置の位置合わせ
処理を説明するための図である。S436で算出した第
1IR輝度レベルが「240」であるとする。図20
(a)において、網掛けしてあるピクセル、欠陥により
IR輝度レベルが減少していることを示している。その
周辺のピクセルは、IR輝度レベルが増加して、第1I
R輝度レベルよりも高い値となっている。図20(b)
は、図20(a)に対応するR画像データに関するブロ
ックのR輝度レベルを示す図であり、欠陥がある場合を
示す。これに対し、図20(c)は、対応するブロック
において欠陥がない場合のR輝度レベルを示す。即ち、
図20(c)は、補正された後のR輝度レベルを示す図
である。
【0097】S441では、ホストコンピュータ1は、
選択したIR画像データの第mブロックに対応する、R
画像データの第mブロックの±3画素(ピクセル)以内
のずれのあるブロックから1ブロックを選択する。図2
1〜図23では、着目する3×3ピクセルを縦方向、横
方向へ1画素ずつずらした状態を示してある。S442
では、ホストコンピュータ1は、「選択した第nブロッ
クのピクセルのR輝度レベル」−「第mブロックのピク
セルのIR輝度レベル」の演算を実行して減算値(R)nを
求める。例えば、図21の「A−1」で濃い枠で示す3
×3ピクセルの位置に対応する図20(b)における位
置が第nブロックである。そこで、図21の「A−1」
で濃い枠で示す3×3ピクセルの第1行の減算値「-45」
「-45」「90」は、それぞれ「-45=200-245」、「-45=200-245」、
「90=210-120」といった演算により求められる。
【0098】S443では、ホストコンピュータ1は、
以上のようにして求めた減算値の絶対値の総和(R)nを求
める。図21の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセ
ルの減算値で言えば、第1行の総和が「180」、第2行の総
和が「340」、第3行の総和が「411」であり、これらの合計
が「931」となる。S444では、ホストコンピュータ1
は、以上のようにしてS443において求めた減算値の
合計値(R)nをメモリ1bに記録する。S445では、ホ
ストコンピュータ1は、着目する3×3ピクセルを縦方
向、横方向へ1ピクセルずつずらして減算値の合計値を
算出する動作を49回行ったか否かを判定する。判定が
NOの場合はS441に戻る。即ち、図21の「A−2」
「A−3」、図22の「B−1」「B−2」「B−3」、図23
の「C−1」「C−2」「C−3」の各ブロックにおいても同
様な処理が行われる。
【0099】そして、ホストコンピュータ1は、S44
5でYESと判定すると、S446に進み、合計値(R)n
の最小値である合計値(R)n.minを選択する。図21〜図
23の例で言えば、合計値が「530」 である図22の「B
−2」のブロックが選択される。S447では、ホスト
コンピュータ1は、合計値(R)n.minに対応するブロック
(図22の「B−2」)をIR画像データの第mブロック
(図20(a))の対応ブロックと特定する。S448
では、ホストコンピュータ1は、IR画像データの第m
ブロック(図20(a))から1つピクセルを選択す
る。
【0100】S449では、選択したIRピクセルのI
R輝度レベルが第3IR輝度レベル以上であるか否かを
判定する。第3IR輝度レベルは、可視光の輝度レベル
に後述の補正係数を乗算することにより補正できる最低
限のIR輝度レベルを示す。本実施形態の装置は、10
が第3IRレベルとして設定されている。尚、第1IR
輝度レベルに1/20を乗算することにより、第3IR
輝度レベルを設定することにしても良い。
【0101】ホストコンピュータ1は、選択したIRピ
クセルのIR輝度レベルが、第3IR輝度レベル以上で
あるときは、S449でYESと判定し、S450に進
む。S450では、(第1IR輝度レベル)/(対応ピ
クセルのIR輝度レベル)の演算を行い補正係数を求め
る。S451では、ホストコンピュータ1は、補正R輝
度レベル=(対応ピクセルのR輝度レベル)×(補正係
数)の演算を行う。S452では、ホストコンピュータ
1は、S451で求めた補正R輝度レベルをメモリ1b
に記録する。
【0102】一方、ホストコンピュータ1は、S449
の判定がNOの場合には、つまり、選択したIRピクセ
ルのIR輝度レベルが、第3IR輝度レベルよりも小さ
い場合には、S453に進む。S453では、ホストコ
ンピュータ1は、対応RピクセルのR輝度レベルを周辺
R輝度レベルに基づき算出する。そして、ホストコンピ
