JP2000080033A - 腹膜透析液および腹膜透析液の調整方法 - Google Patents

腹膜透析液および腹膜透析液の調整方法

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JP2000080033A
JP2000080033A JP11185957A JP18595799A JP2000080033A JP 2000080033 A JP2000080033 A JP 2000080033A JP 11185957 A JP11185957 A JP 11185957A JP 18595799 A JP18595799 A JP 18595799A JP 2000080033 A JP2000080033 A JP 2000080033A
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Akihiro Kubo
晃浩 久保
Keimei Takahashi
啓明 高橋
Kazuo Chiku
一雄 知久
Hidehiko Oshima
英彦 大島
Shinsuke Kawai
伸介 河合
Teruyuki Usui
照幸 臼井
Yasuhiko Fukuda
泰彦 福田
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】除水量の向上、除水時間(貯留時間)の延長、
腹膜透析液注入量の減少、グルコース負荷の低減、およ
び長期腹膜透析療法の継続等を図ることができる腹膜透
析液、および腹膜透析液の調整方法の提供。 【解決手段】少なくとも1種のカチオンと、前記カチオ
ンの総量に対して低濃度となるように、カチオン総量に
対して濃度差を設けて含有されるクロルイオンと、前記
カチオン総量とクロルイオンとの濃度差に応じて、電気
的中性を保つように含有される有機酸とを有し、前記有
機酸の濃度が、炭素数3の有機酸の総濃度をA(mmol/
l); 炭素数4の有機酸の総濃度をB(mmol/l); 炭素
数5の有機酸の総濃度をC(mmol/l); 炭素数6の有機
酸の総濃度をD(mmol/l); 炭素数7の有機酸の総濃度
をE(mmol/l); 炭素数8以上の有機酸の総濃度をF(m
mol/l); とした際に、下記式を満足することを特徴と
する腹膜透析液等。 A/60+B/50+C/40+D/30+E/20+
F/10≧1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹膜透析療法に用
いられる腹膜透析液の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】末期腎不全の対症療法の1つとして、腹
膜透析療法がある。この療法の原理は、体液よりも浸透
圧の高い腹膜透析液を腹腔に注入し、腹膜を介した体液
(血液)と腹膜透析液との間の浸透圧較差を利用して、
生体から水分の除去(限外濾過による除水)をすること
にある。老廃物(尿素、クレアチニン、リンなど)の除
去は主に拡散によって行われ、また、限外濾過による水
分の移動によっても老廃物除去(コンベクション)が行
われる。
【0003】腹膜透析療法は継続的に長期間にわたり実
施する必要があるが、血液透析療法に比べて、装置や器
具が大掛かりとならず、時間的拘束も少なく、かつ医療
費も廉価である上に、患者の社会復帰や在宅療養の点で
も有利であり、しかも、患者の腎臓機能の低下も低減で
きるという利点がある。
【0004】現在、腹膜透析療法で臨床応用されている
腹膜透析液は、一般的に、電解質(ナトリウムイオン、
カルシウムイオン、マグネシウムイオン、クロルイオン
等)、アルカリ化剤(通常は乳酸イオン)、浸透圧調整
物質(通常はグルコース)から構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような腹膜透析液
では、電解質およびアルカリ化剤の組成を一定とし、浸
透圧調整物質すなわちグルコース濃度を変えることによ
り、浸透圧を増減して透析量(除水量や老廃物除去量)
をコントロールしている。
【0006】透析量を増やすためには、浸透圧(すなわ
ちグルコース濃度)を上げる手法がとられているが、そ
れには以下のような問題点がある。 グルコース濃度の増加は、透析患者の肥満原因となる
他、近年増加の一途をたどる糖尿病性腎不全患者の血管
病変に対して悪影響を与える。 浸透圧の上昇は、腹膜機能の低下を加速し、その結
果、透析不能となって療法を離脱せざるを得ない等、臨
床的に問題がある。 そのため、グルコース濃度の調整によって透析量をコン
トロールする、従来の腹膜透析液では、長期の療法継続
が困難であるといった問題点があり、浸透圧を上げるこ
となく、より高い透析効果(除水および老廃物除去)が
得られる腹膜透析液の出現が望まれている。
