JP2000086688A - パルボウイルス吸着糖鎖リガンドおよびこれを利用したパルボウイルス除去装置 - Google Patents
パルボウイルス吸着糖鎖リガンドおよびこれを利用したパルボウイルス除去装置Info
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- JP2000086688A JP2000086688A JP10251220A JP25122098A JP2000086688A JP 2000086688 A JP2000086688 A JP 2000086688A JP 10251220 A JP10251220 A JP 10251220A JP 25122098 A JP25122098 A JP 25122098A JP 2000086688 A JP2000086688 A JP 2000086688A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】パルボウイルスを特異的に除去する。
【解決手段】GalNAc(β1−3)Gal(α1
−)、GalNAc(β1−3)Gal(α1−4)G
al(β1−)およびGalNAc(β1−3)Gal
(α1−4)Gal(β1−4)Glc(β1−)より
なる群から選択される少なくとも1種のオリゴ糖の反応
性末端に炭素鎖等の疎水性部位を結合して吸着糖鎖リガ
ンドを構成する。
−)、GalNAc(β1−3)Gal(α1−4)G
al(β1−)およびGalNAc(β1−3)Gal
(α1−4)Gal(β1−4)Glc(β1−)より
なる群から選択される少なくとも1種のオリゴ糖の反応
性末端に炭素鎖等の疎水性部位を結合して吸着糖鎖リガ
ンドを構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルボウイルス吸
着糖鎖リガンドおよびパルボウイルス除去装置に関す
る。
着糖鎖リガンドおよびパルボウイルス除去装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血液製剤の製造あるいは輸血等に使用さ
れる献血血液に混入する各種ウイルスの除去には、現
在、膜フィルターが用いられている。しかし、ウイルス
の中でも、パルボウイルスは大変小さく(10nm)、
血液中の有用タンパク質と同程度の大きさであるため、
パルボウイルスを除去し得る孔径の膜フィルターを使用
すると、高分子量のタンパク質の回収率が著しく低下す
る。このため、タンパク質の回収率を低下させないで、
パルボウイルスを膜フィルターで除去することは、事実
上不可能であった。
れる献血血液に混入する各種ウイルスの除去には、現
在、膜フィルターが用いられている。しかし、ウイルス
の中でも、パルボウイルスは大変小さく(10nm)、
血液中の有用タンパク質と同程度の大きさであるため、
パルボウイルスを除去し得る孔径の膜フィルターを使用
すると、高分子量のタンパク質の回収率が著しく低下す
る。このため、タンパク質の回収率を低下させないで、
パルボウイルスを膜フィルターで除去することは、事実
上不可能であった。
【0003】一般に、パルボウイルスは加熱や有機溶媒
に抵抗性が強いことから、血液製剤特に濃縮第VIII因子
製剤の汚染が心配されており、実際、血友病患者の抗B
19ウイルス抗体保有率が正常人や他の血液製剤を受け
た人より有為に高いので現状である。
に抵抗性が強いことから、血液製剤特に濃縮第VIII因子
製剤の汚染が心配されており、実際、血友病患者の抗B
19ウイルス抗体保有率が正常人や他の血液製剤を受け
た人より有為に高いので現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記不都合
を解消して、パルボウイルスを効率的に捕捉することを
目的とする。
を解消して、パルボウイルスを効率的に捕捉することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シアル酸を含
む糖鎖の、各種ウイルスとの親和性を調査する中で、ス
フィンゴ糖脂質であるグロボシドが、パルボウイルスに
対して強い親和力を有するとの知見を得、本発明を完成
するに至った。上記目的を達成するため、本発明は、以
下の構成とする。
む糖鎖の、各種ウイルスとの親和性を調査する中で、ス
フィンゴ糖脂質であるグロボシドが、パルボウイルスに
対して強い親和力を有するとの知見を得、本発明を完成
するに至った。上記目的を達成するため、本発明は、以
下の構成とする。
【0006】本発明のパルボウイルス吸着糖鎖リガンド