ュータ1は、S454で、算出したR輝度レベルをメモ
リ1bに記録し、S455に進む。
【0103】S455では、ホストコンピュータ1は、
第mブロックの全ピクセルに対して処理を終了したか否
かを判定する。S455の判定がNOの場合は、S44
8に戻り、次のピクセルについて同様の処理を行う。一
方、S455の判定がYESの場合は、S456に進
み、ホストコンピュータ1は、R画像データについて全
ブロックの処理が終了したか否かを判定する。
【0104】S456の判定がNOの場合は、ホストコ
ンピュータ1は、S440に戻り、ブロックの選択を行
い、R画像データについて同様の処理を行う。一方、S
456の判定がYESの場合は、ホストコンピュータ1
は、次にS457の処理を実行する。S457〜S47
3は、G画像データについての処理を示し、S474〜
S491は、B画像データについての処理を示す。これ
らの処理は、Rデータに対する処理(S440〜S45
6)と同様の処理であるので、説明を省略する。
【0105】ホストコンピュータ1は、S491の判定
がYESの場合は、S492に進み、設定のフィルム原
稿26がポジフィルムであるか否かを判定する。ユーザ
ーが予めホストコンピュータ1の入力装置を操作するこ
とにより、フィルム原稿26がポジフィルムであるかネ
ガフィルムであるかが設定される。S492の判定がY
ESの場合は、ホストコンピュータ1は、S493に進
み、ユーザーにより階調変換が設定されているか否かを
判定する。S493の判定がYESの場合は、ホストコ
ンピュータ1は、S494で、R,G,Bの各データに
ついて階調変換処理を行う。S493の判定がNOの場
合は、ホストコンピュータ1は、S494の処理を飛ば
して、S495へ進む。
【0106】そして、ホストコンピュータ1は、S49
5で、デジタル画像データをディスプレイに出力し、画
像を表示させる。一方、S492の判定がNOの場合
は、ホストコンピュータ1は、S496に進み、ユーザ
ーにより階調変換が設定されているか否かを判定する。
S496の判定がYESの場合は、ホストコンピュータ
1は、S497で、階調反転関数に設定階調変換関数を
マージし、S494に進む。また、S496の判定がN
Oの場合は、ホストコンピュータ1は、S498で、階
調反転関数を設定階調変換関数として設定し、S494
に進む。
【0107】S494以降は前述と同じ処理を実行する
ので、説明を省略する。 (B)画像読取装置の画像読取手順 図24のフローチャートは、S410のプリスキャン開
始命令、S425のプレビュースキャン開始命令、或い
はS438の本スキャン開始命令に基づいてスタートす
る。本実施形態の画像読取装置2は、面順次式の画像読
み取りを実行する。
【0108】まず、R画像データに関する処理を説明す
る。S130では、CPU11は、モータ駆動回路12
を制御して、原稿保持台32を副走査方向の読取開始位
置へ移動する。S131では、CPU11は、R−LE
Dを発光開始させる。S132では、CPU11は、ラ
インセンサ18を駆動開始する。ラインセンサ18は蓄
積時間Trにより所定のタイミングで駆動し続ける。ホ
ストコンピュータ1により蓄積時間Trが設定されてい
ない場合、CPU11は所定の蓄積時間によりラインセ
ンサ18を駆動する。S133では、CPU11は、読
み取った1ラインについてのR画像データをホストコン
ピュータ1へ送信する。
【0109】次いで、CPU11は、S134で、モー
タ駆動回路12を制御して原稿保持台32を副走査方向
へ1ライン分移動する。CPU11は、S135で、設
定ライン数についての読み取りを終了したか否かを判定
する。設定ライン数はホストコンピュータ1により設定
されている。S135の判定がNOの場合は、CPU1
1は、S133、S134の処理を行う。S135の判
定がYESの場合は、R画像データの取得を終了したの
で、CPU11は、S136で、R−LEDを消灯す
る。また、CPU11は、ラインセンサ18の駆動を停
止する。
【0110】G画像データに関する処理を説明する。S
138では、CPU11は、G−LEDを発光させる。
S139では、CPU11は、ラインセンサ18を駆動
開始する。ラインセンサ18は蓄積時間Tgにより所定
のタイミングで駆動し続ける。ホストコンピュータ1に
より蓄積時間Tgが設定されていない場合、CPU11
は所定の蓄積時間によりラインセンサ18を駆動する。
S140では、CPU11は、読み取った1ラインにつ
いてのG画像データをホストコンピュータ1へ送信す
