JP2000083332A - 回転電機の鉄芯 - Google Patents
回転電機の鉄芯Info
- Publication number
- JP2000083332A JP2000083332A JP10250604A JP25060498A JP2000083332A JP 2000083332 A JP2000083332 A JP 2000083332A JP 10250604 A JP10250604 A JP 10250604A JP 25060498 A JP25060498 A JP 25060498A JP 2000083332 A JP2000083332 A JP 2000083332A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel plates
- low
- flux density
- magnetic flux
- permeability
- Prior art date
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- Pending
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気特性を任意に選定できる回転電機の鉄芯
を提供する。 【解決手段】 回転電機のロータまたはステータの鉄芯
(アウタコア10)を、高透磁率低磁束密度の材料の第
1の鋼板12と、低透磁率高磁束密度の材料の第2の鋼
板14とを所定の割合で積層した。この鉄芯は、二つの
材料の中間的な磁気特性となる。
を提供する。 【解決手段】 回転電機のロータまたはステータの鉄芯
(アウタコア10)を、高透磁率低磁束密度の材料の第
1の鋼板12と、低透磁率高磁束密度の材料の第2の鋼
板14とを所定の割合で積層した。この鉄芯は、二つの
材料の中間的な磁気特性となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機、発電機な
どの回転電機に関し、特に回転電機の鉄芯の材料に関す
る。
どの回転電機に関し、特に回転電機の鉄芯の材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】回転電機の鉄芯は、従来、鉄損が低い材
料の鋼板を積層して作製されていた。これは、鉄芯を通
る交流磁界により生じる鉄損を抑え、回転電機の効率を
高めるためである。低鉄損材料の鋼板を用いた回転電機
は、交流磁界の周波数が高くなる高回転の運転域におい
て、鉄損の増加が少なく、比較的高効率を示す。
料の鋼板を積層して作製されていた。これは、鉄芯を通
る交流磁界により生じる鉄損を抑え、回転電機の効率を
高めるためである。低鉄損材料の鋼板を用いた回転電機
は、交流磁界の周波数が高くなる高回転の運転域におい
て、鉄損の増加が少なく、比較的高効率を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低鉄損材料の
鋼板は、一般的に鉄損が低い一方、飽和磁束密度が低い
傾向がある。このため、低鉄損材料の鋼板で作製した回
転電機は、大きな磁界を発生させる必要がある高トルク
運転域では、電流に比して磁束密度が高まらず、比較的
効率が低いという問題があった。言い換えれば、ある磁
束密度を発生させるために多くの電流を流す必要があ
り、それだけ銅損が多く、効率が低いという問題があっ
た。また、低鉄損の材料は、比較的高価であり、コスト
が上昇するという問題があった。
鋼板は、一般的に鉄損が低い一方、飽和磁束密度が低い
傾向がある。このため、低鉄損材料の鋼板で作製した回
転電機は、大きな磁界を発生させる必要がある高トルク
運転域では、電流に比して磁束密度が高まらず、比較的
効率が低いという問題があった。言い換えれば、ある磁
束密度を発生させるために多くの電流を流す必要があ
り、それだけ銅損が多く、効率が低いという問題があっ
た。また、低鉄損の材料は、比較的高価であり、コスト
が上昇するという問題があった。
【0004】本発明は、前述の課題を解決するためにな
されたものであり、高回転運転域においても、高トルク
運転域においても、比較的高効率を達成することができ
る回転電機を提供することを目的とする。
されたものであり、高回転運転域においても、高トルク
運転域においても、比較的高効率を達成することができ
る回転電機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる回転電機の鉄芯は、高透磁率低磁
束密度の材料の鋼板と、低透磁率高磁束密度の材料の鋼
板とを所定の割合で積層したものとした。
めに、本発明にかかる回転電機の鉄芯は、高透磁率低磁
束密度の材料の鋼板と、低透磁率高磁束密度の材料の鋼
板とを所定の割合で積層したものとした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1に
は、本実施形態の回転電機のアウタコア10が示されて
いる。アウタコア10は、インナロータタイプの回転電
機の場合はステータコアであり、逆にアウタロータタイ
プの回転電機の場合はロータコアである。図示するよう
に、アウタコア10は、2種類の鋼板12,14を積層
して形成されている。第1の鋼板12は、透磁率が高く
飽和磁束密度が低い材料(高透磁率低磁束密度材料)の
鋼板であり、第2の鋼板14は、透磁率が低く飽和磁束
密度が高い材料(低透磁率高磁束密度材料)の鋼板であ
る。高透磁率低磁束密度材料としては、鉄に珪素やアル
ミニウムを添加したセンダストや電磁鋼板または80%
Ni−Fe(パーマロイ)などがある。一方、低透磁率
高磁束密度材料としては、Fe−50%Co(パーメン
ジュール)や純鉄などがある。
