JP2000077232A - 変流器用消磁装置 - Google Patents

変流器用消磁装置

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JP2000077232A
JP2000077232A JP10241673A JP24167398A JP2000077232A JP 2000077232 A JP2000077232 A JP 2000077232A JP 10241673 A JP10241673 A JP 10241673A JP 24167398 A JP24167398 A JP 24167398A JP 2000077232 A JP2000077232 A JP 2000077232A
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Terumi Kato
輝美 加藤
Takashi Kokubu
孝 国分
Katsuo Sato
勝男 佐藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏磁または飽和状態になった可能性のある変
流器鉄心を、変流器一次側回路の通電・活線状態におい
ても、計器・継電器類の機能休止を最小限内に抑制した
状態で消磁すること。 【解決手段】 変圧器回路に挿入された変流器4の二次
巻線は、試験用端子6を介して図示しない電流計、監視
・保護制御装置などに接続されている。上記試験用端子
6の入力側に設けられた3対の端子T1−T0間に、変
流器4の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特
性を有する変成器8の一次巻線8aをそれぞれ接続し、
各変成器8の二次巻線8bの両端子間に可変インピーダ
ンス9をそれぞれ接続する。これにより可変インピーダ
ンス9のインピーダンス値を変化させて、当該可変イン
ピーダンス9の両端に発生する電圧の変成器8を通じた
変成電圧を、変流器4の二次励磁飽和電圧を上回る値か
ら徐々に電圧零まで減少操作可能な構成とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変流器の鉄心の消
磁を通電・活線状態で行うことができる変流器用消磁装
置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電力系統において、変
流器は、受配電回路などの電流を検出・変成し、その出
力を計測・監視・制御装置などに供給する機能を分担し
ている。それらの用途の中で、例えば、変圧器の一次側
回路に配置された変流器においては、遮断器操作などに
よる変圧器回路の投入時に相当大きなレベルの変圧器励
磁突入電流が流れるため、投入回数が増えると、その励
磁突入電流に含まれる直流成分の影響によって変流器鉄
心に偏磁または飽和現象が発生する場合がある。
【0003】このような偏磁・飽和現象について、三相
受配電用の変圧器回路の一般的な構成例を示す図13を
参照して説明する。
【0004】即ち、図13において、三相変圧器21と
三相電源22との間には、電源投入用の遮断器23が配
置されており、また、三相電源22及び遮断器23間の
U、V、Wの各相電路には、変圧器21の各相一次側電
流をそれぞれ検出・変成するための変流器24が、その
二次巻線をスター結線した状態で配置されていると共
に、地絡検出用の零相変流器25が配置されている。上
記変流器24及び零相変流器25の二次巻線は、試験用
端子26、27を介して図示しない電流計、監視・保護
制御装置などに接続されている。
【0005】上記のような変圧器回路において、変圧器
21に電源を投入する場合、遮断器23の投入位相の如
何によっては、変圧器鉄心の前歴までの偏磁状態に依存
した大きな励磁突入電流が流れることがある。このよう
な励磁突入電流には直流成分が含まれているため、当該
励磁突入電流が変圧器21の電源側に配置された変流器
24の一次巻線に流れるのに応じて、その変流器24の
鉄心を偏磁または飽和状態に至らせるように作用するこ
とにもなる。
【0006】変流器鉄心が偏磁または飽和状態でない場
合、各相変流器の二次巻線電流の三相合成となる中性
点、つまり試験用端子26の端子番号T0の回路の電流
は零となるが、変流器鉄心が上述のように偏磁または飽
和状態になった場合には、当該中性点の電流は零になら
ない。その結果、見掛け上の零相電流が流れ、中性点回
路に接続されている図示しない地絡電流継電器を不要に
動作させることになり、結果的に、図示しない遮断器類
が不用意に動作されて電源系統を停電させてしまう可能
性がある。
【0007】従って、変流器鉄心の偏磁または飽和現象
が発生したときには、これを早期に取り除くことが望ま
しい。ところが、上述した変圧器回路は、一般に定期的
な保守点検作業などの限られた機会を除き連続運転され
るものであるため、変流器鉄心の偏磁或いは飽和状態を
取り除くための消磁を、変流器一次側回路の通電・活線
状態で行い得るようにすることが望まれている。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、実際の使用状態において偏磁または
飽和状態になった可能性のある変流器鉄心を、変流器一
次側回路の通電・活線状態においても、計器・継電器類
の機能休止を最小限内に抑制した状態で消磁できるよう
になる変流器用消磁装置を供給することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的を達成するために、鉄心に一次巻線及び二次巻
線を巻回して構成され、二次巻線出力を試験用端子を通
じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力するよう
に接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置におい
て、前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に、前記
変流器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特
性を有する変成器の一次巻線端子を接続し、前記変成器
の二次巻線端子間に可変インピーダンスを接続し、前記
可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させて、
当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前記変
成器を通じた変成電圧を、前記変流器の二次励磁飽和電
圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成
したものである。
【0010】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に、変流器の
二次巻線電流を変成器の一次巻線と二次巻線の巻回数の
比に反比例させて求まる電流と当該可変インピーダンス
のインピーダンス値との積に等しい電圧とが発生する。
これに伴い、上記発生電圧が上記変成器を通じて変成さ
れると共に、その変成電圧が変流器の二次巻線端子に印
加されることになる。この場合、上記変成器は、変流器
の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を有
するものであるから、結果的に、可変インピーダンスの
インピーダンス値を変化させることにより、変流器の二
次巻線端子に印加される電圧を、当該変流器の二次励磁
飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少
操作できるものである。つまり、変流器鉄心を意図的に
飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態を弱めることが
できるものであり、これにより変流器鉄心の偏磁或いは
飽和状態を取り除くという消磁動作を行い得る。また、
可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させる操
作は、変流器一次側回路が通電・活線状態にあるときで
も容易に行うことができるから、変流器の二次負担回路
中の計器・継電器類の機能休止を最小限内に抑制した状
態で上記のような消磁操作を行い得るようになる。
【0011】請求項2記載の発明は、前記目的を達成す
るために、鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して構成
され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継電器
類を含む二次負担回路に出力するように接続される電磁
誘導形変流器のための消磁装置において、前記試験用端
子の変流器側端子及び二次負担回路側端子間に、前記変
流器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性
を有する変成器の一次巻線端子を接続し、前記変成器の
二次巻線端子間に可変インピーダンスを接続し、前記可
変インピーダンスのインピーダンス値を変化させて、当
該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前記変成
器を通じた変成電圧と前記二次負担回路の両端に発生す
る電圧との合成電圧を、前記変流器の二次励磁飽和電圧
を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成し
たものである。
【0012】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に、変流器の
二次巻線電流を変成器の一次巻線と二次巻線の巻回数の
比に反比例させて求まる電流と当該可変インピーダンス
のインピーダンス値との積に等しい電圧とが発生する。
これに伴い、上記発生電圧が上記変成器を通じて変成さ
れると共に、その変成電圧と、変流器の二次巻線電流に
より二次負担インピーダンスの両端に発生する電圧とが
合成された電圧が変流器の二次巻線端子に印加されるこ
とになる。この場合、上記変成器は、変流器の二次励磁
飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を有するもので
あるから、結果的に、可変インピーダンスのインピーダ
ンス値を変化させることにより、変流器の二次巻線端子
に印加される電圧を、当該変流器の二次励磁飽和電圧を
上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操作できる
ものである。つまり、変流器鉄心を意図的に飽和域まで
励磁した後に徐々に励磁状態を弱めることができるもの
であり、これにより変流器鉄心の偏磁或いは飽和状態を
取り除くという消磁動作を行い得る。また、可変インピ
ーダンスのインピーダンス値を変化させる操作は、変流
器一次側回路が通電・活線状態にあるときでも容易に行
うことができるから、変流器の二次負担回路中の計器・
継電器類の機能休止を最小限内に抑制した状態で上記の
ような消磁操作を行い得るようになる。
【0013】請求項3記載の発明は、前記目的を達成す
るために、鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して構成
され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継電器
類を含む二次負担回路に出力するように接続される電磁
誘導形変流器のための消磁装置において、前記試験用端
子の対をなす変流器側端子間に、前記変流器の二次励磁
飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を有すると共に
一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を備えた変成器の
一次巻線端子を接続し、前記変成器の二次巻線端子間に
商用周波数帯域通過フィルタ及び可変インピーダンスを
直列に接続し、前記変成器の三次巻線端子間に低域通過
フィルタを介して低周波数電源を接続し、前記可変イン
ピーダンスのインピーダンス値を変化させて、当該可変
インピーダンスの両端に発生する電圧の前記変成器を通
じた変成電圧を調整すると共に、前記低周波数電源によ
り前記変成器の三次巻線端子から一次巻線端子を介して
前記変流器を低周波数励磁することによって、前記変流
器の二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽
和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に
構成したものである。
【0014】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、低周波数電源の出力電圧が変成
器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比例して変成
された電圧とが、変流器の二次巻線端子に印加されるこ
とになる。従って、可変インピーダンスのインピーダン
ス値を変化させることにより、また、低周波数電源の電
圧を調整すると共に必要に応じてその周波数を調整する
ことにより、変流器の二次巻線端子に印加される電圧
を、その二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零
まで意図的に減少操作できるようになる。これにより、
変流器鉄心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励
磁状態を弱めることができるものであり、以て変流器鉄
心の偏磁或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を行
い得る。
【0015】この場合、変成器の二次巻線回路は、商用
周波数帯域通過フィルタにより電流の流れまたは励磁作
用の周波数特性を制御でき、当該変成器の三次巻線回路