【0007】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、浸透圧(グルコース濃度)を上げ
ることなく、あるいは浸透圧をより低減して、除水量の
向上、除水時間(貯留時間)の延長、腹膜透析液注入量
の減少、グルコース負荷の低減、および長期腹膜透析療
法の継続等を図ることができる腹膜透析液、および腹膜
透析液の調整方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述のように、浸透圧調
整物質としてグルコースを用いる腹膜透析液は、糖尿病
性腎不全患者の血管病変に対して悪影響を与える、腹膜
機能の低下を加速し透析不能となって療法離脱する等の
問題を有する。このような問題を解決するために、浸透
圧(グルコース濃度)を低減した上で、良好な透析効果
が得られる腹膜透析液の研究・開発が、種々行われてい
る。これらの研究・開発は、主に、グルコース以外の浸
透圧調整物質を検討することによって行われており、例
えば、浸透圧を上げずに透析効果を向上するために、デ
キストリンやマルトース等の分子量の大きなものを浸透
圧調整物質として用いる方法等が試みられている。
【0009】これに対し、本発明者らは、より高い透析
効果が得られる腹膜透析液について鋭意検討を重ねた結
果、従来の浸透圧代替物質の検討とは異なる手法、すな
わち、腹膜透析液に含有される総カチオンとクロルイオ
ンとの間に濃度差を設け、この濃度差を有機酸を用いて
電気的に中和し、かつ、有機酸の濃度を有機酸の炭素数
に応じて所定の値に調整することにより、浸透圧によら
ず、除水量の増大や除水時間の長時間化等、優れた透析
効果を有する腹膜透析液を実現でき、しかも、前記濃度
差の選択および/または含有する有機酸の選択によっ
て、透析効果を調整できることを見出し、本発明を成す
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、少なくとも1種のカ
チオンと、前記カチオンの総量に対して低濃度となるよ
うに、カチオン総量に対して濃度差を設けて含有される
クロルイオンと、前記カチオン総量とクロルイオンとの
濃度差に応じて、電気的中性を保つように含有される有
機酸とを有し、前記有機酸の濃度が、炭素数3の有機酸
の総濃度をA(mmol/l); 炭素数4の有機酸の総濃度を
B(mmol/l); 炭素数5の有機酸の総濃度をC(mmol/
l); 炭素数6の有機酸の総濃度をD(mmol/l);炭素数
7の有機酸の総濃度をE(mmol/l); 炭素数8以上の有
機酸の総濃度をF(mmol/l); とした際に、下記式を満
足することを特徴とする腹膜透析液を提供する。 A/60+B/50+C/40+D/30+E/20+
F/10≧1 なお、上記式においてA、B、C、D、EおよびFは、
それぞれ独立に0であってもよい。
【0011】前記クロルイオンの濃度が30mEq/l 〜1
80mEq/l であるのが好ましい。
【0012】腹膜透析液の浸透圧が260mOsm/kg 〜6
00mOsm/kg であるのが好ましく、280mOsm/kg 〜5
00mOsm/kg であるのがより好ましい。
【0013】また、本発明は、総カチオンとクロルイオ
ンとの間に濃度差を設け、この濃度差に応じて、電気的
中性を保つように有機酸を含有すると共に、前記濃度差
の程度および/または含有する有機酸の種類により、透
析性能を調整することを特徴とする腹膜透析液の調整方
法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の腹膜透析液および
腹膜透析液の調整方法について詳細に説明する。本発明
の腹膜透析液は、総カチオンとクロルイオンとの間に濃
度差を設け、その濃度差に応じて、腹膜透析液の電気的
中性を保つための有機酸を含有することを、その基本的
な構成とする。本発明は、これにより、浸透圧によら
ず、除水量の増大や除水時間(すなわち、有効透析時
間)の長時間化を実現し、優れた透析効果を得ることが
できる。
【0015】このような本発明の腹膜透析液において、
含有するカチオンは、通常の腹膜透析液と同様であり、
ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オン等が例示される。これらのカチオンの濃度は特に限
定されないが、ナトリウムイオン濃度は100mEq/l 〜
200mEq/l が好ましく、特に、130mEq/l 〜150
mEq/l が好ましい。カルシウムイオン濃度は0mEq/l 〜
5mEq/l が好ましく、特に、1mEq/l〜5mEq/l が好ま
しい。さらに、マグネシウムイオンは0mEq/l 〜5mEq/
l が好ましく、特に、0.5mEq/l 〜2mEq/l が好まし
い。
【0016】一方、クロルイオンの濃度は、総カチオン
