JP2000082908A - アレーアンテナのビーム形成方法 - Google Patents

アレーアンテナのビーム形成方法

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JP2000082908A
JP2000082908A JP10265786A JP26578698A JP2000082908A JP 2000082908 A JP2000082908 A JP 2000082908A JP 10265786 A JP10265786 A JP 10265786A JP 26578698 A JP26578698 A JP 26578698A JP 2000082908 A JP2000082908 A JP 2000082908A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ
で、希望通信信号のみを選択的に効率よく受信できるよ
うにする。 【解決手段】 m個のアレーアンテナ素子21 〜2m
受信した信号を各々前処理部31 〜3m で同相および直
交成分からなる複素ベースバンド信号に変換し、参照デ
ータ系列発生器7から供給される希望通信信号の参照デ
ータ系列に基づきビーム形成装置6が複素ベースバンド
信号の複製信号を発生させて、これらを各アンテナ素子
毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役に乗算し、そ
の同相および直交成分をそれぞれ低域通過フィルタ6a
1 〜6am に通してアレー合成のための複素重みとし、
各アンテナ素子ごとの受信複素ベースバンド信号を重み
乗算部6b1 〜6bm で夫々乗算し、これら重み乗算部
6b1 〜6bm の出力を全て加算することにより、アレ
ーアンテナの受信ビームを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希望通信信号の到
来方向に自動的に受信ビームを向けてこれを捕捉し、か
つ追尾するとともに、非希望通信信号による干渉を軽減
するアレーアンテナのビーム形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な方向から様々な周波数
で送信されている通信信号の中から希望通信信号のみを
選択的に受信できることが望まれており、非希望通信信
号を抑制して希望通信信号を良好に受信するための技術
が種々提案されている。
【0003】第1の従来技術として、“MMSE合成に
よるアダプティブアレーと空間ダイバーシチの等価性
−素子間隔と加入者容量に関する考察−,電子情報通信
学会(技術研究報告 RCS97-249, p73-p80, 1998-02)”
に記載されているように、各アンテナ素子の受信信号に
乗算する重みにある初期値を設定し、その時の受信側で
用意した既知の参照データ系列とアレーアンテナの合成
出力信号との差を誤差信号とし、これが最小となるよう
にこの誤差信号をフィードバックし、各アンテナ素子に
よる各受信信号とその誤差信号から、各アンテナ素子に
よる各受信信号に乗算する重みの変化分を計算し、その
変化分だけ重みを繰り返し更新し、希望通信信号を捕捉
追尾するビームを形成するとともに非希望通信信号によ
る干渉を抑圧する方法がある。
【0004】上述した第1の従来技術においては、アレ
ーアンテナの合成出力信号と希望通信信号のもつ既知の
参照データ系列との平均2乗誤差を最小にするように重
み制御が行われるため、最終的には希望通信信号の到来
方向にビームの山が向けられ、且つ非希望通信信号の到
来方向にはビームの谷が向けられるようになることか
ら、希望通信信号の受信に最適なビーム形成が実現で
き、しかも演算は比較的簡単であるという特徴をもって
いる。
【0005】また、第2の従来例として、“SMI法に
基づくアダプティブアレーを用いた高速ディジタル陸上
移動通信の多重波抑圧,電子情報通信学会(論文誌 B-I
I, Vol. J75-B-II, No. 11, p806-p814, 1992-11)”に
記載されているように、各アンテナ素子の受信信号から
求まる共分散行列を時間を追う毎に逐次更新しながら計
算し、これと各アンテナ素子の受信信号、並びに受信側
で用意した既知の参照データ系列とから、上記各アンテ
ナ素子の受信信号に乗算する重みを求め、希望通信信号
を捕捉追尾するビームを形成するとともに非希望通信信
号による干渉を抑圧する方法がある。
【0006】上述した第2の従来技術においては、フィ
ードバック制御を全く行わずに、アレーアンテナの合成
出力信号と希望通信信号のもつ既知の参照データ系列と
の平均2乗誤差を最小にするような重みを求めることが
でき、その結果、希望通信信号の到来方向にビームの山
が向けられ、且つ非希望通信信号の到来方向にはビーム
の谷が向けられることとなり、希望通信信号の受信に最
適なビーム形成が高速に実現できるという特徴をもって
いる。
【0007】また、第3の従来例として、“DBFによ
る移動体衛星通信用セルフビームステアリングアレーア
ンテナの構成法,電子情報通信学会(論文誌 B-II, Vo
l. J79-B-II, No. 8, p448-458, 1996-08)”並びに
“車載DBFセルフビームステアリングアレーアンテナ
による衛星電波の追尾受信実験,電子情報通信学会(論
文誌B-II, Vol. J80-B-II, No. 7, p547-p557, 1997-0
7)”に記載されているように、参照データ系列を用い
ずに、各アンテナ素子のうちある特定の、または最も受
信電力の強いアンテナ素子による受信信号、あるいは所
定の方向を向いた複数の固定ビームのうち最も受信電力
の強いビームによる受信信号を参照データ系列の代わり
に用いて、各アンテナ素子あるいは各固定ビームによる