は、低域通過フィルタにより電流の流れまたは励磁作用
の周波数特性を制御できるものであり、また、変流器鉄
心の磁束密度は励磁電源である低周波数電源の周波数に
反比例することから、その周波数を下げたり、電圧を増
加させることにより、変流器鉄心の消磁操作を容易に行
い得るようになる。尚、この場合においても、可変イン
ピーダンスのインピーダンス値を変化させる操作、並び
に低周波電源の電圧を調整する操作は、変流器一次側回
路が通電・活線状態にあるときでも容易に行うことがで
きるから、変流器の二次負担回路中の計器・継電器類の
機能休止を最小限内に抑制した状態で上記のような消磁
操作を行い得るようになる。
【0016】上記請求項3に記載した手段を採用する場
合には、請求項4記載の発明のように、前記変成器とし
て、その鉄心の磁路にギャップを備えた構造のものを使
用すると共に、前記変成器の三次巻線端子間に、前記低
周波フィルタ及び低周波電源に代えて、極性が交互に反
転されるLCR直列回路を含む振動電流発生回路を接続
し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化
させて、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧
の前記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記
振動電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振動電
流の初期波高値を調整することによって、前記変流器の
二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和電
流域を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構
成することもできる。
【0017】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、振動電流発生回路の交互に極性
反転する可変出力電圧が変成器の一次巻線及び三次巻線
の巻回数の比に比例して変成された電圧とが、変流器の
二次巻線端子に印加されることになる。従って、可変イ
ンピーダンスのインピーダンス値を変化させることによ
り、また、振動電流発生回路内のLCR直列回路の過渡
振動電流の初期波高値を調整すると共にその過渡振動電
流による変流器鉄心の励磁極性を順次反転させることに
よって、変流器の二次巻線端子に印加される電圧を、そ
の二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意
図的に減少操作できるようになる。これにより、変流器
鉄心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態
を弱めることができるものであり、以て変流器鉄心の偏
磁或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を行い得
る。この場合、変成器として、その鉄心の磁路にギャッ
プを設けたものを使用することにより、振動電流発生回
路内のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる変成器
の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、その過渡振
動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎の直流
成分により変成器が偏磁状態となることを軽減できるよ
うになる。また、上記過渡振動電流の初期値が、極性を
反転しつつ減少していくことになるため、変流器鉄心の
磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大ループ(飽和域)
から、極小ループ(消磁域)ヘ変化させることができる
ようになる。尚、この場合においても、可変インピーダ
ンスのインピーダンス値を変化させる操作、並びに振動
電流発生回路による過渡振動電流の初期波高値を調整す
る操作は、変流器一次側回路が通電・活線状態にあると
きでも容易に行うことができるから、変流器の二次負担
回路中の計器・継電器類の機能休止を最小限内に抑制し
た状態で上記のような消磁操作を行い得るようになる。
【0018】請求項5記載の発明は、前記目的を達成す
るために、鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して構成
され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継電器
類を含む二次負担回路に出力するように接続される電磁
誘導形変流器のための消磁装置において、前記試験用端
子の対をなす変流器側端子間に、前記変流器の二次励磁
飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を有すると共に
一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を備えた変成器の
一次巻線端子を接続し、前記変成器の二次巻線端子を可
変インピーダンス及び商用周波数帯域通過フィルタを直
列に介した状態で前記二次負担回路に接続し、前記変成
器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介して低周波
数電源を接続し、前記可変インピーダンスのインピーダ
ンス値を変化させて、当該可変インピーダンス及び前記
二次負担回路の両端に発生する電圧の前記変成器を通じ
た変成電圧を調整すると共に、前記低周波数電源により
前記変成器の三次巻線端子から一次巻線端子を介して前
記変流器を低周波数励磁することによって、前記変流器
の二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和
電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構
成したものである。
【0019】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧並びに二次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧
が、変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、低周波数電源の出力電圧が変成
器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比例して変成
された電圧とが、変流器の二次巻線端子に印加されるこ
とになる。従って、可変インピーダンスのインピーダン
ス値を変化させることにより、また、低周波数電源の電
圧を調整すると共に必要に応じてその周波数を調整する
ことにより、変流器の二次巻線端子に印加される電圧
を、その二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零
まで意図的に減少操作できるようになる。これにより、
変流器鉄心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励
磁状態を弱めることができるものであり、以て変流器鉄
心の偏磁或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を、
変流器一次側回路が通電・活線状態にあるときでも容易
に行い得るようになる。
【0020】さらに、この場合には、変成器の二次巻線
回路は、商用周波数帯域通過フィルタにより電流の流れ
または励磁作用の周波数特性を制御でき、当該変成器の
三次巻線回路は、低域通過フィルタにより電流の流れま
たは励磁作用の周波数特性を制御できるものであり、ま
た、変流器鉄心の磁束密度は励磁電源である低周波数電
源の周波数に反比例することから、その周波数を下げた
り、電圧を増加させることにより、変流器鉄心の消磁操
作を容易に行い得るようになる。
【0021】上記請求項5に記載した手段を採用する場
合には、請求項6記載の発明のように、前記変成器とし
て、その鉄心の磁路にギャップを備えた構造のものを使
用すると共に、前記変成器の三次巻線端子間に、前記低
周波フィルタ及び低周波電源に代えて、極性が交互に反
転されるLCR直列回路を含む振動電流発生回路を接続
し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化
させて、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路
の両端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を
調整すると共に、前記振動電流発生回路内の前記LCR
直列回路の過渡振動電流の初期波高値を調整することに
よって、前記変流器の二次巻線端子に印加される電圧
を、その二次励磁飽和電流域を上回る値から徐々に電圧
零まで減少操作可能に構成することもできる。
【0022】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧並びに二次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧
が、変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、振動電流発生回路の交互に極性
反転する可変出力電圧が変成器の一次巻線及び三次巻線
の巻回数の比に比例して変成された電圧とが、変流器の
二次巻線端子に印加されることになる。従って、可変イ
ンピーダンスのインピーダンス値を変化させることによ
り、また、振動電流発生回路内のLCR直列回路の過渡
振動電流の初期波高値を調整すると共にその過渡振動電
流による変流器鉄心の励磁極性を順次反転させることに
よって、変流器の二次巻線端子に印加される電圧を、そ
の二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意
図的に減少操作できるようになる。これにより、変流器
鉄心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態
を弱めることができるものであり、以て変流器鉄心の偏
磁或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を、変流器
一次側回路が通電・活線状態にあるときでも容易に行い
得るようになる。この場合、変成器として、その鉄心の
磁路にギャップを設けたものを使用することにより、振
動電流発生回路内のLCR直列回路のインダクタンスを
兼ねる変成器の励磁インダクタンスの線形性を向上さ
せ、その過渡振動電流を安定化させると共に、各過渡振
動電流毎の直流成分により変成器が偏磁状態となること
を軽減できるようになる。また、上記過渡振動電流の初
期値が、極性を反転しつつ減少していくことになるた
め、変流器鉄心の磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大
ループ(飽和域)から、極小ループ(消磁域)ヘ変化さ
せることができるようになる。
【0023】請求項7記載の発明は、前記目的を達成す
るために、三相電路にそれぞれ対応して設けられた鉄心
に各相用の一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を巻回
して構成されると共に、二次巻線出力を試験用端子を通
じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力するよう
に接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置におい
て、前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に前記各
相用三次巻線を直列に結線した回路の両端を接続し、前
記試験用端子の前記対をなす変流器側端子間に、前記変
流器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る一次励磁飽和
電圧特性を有すると共に一次巻線及び二次巻線の他に三
次巻線を備えた変成器の一次巻線端子を接続し、前記変
成器の二次巻線端子間に商用周波数帯域通過フィルタ及
び可変インピーダンスを直列に接続し、前記変成器の三
次巻線端子間に低域通過フィルタを介して低周波数電源
を接続し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値
を変化させて、当該可変インピーダンスの両端に発生す
る電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整すると共
に、前記低周波数電源により前記変成器の三次巻線端子
から一次巻線端子を介して前記変流器の直列結線された
三次巻線を低周波数励磁することによって、当該直列結
線された三次巻線に印加される電圧を、その三次励磁飽
和電圧の3倍値を上回る値から徐々に電圧零まで減少操
作可能に構成したものである。
【0024】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、低周波数電源の出力電圧が変成
器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比例して変成
された電圧とが、三次巻線付き変流器の各相三次巻線を
直列に結線して構成した回路に印加される。この場合、
上記変成器は、変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上
回る一次励磁飽和電圧特性を有するものであるから、結
果的に、可変インピーダンスのインピーダンス値を変化
させることにより、また、低周波数電源の電圧を調整す
ると共に必要に応じてその周波数を調整することによ
り、上記変流器の各相三次巻線を直列に結線して構成し
た回路に印加される電圧を、当該変流器の三次励磁飽和