る。
【0111】次いで、CPU11は、S141で、モー
タ駆動回路12を制御して原稿保持台32を副走査方向
へ1ライン分移動する。CPU11は、S142で、設
定ライン数についての読み取りを終了したか否かを判定
する。S142の判定がNOの場合は、CPU11は、
S140、S141の処理を行う。S142の判定がY
ESとなると、G画像データの取得を終了したので、C
PU11は、S143で、G−LEDを消灯する。ま
た、CPU11は、ラインセンサ18の駆動を停止す
る。
【0112】B画像データに関する処理を説明する。S
145では、CPU11は、B−LEDを発光させる。
S146では、CPU11は、ラインセンサ18を駆動
開始する。ラインセンサ18は蓄積時間Tbにより所定
のタイミングで駆動し続ける。ホストコンピュータ1に
より蓄積時間Tbが設定されていない場合、CPU11
は所定の蓄積時間によりラインセンサ18を駆動する。
S147では、CPU11は、読み取った1ラインにつ
いてのB画像データをホストコンピュータ1へ送信す
る。
【0113】次いで、CPU11は、S148で、モー
タ駆動回路12を制御して原稿保持台32を副走査方向
へ1ライン分移動する。CPU11は、S149で、設
定ライン数についての読み取りを終了したか否かを判定
する。S149の判定がNOの場合は、CPU11は、
S147、S148の処理を行う。S149の判定がY
ESとなると、B画像データの取得を終了したので、C
PU11は、S150で、B−LEDを消灯する。ま
た、CPU11は、ラインセンサ18の駆動を停止す
る。
【0114】IR画像データに関する処理を説明する。
S152では、CPU11は、IR−LEDを発光開始
させる。S153では、CPU11は、ラインセンサ1
8を駆動開始する。ラインセンサ18は蓄積時間Tir
により所定のタイミングで駆動し続ける。ホストコンピ
ュータ1により蓄積時間Tirが設定されていない場
合、CPU11は所定の蓄積時間によりラインセンサ1
8を駆動する。S154ではCPU11は、読み取った
1ラインについてのIR画像データをホストコンピュー
タ1へ送信する。
【0115】次いで、CPU11は、S155で、モー
タ駆動回路12を制御して原稿保持台32を副走査方向
へ1ライン分移動する。CPU11は、S156で、設
定ライン数についての読み取りを終了したか否かを判定
する。S156の判定がNOの場合は、CPU11は、
S154、S155の処理を行う。S156の判定がY
ESとなると、IR画像データの取得を終了したので、
CPU11は、S157で、IR−LEDを消灯する。
そして、CPU11は、S158で、ラインセンサ18
の駆動を停止し、本フローチャートの処理が終了する。
【0116】CPU11は、面順次読み取りにより往き
でR画像データ、帰りでG画像データ、往きでB画像デ
ータ、帰りでIR画像データを取得した。尚、本発明の
別な実施の形態を図面によって説明する。図28、図3
0、図32、図34、図36及び図38は、それぞれレ
ンズ25の第2〜第7実施形態を示す。各実施形態のレ
ンズとも、物体側から順に、少なくとも1枚のレンズを
有する前群GFと、正の屈折力を有する回折面Dを備え
た回折型光学素子DOEと、少なくとも1枚のレンズを
有する後群GRとを備えた結像光学系であり、スキャナ
ー用光学系に使用するものである。
【0117】いずれの実施形態も、前群GFは少なくと
も1枚の正レンズを有している。また前群の最も回折光
学素子DOE側に、回折光学素子DOE側の面が回折光
学素子DOE側に向けて凹の形状の負レンズが配置され
ている。また後群も少なくとも1枚の正レンズを有して
いる。そして、後群の最も回折光学素子DOE側に、回
折光学素子DOE側の面が回折光学素子DOE側に向け
て凹の形状の負レンズが配置されている。
【0118】図29に、第2実施例の球面収差、非点収
差、歪曲収差及び倍率色収差を示す。同様に図31、図
33、図35、図37及び図39に、それぞれ第3〜第
7実施例の諸収差を示す。各収差図において、gはg線
(435.8nm)、eはe線、CはC線(656.3
nm)、sはs線を表わす。球面収差図において点線は
正弦条件違反量を表わす。非点収差図において点線はメ
リジオナル像面を表わし、実線はサジタル像面を表わ
す。
【0119】以下の表1〜表6に、それぞれ第2〜第7
実施例の主要諸元、光学部材諸元及び位相関数の係数を
示す。[主要諸元]中、NAは像側開口数、βは結像倍
率を表わす。[光学部材諸元]中、第1欄Noは物体側