は、GalNAc(β1−3)Gal(α1−)、Ga
lNAc(β1−3)Gal(α1−4)Gal(β1
−)およびGalNAc(β1−3)Gal(α1−
4)Gal(β1−4)Glc(β1−)よりなる群か
ら選択される少なくとも1種のオリゴ糖の反応性末端に
疎水性部位(例えば、−CH2 −CH2 −CH2 −)が
結合してなることを特徴とする。また、本発明のパルボ
ウイルス除去装置は、上記リガンドを固定化した支持体
(好ましくは、ゲル状体)をカラムに充填してなること
を特徴とする。
は、GalNAc(β1−3)Gal(α1−)、Ga
lNAc(β1−3)Gal(α1−4)Gal(β1
−)およびGalNAc(β1−3)Gal(α1−
4)Gal(β1−4)Glc(β1−)よりなる群か
ら選択される少なくとも1種のオリゴ糖の反応性末端に
疎水性部位(例えば、−CH2 −CH2 −CH2 −)が
結合してなることを特徴とする。また、本発明のパルボ
ウイルス除去装置は、上記リガンドを固定化した支持体
(好ましくは、ゲル状体)をカラムに充填してなること
を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のリガンドが特異的に吸着するパルボウイル
スは、パルボウイルス科に属するウイルスであり、本発
明のリガンドに含まれる上記各オリゴ糖部位がパルボウ
イルスに特異的に吸着することにより、パルボウイルス
を捕捉することができる。
る。本発明のリガンドが特異的に吸着するパルボウイル
スは、パルボウイルス科に属するウイルスであり、本発
明のリガンドに含まれる上記各オリゴ糖部位がパルボウ
イルスに特異的に吸着することにより、パルボウイルス
を捕捉することができる。
【0008】また、本発明のリガンドを構成するオリゴ
糖は、二糖から四糖へ、糖数が多くなる程吸着能に優
れ、これに疎水性部位を付加することにより、パルボウ
イルスとの親和性が向上する。疎水性部位の構造は、疎
水性を示すものであれば、特に限定されず、直鎖、分岐
鎖等いずれでもよく、また主鎖あるいは側鎖中に酸素、
硫黄、窒素原子を含んでいてもよい。なかでも、前記メ
チレン基が3個以上結合した炭素鎖が好ましい。
糖は、二糖から四糖へ、糖数が多くなる程吸着能に優
れ、これに疎水性部位を付加することにより、パルボウ
イルスとの親和性が向上する。疎水性部位の構造は、疎
水性を示すものであれば、特に限定されず、直鎖、分岐
鎖等いずれでもよく、また主鎖あるいは側鎖中に酸素、
硫黄、窒素原子を含んでいてもよい。なかでも、前記メ
チレン基が3個以上結合した炭素鎖が好ましい。
【0009】本発明にかかるリガントのうち、4糖であ
る場合のリガンドを〔化1〕および〔化2〕に示す。こ
のうち、〔化1〕に示すように、炭素鎖部分は2本鎖で
あっても差し支えない。なお、これらの化学式では、炭
素鎖末端のアミノ基は保護基(化学式中Fmocとして
示す)により安定化した状態で示している。
る場合のリガンドを〔化1〕および〔化2〕に示す。こ
のうち、〔化1〕に示すように、炭素鎖部分は2本鎖で
あっても差し支えない。なお、これらの化学式では、炭
素鎖末端のアミノ基は保護基(化学式中Fmocとして
示す)により安定化した状態で示している。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】本発明のリガンドが固定化される支持体と
しては、セファロース4B(ファルマシア製)、アガロ
ース、カラギーナン等のゲルを挙げることができ、リガ
ンドをこれら支持体に固定化した状態で、カラムあるい
はフィルタの形態で、濾過処理に供することができる。
しては、セファロース4B(ファルマシア製)、アガロ
ース、カラギーナン等のゲルを挙げることができ、リガ
ンドをこれら支持体に固定化した状態で、カラムあるい
はフィルタの形態で、濾過処理に供することができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 カラム調製例1(発明品) セファロース4BのOH基を、図1のように、処理
して、シアノ基を経て、活性化セファロース4Bを得、
これを適当量秤量し、1mMのHCl中で15分間膨潤
させる。 膨潤させて得られたゲルをG3グレードの細孔のグ
ラスフィルター付きブフナーロート上で1mMのHCl
を用いて洗浄する。 所定のリガンドを0.5MのNaClを含む0.1
MのNaCO3 溶液(pH8.3)(以下、カップリン
グバッファー)に溶解する。 のゲルをカップリングバッファーで洗浄後、直ち
にに移し、室温で一晩振とうし、カップリング反応さ
せる。 反応後、ゲルをグラスフィルター上でカップリング