電圧の3倍値相当を上回る値から徐々に電圧零まで意図
的に減少操作できるようになる。これにより、変流器鉄
心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態を
弱めることができるものであり、以て変流器鉄心の偏磁
或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を、変流器一
次側回路が通電・活線状態にあるときでも容易に行い得
るようになる。さらに、この場合、変成器の三次巻線端
子と低周波数電源との間には、低域通過フィルタが設け
られているから、変流器の二次巻線回路に接続される計
器・継電器類に対して、低周波数の電流または電圧成分
が作用することがなくなる。
【0025】尚、定常時において変流器の各相三次巻線
回路に流れる電流は零状態であるため、変流器鉄心を意
図的に飽和域まで励磁する主体は、変成器の三次巻線回
路の低周波数電源による低周波数励磁作用となる。ま
た、変成器の二次巻線回路は、商用周波数帯域通過フィ
ルタにより電流の流れまたは励磁作用の周波数特性を制
御でき、当該変成器の三次巻線回路は、低域通過フィル
タにより電流の流れまたは励磁作用の周波数特性を制御
できるものである。
【0026】上記請求項7に記載した手段を採用する場
合には、請求項8記載の発明のように、前記変成器とし
て、その鉄心の磁路にギャップを備えた構造のものを使
用すると共に、前記変成器の三次巻線端子間に、前記低
周波フィルタ及び低周波電源に代えて、極性が交互に反
転されるLCR直列回路を含む振動電流発生回路を接続
し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化
させて、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧
の前記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記
振動電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振動電
流の初期波高値を調整することによって、前記変流器の
直列結線された三次巻線に印加される電圧を、その三次
励磁飽和電圧の3倍値を上回る値から徐々に電圧零まで
減少操作可能に構成することもできる。
【0027】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、振動電流発生回路の交互に極性
反転する可変出力電圧が変成器の一次巻線及び三次巻線
の巻回数の比に比例して変成された電圧とが、三次巻線
付き変流器の各相三次巻線を直列に結線して構成した回
路に印加される。また、上記変成器は、変流器の三次励
磁飽和電圧の3倍値を上回る一次励磁飽和電圧特性を有
するものであるから、結果的に、可変インピーダンスの
インピーダンス値を変化させることにより、また、振動
電流発生回路内のLCR直列回路の過渡振動電流の初期
波高値を調整すると共にその過渡振動電流による変流器
鉄心の励磁極性を順次反転させることによって、上記変
流器の各相三次巻線を直列に結線して構成した回路に印
加される電圧を、当該変流器の三次励磁飽和電圧の3倍
値相当を上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操
作できるようになる。これにより、変流器鉄心を意図的
に飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態を弱めること
ができるものであり、以て変流器鉄心の偏磁或いは飽和
状態を取り除くという消磁動作を、変流器一次側回路が
通電・活線状態にあるときでも容易に行い得るようにな
る。この場合、変成器として、その鉄心の磁路にギャッ
プを設けたものを使用することにより、振動電流発生回
路内のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる変成器
の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、その過渡振
動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎の直流
成分により変成器が偏磁状態となることを軽減できるよ
うになる。また、上記過渡振動電流の初期値が、極性を
反転しつつ減少していくことになるため、変流器鉄心の
磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大ループ(飽和域)
から、極小ループ(消磁域)ヘ変化させることができる
ようになる。尚、この場合にも、変成器の三次巻線端子
と低周波数電源との間には、低域通過フィルタが設けら
れているから、変流器の二次巻線回路に接続される計器
・継電器類に対して、低周波数の電流または電圧成分が
作用することがなくなる。
【0028】請求項9記載の発明は、前記目的を達成す
るために、三相電路にそれぞれ対応して設けられた鉄心
に各相用の一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を巻回
して構成されると共に、二次巻線出力を試験用端子を通
じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力するよう
に接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置におい
て、前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に前記変
流器の各相用三次巻線を直列に結線した回路の両端を接
続し、前記試験用端子の前記対をなす変流器側端子間
に、前記変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る一
次励磁飽和電圧特性を有すると共に一次巻線及び二次巻
線の他に三次巻線を備えた変成器の一次巻線端子を接続
し、前記変成器の二次巻線端子を可変インピーダンス及
び商用周波数帯域通過フィルタを直列に介した状態で前
記二次負担回路に接続し、前記変成器の三次巻線端子間
に低域通過フィルタを介して低周波数電源を接続し、前
記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
て、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路の両
端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整
すると共に、前記低周波数電源により前記変成器の三次
巻線端子から一次巻線端子を介して前記変流器の直列結
線された三次巻線を低周波数励磁することによって、当
該直列結線された三次巻線に印加される電圧を、その三
次励磁飽和電圧の3倍値を上回る値から徐々に電圧零ま
で減少操作可能に構成したものである。
【0029】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端並びに二次負
担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が変成器の一次
巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例して変成された電
圧と、低周波電源の出力電圧が変成器の一次巻線及び三
次巻線の巻回数の比に比例して変成された電圧とが、三
次巻線付き変流器の各相三次巻線を直列に結線して構成
した回路に印加される。この場合、上記変成器は、変流
器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る一次励磁飽和電
圧特性を有するものであるから、結果的に、可変インピ
ーダンスのインピーダンス値を変化させることにより、
また、低周波数電源の電圧を調整すると共に必要に応じ
てその周波数を調整することにより、上記変流器の各相
三次巻線を直列に結線して構成した回路に印加される電
圧を、当該変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値相当を上
回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操作できるよ
うになる。これにより、変流器鉄心を意図的に飽和域ま
で励磁した後に徐々に励磁状態を弱めることができるも
のであり、以て変流器鉄心の偏磁或いは飽和状態を取り
除くという消磁動作を、変流器一次側回路が通電・活線
状態にあるときでも容易に行い得るようになる。さら
に、この場合、変成器の三次巻線端子と低周波数電源と
の間には、低域通過フィルタが設けられているから、変
流器の二次巻線回路に接続される計器・継電器類に対し
て、低周波数の電流または電圧成分が作用することがな
くなる。
【0030】尚、この場合においても、定常時において
変流器の各相三次巻線回路に流れる電流は零状態である
ため、変流器鉄心を意図的に飽和域まで励磁する主体
は、変成器の三次巻線回路の低周波数電源による低周波
数励磁作用となる。また、変成器の二次巻線回路は、商
用周波数帯域通過フィルタにより電流の流れまたは励磁
作用の周波数特性を制御でき、当該変成器の三次巻線回
路は、低域通過フィルタにより電流の流れまたは励磁作
用の周波数特性を制御できるものである。
【0031】上記請求項9に記載した手段を採用する場
合には、請求項10記載の発明のように、前記変成器と
して、その鉄心の磁路にギャップを備えた構造のものを
使用すると共に、前記変成器の三次巻線端子間に、前記
低周波フィルタ及び低周波電源に代えて、極性が交互に
反転されるLCR直列回路を含む振動電流発生回路を接
続し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変
化させて、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回
路の両端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧
を調整すると共に、前記振動電流発生回路内の前記LC
R直列回路の過渡振動電流の初期波高値を調整すること
によって、前記変流器の直列結線された三次巻線に印加
される電圧を、その三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る
値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成することも
できる。
【0032】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端並びに二次負
担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が変成器の一次
巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例して変成された電
圧と、振動電流発生回路の交互に極性反転する可変出力
電圧が変成器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比
例して変成された電圧とが、三次巻線付き変流器の各相
三次巻線を直列に結線して構成した回路に印加される。
この場合、上記変成器は、変流器の三次励磁飽和電圧の
3倍値を上回る一次励磁飽和電圧特性を有するものであ
るから、結果的に、可変インピーダンスのインピーダン
ス値を変化させることにより、また、振動電流発生回路
内のLCR直列回路の過渡振動電流の初期波高値を調整
すると共にその過渡振動電流による変流器鉄心の励磁極
性を順次反転させることによって、上記変流器の各相三
次巻線を直列に結線して構成した回路に印加される電圧
を、当該変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値相当を上回
る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操作できるよう
になる。これにより、変流器鉄心を意図的に飽和域まで
励磁した後に徐々に励磁状態を弱めることができるもの
であり、以て変流器鉄心の偏磁或いは飽和状態を取り除
くという消磁動作を、変流器一次側回路が通電・活線状
態にあるときでも容易に行い得るようになる。さらに、
この場合、変成器として、その鉄心の磁路にギャップを
設けたものを使用することにより、振動電流発生回路内
のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる変成器の励
磁インダクタンスの線形性を向上させ、その過渡振動電
流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎の直流成分
により変成器が偏磁状態となることを軽減できるように
なる。また、上記過渡振動電流の初期値が、極性を反転
しつつ減少していくことになるため、変流器鉄心の磁束
密度を、ヒステリシス曲線の極大ループ(飽和域)か
ら、極小ループ(消磁域)ヘ変化させることができるよ
うになる。尚、この場合にも、変成器の三次巻線端子と
低周波数電源との間には、低域通過フィルタが設けられ
ているから、変流器の二次巻線回路に接続される計器・
継電器類に対して、低周波数の電流または電圧成分が作
用することがなくなる。
【0033】請求項11記載の発明は、前記目的を達成
するために、三相電路にそれぞれ対応して設けられた鉄
心に各相用の一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を巻
回して構成されると共に、二次巻線出力を試験用端子を
通じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力するよ
うに接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置にお
いて、前記変流器の中性点回路が接続される試験用端子
