JP2000085016A - 電気融着継手の通電異常検知装置 - Google Patents

電気融着継手の通電異常検知装置

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JP2000085016A
JP2000085016A JP10256813A JP25681398A JP2000085016A JP 2000085016 A JP2000085016 A JP 2000085016A JP 10256813 A JP10256813 A JP 10256813A JP 25681398 A JP25681398 A JP 25681398A JP 2000085016 A JP2000085016 A JP 2000085016A
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直子 水田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短絡ポイントが電流値や電圧値の測定期間のは
ざまにあっても、電流値や電圧値の変化を正しく測定可
能として、通電異常の状態を正確に検知する。 【解決手段】融着中のワイヤ9からの出力電圧値及び出
力電流値を一定の時間間隔で随時測定する電圧/電流測
定部2と、測定された出力電圧値及び出力電流値を、今
回測定分を含め少なくとも前々回の測定分まで保存する
記憶部3と、記憶部3に保存されている今回測定分の保
存値と、前々回測定分の保存値とを比較してその変化率
を算出し、その変化率が予め設定された基準値を超えて
いる場合には異常と判定する判定部4とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隣接する合成樹脂
部材の端部同士を融着継手によって接続し、この融着継
手に内装された電熱線に通電して両合成樹脂部材の端部
同士を融着する融着継手に係り、より詳細には、電気融
着継手に内装されている電熱線の短絡等による通電異常
を検知する通電異常検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック管材の接合に用いられる電
気融着継手(例えば、EF継手)には、熱による接合を
行うために、電気融着継手の内部に加熱用の電熱線(ワ
イヤ)が組み込まれている。プラスチック管材の端部同
士を融着させるときには、このワイヤに電流を流し、ワ
イヤ周辺の管材料を溶かして融着を行う。
【0003】このとき、融着時に溶ける管材料の流れに
よっては、ワイヤも流され、巻かれている隣のワイヤと
接触し、短絡を生じることがある。この場合、融着に必
要な電流量が流せなくなり、正しい融着ができなくなる
といった問題が発生する。
【0004】そこで、融着中の電流値を監視し、ワイヤ
の短絡による電流の異常増加を検知することで、ワイヤ
の短絡による異常状態を発見するといった方法が提案さ
れている(例えば、特公平6−55441号公報参
照)。
【0005】この方法は、一定時間ごとに電流値を測定
し、直前に測定した電流値と比較することによって電流
の増加を検知し、その比較結果がある基準値を超えたと
きに異常とみなす方法である。
【0006】異常と判定する基準値は、電気融着継手に
巻かれたワイヤの巻き数に依存する。例えば、30回巻
かれたワイヤのうち、1箇所の部分で隣接するワイヤが
短絡した場合、電流値は3%増加するので、基準値は3
%となる。
【0007】ここで、比較に用いる電流値をあるタイミ
ングの瞬時値で行おうとすると、ノイズなどの影響によ
り正しい異常検知が行えない可能性があるので、不要な
ノイズを除去するか、瞬時的な変動をキャンセルするよ
うにして、電流値を測定する必要がある。この電流測定
方法には、フィルタ処理を施した後、A/D変換した値
を測定値とする方法や、A/D変換した値を複数個用
い、ソフトウエア処理によって平均した値を測定値とす
る方法などがある。これらは全て、ある期間の瞬時電流
値を平均化した値を用いていることになる。そして、こ
の平均化された値を常に測定し、基準値と比較して、そ
の変化から通電異常を検知している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、通電
異常を検知する従来の方法は、融着中の電流値を正しく
測定するために、ある期間で平均化された電流値を用
い、前回測定値と今回測定値とを比較した結果が基準値
を超えているかどうかで、異常の判断を行っている。