受信信号に乗算する重みを求め、希望通信信号を捕捉追
尾するビームを形成する方法がある。
【0008】上述した第3の従来技術においても、やは
りフィードバック制御を全く行わずに希望通信信号の到
来方向にビームの山を向けることができ、しかも通信信
号の中に既知の参照データ系列をもつ必要がないという
特徴をもっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来技術には、重みの制御がフィードバック制御に
より行われているために、応答の高速性と安定性あるい
は演算の複雑さとの両立が難しいという欠点があった。
また、アレーアンテナのアンテナ素子数が多い場合や到
来する非希望通信信号が多い場合には、制御対象となる
重みの数が増え、応答の高速性と安定性が損なわれる可
能性が高まるという問題点もあった。
【0010】また、第2の従来技術では、アレーアンテ
ナの各アンテナ素子による受信信号のサンプル値で構成
される共分散行列の逆行列を逐次計算する必要があるた
め、複雑な演算に対する高い処理能力が要求され、その
上、アンテナ素子数が増すと指数的にその複雑さが増す
という問題点があった。
【0011】しかも、第1の従来技術および第2の従来
技術とも、主に、非希望信号の到来方向に深いビームの
谷を向けることで、参照データ系列とアレーアンテナの
受信信号との平均二乗誤差の最小化を実現しており、希
望信号の到来方向には一応ビームの山を向けようとする
傾向はあるが、必ずしもアンテナの素子数で決まる最大
利得が向けられるとは限らないと言う問題点があった。
これは、特に受信できる電力が弱く、ある値以上の利得
がアンテナにないと通信回線自体が成立しない場合など
では問題となる。
【0012】さらに、第1の従来技術および第2の従来
技術ともに、受信で求められた重みを用いて受信とは異
なる周波数の送信ビームを希望通信信号の到来方向に形
成する場合、受信で求められる重みに対して周波数変換
を施しても、非希望通信信号が壁などによる反射波であ
る場合などでは、周波数の違いにより伝搬経路並びに到
来方向が異なるケースもあり、非希望通信信号の送信源
にアレーアンテナによる送信ビームの谷が向かずに山が
向いてしまう可能性があるという問題点があった。
【0013】また、第3の従来技術では、非希望通信信
号が同時に到来する場合、その方向にも小さなビームの
山が向いて干渉を受けることとなる。すなわち、この方
式では、アレーアンテナで受信した信号が希望通信信号
か非希望通信信号かを区別できないため、最も強い到来
信号を希望通信信号と想定して、その方向にビームの山
を向けるよう動作することとなり、非希望通信信号の電
力が希望通信信号の電力より強い場合には、非希望通信
信号を希望通信信号とみなしてしまい、そちらにビーム
の山を向けてしまうという問題点があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するべく成されたもので、請求項1に係るアレーアン
テナのビーム形成方法は、複数のアンテナ素子で構成さ
れるアレーアンテナに未知の方向から変調された希望通
信信号が到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定
のビット数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴って
おり、かつその受信タイミングは既知とし、上記アレー
アンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周
波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発
振器によって同相および直交成分からなる複素ベースバ
ンド信号に変換し、これを各アンテナ素子ごとに出力
し、既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変
換した複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を
各アンテナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共
役に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通
過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通して、これを
複素重みとして各アンテナ素子ごとの受信複素ベースバ
ンド信号にそれぞれ乗算し、その乗算結果をアンテナ素
子数分だけ全て加算することにより、希望通信信号の到
来方向に向けた合成出力信号をアレーアンテナの受信ビ
ームとして形成するようにしたものである。
【0015】また、請求項2に係るアレーアンテナのビ
ーム形成方法は、請求項1において、受信側で用意した
既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換し
た複製信号と、各アンテナ素子毎の受信複素ベースバン
ド信号の複素共役との乗算結果を低域通過フィルタもし
くは帯域通過フィルタに通すことで得られる複素重み
を、上記各アンテナ素子による受信複素ベースバンド信
号にそれぞれ乗算する際に、上記複素重みのエネルギー
が予め定めた閾値以下であることを条件に、上記複素重
みを強制的にゼロにすることにより、複数の非希望通信
信号が希望通信信号とは異なる方向から同時に同じ周波
数で到来する場合においても、上記非希望通信信号によ
る干渉を抑圧できるようにしたものである。
【0016】また、請求項3に係るアレーアンテナのビ
ーム形成方法は、複数のアンテナ素子で構成されるアレ
ーアンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が