の変流器側端子及び二次負担回路側端子間に、前記変流
器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を
有する変成器の一次巻線端子を接続し、前記変成器の二
次巻線端子間に商用周波数帯域通過フィルタ及び可変イ
ンピーダンスを直列に接続し、前記変成器の三次巻線端
子間に低域通過フィルタを介して低周波数電源を接続
し、前記変流器の各相用二次巻線端子間に低域通過フィ
ルタを接続し、前記可変インピーダンスのインピーダン
ス値を変化させて、当該可変インピーダンスの両端に発
生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧と前記二次負
担回路の両端に発生する電圧との合成電圧を調整すると
共に、前記低周波数電源により前記変成器の三次巻線端
子からその一次巻線端子を介して前記変流器の三次巻線
を低周波数励磁することによって、前記変流器の二次巻
線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和電圧を上
回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成したも
のである。
【0034】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、低周波数電源の出力電圧が変成
器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比例して変成
された電圧とが、三相各相の変流器の二次巻線回路の中
性点回路に印加される。この場合、上記変成器は、変流
器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を
有するものであるから、結果的に、可変インピーダンス
のインピーダンス値を変化させることにより、また、低
周波数電源の電圧を調整すると共に必要に応じてその周
波数を調整することにより、三相各相の変流器の二次巻
線回路の中性点回路に印加される電圧を、当該変流器の
二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図
的に減少操作できるようになる。これにより、変流器鉄
心を意図的に飽和域まで励磁した後に徐々に励磁状態を
弱めることができるものであり、以て変流器鉄心の偏磁
或いは飽和状態を取り除くという消磁動作を、変流器一
次側回路が通電・活線状態にあるときでも容易に行い得
るようになる。尚、変流器の二次巻線回路に接続された
計器・継電器類には、低域通過フィルタにより、低周波
数の電流または電圧成分が作用しないように制御され
る。また、定常時において変流器の各相三次巻線回路に
流れる電流は零状態であるため、変流器鉄心を意図的に
飽和域まで励磁する主体は、変成器の三次巻線回路の低
周波数電源による低周波数励磁作用となる。さらに、変
成器の二次巻線回路は、商用周波数帯域通過フィルタに
より電流の流れまたは励磁作用の周波数特性を制御で
き、当該変成器の三次巻線回路は、低域通過フィルタに
より電流の流れまたは励磁作用の周波数特性を制御でき
るものである。
【0035】上記請求項11に記載した手段を採用する
場合には、請求項12記載の発明のように、前記変成器
として、その鉄心の磁路にギャップを備えた構造のもの
を使用すると共に、前記変成器の三次巻線端子間に、前
記低周波フィルタ及び低周波電源に代えて、極性が交互
に反転されるLCR直列回路を含む振動電流発生回路を
接続し、前記可変インピーダンスのインピーダンス値を
変化させて、当該可変インピーダンスの両端に発生する
電圧の前記変成器を通じた変成電圧と前記二次負担回路
の両端に発生する電圧との合成電圧を調整すると共に、
前記振動電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振
動電流の初期波高値を調整することによって、前記変流
器の二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽
和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に
構成することもできる。
【0036】この構成によれば、変圧器の電源が投入さ
れた状態では、可変インピーダンスの両端に発生する電
圧が変成器の一次巻線及び二次巻線の巻回数の比に比例
して変成された電圧と、振動電流発生回路の交互に極性
反転する可変出力電圧が変成器の一次巻線及び三次巻線
の巻回数の比に比例して変成された電圧とが、三相各相
の変流器の二次巻線回路の中性点回路に印加される。上
記変成器は、変流器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励
磁飽和電圧特性を有するものであるから、結果的に、可
変インピーダンスのインピーダンス値を変化させること
により、また、振動電流発生回路内のLCR直列回路の
過渡振動電流の初期波高値を調整すると共にその過渡振
動電流による変流器鉄心の励磁極性を順次反転させるこ
とにより、三相各相の変流器の二次巻線回路の中性点回
路に印加される電圧を、当該変流器の二次励磁飽和電圧
を上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操作でき
るようになる。これにより、変流器鉄心を意図的に飽和
域まで励磁した後に徐々に励磁状態を弱めることができ
るものであり、以て変流器鉄心の偏磁或いは飽和状態を
取り除くという消磁動作を、変流器一次側回路が通電・
活線状態にあるときでも容易に行い得るようになる。こ
の場合、変成器として、その鉄心の磁路にギャップを設
けたものを使用することにより、振動電流発生回路内の
LCR直列回路のインダクタンスを兼ねる変成器の励磁
インダクタンスの線形性を向上させ、その過渡振動電流
を安定化させると共に、各過渡振動電流毎の直流成分に
より変成器が偏磁状態となることを軽減できるようにな
る。また、上記過渡振動電流の初期値が、極性を反転し
つつ減少していくことになるため、変流器鉄心の磁束密
度を、ヒステリシス曲線の極大ループ(飽和域)から、
極小ループ(消磁域)ヘ変化させることができるように
なる。尚、この場合にも、変成器の三次巻線端子と低周
波数電源との間には、低域通過フィルタが設けられてい
るから、変流器の二次巻線回路に接続される計器・継電
器類に対して、低周波数の電流または電圧成分が作用す
ることがなくなる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例について図1を参照しながら説明する。
尚、この実施例は、請求項1記載の発明に対応した変流
器用消磁装置を示すものである。図1において、三相用
の変圧器1と三相電源2との間には、電源投入用の遮断
器3が配置されており、また、三相電源2及び遮断器3
間のU、V、Wの各相電路には、変圧器1の各相一次側
電流をそれぞれ検出・変成するための変流器4が、その
二次巻線をスター結線した状態で配置されていると共
に、地絡検出用の零相変流器5が配置されている。上記
変流器4及び零相変流器5の二次巻線は、試験用端子6
及び7を介して図示しない電流計、監視・保護制御装置
などに接続されている。上記試験用端子6の入力側(変
流器4側)に各変流器4と対応して設けられた3対の端
子T1−T0間に、変流器4の二次励磁飽和電圧を上回
る一次励磁飽和電圧特性を有する変成器8の一次巻線8
aをそれぞれ接続し、各変成器8の二次巻線8bの両端
子間に可変インピーダンス9をそれぞれ接続する。
【0038】このように構成された第1実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1の電源が投入された
状態では、可変インピーダンス9の両端に、変流器4の
二次巻線電流を変成器8の一次巻線8aと二次巻線8b
の巻回数の比に反比例させて求まる電流(変成器8の二
次巻線電流)と可変インピーダンス9のインピーダンス
値との積に等しい電圧とが発生する。これに伴い、上記
発生電圧に比例(変成器8の一次巻線8aと二次巻線8
bの巻回数の比に比例)した変成電圧が、試験用端子6
の入力側(変流器4側)端子T1−T0間、つまり変流
器4の二次巻線端子に印加されることになる。また、上
記変成器8は、変流器4の二次励磁飽和電圧を上回る一
次励磁飽和電圧特性を有するものであるから、結果的
に、可変インピーダンス9のインピーダンス値を変化さ
せることにより、変流器4の二次巻線端子に印加される
電圧を、その二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電
圧零まで意図的に減少操作できる。
【0039】しかして、変流器4の二次巻線回路インピ
ーダンスΖに対し二次巻線電流Iが流れたときの変流器
4の鉄心の磁束密度B(テスラ)は、電源周波数をF、
変流器4の二次巻線回数をNとすると、 B=K×Z×I/F/N として求まる。但し、Kは定数である。
【0040】この場合、図1に示すような受配電回路に
おいて、その通電・活線状態で電流及び周波数或いは変
流器4の二次巻線回数Nを調整することは容易でない
が、二次巻線回路インピーダンスZは、その構成要素が
可変インピーダンス9のため容易に調整できる。従っ
て、前記変流器4の鉄心の磁束密度B(=K×Ζ×I/
F/N)に基づき、可変インピーダンス9のインピーダ
ンス値に比例させて、変流器鉄心の磁束密度を飽和状態
まで増大させる操作と、その後に磁束密度が零の状態ま
で減少させる操作とを、受配電回路の通電・活性状態の
まま容易に実施できるようになる。これにより、変流器
4の二次負担回路中の計器・継電器類の機能休止を最小
限内に抑制した状態で変流器4の消磁操作を容易に行い
得るようになる。
【0041】尚、上記第1実施例では、変成器8の一次
巻線8a及び二次巻線8bの相互間を電気的な接続をせ
ず、絶縁状態とすることにより、二次巻線8bからの励
磁作用などを一次巻線8aと二次巻線8bとの巻回数の
比により、電圧または電流を効果的に選択または調整で
きるものである。従って、変成器8用の巻線を各相で兼
用することにより、必要な巻線数を減らすことも可能で
ある。
【0042】また、変流器4の消磁操作期間中には、当
該変流器4の二次巻線回路に接続されている計器・継電
器類が不要動作状態などにならないように、電気的また
は機械的にロックしておくものである。この場合、計器
・継電器類の機能休止を低減することも兼ね、関係する
試験用端子を介して、変成器8の巻線回路を変流器4の
二次巻線回路に外部接続する際には、零相変流器7の二
次巻線回路に接続されている地絡電流継電器類の不動作
条件によりシーケンスロックするなどの処置を施すと良
い。このような処置を施した場合には、受配電電源に異
常がない限り、零相変流器7の二次巻線回路の地絡電流
継電器類は動作しないから、消磁操作過程での変流器4
の鉄心飽和などに伴う巻線電流の変化、誘導電流の影響
により、変流器4の二次巻線回路の計器・継電器類が不
要動作するようなシーケンス的な波及を阻止できる。
【0043】さらに、可変インピーダンス9は、変流器
4の二次巻線回路の実負担インピーダンスが種々の回路
毎に異なり、詳細な実態が把握できないという事情下に
おいて、インピーダンス値を定格負担インピーダンスを
上回るように意図的に調整することができて、変流器4
の鉄心飽和を容易に起こすことができるため、インピー
ダンス値を零まで調整するなどして、変流器4の鉄心へ
の残留磁束レベルの極小化などに効果を発揮する。加え
て、変流器4の鉄心消磁操作を当該変流器4の二次巻線
回路から行う場合、三相各相を単独に行うなうことがで
きるが、三相各相同時に行えば、鉄心消磁用電流成分の
変流器4の中性点回路での三相相殺作用も期待できる。
【0044】(第2の実施の形態)図2には本発明の第
2実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。この第2実施例は、請
求項2記載の発明に対応した変流器用消磁装置の回路構
成について、U相のみを代表して示したものであり、残
りのV及びW相も同等の回路構成となる。
【0045】図2において、試験用端子6の入力側の端
子T1と出力側(二次負担回路側)の端子P1間に、変
流器4の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特
性を有する変成器8の一次巻線8aを接続し、その変成
器8の二次巻線8bの両端子間に可変インピーダンス9
を接続する。また、上記入力側端子T1及び出力側端子
P1と対をなす入力側端子T0及び出力側端子P0間を
短絡する。
【0046】このように構成された第2実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端
に、変流器4の二次巻線電流を変成器8の一次巻線8a
と二次巻線8bの巻回数の比に反比例させて求まる電流
(変成器8の二次巻線電流)と当該可変インピーダンス
9のインピーダンス値との積に等しい電圧とが発生す
る。これに伴い、上記発生電圧に比例(変成器8の一次
巻線8a及び二次巻線8bの巻回数の比に比例)した変
成電圧が、試験用端子6の入力側端子T1と出力側端子
P1間に印加されるようになる。このように変成された
電圧と、変流器4の二次巻線電流により図示しない計器
・継電器類などの二次負担インピーダンスの両端に発生
する電圧とが合成された電圧が変流器4の二次巻線端子
に印加されることになる。また、上記変成器8は、変流
器4の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性
を有するものであるから、結果的に、可変インピーダン
ス9のインピーダンス値を変化させることにより、変流
器4の二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁
飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少
操作できる。
【0047】この場合、変流器4の鉄心の磁束密度B=