【0009】しかしながら、従来の通電異常検知方法で
は、測定期間のとり方によって、異常の変化が正確に捉
えられない場合がある。例えば、電流値が100から1
05に5%変化した場合、その変化ポイントが例えば測
定期間の真ん中にあった場合には、その期間内の電流値
を平均すると5%であるはずの変化量が、前後の測定期
間に二分される形となって、2.5%と計算されてしま
うことになる。つまり、前の測定期間でも2.5%、そ
の後の測定期間でも2.5%と計算されてしまうため、
基準値の3%を超えることがないので、本来短絡してい
るにも関わらず、短絡していないと判断してしまうこと
になる。また、後の測定期間で5%と測定されたとして
も、前の測定期間との比較(102.5との比較)によ
って2.5%の変化率としかみなされず、この場合も短
絡していないと判断してしまうことになる。
【0010】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、融着中の電流値の変化を正しく
測定することにより、通電異常の状態を正確に検知する
ことのできる電気融着継手の通電異常検知装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載の電気融着継手の通電異常
検知装置は、隣接する合成樹脂部材の端部同士を融着継
手によって接続し、この融着継手に内装された電熱線に
通電して両合成樹脂部材の端部同士を融着する電気融着
継手の通電異常検知装置であって、融着中の電熱線から
の出力電圧値及び出力電流値を一定の時間間隔で随時測
定する測定手段と、測定された出力電圧値及び出力電流
値を、今回測定分を含め少なくとも前々回の測定分まで
保存する保存手段と、測定手段による測定タイミング
で、保存手段に保存されている今回測定分の保存値と、
前々回測定分の保存値とを比較してその変化率を算出
し、その変化率が予め設定された基準値を超えている場
合には異常と判定する判定手段とを備えた構成としてい
る。
【0012】また、本発明の請求項2に記載の電気融着
継手の通電異常検知装置は、請求項1に記載のものにお
いて、判定手段は、測定手段による測定タイミングで、
保存手段に保存されている今回測定分の電圧値及び電流
値から算出した抵抗値と、前々回測定分の電圧値及び電
流値から算出した抵抗値とを比較してその変化率を算出
し、その変化率が予め設定された基準値を超えている場
合には異常と判定するものである。
【0013】また、本発明の請求項3に記載の電気融着
継手の通電異常検知装置は、請求項1又は2に記載のも
のにおいて、判定手段によって初めて異常と判定された
ときに異常検知を開始するとともに、そのときに判定手
段により算出された変化率の値を記憶手段に記憶し、次
の判定タイミングで判定手段により算出された変化率の
値と記憶手段に記憶された前回の変化率の値とを比較
し、大きい方の値を異常判断値として記憶手段に記憶さ
せる異常検知処理手段を備えた構成としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明に係わる電気融着継手の通
電異常検知装置のシステム構成図である。ただし、本実
施の形態では、通電異常検知装置を電気融着装置とは別
体として図示しているが、通電異常検知装置が電気融着
装置の内部に組み込まれていてもよいことは当然であ
る。
【0016】電気融着装置11の内部には、融着継手8
に対して電源を供給する電源供給部が設けられており、
この電源供給部から導出された出力ケーブル12の先端
部に設けられたコネクタ7a,7bが、融着継手8の端
子8a,8bにそれぞれ接続されるようになっている。
【0017】融着継手8は、プラスチック管のようなパ
イプ部材(水道管やガス管等)15,15の端部同士を
接続するために、円筒形状に形成されており、その内周
部に、電熱線(ワイヤ)9が螺旋状に巻回された状態で
埋設されている。そして、このワイヤ9の両端部が融着
継手8の端子8a,8bにそれぞれ接続された構造とな
っている。
【0018】本実施の形態の通電異常検知装置は、任意
の時間を計測するタイマー部1と、融着継手8に埋設さ
れたワイヤ9からの出力電圧値及び出力電流値を一定の
時間間隔で随時測定する電流/電圧測定部2と、測定さ
れた出力電圧値及び出力電流値を、今回測定分を含め少
なくとも前々回の測定分まで記憶する記憶部(保存手
段)3と、電圧/電流測定部2による測定タイミング
で、記憶部3に記憶されている今回測定分の保存値と前
々回測定分の保存値とを比較してその変化率を算出し、