到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット
数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、か
つその受信タイミングは既知とし、上記アレーアンテナ
からの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周波数及び
共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発振器によ
って同相および直交成分からなる複素ベースバンド信号
に変換し、これら複数の複素ベースバンド信号を空間離
散フーリエ変換により上記アレーアンテナからみて所定
の複数の方向に指向した固定ビームによる受信複素ベー
スバンド信号に変換し、これを各固定ビーム毎に出力
し、既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変
換した複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を
上記各固定ビーム毎の受信複素ベースバンド信号の複素
共役に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域
通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに通し、これを
複素重みとして上記各固定ビームごとの受信複素ベース
バンド信号にそれぞれ乗算し、その乗算結果を固定ビー
ム数分だけ全て加算することにより、希望通信信号の到
来方向に向けた合成出力信号をアレーアンテナの受信ビ
ームとして形成するようにしたものである。
【0017】また、請求項4に係るアレーアンテナのビ
ーム形成方法は、請求項3において、受信側で用意した
既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換し
た複製信号と、複数の方向に指向した各固定ビームによ
る受信複素ベースバンド信号毎の受信複素ベースバンド
信号の複素共役との乗算結果を低域通過フィルタもしく
は帯域通過フィルタに通すことで得られる複素重みを、
上記各固定ビームによる受信複素ベースバンド信号にそ
れぞれ乗算する際に、上記複素重みのエネルギーが予め
定めた閾値以下であることを条件に、上記複素重みを強
制的にゼロにすることにより、複数の非希望通信信号が
希望通信信号とは異なる方向から同時に同じ周波数で到
来する場合においても、上記非希望通信信号による干渉
を抑圧できるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明に係るアレーアンテナのビーム形成方法を具現化し得
る受信機構の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】図1に示す第1実施形態は、アンテナ素子
出力によりビーム形成を行う受信機構1の概略を示す機
能ブロック図である。
【0020】この受信機構1は、アレーアンテナ2(m
素子のアンテナ21 ,22 ,…2mよりなる)と、各ア
ンテナ素子21 〜2m からの受信信号を受ける前処理部
31,32 ,…,3m と、各前処理部(FE)31 〜3
m で前処理された信号に対して各アンテナ素子21 〜2
m に応じた励振振幅分布を設定するレベル調整部41
2 ,…,4m と、各レベル調整部41 〜4m からの信
号レベルが予め設定した閾値以上に該当する信号のみを
選択的に通過させる電力選択部5と、該電力選択部5か
らの信号を受けるビーム形成装置6と、該ビーム形成装
置6に既知の参照データ系列の複製信号を供給する参照
データ系列発生器(SQG)7とからなる。
【0021】本第1実施形態では、m素子のアレーアン
テナ2に互いに異なる方向の異なる信号源から希望通信
信号Si を含むn本の同一周波数の通信信号S1 〜Sn
が同時に到来する場合、アンテナ素子出力信号に対して
そのまま参照データ系列の複製を演算することにより、
到来信号S1 〜Sn の中から非希望通信信号の干渉をで
きるだけ抑圧しつつ希望通信信号Si の到来方向だけに
ビームを向け、Si だけを分離受信してアレー合成出力
として得るものである。なお各アンテナ素子21 〜2m
の指向性は、全ての到来信号方向を含む広いビーム幅を
もつ場合を想定する。
【0022】以下、本実施形態の動作原理を説明する。
【0023】各アンテナ素子に21 〜2m よる受信信号
は、増幅器,周波数変換部,A/Dコンバータ,準同期
検波部等からなる前処理部31 〜3m を通り、A/Dコ
ンバータがもつサンプル周期でビーム形成装置6に入力
される。ビーム形成装置6への各入力信号は、準同期検
波部における局部発振信号の位相からみて同相成分と直
交成分からなる複素ベースバンド信号であり、n番目の
アンテナ素子からの入力信号を時間tの関数としてbn
(t)(n=1,2,…,m)とおく。
【0024】一方、希望受信信号Si に含まれる既知の
参照データ系列の複製ri(t)を同じく複素ベースバンド
信号として参照データ系列発生器7において受信と同じ
タイミングで発生し、ビーム形成装置6に入力する。
【0025】ビーム形成装置6では、各アンテナ素子2
1 〜2m からの各入力信号bn(t)の複素共役bn*(t) と
参照データ系列の複製ri(t)をそれぞれ乗算し、その結
果を各々低域通過フィルタ(LPF)6a1 〜6am
通してアレー合成のための重みwn(t)を得る。なお、低
域通過フィルタに代えて帯域通過フィルタを用いても良
い。
【0026】このWn(t)は、次式で表される。
【0027】
【数1】
【0028】上式において、「 ̄」は、低域通過フィル
