JP2000081212A - カートリッジ式携帯ガスコンロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼部での厚みを薄く形成し、熱効率のよい
携帯式ガスコンロを提供する。 【解決手段】 カートリッジガスボンベに貯蔵した液化
石油ガスを燃料とする携帯用ガスコンロの空燃混合管(1
0)の一端部に上面開放状のバーナハウジング(８)を固定
する。このバーナハウジング(８)内に混合気分散手段
(Ｄ)を配置するとともに、バーナハウジング(８)の開口
部に金属繊維の織物あるいは編物で形成した布状マット
(11)を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱効率のよいカー
トリッジ式携帯ガスコンロに関し、特に、バーナの表面
で燃焼するガスバーナを使用した携帯式ガスコンロに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カートリッジガスボンベを内蔵し
た携帯式のガスコンロでは、燃料ガスと空気の混合気を
バーナヘッドのガス噴孔から噴出させ、この噴出してい
る混合気に着火させ、燃焼部での外気を２次燃焼空気と
して燃焼するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の携帯
式ガスコンロではバーナヘッドに形成されているガス噴
孔の外側に炎が形成されており、ガス噴孔の外側部分の
大気を２次燃焼空気として取り入れなければならないこ
とから、バーナヘッドの上端面とバーナヘッド上方に載
置した煮炊具底面との間に２次燃焼空気の取入れ空間を
設けておかなければならないうえ、ガス噴孔に形成され
る炎が煮炊具底面に接触する個所が部分的になることか
ら、加熱がムラになるという問題があった。また、屋外
に持ち出して使用した場合には、横風により吹き消えが
生じやすいという問題もあった。

【０００４】さらに、従来の携帯式ガスコンロではコン
ロフレームからバーナ空燃混合管を立設し、空燃混合管
の上端部にバーナヘッドを装着してあることから、バー
ナ部分での高さが高くなり、燃焼部の位置が高くなる。
そして、この種携帯式ガスコンロでは、コンロ本体をテ
ーブル上に設置し、コンロの燃焼部に鍋等の煮炊具を設
置して使用することから、鍋の上端が高くなって、鍋か
らの内容物の取り出しが行いにくい場合があるという問
題があった。

【０００５】本発明は、このような点に着目して、燃焼
部での厚みを薄く形成し、熱効率のがよい携帯式ガスコ
ンロを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、空燃混合管の一端部に上面開放状のバー
ナハウジングを固定し、このバーナハウジング内に混合
気分散手段を配置するとともに、バーナハウジングの開
口部に金属繊維の織物あるいは編物で形成した布状マッ
トを配置して火口を形成したことを特徴としている。

【０００７】

【発明の作用】本発明では、空燃混合管の一端部に上面
開放状のバーナハウジングを固定し、バーナハウジング
の内部に混合気分散手段を配置し、バーナハウジングの
開口部に金属繊維の織物あるいは編物で形成した布状マ
ットを張設していることから、このバーナはマットの表
面で燃焼する表面燃焼バーナとして作用する。 表面燃
焼バーナの場合には、二次燃焼空気をほとんど必要とし
ないことから、バーナ表面と煮炊具底面との間隙を狭く
設定することができるようになり、コンロを薄くでき
る。さらに、従来のコンロが対流伝熱のみを利用してい
ただけであるのに対して、表面燃焼を使用することで輻
射伝熱を積極的に利用するので、熱効率の高いガスコン
ロとなる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１はガスコンロの概略斜視図、
図２はバーナ部分の縦断面図である。このガスコンロ
は、ケーシング(１)の中央部にバーナ設置部(２)を形成
するとともに、一側にカートリッジ式液化石油ガスボン
ベ収容室(３)をケーシング(１)の上面から上方に突出す
る状態に形成してある。

【０００９】バーナ設置部(２)でのケーシング(１)の上
面壁には、バーナ(５)の燃焼部をケーシング(１)の外側
に臨ませるためのバーナ孔(６)が透設してあり、このバ
ーナ孔(６)の外周縁部分に接する状態で煮炊具保持体
(７)が放射状に設置してある。

【００１０】バーナ(５)は図２に示すように、円形の薄
皿状に形成したバーナハウジング(８)の底壁(９)に空燃
混合管(10)を接続し、上面開口部に金属繊維を織成ある
いは編組して得られた布状マット(11)を装着固定してあ
る。そして、バーナハウジング(８)の内部には、整流手
段(12)と混合気分散手段(Ｄ)とが上下に配置してあり、
バーナハウジング底壁(９)と混合気分散手段(Ｄ)との
間、混合気分散手段(Ｄ)と整流手段(12)との間の間隙は
スペーサリング(14)(15)でそれぞれ設定してある。な
お、この混合気分散手段(Ｄ)は空燃混合管(10)の上端開
口径より大径の混合気分散板(13)で形成してある。ま
た、整流手段(12)は、焼結金属板等の多孔板や金網で形
成してある。

