JP2000075010A - 地点別上空見通し範囲作成方法 - Google Patents

地点別上空見通し範囲作成方法

Info

Publication number
JP2000075010A
JP2000075010A JP10264038A JP26403898A JP2000075010A JP 2000075010 A JP2000075010 A JP 2000075010A JP 10264038 A JP10264038 A JP 10264038A JP 26403898 A JP26403898 A JP 26403898A JP 2000075010 A JP2000075010 A JP 2000075010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
satellite
time
point
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10264038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2963994B1 (ja
Inventor
Masato Takahashi
正人 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Communications Research Laboratory
Original Assignee
Communications Research Laboratory
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Communications Research Laboratory filed Critical Communications Research Laboratory
Priority to JP26403898A priority Critical patent/JP2963994B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2963994B1 publication Critical patent/JP2963994B1/ja
Publication of JP2000075010A publication Critical patent/JP2000075010A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】宇宙と地上間の見通し範囲を効率的に決定する
方法を提供する. 【解決手段】航行衛星システムを陸上移動体が利用する
際に電波の捕捉を試みる仰角0度以上の各航行衛星3に
ついて,陸上移動体4の存在地点から見た各衛星の上空
位置および各衛星からの信号強度を,陸上移動体4の位
置および時刻とともに記録を行ない,後に各地点の上空
を細分化した諸微小領域別が見通しか遮蔽かを,ある時
間内に記録された電波強度情報から判定することによ
り, 該時間内の該地点における上空見通し範囲を決定
する.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は宇宙と地上間の見通
し通信路の存在範囲を特定する方法に関する.
【0002】
【従来の技術】ある緯度・経度・高度で特定される地球
上の地点から,上空を見上げたときに,電波障害物によ
り電波が遮られることなく,空が見える点の集合として
の面を,以下では,上空見通し範囲という.ここでいう
電波障害物としては,例えば,該地点から比較的遠方に
存在している山岳などの地形をはじめ,該地点から比較
的接近している場合には仰角方向に遮蔽の影響が大きい
木立の一部や高層ビルディングなどが含まれる.また電
波障害物の形状が経時的に変化する場合として,例え
ば,樹林の高さの成長,人為的な伐採,開発によるビル
ディングの造成,ビルディングの取り壊し,などの要因
がある.すなわち,上空見通し範囲は,緯度経度高度お
よび時刻によりはじめて確定する性質を持っている.
【0003】上空見通し範囲という概念自体が新しいも
のであるため,地点別上空見通し範囲作成方法の従来の
技術と考えられるものは少ない.強いてあげれば,第一
に,地形図からの計算による方法と,第二に光学撮像に
よる方法が従来の技術であると考えられる.
【0004】まず,第一の方法として,地形図からの計
算による地点別上空見通し範囲作成法について以下に述
べる.山間部,山岳地域などにおいては,人工建造物が
少ないため,主な電波障害物は,一般に遠方の山岳や丘
陵などとそれらに付随して林立する樹林などであること
が多い.この場合,国土地理院発行の2万5千分の1地
形図や,国土地理院発行の数値地図などから読み取る標
高情報から,ある緯度・経度・高度の地点の上空に遮蔽
の影響を与える地形を算出することで,上空見通し範囲
の一応の推定値とすることが可能であると考えられる.
【0005】また,第二の方法として,光学撮像を画像
処理した結果を用いて地点別上空見通し範囲を作成する
という方法があった.それは,魚眼レンズを用いてある
地点における上空を撮影した光学撮像に,画像処理を施
した後に,コントラストによる2値化を行ない,該地点
の上空の上空見通し範囲を推定する,という方法であっ
た. (下記文献参照). Riza Akturan and Wolfhard J. Vogel, "Path Diversity for LEO Satellite-PCS in the Urban
Environment", IEEE Transactions on Antennas and propagation, vol.45, no.7, July 1997,pp.1107-1116
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,都市部
各地点における上空見通し範囲が必要な場合,第一の方
法,即ち地形図や数値地図における標高を読み取って上
空見通し範囲を推定することは適切ではなかった.なぜ
ならば,都市部を走行する陸上移動体における電波遮蔽
要因は,標高情報に示される遠方の自然地形などである
ことは一般に少なく,比較的接近して存在するビルディ
ングや高架物などの人工建造物であることが多いからで
ある.このため,第一の方法,即ち,標高を読み取る方
法では都市部における地点別上空見通し範囲の精度が期
待できない.