バッファーおよび0.5MのNaClを含む0.1M酢
酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄し、過剰のリ
ガンドを洗い流す。 残りの活性基をブロックするために、ゲルを0.2
Mのグリシン溶液(pH8.0)に移し、室温で4時間
振盪する。 ブロッキング後、ゲルをグラスフィルター上でカッ
プリングバッファーおよび0.5MのNaClを含む
0.1M酢酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄
し、過剰のブロッキング試薬を洗い流す。 保存する場合は、0.1%アジ化ナトリウムを含む
リン酸バッファー中に移し、4℃保存する。 使用時に、これを、カラム(1ml)に充填し、
0.1Mリン酸バッファーで満たす。
明する。 カラム調製例1(発明品) セファロース4BのOH基を、図1のように、処理
して、シアノ基を経て、活性化セファロース4Bを得、
これを適当量秤量し、1mMのHCl中で15分間膨潤
させる。 膨潤させて得られたゲルをG3グレードの細孔のグ
ラスフィルター付きブフナーロート上で1mMのHCl
を用いて洗浄する。 所定のリガンドを0.5MのNaClを含む0.1
MのNaCO3 溶液(pH8.3)(以下、カップリン
グバッファー)に溶解する。 のゲルをカップリングバッファーで洗浄後、直ち
にに移し、室温で一晩振とうし、カップリング反応さ
せる。 反応後、ゲルをグラスフィルター上でカップリング
バッファーおよび0.5MのNaClを含む0.1M酢
酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄し、過剰のリ
ガンドを洗い流す。 残りの活性基をブロックするために、ゲルを0.2
Mのグリシン溶液(pH8.0)に移し、室温で4時間
振盪する。 ブロッキング後、ゲルをグラスフィルター上でカッ
プリングバッファーおよび0.5MのNaClを含む
0.1M酢酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄
し、過剰のブロッキング試薬を洗い流す。 保存する場合は、0.1%アジ化ナトリウムを含む
リン酸バッファー中に移し、4℃保存する。 使用時に、これを、カラム(1ml)に充填し、
0.1Mリン酸バッファーで満たす。
【0014】カラム調製例2(コントロールカラム) 上記と同様に、活性化セファロース4Bを得、これ
を適当量秤量し、1mMのHCl中で15分間膨潤させ
る。 膨潤させて得られたゲルをG3グレードの細孔のグ
ラスフィルター付きブフナーロート上で1mMのHCl
を用いて洗浄する。 活性基をブロックするために、ゲルを0.2Mのグ
リシン溶液(pH8.0)に移し、室温で4時間振とう
する。 ブロッキング後、ゲルをグラスフィルター上でカッ
プリングバッファーおよび0.5MのNaClを含む
0.1M酢酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄
し、過剰のブロッキング試薬を洗い流す。 保存する場合は、0.1%アジ化ナトリウムを含む
リン酸バッファー中に移し、4℃保存する。 使用時に、これを、カラム(1ml)に充填し、
0.1Mリン酸バッファーで満たす。
を適当量秤量し、1mMのHCl中で15分間膨潤させ
る。 膨潤させて得られたゲルをG3グレードの細孔のグ
ラスフィルター付きブフナーロート上で1mMのHCl
を用いて洗浄する。 活性基をブロックするために、ゲルを0.2Mのグ
リシン溶液(pH8.0)に移し、室温で4時間振とう
する。 ブロッキング後、ゲルをグラスフィルター上でカッ
プリングバッファーおよび0.5MのNaClを含む
0.1M酢酸バッファー(pH4.0)で交互に洗浄
し、過剰のブロッキング試薬を洗い流す。 保存する場合は、0.1%アジ化ナトリウムを含む
リン酸バッファー中に移し、4℃保存する。 使用時に、これを、カラム(1ml)に充填し、
0.1Mリン酸バッファーで満たす。
【0015】パルボウイルス濃度の検出法としては、P
CR法(ポリメラーセ連鎖反応)を用い、PCR検討委
員会により平成9年5月8日付けで第2版として発表さ
れた「ウイルス検出のためのPCR標準法」に基づいて
測定した。
CR法(ポリメラーセ連鎖反応)を用い、PCR検討委
員会により平成9年5月8日付けで第2版として発表さ
れた「ウイルス検出のためのPCR標準法」に基づいて
測定した。
【0016】
【実施例】2〜26℃の室温の下で、血漿中にヒト型パ
ルボウイルスB19を108/μlの濃度で含むpH5.