K×Ζ×I/F/Nにおいて、Z×Iは変流器4の二次
巻線端子に印加される電圧に相当する。従って、前記電
圧成分である可変インピーダンス9両端の電圧の変成値
を、当該可変インピーダンス9のインピーダンスを変化
させて調整し、変流器4の鉄心の磁束密度を飽和するま
で増大させる操作と、その後において磁束密度零まで減
少させる操作とを、受配電回路の通電・活性状態のまま
容易に行い得るようになる。
【0048】(第3の実施の形態)図3には本発明の第
3実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。この第3実施例は、請
求項3記載の発明に対応した変流器用消磁装置の回路構
成について、U相のみを代表して示したものであり、残
りのV及びW相も同等の回路構成となる。
【0049】即ち、図3において、変成器8は、一次巻
線8a及び二次巻線8bの他に三次巻線8cを有する。
変成器8は、一次巻線8aが試験用端子6の入力側端子
T1−T0間に接続され、二次巻線8bの両端子間に商
用周波数帯域通過フィルタ10と可変インピーダンス9
とが直列に接続される。さらに、変成器8の三次巻線8
cの両端子間には、低域通過フィルタ11を介して低周
波数電源12が接続される。
【0050】このように構成された第3実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端に
発生する電圧が変成器8の一次巻線8a及び二次巻線8
bの巻回数の比に比例して変成された電圧と、低周波数
電源12の出力電圧が変成器8の一次巻線8a及び三次
巻線8cの巻回数の比に比例して変成された電圧とが、
変流器4の二次巻線端子に印加されることになる。従っ
て、可変インピーダンス9のインピーダンス値を変化さ
せることにより、また、低周波数電源12の電圧を調整
すると共に必要に応じてその周波数を調整することによ
り、変流器4の二次巻線端子に印加される電圧を、その
二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図
的に減少操作できるようになる。
【0051】この場合、変成器8の二次巻線8bについ
ては、商用周波数帯域通過フィルタ10により電流の流
れまたは励磁作用の周波数特性を制御でき、当該変成器
8の三次巻線8cについては、低域通過フィルタ11に
より電流の流れまたは励磁作用の周波数特性を制御でき
るものである。さらに、変流器4の鉄心の磁束密度B=
K×Z×I/F/Nにおいて、磁束密度Bは、巻線回路
に存在または変成作用するインピーダンス、または電圧
(=Z×I)に比例し、その効果は、既に第1実施例及
び第2実施例において説明済みのため省略する。また、
磁束密度Bは励磁電源の周波数Fに反比例することか
ら、低周波数電源12の周波数を下げたり、電圧を増加
させることにより、変流器4の鉄心の磁束密度を飽和ま
で増大させる操作と、その後において磁束密度零まで減
少させる操作とを容易に行い得るようになる。
【0052】尚、本実施例のような構成を採用する場合
には、低周波電源12から変成器8の三次巻線8cを通
じて変圧器回路側に与えられる作用を実用上において支
障ないレベルに抑制するように配慮されるものである。
また、本実施例では、変成器8の一次巻線8a、二次巻
線8b及び三次巻線8cの相互間を電気的な接続をせ
ず、絶縁状態とすることにより、二次巻線8bまたは三
次巻線8cからの励磁作用などを一次巻線8aと二次巻
線8bまたは三次巻線8cとの巻回数の比により、電圧
または電流を効果的に選択または調整できるものであ
る。従って、本実施例においても変成器8用の巻線を各
相で兼用することにより、必要な巻線数を減らすことも
可能である。さらに、変流器4の鉄心消磁操作を当該変
流器4の二次巻線回路から行う場合、三相各相を単独に
行うなうことができるが、外部接続される低周波電源1
2を三相定格にすることも含めて、三相各相同時に行え
ば鉄心消磁用電流成分の変流器4の中性点回路での三相
相殺作用も期待できる。
【0053】(第4の実施の形態)図4には上記第3実
施例に変更を加えた本発明の第4実施例が示されてお
り、以下これについて当該第3実施例と異なる部分のみ
説明する。この第4実施例は、請求項4記載の発明に対
応した変流器用消磁装置の回路構成について、U相のみ
を代表して示したものであり、残りのV及びW相も同等
の回路構成となる。
【0054】即ち、図4において、変成器8′は、その
鉄心の磁路にギャップを備えた構造のものであり、第3
実施例と同様に、一次巻線8aが試験用端子6の入力側
端子T1−T0間に接続され、二次巻線8bの両端子間
に商用周波数帯域通過フィルタ10と可変インピーダン
ス9とが直列に接続される。変成器8′の三次巻線8c
の両端間には、第3実施例における低域通過フィルタ1
1及び低周波数電源12に代えて、振動電流発生回路1
3を接続した構成となっている。
【0055】上記振動電流発生回路13は、直流電源1
4、この直流電源14から三次巻線8cに印加される直
流成分の極性を切替えるための切替開閉器15、コンデ
ンサ16a及び16b、可変抵抗器17a及び17bを
図示のように接続したものである。具体的には、切替開
閉器15は、スイッチ要素s1〜s3群及びスイッチ要
素s4〜s6群を交互にオンさせる構成となっている。
この場合、スイッチ要素s1のオン状態では、コンデン
サ16bに対し直流電源14から可変抵抗器17bを介
して図示極性状態で充電され、スイッチ要素s4のオン
状態では、コンデンサ16aに対し直流電源14から可
変抵抗器17ab介して図示極性状態で充電されように
なっている。さらに、スイッチ要素s2、s3のオン状
態では、変成器8′の三次巻線8c、コンデンサ16a
及び可変抵抗器17aによって第1のLCR直列回路が
形成され、また、スイッチ要素s5、s6のオン状態で
は、三次巻線8c、コンデンサ16b及び可変抵抗器1
7bによって第2のLCR直列回路が形成されるように
なっている。
【0056】このように構成された第4実施例による作
用は以下の通りである。即ち、振動電流発生回路13に
おいては、切替開閉器15がスイッチ要素s4〜s6を
オンした状態では、一方のコンデンサ16aが可変抵抗
器17aを介して充電されており、このような状態から
切替開閉器15がスイッチ要素s1〜s3をオンさせた
状態に切替わると、三次巻線8c、コンデンサ16a及
び可変抵抗器17aによって第1のLCR直列回路が形
成される。すると、コンデンサ16aに充電されていた
電荷が可変抵抗器17a及び変成器8′の三次巻線8c
を介して放電されて過渡振動電流が発生するものであ
り、その発生電流を変成器8′の一次巻線8aと三次巻
線8cの巻回数の比に反比例させて求まる電流が、変流
器4の二次巻線回路に変成誘導されるようになり、可変
インピーダンス9両端の電圧が変成誘導された電圧と共
に変流器4を二次巻線回路側から励磁するようになる。
また、この期間には、他方のコンデンサ16bが可変抵
抗器17bを介して充電されるようになる。
【0057】この状態から、切替開閉器15がスイッチ
要素s4〜s6をオンさせた状態に切替わると、三次巻
線8c、コンデンサ16b及び可変抵抗器17bによっ
て、前記第1のLCR回路とは極性が反転した第2のL
CR直列回路が形成される。すると、コンデンサ16b
に充電されていた電荷が可変抵抗器17b及びの三次巻
線8cを介して放電されて過渡振動電流が発生するもの
であり、その発生電流を変成器8′の一次巻線8aと三
次巻線8cの巻回数の比に反比例させて求まる電流が、
変流器4の二次巻線回路に変成誘導されるようになり、
可変インピーダンス9両端の電圧が変成誘導された電圧
と共に変流器4を二次巻線回路側から励磁するようにな
る。また、この期間には、コンデンサ16aが可変抵抗
器17aを介して充電されるようになる。
【0058】つまり、切替開閉器15の切替動作が行わ
れることにより、2個のコンデンサ16a及び16bが
交互に充電・放電を繰り返して、前記第1及び第2のL
CR回路の極性(放電極性)が交互に反転されるもので
あり、可変抵抗器17a及び17bの抵抗値の調整によ
って、過渡振動電流の初期波高値を変流器4の二次励磁
飽和電流域を上回る値から電流零域まで減少操作できる
ようになる。
【0059】従って、変圧器1(図1参照)の電源が投
入された状態では、可変インピーダンス9の両端に発生
する電圧が変成器8′の一次巻線8a及び二次巻線8b
の巻回数の比に比例して変成された電圧と、振動電流発
生回路13の交互に極性反転する可変出力電圧が変成器
8′の一次巻線8a及び三次巻線8cの巻回数の比に比
例して変成された電圧とが、変流器4の二次巻線端子に
印加されることになる。これにより、可変インピーダン
ス9のインピーダンス値を変化させることにより、ま
た、振動電流発生回路13の出力値を可変抵抗器17a
及び17bにより調整することにより、変流器4の二次
巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和電圧を
上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減少操作でき
る。
【0060】この場合、変成器8′として、その鉄心の
磁路にギャップを設けたものを使用することにより、第
1及び第2のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる
変成器8′の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、
過渡振動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎
の直流成分により変成器8′が偏磁状態となることを軽
減できる利点が出てくる。また、過渡振動電流の初期値
が、極性を反転しつつ減少していくことになるため、変
流器4の鉄心の磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大ル
ープ(飽和域)から、極小ループ(消磁域)ヘ変化させ
ることができるという利点もある。尚、この第4実施例
における第1及び第2のLCR直列回路の構成例は、公
知の構成であって、本発明の請求内容そのものではな
く、変流器4の二次巻線回路を励磁するための、極性切
替可能なLCR直列回路より成る振動電流発生回路の構
成例の一つとして示したものである。
【0061】尚、本実施例のような構成を採用する場合
には、振動電流発生回路13からの過渡振動電流が変成
器8の三次巻線8cを通じて変圧器回路側に与える作用
を実用上において支障ないレベルに抑制するように配慮
されるものである。
【0062】(第5の実施の形態)図5には前記第3実
施例に変更を加えた本発明の第5実施例が示されてお
り、以下これについて当該第3実施例と異なる部分のみ
説明する。この第5実施例は、請求項5記載の発明に対
応した変流器用消磁装置の回路構成について、U相のみ
を代表して示したものであり、残りのV及びW相も同等
の回路構成となる。
【0063】即ち、図5において、試験用端子6の出力
側端子P0−P1間に、変成器8の二次巻線8b、商用
周波数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9
を直列に接続する。つまり、二次巻線8b、商用周波数
帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9の直列
回路を、図示しない計器・継電器類のインピーダンスと
直列に投入する。
【0064】このように構成された第5実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端に
発生する電圧並びに図示しない計器・継電器類などの二
次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が、変成器
8の一次巻線8a及び二次巻線8bの巻回数の比に比例
して変成された電圧と、低周波数電源12の出力電圧が
変成器8の一次巻線8a及び三次巻線8cの巻回数の比
に比例して変成された電圧とが、変流器4の二次巻線端
子に印加される。この場合、可変インピーダンス9のイ
ンピーダンス値の変化、低周波数電源12の電圧調整ま
たは周波数調整によって、変流器4の二次巻線端子に印
加される電圧を、その二次励磁飽和電圧を上回る値から
徐々に電圧零まで意図的に減少操作できることは第3実
施例の作用内容に同等である。また、可変インピーダン
ス9の両端の可変電圧と図示しない計器・継電器類など
の二次負担インピーダンス両端の電圧との合成電圧、及
び低周波数電源12の電圧・周波数の調整によって、変
流器4の鉄心の磁束密度を飽和まで増大させる操作と、
その後において磁束密度零まで減少させる操作とを容易
に行い得ることも第3実施例の効果内容に同等である。
【0065】(第6の実施の形態)図6には前記第4実
施例に変更を加えた本発明の第6実施例が示されてお
り、以下これについて当該第4実施例と異なる部分のみ
説明する。この第6実施例は、請求項6記載の発明に対
応した変流器用消磁装置の回路構成について、U相のみ
を代表して示したものであり、残りのV及びW相も同等
の回路構成となる。
【0066】即ち、図6において、試験用端子6の出力
側端子P0−P1間に、変成器8′の二次巻線8b、商
用周波数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス
9を直列に接続する。つまり、二次巻線8b、商用周波
数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9の直
列回路を、図示しない計器・継電器類のインピーダンス
と直列に投入する。変成器8′の三次巻線8cの両端間
に振動電流発生回路13が接続されているのは第4実施
例と同様である。
【0067】このように構成された第6実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端に
発生する電圧並びに図示しない計器・継電器類などの二
