JP2000073996A - 送風機 - Google Patents

送風機

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JP2000073996A
JP2000073996A JP10257511A JP25751198A JP2000073996A JP 2000073996 A JP2000073996 A JP 2000073996A JP 10257511 A JP10257511 A JP 10257511A JP 25751198 A JP25751198 A JP 25751198A JP 2000073996 A JP2000073996 A JP 2000073996A
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tongue
noise
blower
frequency
blade passing
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JP10257511A
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Takamoto Sakurai
高幹 桜井
Sumio Saito
純夫 斎藤
Tamotsu Ota
有 太田
Eisuke Ota
英輔 大田
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風機の舌部に発生する騒音を減衰させるた
め、この騒音を打ち消すような振動エネルギを発生させ
ることのできる騒音減衰装置を備えた送風機を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 翼を有する羽根車と、羽根車の回転によ
り吐出される気体を流す吐出流路と、吐出流路中に配置
された舌部と、舌部に取り付けられ、舌部を翼通過周波
数の整数倍で加振する加振器とを備えた送風機とする。
さらに舌部が、静止部と静止部から振動的に分離された
振動部を含んで構成され、振動部に加振器が取り付けら
れる送風機とするとよい。さらに舌部頂点に加振器を取
り付けて舌部頂点を翼通過周波数で加振し、舌部下面に
加振器を取り付けて舌部下面を2次の翼通過周波数で加
振するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送風機に関し、特
に翼を有するロータを備えた送風機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】騒音低減は、送風機に要求される重要な
項目の一つである。例えば、比較的低比速度の遠心送風
機の騒音では乱流騒音よりもむしろ、羽根車吐出流が送
風機の吐出流路中の舌部と干渉することで発生する翼通
過周波数(BPF、Blade Passing Frequency)騒
音が支配的になり、全体の騒音特性を強く支配する。こ
のBPF騒音を低減するためには、(1)音源となる舌
部表面上に誘起される圧力変動レベルを変動する方法、
および(2)騒音の伝播経路で低減化を図る方法があ
る。
【0003】例えば(1)では、舌部表面上にスピーカ
を設置して、羽根車吐出流と逆位相の音響音を発生させ
る方法がある。(2)では、翼枚数や管路長さを変化さ
せて伝播経路のインピーダンスを調整する方法などがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記(1)では
舌部表面上に置かれたスピーカにより誘起される舌部の
振動エネルギが十分でなくその騒音減衰効果には限界が
あった。また前記(2)の翼枚数、管路長さを変化させ
る方法は、この方法を実行する際に送風機を止める必要
性を生じ、対応に時間がかかる。そこで、振動エネルギ
が大きくでき騒音減衰効果が高く、対応時間が短い、騒
音減衰装置を備えた送風機を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による送風機は、図1、図5に
