JP2000080233A - 抗菌性複合体 - Google Patents

抗菌性複合体

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JP2000080233A
JP2000080233A JP26568298A JP26568298A JP2000080233A JP 2000080233 A JP2000080233 A JP 2000080233A JP 26568298 A JP26568298 A JP 26568298A JP 26568298 A JP26568298 A JP 26568298A JP 2000080233 A JP2000080233 A JP 2000080233A
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antibacterial
composite
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aqueous solution
metal
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JP26568298A
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Isamu Yamaguchi
勇 山口
Maki Shiina
麻喜 椎名
Hironobu Fukuzaki
裕延 福崎
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Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Taki Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体への安全性、操作性に優れ、しかも抗菌
活性の持続性に優れた抗菌性複合体を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとキトサンの複合
体に抗菌性金属を含有させることによって上記課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・抗カビ効果
の持続性が改良された、抗菌性金属を含有するポリビニ
ルアルコールとキトサンからなる抗菌性複合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】抗菌剤としては、有機系抗菌剤と無機系
抗菌剤が知られている。有期系抗菌剤は即効性に優れる
ことから、これまで広く使用されてきたが、一般に毒性
が強く安全性の面で近年種々の問題を生じている。一
方、無機系抗菌剤は有機系抗菌剤に比べ即効性の面でや
や劣るものの、安全性が高く、しかも抗菌作用の持続
性、耐熱性に優れるため、近年では無機系抗菌剤を使用
する傾向にある。
【0003】従来から微量の銀、銅、亜鉛等の金属イオ
ンが抗菌・抗カビ効果を有することが知られており、こ
のような抗菌性の金属イオンは、例えば硝酸銀のような
金属塩の形態で殺菌剤、消毒剤等に添加され各種分野で
広く使用されている。しかし、このような金属塩は、水
溶液状態で取り扱うことから操作性の面でその用途が限
定される。また、硝酸銀にあっては高濃度にすると、人
体への強い粘膜刺激性があり、その安全性にも問題があ
る。
【0004】このような状況のもとで、近年、銀等の抗
菌性金属イオンを各種の担体に担持させ、取り扱い・操
作性の改善と抗菌活性の持続性を向上させる検討が行わ
れている。例えば、活性炭(特公昭52-38666号)、ゼオ
ライト(特公昭63-54013号)、非晶質アルミノ珪酸塩
(特開平3-23960号)等の各種の担体に抗菌性金属イオ
ンを担持した例が知られ、一部は市販されている。しか
し、これらの抗菌性金属を担持した担体は、種々の問題
がある。
【0005】例えば、多孔質物質を担体とするようなも
のは、金属保持力が弱いため水に添加使用した場合、担
持されていた抗菌性金属の溶出速度が弱いため水に添加
使用した場合、担持されていた抗菌性金属の溶出速度が
速く、短時間で抗菌効果が低下してしまう。また、無機
系抗菌剤は有機系ポリマーを基材とする各種形成材料や
繊維、塗料への分散性が悪く、均一に混入させることが
困難である。そのため、安定して抗菌性金属を溶出させ
ることができない。また、抗菌性金属担体を混入させた
有機系ポリマーからなる各種物品は、一般に抗菌性金属
の溶出性が低くなり実用性に乏しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、緑膿菌やMRS
A等の院内感染を防止するために、抗菌性金属を有効成
分として含有する各種抗菌性基材の開発が進められてい