濃度に比べ低く設定していれば特に限定されないが、3
0mEq/l 〜180mEq/l 、特に、70mEq/l 〜110mE
q/lが好ましい。なお、後に詳述するが、総カチオンと
クロルイオンの濃度差は、目的とする透析効果(除水
量、除水時間、老廃物除去等)や、使用する有機酸等に
応じて適宜決定されるものであり、特に限定はされな
い。
【0017】なお、これらの各イオンは、塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウ
ム等の後述する有機酸のナトリウム塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩等を用いる、通常の腹膜透析液と同様の
方法で、本発明の腹膜透析液に含有させればよい。
【0018】本発明においては、総カチオンとクロルイ
オンに濃度差を設け、その濃度差に応じて、電気的中性
を保つために、有機酸を含有する。有機酸は特に限定は
ないが、好ましくは、炭素数3以上の有機酸が利用され
る。ここで、本発明者らの実験、検討によれば、本発明
の腹膜透析液においては、炭素数3の有機酸は60mmol
/l以上、炭素数4の有機酸は50mmol/l以上、炭素数5
の有機酸は40mmol/l以上、炭素数6の有機酸は30mm
ol/l以上、炭素数7の有機酸は20mmol/l以上、炭素数
8以上の有機酸は10mmol/l以上、含有することによ
り、良好な透析効果が得られる。すなわち、有機酸の含
有量を図1に斜線で示される領域とすることにより、良
好な透析効果を得ることができる。
【0019】従って、本発明の腹膜透析液における有機
酸の濃度は、炭素数3の有機酸の総濃度をA(mmol/l);
炭素数4の有機酸の総濃度をB(mmol/l); 炭素数5
の有機酸の総濃度をC(mmol/l); 炭素数6の有機酸の
総濃度をD(mmol/l); 炭素数7の有機酸の総濃度をE
(mmol/l); 炭素数8以上の有機酸の総濃度をF(mmol/
l); とした際に、下記式を満足するものである。 A/60+B/50+C/40+D/30+E/20+
F/10≧1
【0020】前述のように、本発明においては、有機酸
は腹膜透析液の電気的中性を保つように配合されるもの
であり、従って、有機酸の総含有量は、総カチオンとク
ロルイオンの濃度差に応じて決定される。なお、クロル
イオンの濃度を低く設定しすぎると、血中電解質バラン
スに乱れが生じるおそれがあるため、総カチオンとクロ
ルイオンの濃度差をある範囲内に納める必要がある。従
って、これに応じて有機酸の総含有量は、110mmol/l
以下とするのが好ましく、100mmol/l以下とするのが
より好ましい。
【0021】ここで、図1や前記式よりも明らかなよう
に、本発明においては、含有する有機酸の炭素数が大き
い程、優れた透析効果を得ることができる。また、総カ
チオンとクロルイオンとの濃度差が大きい程(有機酸の
含有量が多い程)、やはり、優れた透析効果を得ること
ができる。そのため、本発明によれば、総カチオンとク
ロルイオンの濃度差、含有する有機酸等を、適宜、選択
・設定することにより、単に透析効果が大きいのみなら
ず、目的とする透析効果に応じた腹膜透析液を得ること
ができる。
【0022】例えば、多くの除水量等、より優れた透析
効果を必要とする場合には、総カチオンとクロルイオン
の濃度差を大きくし、および/または、炭素数の大きな
有機酸を用いればよい。また、患者の病状等に応じて、
前記濃度差を大きくできない(カチオンに比してクロル
イオン量を減らせない)場合であっても、炭素数8の有
機酸等の炭素数の大きな有機酸を用いることにより、優
れた透析効果を得ることができる。すなわち有機酸を選
択することにより、総カチオンとクロルイオンの濃度差
が小さくても優れた透析効果を得ることができる。逆
に、患者の病状等に応じて、カチオンに比してクロルイ
オンの含有量を少なく(カチオン含有量を多く)するの
が好ましく、しかしながら、従来の腹膜透析液に比して
若干優れた程度の透析効果で十分である場合には、炭素
数の小さな有機酸を利用すればよい。すなわち、本発明
によれば、優れた透析効果を確保した上で、患者の病状
等に応じてカチオンとクロルイオンのバランスを調整す
ることも可能である。
【0023】しかも、本発明によれば、このような透析
効果の向上および調整は、腹膜透析液の浸透圧によらず
発現される。従って、従来の腹膜透析液よりも低い浸透
圧でも十分に優れた透析効果を得ることができ、あるい
は同じ浸透圧であれば、より高い透析効果を得ることが
できる。さらに、総カチオンとクロルイオンに濃度差を
設け、電気的中性を有機酸で保つ本発明によれば、腹膜
透析液がグルコースを多量に含有する場合であっても、
患者にかかるグルコースによる負荷(体内吸収量)も低