示すように、翼18を有する羽根車9と;羽根車9の回
転により吐出される気体を流す吐出流路19と;吐出流
路19中に配置された舌部14と;舌部14に取り付け
られ、舌部14を翼通過周波数の整数倍で加振する加振
器27A、27Bとを備えたことを特徴とする。
【0006】このように構成すると、吐出流路中の舌部
に翼通過周波数(羽根車回転数rpmに翼の数を掛け、
60で割った値。単位はHz)の整数倍で前記舌部を加
振する加振器を備えるので、騒音を低減化させることが
できる。ここで整数倍とは正の整数倍(1、2、・・
・)を意味する。
【0007】加振器を備え付けた舌部の表面または先端
部が発生する騒音のピーク値に対応する周波数で、位相
を180度ずらせて舌部の加振器を取り付けた部分を加
振して振動させるとよい。
【0008】ここで、舌部とは、羽根車より吐出された
気体の圧力を効率よく回復するように形成された吐出流
路中に設けられた尖った部分をいい、例えばボリュート
の開始部とボリュートの終端部とを分流する尖った部
分、整流ベーンの最先端部等である。
【0009】請求項2に係る発明による送風機は、請求
項1に記載の送風機において、前記舌部は、静止部と前
記静止部から振動的に分離された振動部を含んで構成さ
れ、前記振動部に前記加振器が取り付けられている。
【0010】加振器が取り付けられた舌部の振動部が、
静止部である残りの舌部から振動的に分離されているの
で、加振器は加振器が取り付けられた振動部を、大きな
振幅で振動させることができ、少ない加振エネルギで振
動部の表面から大きな振動エネルギを流体である気体に
与えることができる。振動部を複数設けて、各振動部に
加振器を取り付けた場合は、各振動部を互いに振動的に
分離してもよい。
【0011】請求項3に係る発明による送風機は、請求
項1または請求項2に記載の送風機において、翼通過周
波数の整数倍の周波数のなかから少なくとも2以上の周
波数を選択し、前記選択された周波数で前記加振器が加
振するように構成されている。
【0012】加振器を複数備え付け、加振器の数だけ周
波数を選択し、それぞれの加振器を選択されたそれぞれ
の周波数で加振させることができる。また、加振器の数
より多く周波数を選択し、ある周波数の振動と他の周波
数の振動を合成し、加振器の中のある加振器を合成され
た振動を起こすよう加振させてもよい。
【0013】送風機に加振器を複数備え、これらの加振
器は翼通過周波数で加振する第1の加振器と、翼通過周
波数の2以上の整数倍の周波数で加振する第2の加振器
を含むようにしてもよい。また、送風機に加振器を一つ
備え付け、翼通過周波数の振動と2次の翼通過周波数の
振動とを合成し、この加振器をこの合成された振動で舌
部の頂点と舌部の下面とを一体として加振させるように
してもよい。
【0014】請求項4に係る発明による送風機は、請求
項1から請求項3のいずれかに記載の送風機において、
前記加振器が圧電素子を有するものである。
【0015】送風機の吐出流路中の整流部の舌部表面に
は、翼通過周波数成分の騒音を卓越して発生する音源領
域と、翼通過周波数の高次(整数倍)の成分の騒音を卓
越して発生する音源領域がある。よって前者の音源領域
に翼通過周波数で加振する加振器を備え付けて加振し、
後者の音源領域に翼通過周波数の高次の周波数で加振す
る加振器を備え付けて加振することができる。後者の音
源領域は、典型的には舌部の先端部近傍の羽根車側の表
面である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0017】図2は、本発明による送風機装置の一部を
断面にした正面図であり、特に本発明の効果を測定する
ために構成した装置の図である。送風機装置はベース1
と、ベース1の上に載置された誘導電動機2と、同じく
ベース1上に載置され誘導電動機2に接続されたトルク
メータ3と、同じくベース1上に載置されトルクメータ
3に接続された送風機4(図2に中心線より上半分は断
