JP2000086567A - ケトン類の製造法 - Google Patents

ケトン類の製造法

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JP2000086567A JP10250526A JP25052698A JP2000086567A JP 2000086567 A JP2000086567 A JP 2000086567A JP 10250526 A JP10250526 A JP 10250526A JP 25052698 A JP25052698 A JP 25052698A JP 2000086567 A JP2000086567 A JP 2000086567A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は有機基を示し、R2 及びR3 は水素原子
又は有機基を示し、R2が水素原子のときR3 は水素原
子又は置換基を有していてもよいアシル基である〕で表
されるエポキシド類に次式(2) 【化2】M(tap)SO3CF3 (2) 〔式中、Mは遷移金属原子を示し、tapはテトラアリ
ールポルフィリンを示す〕で表されるテトラアリールポ
ルフィリントリフルオロメタンスルホネート遷移金属錯
体を反応させることを特徴とする一般式(3) 【化3】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ〕で表される
ケトン類の製造法。 【効果】 位置選択的に効率よくケトン類を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケトン類の製造法に
関し、詳細にはエポキシド類から位置選択的にしかも効
率よくケトン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シド類のカルボニル化合物への異性化反応は重要な反応
の一つであり、これまでにもこの反応に関する報告が多
くなされている。しかし、これらの報告はフェニルエポ
キシド誘導体等の比較的高い反応性を有するエポキシド
を基質とする場合がほとんどであり、一置換アルキルエ
ポキシドのように活性の低いエポキシド類の異性化反応
についての報告は少ない。特に位置選択的な異性化反応
については、一置換アルキルエポキシドからアルデヒド
への反応試薬として、強塩基であるリチウム2,2,
6,6−テトラメチルピペリジド(LiTMP)や、遷
移金属錯体触媒であるNiBr2(PPh32などが、
またケトン類への異性化反応についてはSm試薬、Pd
錯体等の金属試薬が知られているに過ぎない。しかもこ
れらの試薬を用いた反応は、基質に対して2.5〜5当
量もの反応剤を必要とするなど効率や安全性の点で満足
のいくものではなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者はケトン類の新
たな製造法を見出すべく鋭意研究を行った結果、下記一
般式(1)で表されるエポキシド類に、テトラアリール
ポルフィリントリフルオロメタンスルホネート遷移金属
錯体を反応させれば、位置選択性が極めて高く、しかも
効率よくケトン類が製造できることを見出し、本発明を
完成した。
【0004】すなわち本発明は、一般式(1)
【0005】
【化4】
【0006】〔式中、R1 は有機基を示し、R2 及びR
3 は水素原子又は有機基を示し、R2が水素原子のとき
3 は水素原子又は置換基を有していてもよいアシル基
である〕で表されるエポキシド類に次式(2)
【0007】
【化5】M(tap)SO3CF3 (2)
【0008】〔式中、Mは遷移金属原子を示し、tap
はテトラアリールポルフィリンを示す〕で表されるテト
ラアリールポルフィリントリフルオロメタンスルホネー
ト遷移金属錯体を反応させることを特徴とする一般式
(3)
【0009】
【化6】
【0010】〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同
じ〕で表されるケトン類の製造法を提供するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表されるエポ
キシド類において、R1 、R2 及びR3 で示される有機
基としては、置換基を有していてもよい炭化水素基、複
素環式基、1若しくは2以上のヘテロ原子を含む官能基
を有する炭化水素基、又はこれらの基が結合した基等が
挙げられる。ここで炭化水素基としては飽和又は不飽和
の炭化水素基が挙げられ、脂肪族基及び芳香族基のいず
れも含む。また複素環式基としては、飽和又は不飽和の
複素環が挙げられる。1若しくは2以上のヘテロ原子を
含む官能基を有する炭化水素基としては、エーテル結
合、カルボニル基、アミノ基、チオエーテル結合、チオ
カルボニル基、エステル結合、アミド結合、カルボキシ
ル基等の官能基を含む炭化水素基が挙げられる。また、
これらの基の置換基としてはハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基等が挙げられる。これらの基の中でも置換基を
有していてもよいアルキル基、アルケニル基、芳香族
基、アラルキル基、又はアシル基が特に好ましい。
【0012】なお、上記一般式(1)において、R2
水素原子の場合、R3 は水素原子又は置換基を有してい
てもよいアシル基を示すが、かかるアシル基としてはア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアルカノイ
ル基、ベンゾイル基等のアロイル基が挙げられる。
【0013】本発明で用いられるテトラアリルーポルフ
ィリントリフルオロメタンスルホネート遷移金属錯体
は、前記一般式(2)で表されるが、式(2)中Mで表
される遷移金属原子としてはクロム、マンガン、鉄が挙
げられるが、鉄が特に好ましい。更に式(2)中、ta
pで表されるテトラアリールポルフィリンとしては、市
販で安価なテトラフェニルポルフィリン(tpp)が好
ましいが、その限りではない。
【0014】テトラアリールポルフィリントリフルオロ
メタンスルホネート遷移金属錯体(2)の製造法として
は、公知の方法、例えば文献(ARDEN D.BOE
RSMA and HAROLD M.GOFF,In
org.Chem.,21,581(1982))記載
の方法又はこれに準じた方法により製造することができ
る。
【0015】本発明の製造法を実施するには、溶媒中、
エポキシド類(1)1モルに対し、触媒量、好ましくは
0.001〜0.01モルのテトラアリールポルフィリ
ントリフルオロメタンスルホネート遷移金属錯体(2)
を加え、加熱還流下反応させればよい。
【0016】反応溶媒としては、例えば1,2−ジクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素;1,4−ジオキサン等のエーテル
類等が挙げられるが、反応時間及び目的とする化合物の
収率の観点から特に1,4−ジオキサンを用いるのが好
ましい。
【0017】反応終了後に反応混合物から目的化合物
(3)を単離するには、通常の操作、例えば再結晶、蒸
留、抽出、各種クロマトグラフィー等を行えばよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、エポキシド類より位置
選択性が極めて高く、しかも効率よく一般式(3)の構
造のケトン類を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
【0020】参考例1 Fe(tpp)SO3CF3の合成 THF(25ml)にFe(tpp)Cl(250mg,
0.36mmol)を溶解し、この溶液にAgSO3CF
3(112mg,1.2eq.)を一度に加えた。この反
応液を2時間還流した後、室温に戻し、濾過により、灰
色析出物(AgCl)を除去した。濾液にn−ヘキサン
を加え、数十時間放置後沈殿物を濾取し、CH 2Cl2
n−ヘキサンにより再結晶することで、Fe(tpp)
SO3CF3を得た。
【0021】元素分析(C45H28F3SFeN4O3として) 計算値 C,66.10; H,3.45; N,6.85. 分析値 C,66.00; H,3.58; N,6.94. λmax(CH2Cl2):671nm(ε2.4×103), 583nm(2.5×103),5
15nm(1.2×104), 399nm(1.1×105).
【0022】参考例2 4−フェニル−1,2−エポキシブタン(1−1e)の
合成 4−フェニル−1−ブテン(10mmol)の塩化メチレン
溶液(20ml)に、氷冷下、m−CPBA(2.48
g,11mmol)の塩化メチレン溶液を滴下し、室温で3
時間攪拌した。反応液を飽和NaHSO3水溶液、10
%NaOH水溶液、飽和NaHCO3水溶液、飽和Na
Cl水溶液で洗浄し、有機層を分取し無水MgSO4
乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3
0)で精製することにより4−フェニル−1,2−エポ
キシブタン(1−1e)を得た。
【0023】4−フェニル−1,2−エポキシブタン
(1−1e):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ: 7.15-7.31(5H,m,aromatic H), 2.91(1H,dd,J=2.64,7.26
Hz,trans-CH2 -O),2.67-2.83(1H,m,CHCH2CH2Ph), 2.70(2
H,t,J=4.5Hz,CH2 Ph),2.43(1H,dd,J=2.64,4.95Hz,cis-CH
2 -O),1.78-1.88(2H,m,CH2 CH2Ph).
【0024】実施例1 Fe(tpp)SO3CF3による一置換アルキルエポキ
シド(1−1)の異性化反応 1,2−エポキシデカン(1−1a)(0.1g,0.
64mmol)の1,4−ジオキサン溶液(3ml)にFe
(tpp)SO3CF3(12.8μmol,2mol%)を加
え、還流下、原料が消失するまで攪拌した。反応終了
後、反応液を室温に戻し、溶媒を減圧留去して得られた
残渣をフロリジルカラム(酢酸エチル)により精製して
デシルアルデヒド(3−1a)を得た。同様に、表1に
示す化合物(1−1b)−(1−1f)から(3−1
b)−(3−1f)を得た。結果を表1に示した。
【0025】デシルアルデヒド(3−1a):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ: 9.76(1H,t,J=1.32Hz,CHO), 2.42(2H,t,J=7.26Hz,CH2C
O),1.63(2H,m,CH2 CH2CO), 1.20-1.38(12H,m,CH2), 0.88(3H,t,J=6.60Hz,CH3);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:14.11, 22.12, 22.70, 29.