減できる。
【0024】本発明において、使用する有機酸には特に
限定はなく、一価あるいは多価の各種の有機酸が利用可
能である。好ましくは、配合モル数を多くできる一価の
有機酸を利用する。一例として、炭素数3の有機酸とし
ては、乳酸、プロピオン酸等が; 炭素数4の有機酸と
しては、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサル酢
酸、N−アセチルグリシン等が; 炭素数5の有機酸と
しては、N−アセチル−L−システイン、グルタル酸等
が; 炭素数6の有機酸としては、グルクロン酸、アス
コルビン酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、N
−アセチル−L−アスパラギン酸等が; 炭素数7の有
機酸としては、N−アセチル−L−グルタミン酸、N−
アセチル−L−メチオニン、N−アセチル−L−プロリ
ン、N−アセチル−L−バリン、N−アセチル−L−グ
ルタミン等が; さらに、炭素数8以上の有機酸として
は、N−アセチル−L−アルギニン、N−アセチル−L
−ヒスチジン、N−アセチル−L−ロイシン、N−アセ
チル−L−トリプトファン等が; それぞれ好適に挙げ
られる。
【0025】本発明において、このような有機酸は、1
つのみを用いてもよく、炭素数の異なる複数種を用いて
もよく、炭素数が同じ複数種を用いてもよく、あるい
は、その両者であってもよい。
【0026】従って、本発明においては、A/60≧
1、B/50≧1、C/40≧1、D/30≧1、E/
20≧1、F/10≧1、A/60+B/50≧1、A
/60+C/40≧1、A/60+D/30≧1、A/
60+E/20≧1、A/60+F/10≧1、B/5
0+C/40≧1、B/50+D/30≧1、B/50
+E/20≧1、B/50+F/10≧1、C/40+
D/30≧1、C/40+E/20≧1、C/40+F
/10≧1、D/30+E/20≧1、D/30+F/
10≧1、E/20+F/10≧1、A/60+B/5
0+C/40≧1、A/60+B/50+D/30≧
1、A/60+B/50+E/20≧1、A/60+B
/50+F/10≧1、A/60+C/40+D/30
≧1、A/60+C/40+E/20≧1、A/60+
C/40+F/10≧1、A/60+D/30+E/2
0≧1、A/60+D/30+F/10≧1、A/60
+E/20+F/10≧1、B/50+C/40+D/
30≧1、B/50+C/40+E/20≧1、B/5
0+C/40+F/10≧1、B/50+D/30+E
/20≧1、B/50+D/30+F/10≧1、B/
50+E/20+F/10≧1、C/40+D/30+
E/20≧1、C/40+D/30+F/10≧1、C
/40+E/20+F/10≧1、D/30+E/20
+F/10≧1、A/60+B/50+C/40+D/
30≧1、A/60+B/50+C/40+E/20≧
1、A/60+B/50+C/40+F/10≧1、A
/60+B/50+D/30+E/20≧1、A/60
+B/50+D/30+F/10≧1、A/60+B/
50+E/20+F/10≧1、A/60+C/40+
D/30+E/20≧1、A/60+C/40+D/3
0+F/10≧1、A/60+C/40+E/20+F
/10≧1、A/60+D/30+E/20+F/10
≧1、B/50+C/40+D/30+E/20≧1、
B/50+C/40+D/30+F/10≧1、B/5
0+C/40+E/20+F/10≧1、B/50+D
/30+E/20+F/10≧1、C/40+D/30
+E/20+F/10≧1、A/60+B/50+C/
40+D/30+E/20≧1、A/60+B/50+
C/40+D/30+F/10≧1、A/60+B/5
0+C/40+E/20+F/10≧1、A/60+B
/50+D/30+E/20+F/10≧1、A/60
+C/40+D/30+E/20+F/10≧1、B/
50+C/40+D/30+E/20+F/10≧1、
A/60+B/50+C/40+D/30+E/20+
F/10≧1のいずれかが満たされる。
【0027】また、ナトリウム塩等のこれらの有機酸イ
オンを含む有機酸塩も好適に利用可能である。
【0028】本発明の腹膜透析液は、必要に応じて、通
常の腹膜透析液に用いられる浸透圧調整物質を含有して
もよい。浸透圧調整物質としては、グルコース、デキス
トリン、マルトース等が例示される。浸透圧調整物質と
しては、従来から使用されてきている安全性の高い還元
性の糖類を使用することができる。また、その含有量に
は特に限定はないが、例えば、グルコースであれば、0
g/dl〜4.0g/dlの範囲が好ましい。これらは、腹膜透
析液の浸透圧およびpH、患者の状態等により適宜選択
すればよい。
【0029】本発明の腹膜透析液のpHは5.0〜8.