5(pH5.2〜5.6の範囲内に調整)のサンプルを
0.1mlずつ各カラムに流し、溶出液中のウイルス濃
度を測定し、その結果を、表1に記載する。供試カラム
は5本であり、〔化1〕記載のリガンドを結合させたも
のをカラムAとし、〔化2〕記載のリガンドを結合させ
たものをカラムB、また、GalNAc(β1−3)G
al(α1−)を6個のメチレン基よりなる1本鎖に結
合させたリガンドを有するものをカラムC、GalNA
c(β1−3)Gal(α1−4)Gal(β1−)を
6個のメチレン基よりなる1本鎖に結合させたリガンド
を有するものをカラムD、さらに、コントロールカラム
である。
ルボウイルスB19を108/μlの濃度で含むpH5.
5(pH5.2〜5.6の範囲内に調整)のサンプルを
0.1mlずつ各カラムに流し、溶出液中のウイルス濃
度を測定し、その結果を、表1に記載する。供試カラム
は5本であり、〔化1〕記載のリガンドを結合させたも
のをカラムAとし、〔化2〕記載のリガンドを結合させ
たものをカラムB、また、GalNAc(β1−3)G
al(α1−)を6個のメチレン基よりなる1本鎖に結
合させたリガンドを有するものをカラムC、GalNA
c(β1−3)Gal(α1−4)Gal(β1−)を
6個のメチレン基よりなる1本鎖に結合させたリガンド
を有するものをカラムD、さらに、コントロールカラム
である。
【0017】
【表1】
【0018】上記実験結果からわかるように、本発明品
であるカラムA〜Dを使用して濾過した場合には、サン
プル中のパルボウイルス濃度が著しく減少することがわ
かる。なお、本発明にかかる実施例で使用したリガンド
の調整例を以下に示す。
であるカラムA〜Dを使用して濾過した場合には、サン
プル中のパルボウイルス濃度が著しく減少することがわ
かる。なお、本発明にかかる実施例で使用したリガンド
の調整例を以下に示す。
【0019】図2に示す化合物1(300mg、0.2
2μmol)[ 参照:「J.CARBOHYDRATE CHEMISTRY, 15
(2),163-182(1996)]および化合物2(111mg、0.
44μmol)[ 化学式中、Cbzはベンジルオキシカ
ルボニル基を表す] をジクロロメタン(3ml)に溶解
し、これにモレキュラーシーブス4A(AW−300:
300mg)を添加して、室温にて12時間攪拌した。
2μmol)[ 参照:「J.CARBOHYDRATE CHEMISTRY, 15
(2),163-182(1996)]および化合物2(111mg、0.
44μmol)[ 化学式中、Cbzはベンジルオキシカ
ルボニル基を表す] をジクロロメタン(3ml)に溶解
し、これにモレキュラーシーブス4A(AW−300:
300mg)を添加して、室温にて12時間攪拌した。
【0020】その後、7℃に冷却し、トリメチルシリル
トリフルオロメタンスルホン酸塩(9μl:0.44μ
mol)を添加し、引き続き7℃で攪拌した。反応終了
後、固形物を濾別し、クロロホルムで洗浄した。濾液と
洗液は合わせて1MNa2 CO3 、水の順で洗浄し、N
a2 SO 4で乾燥、減圧濃縮した。得られたシラップを
シリカゲルクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒CHC
l3 −MeOH(25:1)にて化合物3(200m
g、収率63%)を得た。
トリフルオロメタンスルホン酸塩(9μl:0.44μ
mol)を添加し、引き続き7℃で攪拌した。反応終了
後、固形物を濾別し、クロロホルムで洗浄した。濾液と
洗液は合わせて1MNa2 CO3 、水の順で洗浄し、N
a2 SO 4で乾燥、減圧濃縮した。得られたシラップを
シリカゲルクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒CHC
l3 −MeOH(25:1)にて化合物3(200m
g、収率63%)を得た。
【0021】化合物3(300mg、0.14μmo
l)をメタノール(3ml)に溶解し、ナトリウムメチ
ラートを加え、室温にて18時間攪拌した。反応終了
後、イオン交換樹脂IR−120(H+ )にて中和し、
固形物を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液と洗液は
合わせて減圧濃縮し、得られたシラップをセファデック
ス(LH−20)に供し、溶出溶媒MeOH−H2 O
(3:2)にて化合物4(120mg、収率93%)を
得た。
l)をメタノール(3ml)に溶解し、ナトリウムメチ
ラートを加え、室温にて18時間攪拌した。反応終了
後、イオン交換樹脂IR−120(H+ )にて中和し、
固形物を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液と洗液は
合わせて減圧濃縮し、得られたシラップをセファデック
ス(LH−20)に供し、溶出溶媒MeOH−H2 O
(3:2)にて化合物4(120mg、収率93%)を
得た。
【0022】化合物4(90mg、0.10μmol)
をメタノール(10ml)に溶解し、水酸化パラジウム
20重量%(90mg)を加えた後、水素ガスを吹き込
み、室温にて15時間攪拌した。反応終了後、固形物を
濾別し、メタノールで洗浄した。濾液と洗液は合わせて
減圧濃縮し、得られたシラップをアセトニトリル/ジメ
チルスルホキシド(3ml/2ml)混合溶媒に溶解