その変化率が予め設定された基準値を超えている場合に
は異常と判定する判定部4とを備えており、これらタイ
マー部1、電流/電圧測定部2、記憶部3、判定部4
は、通電異常検知装置全体の動作制御を行うマイコン5
とそれぞれ双方向に接続されている。また、マイコン5
と電気融着装置11の図示しないコントローラも双方向
の接続となっており、電源融着装置11からのオン/オ
フ信号等に基づいて、異常検知の開始、終了といった動
作制御を管理するようになっている。
【0019】判定部4は、電流/電圧測定部2による測
定タイミングで、記憶部3に記憶されている今回測定分
の電圧値及び電流値から算出した抵抗値と、前々回測定
分の電圧値及び電流値から算出した抵抗値とを比較して
その変化率を算出し、その変化率の値が予め設定された
基準値を超えている場合には異常と判定する。
【0020】マイコン15は、判定部4によって初めて
異常と判定されたときに異常検知を開始するとともに、
そのときに判定部4により算出された変化率の値を記憶
部3に記憶し、次の判定タイミングで判定部4により算
出された変化率の値と記憶部3に記憶された前回の変化
率の値とを比較し、大きい方の値を異常判断値として記
憶部3に記憶させる制御を行う。すなわち、請求項3に
記載の異常検知処理手段は、マイコン5によって実現さ
れている。
【0021】次に、上記構成の通電異常検知装置の異常
検知動作について、図4に示すフローチャートを参照し
て説明する。ただし、本実施の形態では、以下の条件で
異常検知動作を行うものとする。
【0022】すなわち、電流/電圧測定部2による融着
中の電流、電圧の測定タイミングを1秒ごととし、1秒
間の平均値をそれぞれの測定値とする。平均値をとるの
は、ノイズ等の突発的変化の影響を除去するためであ
る。
【0023】また、記憶部3には、今回測定分を含め前
々回の測定分までの3回分の測定データを記憶するもの
とする。すなわち、新たな測定データを記憶するとき
に、最も古い測定データを削除することによって、常に
最新の3回分の測定データを記憶するようになってい
る。
【0024】また、判定部4では、記憶部3に記憶され
ている電圧値及び電流値から算出した抵抗値を用いて判
定を行う。そのため、基準値も抵抗値換算となってい
る。抵抗値を使用するのは、ワイヤ抵抗の熱による変化
に伴い、電流及び電圧が微妙に変化することが予想され
るので、その変化を打ち消すために抵抗値換算で行うも
のである。そのため、本実施の形態では、異常を判断す
る条件として、抵抗変化率が基準値を超えたい否かで行
うものとする。基準値の決定方法としては、融着不良と
なるワイヤ9の短絡本数と、融着継手8のワイヤ9の巻
き数とから算出できる。例えば、巻き数が30で短絡限
界数が1本の場合には、1/30×100=3(%)と
なる。本実施の形態では、この例(3%)を基準値とす
る。
【0025】また、融着開始直後は電流が急激に増加す
るため、融着開始直後の一定時間は検知動作を行わない
ようにしている。以上の条件で検知動作を行う。
【0026】ところで、融着継手8に埋設されたワイヤ
9に流れる電流と融着時間との関係は、正常な融着時に
は図2に示すようなカーブを描くのが一般的である。し
かしながら、融着継手8内部で隣接するワイヤ9同士が
接触し、短絡した場合には、図3に示すようなカーブを
描くことになる。すなわち、短絡ポイントで電流が増加
する。以下の説明では、この図3に示すグラフも参照し
て説明する。
【0027】まず、融着継手8にパイプ部材15,15
の端部を挿入し、電気融着装置11の出力ケーブル12
の先端部に設けられたコネクタ7a,7bを、融着継手
8の端子8a,8bにそれぞれ接続する。この状態で、
図示しない電源スイッチをオンし、電源供給部から融着
継手8のワイヤ9に電源の供給を開始する。
【0028】上記した如く、融着開始直後は電流が急激
に増加するため、通電異常検知装置は、融着開始直後の
一定時間T1(図3参照)は検知動作を行わない。そし
て、一定時間T1が経過した時刻t1から、電流/電圧
測定部2は、ワイヤ9の出力電流値、出力電圧値を1秒
間の平均値として1秒ごとに測定し、その測定値を記憶
部3に記憶する。記憶部3では、このように1秒ごとの
タイミングで測定されたデータを、今回測定分を含め前
々回の測定分まで3回分記憶する。
【0029】図3に示す例で具体的に説明すると、記憶
部3には、時刻t2のタンミングで、時刻t1からt2
の間(期間A)に測定された電流値及び電圧値の各平均
値(Ia,Va)が記憶され、次の時刻t3のタイミン