次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が、変流器
4の二次巻線端子に印加される。この場合、可変インピ
ーダンス9のインピーダンス値の変化、振動電流発生回
路13の過渡振動電流の初期波高値の調整によって、変
流器4の二次巻線端子に印加される電圧を、その二次励
磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図的に減
少操作できることは第4実施例の作用内容に同等であ
る。また、可変インピーダンス9の両端の可変電圧と図
示しない計器・継電器類などの二次負担インピーダンス
両端の電圧との合成電圧、及び振動電流発生回路13か
らの出力電流の調整によって、変流器4の鉄心の磁束密
度を飽和までの増大させる操作と、その後において磁束
密度零まで減少させる操作とを容易に行い得ることも第
4実施例の効果内容に同等である。
【0068】さらに、鉄心の磁路にギャップを設けた変
成器8′を使用しているから、第5実施例と同様に、第
1及び第2のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる
変成器8′の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、
過渡振動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎
の直流成分により変成器8′が偏磁状態となることを軽
減できるようなる。また、過渡振動電流の初期値が、極
性を反転しつつ減少していくことになるため、変流器4
の鉄心の磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大ループ
(飽和域)から、極小ループ(消磁域)ヘ変化させるこ
とができることも第4実施例と同様である。
【0069】(第7の実施の形態)図7には本発明の第
7実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。この第7実施例は、請
求項7記載の発明に対応した変流器用消磁装置の回路構
成について、U相に対応した部分を代表して示したもの
であり、残りのV及びW相も同等の回路構成となる。
【0070】即ち、図7において、変流器4′は、三次
巻線(端子g−h)を備えたもので、三相の各相に配置
された三次巻線を直列に結線して構成した回路の両端
が、試験用端子6の入力側端子T4−T5間に接続され
ている。変成器8は、変流器4′の三次励磁飽和電圧の
3倍値を上回る一次励磁飽和電圧特性を有するもので、
その一次巻線8aの両端が上記入力端子T4−T5間に
接続される。また、変成器8の二次巻線8bの両端子間
に商用周波数帯域通過フィルタ10と可変インピーダン
ス9が直列に接続され、変成器8の三次巻線8cの両端
子間には、低域通過フィルタ11を介して低周波数電源
12が接続される。さらに、変流器4′の二次巻線(端
子k−m)回路における試験用端子6のU相対応の入力
側端子T1−T0間に低域通過フィルタ18が接続され
る。
【0071】このように構成された第7実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端に
発生する電圧が変成器8の一次巻線8a及び二次巻線8
bの巻回数の比に比例して変成された電圧と、低周波数
電源12の出力電圧が変成器8の一次巻線8a及び三次
巻線8cの巻回数の比に比例して変成された電圧とが、
変流器4′の各相三次巻線(端子g−h)を直列に結線
して構成した回路に印加される。このとき、上記変成器
8は、変流器4′の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る
一次励磁飽和電圧特性を有するものであるから、可変イ
ンピーダンス9のインピーダンス値を変化させることに
より、また、低周波数電源12の電圧を調整すると共に
必要に応じてその周波数を調整することにより、三次巻
線(端子g−h)付き変流器4′の直列結線された三次
巻線回路に印加される電圧を、変流器4′の三次励磁飽
和電圧の3倍値相当を上回る値から徐々に電圧零まで意
図的に減少操作できる。この場合、低域通過フィルタ1
8が設けられているから、変流器4′の二次巻線(端子
k−m)回路の計器・継電器類に対して、低周波数の電
流または電圧成分が作用することがなくなる。
【0072】この場合、変流器4′の鉄心の磁束密度B
=K×Z×I/F/Nにおいて、磁束密度Bは、巻線回
路に存在または変成作用するインピーダンス、または電
圧(=Z×I)に比例し、その効果は、既に実施例1ま
たは2において説明済みのため省略する。また、磁束密
度Bは励磁電源の周波数Fに反比例することから、低周
波数電源12の周波数を下げたり、電圧を増加させるこ
とにより、変流器4の鉄心の磁束密度を飽和まで増大さ
せる操作と、その後において磁束密度零まで減少させる
操作とを容易に行い得るようになる。
【0073】尚、定常時において変流器4′の各相三次
巻線回路に流れる電流は零状態であるため、当該変流器
4′の鉄心を意図的に飽和域まで励磁する主体は、変成
器8の三次巻線回路の低周波数電源12による低周波数
励磁作用となる。また、変成器4′の二次巻線回路は、
商用周波数帯域通過フィルタ10により電流の流れまた
は励磁作用の周波数特性を制御でき、当該変成器4′の
三次巻線回路は、低域通過フィルタ18により電流の流
れまたは励磁作用の周波数特性を制御できるものであ
る。
【0074】(第8の実施の形態)図8には上記第7実
施例に変更を加えた本発明の第8実施例が示されてお
り、以下これについて当該第7実施例と異なる部分のみ
説明する。この第8実施例は、請求項8記載の発明に対
応した変流器用消磁装置の回路構成について、U相のみ
を代表して示したものであり、残りのV及びW相も同等
の回路構成となる。
【0075】即ち、図8において、変成器8′は、その
鉄心の磁路にギャップを備えた構造のもの(前記第4及
び第6の各実施例で使用したもの同じ構成)であり、第
7実施例と同様に、一次巻線8aが試験用端子6の入力
側端子T1−T0間に接続され、二次巻線8bの両端子
間に商用周波数帯域通過フィルタ10と可変インピーダ
ンス9とが直列に接続される。変成器8′の三次巻線8
cの両端間には、第7実施例における低域通過フィルタ
11及び低周波数電源12に代えて、振動電流発生回路
13を接続した構成となっている。
【0076】上記振動電流発生回路13は、前にも述べ
たように、直流電源14、この直流電源14から三次巻
線8cに印加される直流成分の極性を切替えるための切
替開閉器15、コンデンサ16a及び16b、可変抵抗
器17a及び17bを図示のように接続したものであ
り、その切替開閉器15の切替動作が行われるのに応じ
て、変成器8′の三次巻線8c、コンデンサ16a及び
可変抵抗器17aによる第1のLCR直列回路と、三次
巻線8c、コンデンサ16b及び可変抵抗器17bによ
る第2のLCR直列回路が交互に形成される構成となっ
ている。
【0077】このように構成された第8実施例による作
用は以下の通りである。即ち、振動電流発生回路13に
おいては、切替開閉器15の切替動作が行われることに
より、2個のコンデンサ16a及び16bが交互に充電
・放電を繰り返して、各放電毎の極性が反転すると共
に、可変抵抗器17a及び17bの抵抗値の調整によっ
て、過渡振動電流の初期波高値を変流器4′の二次励磁
飽和電流域を上回る値から電流零域まで容易に減少操作
できるようになる。従って、変圧器1(図1参照)の電
源が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端
に発生する電圧が変成器8′の一次巻線8a及び二次巻
線8bの巻回数の比に比例して変成された電圧と、振動
電流発生回路13の可変出力が変成器8′の一次巻線8
a及び三次巻線8cの巻回数の比に比例して変成された
電圧とが、変流器4′の各相三次巻線(端子g−h)を
直列に結線して構成した回路に印加される。従って、可
変インピーダンス9のインピーダンス値を変化させるこ
とにより、また、振動電流発生回路13の出力値を可変
抵抗器17a及び17bにより調整することにより、三
次巻線(端子g−h)付き変流器4′の直列結線された
三次巻線回路に印加される電圧を、変流器4′の三次励
磁飽和電圧の3倍値相当を上回る値から徐々に電圧零ま
で意図的に減少操作できる。この場合にも、低域通過フ
ィルタ18が設けられているから、変流器4′の二次巻
線(端子k−m)回路の計器・継電器類に対して、低周
波数の電流または電圧成分が作用することがなくなる。
【0078】尚、この第8実施例においても、変成器
8′として、その鉄心の磁路にギャップを設けたものを
使用することにより、振動電流発生回路13内の第1お
よび第2のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる変
成器8′の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、過
渡振動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎の
直流成分により変成器8′が偏磁状態となることを軽減
できる利点が出てくる。また、過渡振動電流の初期値
が、極性を反転しつつ減少していくことになるため、変
流器4′の鉄心の磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大
ループ(飽和域)から、極小ループ(消磁域)ヘ変化さ
せることができるという利点もある。
【0079】(第9の実施の形態)図9には前記第7実
施例に変更を加えた本発明の第9実施例が示されてお
り、以下これについて当該第7実施例と異なる部分のみ
説明する。この第9実施例は、請求項9記載の発明に対
応した変流器用消磁装置の回路構成について、U相のみ
を代表して示したものであり、残りのV及びW相も同等
の回路構成となる。
【0080】即ち、図9において、試験用端子6の出力
側端子P5−P4間に、変成器8の二次巻線8b、商用
周波数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9
を直列に接続する。つまり、二次巻線8b、商用周波数
帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9の直列
回路を、図示しない計器・継電器類のインピーダンスと
直列に投入する。
【0081】このように構成された第9実施例の作用は
以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電源
が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端に
発生する電圧並びに図示しない計器・継電器類などの二
次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が変成器8
の一次巻線8a及び二次巻線8bの巻回数の比に比例し
て変成された電圧と、低周波電源12の出力電圧が変成
器の一次巻線及び三次巻線の巻回数の比に比例して変成
された電圧とが、変流器4′の各相三次巻線(端子g−
h)を直列に結線して構成した回路に印加される。この
場合、可変インピーダンス9のインピーダンス値の変
化、低周波数電源12の電圧調整または周波数調整によ
って、変流器4′の各相三次巻線(端子g−h)を直列
に結線して構成した回路に印加される電圧を、変流器
4′の三次励磁飽和電圧の3倍値相当を上回る値から徐
々に電圧零まで意図的に減少操作できることは第7実施
例の作用内容に同等である。また、可変インピーダンス
9両端の可変電圧と図示しない計器・継電器類などの二
次負担インピーダンス両端の電圧との合成電圧、及び低
周波数電源12の電圧、周波数の調整によって、変流器
4′の鉄心の磁束密度を飽和まで増大させる操作と、そ
の後において磁束密度零まで減少させる操作とを容易に
行い得ることも第7実施例の効果内容に同等である。
【0082】(第10の実施の形態)図10には前記第
8実施例に変更を加えた本発明の第10実施例が示され
ており、以下これについて当該第8実施例と異なる部分
のみ説明する。この第10実施例は、請求項10記載の
発明に対応した変流器用消磁装置の回路構成について、
U相のみを代表して示したものであり、残りのV及びW
相も同等の回路構成となる。
【0083】即ち、図10において、試験用端子6の出
力側端子P5−P4間に、変成器8′の二次巻線8b、
商用周波数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダン
ス9を直列に接続する。つまり、二次巻線8b、商用周
波数帯域通過フィルタ10及び可変インピーダンス9の
直列回路を、図示しない計器・継電器類のインピーダン
スと直列に投入する。変成器8′の三次巻線8cの両端
間に振動電流発生回路13が接続されているのは第8実
施例と同様である。
【0084】このように構成された第10実施例の作用
は以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電
源が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端
に発生する電圧並びに図示しない計器・継電器類などの
二次負担回路の両端に発生する電圧の合成電圧が、変流
器4′の各相三次巻線(端子g−h)を直列に結線して
構成した回路に印加される。この場合、可変インピーダ
ンス9のインピーダンス値の変化、振動電流発生回路1
3の過渡振動電流の初期波高値の調整によって、変流器
4′の各相三次巻線(端子g−h)を直列に結線して構
成した回路に印加される電圧を、変流器4′の三次励磁
飽和電圧の3倍値相当を上回る値から徐々に電圧零まで
意図的に減少操作できることは第8実施例の作用内容に
同等である。また、可変インピーダンス9の両端の可変
電圧と図示しない計器・継電器類などの二次負担インピ
ーダンス両端の電圧との合成電圧、及び振動電流発生回