面にて示す。)とから構成される。ベース1は誘導電動
機2とトルクメータ3の下部に位置する第1の基礎5
と、第1の基礎5から分離され送風機4の下部に位置す
る第2の基礎6上に載置されている。トルクモータ3
は、本実施の形態において馬力を測定するために使用さ
れる。
【0018】トルクメータ3と送風機4の接合部との間
には無音響壁7が設置され、誘導電動機2とトルクメー
タ3の騒音が送風機4の騒音から分離されている。
【0019】送風機4は正面吸込の単段のターボ型送風
機であり、渦巻き型のケーシング8を備え、ロータは片
持ち構造になっており、ロータの吸込側の先端に、翼1
8(図1参照)が角度的に等間隔に取り付けられた羽根
車9が取り付けられている。ケーシング8の正面には吸
込ノズル10が取り付けられており、吸込ノズル10に
はスペーサ11を介してベルマウス12が取り付けられ
ている。送風機4はベルマウス12を介して大気を吸込
む。吸い込まれた大気は羽根車9の回転により昇圧さ
れ、ケーシング8内に形成された吐出流路19で整流さ
れ、舌部14(図2に不図示、図1参照)を経過し、吐
出ノズル13(図2に不図示、図1参照)から吐き出さ
れる。
【0020】なお、ロータ中心の高さは地面(GL)よ
り1665mm、ケーシングの基礎6上面からの最大高
さは945mmであり、ベルマウス6入口部の径が43
0mm、ケーシングの内部の上部の幅は230mmであ
る。
【0021】羽根車9の回転方向は吸込側から羽根車9
を見て時計方向であり、吐出ノズル13(図2に不図
示、図1参照)の位置は、同じ様に吸込側から見て、右
側であってロータより上側についており、右水平方向に
向いている。
【0022】送風機4においては、羽根車9とケーシン
グ8壁面が最も接近したケーシング8の舌部14付近に
おいて、羽根車9からの出口流がケーシング8の舌部1
4に衝突し、または舌部14において流れの方向を変え
ることによって、舌部14周辺に圧力変動が生じる。こ
れが送風機の最も大きな騒音発生源である。
【0023】送風機の騒音は、翼通過数周波数及びその
倍音(2倍、3倍・・・)において発生する回転騒音
と、渦及び乱れによって広帯域の周波数にわたって生じ
る乱流騒音とに大別される。送風機の騒音の場合、その
主要な成分は回転騒音であり、回転騒音は他の周波数成
分に比べて非常に大きく、純音性が高く、非常に耳障り
である。したがって、送風機の静音化においては、まず
この回転騒音を低減させることが肝要である。そこで、
騒音を発生させる音源領域を確定するため、図3及び図
4に示す設計仕様の羽根車9の出口に位置する舌部14
の騒音データを測定した。
【0024】前述のように舌部14表面上に分布する翼
通過周波数成分及びその高次の周波数成分を有する騒音
(BPF騒音)の音源領域を確定するために、予め表面
上に小型マイクロフォン(図示せず)を複数個設置し、
双極子騒音の基礎理論に基づいた相関解析を実施した。
その結果、BPF1次成分の騒音は舌部頂点14A(図
5参照)から、高次(2次及び3次)成分は舌部下面1
4B(図5参照)即ち舌部頂点近傍の羽根車側の表面か
ら卓越して発生していることを確認した。
【0025】次に、図5に示すように、多層圧電加振器
27Aを舌部頂点14Aに取り付け、多層圧電加振器2
7Aを取り付けた部位を囲むように隙間15Aを設けて
分離して振動部16Aを設け、振動部16Aとその周囲
の舌部部分即ち静止部との前記隙間15Aにゴム状の材
質を充填する。さらに、振動部16Aと隙間15Aの吐
出空気流路側をゴム製の膜17Aで覆った。
【0026】同様に、多層圧電加振器27Bを舌部下面
14Bに取り付け、多層圧電加振器27Bを取り付けた
部位を囲むように隙間15Bを設けて分離して振動部1
6B設け、その隙間15Bにゴム状の材質を充填する。
さらに、振動部16Bと隙間15Bの吐出空気流路側を
ゴム製の膜17Bで覆った。
【0027】そして、多層圧電加振器27AによってB
PF1次の周波数でBPF1次成分の騒音より位相が1
80度ずれた振動を振動部16Aに与え、さらに多層圧