22, 29.29, 29.42, 31.90, 43.94, 202.66.
【0026】テトラデシルアルデヒド(3−1b):o
il;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ: 9.76(1H,t,J=1.65Hz,CHO), 2.41(2H,t,J=7.26Hz,CH2C
O), 1.63(2H,m,CH2CH2CO), 1.20-1.38(20H,m,CH2), 0.88(3
H,t,J=6.43Hz,CH3);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ: 14.14, 22.14, 22.73, 29.22, 29.42, 29.49, 29.70, 3
1.99, 43.95 and202.78.
【0027】9−デセンアルデヒド(3−1c):oi
l;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ: 9.75(1H,t,J=1.65Hz,CHO), 5.81(1H,ddt,J=16.99,6.60,
6.93Hz,CH=CH2),4.98(1H,d of m,J=16.99Hz,CH=CH2 ),
4.92(1H,d of m,J=11.88Hz,CH=CH2 ),2.41(2H,t,J=7.26H
z,CH2CO), 2.04(2H,dt,J=6.6,6.93Hz,CH2 CH=CH2),1.63
(2H,m,CH2 CH2CO), 1.23-1.45(8H,m,CH2);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:22.07, 28.84, 28.88, 29.
13, 29.20, 33.75, 43.88, 114.28, 138.94,202.55.
【0028】3−フェニルプロピルアルデヒド(3−1
d):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:9.78(1H,s,CHO), 7.15-7.31
(5H,m,aromatic H),2.93(2H,t,J=7.26Hz,CH2CO), 2.74
(2H,t,J=7.43Hz,CH2 Ph);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:28.09, 45.23, 126.27, 12
8.26, 128.59, 140.34, 201.47.
【0029】4−フェニルブチルアルデヒド(3−1
e):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:9.72(1H,s,CHO), 7.15-7.31
(5H,m,aromatic H),2.63(2H,t,J=7.43Hz,CH2CO), 2.42
(2H,t,J=6.60Hz,CH2 Ph),1.94(2H,m,CH2 CH2CO);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:23.63, 34.97, 43.09, 12
6.07, 128.44, 141.20, 202.21.
【0030】1,8−ジオクタナール(3−1f):o
il;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:9.77(2H,t,J=1.65Hz,CHO),
2.44(4H,dt,J=1.65,7.26Hz,CH2CO),1.63(4H,m,CH2 CH2C
O), 1.30-1.41(4H,m,CH2);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:21.82, 28.88, 43.77, 20
2.57.
【0031】
【表1】
【0032】なお、炭素鎖の両端にエポキシ基を有する
ジエポキシアルカン(1−1f)の反応生成物としては
次に示す3つの化合物(5)、(6)及び(7)が考え
られるが、分子内にケトンとアルデヒドを併せ持つ化合
物(7)については1H-NMRにおいて確認されなかった。
【0033】
【化7】
【0034】参考例3 trans−3,4−エポキシ−2−デカノン(1−2
g)の合成 trans−3−デセン−2−オン(3.09g,20
mmol)のメタノール溶液(40ml)に、氷冷下において
30%H22(6ml)と2N−NaOH(6ml)を滴下
し、室温に戻し原料が消失するまで攪拌した。反応液を
飽和NH4Cl溶液で中和し、エーテルで抽出後、有機
層を分取し無水MgSO4で乾燥した。溶媒を留去して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/30)で精製するこ
とによりtrans−3,4−エポキシ−2−デカノン
(1−2g)を得た。
【0035】trans−3,4−エポキシ−2−デカ
ノン(1−2g):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:3.17(1H,d,J=1.98Hz,CHCO),
3.08(1H,dt,J=1.98,5.28Hz,CH2CH-O),2.05(3H,s,CH3C
O), 1.62(2H,m,CH2 CH-O), 1.25-1.48(8H,m,CH2),0.89(3
H,t,J=6.60Hz,CH3).