タ6a1 〜6am による平均化を意味する。また、
「 ̄」の中身は、|bn(t)|に比例した振幅成分と、b
n(t)とri(t)の位相差を位相成分としてもち、データ変
調に伴う位相変動成分はキャンセルされており、最大比
合成を行うための重みとなっている。この演算は、実際
の信号処理回路では次のような同相成分Iと直交成分Q
の積和演算と低域通過フィルタリングのみで実現するこ
とができ、演算は極めてシンプルである。
【0029】
【数2】
【0030】このwn(t)を各アンテナ素子21 〜2m
らの入力bn(t)に乗算し、n=1,2,…,mで加算す
ることにより、希望通信信号Si に対する利得を最大と
するビームが形成され、他の非希望通信信号の到来方向
に対する利得はそれより低くなる。この時、アレー合成
出力信号は、次式となる。
【0031】
【数3】
【0032】この第1実施形態に係る受信機構1では、
各重み乗算部6b1 〜6bm の前に重み制御部6c1
6cm を備え、通信信号中の参照データ系列以外の部分
については重みの更新を固定するため、参照データタイ
ミングによって重みの更新あるいは停止を行う制御を各
重みに対して行っている。また、低域通過フィルタ6a
1 〜6am による処理遅延を補償し、入力信号bn(t)と
重みwn(t)のタイミングを合わせるための遅延バッファ
6d1 〜6dm を備えている。
【0033】なお、本実施形態では、希望通信信号に対
するビームのサイドローブレベルを低減するため、アン
テナ素子数が多い場合には、各アンテナ素子21 〜2m
ごとに適当な励振振幅分布を設定するためのレベル調整
部41 〜4m を備えるものとして、非希望通信信号に対
する利得を効果的に下げ、これによる干渉を軽減できる
ようにしてある。
【0034】また、本実施形態のビーム形成装置6で
は、アンテナ素子21 〜2m の指向性が狭く、かつ各々
のアンテナ素子21 〜2m が別々の方向を互いに重なり
あいながら指向することで想定される全ての信号到来方
向をカバーしている場合、すなわちセクタアンテナなど
を想定して、相関選択部6eを備えるものとし、非希望
通信信号による干渉を更に抑圧できるようにしてある。
この相関選択部6eでは、上記の式1で得られた重みの
エネルギー|wn(t)|2 を計算し、ある適当なしきい値
以下となる場合のみ、重みを強制的にゼロに設定するの
である。これにより、参照データ系列との相関が低い信
号の到来方向を向いたアンテナ素子21 〜2m からの入
力信号は合成されず、非希望通信信号からの干渉をより
抑圧することができる。加えて、この相関選択部6eの
機能により、希望通信信号に無関係な方向のビームは、
早い時間で切り捨てられるため、全ての重みを選択する
場合に比べ、希望通信信号の初期捕捉を早めることがで
きる。
【0035】なお、全ての方向から到来信号が来るとは
限らないため、セクタアンテナの場合には、アンテナ素
子出力にあるしきい値を設け、そのしきい値以上の信号
のみを選択し、選択された信号のみで以降のビーム形成
演算を行う構成とすることが望ましい場合に備え、本実
施形態では、電力選択部5を設けたのである。これによ
り、不要な演算が省略でき、信号処理回路の規模並びに
処理時間を節約することができる場合がある。
【0036】図2に示す第2実施形態は、固定マルチビ
ーム出力によるビーム形成を行う受信機構1′の概略を
示す機能ブロック図である。
【0037】この受信機構1′の機能で、上記第1実施
形態で示した受信機構1と共通の機能には、同一符号を
付して説明を省略する。しかして、この受信機構1′
は、レベル調整部41 〜4m と電力選択部5との間にマ
ルチビーム形成部(MBF)8を介在させたことに特徴
がある。
【0038】この第2実施形態では、m素子のアレーア
ンテナ21 〜2m に互いに異なる方向の異なる信号源か
ら希望通信信号Si を含むn本の同一周波数の通信信号
1〜Sn が同時に到来する場合、アンテナ素子出力信
号に空間軸上で離散フーリエ変換を施すことにより、一
旦、所定の複数の方向を指向した固定のマルチビームを
形成し、その出力に対して参照データ系列を演算するこ
とにより、到来信号S1 〜Sn の中から非希望通信信号
の干渉をできるだけ抑圧しつつ希望通信信号Si の到来
方向だけにビームを向け、Si だけを分離受信してアレ
ー合成出力として得る構成となっている。各アンテナ素
子21 〜2m の指向性は、全ての到来信号方向を含む広
いビーム幅をもつ場合を想定する。
【0039】以下、本第2実施形態の動作原理を説明す
る。
【0040】受信機構1′においても、上記第1実施形
態と同様、各アンテナ素子21 〜2m による受信信号
は、増幅器,周波数変換器,A/Dコンバータ,準同期
検波部等からなる前処理部31 〜3m を通り、A/Dコ
ンバータがもつサンプル周期でビーム形成装置6に入力
される。これらの入力信号は、準同期検波部における局
部発振信号の位相からみて同相成分と直交成分からなる
複素ベースパンド信号であり、k番目のアンテナ素子か
らの入力信号を時間tの関数としてxk(t) (k=1,
2,…,m)とおく。このとき、空間軸上の離散フーリ
エ変換は、次式で表される。
【0041】
【数4】
【0042】なお、上記式4において、ωはフーリエ変
換の回転子であり、下式を満たす。
【0043】
【数5】
【0044】上記式4は、m素子のアンテナから互いに
直交するm通りの方向を指向する固定のマルチビームを
形成し、その出力がbn(t)であることを示しており、図
2の中のマルチビーム形成部8でその処理を行う。マル
チビーム形成部8からの出力信号のうち、到来信号方向
の固定ビーム出力は、各アンテナ素子21 〜2m による
受信信号の信号対雑音電力比(SNR)が低い場合で
も、アレーアンテナの利得に近い分だけSNRが高まる