電加振器27BによってBPF2次の周波数でBPF2
次成分の騒音より位相が180度ずれた振動を振動部1
6Bに与え、振動の加速度をそれぞれ適切な値に設定し
たところ、BPF1次成分の騒音とBPF2次成分の騒
音がほぼ乱流による騒音のレベルまで減衰した。
【0028】図中、紙面に垂直な方向、すなわちロータ
の長手中心軸方向に関し、多層圧電加振器27A、27
Bは各1個取り付けたが、流路幅が流路幅方向に広い送
風機の場合、流路幅方向に各々2個以上取り付けるよう
にしてもよい。送風機に加振器を複数備え付け、加振器
が同じ周波数で加振される加振器、または異なった周波
数で加振される加振器を含む場合、同じ周波数で加振さ
れる加振器、または異なった周波数で加振される加振器
を流路方向に配置してもよい。このようにすると、流路
方向に加振器を取り付けるスペース上の余裕が少ない場
合に、加振器を効果的に配置することができる。
【0029】図1を参照してデータ収録系及び加振系の
結線構成を説明する。送風機4(図1の図上右側に中心
線より上を断面にした部分側面図を示す。)のケーシン
グ8内に設置された羽根車9の出口近傍に取り付けられ
た反射型光電センサ21により羽根車9の回転数が測定
される。反射型光電センサ21はロータの1回転につ
き、各羽根の通過を感知し、羽根枚数である12のパル
スを発生させるので、1秒間当たりのパルスの数が1次
の翼通過周波数(BPF1)に等しくなる。この翼通過
周波数信号はノイズを含んでいるので狭バンドパスフィ
ルタ22を通過させ、ノイズを除去する。
【0030】1次の翼通過周波数信号はオッシロスコー
プ24に送られ、正弦波として表示される。次に、狭バ
ンドパスフィルタ22を通過した1次の翼通過周波数信
号は位相変換器23へ送られる。位相変換器23におい
て、位相が変えられた1次の翼通過周波数信号となる。
位相は位相変換器23に手動ダイアルを取付けて手動に
て変えるようにしてもよいし、別途騒音を測定し騒音測
定結果に基づいて騒音が最小になるように自動的に調整
されるようにしてもよい。位相が調整された1次の翼通
過周波数信号はオッシロスコープ24に送られ、同様に
正弦波として表示される。
【0031】位相変換器23を通過した位相調整後の1
次の翼通過周波数信号は増幅器25へ送られ、さらに増
幅器25から圧電結晶駆動増幅器26を経て、多層圧電
加振器27Aへ送られ、多層圧電加振器27Aは1次の
翼通過周波数で加振される。この場合の、加振加速度は
最適値を実験で求めて、その実験で求められた最適値を
採用するとよい。また、加振加速度は騒音が最小となる
ように自動的に調整されるようにしてもよい。
【0032】図1の翼通過周波数信号収録系では1次の
翼通過周波数信号を収録する場合を前提に示されている
が、実際には反射型センサ21を同時にロータ1回転に
つき、各羽根の通過を感知し、羽根枚数である12のパ
ルスを発生させるだけでなく、パルスとパルスの時間的
中間時点でもう一つのパルスを発生させ、1秒間当たり
のパルスの数が2次の翼通過周波数(BPF2)に等し
くなるような信号を同時に発生させるようにしてある。
【0033】2次の翼通過周波数信号もノイズを含んで
いるので狭バンドパスフィルタ22を通過させ、ノイズ
を除去するとよい。2次の翼通過周波数信号をオッシロ
スコープ24に送り、正弦波として表示されるようにす
る。次に、狭バンドパスフィルタ22を通過した2次の
翼通過周波数信号を位相変換器23へ送り、位相変換器
23において、位相が変えられた2次の翼通過周波数信
号とする。位相が調整された2次の翼通過周波数信号は
オッシロスコープ24に送られ、同様に正弦波として表
示されるようにする。
【0034】位相変換器23を通過した位相調整後の2
次の翼通過周波数信号を増幅器25へ送り、さらに増幅
器25から圧電結晶駆動増幅器26を経て、多層圧電加
振器27Bへ送る。
【0035】多層圧電加振器27A、Bを、騒音を発生
させる送風機4(図1の図上左側に部分正面断面図を示