からの各光学面の番号、第2欄rは各光学面の曲率半径
を表す。第3欄dは各光学面から次の光学面(又は像
面)までの光軸上の距離を表す。第4欄neは各光学面
から次の光学面までに配置される光学部材(空欄は空
気)のe線に対する屈折率、第5欄νeは各光学部材の
e線を基準としたアッベ数を表す。第6欄は各光学部材
又は光学面の記号を表す。
【0120】また表7に、各実施例について、前記各条
件式のパラメータの値を示す。各表と各収差図に見られ
るように、各実施例の結像光学系とも、広い画角を有
し、しかも400〜850nmの広い波長範囲にわた
り、優れた結像性能を有することが分かる。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】尚、上記実施形態では4色の光源により、
フィルム原稿26の色分解を行ったが、白色光源を用い
ても良い。この白色光源の照明光は赤外成分から青色成
分までを含む。そして、赤色成分、緑色成分、青色成
分、及び赤外成分それぞれを単独に透過するフィルタ
を、白色光源からラインセンサ18の間に配置すれば良
い。そしてそのフィルタを順次切り替えることにより、
フィルム原稿26の色分解が実現される。
【0129】
【発明の効果】本発明の装置によれば、軸上色収差を考
慮し、欠陥のある画像データを良好に補正することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の画像処理装置の構成図である。
【図2】フィルム原稿の配置の様子を示す図である。
【図3】第1実施形態の光学系を示す図である。
【図4】(A)は、回折面Dを基板面に置き換えた系の
軸上色収差LARの波長特性を示す図である。(B)
は、回折面Dによる軸上色収差LADの波長特性を示す
図である。(C)は、結像光学系の軸上色収差LAの波
長特性を示す図である。
【図5】キノフォオーム形状の回折光学素子の代表的な
構成を示す右半断面図である。
【図6】バイナリ形状の回折光学素子の代表的な構成を
示す右半断面図である。
【図7】デフォーカス−MTF特性を示す図である。
【図8】デジタル画像データを説明するための図であ
る。
【図9】デジタル画像データの補正処理原理の説明図で
ある。
【図10】デジタル画像データの補正処理原理の説明図
である。
【図11】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図12】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図13】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図14】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図15】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図16】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図17】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図18】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図19】ホストコンピュータの補正処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図20】位置合わせの説明図である。
【図21】位置合わせの説明図である。
【図22】位置合わせの説明図である。
【図23】位置合わせの説明図である。
【図24】CPU11の処理手順を示すフローチャート
である。
【図25】CPU11の処理手順を示すフローチャート
である。
【図26】CPU11の処理手順を示すフローチャート
である。
【図27】CPU11の処理手順を示すフローチャート
である。
【図28】第2実施形態の光学系を示す図である。
【図29】第2実施形態のレンズの諸収差図である。
【図30】第3実施形態の光学系を示す図である。
【図31】第3実施形態のレンズの諸収差図である。
【図32】第4実施形態の光学系を示す図である。
【図33】第4実施形態のレンズの諸収差図である。
【図34】第5実施形態の光学系を示す図である。
【図35】第5実施形態のレンズの諸収差図である。
【図36】第6実施形態の光学系を示す図である。
【図37】第6実施形態のレンズの諸収差図である。
【図38】第7実施形態の光学系を示す図である。