0が好ましく、特に、5.5〜7.5が好ましい。ま
た、浸透圧は260mOsm/kg 〜600mOsm/kg であるの
が好ましく、280mOsm/kg 〜500mOsm/kg であるの
が特に好ましい。これらの調整方法は、公知の方法によ
ればよい。
【0030】本発明の腹膜透析液は、前述のカチオンお
よびクロルイオン源、有機酸、その他の成分を水に溶解
することにより調製される。得られた腹膜透析液は、軟
質プラスチック製バックやガラス製容器などに封入した
後、高圧蒸気滅菌や熱水滅菌を行うことが望ましい。な
お、軟質プラスチックの材質としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リアミド、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、エチレン
酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらを多層フィ
ルムとして組み合わせたものでもよい。
【0031】なお、本発明の腹膜透析液の使用方法は何
ら限定されず、既知の腹膜透析療法の手法によって行え
ばよい。
【0032】前述のように、また、後の実施例からも明
らかなように、このような本発明の腹膜透析液は、一般
的に臨床応用されている腹膜透析液と、浸透圧および注
入量が同一の条件下で比較して、除水量(限外濾過量)
を増加させ、さらに除水時間を延長することができる。
しかも、グルコースを含有する場合には、その体内吸収
量を減少させることも可能である。
【0033】従って、本発明の腹膜透析液を用いること
で、従来の腹膜透析液より腹腔への注入量が減らせ、貯
留液の交換時間に幅を持たせることができる。すなわ
ち、本発明によれば、腹膜透析液入りバックの小型化
(縮小化)、腹膜透析液バックの保管場所の縮小、廃棄
物の減少などが可能となる。また、除水量が十分に確保
されている患者に対しては、例えば浸透圧調整物質とし
てのグルコース濃度を減らす等によって、浸透圧を下げ
ることが可能であるので、腹膜に負担を掛けず、長期間
の本療法継続が可能となる。しかも、本発明はグルコー
スの体内吸収量を減少させうるので、脂質代謝異常、肥
満、糖尿病等の患者の腹膜透析療法にも好適である。従
って、本発明によれば、患者の社会復帰およびQOL(Q
uality of Life) に多大な貢献を果たすことができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
についてより詳細に説明する。
【0035】[実施例1]総カチオンとクロルイオンの
濃度差が除水量に及ぼす効果の検討。 (腹膜透析液の調製)下記表1に示す電解質イオンおよ
び有機酸イオンの濃度になるように、塩化ナトリウム、
乳酸ナトリウムを注射用水に溶解し、各発明例および比
較例の腹膜透析液を得た。なお、浸透圧は、pH−浸透
圧計(HOSM−1、東亜電波工業(株)製)によって
測定した(浸透圧は、以下の実施例もすべて同様に測
定)。
【0036】
【0037】(除水試験)表1に示される各腹膜透析液
について、ラットを用いて、以下に示す除水試験を行っ
た。体重約200gの雄性Sprague-Dawley(SD)系ラット
を6日間予備飼育した後、24時間絶食させて試験に用
いた。予備飼育期間中は餌と水は自由摂取とし、絶食期
間中は水のみ自由に与えた。また、試験はエーテル麻酔
下で行ったが、透析期間中は覚醒させた。腹膜透析液投
与直前に体重A(g) を測定した後、腹膜透析液(40ml
/kg )を24G注射針を用い腹腔内に投与した。投与
後、直ちに体重B(g) を測定し、透析を開始した。所定
時間後に開腹前の体重C(g) を測定し、直ちに開腹し、
注射器および脱脂綿を用いて貯留液を完全に取り除いて
体重D(g) を測定した。除水量(ml/kg )は貯留液比重
を1として、下記式より求めた。 除水量(ml/kg) =[(C−D)−(B−A)]/A×1
000
【0038】(結果)上記除水試験における、除水量の
推移を図2に示す。その結果、発明例1は比較例1およ
び2に比べ、どの貯留時間においても除水量が多かっ
た。なお、このような効果は、乳酸以外の有機酸につい
ても同様であった。この結果より、同一浸透圧(265mOs
m/kg)の腹膜透析液にもかかわらず、総カチオンとクロ
ルイオンとの濃度差を大きくし、有機酸によって電気的
中性を保つことにより、除水量の増加に加え、除水時間
の延長が図られることが分かる。
【0039】[実施例2]グルコースを含有する際にお
ける、総カチオンとクロルイオンの濃度差が除水量に及
ぼす効果の検討。 (腹膜透析液の調製および除水試験)下記表2に示す還
元糖、電解質イオンおよび有機酸イオンの濃度になるよ
うに、グルコース、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウムを
注射用水に溶解し、各発明例および比較例の腹膜透析液
を得た。表2より明らかなように、この腹膜透析液は、
前記実施例1の腹膜透析液に濃度1.35W/V%とな
るようにグルコースを配合したものである。なお、本明
細書において、「W/V%」とは、腹膜透析液100ml
当たりのグルコース(浸透圧調整物質)のグラム数をい
う。得られた腹膜透析液について、実施例1と同様に除
水試験を行った。
【0040】
【0041】(結果)上記除水試験における、除水量の
推移を図3に示す。その結果、発明例2は比較例3およ
び4に比べ、どの貯留時間においても除水量が多かっ
た。なお、このような効果は、グルコース以外の浸透圧
調整物質、および乳酸以外の有機酸についても同様であ