す。)舌部に取付けて舌部が振動するようにしてあるの
で、発生する騒音と舌部の表面の振動による空気振動が
干渉しあって騒音の低減化が達成された。反射型光電セ
ンサをさらにロータ1回転につき、36のパルスを発生
させ1秒間当たりのパルスの数が3次の翼通過周波数
(BPF3)に等しくなるような信号を発生させ、BP
F1、BPF2と同様の信号処理を行いBPF2の周波
数を有する振動とBPF3の周波数を有する振動を合成
して合成振動とし、この合成振動を多層圧電加振器27
Bが起こすようにしてもよい。
【0036】さらに、図1に示すように、多層圧電加振
器27Aが取り付けられた舌部頂点14Aの振動部16
A(図1に不図示、図5参照)にはピエゾトロン加速度
計33Aが取り付けられており、多層圧電加振器27A
によって起こされた振動部16Aの振動の加速度が検出
され、これらの二つの信号は電源・結合部34を経て増
幅され、デジタルマルチメータ35、FFT周波数分析
器36に送られ表示される。なお、デジタルマルチメー
タ35は振動のオーバーオール値(rms値)をモニタ
ーしている。
【0037】図1には図示しないが、多層圧電加振器2
7Bが取り付けられた舌部下面14Bの振動部16B
(図1に不図示、図5参照)にはピエゾトロン加速度計
33Bが取り付けられており、多層圧電加振器27Bに
よって起こされた振動部16Bの振動の加速度が検出さ
れ、これらの二つの信号は電源・結合部34を経て増幅
され、デジタルマルチメータ35、FFT周波数分析器
36に送られ表示される。
【0038】なお、図1において、多層圧電加振器27
Aはピエゾトロン加速度計33Aの鉛直方向上側に取り
付けれているように示されているが、実際には多層圧電
加振器27Aは、ピエゾトロン加速度計33Aの近傍の
位置であってピエゾトロン加速度計33Aをロータの長
手中心軸に平行な方向に僅かに移動した位置に配置され
ている。
【0039】また、送風機4のベルマウス12部の入り
口中心の先端からロータの延長方向に1m離れた所に可
変容量マイクロフォン31を設置して騒音を測定し、測
定された騒音は、測定増幅器32を経て、デジタルマル
チメータ35及びFFT周波数分析器36に送られ表示
される。なお、デジタルマルチメータ35は騒音のオー
バーオール値(rms値)をモニターしている。
【0040】ピエゾトロン加速度計33A、Bにより、
多層圧電加振器27A、Bによる振動部16A、Bを加
振する振動の加速度が検出され、振幅を縦軸にとり、時
間を横軸にとった曲線が正弦曲線になることの仮定か
ら、速度と最大振幅と周波数が求められ、振動部16A
の振動周波数がBPF1、振動部16Bの振動周波数が
BPF2であることが確認できた。また、可変容量マイ
クロフォン31により測定された騒音を周波数分析する
ことにより、騒音のBPF1成分、BPF2成分の騒音
が乱流による騒音のレベルまで下がっていることが確認
できた。
【0041】なお、図1に示すように羽根車出口とケー
シング内側との隙間は舌部側のロータ中心を通る水平方
向で55mm、反舌部側の同水平方向で166mm、ベ
ース1側のロータ中心を通る鉛直方向が112mm、反
ベース側の同鉛直方向が220mm、吐出ノズル先端と
ロータ中心を通る鉛直線との水平方向距離が410mm
である。
【0042】図3と図4に示す送風機4の回転数を、1
000rpmから3000rpmまでの範囲で段階的に
変え、さらに多層圧電加振器27Bのみにより翼通過周
波数の2次の成分の加振を行った場合(ASC on)
と、多層圧電加振器による加振を全く行わない場合(A
SC off)の騒音測定を行い、その結果を図6、図
7、図8、及び図9に示す。なお、駆動機は図6〜図8
の場合は、適宜その駆動回転数の変更が可能な駆動機に
置き換えるか、電源周波数を変えるかの対策がなされて
いる。
【0043】図6(A)は横軸に周波数f(単位はH
z)、縦軸に騒音圧力レベル(単位はdB)をとった外
部騒音パワスペクトルを示し、実線部が能動騒音制御
(ASC、Active Sound Control)を行った場合