る。このような中で、抗菌活性の持続性に優れた抗菌性
基材であって、且つ人体への安全性、操作性の良好な抗
菌剤の開発が望まれていた。
【0007】本発明者らは、前述の実状に鑑み、人体へ
の安全性、操作性に優れ、しかも抗菌活性の持続性に優
れた抗菌性基材を開発すべく鋭意検討を重ねた結果本発
明を完成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと略称する。)とキトサ
ンの複合体に抗菌性金属を含有させることによって、前
述の課題を解決した極めて優れた抗菌性複合体に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の抗菌性複合体の製
造法について詳記する。例えば、先ず、PVAを水に加
熱溶解する。これとは別に、キトサンを2〜数重量%酢
酸水溶液に溶解する。次に、PVA水溶液とキトサン水
溶液を混合し、PVAとキトサンの混合溶液を製造して
乾燥させることにより複合体を得る。この複合体を抗菌
性金属塩の水溶液に浸漬することにより抗菌性金属を複
合体中に取り込み、本発明抗菌性複合体を得る。
【0010】抗菌性金属塩としては、例えば、硝酸銀、
硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げ
られる。しかし、本発明複合体はこれらに限定されるも
のではない。上記のような製造法によるときは一般的に
は浸漬時間に比例して抗菌性金属を多含させることがで
きる。しかし、浸漬時間は24時間以内で充分である。
浸漬方法によるときはこれ以上浸漬しても抗菌性金属の
含有量の増加は望めない。 本発明の有効な特性は、抗
菌性金属が特に生理食塩水中において略一定割合で安定
して溶出し、長期間にわたり抗菌性を発現できる点にあ
る。本発明の抗菌性複合体は、水等の被処理液と接触す
ることにより略一定量で継続的に抗菌性金属イオンを溶
出し、この溶出した抗菌性金属イオンにより、細菌等有
害微生物が死滅する。本発明抗菌性複合体は、創傷被覆
材等医療用材料等に有用である。
【0011】本発明のPVAとキトサンの使用割合は任
意に設定できるが、その割合によって物性は変化する。
さらに詳述すると、使用割合はPVA:キトサン=1:
1〜10:1(重量比)が望ましい。PVAの重量比が
1:1を下回る場合、強度が低下するため脆くなり実用
上好ましくない。また、キトサンの重量比が1:10よ
りも低い場合、キトサンのアミノ基が減少し抗菌性金属
との塩を形成できなくなり、抗菌性金属の含有量を高く
することが困難になり抗菌性能が低下し好ましくない。
【0012】抗菌性金属含有量については、浸漬時間及
び抗菌性金属塩水溶液濃度を変えることにより任意に設
定でき、抗菌性金属含有量による基材そのものの物性は
変化は殆ど無い。しかし、本発明の抗菌性複合体の抗菌
性は抗菌性金属の安定した溶出によるものであり、抗菌
性金属の含有量が非常に低い場合長期間の抗菌性の保持
は望めない。また、抗菌性金属の含有量が非常に高い場
合、金属によっては廃棄物処理において問題となる。
【0013】従って、本発明の抗菌性複合体では、基材
全体に対して抗菌性金属含有量が1×10-3〜30重量
%となることが望ましい。また、実用的には、0.1〜
10重量%が望ましい。
【0014】上記から明らかなように、本発明の抗菌性
複合体は、特に清潔さが要求される衛生分野、例えば、
水槽・プール等の防藻もしくは殺菌剤として、コンタク
トレンズ・医療機器・食器等の殺菌消毒剤、院内感染予
防を目的とした医療用感染防止剤、切り傷・擦り傷・術
後傷等への医療用殺菌・消毒剤等に利用できる。その
他、食品分野では防腐剤などへも応用することができ
る。また、家庭用雑貨・工業用抗菌・抗カビ剤等多種多
様な分野に利用することができる。従って、本発明の抗
菌性複合体は従来知られている抗菌性複合体の全ての用
途に適用可能である。 また、本発明の抗菌性複合体
は、用途に応じて長期間抗菌性を維持できるように設計
が可能である。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げ更に本発明を詳記する。
尚、%は特に断らない限り全て重量%を示す。 (実施例1)蒸留水112.8gにPVA7.2gを加
え、オートクレーブ中で110℃で20分間加熱溶解
し、6%PVA水溶液を得た。これとは別にキトサン
2.5gを2%酢酸水溶液47.5gに溶解し、5%キ
トサン水溶液を得た。次に、6%PVA水溶液60gと
5%キトサン水溶液24gを混合し、よく攪拌した。こ
うして得られたPVAとキトサンの混合溶液25gを9
0mm×140mmの底が平らな容器に流し込み、室温
中で乾燥させることにより、厚さ約30μmのPVA-
キトサン複合体フィルムを得た。次にこれを1Nの水酸
化ナトリウム水溶液に20分間浸漬させ脱酢酸した後、