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1に
は、本実施形態の回転電機のアウタコア10が示されて
いる。アウタコア10は、インナロータタイプの回転電
機の場合はステータコアであり、逆にアウタロータタイ
プの回転電機の場合はロータコアである。図示するよう
に、アウタコア10は、2種類の鋼板12,14を積層
して形成されている。第1の鋼板12は、透磁率が高く
飽和磁束密度が低い材料(高透磁率低磁束密度材料)の
鋼板であり、第2の鋼板14は、透磁率が低く飽和磁束
密度が高い材料(低透磁率高磁束密度材料)の鋼板であ
る。高透磁率低磁束密度材料としては、鉄に珪素やアル
ミニウムを添加したセンダストや電磁鋼板または80%
Ni−Fe(パーマロイ)などがある。一方、低透磁率
高磁束密度材料としては、Fe−50%Co(パーメン
ジュール)や純鉄などがある。
【0007】図2は、第1の鋼板12として、通常用い
られる電磁鋼板である35A230材を、第2の鋼板1
4として電磁軟鉄を用いた場合の磁気特性を示す。図2
では、第1の鋼板12のみを積層した場合の磁気特性が
一点鎖線で、第2の鋼板14のみを積層した場合の磁気
特性が破線で示されている。そして、本実施形態のよう
に第1および第2の鋼板12,14を1対1の割合で積
層した場合の磁気特性が実線で示されている。図に示さ
れるとおり、二つの材料の中間的な磁気特性が得られる
ことが分かる。すなわち、第2の鋼板14に第1の鋼板
12を加えることで、低磁界における特性が良くなり、
また第1の鋼板12に第2の鋼板14を加えることで、
飽和磁束密度が向上する。
られる電磁鋼板である35A230材を、第2の鋼板1
4として電磁軟鉄を用いた場合の磁気特性を示す。図2
では、第1の鋼板12のみを積層した場合の磁気特性が
一点鎖線で、第2の鋼板14のみを積層した場合の磁気
特性が破線で示されている。そして、本実施形態のよう
に第1および第2の鋼板12,14を1対1の割合で積
層した場合の磁気特性が実線で示されている。図に示さ
れるとおり、二つの材料の中間的な磁気特性が得られる
ことが分かる。すなわち、第2の鋼板14に第1の鋼板
12を加えることで、低磁界における特性が良くなり、
また第1の鋼板12に第2の鋼板14を加えることで、
飽和磁束密度が向上する。
【0008】また、第1と第2の鋼板12,14の量比
を適宜選定することで、特性を第1の鋼板12のみの場
合に近づけたり、第2の鋼板14のみの場合に近づけた
りすることができる。第1と第2の鋼板12,14をあ
る量比で積層したときの鉄損は、次のように導かれる。
第1と第2の鋼板12,14それぞれの鉄損をWa,W
b(W/kg)、重量をwa,wb(kg)、密度ρ
a,ρb(kg/m3)、厚さをta,tb(m)、積
層枚数をna,nb(枚)とし、アウタコア10の断面
積をS(m2)とすると、アウタコア10全体の鉄損W
T(W)は、
を適宜選定することで、特性を第1の鋼板12のみの場
合に近づけたり、第2の鋼板14のみの場合に近づけた
りすることができる。第1と第2の鋼板12,14をあ
る量比で積層したときの鉄損は、次のように導かれる。
第1と第2の鋼板12,14それぞれの鉄損をWa,W
b(W/kg)、重量をwa,wb(kg)、密度ρ
a,ρb(kg/m3)、厚さをta,tb(m)、積
層枚数をna,nb(枚)とし、アウタコア10の断面
積をS(m2)とすると、アウタコア10全体の鉄損W
T(W)は、
【数1】WT=Wa・wa+Wb・wb となり、重量wa,wbは、
【数2】wa=na・S・ta・ρa wb=nb・S・tb・ρb である。したがって、単位重量当たりの鉄損[WT]
は、
は、
【数3】 [WT]=(Wa・wa+Wb・wb)/(wa+wb) (W/kg) ここで、(wa+wb)は、アウタコア10全体の重量
である。
である。
【0009】第2の鋼板14の重量割合を、
【数4】x=wb/(wa+wb) とすれば、
【数5】 [WT]=Wa・(1−x)+Wb・x (W/kg) となり、鉄損[WT]は、二つの鋼板材料の中間的な値
となる。
となる。
【0010】また、材料を適宜選定すれば、回転電気の
使用条件に合わせた磁気特性を得ることができる。例え
ば、低回転高トルク用の電動機には、電磁鋼板に、より
低透磁率高磁束密度の特性を有するパーメンジュールを
組み合わせて、低透磁率高磁束密度の特性を得ることが
できる。この場合、高価なパーメンジュールの使用量が
少ないために、比較的安価とすることができる。また、
高回転低トルク用の電動機には、電磁鋼板に、高透磁率
低磁束密度の特性を有するパーマロイを組み合わせて高
透磁率低磁束密度の特性を得ることができる。この場合
にも、高価なパーマロイの使用量が少ないため、比較的
安価にすることができる。
使用条件に合わせた磁気特性を得ることができる。例え
ば、低回転高トルク用の電動機には、電磁鋼板に、より
低透磁率高磁束密度の特性を有するパーメンジュールを
組み合わせて、低透磁率高磁束密度の特性を得ることが
できる。この場合、高価なパーメンジュールの使用量が
少ないために、比較的安価とすることができる。また、
高回転低トルク用の電動機には、電磁鋼板に、高透磁率
低磁束密度の特性を有するパーマロイを組み合わせて高
透磁率低磁束密度の特性を得ることができる。この場合
にも、高価なパーマロイの使用量が少ないため、比較的
安価にすることができる。
【0011】また、本実施形態においては、鋼板の種類
を2種類としたが、それ以上の種類の鋼板を積層するこ
とも可能である。
を2種類としたが、それ以上の種類の鋼板を積層するこ
とも可能である。
【0012】また、2種類の鋼板を互い違いに重ねる場
合には、一方の鋼板については、絶縁被膜を省略するこ