(onの場合)、破線部が能動騒音制御を行わない場合
(offの場合)を示している。実線部と破線部が重な
っている部分は実線で示されている。この場合の羽根車
の回転数は1000rpmで2次の翼通過周波数は40
0Hzである。図中、破線で示された400Hzにおけ
る2次モードのピークが、実線ではなくなっており、4
00Hzにおける騒音の圧力レベルは59.4dBから
43.0dBに16.4dBだけ減少し、ほぼ、乱流に
よる騒音の成分のスペクトルの中に埋没する程度の減音
効果が得られた。
【0044】図6(B)は同様の回転数において、多層
圧電加振器27Bにより周波数を400Hzとして一定
に保ち、加速度すなわち振幅を変えたときの騒音減衰量
の変化を示している。横軸は加速度aを重力加速度gで
割った値の常用対数をとりそれに20を掛けた値(単位
はdB)(以後、加振加速度比a/gという。)、縦軸
は騒音減衰量(単位はdB)を示す。加振加速度比a/
gの最適値は2.1dBであり、騒音は16.4dB減
少し、舌部の加振加速度に最適値があることがわかる。
【0045】同様に、図7(A)、図7(B)は2次の
翼通過周波数が500Hzの場合で、500Hzにおけ
る騒音の圧力レベルは59.8dBから40.9dBに
18.9dBだけ減少し、このときの加振加速度比a/
gの最適値のデシベル値は10dBである。よって、回
転数を変えても騒音減衰の効果があることがわかる。
【0046】図8(A)、図8(B)は2次翼通過周波
数が800Hzの場合で、800Hzにおける騒音レベ
ルは78.6dBから60dBに18.6dBだけ減少
し、このときの加振加速度比a/gの最適値は21.4
dBである。
【0047】図9(A)、図9(B)は2次翼通過周波
数が1200Hzの場合で、1200Hzにおける騒音
レベルは85dBから69.5dBに15.5dBだけ
減少し、このときの加振加速度比a/gの最適値は2
0.5dBである。
【0048】図6から図9までにおいて、2次翼通過周
波数の騒音が低減されたことを示しているが、1次の翼
通過周波数の騒音についても同様に、1次の翼通過周波
数で加振器により騒音が低減される。ただし、通常はそ
の次数の翼通過周波数の騒音を卓越して発生させる舌部
表面をその次数の翼通過周波数で位相が180度ずれた
振動を起こさせるように加振する。この場合は1次の翼
通過周波数で舌部頂点を加振するとよい。
【0049】図10(A)、図10(B)に、(1)舌
部頂点14Aの多層圧電加振器27Aによって2次の翼
通過周波数で加振し、さらに舌部下面14Bの多層圧電
加振器27Bによって2次の翼通過周波数で加振した場
合の騒音減衰量と、(2)舌部頂点14Aの多層圧電加
振器14Aによって翼通過周波数で加振した場合の騒音
減衰量と、(3)舌部下面14Bの多層圧2次の電加振
器14Bによって2次の翼通過周波数で加振した場合の
騒音減衰量を示す。ここで、図中、「両方」は上記
(1)の場合を示し、「頂点」は上記(2)の場合を示
し、「下面」は上記(3)の場合を示す。
【0050】図10(A)の場合は、2次の翼通過周波
数は500Hzであり、両方加振した場合は、最大1
8.8dB減衰し、最適加振加速度比a/gは10dB
である。舌部頂点を加振した場合は、最大4.4dB減
衰し、そのときの加振加速度比a/gは18.9dBで
ある。舌部下面を加振した場合は、最大17.0dB減
衰し、最適加振加速度比a/gは8.9dBである。
【0051】図10(B)の場合は、2次の翼通過周波
数は1200Hzであり、両方加振した場合は、最大1
5.5dB減衰し、最適加振加速度比a/gは20dB
である。舌部頂点を加振した場合は、最大3.5dB減
衰し、そのときの加振加速度比a/gは27.4dBで
ある。舌部下面を加振した場合は、最大19.2dB減
衰し、最適加振加速度比a/gは28.7dBである。
【0052】図10の場合、2次の翼通過周波数で舌部
頂点を加振するより、2次の翼通過周波数で舌部下面を