【0007】そこで,この欠点を補償するものとして,
都市部における人工建造物をも地形と見なした標高デー
タを,国土の広範囲に関し網羅的に,完備している情報
が仮に存在すれば,その情報を元にこの第一の方法を適
用できる可能性がある.しかし,そのような情報は,各
自治体および各消防など,建物の階数情報を必要とする
若干の行政機関に,紙面などで存在するものの,不統一
な規格であり,現状では体系的にまとめられるにいたっ
ていない.さらに,電子化されるにはなおいたっていな
い.このため,それら規格不統一な情報を元に地点別の
上空見通し範囲を作成するという目的を達成するには,
データの所在を各自治体ごとに確認し,収集し,書式を
統一し,電子化し,その後,上空見通し範囲の算出を開
始する,という時間と労力および費用のかかる膨大な作
業となることが予想される.
【0008】仮に,この膨大な作業を完遂するとした場
合,次の欠点がある. (1) 作成作業に既述の手間がかかるため,提供される成
果物としての地点別上空見通し範囲は古い情報に基づい
ている (上空見通し範囲作成に時間がかかる.上空見通
し範囲の時刻依存性からすると好ましくない) (2) この欠点を補償するために地点別上空見通し範囲を
仮に最新の版に更新したい場合には,ビルデイングや家
屋の階数現況調査から開始し,データを整理するなど,
再度膨大な時間と人件費がかかる.(上空見通し範囲の
更新コストが高い) (3) 家屋やビルディングがもたらす遮蔽現況は推定可能
としても,高架物・樹林・看板など他の地物による遮蔽
が推定できないため上空見通し範囲の結果は一面的なも
のとなり不正確となる.正確を目指すと電波遮蔽をもた
らす可能性のある個別の地物,樹木,高速道路高架,陸
橋,門架型大型標識,電柱などについてすべて高さなど
を洗い出す必要が発生する.(上空見通し範囲の原因の
多様性を包括的に評価できない) (4) 階数情報だけのデータを基礎とするため,「階あた
り平均的高さ(一般的に3.5メートル程である)」を乗
ずるなどの便法を利用することになり,個別的な高さが
不正確になり,その結果上空見通し範囲の精度が低下す
る(上空見通し範囲の推定結果に十分な精度がない).
【0009】また,第二の光学撮像による方法は,次の
欠点を有していた. (1) 広い都市部の地点別上空見通し範囲を作成するため
には,多数の道路のさまざまな地点で,光学画像を逐
次,撮像する必要があり,撮像のフェーズだけで多大の
人件費や経費が発生する. (2) 多様な撮影条件下での個別の撮像結果に対して,画
像処理技術によって,空とそれ以外の部分を自動的に完
全分離することのできる精度のよいアルゴリズムが確立
されておらず,現実には分離のための閾値を設定する際
に人間の識別力の介在が必要となり,時間と労力がかか
る. (3) 後の画像処理において分離を明確にできるように撮
影する必要のため,日中かつ晴天時に撮影時間が限定さ
れる.夜間や曇天,雨天時の撮影ではコントラストが低
下するため,正確な分離はきわめて困難となる. (4) 葉の茂った樹木による木漏れ日状の部分が実際にど
の程度の電波遮蔽効果をもたらすか,あるいは複数の電
線などが実際にどの程度の電波遮蔽効果をもたらすかな
ど,個別事例の電波遮蔽効果を推定することが困難とな
る. (5) 撮像者が光学撮像機器を所持するのみならず,同時
に,撮像位置を緯度経度として特定する装置,例えば航
行衛星システムからの電波を受信して測位を行なう装
置,およびジャイロやコンパスといった機器をも,所持
する必要がある.すなわちデータ収集に従事する者が多
数の装置を携帯する必要があり,簡易な作業でないとい
う欠点があった.
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
に鑑み提案されたもので,地点別上空見通し範囲作成法
として, (1) 地点別上空見通し範囲のデータ収集から作成までに
あまり費用がかからない. (2) 地点別上空見通し範囲のデータ収集から作成までに
あまり時間がかからない. (3)地点別上空見通し範囲の時刻依存性に対応できるよ
う,最新の情報を常に反映した,情報の更新が費用と時
間をかけずに容易に実施できる. (4)地点別上空見通し範囲の推定に,遮蔽の原因となる
地物を種類別に推定し加重してゆく手法に固有の手間を
省き,現実の衛星からの信号強度を用いて一括評価する
ことで目的を達することができる. (5)地点別上空見通し範囲の推定の際に,現実の衛星か
らの信号強度を用いることで,他の方法では困難な特殊
の状況下での見通しか否かの判定を容易に評価できる.