ため、以降の重み計算の精度を高めることができる。
【0045】次に、系列の複製ri(t)を用いて上記式1
(或いは式2)及び式3による演算を行うことで、希望
通信信号Si に対する利得を最大とし、他の非希望通信
信号の到来方向に対する利得はそれより低くなるような
ビームが形成され、Si のみを分離受信したアレー合成
出力信号が得られる。
【0046】なお、本第2実施形態では、各アンテナ素
子21 〜2m のもつビーム幅は広くてもマルチビーム形
成部8で形成されるビームの幅は狭いため、アンテナ素
子にセクタアンテナを用いた第1実施形態と同様に、相
関選択部6eを備えることとしてもよく、その場合、非
希望通信信号による干渉をさらに抑圧し、また希望通信
信号の初期捕捉を早めることができる。
【0047】また、本第2実施形態でも、アンテナ素子
がセクタアンテナである第1実施形態の場合と同様、全
ての方向から到来信号が来るとは限らないため、マルチ
ビーム形成部8の出力にあるしきい値を設け、電力選択
部5によりそのしきい値以上となった出力のみを選択的
にビーム形成装置6へ入力するものとし、選択された信
号のみで以降のビーム形成演算を行う構成としてある。
これにより、不要な演算が省略でき、信号処理回路規模
並びに処理時間を節約することが可能となる場合があ
る。
【0048】さらに、本第2実施形態でも、第1の実施
形態でアンテナ素子に広い指向性のアンテナを用いた場
合と同様、希望通信信号に対するビームのサイドローブ
を低下させるため、アンテナ素子数が多い場合には、各
アンテナ素子21 〜2m ごとにレベル調整部41 〜4m
を備え、適当な励振振幅分布を与える構成としてあり、
このレベル調整部41 〜4m と上記相関選択部6eを組
み合わせることにより、非希望波到来方向の利得を自由
に制御して、これによる干渉を確実に抑圧することがで
きる。
【0049】図3に示す第3実施形態は、複数の到来信
号への同時捕捉追尾による空間分割多元接続方式で固定
マルチビーム出力によるビーム形成を行う受信機構1″
の概略を示す機能ブロック図である。
【0050】この受信機構1″の機能で、上記第1,第
2実施形態で示した受信機構1,1′と共通の機能に
は、同一符号を付して説明を省略する。しかして、この
受信機構1″は、電力選択部5の後段にn′個の分配器
(DIV)91 〜9n'と、チャネル変換部10と、第1
ビーム形成装置61 〜第n′ビーム形成装置6n'よりな
るn′個のビーム形成装置を設けたことに特徴がある。
【0051】すなわち、この第3実施形態では、第1,
第2実施形態におけるビーム形成装置6を複数(n′
個)備え、互いに異なる方向に位置する異なる通信相手
局から同一周波数で送信される複数の通信信号に同時に
複数のビームを向け、それぞれ分離受信して別々のアレ
ー合成出力として得る構成となっている。
【0052】本受信機構1″においては、希望通信信号
をS1 とする第1ビーム形成装置61 、希望通信信号を
2 とする第2ビーム形成装置62 、…希望通信信号を
n'とする第n′ビーム形成装置6n'というように、
n′個のビーム形成装置を備え、各アンテナ素子21
m で受信された信号が、分配器91 〜9n'で各ビーム
形成装置にそれぞれ分配される。各ビーム形成装置61
〜6n'においては、それぞれ別々の参照データ系列の複
製を生成し、それぞれ別々の希望通信信号を捕捉する。
ただし、分配器91 〜9n'はディジタル信号で行うた
め、分配による電力の減少はない。
【0053】また、アレーアンテナ2の同一ビーム幅内
に相当する近接した方向から到来する複数の通信信号に
対しては、ビームによる空間分離ができないため、周波
数分割多元接続を併用している場合、別途制御チャネル
を使うなどの手段により各ビーム形成装置61 〜6n'に
別チャネルを割り当て、対応したチャネル変換部10に
よりチャネル変換を行って、周波数で分離された別々の
ビームをそれぞれの近接到来信号方向に形成する。
【0054】従って、本第3実施形態によれば、受信側
が備えるビーム形成装置6の数(n′個)だけ、異なる
方向から同一周波数で到来する通信信号を互いに分離し
ながら受信することができる。また、近接した方向から
到来する複数の通信信号に対しては、利用可能なチャネ
ルの数だけ互いに分離しながら受信することができる。
このため、単にチャネルだけで通信信号を分離受信する
場合に比べ、空間分離を行っていることにより、通信容
量を大幅に増大することができ、また常にアレーアンテ
ナ2の受信ビームの山が通信相手局方向に向けられるた
め、相手局の送信電力を節約することができる。さら
に、本実施形態における受信機構1″は、フィードバッ
クループを含まず、簡単な演算処理だけで実現できるた
め、回路規模が節約できるとともに、高速かつ安定な動
作が期待でき、多くのアンテナ素子を備えるアレーアン
テナや高速な伝送速度をもつ固定あるいは移動通信シス
テムに適している。
【0055】なお、上記したチャネルは、周波数のほ
か、時分割多元接続におけるタイムスロット、符号分割
多元接続における拡散符号などに置き換えることもでき
る。
【0056】以下に、第3実施形態の動作を計算機シミ
ュレーション結果を参照して説明する。シミュレーショ
ンは、半波長間隔で16個のアンテナ素子を直線上に並
べた直線アレーにより、3つの異なる方向から同一周波
数,同一レベル,同一変調方式の通信信号が到来する場
合を想定した。変調方式は4相位相シフトキーイング
(QPSK)、参照データ系列は10シンボルの疑似ラ
ンダム雑音(PN)符号、A/Dコンバータによるサン
プリングは1シンボル16サンプルとした。また、基本
特性の明確化のため、受信信号の信号電力対雑音電力比
(CNR)はアンテナ1素子当たり30dBとした。各