グで、時刻t2からt3の間(期間B)に測定された電
流値及び電圧値の各平均値(Ib,Vb)が記憶され、
次の時刻t4のタイミングで、時刻t3からt4の間
(期間C)に測定された電流値及び電圧値の各平均値
(Ic,Vc)が記憶される。つまり、この時点で、記
憶部3には、今回測定値であるIc,Vcと、前回測定
値であるIb,Vbと、前々回測定値であるIa,Va
とが記憶されることになる。
【0030】また、次の時刻t5のタイミングで、時刻
t4からt5の間(期間D)に測定された電流値及び電
圧値の各平均値(Id,Vd)が記憶部3に記憶され
る。ただし、このときには、最も古い測定値であるI
a,Vaが消去される。その結果、時刻t5の時点で、
記憶部には、今回測定値であるId,Vdと、前回測定
値であるIc,Vcと、前々回測定値であるIb,Vb
とが記憶されることになる。また、同様にして、次の時
刻t6のタイミングで、時刻t5からt6の間(期間
E)に測定された電流値及び電圧値の各平均値(Ie,
Ve)が記憶部3に記憶される。ただし、このときに
は、最も古い測定値であるIb,Vbが消去される。そ
の結果、時刻t6の時点で、記憶部には、今回測定値で
あるIe,Veと、前回測定値であるId,Vdと、前
々回測定値であるIc,Vcとが記憶されることにな
る。
【0031】判定部4は、電流/電圧測定部2での測定
タイミングと同じタイミングで、記憶部3に記憶されて
いる今回測定分の電圧値及び電流値から算出した抵抗値
と、前々回測定分の電圧値及び電流値から算出した抵抗
値とを比較してその変化率を算出し、その変化率の値が
予め設定された基準値を超えている場合には異常と判定
する(ステップS1〜ステップS9)。以下、ステップ
S1〜ステップS9に従って、具体的に説明する。
【0032】例えば、時刻t4において、記憶部3に記
憶されている今回測定分の電圧値Vc及び電流値Icか
ら算出した抵抗値Rcと、前々回測定分の電圧値Va及
び電流値Iaから算出した抵抗値Raとを比較してその
変化率ΔRc−a=(Rc−Ra)/Ra×100
(%)を算出し、その変化率ΔRc−aが予め設定され
た基準値(本例では、3%)を超えているか否かを判断
する。(ステップS1)。
【0033】ここで、ΔRc−aが3%を超えている場
合(ステップS1でYesの場合)には、異常検知開始
のフラグをたてるとともに(ステップS2)、今回算出
した変化率ΔRc−aの値を記憶部3の所定の領域に記
憶させる(ステップS3)。そして、次の判定タイミン
グ(1秒後の時刻t5)になると、記憶部3に記憶され
ている今回測定分の電圧値Vd及び電流値Idから算出
した抵抗値Rdと、前々回測定分の電圧値Vb及び電流
値Ibから算出した抵抗値Rbとを比較して、その変化
率ΔRd−b=(Rd−Rb)/Rb×100(%)を
算出し(ステップS4)、記憶部3に記憶されている前
回の変化率ΔRc−aと、今回算出した変化率ΔRd−
bとを比較する(ステップS5)。その結果、前回の変
化率ΔRc−aの方が今回の変化率ΔRd−bより大き
い値である場合(ステップS5でNoの場合)には、前
回の変化率ΔRc−aを異常判断値として記憶部3に記
憶させる(ステップS9)。その後、フラグをおろして
(ステップS10)、異常検知動作を終了する。
【0034】一方、今回の変化率ΔRd−bの方が前回
の変化率ΔRc−aより大きい値である場合(ステップ
S5でYesの場合)には、今回の変化率ΔRd−bを
異常判断値として記憶部3に記憶させる(ステップS
6)、この後、次の判定タイミング(1秒後の時刻t
6)になると、記憶部3に記憶されている今回測定分の
電圧値Ve及び電流値Ieから算出した抵抗値Reと、
前々回測定分の電圧値Vc及び電流値Icから算出した
抵抗値Rcとを比較して、その変化率ΔRe−c=(R
e−Rc)/Rc×100(%)を算出し(ステップS
7)、記憶部3に記憶されている前回の変化率ΔRd−
bと、今回算出した変化率ΔRe−cとを比較する(ス
テップS8)。その結果、前回の変化率ΔRd−bの方
が今回の変化率ΔRe−cより小さい値である場合(ス
テップS8でYesの場合)には、ステップS4に戻っ
て異常検知処理を継続する。一方、前回の変化率ΔRd
−bの方が今回の変化率ΔRe−cより大きい値である
場合(ステップS8でNoの場合)には、フラグをおろ
して(ステップS10)、異常検知動作を終了する。
【0035】ここで、ステップS5〜ステップS10で
の具体的処理について、図5(a)〜(c)に示す3種
類の具体例を参照してさらに詳しく説明する。(a)に