【図39】第7実施形態のレンズの諸収差図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ 1a 中央処理装置(CPU) 1b メモリ 1c ハードディスクドライブ(HDD) 2 画像読取装置 3 記憶媒体(CD−ROM) 11 中央処理装置(CPU) 12 モータ駆動回路 13 LED駆動回路 14 信号処理回路 15 ROM 16 RAM 17 インタフェース回路(IF回路) 18 ラインセンサ 19 A/D変換器 20 副走査機構モータ 21 照明装置 22 反射ミラー 23 反射ミラー 24 トーリックミラー 25 レンズ 25a 屈折型光学素子 25b 屈折型光学素子 25c 屈折型光学素子 25d 回折型光学素子(DOE) 25e 屈折型光学素子 25f 屈折型光学素子 25g 屈折型光学素子 26 フィルム原稿 26a フィルム原稿部 26b フィルムマウント部 27 焦点調節モータ 28 モータ駆動回路 29 副走査機構 30 焦点調節機構 32 原稿保持台 33 フィルム押えバネ 34 素通し部 35 光軸 37 絞り 40 フィルタ 70 塵 P 照明位置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA17 AA18 AA51 AA55 AA63 2H087 KA00 KA08 KA18 LA01 LA06 PA04 PA05 PA16 PA19 PB06 PB07 PB08 QA02 QA07 QA12 QA17 QA21 QA25 QA26 QA32 QA34 QA37 QA41 QA45 QA46 RA32 RA42 RA46 5C072 AA01 BA17 CA05 DA02 DA10 DA20 UA06 UA11 UA13 VA03 5C077 LL20 MM03 MM20 MP08 PP09 PP32 PP37 PP43 PP44 PQ12 PQ22 RR19 9A001 GG01 GG14 HH31 HH34 KK16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過原稿を照明する照明手段と、 前記照明手段の照明光を利用して前記透過原稿の画像の
    色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と、 前記照明手段の照明光を利用して前記透過原稿の画像の
    色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、 分解された前記赤外成分の強度を示す赤外成分レベルを
    検出する赤外成分検出手段と、 分解された前記可視成分の強度を示す可視成分レベルを
    検出する可視成分検出手段と、 前記透過原稿の画像を、前記赤外成分検出手段又は前記
    可視成分検出手段に結像する結像光学系と、 前記赤外成分レベルに基づいて、前記可視成分レベルを
    補正する補正手段とを有し、 前記結像光学系は、屈折型光学素子と回折面の形成され
    る回折型光学素子とを含むことを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置において、 前記回折面を基板面に置き換えた系の軸上色収差が、前
    記赤外成分レベル及び可視成分レベルの波長に対して、
    線形な特性になるように、前記屈折光学系は形成され、 前記屈折光学系の軸上色収差を打ち消す特性を有するよ
    うに、前記回折面が形成されていることを特徴とする画
    像処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の画像処理装置において、 前記屈折型光学素子は、前記透過原稿側に配置される前
    群と、前記赤外成分検知手段および前記可視成分検知手
    段側に配置される後群と含み、 前記回折型光学素子は、前記前群と前記後群と間に配置
    され、 前記回折面は正の屈折力を有し、 前記前群と前記後群は、 −0.01<RSA/f<0.01 なる条件を満足するように構成され、 前記回折面は、前記結像光学系が −0.002<LAmax/f<0.002 なる条件を満足するように構成されることを特徴とする
    画像処理装置。 但し、RSA:前記回折型光学素子の前記回折面を、該
    回折面を形成する前の基板面に置き換えた系について
    の、最大開口数におけるe線の球面収差 LAmax:前記結像光学系についてのe線を基準とした