アンテナ素子は無指向性とし、マルチビーム形成部(M
BF)を備えるものとした。
【0057】図4は、3つのビーム形成装置(第1〜第
3ビーム形成装置61 〜63 )を用いて、3つの到来信
号に対してそれぞれビーム形成を行った場合の3つのビ
ームパターンを示している。ただし、励振振幅分布は一
様分布とし、MBF出力の電力選択及び相関選択は行わ
ないものとした。本図から、それぞれの到来信号方向
に、別々のビームの山が自動的に向けられるとともに、
非希望通信信号の到来方向の利得は低くなり、3つの到
来信号が分離受信されていることがわかる。ただし、非
希望通信信号の方向にも−11dB〜−16dB程度の
小さなビームの山がそれぞれできており、非希望通信信
号の干渉をわずかに受けていることがわかる。
【0058】図5は、チェビシェフ指向性パターンと呼
ばれる低サイドローブパターンが得られるようにレベル
調整部において励振振幅分布を設定するとともに、MB
F出力の相関選択を行った場合の3つのビームパターン
を示している。それぞれ、希望通信信号方向のビームは
ほとんど変わらずに非希望通信信号方向の利得が−30
dB以下に大きく減少し、これによる干渉が抑圧されて
いることがわかる。
【0059】図6は、レベル調整部41 〜4m における
励振振幅分布設定をサイドローブレベル設定値によって
変えた場合の、3波到来時にS1 到来方向に向けられた
ビームパターンを示している。S1 方向の利得をほとん
ど変化させずに、非希望通信信号であるS2 及びS3
向の利得を効果的に低減できることがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るア
レーアンテナのビーム形成方法においては、以下のよう
な効果を奏し得る。
【0061】(1) 同一周波数で同一変調方式の通信
信号が複数同時にアレーアンテナに到来する場合におい
ても、希望通信信号と非希望通信信号の到来方向が識別
不可能なほどに接近していなければ、希望通信信号の到
来方向にのみビームの山を自動的に向けるとともにこれ
を追尾し、同時に非希望通信信号の到来方向の利得を自
動的に低減させ、非希望通信信号による干渉を軽減しつ
つ希望通信信号を空間的に分離受信することが可能とな
る。
【0062】(2) 複数の異なる通信信号が異なる方
向から同一周波数で到来する場合、これらの到来方向に
別々のビームを形成し、これらを互いに空間的に分離し
てそれぞれ受信することができ、到来信号の空間分離を
行っているため、チャネル分離のみを行うシステムに比
べて、大幅な通信容量の増大を図ることができる。
【0063】(3) ビーム形成のための演算は、フィ
ードバックループを含まず、簡単な演算処理のみで実現
できるため、動作は高速かつ安定であり、演算処理回路
の規模も節約可能となり、多くのアンテナ素子を有する
アレーアンテナや高速伝送システムのためのビーム形成
方法に好適である。
【0064】また、上記請求項1の従属項である請求項
2に係るアレーアンテナのビーム形成方法においては、
更に以下の効果を奏し得る。
【0065】(4) 各アンテナ素子がセクタアンテナ
である場合には、アンテナ素子出力の相関選択を行うこ
とにより、非希望通信信号到来方向の利得をさらに抑圧
することができ、かつ不要な出力が早い段階で切り捨て
られるため、初期捕捉を早めることができる。
【0066】(5) 各アンテナ素子が広い指向性をも
つ場合であっても、マルチビーム形成部出力の相関選択
を行うことにより、非希望通信信号到来方向の利得を大
きく抑圧することができ、かつ不要な出力が早い段階で
切り捨てられるため、初期捕捉を早めることができる。
【0067】(6) マルチビーム形成部を備える場合
には、マルチビーム形成部出力の相関選択とレベル調整
部による励振振幅分布設定の組合せにより、非希望通信
信号到来方向の利得をより一層抑圧することができ、か
つこれを自由に制御することができる。
【0068】さらに、請求項3に係るアレーアンテナの
ビーム形成方法においては、上記請求項1により奏し得
る(1)〜(3)の効果に加えて、アンテナ素子による
受信信号の信号対雑音電力比(SNR)が低い場合で
も、マルチビーム形成部の出力信号のうち到来信号方向
の固定ビーム出力は、アレーアンテナの利得に近い分だ
けSNRが高まるため、以降の重み計算の精度を高める
ことができるという効果もある。
【0069】また、請求項3の従属請求項である請求項
4にアレーアンテナのビーム形成方法においては、更
に、上記(4)〜(6)の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレーアンテナのビーム形成方法
を具現化し得る受信機構の第1実施形態を示す機能ブロ
ック図である。
【図2】本発明に係るアレーアンテナのビーム形成方法
を具現化し得る受信機構の第2実施形態を示す機能ブロ
ック図である。
【図3】本発明に係るアレーアンテナのビーム形成方法
を具現化し得る受信機構の第3実施形態を示す機能ブロ
ック図である。
【図4】3つのビーム形成装置を備えるものとした第3
実施形態に係る受信機構で3つの到来信号に対してそれ
ぞれビーム形成を行った場合の計算機シミュレーション
結果を示すビームパターン特性図である。
【図5】3つのビーム形成装置を備えるものとした第3
実施形態に係る受信機構で、チェビシェフ指向性パター
ンが得られるような条件として、3つの到来信号に対し
てそれぞれビーム形成を行った場合の計算機シミュレー
ション結果を示すビームパターン特性図である。
【図6】3つのビーム形成装置を備えるものとした第3
実施形態に係る受信機構で、レベル調整部における励振
振幅分布設定をサイドローブレベル設定値によって変化
させ、3つの到来信号に対してそれぞれビーム形成を行
った場合の計算機シミュレーション結果を示すビームパ