例えば,光学撮像の画像処理などに固有の,樹林による
木漏れ日様状況が果たして見通しか否かの判定の困難を
回避できる. (6) 地点別上空見通し範囲の推定に先立つデータ収集過
程において,データ収集者の作業が簡易であり負荷が少
ない.例えば,データ収集者が,電波工学ないし地形学
ないし光学撮像といった専門分野の知識および技術を持
っている必要がなく,必要な機器を搭載した陸上移動体
を用いて,陸上移動体運行業務を行なっているだけで地
点別上空見通し範囲の作成に貢献できる. (7) 地点別上空見通し範囲の推定に,近年民生品の普及
の著しいGlobal Positioning System(以下では,GPSと
いう)による測位装置に,微小な改造を加えることによ
りデータ収集に必要な装置を開発できる方法であり,小
型かつ高性能な装置が安価に開発でき,利便性が高い. (8) 近年,輸送業界,タクシー業界等に浸透しつつあ
る,GPSなどを用いた車両位置管理システムとの相性が
良く,その場合,運転者が陸上移動体を用いた本来の業
務に専念しているだけで,副次的に地点別上空見通し範
囲の作成に貢献できるため,データ収集に専従の意識な
く実質的な参加が可能となり,市民参加型の地点別上空
見通し範囲作成の現実性が高い. ことを特徴とする地点別上空見通し範囲作成方法を提供
するものである.
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する.図1は建造物1,1'および樹木2に
よる遮蔽により複数のGPS衛星3からの電波が陸上移動
体4の屋根に設置されたGPSアンテナ5に届かない状
態を示しており,高い建物ないし樹木ほど,GPS衛星3
からの電波を遮蔽する原理を示している.
【0012】即ち,GPS衛星3から発信されている測位
用の電波は,1.5GHz付近のマイクロ波の周波数帯を使用
するため光と同様に直進性が優れており,GPSアンテナ
5から見通しの位置にあるGPS衛星3からの信号強度
と,GPSアンテナ5から見通しの位置にないGPS衛星3か
らの信号強度には明瞭な差異が生じる. GPS衛星に限ら
ず,一般の航行衛星を含め,宇宙通信で用いられる電波
は,マイクロ波,ミリ波などいずれも直進性に優れた電
波であることが多く,回折の影響はほとんど無視でき
る.
【0013】尚, GPS衛星から送信される電波には,全
GPS衛星の軌道情報(アルマナックデータ)も含まれて
おり,これは全ての衛星から送信されている.そのた
め,現在位置からみて仰角0度以上の上空に存在はする
が,遮蔽により衛星からの信号強度が限りなく0に近
い,即ち衛星からの電波を捕捉できていない状態のGPS
衛星3についての仰角および方位角は,見通し可能な他
のGPS衛星3から受信されたところのデータから簡易な
計算によって算定および出力可能となっている.事実そ
のような情報を出力する機器は存在する.また,全GPS
衛星はまったく同じ周波数で信号を送信するが,疑似雑
音符号による拡散スペクトル(Spread Spectrum) 通信方
式という技術を用いているために,同じ周波数を用いて
いても混信するおそれがない.疑似雑音符号とよばれ
る,0と1が一見不規則に交代するディジタル符号の配
列を,それぞれのGPS衛星に違う配列のものを割り当て
ることで,各衛星からの信号を識別し,分離受信が可能
となっており,即ち,現在位置から見て仰角0度以上に
存在しているGPS衛星すべてのに関してそれらの上空に
おける仰角,方位角のみならず,それらの衛星からの信
号強度も分離して検出することは原理的に容易となって
いる.
【0014】図2は,地点別上空見通し範囲作成方法に
基づく,複数の陸上移動体を用いた場合の装置の構成を
示す.それは,複数の陸上移動体10,10',10", …及び,
データ保存装置11で構成される.