【００１１】図２中符号(16)は布状マツト(11)をバーナ
ハウジング(８)に固定する為の押圧リング、(17)は押圧
リング(16)をバーナハウジング(８)の受け止め鍔部(18)
に固定するためのビスである。

【００１２】上述の構成からなるバーナ(５)では、空燃
混合管(10)から液化石油ガスの気化ガスとその気化ガス
量に見合う理論値量の空気とを混合させた状態でバーナ
ハウジング(８)内に導入することにより、布状マット(1
1)の表面乃至内部で燃焼し、布状マット(11)の表面が赤
熱され、マット表面上で炎が発生することはない。

【００１３】液化石油ガスとして液化ブタンを使用し、
供給ブタンガス量を変化させた場合の性能を表にする
と、次表のようになる。

【００１４】

【表１】

【００１５】上記実施形態では、バーナハウジング(８)
を円形の薄皿状に形成したが、方形の薄皿状であっても
よい。さらに、上記実施形態では、バーナハウジング
(８)の底壁(９)部分に空燃混合管(10)を接続している
が、バーナハウジング(８)の側壁部分に接続するように
してもよい。また、バーナハウジング(８)内に混合気分
散手段(Ｄ)のみを配置して整流手段(12)を省略するよう
にしてもよい。

【００１６】図３は、別の実施形態を示す概略斜視図
で、カートリッジ式液化石油ガスボンベの収容室(３)を
バーナ設置部(２)でのケーシング(１)の下側に突出させ
てバーナ設置部(２)の上面とガスボンベの収容室(３)の
上面部分とを面一に形成し、バーナ設置部(２)での下側
部分に接地脚を突出形成するようにしてもよい。このよ
うに構成した場合には、上面がフラットになり、大型の
煮炊具でも載置することができるという効果を得ること
ができる。

【００１７】図４はさらに別の実施形態を示す要部の断
面図で、円形薄皿状のバーナハウジング(８)の一側壁部
分に空燃混合管(10)を接続するとともに、バーナハウジ
ング(８)の底壁部分を一部球殻状に突出させ、この球殻
状突起(19)で混合気分散手段(Ｄ)を構成したものであ
る。

【００１８】

【発明の効果】本発明では、空燃混合管の一端部に上面
開放状のバーナハウジングを固定し、バーナハウジング
の内部に混合気分散手段を配置し、バーナハウジングの
開口部に布状マットを張設していることから、このバー
ナはマットの表面で燃焼する表面燃焼バーナとなる。こ
のためバーナとしてその燃焼時に二次燃焼空気をほとん
ど必要としないことから、バーナ表面と煮炊具底面との
間隙を狭く設定することができ、熱効率の高いガスコン
ロを得ることができる。

【００１９】本発明では、バーナを表面燃焼バーナで構
成していることから、バーナ自体の高さを低く形成で
き、ガスコンロとして背の低いガスコンロを得ることが
できる。これにより、煮炊具を載置しても安定した燃焼
状態を得ることができるうえ、輻射伝熱を積極的に利用
しているので、対流伝熱だけであった従来のガスコンロ
に比べて高い熱効率を得ることができる。

【００２０】また、布状マットを金属繊維の織物または
編物で構成しているので、布状マットでの圧力損失が少
ない。これにより、カートリッジ式ガスボンベから供給
されるガス圧力で安定燃焼させることができるうえ、燃
焼に伴う熱膨張、消火後の熱収縮時にその変形を織り組
織や編み組織の変形で吸収することができるから、バー
ナエレメントとして耐久性に優れ、長期間使用可能なガ
スコンロを得ることができる。

【００２１】さらに、本発明では、バーナ表面全体で発
熱し、炎がほとんどでないこと及びバーナ表面と煮炊具
底面との間隔を狭く設定することができることから、屋
外で使用しても、横風による炎の吹き消えがなく、風に
強いガスコンロとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施形態のガスコンロの概略斜視図である。

【図２】バーナ部分の縦断面図である。

【図３】異なる実施形態のガスコンロの概略斜視図であ
る。

【図４】異なる形式のガスバーナの縦断正面図である。

【符号の説明】

８…バーナハウジング、10…空燃混合管、11…布状マッ
ト、12…整流手段、13…混合気分散板、19…混合気分散
突起、Ｄ…混合気分散手段。

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年８月１３日（１９９９．８．１
３）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、一側にカートリッジガスボンベ収容室を
形成してなるケーシングの上面壁中央部にバーナ孔を開
口し、このバーナ孔の周囲に煮炊具保持具を放射状に設
置し、空燃混合管の一端部に上面開放状のバーナハウジ
ングを固定し、このバーナハウジング内に混合気分散手
段を配置するとともに、バーナハウジングの開口部に金
属繊維の織物あるいは編物で形成した布状マットを配置
して火口に形成したバーナを前記バーナ孔に臨ませて配
置したことを特徴としている。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００７】