路13からの出力電流の調整によって、変流器4′の鉄
心の磁束密度を飽和までの増大させる操作と、その後に
おいて磁束密度零まで減少させる操作とを容易に行い得
ることも第8実施例の効果内容に同等である。
【0085】さらに、鉄心の磁路にギャップを設けた変
成器8′を使用しているから、第4実施例と同様に、第
1及び第2のLCR直列回路のインダクタンスを兼ねる
変成器8′の励磁インダクタンスの線形性を向上させ、
過渡振動電流を安定化させると共に、各過渡振動電流毎
の直流成分により変成器8′が偏磁状態となることを軽
減できるようなる。また、過渡振動電流の初期値が、極
性を反転しつつ減少していくことになるため、変流器
4′の鉄心の磁束密度を、ヒステリシス曲線の極大ルー
プ(飽和域)から、極小ループ(消磁域)ヘ変化させる
ことができることも第8実施例と同様である。
【0086】(第11の実施の形態)図11には本発明
の第11実施例が示されており、以下これについて前記
第1実施例と異なる部分のみ説明する。この第11実施
例は、請求項11記載の発明に対応した変流器用消磁装
置の回路構成について、U相に対応した部分を代表して
示したものであり、残りのV及びW相も同等の回路構成
となる。
【0087】即ち、図11において、試験用端子6にお
ける入力側端子T0、つまり三相各相の変流器4の二次
巻線回路の中性点回路が接続される入力側端子T0と、
これに対応した出力側(二次負担回路側)端子P0との
間に、変流器4の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽
和電圧特性を有する変成器8の一次巻線8aが接続さ
れ、当該変成器8の二次巻線8bの両端子間に商用周波
数帯域通過フィルタ10と可変インピーダンス9が直列
に接続される。また、変成器8の三次巻線8cの両端子
間には、低域通過フィルタ11を介して低周波数電源1
2が接続される。、さらに、上記入力側端子T1とこれ
に対応した出力側端子P1との間が短絡されると共に、
当該端子T1と前記出力側端子P0との間に低域通過フ
ィルタ18が接続される。
【0088】このように構成された第10実施例の作用
は以下の通りである。即ち、変圧器1(図1参照)の電
源が投入された状態では、可変インピーダンス9の両端
に発生する電圧が変成器8の一次巻線8a及び二次巻線
8bの巻回数の比に比例して変成された電圧と、低周波
数電源12の出力電圧が変成器8の一次巻線8a及び三
次巻線8cの巻回数の比に比例して変成された電圧と
が、三相各相の変流器4の二次巻線回路の中性点回路に
印加される。従って、可変インピーダンス9のインピー
ダンス値を変化させることにより、また、低周波数電源
12の電圧を調整すると共に必要に応じてその周波数を
調整することにより、三相各相の変流器4の二次巻線回
路の中性点回路に印加される電圧を、当該変流器4の二
次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図的
に減少操作できるようになる。この場合、変流器4の二
次巻線(端子k−m)回路の計器・継電器類には、低域
通過フィルタ11により、低周波数の電流または電圧成
分が作用しないように制御される。
【0089】上記構成によれば、変流器4の鉄心の磁束
密度B=K×Ζ×I/F/Nにおいて、磁束密度Bは、
巻線回路に存在または変成作用するインピーダンス、ま
たは電圧(=Z×I)に比例し、その効果は、既に第1
実施例1及び第2実施例において説明済みのため省略す
る。また、磁束密度Bは励磁電源の周波数Fに反比例す
ることから、低周波数電源12の周波数を下げたり、電
圧を増加させることにより、変流器4の鉄心の磁束密度
を飽和まで増大させる操作と、その後において磁束密度
零まで減少させる操作とを容易に行い得るようになる。
【0090】(第12の実施の形態)図12には上記第
11実施例に変更を加えた本発明の第12実施例が示さ
れており、以下これについて当該第11実施例と異なる
部分のみ説明する。この第12実施例は、請求項12記
載の発明に対応した変流器用消磁装置の回路構成につい
て、U相のみを代表して示したものであり、残りのV及
びW相も同等の回路構成となる。
【0091】即ち、図12において、変成器8′は、そ
の鉄心の磁路にギャップを備えた構造のもの(前記第
4、第6、第8及び第10の各実施例で使用したもの同
じ構成)であり、第11実施例と同様に、一次巻線8a
が試験用端子6の入力側端子T0と出力側端子P0との
間に接続され、二次巻線8bの両端子間に商用周波数帯
域通過フィルタ10と可変インピーダンス9が直列に接
続される。変成器8′の三次巻線8cの両端間には、第
3実施例における低域通過フィルタ11及び低周波数電
源12に代えて、振動電流発生回路13を接続した構成
となっている。
【0092】上記振動電流発生回路13は、前にも述べ
たように、直流電源14、この直流電源14から三次巻
線8cに印加される直流成分の極性を切替えるための切
替開閉器15、コンデンサ16a及び16b、可変抵抗
器17a及び17bを図示のように接続したものであ
り、その切替開閉器15の切替動作が行われるのに応じ
て、変成器8′の三次巻線8c、コンデンサ16a及び
可変抵抗器17aによる第1のLCR直列回路と、三次
巻線8c、コンデンサ16b及び可変抵抗器17bによ
る第2のLCR直列回路が交互に形成される構成となっ
ている。
【0093】このように構成された第12実施例による
作用は以下の通りである。即ち、振動電流発生回路13
においては、切替開閉器15の切替動作が行われること
により、2個のコンデンサ16a及び16bが交互に充
電・放電を繰り返して、各放電毎の極性が反転すると共
に、可変抵抗器17a及び17bの抵抗値の調整によ
り、過渡振動電流の初期波高値を変流器4′の二次励磁
飽和電流域を上回る値から電流零域まで容易に減少操作
できるようになる。
【0094】一方、変圧器1(図1参照)の電源が投入
された状態では、可変インピーダンス9の両端に発生す
る電圧が変成器8′の一次巻線8a及び二次巻線8bの
巻回数の比に比例して変成された電圧と、振動電流発生
回路13の可変出力が変成器8′の一次巻線8a及び三
次巻線8cの巻回数の比に比例して変成された電圧と
が、三相各相の変流器4の二次巻線回路の中性点回路に
印加される。従って、可変インピーダンス9のインピー
ダンス値を変化させることにより、また、振動電流発生
回路13の出力値を可変抵抗器17a及び17bにより
調整することにより、三相各相の変流器4の二次巻線回
路の中性点回路に印加される電圧を、当該変流器4の二
次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで意図的
に減少操作できることは前記第11実施例と同等であ
る。この場合、低域通過フィルタ11により、変流器4
の二次巻線(端子k−m)回路の計器・継電器類に低周
波数の電流または電圧成分が作用しないように制御され
ることも第11実施例と同等である。
【0095】さらに、鉄心の磁路にギャップを設けた変
成器8′を使用しているから、第1及び第2のLCR直
列回路のインダクタンスを兼ねる変成器8′の励磁イン
ダクタンスの線形性を向上させ、過渡振動電流を安定化
させると共に、各過渡振動電流毎の直流成分により変成
器8′が偏磁状態となることを軽減できるようなる。ま
た、過渡振動電流の初期値が、極性を反転しつつ減少し
ていくことになるため、変流器4′の鉄心の磁束密度
を、ヒステリシス曲線の極大ループ(飽和域)から、極
小ループ(消磁域)ヘ変化させることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、変流器の二次巻線側に
設けた変成器の二次巻線端子間に可変インピーダンスを
接続し、当該可変インピーダンスのインピーダンス値を
変化させて、当該可変インピーダンスの両端に発生する
電圧の前記変成器を通じた変成電圧を、前記変流器の二
次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操
作可能にするなどの構成としたので、実際の使用状態に
おいて偏磁または飽和状態になった可能性のある変流器
鉄心を、変流器一次側回路の通電・活線状態において
も、計器・継電器類の機能休止を最小限内に抑制した状
態で消磁できるようになるという有益な効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路構成図
【図2】本発明の第2実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図3】本発明の第3実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図4】本発明の第4実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図5】本発明の第5実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図6】本発明の第6実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図7】本発明の第7実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図8】本発明の第8実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図9】本発明の第9実施例の回路構成についてU相の
みを代表して示す図
【図10】本発明の第10実施例の回路構成についてU
相のみを代表して示す図
【図11】本発明の第11実施例の回路構成についてU
相のみを代表して示す図
【図12】本発明の第12実施例の回路構成についてU
相のみを代表して示す図
【図13】従来構成を示す図1相当図
【符号の説明】
1は変圧器、2は三相電源、4、4′は変流器、、5は
零相変流器、6、7は試験用端子、8、8′は変成器、
9は可変インピーダンス、10は商用周波数帯域通過フ
ィルタ、11は低域通過フィルタ、12は低周波数電
源、13は振動電流発生回路、14は直流電源、15は
切替開閉器、16a、16bはコンデンサ、17a、1
7bは可変抵抗器、18は低域通過フィルタを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝男 神奈川県川崎市川崎区浮島町2丁目1番地 株式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 5E081 AA08 CC03 GG05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して
    構成され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継
    電器類を含む二次負担回路に出力するように接続される
    電磁誘導形変流器のための消磁装置において、 前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に、前記変流
    器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を
    有する変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子間に可変インピーダンスを接
    続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧を、前記変流器の二次励磁飽
    和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に
    構成したことを特徴とする変流器用消磁装置。
  2. 【請求項2】 鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して
    構成され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継
    電器類を含む二次負担回路に出力するように接続される
    電磁誘導形変流器のための消磁装置において、 前記試験用端子の変流器側端子及び二次負担回路側端子
    間に、前記変流器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁
    飽和電圧特性を有する変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子間に可変インピーダンスを接
    続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧と前記二次負担回路の両端に
    発生する電圧との合成電圧を、前記変流器の二次励磁飽
    和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に
    構成したことを特徴とする変流器用消磁装置。
  3. 【請求項3】 鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して
    構成され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継
    電器類を含む二次負担回路に出力するように接続される
    電磁誘導形変流器のための消磁装置において、 前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に、前記変流
    器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を
    有すると共に一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を備
    えた変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子間に商用周波数帯域通過フィ