【0015】各陸上移動体は,陸上移動体10と同様な構
成をしており, GPSアンテナ10Aと,GPS受信機10Bと,
データ一時記録装置10C と,測位誤差補正装置10Dを保
持している.測位誤差補正装置には,現在普及している
ディファレンシャルGPS受信機や加速度センサや車速セ
ンサやマップマッチ機構など,GPS単独での測位誤差を
補正し,測位精度を向上させることを目的とした装置な
らば任意の機器の適切な組み合わせでよい.GPSにおい
ては,一般に用いられるC/Aコードには,測位精度を落
とす目的で衛星からの送信データに,故意に測位誤差を
発生させるノイズが通常乗せられており(Selective Av
ailabilityと呼ばれている)その場合,水平方向に120
メートル,垂直方向で180メートル程度の測位誤差が発
生する.しかしながら,上記の測位誤差補正装置を用い
ると,測位誤差を数メートル以下に減少させることがで
きることはよく知られている.
【0016】陸上移動体10では,走行中,GPS受信機10B
から出力されるデータのうち,現在位置の測位結果とし
て得られる緯度値および経度値および高度値および時刻
値のみならず,その時刻において仰角0度以上に存在す
る各GPS衛星の仰角値および方位角値および該衛星から
の信号強度値を,1つのレコードとして一定時間毎に,
一時記録装置10Cに保存しつづける.
【0017】図3に1つのレコードに含まれるデータ内
容の例を示す.
【0018】測定時に仰角0度以上に衛星がN個存在する
場合を考え,それらを衛星1,衛星2,…,衛星Nと呼ぶ
とする.1レコードは,現在の時刻20A, 現在の陸上移
動体の緯度20B, 現在の陸上移動体の経度20C, 衛星1の
仰角21A,衛星1の方位角21B, 衛星1からの信号強度21C,
衛星2の仰角22A, 衛星2の方位角22B, 衛星2からの信号
強度22C,と順次続き,最後に,衛星Nの仰角23A,衛星N
の方位角23B, 衛星Nからの信号強度23C,から構成され
る.
【0019】1レコードを毎秒1度ずつ,陸上移動体10
が走行中に記録を継続することで多くの地点における記
録が採取される.同一の地点を,別の時刻に,同一の陸
上移動体10が通過したとしても,時刻が異なるため,上
空の衛星配置も異なった状況でのデータが採取されるる
ため意義がある.さらに,複数の陸上移動体,例えば陸
上移動体10', 陸上移動体10"も同様の記録採取を行なう
ことにより,多くの地点での記録採取が進行するため効
率的である.
【0020】陸上移動体10におけるデータ一時記録装置
10Cに一時記録されたデータは,例えば 数日間分のデー
タをまとめて,データ保存装置11へデータの移動を行な
うと,データ一時記録装置10Cの記録容量を生かすこと
ができる.
【0021】データ一時記録装置10Cには,近年普及の
著しいパソコン用のPCMCIAカードタイプのATAフラッシ
ュカード用い,データ保存装置11に,大容量ハードディ
スクとPCMCIAスロットを持つパーソナルコンピュータを
用いると,ATAフラッシュカードの挿抜と簡単なファイ
ルの操作だけの作業によりデータ転送ができるため効率
的である.
【0022】このようにして,データがデータ保存装置
に保存されていくが,タクシー業務,トラックによる貨
物輸送業務,あるいは郵便配達業務,清掃業務など,陸
上移動体で走行すること自体が業務の一部をなす職種の
機関が運行させている多くの陸上移動体に協力を仰ぐこ
とによりさらに効率的にデータを収集することが可能と
なる. その際,近年普及しつつある車両位置管理シス
テムを採用し,携帯電話などによって,陸上移動体の位
置情報を実時間的に管理センターなどに転送し,陸上移
動体位置の集中管理を行なっている機関ならば,GPS受
信機10Bと同等の出力を行なうように既存のGPS受信機を
必要に応じて微小に改造し,すでに用いている位置情報
転送手段に便乗して,時刻20A,衛星1の仰角21A,衛星
1の方位角21B, 衛星1からの信号強度21C,衛星2の仰
角22A,衛星2の方位角22B,衛星2からの信号強度22C,
…,衛星Nの仰角23A,衛星Nの方位角23B,衛星Nからの信
号強度23Cのデータを追加的にデータ転送するだけでよ
く,陸上移動体の運転者がデータ転送する作業が省け一
層効率的である.その場合,管理センターにおけるコン
ピュータが,データ保存装置11に相当する.