【0036】参考例4 α,β−エポキシケトン(1−2h)、(1−2i)、
(1−2j)の合成デシルアルデヒド(0.78g,5
mmol)のトルエン溶液を還流し、そこに、1−トリフェ
ニルフォスフォラニリデン−2−プロパノン(1.59
g,5mmol)を一気に加え、原料が消失するまで攪拌し
た。反応液を室温に戻した後、析出したフォスフィンオ
キシドを取り除き、溶媒を留去して得られた残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン
=1/30)で精製することによりtrans−3−ト
リデセン−2−オンを得た。これを、参考例3と同様に
22によりエポキシ化することで(1−2h)を得
た。同様に10−ウンデセン−1−アールから(1−2
i)を、3−フェニル−1−プロパナールから(1−2
j)を得た。
【0037】trans−3,4−エポキシ−2−トリ
デカノン(1−2h):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:3.18(1H,d,J=1.98Hz,CHCO),
3.07(1H,dt,J=1.98,5.45Hz,CH2CH-O),2.08(3H,s,CH3C
O), 1.57-1.67(2H,m,CH2 CH-O), 1.18-1.40(12H,m,CH2),
0.88(3H,t,J=6.76Hz,CH2CH3 ).
【0038】trans−13−テトラデセン−3,4
−エポキシ−2−オン(1−2i):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:5.81(1H,ddt,J=17.08,6.60,
6.93Hz,CH=CH2),4.98(1H,d of m,J=17.08Hz,CH=CH2 ),
4.93(1H,d of m,J=11.80Hz,CH=CH2 ),3.18(1H,d,J=1.98H
z,CHCO), 3.07(1H,dt,J=1.98,5.61Hz,CH2CH-O),2.06(3
H,s,CH3CO), 2.04(2H,m,CH2 CH=CH2), 1.61(2H,m,CH2 CH-
O),1.30-1.50(12H,m,CH2).
【0039】trans−6−フェニル−3,4−エポ
キシ−2−ヘキサオン(1−2j):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:7.15-7.32(5H,m,aromatic
H), 3.15(1H,d,J=1.98Hz,CHCO),3.07(1H,dt,J=1.98,5.6
1Hz,CH2CH-O), 2.77(2H,m,CH2 Ph),1.98(3H,s,CH3CO),
1.93(2H,m,CH2 CH2Ph).
【0040】参考例5 α,β−エポキシケトン(1−2k)の合成 trans−2−ヘキセナールジエチルアセタール
(3.45g,20mmol)のn−ヘキサン溶液(40m
l)を還流し、この溶液にベンゾトリアゾール(3.5
7g,30mmol)を一気に加え、原料が消失するまで攪
拌した。反応液をエーテルで希釈し、飽和Na2CO3
溶液で洗浄後、有機層を分取し無水MgSO4で乾燥し
た。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/20)で
精製することにより1−(ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1−エトキシ−2−ヘキセンを得た。次に、得ら
れた1−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1−エト
キシ−2−ヘキセン(1.27g,5mmol)を無水TH
F(50ml)に溶解し、−78℃において、n−ブチル
リチウムのn−ヘキサン溶液(1.58M,5mmol)を
滴下した。更に、30分後、ブロモオクタン(0.96
ml,5.5mmol)を滴下し、原料が消失するまで攪拌し
た。反応液をエーテルで希釈し、飽和Na2CO3水溶液
で洗浄後、有機層を分取し無水MgSO4で乾燥した。
溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/20)で精製
することにより得られたエノンを参考例3と同様にH2
2を用いてエポキシ化することで(1−2k)を得
た。
【0041】trans−4,5−エポキシ−6−テト
ラデカノン(1−2k):oil; 1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:3.20(1H,d,J=1.98Hz,CHCO),
3.04(1H,m,CH2CH-O),2.21-2.49(2H,m,CH2CO), 1.41-1.6
8(6H,m,CH2 CHCO,CH2 CH2 CH-O),1.22-1.33(10H,m,CH2),
0.98(3H,t,J=7.26Hz,CH3),0.88(3H,t,J=6.60Hz,CH3).