示す具体例1は、期間Cの中間部分に短絡ポイントがあ
り、短絡による影響が期間Dにまで及んでいる場合、
(b)に示す具体例2は、期間Cの後半部分に短絡ポイ
ントがあるため、期間Cよりもその後の期間Dにおいて
短絡の影響がより強く現れている場合、(c)に示す具
体例3は、期間Cの前半部分に短絡ポイントがあるた
め、短絡の影響がその期間C内で収束している場合であ
る。
【0036】(a)に示す具体例1は、期間Cの抵抗値
(104)とその前々回の期間Aの抵抗値(100)と
の変化率が4%[=(104−100)/100×10
0]であるので、この時点でフラグをたてて異常検知を
開始するとともに、その変化率(4%)を記憶部3に一
旦記憶する。そして、次の期間Dの抵抗値(106)と
その前々回の期間Bの抵抗値(100)との変化率が6
%[=(106−100)/100×100]であるの
で、この時点で大きい方の変化率(6%)を記憶部3に
更新記憶する。そして、次の期間Eの抵抗値(106)
とその前々回の抵抗値(104)との変化率が約1.9
%[=(106−104)/104×100]であるの
で、前回記憶した変化率(6%)を最終的な異常判断値
として保持し、フラグをおろす。
【0037】(b)に示す具体例2は、期間Cの抵抗値
(102)とその前々回の期間Aの抵抗値(100)と
の変化率が2%[=(102−100)/100×10
0]であるので、この時点ではフラグをたてない。つま
り、異常検知を開始しない。そして、次の期間Dの抵抗
値(106)とその前々回の期間Bの抵抗値(100)
との変化率が6%[=(106−100)/100×1
00]であるので、この時点でフラグをたてて異常検知
を開始するとともに、この変化率(6%)を記憶部3に
一旦記憶する。そして、次の期間Eの抵抗値(106)
とその前々回の抵抗値(102)との変化率が約3.9
%[=(106−102)/102×100]であり、
前回記憶した変化率(6%)より小さいので、前回記憶
した変化率(6%)を最終的な異常判断値として保持
し、フラグをおろす。
【0038】(c)に示す具体例3は、期間Cの抵抗値
(106)とその前々回の期間Aの抵抗値(100)と
の変化率が6%[=(106−100)/100×10
0]であるので、この時点でフラグをたてて異常検知を
開始するとともに、この変化率(6%)を記憶部3に一
旦記憶する。そして、次の期間Dの抵抗値(106)と
その前々回の抵抗値(100)との変化率が約6%[=
(106−100)/100×100]であり、前回記
憶した変化率(6%)と同じであるので、前回記憶した
変化率(6%)を最終的な異常判断値として保持し、フ
ラグをおろす。
【0039】なお、上記実施の形態では、記憶部3に記
憶する電流値及び電圧値を前々回までの3回分として説
明しているが、これはあくまで必要最小限の場合であ
り、3回分以上の測定データ、例えば図3に示す5回分
の測定データを記憶するように構成することが可能であ
る。また、上記実施の形態では、記憶部3に電流値及び
電圧値を記憶し、判定部4においてこれら電流値及び電
圧値から抵抗値を算出する構成としているが、記憶部3
に算出した抵抗値を記憶するように構成することが可能
である。この場合、判定部4での抵抗値の算出が不要と
なり、判定部4の構成をより簡単なものとすることがで
きる。ただし、電流/電圧測定部2において抵抗値を算
出させる必要がある。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の電気融着継手
の通電異常検知装置は、融着中の電熱線からの出力電圧
値及び出力電流値を一定の時間間隔で随時測定する測定
手段と、測定された出力電圧値及び出力電流値を、今回
測定分を含め少なくとも前々回の測定分まで保存する保
存手段と、測定手段による測定タイミングで、保存手段
に保存されている今回測定分の保存値と、前々回測定分
の保存値とを比較してその変化率を算出し、その変化率
が予め設定された基準値を超えている場合には異常と判
定する判定手段とを備えた構成としている。つまり、変
化率を算出するポイント期間を1/2ずつ重複させなが
ら算出し、このようにして算出した変化率と基準値とを
次々に比較するので、短絡ポイントが測定期間のはざま
にあっても、短絡による変化率を正確に算出でき、通電
異常を確実に検知することができる。
【0041】また、本発明の請求項2に記載の電気融着
継手の通電異常検知装置は、請求項1に記載のものにお
いて、判定手段は、測定手段による測定タイミングで、