【0023】しかる後に,データ保存装置11に保存さ
れた多くのレコードの中から,時刻20Aが一定の時刻範
囲内,例えば,1998年1月1日0時0分0秒(JST)から1998年
6月30日23時59分59秒(JST)までを満たすものを抽出す
る.半年程度の期間の記録に限定するのは,ビルディン
グの新規建築,住宅の造成,樹木の高さの成長など,上
空見通し範囲に影響を与える要因の経時的変化の可能性
から,あまりに長期にわたる記録は採用すべきでないた
めである.
【0024】そして,抽出されたレコード群からさら
に,緯度値および経度値および高度値が一定範囲内にあ
ることを満たすレコード群のみを抽出する.例えば,東
京都千代田区に所在する内幸町交差点の南方約20mの道
路上地点における上空見通し範囲を推定したい場合,該
地点の緯度および経度,即ち,北緯35度40分02.2秒,東
経139度45分33.1秒に相当するものを抽出するが,陸上
移動体の測位した緯度および経度に若干の誤差があるこ
とを勘案し,上記の緯度・経度点を中心として,半径数
メートルに相当するわずかな緯度幅・経度幅もたせた緯
度範囲,経度範囲を満たすレコードのみを抽出する.
【0025】ここまでで抽出されたレコード群のみが含
む延べ衛星数は相当な数に上るが,それら衛星の仰角
(21A,22A,23A)および方位角 (21B,22B,23B)およびそれ
ら衛星からの信号強度 (21C,22C,23C)の記録を,該地点
の上空の該方位角値と該仰角値で同定される方向とその
近傍が見通し通信路であるか否かを判別するための情報
と見なす.
【0026】即ち,該地点の上空を微小な諸領域に分割
し,その諸微小領域内に相当する方位角値と仰角値を持
つデータを,その微小領域の衛星通信路の代表値を見な
す.衛星仰角により変動量が算出できる大気圏通過距離
や,降雨減衰など天候の影響による信号強度の減衰マー
ジンなどを差し引いても,GPS衛星からの電波は,-125d
Bm以上が十分に期待されており,この値以下であるデー
タが多数,高確率で存在する微小領域はビルディングや
樹木や看板などの電波遮蔽物に遮蔽されている確率が高
い.そこで,例えば,信号強度 (21C,22C,23C)が,-125
dBm以上を満たすデータが95%以上に上る微小領域に関し
ては,該微小領域を見通しと判定し,30%を下回る微小
領域に関しては,該微小領域を遮蔽と判定し,どちらに
も属さない微小領域については,不定とし,さらなるレ
コードの収集により決定されるものとする.見通しか否
かを判断する上記の値は,上空見通し範囲の使用目的に
応じて変更してもよい.微小領域の作成方法は,例え
ば,仰角ごとに5度刻み,方位角ごとに5度刻み,とい
った2つの基準で定まる半天球上での扇型状の部分など
とすればよい.
【0027】このようにして,ある時間範囲内でのある
地点の上空における衛星見通し通信路の存非とその通信
路の方向に関する情報を効率的に構築できる.
【0028】以上,本発明を図面に記載された実施形態
に基づいて説明したが,本発明は上記した実施形態だけ
ではなく,特許請求の範囲に記載した構成を変更しない
限りどのようにでも実施することができる.
【0029】
【発明の効果】以上要するに,本発明によれば,専従の
人件費が発生しないため地点別上空見通し範囲作成の効
果対価格比を高めることが可能となる.すなわち,大規
模な現況調査の必要がなくなる.
【0030】また,航行衛星からの電波を受けて現在位
置を緯度経度まで特定する装置と,PCMCIAタイプカード
ATAフラッシュメモリのような一般の記録媒体に,微小
な改造を加えるだけの装置で簡易に実現可能であり,上
記装置の民生普及が著しい現在において,比較的安価に
実現可能である.
【0031】さらに,昼夜,天候を問わず業務(タクシ
ー業務,郵便業務,トラックによる輸送業務,清掃業務
など)が発生しているときには必ず情報収集が可能であ
り効率的である.
【0032】さらに地点別上空見通し範囲作成には最新
の現状を反映するため更新が必要となるが,既存の方法
に比較して,簡易に更新が可能となる.