った。この結果より、浸透圧調整物質を含み浸透圧を上
昇させた腹膜透析液であっても、総カチオンとクロルイ
オンとの濃度差を大きくし、有機酸によって電気的中性
を保つことにより、除水量の増加に加え、除水時間の延
長が図られることが分かる。
【0042】[実施例3]電解質によって浸透圧を増加
させた際における、総カチオンとクロルイオンとの間の
濃度差が除水量に及ぼす効果の検討。
【0043】(腹膜透析液の調製および除水試験)下記
表3に示す電解質イオンおよび有機酸イオンの濃度にな
るように、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウムを注射用水
に溶解し、各発明例および比較例の腹膜透析液を得た。
得られた腹膜透析液について、発明例1の除水試験は比
較例1を対照に、また、発明例3の除水試験は比較例5
を対照に、さらに発明例4の除水試験は比較例6を対照
に、実施例1と同様に除水試験を行った。
【0044】
【0045】(結果)上記除水試験における、除水量の
推移を図4に示す。その結果、発明例1は比較例1に比
べ、また発明例3は比較例5に比べ、さらに発明例4は
比較例6に比べ、どの貯留時間においても除水量が多か
った。なお、このような効果は、乳酸以外の有機酸につ
いても、また、浸透圧調整物質を加えても、同様であっ
た。この結果より、グルコースを含まないで、電解質の
みで浸透圧を上昇させた腹膜透析液であっても、総カチ
オンとクロルイオンとの濃度差を大きくし、有機酸によ
って電気的中性を保つことにより、除水量の増加に加
え、除水時間の延長が図られることが分かる。
【0046】[実施例4]総カチオンとクロルイオンと
の濃度差、ならびに有機酸の種類(有機酸単体)が除水
量に及ぼす効果の検討。
【0047】(腹膜透析液の調製)下記表4に示す還元
糖、電解質イオンおよび有機酸イオンの濃度になるよう
に、グルコース、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム(炭
素数3)、アスコルビン酸(炭素数6)、N−アセチル
−L−プロリン(炭素数7)、水酸化ナトリウムを注射
用水に溶解し、各発明例および参考例の腹膜透析液を得
た。なお、本実施例は、グルコース濃度1.35W/V
%および2.5W/V%の腹膜透析液を用いて行った。
【0048】
【0049】得られた腹膜透析液について、発明例5〜
10および比較例7〜12の除水試験を実施例1と同様
にして行った。なお、本実施例においては、各腹膜透析
液の貯留6時間における除水量、グルコース吸収率(発
明例5〜7および比較例7〜9)を比較検討した。グル
コース吸収率の測定は、以下に示す方法で行った。
【0050】(グルコース吸収率の測定)除水試験で得
られた貯留液のグルコースを測定し、次に式2〜5に従
ってグルコース吸収率を求めた。 式2:投与グルコース量(mg/kg)=[投与した腹膜透析
液のグルコース濃度(mg/dl) ×投与液量(体重B−体重
A)(ml)]/体重A×1000/100 式3:残存グルコース量(mg/kg) =[貯留液のグルコー
ス濃度(mg/dl) ×貯留液量(体重C−体重D)(ml)]/
体重A×1000/100 式4:グルコース吸収量(mg/kg) =投与グルコース量(m
g/kg) −残存グルコース量(mg/kg) 式5:グルコース吸収率(%)=グルコース吸収量(mg/
kg) /投与グルコース量(mg/kg) ×100
【0051】(結果)上記除水試験における、除水量
(貯留6時間)を図5に示す。その結果、いずれの有機
酸においても、総カチオンとクロルイオンの濃度差が大
きく、電気的中性を保つための有機酸濃度が高いほど、
除水量が多いことが分かる。また、発明例6(有機酸の
炭素数6)は発明例5(同炭素数3)より、発明例7
(同炭素数7)は発明例6より、発明例9(同炭素数
6)は発明例8(同炭素数3)より、発明例10(同炭
素数7)は発明例9より除水量が多く、有機酸の種類の
違いにより除水量の増減が生じ、有機酸の炭素数が大き
い程、除水量が多いことが分かる。さらに、発明例5〜
7および比較例7〜9のグルコース吸収率を図6に示
す。その結果、総カチオンとクロルイオンとの濃度差が
大きく、電気的中性を保つための有機酸濃度が高いほ
ど、グルコースの吸収率が低下した。また、発明例6は
発明例5より、また発明例7は発明例6よりグルコース
吸収率は低く、有機酸の種類の違いによりグルコース吸
収率が増減し、有機酸の炭素数が大きい程、グルコース
吸収率が低減することが分かる。
【0052】[実施例5]総カチオンとクロルイオンと
の濃度差、ならびに電気的中性を保つための有機酸の種
類(有機酸混合)が除水量に及ぼす効果の検討。なお、
本実施例は、グルコース濃度1.35W/V%の腹膜透
析液を用いて行った。
【0053】(腹膜透析液の調製)下記表5に示す還元
糖、電解質イオンおよび有機酸イオンの濃度になるよう
にグルコース、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、アス
コルビン酸、N−アセチル−L−プロリン、水酸化ナト
リウムを注射用水に溶解し、各発明例および比較例の腹
膜透析液を得た。得られた各腹膜透析液について、実施
例1と同様にして、貯留6時間における除水量を測定し
た。結果を表5に併記する。
【0054】
【0055】(結果)表5に示されるように、総カチオ
ンとクロルイオンとの濃度差が大きければ、電気的中性
を保つための有機酸が2種類混合されていても、有機酸
を単体で用いた場合と同様に除水量が多くなることが分
かる。このような結果は、有機酸を3種類以上混合して