保存手段に保存されている今回測定分の電圧値及び電流
値から算出した抵抗値と、前々回測定分の電圧値及び電
流値から算出した抵抗値とを比較してその変化率を算出
し、その変化率が予め設定された基準値を超えている場
合には異常と判定するように構成している。すなわち、
電熱線抵抗の熱による変化に伴い、電流及び電圧が微妙
に変化しても、抵抗値換算によってこの変化を打ち消す
ことができるので、短絡による変化率をより正確に算出
でき、通電異常を確実に検知することができる。
【0042】また、本発明の請求項3に記載の電気融着
継手の通電異常検知装置は、請求項1又は2に記載のも
のにおいて、判定手段によって初めて異常と判定された
ときに異常検知を開始するとともに、そのときに判定手
段により算出された変化率の値を記憶手段に記憶し、次
の判定タイミングで判定手段により算出された変化率の
値と記憶手段に記憶された前回の変化率の値とを比較
し、大きい方の値を異常判断値として記憶手段に記憶さ
せる構成としている。これにより、単に異常が発生した
ことを検知できるのみならず、その異常がどのような内
容によるものであるのか、つまり、電熱線がどの程度
(何本程度)短絡しているのかといったことまで判断す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電気融着継手の通電異常検知装
置のシステム構成図である。
【図2】融着が正常に行われているときのワイヤに流れ
る電流と融着時間との関係を示すグラフである。
【図3】融着時に短絡等による異常が発生した場合のワ
イヤに流れる電流と融着時間との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係わる電気融着継手の通電異常検知装
置の異常検知動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図5】(a)〜(c)は、異常検知動作の具体例を数
値を用いて示した説明図である。
【符号の説明】
1 タイマー部 2 電流/電圧測定部(測定手段) 3 記憶部(保存手段、記憶手段) 4 判定部(判定手段) 5 マイコン(異常検知処理手段) 8 融着継手 9 ワイヤ(電熱線) 11 電気融着装置 15 パイプ部材(合成樹脂部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する合成樹脂部材の端部同士を融着
    継手によって接続し、この融着継手に内装された電熱線
    に通電して両合成樹脂部材の端部同士を融着する電気融
    着継手の通電異常検知装置であって、 融着中の前記電熱線からの出力電圧値及び出力電流値を
    一定の時間間隔で随時測定する測定手段と、 測定された出力電圧値及び出力電流値を、今回測定分を
    含め少なくとも前々回の測定分まで保存する保存手段
    と、 前記測定手段による測定タイミングで、前記保存手段に
    保存されている今回測定分の保存値と、前々回測定分の
    保存値とを比較してその変化率を算出し、その変化率が
    予め設定された基準値を超えている場合には異常と判定
    する判定手段とを備えたことを特徴とする電気融着継手
    の通電異常検知装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記測定手段による測
    定タイミングで、前記保存手段に保存されている今回測
    定分の電圧値及び電流値から算出した抵抗値と、前々回
    測定分の電圧値及び電流値から算出した抵抗値とを比較
    してその変化率を算出し、その変化率が予め設定された
    基準値を超えている場合には異常と判定する請求項1に
    記載の電気融着継手の通電異常検知装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段によって初めて異常と判定
    されたときに異常検知を開始するとともに、そのときに
    前記判定手段により算出された変化率の値を記憶手段に
    記憶し、次の判定タイミングで前記判定手段により算出
    された変化率の値と前記記憶手段に記憶された前回の変
    化率の値とを比較し、大きい方の値を異常判断値として
    前記記憶手段に記憶させる異常検知処理手段を備えてな
    る請求項1又は2に記載の電気融着継手の通電異常検知
    装置。
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