し、炭酸9−フルオレニルメチルスクシンイミジル(3
3mg、0.10μmol)を加え、室温にて15時間
攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、得られたシラップ
をセファデックス(LH−20)に供し、溶出溶媒Me
OHにて〔化2〕に示すリガンド(95mg、収率96
%)を得た。
をメタノール(10ml)に溶解し、水酸化パラジウム
20重量%(90mg)を加えた後、水素ガスを吹き込
み、室温にて15時間攪拌した。反応終了後、固形物を
濾別し、メタノールで洗浄した。濾液と洗液は合わせて
減圧濃縮し、得られたシラップをアセトニトリル/ジメ
チルスルホキシド(3ml/2ml)混合溶媒に溶解
し、炭酸9−フルオレニルメチルスクシンイミジル(3
3mg、0.10μmol)を加え、室温にて15時間
攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、得られたシラップ
をセファデックス(LH−20)に供し、溶出溶媒Me
OHにて〔化2〕に示すリガンド(95mg、収率96
%)を得た。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
血液中等から、パルボウイルスを特異的に吸着して除去
することができるので、血液製剤の製造および輸血にお
ける安全性を高めるのに、非常に効果的である。
血液中等から、パルボウイルスを特異的に吸着して除去
することができるので、血液製剤の製造および輸血にお
ける安全性を高めるのに、非常に効果的である。
【図1】セファロース4Bを活性化処理する工程を示す
図である。
図である。
【図2】本発明にかかるリガンド調製時の出発化合物と
中間化合物の構造を示す図である。
中間化合物の構造を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 定美 北海道札幌市南区真駒内上町5丁目6−3 北海道赤十字血液センター内 (72)発明者 木曽 真 岐阜県本巣群本巣町文殊57−47 (72)発明者 石田 秀治 岐阜県岐阜市光町2丁目2番地 Fターム(参考) 4C057 BB04 CC03 DD01 HH03 JJ09 4C077 AA12 BB03 KK13 MM04 MM06 NN15 PP28 4D017 AA11 BA20 CA12 CB10 DA01 4G066 AC01A AC01B BA28 CA56 DA12
Claims (4)
- 【請求項1】GalNAc(β1−3)Gal(α1
−)、GalNAc(β1−3)Gal(α1−4)G
al(β1−)およびGalNAc(β1−3)Gal
(α1−4)Gal(β1−4)Glc(β1−)より
なる群から選択される少なくとも1種のオリゴ糖の反応
性末端に疎水性部位を結合してなることを特徴とするパ
ルボウイルス吸着糖鎖リガンド。 - 【請求項2】前記疎水性部位が、3以上のメチレン基が
結合した炭素鎖であることを特徴とする請求項1記載の
パルボウイルス吸着糖鎖リガンド。 - 【請求項3】請求項1または2記載のリガンドを固定化
した支持体をカラムに充填してなることを特徴とするパ
ルボウイルス除去装置。 - 【請求項4】前記支持体がゲル状体であることを特徴と
する請求項3記載のパルボウイルス除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251220A JP2000086688A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | パルボウイルス吸着糖鎖リガンドおよびこれを利用したパルボウイルス除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251220A JP2000086688A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | パルボウイルス吸着糖鎖リガンドおよびこれを利用したパルボウイルス除去装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000086688A true JP2000086688A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17219498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10251220A Withdrawn JP2000086688A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | パルボウイルス吸着糖鎖リガンドおよびこれを利用したパルボウイルス除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000086688A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011032206A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | Ssea系新規糖鎖化合物 |
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