使用した場合も同様であった。また、除水量は、総カチ
オンとクロルイオンとの濃度差が同一であっても、有機
酸の炭素数が多いほど優れているのも有機酸を単体で用
いた場合と同様であった。このような結果は、有機酸を
3種類以上混合して使用した場合も同様であった。
【0056】[実施例6]カチオン成分としてナトリウ
ムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオン
の3種類を含有する腹膜透析液の総カチオンとクロルイ
オンとの濃度差、ならびに電気的中性を保つための有機
酸の種類(有機酸単体および混合)が除水量およびグル
コース吸収率に及ぼす効果の検討。
【0057】(腹膜透析液の調製および除水試験)下記
表6に示す還元糖、電解質イオンおよび有機酸イオンの
濃度になるようにグルコース、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム、グルク
ロン酸ナトリウム、N−アセチル−L−プロリン、N−
アセチル−L−グルタミン、水酸化ナトリウムを注射用
水に溶解し、各発明例および比較例の腹膜透析液を得
た。なお、本実施例は、グルコース濃度1.35W/V
%および0.72W/V%の腹膜透析液を用いて行っ
た。
【0058】
【表1】
【0059】得られた腹膜透析液について、発明例16
〜25は比較例14を対照に、発明例26〜29は比較
例15を対照に、実施例1と同様にして除水試験を行っ
た。なお、本実験においては、各腹膜透析液の貯留6時
間後における除水量、グルコース吸収率(グルコース吸
収率はグルコース濃度1.35W/V%の腹膜透析液の
み)を比較検討した。グルコース吸収率は実施例4と同
様にして求めた。
【0060】(結果)上記除水試験における除水量(貯
留6時間)を図7および8に示す。
【0061】(1)比較例14および発明例16〜21
の結果から、有機酸を単独で用いた場合には、同一の浸
透圧および同一のグルコース濃度の腹膜透析液にも拘わ
らず、どの有機酸においても総カチオンとクロルイオン
の濃度差が大きく、電気的中性を保つための有機酸濃度
が高いほど、除水量が多いことが分かる。
【0062】(2)比較例14(有機酸の炭素数3)お
よび発明例18(同炭素数6)、発明例21(同炭素数
7)の結果、ならびに、比較例15(同炭素数3)およ
び発明例26(同炭素数6)、発明例27(同炭素数
7)の結果から、総カチオンとクロルイオンとの濃度差
が同一であっても有機酸の種類の違いにより除水量の増
減が生じ、有機酸の炭素数が大きい程、除水量が多いこ
とが分かる。このような効果は、総カチオンとクロルイ
オンとの濃度差が40mEq/l である場合以外においても同
様であった。
【0063】(3)比較例14および発明例22、2
3、24、25の結果、ならびに、比較例15および発
明例28、29の結果から、電気的中性を保つための有
機酸を2種類混合して用いる場合においても、有機酸を
単体で用いる場合と同様に、総カチオンとクロルイオン
との濃度差が大きいと、除水量が多くなることが分か
る。また、総カチオンとクロルイオンとの濃度差が同一
であっても、炭素数の大きい有機酸の濃度比率が大きい
ほど除水量は多いことが分かる。このような効果は、有
機酸を3種類以上混合しても同様であった。
【0064】上記(1)〜(3)に示した効果はグルコ
ース濃度および/または電解質濃度によって浸透圧を増
減させた場合についても同様であった。また、上記
(1)〜(3)に示した効果はグルコース以外の浸透圧
調整物質を用いた場合についても同様であり、その場合
に浸透圧調整物質濃度および/または電解質濃度によっ
て浸透圧を増減させたときについても同様であった。
【0065】以上の結果より、カチオン成分としてナト
リウムイオン、カルシウムイオンやマグネシウムイオン
など数種類のカチオンを含有する腹膜透析液の総カチオ
ンとクロルイオンとの濃度差、ならびに電気的中性を保
つための有機酸の種類(有機酸単体および混合)が除水
量に及ぼす効果は、カチオンとしてナトリウムイオン単
体を含有する腹膜透析液の効果(実施例1〜5)と同様
であるといえる。
【0066】比較例14および発明例16〜25のグル
コース吸収率を図9に示す。
【0067】(4)比較例14および発明例16〜21
の結果から、有機酸を単独で用いた場合には、同一の浸
透圧および同一のグルコース濃度の腹膜透析液にも拘わ
らず、どの有機酸においても総カチオンとクロルイオン
の濃度差が大きく、電気的中性を保つための有機酸濃度
が高いほど、グルコース吸収率が低いことが分かる。
【0068】(5)比較例14(有機酸の炭素数3)お
よび発明例18(同炭素数6)、発明例21(同炭素数
7)の結果から、総カチオンとクロルイオンとの濃度差
が同一であっても有機酸の種類の違いによりグルコース
吸収率の増減が生じ、有機酸の炭素数が大きい程、グル
コース吸収率が低いことが分かる。このような効果は、
総カチオンとクロルイオンとの濃度差が40mEq/l である
場合以外においても同様であった。
【0069】(6)比較例14および発明例22〜25
の結果から、電気的中性を保つための有機酸を2種類混
合して用いる場合においても、有機酸を単体で用いる場
合と同様に、総カチオンとクロルイオンとの濃度差が大
きいと、グルコース吸収率が低くなることが分かる。ま
た、総カチオンとクロルイオンとの濃度差が同一であっ
ても、炭素数の大きい有機酸の濃度比率が大きいほど、
グルコース吸収率は低減していることが分かる。このよ
うな効果は、有機酸を3種類以上混合しても同様であっ
た。
【0070】上記(4)〜(6)に示した効果はグルコ