【0033】さらに,衛星からの電波の信号強度実測値
を地点別上空見通し範囲の判定に用いるため,自然物で
ある樹木や地形の遮蔽の影響も取り込むことができ,人
工建造物もビルディングや巨大な看板,門架型大型標識
などのおよそ電波遮蔽にかかわるものを種別に取り込む
必要がなくなり,煩雑さがない.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における遮蔽の原理を示す
概念図である.
【図2】本発明の一実施形態における複数の陸上移動体
とデータ保存装置の構成を示す概念図である.
【図3】本発明の一実施形態における1レコードのデー
タ内容を示す概念図である.
【符号の説明】
1,1' 構造物 2 樹木 3 GPS衛星 4 陸上移動体 5 GPSアンテナ 10,10',10" 陸上移動体 10A GPSアンテナ 10B GPS受信機 10C データ一時記録装置 10D 測位誤差補正装置 11 データ保存装置 20A 時刻 20B 緯度 20C 経度 21A 衛星1の仰角 21B 衛星1の方位角 21C 衛星1からの信号強度 22A 衛星2の仰角 22B 衛星2の方位角 22C 衛星2からの信号強度 23A 衛星Nの方位角 23B 衛星Nの仰角 23C 衛星Nからの信号強度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の航行衛星からの電波を受信すること
    により自らの現在位置を推定する装置および測位誤差を
    補正する装置を搭載する1つあるいは複数の陸上移動体
    が,陸上移動体の現在位置の測位結果として得られる緯
    度値および経度値および高度値および時刻値に加え,測
    位処理過程において算出する各航行衛星の上空における
    仰角値および方位角値および該衛星からの信号強度値を
    も,1つのレコードとして一定時間毎ないし一定距離毎
    に保存しつづけ,しかる後に,保存された多くのレコー
    ドの中から,該時刻値が一定の時間範囲内にあり,か
    つ,該緯度値および該経度値および該高度値がある地点
    の近傍の一定範囲内にあることを満たすレコード群のみ
    を抽出し,該レコード群に含まれている衛星の仰角値お
    よび衛星の方位角値および該衛星からの信号強度値に関
    する複数の記録を,該地点の上空の方位角値と仰角値で
    同定される方向が見通し通信路であるか否かを判別する
    ための情報と見なすことにより,該時間範囲内での該地
    点の上空における衛星見通し通信路の存非とその通信路
    の方向に関する情報データベースを構築することを特徴
    とする地点別上空見通し範囲作成方法.
JP26403898A 1998-09-02 1998-09-02 地点別上空見通し範囲作成方法 Expired - Lifetime JP2963994B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26403898A JP2963994B1 (ja) 1998-09-02 1998-09-02 地点別上空見通し範囲作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26403898A JP2963994B1 (ja) 1998-09-02 1998-09-02 地点別上空見通し範囲作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2963994B1 JP2963994B1 (ja) 1999-10-18
JP2000075010A true JP2000075010A (ja) 2000-03-14

Family

ID=17397696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26403898A Expired - Lifetime JP2963994B1 (ja) 1998-09-02 1998-09-02 地点別上空見通し範囲作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2963994B1 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000042386A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede permettant de detecter la position d'une voiture sur une route a plusieurs voies superposees
JP2001337152A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Jekku:Kk カーテン情報登録システム及び記録媒体
JP2004502135A (ja) * 2000-03-20 2004-01-22 クゥアルコム・インコーポレイテッド 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2006017604A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Japan Radio Co Ltd 衛星信号受信装置
JP2006337262A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Mitsubishi Electric Corp 測位装置及び測位方法
JP2007003287A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Nissan Motor Co Ltd Gpsロストの予測方法、gpsロストの予測装置及び車両用走行制御装置
JP2007093483A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Mitsubishi Electric Corp 測位装置、測位方法および測位プログラム
JP2008539420A (ja) * 2005-04-29 2008-11-13 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 衛星を利用した測位に関する方法および構成
JP5013385B1 (ja) * 2011-10-06 2012-08-29 独立行政法人電子航法研究所 Rtk測位計算に利用する衛星の選択方法及びその装置
JP2013088356A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Sony Corp 情報処理装置、受信情報サーバ、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体
JP2014215167A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 古野電気株式会社 Gnss状況表示装置及びgnss状況表示方法
JP2020079748A (ja) * 2018-11-13 2020-05-28 古野電気株式会社 測位装置、測位方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG105538A1 (en) * 1999-01-13 2004-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd Method for identifying vehicle position on multi-layer road
WO2000042386A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede permettant de detecter la position d'une voiture sur une route a plusieurs voies superposees