【0042】実施例2 Fe(tpp)SO3CF3によるα,β−エポキシケト
ン(1−2)の異性化反応 trans−3,4−エポキシ−2−デカノン(1−2
g)(0.1g,0.59mmol)のジオキサン溶液(3
ml)にFe(tpp)SO3CF3(11.8μmol,2m
ol%)を加え、還流下、原料が消失するまで攪拌した。
反応液を室温に戻し、溶媒を減圧留去し、フロリジルカ
ラム(酢酸エチル)により触媒を除去した後、溶媒を減
圧留去し化合物1,2−ジケトン(3−2g)を得た。
同様に、表2に示す化合物(1−2h)−(1−2k)
から(3−2h)−(3−2k)を得た。結果を表2に
示した。
【0043】2,3−デカンジオン(3−2g):oi
l; IR(neat) 1700cm-11 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:2.73(2H,t,J=7.43Hz,CH2CO),
2.33(3H,s,CH3CO),1.58(2H,m,CH2 CH2CO), 1.18-1.35(8
H,m,CH2), 0.88(3H,t,J=6.60Hz,CH3);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:14.05, 22.59, 23.09, 23.
70, 29.00, 29.11, 31.64, 35.71, 197.55,199.48. MS:170(M+,5.7), 127(69.1), 113(3.9), 109(9.1), 97
(2.7), 85(3.7),67(5.4), 57(100.0), 43(33.5). Exact mass Calcd.for C10H18O2:170.1307. Found:170.1312
【0044】2,3−トリデカンジオン(3−2h):
oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:2.73(2H,t,J=7.26Hz,CH2CO),
2.33(3H,s,CH3CO), 1.58(2H,m,CH2 CH2CO),1.18-1.35(1
4H,m,CH2), 0.88(3H,t,J=6.40Hz,CH3);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:14.12, 22.71, 23.11, 23.
74, 29.18, 29.34, 29.47, 29.58, 31.93,35.76, 197.6
2, 199.55. Exact mass Calcd.for C13H24O2: 212.1776. Found:212.1775
【0045】13−テトラデセン−2,3−ジオン(3
−2i):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:5.81(1H,ddt,J=16.99,6.60,
6.93Hz,CH=CH2),4.98(1H,d of m,J=16.99Hz,CH=CH2 ),
4.92(1H,d of m,J=11.88Hz,CH=CH2 ),2.73(2H,t,J=7.26H
z,CH2CO), 2.33(3H,s,CH3CO),2.04(2H,dt,J=7.1,6.93H
z,CH2 CH=CH2), 1.58(2H,m,CH2 CH2CO),1.23-1.40(12H,m,
CH2);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:23.07, 23.76, 28.93, 29.
13, 29.33, 29.38, 29.42, 33.80, 35.74,114.14, 139.
21, 197.66, 199.57. Exact mass Calcd.for C14H24O2:224.1776. Found:224.1777
【0046】6−フェニル−2,3−ヘキサンジオン
(3−2j):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:7.15-7.31(5H,m,aromatic
H), 2.75(2H,t,J=7.26Hz,CH2CO),2.64(2H,t,J=7.59Hz,C
H2 Ph), 2.29(3H,s,CH3CO), 1.93(2H,m,CH2 CH2Ph);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:23.65, 24.64, 35.04, 12
6.09, 128.46, 128.50, 141.26, 197.37,199.06. Exact mass Calcd.for C12H14O2:190.0994. Found:190.0996
【0047】5,6−テトラデカンジオン(3−2
k):oil;1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ:2.73(4H,t,J=7.26Hz,CH2CO),
1.58(4H,m,CH2 CH2CO),1.21-1.41(12H,m,CH2), 0.92(3
H,t,J=7.26Hz,CH3),0.88(3H,t,J=6.60Hz,CH3);13 C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ:13.82, 14.11, 22.32, 22.
68, 23.11, 25.19, 29.13, 29.18, 29.34,31.84, 35.8
1, 36.12, 200.18.
【0048】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/20 C07C 49/20 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA15 BA27A BC29A BC29B BC58B BC62B BC66B BE21A BE26A BE34A CB19 4H006 AA02 AC44 BA14 BA16 BA19 BA46 4H039 CA62 CJ10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は有機基を示し、R2 及びR3 は水素原子
    又は有機基を示し、R2が水素原子のときR3 は水素原
    子又は置換基を有していてもよいアシル基である〕で表
    されるエポキシド類に次式(2) 【化2】M(tap)SO3CF3 (2) 〔式中、Mは遷移金属原子を示し、tapはテトラアリ
    ールポルフィリンを示す〕で表されるテトラアリールポ
    ルフィリントリフルオロメタンスルホネート遷移金属錯
    体を反応させることを特徴とする一般式(3) 【化3】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ〕で表される
    ケトン類の製造法。
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