    400〜850nmの光線の軸上色収差の最大値 f:前記結像光学系の焦点距離 である。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像処理装置において、 前記前群は、少なくとも1枚の正レンズを有し、該正レ
    ンズの像側に、像側の面が像側に向けて凹の形状の負レ
    ンズを少なくとも1枚有し、 前記後群は、少なくとも1枚の正レンズを有し、該正レ
    ンズの物体側に、物体側の面が物体側に向けて凹の形状
    の負レンズを少なくとも1枚有することを特徴とする画
    像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の画像処理装置において、 前記結像光学系は次の各条件を満足する。 0<LARs/f<0.1 −0.1<LADs/f<0 但し、LARs:前記回折型光学素子の前記回折面を、該
    回折面を形成する前の基板面に置き換えた系について
    の、e線を基準としたs線の軸上色収差 LADs≡LAs−LARs LAs:前記結像光学系についてのe線を基準としたs
    線の軸上色収差である。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の画像処理装置において、 前記結像光学系は次の条件を満足する。 10<fDOE/f<100 但し、fDOE:前記回折型光学素子の焦点距離 である。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の画像処理装置において、 前記結像光学系は次の条件を満足する。 −0.1<h/y<0.1 但し、h:前記回折型光学素子の前記回折面に入射する
    主光線の最大入射高 y:最大像高 である。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の画像処理装置において、 前記補正手段は、 前記赤外成分レベルに基づいて、補正係数を求める補正
    係数演算手段と、 前記可視成分レベルを前記補正係数により補正する補正
    処理手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の画像処理装置において、 前記補正係数演算手段は、前記赤外成分レベルから欠陥
    のない状態に相当する第1赤外線レベルを設定し、(第
    1赤外線レベル/補正対象ピクセルの赤外成分レベル)
    を算出することにより前記補正係数を求めることを特徴
    とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の画像処理装置におい
    て、 前記補正手段は、前記赤外成分レベルがしきい値未満で
    あるピクセルにおける前記可視成分レベルを、補間によ
    り補正することを特徴とする画像処理装置。
  11. 【請求項11】 赤外成分レベルに基づいて、可視成分
    レベルを補正する画像処理装置に接続される画像読取装
    置であって、 透過原稿を照明する照明手段と、 前記照明手段の照明光を利用して前記透過原稿の画像の
    色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と、 前記照明手段の照明光を利用して前記透過原稿の画像の
    色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、 分解された前記赤外成分の強度を示す赤外成分レベルを
    検出する赤外成分検出手段と、 分解された前記可視成分の強度を示す可視成分レベルを
    検出する可視成分検出手段と、 前記透過原稿の画像を、前記赤外成分検出手段又は前記
    可視成分検出手段に結像する結像光学系とを有し、 前記結像光学系は、屈折型光学素子と回折面の形成され
    る回折型光学素子とを含むことを特徴とする画像読取装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の画像読取装置におい
    て、 前記回折面を基板面に置き換えた系の軸上色収差が、前
    記赤外成分レベル及び可視成分レベルの波長に対して、
    線形な特性になるように、前記屈折光学系は形成され、 前記屈折光学系の軸上色収差を打ち消す特性を有するよ
    うに、前記回折面が形成されていることを特徴とする画
    像読取装置。
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