ターン特性図である。
【符号の説明】
1 受信機構 21 ,22 ,…2m アンテナ素子 31 ,32 ,…,3m 前処理部 41 ,42 ,…,4m レベル調整部 5 電力選択部 6 ビーム形成装置 7 参照データ系列発生器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月18日(1999.10.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するべく成されたもので、請求項1に係るアレーアン
テナのビーム形成方法は、複数のアンテナ素子で構成さ
れるアレーアンテナに未知の方向から変調された希望通
信信号が到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定
のビット数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴って
おり、かつその受信タイミングは既知とし、上記アレー
アンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周
波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発
振器によって同相および直交成分からなる複素ベースバ
ンド信号に変換し、これを各アンテナ素子ごとに出力
し、受信と同じタイミングで既知の参照データ系列を複
素ベースバンド信号に変換した複製信号を受信側で発生
させて、この複製信号を各アンテナ素子毎の受信複素ベ
ースバンド信号の複素共役に乗算し、その同相および直
交成分をそれぞれ低域通過フィルタもしくは帯域通過フ
ィルタに通して、これを複素重みとして各アンテナ素子
ごとの受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算し、そ
の乗算結果をアンテナ素子数分だけ全て加算することに
より、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号を
アレーアンテナの受信ビームとして形成するようにした
ものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、請求項3に係るアレーアンテナのビ
ーム形成方法は、複数のアンテナ素子で構成されるアレ
ーアンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が
到来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット
数だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、か
つその受信タイミングは既知とし、上記アレーアンテナ
からの受信信号を各アンテナ素子毎に共通の周波数及び
共通ではあるが任意の固定位相を有する局部発振器によ
って同相および直交成分からなる複素ベースバンド信号
に変換し、これら複数の複素ベースバンド信号を空間離
散フーリエ変換により上記アレーアンテナからみて所定
の複数の方向に指向した固定ビームによる受信複素ベー
スバンド信号に変換し、これを各固定ビーム毎に出力
し、受信と同じタイミングで既知の参照データ系列を複
素ベースバンド信号に変換した複製信号を受信側で発生
させて、この複製信号を上記各固定ビーム毎の受信複素
ベースバンド信号の複素共役に乗算し、その同相および
直交成分をそれぞれ低域通過フィルタもしくは帯域通過
フィルタに通し、これを複素重みとして上記各固定ビー
ムごとの受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算し、
その乗算結果を固定ビーム数分だけ全て加算することに
より、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号を
アレーアンテナの受信ビームとして形成するようにした
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 佳也 神奈川県横須賀市光の丘3−4 郵政省通 信総合研究所 横須賀無線通信研究センタ ー内 Fターム(参考) 5J021 AA05 CA03 CA06 DB02 EA04 FA09 FA16 FA17 FA18 FA21 FA32 HA03 HA04 HA05 HA06 JA03 JA07 5K052 AA02 BB08 DD04 EE02 GG13 GG19 GG20 GG26 GG31 5K059 CC03 DD32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子で構成されるアレー
    アンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が到
    来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット数
    だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、かつ
    その受信タイミングは既知とし、 上記アレーアンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎
    に共通の周波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有
    する局部発振器によって同相および直交成分からなる複
    素ベースバンド信号に変換し、これを各アンテナ素子ご
    とに出力し、 既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換し