【発明の作用】本発明では、ケーシングに配置したバー
ナを、空燃混合管の一端部に上面開放状のバーナハウジ
ングを固定し、バーナハウジングの内部に混合気分散手
段を配置し、バーナハウジングの開口部に金属繊維の織
物あるいは編物で形成した布状マットを張設しているこ
とから、このバーナはマットの表面で燃焼する表面燃焼
バーナとして作用する。表面燃焼バーナの場合には、二
次燃焼空気をほとんど必要としないことから、バーナ表
面と煮炊具底面との間隙を狭く設定することができるよ
うになり、コンロを薄くできる。さらに、従来のコンロ
が対流伝熱のみを利用していただけであるのに対して、
表面燃焼を使用することで輻射伝熱を積極的に利用する
ので、熱効率の高いガスコンロとなる。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】

【発明の効果】本発明では、一側にカートリッジガスボ
ンベ収容室を形成してなるケーシングの上面壁中央部に
バーナ孔を開口し、このバーナ孔の周囲に煮炊具保持具
を放射状に設置し、空燃混合管の一端部に上面開放状の
バーナハウジングを固定し、このバーナハウジング内に
混合気分散手段を配置するとともに、バーナハウジング
の開口部に金属繊維の織物あるいは編物で形成した布状
マットを配置して火口に形成したバーナを前記バーナ孔
に臨ませて配置していることから、このバーナはマット
の表面で燃焼する表面燃焼バーナとなる。このためバー
ナとしてその燃焼時に二次燃焼空気をほとんど必要とし
ないことから、バーナ表面と煮炊具底面との間隙を狭く
設定することができる。さらに、輻射伝熱を積極的に利
用することができるので、対流伝熱だけであった従来の
ガスコンロに比べて高い熱効率を得ることができる。こ
の結果、熱効率の高いガスコンロを得ることができる。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１９】上述のように本発明では、バーナを表面燃
焼バーナで構成していることから、バーナ自体の高さを
低く形成でき、ガスコンロとして背の低いガスコンロを
得ることができる。これにより、煮炊具を載置しても安
定した燃焼状態を得ることができる。

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２０】また、表面燃焼バーナを構成している布状
マットを金属繊維の織物または編物で構成しているの
で、布状マットでの圧力損失が少ない。これにより、カ
ートリッジ式ガスボンベから供給されるガス圧力で安定
燃焼させることができるうえ、燃焼に伴う熱膨張、消火
後の熱収縮時にその変形を織り組織や編み組織の変形で
吸収することができるから、バーナエレメントとして耐
久性に優れ、長期間使用可能なガスコンロを得ることが
できる。

【手続補正７】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２１】さらに、本発明では、バーナ表面全体で発
熱し、炎がほとんどでないこと及びバーナ表面と煮炊具
底面との間隔を狭く設定することができることから、加
熱ムラのない煮炊を行うことができるうえ、屋外で使用
しても、横風による炎の吹き消えがなく、風に強いガス
コンロとなる。

フロントページの続き (72)発明者 森 牧彦 東京都港区西新橋３丁目21番８号 岩谷産 業株式会社東京本社内 (72)発明者 和佐 中平 滋賀県守山市勝部町1095番地 岩谷産業株 式会社滋賀技術センター内 (72)発明者 中村 貞紀 滋賀県守山市勝部町1095番地 岩谷産業株 式会社滋賀技術センター内 (72)発明者 宮村 知宏 滋賀県守山市勝部町1095番地 株式会社岩 谷ガス開発研究所内 Ｆターム(参考） 3K017 BA01 BA07 BC03 BE03 BF01 CA03 CA10 CB08 CE01 CF01

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジガスボンベに貯蔵した液化
   石油ガスを燃料とする携帯用ガスコンロにおいて、 空燃混合管(10)の一端部に上面開放状のバーナハウジン
   グ(８)を固定し、このバーナハウジング(８)内に混合気
   分散手段(Ｄ)を配置するとともに、バーナハウジング
   (８)の開口部に金属繊維の織物あるいは編物で形成した
   布状マット(11)を配置して火口を形成したカートリッジ
   式携帯ガスコンロ。
2. 【請求項２】 混合気分散手段(Ｄ)がバーナハウジング
   (８)内に配置した混合気分散板(13)である請求項１に記
   載のカートリッジ式携帯ガスコンロ。
3. 【請求項３】 混合気分散手段(Ｄ)がバーナハウジング
   (８)の底壁に形成した混合気分散突起(19)である請求項
   １に記載のカートリッジ式携帯ガスコンロ。
4. 【請求項４】 バーナーハウジング(８)内に整流手段(1
   2)と混合気分散手段(Ｄ)とを所定間隔へだてて上下方向
   に配置した請求項２又は請求項３に記載のカートリッジ
   式携帯ガスコンロ。