    ルタ及び可変インピーダンスを直列に接続し、 前記変成器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介し
    て低周波数電源を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記低周
    波数電源により前記変成器の三次巻線端子から一次巻線
    端子を介して前記変流器を低周波数励磁することによっ
    て、前記変流器の二次巻線端子に印加される電圧を、そ
    の二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々に電圧零まで減
    少操作可能に構成したことを特徴とする変流器用消磁装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の変流器用消磁装置におい
    て、 前記変成器として、その鉄心の磁路にギャップを備えた
    構造のものを使用すると共に、 前記変成器の三次巻線端子間に、前記低周波フィルタ及
    び低周波電源に代えて、極性が交互に反転されるLCR
    直列回路を含む振動電流発生回路を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記振動
    電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振動電流の
    初期波高値を調整することによって、前記変流器の二次
    巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和電流域
    を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成し
    たことを特徴とする変流器用消磁装置。
  5. 【請求項5】 鉄心に一次巻線及び二次巻線を巻回して
    構成され、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器・継
    電器類を含む二次負担回路に出力するように接続される
    電磁誘導形変流器のための消磁装置において、 前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に、前記変流
    器の二次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を
    有すると共に一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を備
    えた変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子を可変インピーダンス及び商
    用周波数帯域通過フィルタを直列に介した状態で前記二
    次負担回路に接続し、 前記変成器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介し
    て低周波数電源を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路の両
    端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整
    すると共に、前記低周波数電源により前記変成器の三次
    巻線端子から一次巻線端子を介して前記変流器を低周波
    数励磁することによって、前記変流器の二次巻線端子に
    印加される電圧を、その二次励磁飽和電圧を上回る値か
    ら徐々に電圧零まで減少操作可能に構成したことを特徴
    とする変流器用消磁装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の変流器用消磁装置におい
    て、 前記変成器として、その鉄心の磁路にギャップを備えた
    構造のものを使用すると共に、 前記変成器の三次巻線端子間に、前記低周波フィルタ及
    び低周波電源に代えて、極性が交互に反転されるLCR
    直列回路を含む振動電流発生回路を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路の両
    端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整
    すると共に、前記振動電流発生回路内の前記LCR直列
    回路の過渡振動電流の初期波高値を調整することによっ
    て、前記変流器の二次巻線端子に印加される電圧を、そ
    の二次励磁飽和電流域を上回る値から徐々に電圧零まで
    減少操作可能に構成したことを特徴とする変流器用消磁
    装置。
  7. 【請求項7】 三相電路にそれぞれ対応して設けられた
    鉄心に各相用の一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を
    巻回して構成されると共に、二次巻線出力を試験用端子
    を通じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力する
    ように接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置に
    おいて、 前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に前記各相用
    三次巻線を直列に結線した回路の両端を接続し、 前記試験用端子の前記対をなす変流器側端子間に、前記
    変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る一次励磁飽
    和電圧特性を有すると共に一次巻線及び二次巻線の他に
    三次巻線を備えた変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子間に商用周波数帯域通過フィ
    ルタ及び可変インピーダンスを直列に接続し、 前記変成器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介し
    て低周波数電源を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記低周
    波数電源により前記変成器の三次巻線端子から一次巻線
    端子を介して前記変流器の直列結線された三次巻線を低
    周波数励磁することによって、当該直列結線された三次
    巻線に印加される電圧を、その三次励磁飽和電圧の3倍
    値を上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成
    したことを特徴とする変流器用消磁装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の変流器用消磁装置におい
    て、 前記変成器として、その鉄心の磁路にギャップを備えた
    構造のものを使用すると共に、 前記変成器の三次巻線端子間に、前記低周波フィルタ及
    び低周波電源に代えて、極性が交互に反転されるLCR
    直列回路を含む振動電流発生回路を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧を調整すると共に、前記振動
    電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振動電流の
    初期波高値を調整することによって、前記変流器の直列
    結線された三次巻線に印加される電圧を、その三次励磁
    飽和電圧の3倍値を上回る値から徐々に電圧零まで減少
    操作可能に構成したことを特徴とする変流器用消磁装
    置。
  9. 【請求項9】 三相電路にそれぞれ対応して設けられた
    鉄心に各相用の一次巻線及び二次巻線の他に三次巻線を
    巻回して構成されると共に、二次巻線出力を試験用端子
    を通じて計器・継電器類を含む二次負担回路に出力する
    ように接続される電磁誘導形変流器のための消磁装置に
    おいて、 前記試験用端子の対をなす変流器側端子間に前記変流器
    の各相用三次巻線を直列に結線した回路の両端を接続
    し、 前記試験用端子の前記対をなす変流器側端子間に、前記
    変流器の三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る一次励磁飽
    和電圧特性を有すると共に一次巻線及び二次巻線の他に
    三次巻線を備えた変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子を可変インピーダンス及び商
    用周波数帯域通過フィルタを直列に介した状態で前記二
    次負担回路に接続し、 前記変成器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介し
    て低周波数電源を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路の両
    端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整
    すると共に、前記低周波数電源により前記変成器の三次
    巻線端子から一次巻線端子を介して前記変流器の直列結
    線された三次巻線を低周波数励磁することによって、当
    該直列結線された三次巻線に印加される電圧を、その三
    次励磁飽和電圧の3倍値を上回る値から徐々に電圧零ま
    で減少操作可能に構成したことを特徴とする変流器用消
    磁装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の変流器用消磁装置にお
    いて、 前記変成器として、その鉄心の磁路にギャップを備えた
    構造のものを使用すると共に、 前記変成器の三次巻線端子間に、前記低周波フィルタ及
    び低周波電源に代えて、極性が交互に反転されるLCR
    直列回路を含む振動電流発生回路を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンス及び前記二次負担回路の両
    端に発生する電圧の前記変成器を通じた変成電圧を調整
    すると共に、前記振動電流発生回路内の前記LCR直列
    回路の過渡振動電流の初期波高値を調整することによっ
    て、前記変流器の直列結線された三次巻線に印加される
    電圧を、その三次励磁飽和電圧の3倍値を上回る値から
    徐々に電圧零まで減少操作可能に構成したことを特徴と
    する変流器用消磁装置。
  11. 【請求項11】 三相電路にそれぞれ対応して設けられ
    た鉄心に各相用の一次巻線及び二次巻線を巻回して構成
    されると共に、二次巻線出力を試験用端子を通じて計器
    ・継電器類を含む二次負担回路に出力するように接続さ
    れる電磁誘導形変流器のための消磁装置において、 前記変流器の中性点回路が接続される試験用端子の変流
    器側端子及び二次負担回路側端子間に、前記変流器の二
    次励磁飽和電圧を上回る一次励磁飽和電圧特性を有する
    変成器の一次巻線端子を接続し、 前記変成器の二次巻線端子間に商用周波数帯域通過フィ
    ルタ及び可変インピーダンスを直列に接続し、 前記変成器の三次巻線端子間に低域通過フィルタを介し
    て低周波数電源を接続し、 前記変流器の各相用二次巻線端子間に低域通過フィルタ
    を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧と前記二次負担回路の両端に
    発生する電圧との合成電圧を調整すると共に、前記低周
    波数電源により前記変成器の三次巻線端子からその一次
    巻線端子を介して前記変流器の三次巻線を低周波数励磁
    することによって、前記変流器の二次巻線端子に印加さ
    れる電圧を、その二次励磁飽和電圧を上回る値から徐々
    に電圧零まで減少操作可能に構成したことを特徴とする
    変流器用消磁装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の変流器用消磁装置に
    おいて、 前記変成器として、その鉄心の磁路にギャップを備えた
    構造のものを使用すると共に、 前記変成器の三次巻線端子間に、前記低周波フィルタ及
    び低周波電源に代えて、極性が交互に反転されるLCR
    直列回路を含む振動電流発生回路を接続し、 前記可変インピーダンスのインピーダンス値を変化させ
    て、当該可変インピーダンスの両端に発生する電圧の前
    記変成器を通じた変成電圧と前記二次負担回路の両端に
    発生する電圧との合成電圧を調整すると共に、前記振動
    電流発生回路内の前記LCR直列回路の過渡振動電流の
    初期波高値を調整することによって、前記変流器の二次
    巻線端子に印加される電圧を、その二次励磁飽和電圧を
    上回る値から徐々に電圧零まで減少操作可能に構成した
    ことを特徴とする変流器用消磁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105428000A (zh) * 2015-12-08 2016-03-23 云南电力试验研究院(集团)有限公司 一种基于脉宽变化的低频双极性方波源的铁芯退磁方法
DE102015222102A1 (de) * 2015-11-10 2017-05-11 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Leistungsfaktorkorrekturstufe
CN109378155A (zh) * 2018-12-27 2019-02-22 国网宁夏电力有限公司 一种换流变压器消磁系统

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