とができる。
合には、一方の鋼板については、絶縁被膜を省略するこ
とができる。
【図1】 本実施形態の回転電機の鉄芯を示す図であ
る。
る。
【図2】 本実施形態の鉄芯の磁気特性を示す図であ
る。
る。
10 アウタコア(回転電機の鉄芯)、12 第1の鋼
板、14 第2の鋼板。
板、14 第2の鋼板。
Claims (1)
- 【請求項1】 回転電機のロータまたはステータの鉄芯
であって、高透磁率低磁束密度の材料の鋼板と、低透磁
率高磁束密度の材料の鋼板とを所定の割合で積層した、
回転電機の鉄芯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10250604A JP2000083332A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 回転電機の鉄芯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10250604A JP2000083332A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 回転電機の鉄芯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000083332A true JP2000083332A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17210350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10250604A Pending JP2000083332A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 回転電機の鉄芯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000083332A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003337181A (ja) * | 2002-05-17 | 2003-11-28 | Seiko Epson Corp | 電子制御式機械時計 |
JP2006230054A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Mitsubishi Electric Corp | 電動機及び電動機の製造方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置 |
JP2008220112A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Mitsubishi Electric Corp | 固定子及び密閉型圧縮機及び回転機 |
JP2016092428A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 複合板積層体及びその製造方法 |
CN105939069B (zh) * | 2015-03-02 | 2018-06-12 | 株式会社日立产机系统 | 永久磁铁式旋转电机 |
JP2018174650A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | Jfeスチール株式会社 | 鉄心およびこれを備えるモータ |
WO2023127328A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社日立製作所 | 積層鉄心およびそれを用いた回転電機 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP10250604A patent/JP2000083332A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003337181A (ja) * | 2002-05-17 | 2003-11-28 | Seiko Epson Corp | 電子制御式機械時計 |
JP2006230054A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Mitsubishi Electric Corp | 電動機及び電動機の製造方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置 |
JP2008220112A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Mitsubishi Electric Corp | 固定子及び密閉型圧縮機及び回転機 |
JP2016092428A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 複合板積層体及びその製造方法 |
CN105939069B (zh) * | 2015-03-02 | 2018-06-12 | 株式会社日立产机系统 | 永久磁铁式旋转电机 |
JP2018174650A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | Jfeスチール株式会社 | 鉄心およびこれを備えるモータ |
WO2023127328A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社日立製作所 | 積層鉄心およびそれを用いた回転電機 |
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