ース濃度および/または電解質濃度によって浸透圧を増
減させた場合も同様であった。また、上記(4)〜
(6)に示した効果はグルコース以外の浸透圧調整物質
を用いた場合についても同様であり、その場合に浸透圧
調整物質濃度および/または電解質濃度によって浸透圧
を増減させたときについても同様であった。
【0071】以上の結果より、本発明の効果が明らかで
ある。
【0072】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、総カチオ
ンとクロルイオンとの間に濃度差を設け、これに電気的
中性を保つための有機酸を所定濃度で含有する、本発明
の腹膜透析液および腹膜透析液の調整方法によれば、グ
ルコースを浸透圧調整物質として用いている従来の腹膜
透析液と比べて、優れた除水性能、長い有効透析時間お
よび低グルコース吸収性を有し、しかも、患者の状態等
の用途に応じた、好適な腹膜透析液を得ることができ
る。従って、本発明によれば、これまでの腹膜透析液と
比べて低い浸透圧で、除水量および有効透析時間を確保
して、かつグルコースの吸収量も低減でき、あるいは、
同一浸透圧の腹膜透析液で、除水量の向上および有効透
析時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の腹膜透析液に含まれる有機酸の炭素
数と好適な含有量との関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図3】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図4】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図5】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図6】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図7】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図8】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
【図9】 本発明の腹膜透析液の効果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 33/20 A61K 33/20 A61M 1/14 511 A61M 1/14 511 523 523 1/28 1/28 A61P 7/08 A61P 7/08 (72)発明者 知久 一雄 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 大島 英彦 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 河合 伸介 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 臼井 照幸 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 福田 泰彦 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種のカチオンと、前記カチオ
    ンの総量に対して低濃度となるように、カチオン総量に
    対して濃度差を設けて含有されるクロルイオンと、前記
    カチオン総量とクロルイオンとの濃度差に応じて、電気
    的中性を保つように含有される有機酸とを有し、前記有
    機酸の濃度が、炭素数3の有機酸の総濃度をA(mmol/
    l); 炭素数4の有機酸の総濃度をB(mmol/l); 炭素
    数5の有機酸の総濃度をC(mmol/l); 炭素数6の有機
    酸の総濃度をD(mmol/l); 炭素数7の有機酸の総濃度
    をE(mmol/l); 炭素数8以上の有機酸の総濃度をF(m
    mol/l); とした際に、下記式を満足することを特徴と
    する腹膜透析液。 A/60+B/50+C/40+D/30+E/20+
    F/10≧1
  2. 【請求項2】前記クロルイオンの濃度が30mEq/l 〜1
    80mEq/l である請求項1に記載の腹膜透析液。
  3. 【請求項3】浸透圧が260mOsm/kg 〜600mOsm/kg
    である請求項1または2に記載の腹膜透析液。
  4. 【請求項4】総カチオンとクロルイオンとの間に濃度差
    を設け、この濃度差に応じて、電気的中性を保つように
    有機酸を含有すると共に、 前記濃度差の程度および/または含有する有機酸の種類
    により、透析性能を調整することを特徴とする腹膜透析
    液の調整方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005534645A (ja) * 2002-05-31 2005-11-17 エヌディー・パートナーズ、エルエルシー タウロリジンを伴う腹膜透析溶液
US7445801B2 (en) 2002-06-07 2008-11-04 Baxter International Inc. Stable bicarbonate-based solution in a single container
WO2013084922A1 (ja) * 2011-12-06 2013-06-13 富田製薬株式会社 重炭酸透析剤

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