    た複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を各ア
    ンテナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役に
    乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通過フ
    ィルタもしくは帯域通過フィルタに通して、これを複素
    重みとして各アンテナ素子ごとの受信複素ベースバンド
    信号にそれぞれ乗算し、 その乗算結果をアンテナ素子数分だけ全て加算すること
    により、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号
    をアレーアンテナの受信ビームとして形成するようにし
    たことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
  2. 【請求項2】 受信側で用意した既知の参照データ系列
    を複素ベースバンド信号に変換した複製信号と、各アン
    テナ素子毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役との
    乗算結果を低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタ
    に通すことで得られる複素重みを、上記各アンテナ素子
    による受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算する際
    に、上記複素重みのエネルギーが予め定めた閾値以下で
    あることを条件に、上記複素重みを強制的にゼロにする
    ことにより、複数の非希望通信信号が希望通信信号とは
    異なる方向から同時に同じ周波数で到来する場合におい
    ても、上記非希望通信信号による干渉を抑圧できるよう
    にしたことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテ
    ナのビーム形成方法。
  3. 【請求項3】 複数のアンテナ素子で構成されるアレー
    アンテナに未知の方向から変調された希望通信信号が到
    来し、その希望通信信号がある時間毎に所定のビット数
    だけ受信側で既知の参照データ系列を伴っており、かつ
    その受信タイミングは既知とし、 上記アレーアンテナからの受信信号を各アンテナ素子毎
    に共通の周波数及び共通ではあるが任意の固定位相を有
    する局部発振器によって同相および直交成分からなる複
    素ベースバンド信号に変換し、これら複数の複素ベース
    バンド信号を空間離散フーリエ変換により上記アレーア
    ンテナからみて所定の複数の方向に指向した固定ビーム
    による受信複素ベースバンド信号に変換し、これを各固
    定ビーム毎に出力し、 既知の参照データ系列を複素ベースバンド信号に変換し
    た複製信号を受信側で発生させて、この複製信号を上記
    各固定ビーム毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役
    に乗算し、その同相および直交成分をそれぞれ低域通過
    フィルタもしくは帯域通過フィルタに通し、これを複素
    重みとして上記各固定ビームごとの受信複素ベースバン
    ド信号にそれぞれ乗算し、 その乗算結果を固定ビーム数分だけ全て加算することに
    より、希望通信信号の到来方向に向けた合成出力信号を
    アレーアンテナの受信ビームとして形成するようにした
    ことを特徴とするアレーアンテナのビーム形成方法。
  4. 【請求項4】 受信側で用意した既知の参照データ系列
    を複素ベースバンド信号に変換した複製信号と、複数の
    方向に指向した各固定ビームによる受信複素ベースバン
    ド信号毎の受信複素ベースバンド信号の複素共役との乗
    算結果を低域通過フィルタもしくは帯域通過フィルタに
    通すことで得られる複素重みを、上記各固定ビームによ
    る受信複素ベースバンド信号にそれぞれ乗算する際に、
    上記複素重みのエネルギーが予め定めた閾値以下である
    ことを条件に、上記複素重みを強制的にゼロにすること
    により、複数の非希望通信信号が希望通信信号とは異な
    る方向から同時に同じ周波数で到来する場合において
    も、上記非希望通信信号による干渉を抑圧できるように
    したことを特徴とする請求項3に記載のアレーアンテナ
    のビーム形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005091526A1 (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 無線通信装置
JP2011124860A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Nec Corp 等化器、等化システム、等化方法、およびプログラム
CN114070355A (zh) * 2020-08-04 2022-02-18 三星电子株式会社 用于消除自干扰信号的电子设备及其操作方法

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JP2011124860A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Nec Corp 等化器、等化システム、等化方法、およびプログラム
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