加振する方が騒音減衰効果があることがわかる。
【0053】ケーシングの羽根車の出口近傍に騒音計を
取付けて騒音測定を行い、周波数分析を行った結果、舌
部の加振器を取り付けた部分が、複数の翼通過周波数ま
たはその高次の周波数のピーク値を有する騒音を発生し
ていることが検出された場合、それぞれのピーク値に対
応する騒音の振動波形を正弦波形として、例えばフィル
タを使用して電気的に取出し、取出された振動波形から
位相を180度ずらした振動波形を電気的に作り出し、
それらの振動波形を電気的に合成し、その合成された振
動で加振器の取り付け部分を振動させてもよい。例え
ば、舌部下面の騒音が翼通過周波数の2次と3次のピー
クを有する騒音を卓越して発生する場合は、2次の翼通
過周波数の騒音から180度ずれた振動と、3次の翼通
過周波数の騒音から180度ずれた振動を合成した振動
で加振器の取り付け部分を振動させてもよい。
【0054】また、図1では反射型光電センサ21と狭
バンドパスフィルタ22を周波数発生器として使用し、
羽根車の翼通過周波数の測定データをもとに加振周波数
を発生させる構成で説明したが、特に同期電動機により
駆動した場合、または誘導電動機により駆動した場合で
負荷が安定している場合は、独立した周波数発生器によ
り周波数を発生してもよい。この場合位相を最適にする
ように制御できるようにするとよい。
【0055】本実施の形態の場合、蒸気タービン等の速
度可変の駆動機により駆動される送風機に適用したとき
は、送風機の回転数が変化した場合は、能動騒音制御の
ための加振周波数は回転数変化に従って自動的に変化す
るので、騒音を有効に減衰させることができる。
【0056】図11に模式的に示すように、吐出部がス
プリタベーン43を有する二重ボリュート構造になって
いる送風機の場合は、舌部は吐出ノズル13の一部を構
成する舌部41と、吐出ノズル13から遠い舌部42の
2箇所となる。そこで、この場合舌部41の舌部頂点4
1Aと舌部下面41B、同様に舌部42の舌部頂点42
Aと典型的には舌部内面42Bに加振器(不図示)を付
けるとよい。ここで、舌部42はスプリタベーン43の
上流側の先端部であり、舌部内面42Bはスプリタベー
ン43の舌部42近傍の表面上であって羽根車9に近い
方の側面である。
【0057】場合によっては加振器をスプリタベーン4
3の舌部42近傍の表面上であって羽根車9から遠い方
の側面に取り付けてもよい。
【0058】なお、以上の説明において送風機として記
述してあるものは、送風機に限らず吐出圧力が1kg/
cm2g以上である圧縮機であってもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、舌部に翼
通過周波数の整数倍(1、2・・)で舌部を加振する加
振器を備えたので、騒音減衰のための振動エネルギを大
きくすることができ、騒音レベルを効果的に減衰させる
ことがことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送風機に設けられたデータ収録系と加
振系の構成結線図である。
【図2】本発明の送風機を用いた送風機装置の正面図で
ある。
【図3】本発明の送風機の仕様を表した表である。
【図4】本発明の送風機の仕様を表した表である。
【図5】多層圧電加振器の舌部への配置を示した図であ
る。
【図6】図6はBPFの2次の周波数が400Hzの場
合であり、(A)は、外部騒音パワスペクトルの騒音制
御の有無による変化を表したグラフである。(B)は、
加速度比に対する騒音減衰量の変化を表したグラフであ
る。
【図7】図7はBPFの2次の周波数が500Hzの場
合であり、(A)は、外部騒音パワスペクトルの騒音制
御の有無による変化を表したグラフである。(B)は、
加速度比に対する騒音減衰量の変化を表したグラフであ
る。
【図8】図8はBPFの2次の周波数が800Hzの場
合であり、(A)は、外部騒音パワスペクトルの騒音制
御の有無による変化を表したグラフである。(B)は、
加速度比に対する騒音減衰量の変化を表したグラフであ