よく水洗した。これを1%硝酸銀水溶液200ml中に
一昼夜浸したあと、水洗して40℃の通風乾燥器中で乾
燥させ、本発明抗菌性複合体を得た。
【0016】(実施例2〜3)実施例1で用いた5%キ
トサン水溶液添加量を36g(実施例2)、8g(11
%)(実施例3)とし、実施例1と全く同様の操作で本
発明抗菌性複合体を得た。 (実施例4)実施例1で用いた1%硝酸銀の代わりに、
1%硫酸銅水溶液を使用し、実施例1と全く同じ操作
で、本発明抗菌性複合体を得た。
【0017】<溶出試験>実施例で得た抗菌性複合体を
用い、銀溶出挙動を測定した。測定方法について以下の
通りである。抗菌性複合体200mgを50mlの生理
食塩水に浸し、35℃で1昼夜保持した。このときの生
理食塩水中の銀濃度を原子吸光分光光度計(AA650
0G、(株)島津製作所製)を用いて測定した。更に、生
理食塩水を毎日新しいものと交換し、この操作を繰り返
した。その結果を図1に示す。
【0018】<抗菌性評価試験1>実施例で得た抗菌性
複合体を用い、病原菌の発育阻止円の形成による抗菌性
の評価試験を行った。評価試験の方法は、直径9cmの
シャーレに10mlの肉エキス寒天培地溶液を注入、固
化させて形成した培地上に直径2cmの円形に切り取っ
た抗菌性複合体を置き、30℃で2日間培養を行った。
培養後、寒天培地上に形成された被検菌の発育阻止円の
有無を確認することにより、抗菌性複合体の抗菌性を評
価した。尚、被検菌としてはスタフィロコッカス・アウ
レウス(Staphylococcus aureusIFO-12732)(黄色ブ
ドウ球菌)を用いた。各実施例の抗菌性複合体の発育阻
止円有無の結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】<抗菌性評価試験2>実施例で得た抗菌性
複合体を用い、抗菌活性の持続性について評価試験を行
った。評価試験の方法は、抗菌性複合体200mgを5
0mlの生理食塩水に浸漬して洗浄し、これを35℃の
生理食塩水中に、それぞれ3日間、7日間、14日間浸
漬させた。但し、生理食塩水は1日毎に新しいものと交
換した。所定期間浸漬後、抗菌性評価試験1と同様の方
法により発育阻止円の有無を確認した。結果を表2に示
した。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の抗菌性複合体は、特に生理食塩
水中において略一定割合で安定して溶出し、長期間にわ
たり抗菌作用を発現することが可能な極めて優れたもの
である。 従って、創傷被覆材として特に有用であり、
院内感染予防を目的とした医療用感染防止剤、切り傷、
術後傷等への医療用殺菌・消毒剤、清潔さが要求される
衛生分野や医療分野、水槽・プール等の防藻もしくは殺
菌剤、コンタクトレンズ・医療用機器・食器等の殺菌・
消毒剤等に利用でき実用的にも優れたものである。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は生理食塩水中における本発明の抗菌性複
合体の抗菌性金属の溶出挙動を測定した結果である。
【符号の説明】
●、▲、■はそれぞれ実施例1、2、3の測定結果を示
す。尚、縦軸は溶出液濃度で単位はppm、横軸は溶出
日数を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性金属を含有したポリビニルアルコ
    ールとキトサンからなる抗菌性複合体。
  2. 【請求項2】 抗菌性金属含有量が1×10-3〜30重
    量%である請求項1記載の抗菌性複合体。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールとキトサンの使用
    割合が、重量比で1:1〜10:1である請求項1また
    は2記載の抗菌性複合体。
  4. 【請求項4】 抗菌性金属が銀である請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の抗菌性複合体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1179352A1 (en) * 2000-08-08 2002-02-13 MONTERESEARCH S.r.l. Topical composition for covering a skin lesion
GB2381749A (en) * 2001-11-08 2003-05-14 Alan John Taylor Powders having contact biocidal properties comprising a polymer and silver

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