JP2012211907A (ja) * 2000-03-20 2012-11-01 Qualcomm Inc 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2004502135A (ja) * 2000-03-20 2004-01-22 クゥアルコム・インコーポレイテッド 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2017003594A (ja) * 2000-03-20 2017-01-05 スナップトラック・インコーポレーテッド 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2015180874A (ja) * 2000-03-20 2015-10-15 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2014222228A (ja) * 2000-03-20 2014-11-27 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 衛星位置システムに関する支援データを使用するための方法および装置
JP2001337152A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Jekku:Kk カーテン情報登録システム及び記録媒体
JP2006017604A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Japan Radio Co Ltd 衛星信号受信装置
JP2008539420A (ja) * 2005-04-29 2008-11-13 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 衛星を利用した測位に関する方法および構成
JP2006337262A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Mitsubishi Electric Corp 測位装置及び測位方法
JP4687270B2 (ja) * 2005-06-22 2011-05-25 日産自動車株式会社 Gpsロストの予測装置及び車両用走行制御装置
JP2007003287A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Nissan Motor Co Ltd Gpsロストの予測方法、gpsロストの予測装置及び車両用走行制御装置
JP2007093483A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Mitsubishi Electric Corp 測位装置、測位方法および測位プログラム
JP5013385B1 (ja) * 2011-10-06 2012-08-29 独立行政法人電子航法研究所 Rtk測位計算に利用する衛星の選択方法及びその装置
JP2013088356A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Sony Corp 情報処理装置、受信情報サーバ、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体
JP2014215167A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 古野電気株式会社 Gnss状況表示装置及びgnss状況表示方法
JP2020079748A (ja) * 2018-11-13 2020-05-28 古野電気株式会社 測位装置、測位方法
JP7107820B2 (ja) 2018-11-13 2022-07-27 古野電気株式会社 測位装置、測位方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2963994B1 (ja) 1999-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cornick et al. Localizing ground penetrating radar: A step toward robust autonomous ground vehicle localization
Hess et al. Geocoded digital videography for validation of land cover mapping in the Amazon basin
US20060142943A1 (en) Navigation service method and terminal of enabling the method
JP2963994B1 (ja) 地点別上空見通し範囲作成方法
JP2010534849A (ja) 位置を判定する方法及び装置
US9411822B2 (en) System and method of generating and using open sky data
KR100510835B1 (ko) 실시간 측량 시스템을 이용하여 제작된 수치지도를적용하는 gis의 구축방법
US20220020169A1 (en) Landmark configuration matcher
Securo et al. Long-term mass-balance monitoring and evolution of ice in caves through structure from motion–multi-view stereo and ground-penetrating radar techniques
CN115129796A (zh) 定位数据分析方法、装置、设备和介质
Kubelka et al. Radio propagation models for differential GNSS based on dense point clouds
CN115375766A (zh) 一种基于语义地图的无人机城市内自主定位方法
CN111292018B (zh) 一种城市易损性模型构建方法
CN114063127A (zh) 一种多焦距视觉slam与gps融合的方法及存储介质
US20220284669A1 (en) Method and system for creating ground control point within spatial area
US6853331B1 (en) Method of compensating for atmospheric effects while using near horizon radar utilizing a Doppler signal
CN113654570A (zh) 一种路径规划方法、服务端及系统
US6833805B1 (en) Method of compensating for atmospheric effects while using near horizon radar
Chen et al. Ultra-high-accuracy Digital Terrain Model Mapping for Assessing Roadway Vulnerability to Sea-level Rise and Flooding: An Integrated Analysis of Mobile and Airborne LiDAR Data
US20220113162A1 (en) Map data generation apparatus
HELEIWEY PROPOSAL FOR THE CONSTRUCTION OF A NEW ROAD USING DGPS, DRONES AND GIS TECHNIQUES: BASRA GOVERNORATE-A CASE STUDY
Nwilo et al. Quality Assessment of the 20m SPOT DEM in Nigeria
Xiao et al. Handheld GPS and mobile mapping
CN113205064A (zh) 能见度监测方法及设备
Simon et al. Thickening the geodetic network through satellite measurements in Bara village, Timis County.

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term