る。
【図9】図9はBPFの2次の周波数が1200Hzの
場合であり、(A)は、外部騒音パワスペクトルの騒音
制御の有無による変化を表したグラフである。(B)
は、加速度比に対する騒音減衰量の変化を表したグラフ
である。
【図10】舌部の加振位置による騒音減衰の効果を比較
するグラフである。
【図11】二重ボリュート構造の送風機の場合の舌部を
説明するケーシングの模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ベース 2 誘導電動機 3 トルクメータ 4 送風機 5 第1の基礎 6 第2の基礎 7 無音響壁 8 ケーシング 9 羽根車 10 吸込ノズル 11 スペーサ 12 ベルマウス 13 吐出ノズル 14 舌部 14A 舌部頂点 14B 舌部下面 15A、15B 隙間 16A、16B 振動部 17A、17B 膜 18 翼 19 吐出流路 21 反射型光電センサ 22 狭バンドパスフィルタ 23 位相変換器 24 オッシロスコープ 25 増幅器 26 圧電結晶駆動増幅器 27A、27B 多層圧電加振器 31 可変容量マイクロフォン 32 測定増幅器 33A、33B ピエゾトロン加速度計 34 電源・結合部 35 デジタルマルチメータ 36 FFT周波数分析器 41 舌部 41A 舌部頂点 41B 舌部下面 42 舌部 42A 舌部頂点 42B 舌部内面 43 スプリッタベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田 英輔 東京都田無市西原町4−3−45、8−505 Fターム(参考) 3H022 AA02 BA02 CA48 CA50 CA51 CA56 DA11 3H034 AA02 AA11 BB02 BB06 CC04 DD09 DD24 DD26 DD28 DD30 EE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼を有する羽根車と;前記羽根車の回転
    により吐出される気体を流す吐出流路と;前記吐出流路
    中に配置された舌部と;前記舌部に取り付けられ、前記
    舌部を翼通過周波数の整数倍で加振する加振器とを備え
    たことを特徴とする;送風機。
  2. 【請求項2】 前記舌部は、静止部と前記静止部から振
    動的に分離された振動部を含んで構成され、前記振動部
    に前記加振器が取り付けられている請求項1に記載の送
    風機。
  3. 【請求項3】 翼通過周波数の整数倍の周波数のなかか
    ら少なくとも2以上の周波数を選択し、前記選択された
    周波数で前記加振器が加振するように構成された請求項
    1または請求項2に記載の送風機。
  4. 【請求項4】 前記加振器は圧電素子を含んで構成され
    ている請求項1から請求項3のいずれかに記載の送風
    機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6643129B2 (en) 2001-07-05 2003-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Cooling unit including fan and plurality of air paths and electronic apparatus including the cooling unit
WO2015140546A1 (en) * 2014-03-20 2015-09-24 Johnston Sweepers Limited Centrifugal fan assembly for road sweeping machines
CN114033720A (zh) * 2021-10-20 2022-02-11 中核核电运行管理有限公司 一种风机底座、风机整体设备和风机振动控制方法

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